(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
【化1】
(式中、
aは、少なくとも20であり、b及びcのうちの少なくとも1つは、少なくとも1であり、
Xは、酸素又は窒素であり、
R
1は、共有結合、又はアルキレン若しくはアリーレンを含む二価(ヘテロ)ヒドロカルビル基であり、前記アルキレンは、任意に、1つ以上のカテナリーエーテル酸素原子で置換されてもよく、例えば、「−O−R
13−O−R
14−(式中、R
13及びR
14は、アルキレンである)であり、
Silは、ポリジオルガノシロキサンであり、
各xは、1又は2である)の新規シリコーン官能化コポリマーを提供する。
【0014】
大部分の実施形態では、シリコーン官能化コポリマーの置換度は、得られるコポリマー中のSil基の重量パーセントが、0.1重量%超〜70重量%未満になるような置換度である。
【0015】
式Iのコポリマーは、一般的に白金触媒によって触媒される、ペンダント不飽和基を有するイソブチレン/イソプレンコポリマーのヒドリドポリジオルガノシロキサンによるヒドロシリル化によって一般的に調製される。ペンダント不飽和基を有する出発イソブチレン/イソプレンコポリマーは、求核性官能基を有する不飽和化合物によってハロゲン化イソブチレン/イソプレンコポリマーを求核置換することによって調製することができる。
【0016】
ペンダントフリーラジカル重合性エチレン性不飽和基を有するイソブチレン/イソプレンコポリマーは、ハロゲン化ブチルゴムに由来してもよく、一般式:
【0017】
【化2】
(式中、aは、少なくとも20であり、b及びcのうちの少なくとも1つは、少なくとも1であり、Qは、多価連結基であり、Zは、ペンダントフリーラジカル重合性エチレン性不飽和基である)のものであってよい。
【0018】
より具体的には、−Q−Z部分は、次式:
【0019】
【化3】
(式中、
X
1は、−O−、−O
2C−、−NR
10−(式中、R
10は、H又はC
1〜C
4アルキルである)又は−R
8−C(R
9)=CR
92であり、R
8は、多価飽和又は不飽和アルキレン又はアリーレンであり、各
9は、独立して、H又はC
1〜C
4アルキルから選択され、R
5基のうちの任意の2つは、一緒になって炭素環を形成してもよく、qは、1又は2である)のものであってよい。
【0020】
式IIのコポリマーは、一般的に、ハロゲン化ポリ(イソブチレン−コ−イソプレン)を含む市販のハロゲン化PIBの求核置換によって調製される。あるいは、非ハロゲン化PIB系材料をハロゲン化し、次いで、その後置換してもよい。これらの材料におけるハロゲン部分は、ペンダントエチレン性不飽和基の導入を可能にする。
【0021】
反応スキームは、「求核エチレン性不飽和化合物」、少なくとも1つの求核性官能基及び少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する有機化合物(以後「求核性不飽和化合物」)との置換反応を含む。不飽和基は、ビニル、アリル、又はアリルオキシを含むアルケニルであってもよく、求核性官能基は、アミノ、カルボキシル、又はヒドロキシ基であってもよい。カルボキシル基は、ヒドロキシル又はアミンよりも求核性が低いので、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド等の相間移動触媒を使用することによって求核置換を促進してもよい。
【0022】
幾つかの実施形態では、求核性不飽和化合物は、ヒドロキシル基と、植物材料に由来するテルペンアルコール及び酸を含む、1つ以上の不飽和基を有するポリ不飽和化合物である。他の実施形態では、求核性不飽和化合物は、リノール酸、リノレン酸、及びアラキドン酸等の不飽和脂肪酸に由来するカルボキシ化合物等の、1つ以上の不飽和基を有するカルボキシ基から構成される。
【0023】
テルペンアルコール及び酸は、五炭素イソプレン単位に基づき、且つ一級、二級、若しくは三級であり得る少なくとも1つのヒドロキシル、又はカルボン酸基を有する、明確に定義された部類の化合物である。テルペンアルコール及び酸は、10〜40個の炭素原子を含有する、植物由来の非環式、又は単環式、二環式、又は三環式、モノオレフィン系又はポリオレフィン系不飽和アルコールである。テルペンアルコール及び酸は、その構造が幾つかのヒドロキシル又はカルボキシル官能性も含むということを除いて、テルペン炭化水素に構造的に類似する。テルペンアルコール及び酸は、精油中に見出されてもよく、一般的に、商業的供給元を通じて入手可能である。
【0024】
不飽和脂肪族テルペンアルコールの例としては、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ヒドロキシシトロネロール、リナロール、α−テルペノール、ボルネオール、イソボルネオール、テルピネン−4−オール、リモネン−4−オール、カルベオール、ラバンジュロール、メントール、8−p−シメノール、シス−ピナノール、トランス−ピナノール、ジヒドロミルセノール、ミルセノール、ジヒドロリナロール、イソメントール、ネオメントール、イソプレゴール、トランス−p−メンタン−3,8−ジオール、イソボルネオール、グロブロール、セドロール、メントール、ソブレロール、ウンベルロール、ネロリドール、ピナンジオール、ファルネソール、フェンキルアルコール、オイゲノール、フィトール、イソフィトール、フィタントリオール、ベルベノール、トランス−ピノカルベオール、カルベオール、ノポール、シメノール(cimenol)、ピペリトール、アネトール、カンフェノール、リモネノール(limonenol)、アビエチルアルコール、ヒドロアビエチルアルコール、2−ヒドロキシ−メチル−5−ノルボルネン、6,6−ジメチルビシクロ(3,1,1)−2−ヘプテン−2−エタノール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。理解されるように、対応するアミン又はカルボキシル置換テルペンを使用してもよい。
【0025】
このような実施形態では、求核性不飽和化合物がテルペンアルコール又は酸に由来する場合、この開示は、再生可能資源に由来する接着剤組成物を提供する。油及び付随する石油由来製品の価格上昇により、多くの接着製品の価格及び供給が急変する。石油系原材料の全て又は一部を、植物等の再生可能資源に由来するものに置き換えることが望ましいが、その理由は、このような材料にすることで比較的安価になり、それ故、経済的且つ社会的に有益だからである。したがって、このような植物由来材料の必要性はますます高まっている。
【0026】
幾つかの実施形態では、有用な不飽和求核性化合物としては、次式:
【0027】
【化4】
(式中、
X
1は、−O−、−O
2C−、−NR
10−(式中、R
10は、H又はC
1〜C
4アルキルである)、又は−R
8−C(R
9)=CR
92であり、R
8は、多価飽和又は不飽和アルキレン又はアリーレンであり、各R
9は、独立して、H又はC
1〜C
4アルキルから選択され、R
9基のうちのいずれか2つは、一緒になって、多くのテルペンアルコールにおいて見出されるような炭素環を形成してもよく、qは1又は2である)のものが挙げられる。好ましくは、qは、1超である。得られる求核性ポリ不飽和化合物は、コポリマーに複数の架橋部位を追加することを可能にする。
【0028】
【化5】
式中、
X
1は、−O−、−O
2C−、−NR
10−(式中、R
10は、H又はC
1〜C
4アルキルである)、又は−R
8−C(R
9)=CR
92であり、R
8は、多価飽和又は不飽和アルキレン又はアリーレンであり、各R
9は、独立して、H又はC
1〜C
4アルキルから選択され、R
9基のうちのいずれか2つは、一緒になって、多くのテルペンアルコールにおいて見出されるような炭素環を形成してもよく、qは1又は2であり、
Halは、ハロゲン化物等の脱離基であり、好ましくは臭化物であり、
aは、少なくとも20であり、b及びcのうちの少なくとも1つは、少なくとも1である。
【0029】
上記スキームにおいて見られるように、ペンダントフリーラジカル重合性エチレン性不飽和基を有するイソブチレンコポリマーは、ハロゲン化イソブチレンコポリマーを求核性エチレン性不飽和化合物で求核置換することによって調製される。記載したSn2置換に加えて、ハロゲン化物のアリル置換が生じる場合もある。ハロゲン化物脱離基の全て又は一部が、式IVの化合物によって置換されてよい。
【0030】
カルボン酸基等の強求核基を有しない式IIIの化合物については、相間移動触媒の使用によって置換が促進される。一般的な反応条件下で安定且つ有効である、このような触媒のいずれを使用してもよい。テトラ−n−ブチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物が特に好ましい。一般的に、式IIIの化合物は、ハロゲン化物基(スキーム1におけるHal)の量に対してモル過剰になるように添加される。最も頻繁には、ペンダントハロゲン化物基の等量と求核基のモル数との比は、約0.5〜1.5:1であり、相間移動触媒と塩基との重量比は、約0.01〜0.3:1である。
【0031】
式IVの化合物としては、ポリオールの末端モノ−、ジ−又はポリ不飽和エーテルが挙げられ、例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、カプロラクトン変性ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ビスフェノール−A、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、テトラエチレングリコール、トリシクロデカンジメチノール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセロール、ペンタエリスリトール、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートである。
【0032】
有用な求核性不飽和化合物としては、アリルアルコール、メタリルアルコール、アリルオキシエチルアルコール、2−アリルオキシメチルプロパノール(ジメチロールエタン由来)、及び2,2−ジ(アリルオキシメチル)ブタノール(トリメチロールプロパン由来)等のヒドロキシアルケンに加えて、対応するアミン、特に、ジアリルアミンが挙げられる。
【0033】
次いで、式IVの化合物による求核置換の生成物をヒドロシリル化して、必要なポリシロキサンペンダント基を提供する。ペンダントフリーラジカル重合性エチレン性不飽和基を有するイソブチレンコポリマーを、次式:
【0034】
【化6】
(式中、
R
3は、それぞれ独立して、アルキル又はアリール基であり、
R
5は、アルキル、アリール、又は−Si(R
3)
2R
5であり、
R
6は、アルキル、アリール、又は−Si(R
3)
2R
5であり、
zは、0〜20、好ましくは1〜75であり、
yは、少なくともであり、
前記R
5又はR
6基のうちの少なくとも1つは、Hである)のヒドリドポリジオルガノシロキサンと反応させてよい。好ましくは、末端R
5基は、Hである。
【0035】
式V等のケイ素が結合した水素を含有する化合物と脂肪族不飽和を含有する化合物との間のヒドロシリル化のための触媒として、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、又は白金の様々な錯体を使用することが、多くの特許に教示されている。例えば、米国特許第4,288,345号(Ashbyら)には、ヒドロシリル化反応用の触媒として、白金−シロキサン錯体が開示されている。更なる白金−シロキサン錯体は、米国特許第3,715,334号、同第3,775,452号、及び同第3,814,730号(Karstedtら)にヒドロシリル化反応用触媒として開示されている。米国特許第3,470,225号(Knorreら)には、実験式:PtX
2(RCOCR’COR”)
2(式中、Xはハロゲンであり、Rはアルキルであり、R’は水素又はアルキルであり、R”はアルキル又はアルコキシである)の白金化合物を用いて、ケイ素が結合した水素を含有する化合物を、少なくとも1つの非芳香族二重又は三重炭素−炭素結合を含有する有機化合物に付加することによる有機ケイ素化合物の生成について開示されている。
【0036】
先の特許に開示されている触媒は、高い触媒活性を特徴とする。前述の熱活性化付加反応を加速させるための他の白金錯体としては、式:(PtCl
2C
3H
6)
2を有するプラチナシクロブタン錯体(米国特許第3,159,662号、Ashby);白金塩及びオレフィンの錯体(米国特許第3,178,464号、Pierpoint);塩化白金酸とアルコール、エーテル、アルデヒド又はこれらの混合物とを反応させることにより調製される白金含有錯体(米国特許第3,220,972号、Lamoreaux);トリメチルプラチナヨウ化物及びヘキサメチルジプラチナから選択される白金化合物(米国特許第3,313,773号、Lamoreaux);ヒドロカルビル又はハロヒドロカルビルニトリル−白金(II)ハロゲン化物錯体(米国特許第3,410,886号、Joy);ヘキサメチル−ジピリジン−ジプラチナヨウ化物(米国特許第3,567,755号、Seyfriedら);塩化白金酸と15個以下の炭素原子を有するケトンとの反応から得られる白金硬化触媒(米国特許第3,814,731号、Nitzscheら);一般式:(R’)PtX
2(式中、R’は、2つの脂肪族炭素−炭素二重結合を有する環状炭化水素ラジカル又は置換環状炭化水素ラジカルであり、Xは、ハロゲン又はアルキルラジカルである)を有する白金化合物(米国特許第4,276,252号、Kreisら);白金アルキン錯体(米国特許第4,603,215号、Chandraら);白金アルケニルシクロヘキセン錯体(米国特許第4,699,813号、Cavezzan);及び水素化ケイ素又は水素化シロキサンと、白金(0)又は白金(II)錯体との反応により提供されるコロイド状ヒドロシリル化触媒(米国特許第4,705,765号、Lewis)が挙げられる。
【0037】
これら白金錯体及び多くの他のものは、ヒドロシリル化を加速するプロセスにおいて触媒として有用であるが、これら化合物の間での紫外線又は可視光活性化付加反応を促進するプロセスが場合によっては好ましい場合がある。例えば、白金アゾ錯体(米国特許第4,670,531号、Eckberg);(η
4−シクロオクタジエン)ジアリール白金錯体(米国特許第4,530,879号、Drahnak);及び(η
5−シクロペンタジエニル)トリアルキル白金錯体(米国特許第4,510,094号、Drahnak)等の、紫外線活性化ヒドロシリル化反応を開始させるために用いることができる白金錯体が開示されている。紫外線で硬化し得る他の組成物としては、米国特許第4,640,939号及び同第4,712,092号、並びに欧州特許出願第0238033号に記載されているものが挙げられる。米国特許第4,916,169号(Boardmanら)には、可視光で活性化されるヒドロシリル化反応が記載されている。米国特許第6,376,569号(Oxmanら)には、ケイ素が結合した水素を含有する化合物と脂肪族不飽和を含有する化合物との化学線活性化付加反応のためのプロセスが記載されており、上記付加は、ヒドロシリル化と呼ばれ、改良点には、(η
5−シクロペンタジエニルη)トリ(σ−脂肪族)白金錯体を白金ヒドロシリル化触媒として使用すること、及び化学線、即ち約200nm〜約800nmの範囲の波長の光を吸収可能なフリーラジカル光反応開始剤を反応促進剤として使用することが含まれる。また、このプロセスは、化学線を吸収し、且つ化学線に曝露されたときにヒドロシリル化反応が開始するように、前述の白金錯体又は白金錯体/フリーラジカル光反応開始剤の組み合わせにエネルギーを移動できる化合物を、増感剤として使用することも可能である。このプロセスは、低分子量化合物の合成と、高分子量化合物、即ちポリマーの硬化の両方に適用可能である。
【0038】
記載した通り、ヒドロシリル化は、−CH
2CH
2−Si−連結を導くことが理解される。
【0039】
式Vのヒドリドポリオルガノシロキサンは、一般的に、式Iのコポリマーを生成するためにスキーム1の生成物のペンダント不飽和基のモル量と等モル量で用いられる。
【0040】
上記反応スキームの代わりに、ハロゲン化ブチルコポリマーを、まず不飽和基で官能化し、次いで、ヒドロシリル化する場合、ハロゲン化ブチルコポリマーを、次式:
H−X−R
1−Sil, VI
(式中、
R
1は、共有結合、又は二価(ヘテロ)ヒドロカルビル基であり、
Silは、ポリジオルガノシロキサンである)の求核性官能基を有するポリシロキサンと反応させてよい。
【0041】
幾つかの好ましい実施形態では、ハロゲン化ブチルコポリマーを、次式:
【0042】
【化7】
(式中、
X
2は、−O−又は−NR
12−(式中、R
12は、H又はC
1〜C
4アルキルである)であり、
R
11は、任意に1つ以上のカテナリーエーテル酸素原子を含有するC
2〜C
12アルキレン、例えば、アルキレンオキシアルキレンであり、
R
3は、それぞれ独立して、アルキル又はアリール基であり、
R
5は、アルキル、アリール、又は−Si(R
3)
2R
5であり、
R
6は、アルキル、アリール、又は−Si(R
3)
2R
5であり、
zは、0〜200、好ましくは1〜75であり、
yは、少なくとも3である)の求核性シランと反応させてよい。
【0043】
幾つかの特に好ましい実施形態では、式VIIの化合物は、次式:
【0044】
【化8】
(X
2は、−O−又は−NR
12−(式中、R
12は、H又はC
1〜C
4アルキルである)であり、
R
11は、任意に1つ以上のカテナリーエーテル酸素原子を含有するC
2〜C
12アルキレン、例えば、アルキレンオキシアルキレンであり、
各R
7は、独立して、アルキルであり、zは、少なくとも10である)として選択される。
【0045】
新規コポリマーは、様々なエラストマーに対する添加剤として有用であり、式Iのシリコーン官能化コポリマー、非官能性エラストマー、及び有機溶媒を含むコーティング組成物を提供することができる。本シリコーン官能化コポリマーは、非官能性エラストマーとの相溶性がより高く、相分離する傾向が低い。
【0046】
コポリマーを配合し得る有用なエラストマーとしては、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ジエン、スチレンゴムコポリマー、アクリロニトリル、及びこれらのコポリマー又は混合物等のゴム及び熱可塑性エラストマーの両方が挙げられる。好ましくは、エラストマーは、非官能化イソブチレン(コ)ポリマー合成ゴムから選択される。非官能化イソブチレン(コ)ポリマー合成ゴムは、一般に、ポリイソブチレン主鎖又は側鎖を有する樹脂である。幾つかの実施形態では、イソブチレン(コ)ポリマーは、イソブチレンの実質的ホモポリマー、例えば、商品名OPPANOL(BASF AG)及びGLISSOPAL(BASF AG)として入手可能なポリ(イソブチレン)樹脂である。幾つかの実施形態では、イソブチレン(コ)ポリマー樹脂は、イソブチレンのコポリマー、例えば、イソブチレンが別のモノマーと共重合している合成ゴムを含む。合成ゴムとしては、大部分のイソブチレンと少量のイソプレンとのコポリマーであるブチルゴム、例えば、商品名VISTANEX(Exxon Chemical Co.)及びJSR BUTYL(Japan Butyl Co.,Ltd.)として入手可能なブチルゴムが挙げられる。合成ゴムはまた、大部分のイソブチレンとn−ブタン又はブタジエンとのコポリマーを含む。幾つの実施形態では、イソブチレンホモポリマーとブチルゴムとの混合物を用いてもよく、即ち、第1のポリイソブチレンはイソブチレンのホモポリマーを含み、第2のポリイソブチレンはブチルゴムを含む、又は第1のポリイソブチレンはブチルゴムを含み、第2のポリイソブチレンはイソブチレンのホモポリマーを含む。
【0047】
非官能化イソブチレン(コ)ポリマー合成ゴム(例えば、PIB)材料は、典型的に、アミン官能化(例えば、PIB)合成ゴム材料よりも実質的に高い分子量を有する(以下に更に記載する)。幾つかの実施形態では、非官能化イソブチレン(コ)ポリマー合成ゴム(例えば、PIB)の重量平均分子量(M
w)は、少なくとも35,000グラム/モル、少なくとも100,000グラム/モル、少なくとも250,000グラム/モル、少なくとも500,000グラム/モル、又は更には少なくとも1,000,000グラム/モルである。重量平均分子量は、典型的に、4,000,000g/モル以下である。
【0048】
非官能化イソブチレン(コ)ポリマー合成ゴムは、ホモポリマー、コポリマー、又はこれらの混合物であり得る。コポリマーは、ランダム又はブロックコポリマーであってよい。ブロックコポリマーは、ポリマーの主鎖中、側鎖中、又は主鎖及び側鎖の両方にポリイソブチレン部分を含んでよい。ポリイソブチレン材料は、典型的に、イソブチレンを単独で重合することにより、又は塩化アルミニウム、三塩化ホウ素(共触媒としての四塩化チタンと共に)若しくは三フッ化ホウ素等のルイス酸触媒の存在下で追加のエチレン性不飽和モノマー(イソプレン等)を加えてイソブチレンを重合することにより調製される。
【0049】
非官能化イソブチレン(コ)ポリマーゴムは、幾つかのメーカーから市販されている。ホモポリマーは、例えば、BASF Corp.(Florham Park,NJ)から商品名OPPANOL(例えば、OPPANOL B10、B15、B30、B50、B80、B100、B150、及びB200)として市販されている。これらポリマーは、多くの場合、約35,000〜4,000,000グラム/モルの範囲の重量平均分子量(M
w)を有する。更に他の代表的なホモポリマーは、United Chemical Products(UCP)(St.Petersburg,Russia)から様々な分子量範囲で市販されている。例えば、商品名SDGとしてUCPから市販されているホモポリマーは、約35,000〜65,000グラム/モルの範囲の粘度平均分子量(M
v)を有する。商品名EFROLENとしてUCPから市販されているホモポリマーは、約480,000〜約4,000,000グラム/モルの範囲の粘度平均分子量(M
v)を有する。商品名JHYとしてUCPから市販されているホモポリマーは、約3000〜約55,000グラム/モルの範囲の粘度平均分子量を有する。これらホモポリマーは、典型的に、反応性二重結合を有しない。非官能化(例えば、PIB)合成ゴムは、非常に低濃度の反応性二重結合、又はその重合の残留物である他の官能基を有し得ることが理解される。このような反応性二重結合又は他の官能基の濃度は、典型的には、5モル%未満、4モル%未満、3モル%未満、又は2モル%未満である。また、このようなオレフィン性不飽和は、典型的に、フリーラジカル重合を介する共有結合の形成に好適な官能基ではない。
【0050】
化合物エラストマー組成物は、0.1〜50重量%の式Iのコポリマーと、50〜99.9重量%の非官能性エラストマーとを含み得る。0.1〜30重量%の式Iのコポリマー及び70〜99.9重量%の非官能性エラストマー。
【0051】
あるいは、式Iのコポリマーは、配合される混合物のシロキサン含量が0.01〜30重量%になるような量で非官能性エラストマーに添加してよい。
【0052】
2つの成分は通常混合され、合計1〜50重量%固形分の量の好適な有機溶媒である。有用な溶媒としては、揮発性液体炭化水素溶媒(例えば、イソオクタン、オクタン、シクロヘキサン、ネオペンタン等)が挙げられ、加えて揮発性溶媒(例えば、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエン)を用いてもよい。
【0053】
シロキサン官能性イソブチレンコポリマー、非官能性エラストマー、及び溶媒を含むコーティング組成物は、従来のコーティング技術を用いて様々な可撓性及び非可撓性基材を含む任意の好適な基材にコーティングしてよい。可撓性基材は、本明細書では、テープの裏材として従来利用されている任意の材料として定義され、又は任意の他の可撓性材料であってよい。例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリメチル(メタ)アクリレート(PMMA)、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、及びエチルセルロースが挙げられるが、これらに限定されない。発泡体裏材を使用することもできる。非可撓性基材の例としては、金属、金属化ポリマーフィルム、インジウムスズ酸化物でコーティングされたガラス及びポリエステル、PMMAプレート、ポリカーボネートプレート、ガラス、又はセラミックシート材料が挙げられるが、これらに限定されない。接着剤でコーティングされたシート材料は、ラベル、テープ、サイン、カバー、標識インデックス、ディスプレイコンポーネント、タッチパネル等のような接着剤組成物を利用することが従来知られている任意の物品の形態をとることができる。微細複製された表面を有する可撓性の裏材も想到される。
【0054】
コーティング組成物は、噴霧技術、グラビア、浸漬(ディッピング)技術等が挙げられるが、これらに限定されない様々な従来のコーティング技術によってコーティングしてよい。溶媒中の固形分濃度は、乾燥の際に得られるコーティングの所望の性能を達成するのに十分でなければならない。一般的に、固体は、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、最も好ましくは1〜5重量%の濃度で溶媒中に添加される。基材の全て又は一部をコーティングしてよい。コーティング組成物を基材上に沈着させたら、溶媒を揮発させて、コーティングされた基材を得ることができる。
【0055】
また、式1のコポリマーを用いて、エラストマーと配合したときに成形物品を作製することもできる。製造プロセス中(特に、射出成形を用いる場合)、エラストマーは、一般的に、成形型の表面に付着する。結果として、エラストマーから調製される成形物品は、成形型から取り外すときに破れたり損傷したりすることが多い。また、離型剤をポリマーに配合すると、硬化組成物の物性(例えば、ムーニースコーチ、収縮率、及び圧縮永久歪み)に対して重大な悪影響を及ぼす場合があり、これは、硬化組成物の成功裏な商業的使用を制限する場合がある。成形型穴表面へのポリマーの沈着(「成形型の付着汚れ」)及び成形物品の成形型からの低剥離性は、欠陥の主な理由であり、物品の廃棄につながる(ひいては、このような物品の製造のコストがかさむ)。
【0056】
本発明の成形物品(例えば、繊維、フィルム、並びに成形及び押出成形物品、例えば、ガスケットシール及びo−リング、吹込成形物品、及び押出成形フィルム)は、例えば、官能性コポリマーとペレット化又は粉末化非官能性エラストマーとを緊密に混合し、混合物を公知の方法によって成形物品(例えば、ペレット、繊維、又はフィルム)に溶融押出成形することによって、官能性コポリマー及び非官能性エラストマーをブレンド又は他の方法で均一に混合することによって作製することができる。成分は、それ自体混合してもよく、ポリマー中のオリゴマーの「マスターバッチ」(濃縮物)の形態で混合してもよい。マスターバッチは、典型的に、約10重量%〜約25重量%の官能性コポリマーを含有する。また、官能性コポリマーの有機溶液は、粉末化又はペレット化エラストマーと混合し、混合物を乾燥させて溶媒を除去し、次いで溶融させ、所望の成形物品に押出成形してもよい。あるいは、溶融官能性コポリマー(化合物又はマスターバッチとして)は、所望の成形物品に押出成形する直前に、溶融エラストマー流に射出してブレンドを形成してもよい。
【実施例】
【0057】
略語:
・PDMS−ポリジメチルシロキサン
・BPIB−臭素化ポリイソブチレンコポリマー
【0058】
【表1】
【0059】
参照実施例1−ポリマーAの調製:
還流凝縮器、温度計、及び窒素導入口を備える3つ口丸底フラスコに、12.2gのBPIB、0.61gのUDA、0.22gのTBAB、及び48.8gのトルエンを入れた。フラスコの内容物を、窒素雰囲気下、室温にて電磁攪拌棒で攪拌した。全ての成分が完全に溶解した時点で、フラスコを105℃に加熱した。3時間後、反応物を室温に冷却した。溶液をアセトンに注いで、修飾ポリマーを凝固させた。単離したポリマーを新たなアセトンで3回洗浄して、残留UDA及びTBABを除去した。次いで、ポリマーA(10ウンデセン酸グラフト化PIB)を濾過し、真空オーブン内で12時間50℃にて乾燥させた。
【0060】
参照実施例2−ポリマーBの調製:
出発材料が14.0gのBPIB、0.37gのDAA、0.48gのTEA、及び56gのトルエンであったことを除いて、参照実施例1の手順に従ってポリマーを調製した。室温で材料を溶解させた後、反応物を3時間かけて105℃に加熱し、次いで、室温に冷却し、フラスコの内容物をフリット漏斗(孔径5マイクロメートル)で真空濾過して、反応中に形成されるHBr−TEA塩を除去した。濾液をアセトンに注いで、修飾ポリマーを凝固させた。単離したポリマーを新たなアセトンで3回洗浄して、残留DAA及びTEAを除去した。次いで、ポリマーB(ジアリルアミングラフト化PIB)を濾過し、真空オーブン内で12時間50℃にて乾燥させた。
【0061】
(実施例1)
還流凝縮器、温度計、及び窒素導入口を備える3つ口丸底フラスコに、5.0gのポリマーA、2.0gのPDMS1、0.05gの触媒、及び20.0gのトルエンを入れた。フラスコの内容物を、窒素下にて60℃で電磁攪拌棒で撹拌した。6時間後、反応物を室温に冷却し、溶液をアセトンに注いで、PDMSグラフト化ポリマーを凝固させた。単離したポリマーを新たなアセトンで3回洗浄して、未反応PDMS及び触媒を除去した。次いで、PDMSグラフト化PIBポリマーを真空オーブン内で12時間50℃にて乾燥させた。NMR分析に基づいて、PDMSグラフト化PIBポリマーは、3.2重量%のPDMSを含有していた。
【0062】
(実施例2)
出発材料が、10.0gのポリマーA、5.0gのPDMS2、0.067gの触媒、及び40gのトルエンであり、フラスコ内の反応物を60℃で24時間、窒素下にて電磁撹拌棒で撹拌したことを除いて、実施例1の手順に従ってPDMSグラフト化PIBポリマーを調製した。NMR分析に基づいて、PDMSグラフト化PIBポリマーは、21.1重量%のPDMSを含有していた。
【0063】
(実施例3)
出発材料が、10.0gのポリマーA、5.0gのPDMS1、0.042gの触媒、及び40gのトルエンであり、フラスコ内の反応物を108℃で24時間、窒素下にて電磁撹拌棒で撹拌したことを除いて、実施例1の手順に従ってPDMSグラフト化PIBポリマーを調製した。NMR分析に基づいて、PDMSグラフト化PIBポリマーは、28.0重量%のPDMSを含有していた。
【0064】
(実施例4)
出発材料が、10gのポリマーB、5.0gのPDMS2、0.067gの触媒、及び40gのトルエンであったことを除いて、実施例2の手順に従ってPDMSグラフト化PIBポリマーを調製した。NMR分析に基づいて、PDMSグラフト化PIBポリマーは、29.5重量%のPDMSを含有していた。
【0065】
実施例5−ポリマーB−2:PDMSグラフト化PIB(グラフト化PDMS:39.8重量%)
出発材料が、10gのポリマーB、7.5gのPDMS2、0.08gの触媒、及び40gのトルエンであり、フラスコ内の反応物を100℃で48時間、窒素下にて電磁撹拌棒で撹拌したことを除いて、実施例2の手順に従ってPDMSグラフト化PIBポリマーを調製した。NMR分析に基づいて、PDMSグラフト化PIBポリマーは、39.8重量%のPDMSを含有していた。
【0066】
(実施例6)
出発材料が、10gのBPIB、2.5gのPDMS3、0.16gのTBAB、及び40gのトルエンであり、フラスコ内の反応物を110℃で4時間、窒素下にて電磁撹拌棒で撹拌したことを除いて、実施例1の手順に従ってPDMSグラフト化PIBポリマーを調製した。NMR分析に基づいて、PDMSグラフト化PIBポリマーは、20.0重量%のPDMSを含有していた。
【0067】
(実施例7)
出発材料が、10.0gのBPIB、4.3gのPDMS3、0.27gのTBAB、及び40gのトルエンであったことを除いて、実施例6の手順に従ってPDMSグラフト化PIBポリマーを調製した。NMR分析に基づいて、PDMSグラフト化PIBポリマーは、29.6重量%のPDMSを含有していた。
【0068】
実施例8〜10及び比較例C1〜C3−PDMSグラフト化PIBポリマーを含有するPIB溶液の調製
ローラミル上で一晩かけて、100mLのジャー内にてPIBのみ又はPDMSグラフト化PIBを溶解させることによって、表2に示す組成を有する固形分10%の溶液を調製した。PIB/PDMSポリマーは、実施例1、4、及び7であった。
【0069】
【表2】
【0070】
実施例C1及び実施例8〜10の溶液を、15.2cm×63.5cmのポリエステルフィルムのシート(Hostaphan(登録商標)3SAB)の下塗りしてある側に、約10mil(0.25mm)の湿潤厚さになるようにナイフコーティングした。コーティングしたフィルムを70℃に設定したオーブン内で20分間乾燥させて、約1mil(0.03mm)のコーティング厚さを有するテープを得た。コーティングを23℃、相対湿度50%で24時間コンディショニングした後、摩擦係数を測定した。
【0071】
触覚摩擦試験を用いて、コーティングの摩擦係数を決定した。押型板を備える多成分動力計(MiniDyn 9269C)を用いて試験を実施した。動力計をデュアルモード増幅器(5010B)に取り付けた。両方の機器は、Kistler Instrument Corp.(Novi,MI)から入手した。試験では、押型板の表面に沿って引っ張ったときの指の横力、即ち、摩擦力に印加される垂直力に関する単位のない係数である動摩擦係数(COF)を測定した。引っ張りは、摩擦係数によって定量される2つの表面(皮膚及び硬化コーティング)間の摩擦を感覚的に評価するものである。
【0072】
コーティングされた試験材料のストリップを、取り外し可能なテープを用いて押型板の表面に取り付けた。測定するための被験体の皮膚を調製するために、マイルドな洗剤で手を洗浄して任意の表面油を除去し、紙タオルで乾かした。次いで、被験体の人指し指を、試験表面に接触する指の領域を完全に覆うように十分な脱イオン水に20秒間浸漬し、次いで、吸収性の紙タオルで乾かした。
【0073】
被験体の指を、垂直から約30°の角度で試験材料のストリップの一端に配置し、約0.5〜約10ニュートンに力を増加させながらストリップに沿って引っ張った。各パス後、被験体の指を脱イオン水に再度20秒間浸漬し、次のパスのために乾かした。このプロセスを、各試験ストリップにつき約4分間かけて8回繰り返した。垂直又は横力データを各パス毎に記録し、表3に示す通り1〜5ニュートン(1N、2N等)の垂直力における摩擦係数(COF)値に変換した。各値は、8回のパスの平均である。
【0074】
【表3】
【0075】
本開示は、以下の実施形態を提供する:
1.次式:
【0076】
【化9】
(式中、
aは、少なくとも20であり、b及びcのうちの少なくとも1つは、少なくとも1であり、
Xは、酸素又は窒素であり、
R
1は、共有結合、又は二価(ヘテロ)ヒドロカルビル基であり、
Silは、ポリジアルキルシロキサンであり、
xは、1又は2である)を有するコポリマーを含む組成物。
【0077】
2.前記コポリマー中のSil基の重量パーセントが、0.1重量%超〜70重量%未満である、実施形態1に記載の組成物。
【0078】
3.Xが酸素であり、且つxが1であるか、又はXが窒素であり、且つxが1若しくは2である、実施形態1又は2に記載の組成物。
【0079】
4.−X−R
1−が、次式:
−O−CO−R
2−(式中、R
2は、アルキレンである)を有する、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の組成物。
【0080】
5.R
1が、アルキレンである、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の組成物。
【0081】
6.R
1が、−O−R
13−O−R
14−(式中、R
13及びR
14は、アルキレンである)である、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の組成物。
【0082】
7.Silが、次式:
式:
【0083】
【化10】
(式中、
R
3は、それぞれ独立して、アルキル又はアリール基であり、
R
5は、それぞれ独立して、アルキル、アリール、又は−Si(R
3)
2R
5であり、
R
6は、それぞれ独立して、アルキル、アリール、又は−Si(R
3)
2R
5であり、
zは、0〜200、好ましくは1〜75であり、
yは、少なくとも3である)を有する、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の組成物。
【0084】
8.Silが、次式:
【0085】
【化11】
(式中、
各R
7は、独立して、アルキルであり、zは、少なくとも3である)を有する、実施形態7に記載の組成物。
【0086】
9.ペンダント不飽和基を有するイソブチレン/イソプレンコポリマーを、ヒドリドポリジオルガノシロキサンでヒドロシリル化する工程を含む、実施形態1〜8のいずれか1つに記載のコポリマーを調製する方法。
【0087】
10.前記ペンダント不飽和基を有するイソブチレン/イソプレンコポリマーが、ハロゲン化イソブチレン/イソプレンコポリマーを、求核性官能基を有する不飽和化合物で求核置換することによって調製される、実施形態9に記載の方法。
【0088】
11.前記求核性官能基を有する不飽和化合物が、不飽和アルコール、アミン、又はカルボン酸である、実施形態10に記載の方法。
【0089】
12.前記求核性エチレン性不飽和化合物が、次式:
【0090】
【化12】
(式中、
X
1は、−O−、−O
2C−、−NR
10−(式中、R
10は、H又はC
1〜C
4アルキルである)、又は−R
8−C(R
9)=CR
92であり、R
8は、多価飽和又は不飽和アルキレン又はアリーレンであり、各R
9は、H又はC
1〜C
4アルキルから独立して選択され、前記R
9基のうちのいずれか2つは、一緒になって炭素環を形成してもよい)を有する、実施形態10に記載の方法。
【0091】
13.前記ヒドリドポリジオルガノシロキサンが、次式:
【0092】
【化13】
(式中、
R
3は、それぞれ独立して、アルキル又はアリール基であり、
R
5は、それぞれ独立して、アルキル、アリール、又は−Si(R
3)
2R
5であり、
R
6は、それぞれ独立して、アルキル、アリール、又は−Si(R
3)
2R
5であり、
zは、0〜20、好ましくは1〜75であり、
yは、少なくとも10であり、前記R
5又はR
6基のうちの少なくとも1つは、Hである)を有する、実施形態9に記載の方法。
【0093】
14.実施形態1〜8のいずれか1つに記載のコポリマーと非官能性エラストマーとを含む、コーティング組成物。
【0094】
15.実施形態14に記載のコーティング組成物であって、
a)0.1〜50重量%の前記コポリマーと、
b)50〜99.9重量%の前記非官能性エラストマーと、を含む、コーティング組成物。
【0095】
16.前記非官能性エラストマーが、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ジエン、スチレンゴムコポリマー、アクリロニトリル、及びこれらのコポリマー又は混合物から選択される、実施形態13又は14に記載のコーティング組成物。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[16]に記載する。
[項目1]
次式:
【化1】
(式中、
aは、少なくとも20であり、b及びcのうちの少なくとも1つは、少なくとも1であり、
Xは、酸素又は窒素であり、
R1は、共有結合、又は二価(ヘテロ)ヒドロカルビル基であり、
Silは、ポリジアルキルシロキサンであり、
xは、1又は2である)を有するコポリマーを含む組成物。
[項目2]
前記コポリマー中のSil基の重量パーセントが、0.1重量%超〜70重量%未満である、項目1に記載の組成物。
[項目3]
Xが酸素であり、且つxが1であるか、又はXが窒素であり、且つxが1若しくは2である、項目1に記載の組成物。
[項目4]
−X−R1−が、次式:
−O−CO−R2−(式中、R2は、アルキレンである)を有する、項目1に記載の組成物。
[項目5]
R1が、アルキレンである、項目1に記載の組成物。
[項目6]
R1が、−O−R13−O−R14−(式中、R13及びR14は、アルキレンである)である、項目1に記載の組成物。
[項目7]
Silが、次式:
式:
【化2】
(式中、
R3は、それぞれ独立して、アルキル又はアリール基であり、
R5は、それぞれ独立して、アルキル、アリール、又は−Si(R3)2R5であり、
R6は、それぞれ独立して、アルキル、アリール、又は−Si(R3)2R5であり、
zは、0〜200、好ましくは1〜75であり、
yは、少なくとも3である)を有する、項目1に記載の組成物。
[項目8]
Silが、次式:
【化3】
(式中、
各R7は、独立して、アルキルであり、zは、少なくとも3である)を有する、項目7に記載の組成物。
[項目9]
ペンダント不飽和基を有するイソブチレン/イソプレンコポリマーを、ヒドリドポリジオルガノシロキサンでヒドロシリル化する工程を含む、項目1に記載のコポリマーを調製する方法。
[項目10]
前記ペンダント不飽和基を有するイソブチレン/イソプレンコポリマーが、ハロゲン化イソブチレン/イソプレンコポリマーを、求核性官能基を有する不飽和化合物で求核置換することによって調製される、項目9に記載の方法。
[項目11]
前記求核性官能基を有する不飽和化合物が、不飽和アルコール、アミン、又はカルボン酸である、項目10に記載の方法。
[項目12]
前記求核性エチレン性不飽和化合物が、次式:
【化4】
(式中、
X1は、−O−、−O2C−、−NR10−(式中、R10は、H又はC1〜C4アルキルである)、又は−R8−C(R9)=CR92であり、R8は、多価飽和又は不飽和アルキレン又はアリーレンであり、各R9は、H又はC1〜C4アルキルから独立して選択され、前記R9基のうちのいずれか2つは、一緒になって炭素環を形成してもよい)を有する、項目10に記載の方法。
[項目13]
前記ヒドリドポリジオルガノシロキサンが、次式:
【化5】
(式中、
R3は、それぞれ独立して、アルキル又はアリール基であり、
R5は、それぞれ独立して、アルキル、アリール、又は−Si(R3)2R5であり、
R6は、それぞれ独立して、アルキル、アリール、又は−Si(R3)2R5であり、
zは、0〜20、好ましくは1〜75であり、
yは、少なくとも10であり、前記R5又はR6基のうちの少なくとも1つは、Hである)を有する、項目9に記載の方法。
[項目14]
項目1〜8のいずれか一項に記載のコポリマーと非官能性エラストマーとを含む、コーティング組成物。
[項目15]
項目14に記載のコーティング組成物であって、
a)0.1〜50重量%の前記コポリマーと、
b)50〜99.9重量%の前記非官能性エラストマーと、を含む、コーティング組成物。
[項目16]
前記非官能性エラストマーが、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ジエン、スチレンゴムコポリマー、アクリロニトリル、及びこれらのコポリマー又は混合物から選択される、項目14に記載のコーティング組成物。