(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ケイ酸塩MQ樹脂及び前記ケイ酸塩MQ樹脂に分散した水を含むMQ−水クラスターであって、前記水の量が前記MQ−水クラスター全量の1重量%〜99重量%の範囲の量である、MQ−水クラスターと、
シリコーン流体と、を含む重合性シリコーン組成物であって、前記MQ−水クラスターとシリコーン流体は、連続相及び不連続相を有する逆エマルションをまとめて提供し、前記連続相は前記シリコーン流体を含んでおり、前記不連続相は前記MQ−水クラスターを含んでいる、重合性シリコーン組成物。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本出願の全体を通じて幾つかの箇所で、実施例のリストによって指針が与えられるが、これらの実施例は異なる組み合わせで使用することができる。いずれの場合も、記載される列挙は、あくまで代表的な群としてのみの役割を果たすものであって、排他的な列挙として解釈するべきではない。
【0013】
端点による数の範囲の任意の列挙には、その範囲内に包含される全ての数が含まれる(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5など)。
【0014】
用語「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つ」及び「1つ以上」は本明細書では互換的に使用される。したがって、例えば、「発泡体物品」を提供する工程を含む方法は、「1つ以上の」発泡体物品を提供する工程を含む方法を意味するものとして解釈できる。
【0015】
本発明の物品、アセンブリ、キット及び方法は、シリコーン発泡体に関する。これらの発泡体は、重合し、その後乾燥させて完成発泡体材料をもたらすことができる重合性組成物から誘導される。好ましい実施態様では、重合性組成物は、順に、少なくともケイ酸塩MQ樹脂、シリコーン流体及び任意の量の水を含む安定化シリコーンエマルションである。任意により、エマルションは、追加的にこれらに限定されないが、顔料、染料、酸化防止剤、触媒、反応開始剤、界面活性剤、粘着付与剤、可塑剤、架橋剤、充填材粒子、難燃剤、抗菌剤、レオロジー変性剤、相溶性流体、非相溶性流体、及び中空微粒子など、他の成分を含んでもよい。完成シリコーン発泡体は、一般に、上記のMQ樹脂とシリコーン流体の重合類似体を含む。
【0016】
本明細書で使用されるとき、「シリコーン」という用語は、ジアルキル又はジアリールシロキサン(−SiR
2O−)繰り返し単位を備える単位を含むポリマーを指す。シリコーン系ポリマーは、セグメント化コポリマー又はポリシロキサンポリマーであってよい。用語「シロキサン」及び用語「シリコーン」は、同義的に用いられる。
【0017】
MQ樹脂
ケイ酸塩樹脂は、特定の構造単位で構成される樹脂を含む。これらには、例えば、構造式R
3SiO−を有する一価の(「M」)単位、構造式R
2SiO
2=を有する二価の(「D」単位)、構造式RSiO
3≡を有する三価の(「T」単位)、構造式=SiO
4=を有する四価の(「Q」単位)及びこれらの組み合わせを含むことができる(式中、Rは概して、メチル(−CH
3)基又はヒドロキシル(−OH)基のいずれかである)。これらの単位は、低分子量から中分子量のシリコーン樹脂の製剤中に効率よくブロックを構築する。一般的なシリコーン樹脂としては、D−単位及びT−単位(DT樹脂)又はM−単位及びQ−単位(MQ樹脂)から構築された樹脂が挙げられる。他の多くの組み合わせ(例えば、MDT、MTQ及びQDT)も可能であり、これまでにも工業用途において使用され、かつ、提供された物品においても使用可能である。概して、これらのケイ酸塩単位を結合して、一般式R
nSiX
mO
y(式中、Rは非反応性置換基(メチル基など)であり、Xは官能基(H、OH、Cl又はORなど))を有する分枝状のかご状オリゴシロキサンを提供する。
【0018】
MQ樹脂の場合には、各M−単位は、概して、Q−単位に結合し、各Q−単位は、概して、少なくとも1つの他のQ−単位に結合する。MQ樹脂は、物理発泡剤として、水と共に発泡用に使用することができる特定の性質を有することが判明した。好ましい実施態様では、MQ樹脂の少なくともいくらかは、以下のとおり、M−単位及びQ−単位を含む三次元のケイ酸塩網状組織を構成し、
【0019】
【化1】
式中、R’、R’’、及びR’’’のそれぞれは、メチル基又はヒドロキシル基のいずれかであり、R’、R’’、及びR
3’’’の少なくとも1つはヒドロキシル基である。上記のM−単位では、例えば、正確に1つのR’、R’’、及びR’’’は、ヒドロキシル基であり、残りの2つはメチル基である。あるいは、R’、R’’及びR’’’の2つは確実にヒドロキシル基であり、残りの1つはメチル基であってもよい。更に別の代替形態として、上記R’、R’’及びR’’’の3つすべてがヒドロキシル基であってもよい。
【0020】
図1には、数字100によって示された広義の化学構造を有する例示的MQ樹脂を示す。図示されているように、構造体100は、上記に定義したとおりM−単位102及びQ−単位104を含む。
【0021】
MQ樹脂は、実質的に純性であってよい。換言すれば、MQ樹脂は、上記に定義したとおりM−単位102及びQ−単位104のみで構成することができる。しかし、このような樹脂は、その作製において制限を受けやすく、わずかに少量の不純物を含む。本態様は、発泡体中に残存する小分子が患者対して望ましくない反応を引き起こし得るため、皮膚の接触を伴う医療用途において重要であり得る。場合によっては、不純物自体は、重合性種、例えば、上記定義のD−単位又はT−単位などの他の化学的単位であってもよい。好ましい実施形態では、MQ樹脂は、かさ密度0.25g/cm
3及び平均粒径約10μmの粉末の形態で提供される。
【0022】
好ましい実施形態では、M−単位及びQ−単位102、104は、それぞれ、少なくとも約1対20、少なくとも約1対5、少なくとも約1対3、少なくとも約1対2又は少なくとも約3対5の化学量論比で存在する。
【0023】
所望であれば、MQ樹脂中のヒドロキシル基の量(又は、シラノール基)は、MQ樹脂をヘキサメチルジシラザンと反応させることによって、減少させてもよい。この反応は、トリフルオロ酢酸などの触媒を用いて促進させることができる。トリメチルクロロシラン又はトリメチルシリルアセトアミドは、触媒を必要とせずに、MQ樹脂と反応し得る。この反応の結果として、ヒドロキシル基の量は、MQ樹脂全重量を基準として、約5重量%以下、約3重量%以下、約1.5重量%以下、約1.2重量%以下、約1重量%以下まで減少させることができる。
【0024】
他の実施形態では、MQ樹脂は実質的に1つ以上の他の化学的単位(D−単位又はT−単位また他の構造単位など)で構成される共重合体を意味する場合もある。
【0025】
前述したもののような好適なケイ酸塩樹脂は、Dow Corning(Midland,MI)、Momentive Performance Materials(Columbus,OH)及びWacker Chemie AG(Munchen,GERMANY)などの製造元から入手可能である。
【0026】
更なる代替形態として、MQ樹脂は、1つ以上の他の相溶性樹脂とブレンドして、均質又は安定化させたブレンドを形成することができる。MQ樹脂と異なる相溶性樹脂としては、例えば、D−単位又はT−単位を含むケイ酸塩樹脂類が挙げられる。
【0027】
いくつかの実施形態では、MQ樹脂は粘着付与ポリマーである。例えば、MQ樹脂は、シリコーンマトリックス中に分散又は溶解させて、組成物のレオロジーを調整することができる。また、組成物中のMQ樹脂の量は、得られたシリコーン発泡体の「タック性」又は「粘着性」に影響を及ぼす可能性がある。
【0028】
シリコーン流体
シリコーン流体は、シリコーン発泡体の作製に使用される前駆体組成物の別の主要成分を示す。シリコーン流体は、好ましくは、MQ樹脂と化学的に相溶性がある重合性シリコーン流体である。シリコーン流体は、オリゴマー又はポリマーであり得る。オリゴマー類及びポリマー類としては、一般に、1つ以上の反応性シラノール基が挙げられる。好ましい実施形態では、シリコーン流体としては、シラノール−末端処理ポリジメチルシロキサンオリゴマーが挙げられる。
【0029】
ポリジメチルシロキサンオリゴマーは、好ましくは、流動性であるが、分子量の特定の範囲又は分布に限定するものではない。ポリジメチルシロキサンは、例えば、平均分子量が少なくとも約5,000g/mol、少なくとも約15,000g/mol、少なくとも約25,000g/mol、少なくとも約30,000g/mol、少なくとも約35,000g/mol、少なくとも約40,000g/molであり得る。上限では、ポリジメチルシロキサンは、例えば、平均分子量が約500,000g/mol以下、約200,000g/mol以下、約170,000g/mol以下、約160,000g/mol以下、約155,000g/mol以下、約150,000g/mol以下であり得る。本出願に好適なポリジメチルシロキサンオリゴマーとしては、Gelest Inc.(Morrisville,PA)の商標名「DMS S51」及び「DMS S33」で提供されているものが挙げられる。
【0030】
反応開始剤及び触媒
いくつかの実施形態では、反応開始剤及び触媒のうちの1つが存在してもよい。シリコーン発泡体の重合に使用する開始剤としては、光感受性開始剤又は「光開始剤」及び熱感受性開始剤(又は熱開始剤)の双方が挙げられる。
【0031】
光開始剤は、重合反応を開始させることができるラジカル、カチオン及び他の種を産出することによって、迅速にかつ効率的に光源に対して応答することができる。光開始剤を活性化するために使用される光は、例えば、紫外線又は可視光線であってよい。好ましくは、本発明で使用する光開始剤は、約200〜約800ナノメートル、より好ましくは約250〜約600ナノメートル、最も好ましくは、約250〜約450ナノメートルの範囲の波長で吸収する。
【0032】
光開始剤は、MQ−水クラスター、シリコーン流体又はその両方中に含まれてよい。当該技術分野において既知の好適な光開始剤としては、ベンジルケタール、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン、及びアシルフォスフィンオキサイドが挙げられる。特定の開始剤としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−one(DAROCUR 4265(BASF Corporation,Ludwigshafen,GERMANY)の商標名にて入手可能)と組み合わせた2,4,6−[トリメチルベンゾイルジホスフィン]オキシド;ベンジルジメチルケタール(IRGACURE 651(BASF Corporation)の商標名にて入手可能);2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−one(DAROCUR 1173(BASF Corporation)の商標名にて入手可能);2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−one(IRGACURE 907(BASF)の商標名にて入手可能);オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン](ESACURE KIP EMの商標名にてLamberti S.p.A.(Albizzate,ITALY))より入手可能)、及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE 819(BASF Corporation)の商標名にて入手可能)が挙げられる。その他の好適な開始剤としては、例えば、米国特許第5,545,676号(Palazzottoら)にて開示されたものが挙げられる。
【0033】
光開始剤又は光開始剤類は、可溶性である相の重量の少なくとも約0.05重量%、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%、少なくとも約0.3重量%又は少なくとも約0.5重量%を示してもよい。更に、光開始剤又は光開始剤類は、可溶性である相の重量の約10重量%以下、約8重量%以下、約5重量%以下、約2.5重量%以下、又は約1重量%以下を示してもよい。
【0034】
光開始剤の量が少ないと、光をエマルションに更に良く浸透させることができ、さらに深い発泡体層に重合を提供することができる。しかし、酸素含有環境下で重合を行う場合には、重合を開始させ、酸素の阻害を克服するのに十分な開始剤である必要がある。
【0035】
熱開始剤は、光開始剤の代わりに又は光開始剤に加えて、本発明のエマルション系中で使用することができる。有用な熱開始剤としては、例えば、アゾ化合物、ペルオキシド、ジアルキル及びジアシルペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ペルオキシジカルボネート、ペルオキシケタール、ペルオキシエステル、ペルオキシカルボキシレート、過硫酸カリウム、t−ブチルペルオキシソブチレート、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、及び他の酸化還元型開始剤が挙げられる。熱開始剤は、MQ樹脂又はシリコーン流体相のいずれかの中に存在することができ、また、光開始剤とは独立して含むことができる(熱重合のみに向けた系において)。
【0036】
開始剤に代えて又は開始剤に加えて、発泡体の重合反応の加速に触媒も有益であり得る。このような触媒の一例として、Sigma−Aldrich社(St.Louis MO)から入手可能な3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)が挙げられる。APTESは、ケイ酸質種と反応させて、アミノプロピル置換基を生成する。好ましくは、重合反応の加速が所望される場合、APTESはMQ樹脂と混合する。いくつかの実施形態では、開始剤を必要とせずに、APTESを使用してエマルションの室温重合を達成する。
【0037】
いくつかの実施形態では、触媒はシリコーンエマルション全量の少なくとも約0.0001重量%、少なくとも約0.005重量%、又は少なくとも約0.01重量%の量で存在する。さらに、触媒は、シリコーンエマルション全量の約5重量%、約0.5重量%、又は約0.1重量%の量で存在することができる。
【0038】
しかし、シリコーン発泡体を電子線への曝露により重合させることができるため、このような触媒又は開始剤は不要である。例示的シリコーン発泡体エマルション及びシリコーン発泡体物品は、いずれの触媒又は開始剤も実質的に含まない。
【0039】
フィラー及び添加剤
必須ではないが、本明細書の発泡体物品は、任意により、1つ以上のフィラー又はその他の添加剤を含む。有利にも、このような添加剤により、発泡体の剛性の調整の補助を行うか、又は、向上した脆砕性、強靱性及び/又は強度を提供することができる。剛性及び拡張性ミクロスフェアなど、ある種のフィラーは、それ自体及びいくつかの実施形態では発泡剤であり、提供された発泡体物品とブレンドして、さらに発泡体密度を低下させることができる。こうしたブレンド工程は、例えば、シリコーン発泡体の重合前に行うことができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、発泡体としてはガラスバブルが挙げられる。ガラスバブルは、薄いガラス壁を有する中空かつ剛性のミクロスフェアであり、通常は、平均密度0.1〜0.5g/cm
3、平均直径5〜250μmである。好ましくは、ガラスバブルは発泡体全体に均一に分散されるが、必ずしも分散されている必要はない。有用なガラスバブルには、3M社から商標「3M SCOTCHILITE GLASS BUBBLES」(例えば、等級K1、K15、S15、S22、K20、K25、S32、K37、S38HS、K46、A16/500、A20/1000及びD32/4500)で入手可能なガラスバブル、Potters Industries(モルバーン、ペンシルベニア州)から商標「Q−CELL HOLLOW SPHERES」(例えば、等級30、6014、6019、6028、6036、6042、6048、5019、5023及び5028)で入手可能なガラスバブル、及びSilbrico Corp.(ホジキンズ、イリノイ州)から商標「SIL−CELL」(例えば、等級SIL 35/34、SIL−32、SIL−42及びSIL−43)で入手可能なガラスバルブが挙げられる。シリコーンマトリックス中に含まれるガラスバブルは、米国特許第6,746,761号(Janoff)及び米国特許第6,892,817号(Janoff)に開示されている。
【0041】
本明細書に記載された発泡体物品は、任意により膨張ミクロスフェアを含み、実質的に容積の増加が可能なコア材料を取り囲む高分子シェルを特徴とする。例示的ミクロスフェアは、アクリロニトリル高分子シェルを有し、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、イソブテン、ネオペンタン又はこれらの組み合わせなどのコア材料を有する。ミクロスフェアを好適な温度まで加熱するとき、シェルは軟化し、コア材料は拡張して、膨張した高分子バブルとなる。冷却時に、シェルは再度硬化し、崩壊に耐性を示し、このためサイズの膨大したミクロスフェアが維持される。市販の膨張性ミクロスフェアには、Henkel(デュッセルドルフ、ドイツ)から商標「MICROPEARL」(例えば、等級F30、F80及びF100)で入手可能なミクロスフェア、及びAkzo−Nobelから商標EXPANCEL(例えば、「Expancel 551」、「Expancel 461」及び「Expancel 091」)で市販されているミクロスフェアが挙げられる。
【0042】
いくつかの実施形態では、提供された発泡体は、実質的にいかなるミクロスフェアも含まない。
【0043】
その他の粒子状フィラーも、添加して、発泡体材料の強度又は強靱性を上昇させることができる。これらの粒子状フィラーとしては、例えば、シリカ、酸化ジルコニウム、二酸化チタン、石英粉末、酸化アルミニウム、アルミノケイ酸塩、有機ワックス、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、脂肪族カルボン酸の塩、イソシアネートの反応生成物、アルキルアミドならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0044】
最終的に、シリコーン発泡体材料は、いくつかの非粒子状添加剤をいずれも含み得る。発泡体に有用な公知のその他の添加剤としては、例えば、粘着付与剤、可塑剤、染料、難燃剤、レオロジー変性剤及び界面活性剤が挙げられる。
【0045】
製造法
図2には、シリコーン発泡体の代表的製造方法における工程のブロック図を示す。ブロック200は、水をMQ樹脂中に分散し、安定化MQ−水クラスターを形成する第一の工程を示す。これは、好適な量の水を任意の量のMQ樹脂粉末に添加する工程、及び固体−液体混合物を撹拌して、水滴を機械的に分解する工程により達成され得る。このような攪拌は、これらに限定されないが、高速混合、ブレンド、撹拌、振盪、剪断及び超音波混合など、1つ以上の方法を用いて得られる。所望であれば、MQ樹脂の粒径を調整して、水がMQ樹脂中に取り込まれる表面積の増減を行うことができる。
【0046】
驚くべきことに、MQ樹脂は相当量の水と結合して、安定MQ樹脂/水粉体クラスター(又は「MQ−水クラスター」)を形成することができることが見出された。MQ樹脂の量に応じた水の量は、得られた発泡体材料の所望の密度に基づいて、ある程度求めることができる。いくつかの実施形態では、ケイ酸塩MQ樹脂中の水の量は、MQ−水クラスター全重量の少なくとも約70重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約1重量%、又は少なくとも約0.5重量%である。いくつかの実施形態では、ケイ酸塩MQ樹脂中の水の量は、約0.5%以下、約5%以下、約10%以下、約20%以下、約30%以下、約40%以下、約50%以下、約60%以下、約70%以下である。任意により、MQ樹脂は十分な量の水を吸収し、飽和状態のMQ−水クラスターを提供する。こうした飽和状態では、機械的攪拌を繰り返しても、MQ−水クラスターからの巨視的な相分離を誘導せずに、MQ−水クラスターに更なる水の量を添加することはできない。
【0047】
水/MQ樹脂混合物の機械的撹拌、剪断、振盪によって、水滴が肉眼で完全に見えなくなるまで、次第により小さい水滴に分解されることが観察された。得られたMQ−水クラスターは、個体粉末の特性を有するが、相当量の液体水を含む安定化相として、観察された。「安定」相の存在は、目視により、水とMQ−クラスター(又はMQ樹脂)とが分離した相に有意に戻っていないMQ−水クラスターによって、肉眼で明らかにされ得る。再現可能な発泡体の性質を得るには、周囲条件にてMQ−水クラスターが、完成シリコーン発泡体を調製するために必要な時間を上回る期間にわたって安定していることが好ましい。周囲条件とは、温度約25℃(華氏温度77F)、圧力約101キロパスカル(平方インチ当たり14.7ポンド)である環境を示す。
【0048】
いくつかの実施形態では、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約4時間、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約24時間、少なくとも約2日間、少なくとも約5日間、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、又は少なくとも約1ヶ月間周囲条件に晒した際にMQ−水クラスターは安定している。
【0049】
図2を再度参照すると、ブロック202は、MQ−水クラスターがシリコーン流体中に分散し、重合性前駆体組成物を提供する工程を示す。本明細書のように、MQ−水クラスターが固体粒子状形態にあると、前駆体組成物は逆エマルションとなる傾向にある。このようなエマルションは、例えば、水相(又は水性相)は不連続相であり、油相は連続相である、安定化油中水型エマルションの構造に類似の構造を有することができる。しかし、別の方法として、水性相及び油相は、その代わりに、二連続相エマルションを形成することができ、水相及び油相がいずれも連続相である。
【0050】
好ましい実施形態では、シリコーン流体は、好適な発泡体密度を提供するのに十分な量で存在し、安定化シリコーンエマルションを提供する。例えば、シリコーン流体は、組成物の全重量の少なくとも約99%、少なくとも約90%、少なくとも約80%、少なくとも約70%、少なくとも約60%、少なくとも約50%、少なくとも約40%、少なくとも約30%、少なくとも約20%とすることができる。同様に、シリコーン流体は、組成物の全重量の約20重量%以下、約30重量%以下、約40重量%以下、約50重量%以下、約60重量%以下、約70重量%以下、約80重量%以下、約90重量%以下、約99重量%とすることができる。
【0051】
シリコーン流体は、MQ−水クラスターを含む安定した逆エマルションを作製するにあたって、十分に流動可能である。上述のとおり、特に有用なシリコーン流体としては、MQ樹脂に部分的に又は完全に可溶性であるポリジメチルシロキサンオリゴマーが挙げられる。
【0052】
必須ではないが、触媒は、加熱するか、又は好適な範囲の波長を有する光を照射することによって、引き続き前駆体組成物の重合を可能にするために、シリコーン流体に含まれてもよい。重合反応の促進に効果的な触媒としては、概して、シリコーン流体に可溶性である。
【0053】
いくつかの実施形態では、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約4時間、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約24時間、少なくとも約2日間、少なくとも約5日間、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、又は少なくとも約1ヶ月間周囲条件に晒した際に、前駆体組成物は安定している。
【0054】
ブロック204は、熱的に前駆体組成物を発泡させ、重合し、完成シリコーン発泡体を得る(ブロック206)ための工程を示す。シリコーン発泡体の支柱は、シリコーン樹脂とMQ−樹脂の二連続混合物から誘導されるシリコーンポリマーを含む。この代表的方法では、前駆体組成物は、ブロック202の工程において得られた逆シリコーンエマルションである。
【0055】
図3には、
図2に記載されている製造方法の変形形態を示す。ブロック200と同様に、ブロック202は、好適な量の水をMQ樹脂中に分散して、安定化クラスターを形成し(ブロック300)、次いで、MQ−クラスターをシリコーン流体中に分散させて、逆エマルションを形成する(ブロック302)。次いで、ブロック304に示すとおり、逆エマルションは、支持用ウェブ上に塗布することができる。
【0056】
本明細書で使用するとき、「ウェブ」は、重合性前駆体組成物の基材の役割を果たす好適な支持フィルムを指す。ウェブは、静的又は動的であってもよい。動的である場合、前駆体組成物を支持フィルム層として塗布すると、容易にシリコーン発泡体を継続して製造(例えば、ロールからロール)することができる。所望する場合、支持フィルム(例えば、ポリエステルテレフタレート支持フィルム)は、発泡又は重合前に組成物に直接接触する。他の実施形態では、組成物は、ウェブと組成物との間に挟入されたライナ上に配置される(例えば、フルオロシリコーン剥離ライナ)。更にその他の実施形態では、両側面(「密閉型」)にライナを配置した前駆体組成物の1つの層を支持フィルムに付着させ、固定速度、例えば、約6.1m/分(20フィート/分)で付与することができる。
【0057】
ブロック306には、シリコーンエマルションを発泡させる工程を示す。この発泡工程は、例えば、MQ−水クラスターの隙間中の水の一部又はすべてを放出させることによって行われる。水が水蒸気に転換したとき、ごく小さく、顕微鏡でしか見えない気泡がエマルション中に形成され、完成シリコーン発泡体中に多数の空洞が提供されることが可能なる。気泡は、発泡体の温度又は圧力のいずれかを操作することによって誘導させることができる。
【0058】
シリコーンエマルションを高温にさらすことは、エマルションを発泡させる効果的方法となり得る。この方法は、水の沸点をわずかに上回る温度、例えば、約100℃超、約105℃超、約110℃超、約120℃超又は約130℃超で発泡体を加熱することによって達成可能である。エマルションを超える周囲空気圧に応じて、より高い温度又はより低い温度が必要になる可能性がある。また、シリコーンエマルションは、エマルションを部分真空することによって、発泡させることができる。いくつかの実施形態では、温度及び圧力のいくつかの組み合わせを使用して、本組成物の発泡を引き起こす。
【0059】
MQ−水クラスター中の水の一部又はすべてを放出させることによって、シリコーンエマルションを発泡させた後、発泡シリコーンエマルションは、ブロック306に示すとおり重合させる。重合は、エマルションのオリゴマー成分又はモノマー成分が共に架橋することによって、シリコーンポリマーを形成する化学反応である。このシリコーンポリマーは、本質的に分子の網状組織であり、ゴム状弾性を示し得る。重合方法としては、熱誘導反応及び光照射誘導反応が挙げられる。
【0060】
いくつかの実施形態では、ウェブに塗布したエマルションは、電子線(「電子ビーム」)照射により照射し、シリコーン発泡体を重合させる。電子ビームは、フリーラジカル、イオンラジカル又は他の活性化種を発生させることによって、重合を起こさせ、結合して長鎖ポリマー類を形成する。これらの使用は、更なる反応開始剤又は触媒を実質的に含まずに発泡体の重合が可能であるため、有利となり得る。本明細書で使用するとき、組成物が「有効量」の触媒又は反応開始剤を含んでいない場合、組成物は、「触媒又は反応開始剤を実質的に含まない」。有利にも、本方法により、皮膚に刺激のない用途に好適となり得る無菌かつ無害の発泡体を作製することができる。このような発泡体は、創傷包帯及びその他の医療用途において有用となり得る。また、追加の反応開始剤又は触媒が不要であると、1種以上のこれらの化学物質の結果として、発泡体材料への望ましくない色かぶりが発生する可能性が避けられる。
【0061】
電子ビーム重合に用いた手順は公知であるが、重合化の設定は、設備特定のものであり得る。当業者は、使用した設備の線量較正モデルを確定することができる。種々の市販の電子ビーム発生装置は容易に入手可能である。いくつかの実施形態では、モデルCB−300電子線発生器(Energy Sciences,Inc.(Wilmington,MA)より入手可能)で照射を実施できる。
【0062】
他の実施形態では、ウェブ塗布エマルションの重合は、ガンマ線への曝露によって得られる。有利な点として、ガンマ線照射による重合は、ガンマ線は、電子ビームよりもさらに深いエマルションに侵入することができるため、さらに厚い発泡体を提供できる。市販のガンマ照射設備は、例えば、医薬品の減菌用途などに使用されるものが挙げられる。
【0063】
電子ビーム重合とガンマ線重合とを組み合わせたものを用いて、エマルションを重合させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、電子ビーム照射への曝露により塗布部分が部分的に重合し、ガンマ線照射によりさらに重合する。電子ビーム及びガンマ線重合に関する更なる詳細は、国際公開第2010/056541号(Liuら)及び国際公開第2010/056543号(Liuら)に見出すことができる。
【0064】
一部の実施形態では、未重合材料のサンプルには1つのライナを適用することができ、この材料は反対面にはライナを備えない(「開放面」)。未重合材料は、剥離ライナを通して片面から電子線照射に曝露することができる。単層の接着剤積層型のテープを製造するためには、電子ビームを1パスすれば十分な場合がある。より厚い試料は、テープの断面全体に重合勾配を呈する場合があり、そのような場合において、未重合材料を両面から電子ビーム照射にさらすことが望ましい場合がある。電子線重合の更なる態様は、例えば、米国特許公報第2011/0206923号(Liuら)に記載されている。
【0065】
代替シリコーンエマルション重合方法は、「反応開始剤及び触媒」の項に記述したような、好適な反応開始剤、触媒又はその両方を用いる熱的手段である。シリコーンエマルションを高温にさらすことによって発泡工程も達成することができるため、シリコーンエマルションの重合の少なくともいくらかは、シリコーンエマルションの発泡と同時に行うことができる。これらのプロセスが同時に行われる場合、シリコーンポリマーゲルポイントに到達する前(すなわち、化学的に架橋された系が粘稠性液体から三次元安定化材料に転換する状態)に、エマルションが実質的に発泡する十分に緩徐な速度で重合反応が生じ得る。あるいは、発泡プロセスより早い速度で重合が生じ得る。その場合、ゲルポイントに到達した後に発泡の一部又はすべてが起こり、エマルションから水を放出するときに、発泡体のシリコーン支柱が延伸する可能性がある。
【0066】
いくつかの実施形態では、反応開始剤又は触媒は、シリコーンエマルションの形成に先立ってシリコーン流体又はMQ−水クラスターの構成成分として含まれる。好ましくは、反応開始剤又は触媒は、実質的に他のシリコーン流体(例えば、ポリジメチルシロキサン、シリコーンポリオキサミド及び補助溶剤)又はMQ水クラスターに可溶性である。1種の熱誘起重合は、シラノール(−OH)基を含むシリコーンプリポリマーの組み合わせを含む。次に、架橋はシラノール縮合を介して進行し、シロキサン架橋及び水を生成する。
【0067】
付加反応を使用して、完成発泡体物品のシリコーンポリマーを重合してもよい。他の分子の脱離を行う必要なく、オリゴマー類又はモノマー類が共に反応するとき、付加反応重合が行われる。これらの反応は、通常、高温で開始され、白金族金属など好適な触媒を伴う。一般に高温を用いて、シリコーンポリマーの架橋を活性化し、かつ水を放出させるため、重合が発泡プロセスと同時に行われ得る。好ましい実施形態では、十分に架橋が生じ、安定した発泡ミクロ構造が提供されるときまでに、シリコーンエマルションを実質的に発泡させる。
【0068】
シリコーンエマルションの重合により、ブロック310に示す完成シリコーン発泡体が提供される。任意により、発泡体中に残留している水は、オーブン内でベークすることによって除去し、乾燥した多孔シリコーン発泡体を提供することができる。
【0069】
図4には、
図3の方法で使用した工程とほぼ同じ工程を含む代替方法を示す。ちょうど今述べた方法と同様に、水をMQ樹脂中に分散させ(ブロック400)、MQ−水クラスターをシリコーン流体中に分散させて、逆シリコーンエマルションを提供し(ブロック402)、エマルションは任意により、ウェブ上に塗布する(ブロック404)。この代表的方法では、シリコーンエマルションを重合させる工程(ブロック406)とシリコーンエマルションを発泡させる工程(ブロック408)とを逆にして、シリコーンエマルションが発泡前に実質的に重合するようにする。ブロック408の発泡工程中、シリコーンマトリックスは、水から水蒸気への変換による膨張力が、重合シリコーン流体の弾性から得られる圧縮力との釣り合いのとれる全容積まで膨張する。シリコーンポリマー内に埋め込まれた空洞からの水蒸気の排気により、完成シリコーン発泡体が提供される(ブロック410)。
【0070】
代表的実施形態では、ブロック406に示すエマルションの重合により、シリコーン材料の構造的完全性を提供するのに十分なある程度の架橋が提供され、また、ブロック410に示すMQ−水クラスターから水を放出させるとき、シリコーンの少なくとも一部の非弾性変形が可能になる。引き伸ばすときのシリコーンの非弾性により、発泡体の膨張した気泡ミクロ構造を保持することができる。ブロック408の発泡プロセス中に弾性及び非弾性変形の両者の組み合わせを経験した重合構造体によってもたらされた結果によって、水蒸気を重合シリコーン発泡体から除去するときの発泡体の最終的な容積及び密度が発泡体のシリコーン支柱のある程度の弾性回復を示し得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、重合工程(ブロック406)が発泡工程(ブロック408)前に生じるときの完成シリコーン発泡体の全容積は、発泡工程(ブロック408)が重合工程(ブロック406)前に生じるときの完成シリコーン発泡体の全容積と比較して、若干少ない。したがって、前者のシリコーン発泡体の密度は、後者のシリコーン発泡体の密度よりも高い。
【0072】
上記方法の変更形態も使用可能である。例えば、シリコーン流体は、補助溶剤を更に含んでもよい。補助溶剤は、好ましくは、シリコーン流体の残存構成成分と混合し、均質の相を形成する。補助溶剤は、シリコーン成分を溶解するが、MQ−水クラスターを備えた安定シリコーンエマルションの形成を阻止することのないいくつかの溶剤から選択することができる。シリコーン流体が周囲条件下にて高粘稠であるか、又は固体様である1種以上の構成成分を含むときには、補助溶剤の添加は、特に有利である。例えば、シリコーン流体は、米国特許第5,461,134号(Leirら)及び米国特許第7,883,652号(Leirら)にて記載されているように、部分的又はすべてが共重合されたシリコーンポリ尿素又はポリオキサミドなどのシリコーンブロックコポリマーを包含してもよく、これらは純性の形態で本質的に固体であるが、トルエンなどの補助溶剤に溶解され得る。
【0073】
代表的実施形態において、シリコーン流体組成物の全重量の少なくとも約25重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約45重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約55重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%の量で補助溶剤がシリコーン流体中に存在しうる。更に、補助溶剤は、シリコーン流体組成物全量の約25重量%以下、約35重量%以下、約40重量%以下、約45重量%以下、約50重量%以下、約55重量%以下、約60重量%以下、約65重量%以下、約70重量%以下の量でシリコーン流体中に存在しうる。
【0074】
補助溶剤を混合し、シリコーン流体中に組み込まれた後、MQ−水クラスターは、上述の方法でシリコーン流体中に分散することができる。補助溶剤は、発泡工程中に水を放出させるのと同時に得られたシリコーンエマルションから放出させることができる(ブロック306、408)。
【0075】
図5には、実施例10に従って作製した代表的シリコーン発泡体500の走査型電子顕微鏡写真を示す(以下の実施例参照)。図示されるように、発泡体500は、実質的に相互連結している多数のセル550を有し、気体及び流体がバルク発泡体の中を通って浸入する連続通路を提供する。
【0076】
図6は、シリコーン発泡体500の拡大図であり、オープンセル550をかなり詳細に示す。セル550は、ポリマー支柱552によって分離される。MQ−水クラスター中に分散した水の相対量及びシリコーンエマルション中に分散したMQ−水クラスターの相対量に応じて、ポリマー支柱552の厚さを調整することができる。支柱552の形状は、例えば、圧縮たわみ25%とするために必要な強度、脆砕性及び圧力など、発泡体500全体の機械的特性に影響を与え得る。
【0077】
多くの用途において、気泡は、制御された平均径及び粒度分布を有することが好ましい。いくつかの実施形態では、空洞の平均径は、少なくとも約20マイクロメートル、少なくとも約50マイクロメートル、少なくとも約100マイクロメートル、少なくとも約500マイクロメートル、少なくとも約2000マイクロメートルである。同様に、空洞の平均径は、約100マイクロメートル以下、約500マイクロメートル以下、約1000マイクロメートル以下、約2000マイクロメートル以下、約5000マイクロメートル以下であり得る。
【0078】
完成発泡体の密度は、ある程度はMQ−水クラスター及びシリコーンエマルションの組成物に依存し得る。
図2〜4に示す方法を適用すると、少なくとも約0.1g/cm
3、少なくとも約0.15g/cm
3、少なくとも約0.20g/cm
3を示す低密度シリコーン発泡体を得られることができる。このような発泡体は、0.4g/cm
3以下、少なくとも約0.30g/cm
3以下、少なくとも約0.2g/cm
3以下の発泡体密度を示すことができる。上限では、密度が少なくとも約0.5g/cm
3、少なくとも約0.6g/cm
3、少なくとも約0.7g/cm
3である発泡体を作製できる。これらの発泡体は、約0.9g/cm
3以下、少なくとも約0.85g/cm
3以下、少なくとも約0.7g/cm
3以下の密度を示すことができる。
【0079】
上述の方法を用いて、MQ−水クラスター中の水を放出させることによって、本質的にすべての空洞がシリコーン発泡体中に提供されるシリコーン発泡体及び発泡体物品を作製することが可能である。物理発泡剤として、MQ−水クラスターの隙間に入れた水を使用することにより、多くの利点が得られる。
【0080】
第一に、提供された発泡体は、高い生物学的適合性を示す可能性を有する。水は無害であり、発泡剤として水を使用すると、化学的副産物の残留物が発泡体中に残る可能性のある化学発泡剤が不要である。発泡体の作製に使用されるシリコーンエマルションは、水以外の物理発泡剤又は化学発泡剤を実質的に含まなくてもよい。その結果、このようにして形成されたシリコーン発泡体は、シリコーン及びケイ酸塩部分のみを含有する本質的に100%シリコーンであり得る。代表的用途としては、広範囲の皮膚との接触を意図した創傷包帯が挙げられる。反応開始剤、化学発泡剤及び他の刺激剤を用いないことにより、有害な生物応答の可能性を軽減することができる。また、提供された発泡シリコーン材料は、固有の多孔性及び改善された通気性を有する皮膚への刺激の少ない接着剤において使用することができる。
【0081】
第二に、シリコーン発泡体を作製するために提供された方法により、シリコーンエマルションの発泡及び重合を互いに独立して行うことができる。これらの工程が複雑にならないようすることによって、発泡体の特性の改善された制御を得ることができる。先に記載した通り、この利点は、制御された条件下でシリコーンエマルションを発泡させ、次いで電子ビーム照射を用いて発泡させたエマルションを重合し、気泡ミクロ構造を固定することによって得られる。
【0082】
最後に、開示された方法により、製造プロセスが簡易になり、こうした発泡体は、従来のシリコーン発泡体よりもさらに高い費用効果でこのように作製され得る。これにより、市場をさらに広い範囲のシリコーン発泡体の用途(高温及び低温で使用するためのシリコーン発泡体コアとの高強度結合用、紫外線放射への耐性を必要とする結合用、音響防護及び吸収用、低発煙である必要のある輸送用ならびに太陽電池パネル用発泡体密封材などの用途など)に開放することができる。
【実施例】
【0083】
本発明の目的及び利点を以下の実施例で更に例示する。これらの具体的な材料及び量は本明細書に提供されているが、これらは本発明を不当に制限するものと解釈すべきではない。特に指示がない限り、全ての部及び百分率は重量基準であり、全ての分子量は重量平均分子量である。また特に指定しない限り、全ての溶媒及び試薬は、ミズーリ州セントルイスのシグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich, Inc.)から入手したものである。
【0084】
実施例で使用した材料を表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
試験方法
発泡体密度
発泡体密度は、発泡体試料の既知の容積の秤量により求める。密度は、重量と容積の商である。
【0087】
サンプル
(実施例1〜6)
容器内でMQ樹脂15g及び脱イオン水30gを混合した。高速ミキサーDAC400 FVZ(FlackTek,Landrum,SC)で1.2分間混合した。次に、容器を目視で水滴が消失するまで振盪させた。これがMQ−水クラスターである。
【0088】
S33シロキサン58gとMQ樹脂11gの混合物を作製した。これに、APTES 1g及びMQ−水クラスター45gを添加した。これをスピードミキサーによって、プラスチックカップ内で約1.2分間混合し、安定化エマルションを形成した(これらの実施例では、これらのエマルションが周囲条件下にて6ヶ月間安定していることが観察された)。次に、エマルションを110℃のオーブン内にて24時間加熱して、発泡体を作製した。発泡体密度は、0.27g/mLにて測定した。これを実施例1(E−1)とする。
【0089】
実施例2〜6は、表2に列挙する構成成分を用いて、同様の方法で作製した。
【0090】
(実施例7〜9)
実施例7〜9は、実施例1に従って、シリコーン混合物をフルオロシリコーンライナ(C2SフルオロシリコーンPETライナ(Loparex,Cary,NC))上に厚さ1mmで塗布し、6Mrad、300keV(4.81E−14J)で塗装を電子ビーム重合する追加工程を用いて、作製した。重合後、20分間110℃にて加熱することによって、塗装シリコーンを発泡させた。組成物は表2に示す。
【0091】
(実施例10)
MQ樹脂50gに脱イオン水50gを添加した。これを目視で水滴が消失するまで手動で振盪させた。これがMQ−水クラスターである。
【0092】
SPOxシロキサン(100g)をトルエン99gに溶解させた。溶解させたSPOx25gとMQ−水クラスター25gをビーカー内で混合した。これをスピードミキサーで約2500rpmにて1.2分間混合し、その後、110℃で24時間加熱して、発泡体を作製した。組成物は表2に示す。
【0093】
(実施例11)
MQ樹脂50gに脱イオン水50gを添加した。これを目視で水滴が消失するまで手動で振盪させた。これがMQ−水クラスターである。
【0094】
二軸スクリューブラベンダー押出機を使用して、SPOx 20gとMQ水クラスター10gを135℃で混合した。混合中、容積の膨張により混合物は、発泡体として押出機から排出した。組成物は表2に示す。
【0095】
(実施例12)
MQ樹脂15gに脱イオン水15gを添加した。これをDAC400 FVZスピードミキサー(FlackTek Inc,Landrum,SC)によって1.2分間混合し、次に、水滴が目視で消失するまで振盪させた。これがMQ−水クラスターである。
【0096】
D200 33g(パートA30g及びパートB3g)にMQ−水クラスター30gを添加した。これをDAC400 FVZで1.2分間混合し、次に、110℃で24時間加熱して発泡体を作製した。組成物は表2に示す。
【0097】
(実施例13)
MQ樹脂10gに脱イオン水10gを添加した。これをDAC400 FVZスピードミキサー(FlackTek Inc,Landrum,SC)によって1.2分間混合し、次に、水滴が目視で消失するまで振盪させた。これがMQ−水クラスターである。
【0098】
F065 20gにMQ−水クラスター20gを添加した。これをDAC400 FVZで1.2分間混合し、次に、110℃で24時間加熱して発泡体を作製した。組成物は表2に示す。
【0099】
【表2】
【0100】
比較例1
S33シロキサン50gに水17gを添加した。これは、スピードミキサーで2500rpmにて1.2分間混合した。乳白の不安定な混合物が作製された。目視では、水滴は、1時間後にシリコーン流体から分離されていた。
【0101】
比較例2
S33シロキサン50gに水17gを添加した。これは、スピードミキサーで2500rpmにて1.2分間混合した。この混合物にMQ 30g及びAPTES 1gを添加した。この混合物を110℃にて加熱した。加熱前及び加熱中、水はシリコーン流体から分離されていることが観察された。
【0102】
比較例3
S33シロキサン50gにMQ樹脂15gを添加した。これをスピードミキサーで2500rpmにて1.2分間混合し、その後、1時間静置した。これに、水15gを添加し、次に、スピードミキサーで2500rpmにて1.2分間混合した。この水は、シロキサン/MQ混合物中に取り込むことはできなかった。
【0103】
特定の実施形態A〜AYは、更に、以下の通り検討され、開示される。
A.ポリシロキサンとケイ酸塩樹脂の架橋されたシリコーン網状組織を含むシリコーン発泡体であって、シリコーン網状組織は、化学発泡剤又はこれらの副生成物を実質的に含まず、多数の空洞がシリコーン網状組織に埋め込まれ、気泡構造を提供する。
B.ケイ酸塩樹脂は、以下に示す化学構造を有するM−単位及びQ−単位を含有する三次元のケイ酸塩網状組織を含む、実施形態Aの発泡体。
【0104】
【化2】
式中、R’、R’’、及びR
3’’’のそれぞれは、メチル基又はヒドロキシル基のいずれかであり、R’、R’’、及びR
3’’’の少なくとも1つはヒドロキシル基である。
C.実施形態Bの発泡体であって、M−単位及びQ−単位は、化学量論比が少なくとも約1対20で存在する。
D.実施形態Cの発泡体であって、M−単位及びQ−単位が化学量論比少なくとも約1〜3で存在する。
E.実施形態Dの発泡体であって、M−単位及びQ−単位は、化学量論比が少なくとも約3対5で存在する。
F.MQ樹脂が粘着付与ポリマーである、実施形態Aの発泡体。
G.発泡体の密度は約0.85g/cm
3以下である、実施形態Aの発泡体。
H.発泡体の密度は約0.4g/cm
3以下である、実施形態Gの発泡体。
I.発泡体の密度は約0.2g/cm
3以下である、実施形態Hの発泡体。
J.シリコーンポリマー中に分散した1つ以上の粒子状フィラーを更に含み、シリカ、酸化ジルコニウム、二酸化チタン、石英粉末、酸化アルミニウム、アルミノケイ酸塩、有機ワックス、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、脂肪族カルボン酸の塩、イソシアネートの反応生成物、及びアルキルアミドからなる群から選択される、実施形態Aの発泡体。
K.発泡体は、ミクロスフェアを実質的に含まない実施形態Aの発泡体。
L.発泡体は、いかなる重合触媒も実質的に含まない実施形態Aの発泡体。
M.気泡構造は、オープンセル型ミクロ構造を含む、実施形態Aの発泡体。
N.MQ−水クラスターを含む重合性シリコーン組成物であって、MQ−水クラスターは、ケイ酸塩MQ樹脂と、ケイ酸塩MQ樹脂中に分散されたMQ−水クラスターの全重量の約1重量%から約99重量%の範囲の量の水とシリコーン流体を含み、MQ−水クラスター及びシリコーン流体は、まとめて連続相及び不連続相を有する逆エマルションを提供し、連続相はシリコーン流体を含み、不連続相はMQ−水クラスターを含む。
O.水がMQ−水クラスターの約2重量%〜約90重量%の範囲の量で存在する、実施形態Nの組成物。
P.水がMQ−水クラスターの約5重量%〜約80重量%の範囲の量で存在する、実施形態Oの組成物。
Q.相は周囲温度及び圧力で少なくとも1時間に亘って安定している、実施形態Nの組成物。
R.相は周囲温度及び圧力で少なくとも4時間に亘って安定している、実施形態Qの組成物。
S.相は周囲温度及び圧力で少なくとも96時間に亘って安定している、実施形態Rの組成物。
T.シリコーン流体は、ポリジメチルシロキサンオリゴマーを含む、実施形態Nの組成物。
U.シリコーン流体は、少なくとも部分的に重合シリコーンポリオキサミドを含む、実施形態Nの組成物。
V.シリコーン流体は、シリコーンポリオキサミドと均質に混合した補助溶剤を更に含む、実施形態Uの組成物。
W.シリコーン流体が全組成物の約5重量%〜約95重量%の範囲の量で存在する、実施形態Nの組成物。
X.シリコーン流体が全組成物の約10重量%〜約85重量%の範囲の量で存在する、実施形態Wの組成物。
Y.シリコーン流体が全組成物の約30重量%〜約70重量%の範囲の量で存在する、実施形態Xの組成物。
Z.エマルションを重合させるための触媒を更に含む、実施形態Nの組成物。
AA.触媒は3−アミノプロピルトリエトキシシランを含む、実施形態Zの組成物。
AB.触媒が全組成物の約0.0001重量%〜約2重量%の範囲の量で存在する、実施形態AAの組成物。
AC.実施形態N〜Zのいずれかの組成物を重合することによって提供される発泡シリコーン物品。
AD.任意の量の水をケイ酸塩MQ樹脂中に分散し、MQ−水クラスターを得る工程、と安定化させたMQ−水クラスターをシリコーン流体中に分散させて、不連続相としてMQ−水クラスターを有し、連続相としてシリコーン流体を有する逆シリコーンエマルションを得る工程と、MQ−水クラスター中の水を放出させることによって、シリコーンエマルションを発泡させ、気泡構造を得る工程、とを含むシリコーン発泡体の作製方法。
AE.シリコーンエマルションを重合させる工程を更に含む、実施形態ADの方法。
AF.シリコーン流体は、ポリジメチルシロキサンオリゴマーを含む、実施形態AD又はAEの方法。
AG.ポリジメチルシロキサンオリゴマーは、シラノールで末端処理されている、実施形態AFの方法。
AH.シリコーン流体は、少なくとも部分的に重合されたシリコーン樹脂を含む、実施形態AD又はAEの方法。
AI.シリコーン流体は、シリコーン樹脂と均質に混合した補助溶剤を更に含み、シリコーンエマルションを発泡させる工程は、補助溶剤を放出させる工程を更に含む、実施形態AHの方法。
AJ.補助溶剤がトルエンを含む、実施形態AHの方法。
AK.シリコーンエマルション中の本質的にすべての空洞は、MQ−水クラスター中の水を放出させることにより提供される、実施形態AD〜AJのいずれか1つの方法。
AL.触媒をシリコーン流体に添加し、シリコーンエマルションの重合を促進する工程を更に含む、実施形態AD〜AKのいずれか1つの方法。
AM.触媒は3−アミノプロピルトリエトキシシランを含む、実施形態ALの方法。
AN.シリコーンエマルションの重合工程及びシリコーンエマルションの発泡工程は別途に行う、実施形態AEの方法。
AO.シリコーンエマルションは、シリコーンエマルションの発泡前に実質的に重合される、実施形態ANの方法。
AP.シリコーンエマルションの重合の少なくともいくらかが、シリコーンエマルションの発泡と同時に行われる、実施形態ANの方法。
AQ.水を放出させることが、シリコーンエマルションを高温にさらすことを含む、実施形態AD〜APのいずれか1つの方法。
AR.水を放出させることが、シリコーンエマルションを部分真空にさらすことを含む、実施形態AD〜AQのいずれか1つの方法。
AS.シリコーンエマルションの重合は、シリコーンエマルションに照射することを含む、実施形態AE、AN、AO又はAPの方法。
AT.光開始剤をシリコーン流体に添加することを更に含む実施形態ASの方法であって、シリコーンエマルションの照射にシリコーンエマルションに紫外線を照射することを含む。
AU.シリコーンエマルションの照射に電子線重合を含む、実施形態ASの方法。
AV.シリコーンエマルションの重合は、シリコーンエマルションの縮合重合を含む、実施形態AE、AN、AO又はAPの方法。
AW.シリコーン発泡体がオープンセル型ミクロ構造を有する、実施形態AD〜AVのいずれかの方法。
AX.シリコーンエマルションは、水以外の物理発泡剤又は化学発泡剤を実質的に含まない、実施形態AD〜AWのいずれかの方法。
AY.実施形態AD〜AXのいずれか1つの方法によって作製される発泡シリコーン。
【0105】
上述の特許及び特許出願の全ては、本明細書において本開示に明示的に援用される。上記の発明は、明瞭さ及び理解を目的として図及び実施例によってある程度詳細に述べたものである。しかしながら、様々な代替例、改変例、及び均等物の使用が可能であり、上記の説明は発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。また、本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって定義されるものである。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[20]に記載する。
[項目1]
ポリシロキサンとケイ酸塩樹脂との架橋されたシリコーン網状組織を含み、前記シリコーン網状組織は、実質的にいかなる化学発泡剤又はこれらの副生成物も含まず、
多数の空洞が前記シリコーン網状組織に埋め込まれ、気泡構造を提供する、シリコーン発泡体。
[項目2]
前記ケイ酸塩樹脂は、以下に示す化学構造を有するM−単位及びQ−単位を含有する三次元のケイ酸塩網状組織を含む、
【化1】
(式中、R’、R’’、及びR3’’’のそれぞれは、メチル基又はヒドロキシル基のいずれかであり、R’、R’’、及びR3’’’の少なくとも1つはヒドロキシル基である)、項目1に記載のシリコーン発泡体。
[項目3]
前記MQ樹脂は粘着付与ポリマーである、項目1に記載のシリコーン発泡体。
[項目4]
前記シリコーンポリマー中に分散し、シリカ、酸化ジルコニウム、二酸化チタン、石英粉末、酸化アルミニウム、アルミノケイ酸塩、有機ワックス、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、脂肪族カルボン酸の塩、イソシアネートの反応生成物、及びアルキルアミドからなる群から選択される、1つ以上の粒子状フィラーを更に含む、項目1に記載のシリコーン発泡体。
[項目5]
前記発泡体は、ミクロスフェアを実質的に含まない、項目1に記載のシリコーン発泡体。
[項目6]
前記発泡体は、いかなる重合触媒も実質的に含まない、項目1に記載のシリコーン発泡体。
[項目7]
前記気泡構造は、オープンセル型ミクロ構造を含む、項目1に記載のシリコーン発泡体。
[項目8]
ケイ酸塩MQ樹脂及び前記ケイ酸塩MQ樹脂に分散した水を含むMQ−水クラスターであって、前記水の量が前記MQ−水クラスター全量の約1重量%〜約99重量%の範囲の量である、MQ−水クラスターと、
シリコーン流体と、を含む重合性シリコーン組成物であって、前記MQ−水クラスターとシリコーン流体は、連続相又は不連続相を有する逆エマルションをまとめて提供し、前記連続相は前記シリコーン流体を含んでおり、前記不連続相は前記MQ−水クラスターを含んでいる、重合性シリコーン組成物。
[項目9]
前記相は周囲温度及び圧力で少なくとも1時間に亘って安定している、項目8に記載の組成物。
[項目10]
前記シリコーン流体は、ポリジメチルシロキサンオリゴマーを含む、項目8に記載の組成物。
[項目11]
前記シリコーン流体は、少なくとも部分的に重合シリコーンポリオキサミドを含む、項目8に記載の組成物。
[項目12]
前記エマルションを重合させるための触媒を更に含み、前記触媒は3−アミノプロピルトリエトキシシランを含む、項目8に記載の組成物。
[項目13]
シリコーン発泡体の作製方法であって、
任意の量の水をケイ酸塩MQ樹脂中に分散し、MQ−水クラスターを得る工程と、
前記安定化させたMQ−水クラスターをシリコーン流体中に分散させて、不連続相として前記MQ−水クラスターを有し、連続相として前記シリコーン流体を有する逆シリコーンエマルションを得る工程と、
前記MQ−水クラスター中の前記水を放出させることによって、前記シリコーンエマルションを発泡させ、気泡構造を得る工程と、を含む、シリコーン発泡体の作製方法。
[項目14]
前記シリコーンエマルションを重合させる工程を更に含む、項目13に記載の方法。
[項目15]
前記シリコーン流体は、少なくとも部分的に重合されたシリコーン樹脂を含む、項目13に記載の方法。
[項目16]
前記シリコーン流体は、前記シリコーン樹脂と均質に混合した補助溶剤を更に含み、前記シリコーンエマルションを発泡させる工程は、前記補助溶剤を放出させる工程を更に含む、項目15に記載の方法。
[項目17]
前記シリコーンエマルション中の本質的にすべての空洞は、前記MQ−水クラスター中の前記水を放出させることにより提供される、項目13に記載の方法。
[項目18]
前記シリコーンエマルションの前記重合工程及び前記シリコーンエマルションの発泡工程は別途に行う、項目14に記載の方法。
[項目19]
前記シリコーンエマルションは、前記シリコーンエマルションの発泡前に実質的に重合される、項目18に記載の方法。
[項目20]
前記シリコーンエマルションの前記重合の少なくともいくらかが、前記シリコーンエマルションの発泡と同時に行われる、項目18に記載の方法。