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特許6204476ムスカリンM1受容体作動薬としての二環式アザ化合物
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  • 特許6204476-ムスカリンM1受容体作動薬としての二環式アザ化合物 図000054
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204476
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】ムスカリンM1受容体作動薬としての二環式アザ化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 451/04 20060101AFI20170914BHJP
   C07D 451/00 20060101ALI20170914BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   C07D451/04CSP
   C07D451/00
   C07D401/04
   A61P25/18
   A61P25/28
   A61P25/04
   A61P29/00
   A61P43/00 111
   A61K31/4545
【請求項の数】17
【全頁数】75
(21)【出願番号】特願2015-531649(P2015-531649)
(86)(22)【出願日】2013年9月18日
(65)【公表番号】特表2015-528489(P2015-528489A)
(43)【公表日】2015年9月28日
(86)【国際出願番号】GB2013052442
(87)【国際公開番号】WO2014045031
(87)【国際公開日】20140327
【審査請求日】2016年9月8日
(31)【優先権主張番号】61/702,330
(32)【優先日】2012年9月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/823,606
(32)【優先日】2013年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510159768
【氏名又は名称】ヘプタレス セラピューティックス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン、ジャイルズ アルバート
(72)【発明者】
【氏名】キャンズフィールド、ジュリー エレイン
(72)【発明者】
【氏名】コングリーブ、マイルズ スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】ピックワース、マーク
(72)【発明者】
【氏名】テハン、ベンジャミン ジェラルド
【審査官】 水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/105035(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)の化合物:
【化1】
またはその塩
[式中、
pは、0、1または2であり;
およびXは、全体として合計5〜9個の炭素原子を含有し、部分:
【化2】
が二環式環系を形成するように共に結合する、飽和炭化水素基であり;
は、1〜6個のフッ素原子で所望により置換されているC1−10非芳香族炭化水素基であり、前記炭化水素基の1または2個の、しかし全部ではない炭素原子は、O、NおよびSならびにその酸化形態から選択されるヘテロ原子によって所望により置換されてよく;
は、水素またはC1−10非芳香族炭化水素基であるか;
あるいは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と共に、4〜9個の環員からなる非芳香族複素環を形成し、前記複素環は、O、NおよびSならびにその酸化形態から選択される第2のヘテロ原子を所望により含有してよく;かつ、前記複素環は、C1−2アルキル;フッ素;およびシアノから選択される1〜6個の置換基で所望により置換されてよく;
は、水素;ハロゲン;シアノ;ヒドロキシ;C1−3アルコキシ;および、1〜6個のフッ素原子で所望により置換されているC1−5非芳香族炭化水素基であり、前記炭化水素基の1または2個の、しかし全部ではない炭素原子が、O、NおよびSから選択されるヘテロ原子によって所望により置換されていてよい、C1−5非芳香族炭化水素基から選択され;
は、1〜6個のフッ素原子で所望により置換されているC1−6非芳香族炭化水素基であり、前記炭化水素基の1または2個の、しかし全部ではない炭素原子は、O、NおよびSならびにその酸化形態から選択されるヘテロ原子によって所望により置換されてよく;かつ
はフッ素である]。
【請求項2】
が、:
1〜6個のフッ素原子で所望により置換されているC1−6アルキル;
1〜6個のフッ素原子で所望により置換されているメトキシ−C1−4アルキル;
1−6アルコキシ;
2−6アルケニル;
2−6アルキニル;
1または2個のメチル基で所望により置換されているC3−6シクロアルキル;
4−5シクロアルキル−CH−、C4−5シクロアルキル部分は1個のC1−2アルキル基で所望により置換され、前記C4−5シクロアルキル部分の1個の炭素原子は、酸素原子で所望により置換されていてよい;
シクロプロピル−C1−3アルキル;
シクロペンテニル;および
メチル−ビシクロ[2.2.2]オクタニル
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、2−メチルプロピル;2,2−ジメチルプロピル;tert−ブチル;2−メチル−ブト−2−イル;2,3−ジメチルブト−2−イル;シクロプロピルメチル;シクロブチルメチル;シクロペンチル;シクロペンチルメチル;1−メチルシクロブチル;1−メチルシクロペンチル;1−メチルシクロヘキシル;1−メチルシクロペンチルメチル;シクロプロピル−プロプ−2−イル;1−メチルシクロブチルメチルおよび1−エチル−シクロブチルメチル基から選択される、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が、水素、メチル、エチルおよびイソプロピルから選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が、水素、フッ素およびメトキシから選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が、メチル、エチル、エチニルおよび1−プロピニルから選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
pが0である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
前記部分:
【化3】
によって形成される前記二環式環系が:
(a)アザビシクロ−オクタンまたはアザビシクロ−ノナン環系;
(b)2−アザ−スピロ[3.4]オクタンまたは6−アザ−スピロ[3.4]オクタン環系;および
(c)シクロペンタノピロリジン環系
から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
前記部分:
【化4】
によって形成される前記二環式環系が:
下の環系BA、BB、BC、CA、CBおよびDA
【化5】
から選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
式(3):
【化6】
[式中、R、R、R、Rおよびpは、請求項1〜7のいずれか一項に定義される通りであり;sは、0または1であり、tは0または1である]
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
s=0およびt=1である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
エチル 3−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート、
エチル 3−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−カルボキシレート、
エチル 3−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−6−カルボキシレート、
エチル 5−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボキシレート、
エチル 2−{4−フルオロ−4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
エチル 6−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート、
プロプ−2−イン−1−イル 6−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート、
エチル 2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
エチル (2r,4s)−2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
エチル (2s,4r)−2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
エチル 2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
エチル (2s,4r)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
エチル 2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
エチル (2s,4r)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
エチル 2−(4−{[1−(フルオロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(フルオロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
エチル (2s,4r)−2−(4−{[1−(フルオロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル 2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル (2r,4s)−2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル (2s,4r)−2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル 2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル (2s,4r)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル 2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル (2s,4r)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル 2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル 2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル 2−(4−{[1−(フルオロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(フルオロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル (2s,4r)−2−(4−{[1−(フルオロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(1,1,2,2,2−ペンタジュウテロ)エチル 2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(1,1,2,2,2−ペンタジュウテロ)エチル (2r,4s)−2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(1,1,2,2,2−ペンタジュウテロ)エチル (2s,4r)−2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(1,1,2,2,2−ペンタジュウテロ)エチル 2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(1,1,2,2,2−ペンタジュウテロ)エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(1,1,2,2,2−ペンタジュウテロ)エチル (2s,4r)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(1,1,2,2,2−ペンタジュウテロ)エチル 2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(1,1,2,2,2−ペンタジュウテロ)エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(1,1,2,2,2−ペンタジュウテロ)エチル (2s,4r)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
エチル (2r,4s)−2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(フルオロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル (2r,4s)−2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(2,2,2−トリジュウテロ)エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(フルオロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(1,1,2,2,2−ペンタジュウテロ)エチル (2r,4s)−2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(1,1,2,2,2−ペンタジュウテロ)エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート、
(1,1,2,2,2−ペンタジュウテロ)エチル (2r,4s)−2−(4−{[1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル]カルバモイル}ピペリジン−1−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートから選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
医薬に用いるための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物および製薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項16】
ムスカリンM1受容体作動薬活性を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
認知障害または精神病性障害の治療に用いるための、あるいは、急性、慢性、神経因性、もしくは炎症性疼痛の重症度の治療または急性、慢性、神経因性、もしくは炎症性疼痛の緩和のための、請求項1〜13のいずれかに記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なアミド化合物のクラス、それらの塩、それらを含有する医薬組成物およびヒト身体の治療におけるそれらの使用に関する。特に、本発明は、アミド化合物の1つのクラスに関する。それはムスカリンM1受容体作動薬であり、そのためアルツハイマー病、統合失調症(schizoprenia)、認知障害およびムスカリンM1受容体が介在するその他の疾患の治療、ならびに疼痛の治療または軽減において有用である。
【背景技術】
【0002】
ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChRs)は、中枢神経系と末梢神経系の両方で神経伝達物質アセチルコリンの作用を媒介するGタンパク質共役型受容体スーパーファミリーのメンバーである。5種類のmAChRサブタイプ、M〜Mがこれまでにクローン化されている。M mAChRは、皮質、海馬、線条体および視床において主にシナプス後性に発現する;M mAChRsは、主に脳幹および視床に位置するが、皮質、海馬および線条体にも位置し、そこではそれらはコリン作動性シナプス終末に存在する(Langmead et al.,2008 Br J Pharmacol)。しかし、M mAChRsは、心臓組織の末梢(そこでそれらは心臓の迷走神経の神経支配を媒介する)および平滑筋および外分泌腺にも発現する。M mAChRsは、CNSにおいて比較的低レベルで発現するが、平滑筋ならびに汗腺および唾液腺などの腺組織では広範に発現する(Langmead et al.,2008 Br J Pharmacol)。
【0003】
ムスカリン性受容体、特にM mAChRは、中枢神経系において高次認知過程の媒介に重要な役割を果たす。認知障害に関連する疾患、例えばアルツハイマー病などは、前脳基底核におけるコリン作動性ニューロンの減少を伴う(Whitehouse et al.,1982 Science)。やはり認知障害を特徴とする統合失調症では、統合失調症の被験体の前頭前皮質、海馬および尾状核被殻においてmAChR密度が減少する(Dean et al.,2002 Mol Psychiatry)。さらに、動物モデルでは、中枢コリン作動性経路の遮断または損傷の結果、深刻な認知障害となり、非選択的mAChR拮抗薬が、精神疾患患者において精神異常発現作用を誘発することが示された。コリン作動薬補充療法は、主として、内因性アセチルコリンの分解を防ぐためにアセチルコリンエステラーゼ阻害薬を使用することに基づく。これらの化合物は、診療所で症候性の認知機能低下に対して有効性を示しているが、胃腸運動の障害、徐脈、悪心および嘔吐を含む、末梢のMおよびM mAChRsの刺激に起因する用量制限副作用を引き起こす(http://www.drugs.com/pro/donepezil.html; http://www.drugs.com/pro/rivastigmine.html)。
【0004】
さらなる発見努力により、認知機能の向上を目標にするために、直接のM mAChR作動薬の同定が標的とされた。そのような努力の結果、キサノメリン、AF267B、サブコメリン、ミラメリンおよびセビメリンなどの化合物を例とする様々な作動薬が同定された。これらの化合物の多くが、げっ歯類および/または非ヒト霊長類の両方の認知の前臨床モデルにおいて非常に効果的であることが示された。ミラメリンは、げっ歯動物の作業記憶および空間記憶のスコポラミン誘発性欠陥に対する有効性を示した;サブコメリンは、マーモセットにおける視覚対象弁別課題で有効性を提示し、キサノメリンは、受動的回避パラダイムにおいて認知機能のmAChR拮抗薬誘発性欠陥を逆転させた。
【0005】
アルツハイマー病(AD)は、高齢者が罹患する最も一般的な神経変性障害であり(2006年には世界で2660万人)、深刻な記憶喪失および認知機能障害となる。この疾患の病因は複雑であるが、2つの特徴的な脳後遺症:主にアミロイド−βペプチド(Aβ)からなるアミロイド斑の凝集、および過剰リン酸化タウタンパク質によって形成される神経原線維変化を特徴とする。Aβの蓄積は、ADの進行の中心的な特徴であると思われ、したがって、ADの治療のための多くの推定される治療法は、現在、Aβ産生の抑制を標的にしている。Aβは、膜結合アミロイド前駆体タンパク質(APP)のタンパク質分解切断から誘導される。APPは、2つの経路、非アミロイド形成経路およびアミロイド形成経路によってプロセシングされる。γ−セクレターゼによるAPPの切断は両経路に共通しているが、前者のAPPは、α−セクレターゼによって切断されて可溶性APPαを産生する。切断部位はAβ配列内であり、それによってその形成が妨げられる。しかし、アミロイド形成経路では、APPはβ−セクレターゼによって切断されて可溶性APPβとAβも産生する。インビトロ研究は、mAChR作動薬が可溶性の非アミロイド形成経路の方にAPPのプロセシングを促進することができることを示した。インビボ研究は、mAChR作動薬AF267Bが、アルツハイマー病の異なる構成要素モデルである、3xTgADトランスジェニックマウスにおいて疾患様病理を変化させることを示した(Caccamo et al.,2006 Neuron)。最後に、mAChR作動薬セビメリンは、アルツハイマー病患者においてAβの脳脊髄液レベルの少量であるが重要な低下を示し、したがって見込みのある疾患修飾効果を示す(Nitsch et al.,2000 Neurol)。
【0006】
さらに、前臨床研究は、mAChR作動薬が前臨床パラダイムの範囲で非定型抗精神病薬様プロファイルを示すことを示唆した。mAChR作動薬、キサノメリンは、ラットにおけるアンフェタミン誘発性歩行運動、マウスにおけるアポモルヒネ誘発性クライミング、片側6−OH−DA破壊ラットにおけるドーパミン作動薬による回転およびサルにおけるアンフェタミン誘発性運動過多(EPS傾向なし)を含む、いくつかのドーパミンによる行動を逆転させる。それはまた、ラットにおいて、A9ではなくA10ドーパミン細胞発火、および条件回避を阻害することも示されており、前頭前皮質および側坐核においてc−fos発現を誘導するが、線条体では誘導しない。これらのデータは全て、非定型抗精神病薬様プロファイルを示唆する(Mirza et al.,1999 CNS Drug Rev)。
【0007】
キサノメリン、サブコメリン、ミラメリンおよびセビメリンは全て、アルツハイマー病および/または統合失調症の治療のための臨床開発の様々な段階に進んでいる。キサノメリンでの第II相臨床研究は、アルツハイマー病に関連する行動障害および幻覚を含む、様々な認知症状ドメインに対するその有効性を実証した(Bodick et al.,1997 Arch Neurol)。この化合物は、統合失調症患者の小規模な第II相研究でも評価され、プラセボ対照と比較した場合に陽性症状および陰性症状を有意に減少させた(Shekhar et al.,2008 Am J Psych)。しかし、全ての臨床研究において、キサノメリンおよびその他の関連するmAChR作動薬は、悪心、胃腸痛、下痢、発汗(過剰発汗)、唾液分泌過多(唾液分泌過剰)、失神および徐脈を含む、コリン作動性の副作用に関して容認できない安全域を示した。
【0008】
ムスカリン性受容体は、中枢性疼痛および末梢性疼痛に関与する。疼痛は、3つの異なる種類:急性、炎症性、および神経因性に分けることができる。急性疼痛は、組織損傷を生じる可能性のある刺激から生物を安全に保つ際に重要な保護機能を果たすが、手術後疼痛の管理が必要である。炎症性疼痛は、組織損傷、自己免疫応答、および病原体侵入を含む多くの理由のために起こることがあり、ニューロンの炎症および疼痛をもたらす、ニューロペプチドおよびプロスタグランジンなどの炎症性メディエーターの作用が引き金となる。神経因性疼痛は、非有痛性刺激に対する異常な有痛感覚に関連する。神経因性疼痛は、いくつかの異なる疾患/外傷、例えば脊髄損傷、多発性硬化症、糖尿病(糖尿病性神経障害)、ウイルス感染(例えばHIVまたは疱疹など)に関連する。また、神経因性疼痛は癌において疾患の結果としても、化学療法の副作用としても一般的である。ムスカリン性受容体の活性化は、脊髄および脳の高次の疼痛中枢での受容体の活性化によっていくつかの疼痛状態で鎮痛作用を示すことが示されている。アセチルコリンエステラーゼ阻害薬によるアセチルコリンの内在レベルの増加、作動薬またはアロステリック調節因子によるムスカリン性受容体の直接活性化は、鎮痛性を有することが示されている。反対に、拮抗薬でムスカリン性受容体を封鎖することまたはノックアウトマウスを使用することは、疼痛感受性を増加させる。疼痛におけるM1受容体の役割についての証拠は、D.F.Fiorino and M.Garcia−Guzman,2012に総説されている。
【0009】
近年、末梢に発現したmAChRサブタイプよりもM mAChRサブタイプに対して改良された選択性を示す少数の化合物が同定された(Bridges et al.,2008 Bioorg Med Chem Lett;Johnson et al.,2010 Bioorg Med Chem Lett;Budzik et al.,2010 ACS Med Chem Lett)。M mAChRサブタイプに対する選択性のレベル増加にも関わらず、これらの化合物の一部は、このサブタイプとM mAChRサブタイプの両方で著しい作動薬活性を保持する。本明細書において、本発明者らは、MおよびM受容体サブタイプよりもM mAChRに対して高レベルの選択性を予想外に示す一連の化合物を記載する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Langmead et al.,2008 Br J Pharmacol
【非特許文献2】Whitehouse et al.,1982 Science
【非特許文献3】Dean et al.,2002 Mol Psychiatry
【非特許文献4】Caccamo et al.,2006 Neuron
【非特許文献5】Nitsch et al.,2000 Neurol
【非特許文献6】Mirza et al.,1999 CNS Drug Rev
【非特許文献7】Bodick et al.,1997 Arch Neurol
【非特許文献8】Shekhar et al.,2008 Am J Psych
【非特許文献9】D.F.Fiorino and M.Garcia−Guzman,2012
【非特許文献10】Bridges et al.,2008 Bioorg Med Chem Lett
【非特許文献11】Johnson et al.,2010 Bioorg Med Chem Lett
【非特許文献12】Budzik et al.,2010 ACS Med Chem Lett
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の化合物は、用量依存的な様式でスコポラミン誘発性健忘症を減少させる。
図1】実施例9の異性体2が、該パラダイムのスコポラミン誘発性健忘症を用量依存的な様式で逆転させ、概算のED50が約10mg/kg(経口)であることが見出されたことを示す図である。30mg/kgの効果は、陽性対照としての役割を果たすコリンエステラーゼ阻害薬ドネペジル(0.1mg/kg、腹腔内)によって引き起こされた効果と同様であった。
【発明の概要】
【0012】
(本発明)
本発明は、ムスカリンM1受容体作動薬としての活性を有する化合物を提供する。より詳細には、本発明は、M2およびM3受容体サブタイプと比較してM1受容体に対する選択性を示す化合物を提供する。
【0013】
従って、第1の実施形態(実施形態1.1)では、本発明は、式(1)の化合物:
【化1】
またはその塩
[式中、
pは、0、1または2であり;
およびXは、全体として合計5〜9個の炭素原子を含有し、部分:
【化2】
が二環式環系を形成するように共に結合する飽和炭化水素基であり;
は、1〜6個のフッ素原子で所望により置換されているC1−10非芳香族炭化水素基であり、該炭化水素基の1または2個の、しかし全部ではない炭素原子は、O、NおよびSならびにその酸化形態から選択されるヘテロ原子によって所望により置換されてよく;
は、水素またはC1−10非芳香族炭化水素基であるか;
あるいは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と共に、4〜9個の環員からなる非芳香族複素環を形成し、該複素環は、O、NおよびSならびにその酸化形態から選択される第2のヘテロ原子を所望により含有してよく;かつ、該複素環は、C1−2アルキル;フッ素;およびシアノから選択される1〜6個の置換基(subsitutents)で所望により置換されてよく;
は、水素;ハロゲン;シアノ;ヒドロキシ;C1−3アルコキシ;および、1〜6個のフッ素原子で所望により置換されているC1−5非芳香族炭化水素基であり、該炭化水素基の1または2個の、しかし全部ではない炭素原子は、O、NおよびSから選択されるヘテロ原子によって所望により置換されてよいC1−5非芳香族炭化水素基から選択され;
は、1〜6個のフッ素原子で所望により置換されているC1−6非芳香族炭化水素基であり、該炭化水素基の1または2個の、しかし全部ではない炭素原子は、O、NおよびSならびにその酸化形態から選択されるヘテロ原子によって所望により置換されてよいC1−6非芳香族炭化水素基であり;かつ
はフッ素である]を提供する。
【0014】
特定の好ましい式(1)の化合物は、以下の実施形態1.2〜1.64に定義される通りである:
1.2 Rが、0、1または2つの炭素−炭素多重結合を含有するC1−10非芳香族炭化水素基であり、該炭化水素基が、1〜6個のフッ素原子で所望により置換され、該炭化水素基の1または2個の、しかし全部ではない炭素原子が、O、NおよびSならびにその酸化形態から選択されるヘテロ原子によって所望により置換されていてよい、実施形態1.1に定義される化合物。
【0015】
1.3 Rが、C1−6アルキル;C2−6アルケニル;C2−6アルキニル;および、C3−10シクロアルキルもしくはC5−6シクロアルケニル基からなるかまたはこれらを含有するC1−10非芳香族炭化水素基から選択され;該アルキル、アルケニル、アルキニルおよび非芳香族炭化水素基の各々が、1〜6個のフッ素原子で所望により置換され、該アルキル、アルケニル、アルキニルおよび非芳香族炭化水素基の各々の1または2個の、しかし全部ではない炭素原子が、O、NおよびSならびにその酸化形態から選択されるヘテロ原子によって所望により置換されていてよい、実施形態1.1および1.2のいずれか1つに定義される化合物。
【0016】
1.4 Rが:
・1〜6個のフッ素原子で所望により置換されているC1−6アルキル;
・1〜6個のフッ素原子で所望により置換されているメトキシ−C1−4アルキル;
・C1−6アルコキシ;
・C2−6アルケニル;
・C2−6アルキニル;
・1または2個のメチル基で所望により置換されているC3−6シクロアルキル;
・C4−5シクロアルキル部分が1個のC1−2アルキル基で所望により置換され、C4−5シクロアルキル部分の1個の炭素原子が、酸素原子で所望により置換されていてよい、C4−5シクロアルキル−CH−;
・シクロプロピル−C1−3アルキル;
・シクロペンテニル;および
・メチル−ビシクロ[2.2.2]オクタニル
から選択される、実施形態1.1〜1.3のいずれか1つに定義される化合物。
【0017】
1.5 Rが:
・1〜6個のフッ素原子で所望により置換されているC1−6アルキル;
・1または2個のメチル基で所望により置換されているC3−6シクロアルキル;
・C4−5シクロアルキル部分が1個のC1−2アルキル基で所望により置換され、C4−5シクロアルキル部分の1個の炭素原子が、酸素原子で所望により置換されていてよい、C4−5シクロアルキル−CH−;
・シクロプロピル−C1−3アルキル;および
・メチル−ビシクロ[2.2.2]オクタニル
から選択される、実施形態1.4に定義される化合物。
【0018】
1.6 Rが、1〜6個のフッ素原子で所望により置換されているC1−6アルキルである、実施形態1.5に定義される化合物。
【0019】
1.7 Rが、1または2個のメチル基で所望により置換されているC3−6シクロアルキルである、実施形態1.5に定義される化合物。
【0020】
1.8 Rが、C4−5シクロアルキル部分が1個のC1−2アルキル基で所望により置換され、C4−5シクロアルキル部分の1個の炭素原子が、酸素原子で所望により置換されていてよい、C4−5シクロアルキル−CH−である、実施形態1.5に定義される化合物。
【0021】
1.9 Rが、シクロプロピル−C1−3アルキルである、実施形態1.5に定義される化合物。
【0022】
1.10 Rが、メチル−ビシクロ[2.2.2]オクタニルである、実施形態1.5に定義される化合物。
【0023】
1.11 Rが、下の基A〜AHから選択される、実施形態1.4に定義される化合物:
【0024】
【表1】
アスタリスクは、該基とアミド窒素原子の結合点を示す。
【0025】
1.12 Rが、基A、B、D、E、F、G、L、M、N、O、Q、R、T、V、W、Y、AB、AE、AF、AGおよびAHから選択される、実施形態1.11に定義される化合物。
【0026】
1.13 Rが、2−メチルプロピル;2,2−ジメチルプロピル;tert−ブチル;2−メチル−ブト−2−イル;2,3−ジメチルブト−2−イル;シクロプロピルメチル;シクロブチルメチル;シクロペンチル;シクロペンチルメチル;1−メチルシクロブチル;1−メチルシクロペンチル;1−メチルシクロヘキシル;1−メチルシクロペンチルメチル;シクロプロピル−プロプ−2−イル;1−メチルシクロブチルメチル,1−エチル−シクロブチルメチル、1−(フルオロメチル)シクロブチル、1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブチルおよび1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル基から選択される、実施形態1.1〜1.4のいずれか1つに定義される化合物。
【0027】
1.14 Rが、2−メチルプロピルおよび1−メチルシクロブチルから選択される、実施形態1.13に定義される化合物。
【0028】
1.15 Rが、2−メチルプロピルである、実施形態1.14に定義される化合物。
【0029】
1.16 Rが、1−メチルシクロブチルである、実施形態1.14に定義される化合物。
【0030】
1.17 Rが、水素およびC1−6アルキルから選択される、実施形態1.1〜1.16のいずれか1つに定義される化合物。
【0031】
1.18 Rが、水素、メチル、エチルおよびイソプロピルから選択される、実施形態1.17に定義される化合物。
【0032】
1.19 Rが水素である、実施形態1.18に定義される化合物。
【0033】
1.20 Rが、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1−3アルコキシおよびC1−4アルキルから選択される、実施形態1.1〜1.19のいずれか1つに定義される化合物。
【0034】
1.21 Rが、水素、フッ素、メチルおよびメトキシから選択される、実施形態1.20に定義される化合物。
【0035】
1.22 Rが、水素、フッ素およびメトキシから選択される、実施形態1.21に定義される化合物。
【0036】
1.23 Rが、水素およびフッ素から選択される、実施形態1.22に定義される化合物。
【0037】
1.24 Rが水素である、実施形態1.23に定義される化合物。
【0038】
1.25 Rがフッ素である、実施形態1.23に定義される化合物。
【0039】
1.26 Rが非環状C1−6炭化水素基である、実施形態1.1〜1.25のいずれか1つに定義される化合物。
1.27 Rが非環状C1−3炭化水素基である、実施形態1.26に定義される化合物。
【0040】
1.28 RがC1−3アルキル基またはC2−3アルキニル基である、実施形態1.27に定義される化合物。
【0041】
1.29 Rが、メチル、エチル、エチニルおよび1−プロピニルから選択される、実施形態1.28に定義される化合物。
【0042】
1.30 Rがメチルである、実施形態1.29に定義される化合物。
【0043】
1.31 pが0または1である、実施形態1.1〜1.30のいずれか1つに定義される化合物。
【0044】
1.32 pが0である、実施形態1.31に定義される化合物。
【0045】
1.33 pが1である、実施形態1.31に定義される化合物。
【0046】
1.34 XおよびXが、共に6個または7個の炭素原子を含む、実施形態1.1〜1.33のいずれか1つに定義される化合物。
【0047】
1.35 部分:
【化3】
によって形成される二環式環系が、架橋された二環式環系である、実施形態1.1〜1.34のいずれか1つに定義される化合物。
【0048】
1.36 架橋された二環式環系が、アザビシクロ−オクタンまたはアザビシクロ−ノナン環系である、実施形態1.35に定義される化合物。
【0049】
1.37 架橋された二環式環系が、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン環系、9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン環系および6−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン環系から選択される、実施形態1.36に定義される化合物。
【0050】
1.38 架橋された二環式環系が、下の環系BA、BBおよびBC:
【化4】
から選択される、実施形態1.37に定義される化合物。
【0051】
1.39 架橋された二環式環系が環系BAである、実施形態1.38に定義される化合物。
【0052】
1.40 架橋された二環式環系が環系BBである、実施形態1.38に定義される化合物。
【0053】
1.41 架橋された二環式環系が環系BCである、実施形態1.38に定義される化合物。
【0054】
1.42 部分:
【化5】
によって形成される二環式環系が、スピロ環式環系である、実施形態1.1〜1.34のいずれか1つに定義される化合物。
【0055】
1.43 スピロ環式環系が、2−アザ−スピロ[3.4]オクタンまたは6−アザ−スピロ[3.4]オクタン環系である、実施形態1.42に定義される化合物。
【0056】
1.44 スピロ環式環系が、下の環系CAおよびCB:
【化6】
から選択される、実施形態1.43に定義される化合物。
【0057】
1.45 スピロ環式環系が、環系CAである、実施形態1.44に定義される化合物。
【0058】
1.46 スピロ環式環系が、環系CBである、実施形態1.44に定義される化合物。
【0059】
1.47 部分:
【化7】
によって形成される二環式環系が、縮合二環式環系である、実施形態1.1〜1.34のいずれか1つに定義される化合物。
【0060】
1.48 縮合二環式環系が、シクロペンタノピロリジン環系である、実施形態1.47に定義される化合物。
【0061】
1.49 シクロペンタノピロリジン環系が、下の構造DAを有する、実施形態1.47に定義される化合物。
【化8】
【0062】
1.50 部分:
【化9】
によって形成される二環式環系が、
(a)アザビシクロ−オクタンまたはアザビシクロ−ノナン環系;
(b)2−アザ−スピロ[3.4]オクタンまたは6−アザ−スピロ[3.4]オクタン環系;および
(c)シクロペンタノピロリジン環系
から選択される、実施形態1.1〜1.34のいずれか1つに定義される化合物。
【0063】
1.51 部分:
【化10】
によって形成される二環式環系が、下の環系BA、BB、BC、CA、CBおよびDA:
【化11】
から選択される、実施形態1.50に定義される化合物。
【0064】
1.52 式(2):
【化12】
[式中、R、R、R、Rおよびpは、実施形態1.1〜1.34のいずれか1つに定義される通りであり;qは、1、2または3であり、rは、0または1である、ただし、qおよびrの合計は2または3である]を有する実施形態1.1に定義される化合物。
【0065】
1.53 (i)rは0であり、qは2である;(ii)rは0であり、qは3である;または(iii)rは1であり、qは1である、実施形態1.52に定義される化合物。
【0066】
1.54 式(3):
【化13】
[式中、R、R、R、Rおよびpは、実施形態1.1〜1.34のいずれか1つに定義される通りであり;sは、0または1であり、tは0または1である]を有する実施形態1.1に定義される化合物。
【0067】
1.55 sおよびtの合計が1である、実施形態1.54に定義される化合物。
【0068】
1.56 sが0であり、tが1である、実施形態1.55に定義される化合物。
【0069】
1.57 sが1であり、tが0である、実施形態1.55に定義される化合物。
【0070】
1.58 式(4):
【化14】
[式中、R、R、R、Rおよびpは、実施形態1.1〜1.34のいずれか1つに定義される通りであり;u、v、wおよびxは、各々0、1または2である、ただし、u+v+w+xの合計は、少なくとも1であり、5を超えない]を有する実施形態1.1に定義される化合物。
【0071】
1.59 u、v、wおよびxの各々が1である、実施形態1.58に定義される化合物。
【0072】
1.60 実施例1〜13のいずれか1つに定義される通りである、実施形態1.1に定義される化合物。
【0073】
1.61 550未満、例えば500未満、または450未満の分子量を有する、実施形態1.1〜1.60のいずれか1つに定義される化合物。
【0074】
1.62 塩の形態である、実施形態1.1〜1.61のいずれか1つに定義される化合物。
【0075】
1.63 塩が酸付加塩である、実施形態1.62に定義される化合物。
【0076】
1.64 塩が製薬上許容される塩である、実施形態1.62または実施形態1.63に定義される化合物。
【0077】
(定義)
本願において、他に示されない限り、以下の定義が適用される。
【0078】
用語「治療」は、式(1)の化合物の使用に関して、問題の疾患または障害に罹患している、または問題の疾患または障害に罹患しているリスクのある、または問題の疾患または障害に罹患しているリスクのある可能性のある被験体に化合物が投与される、任意の形態の介入を説明するために使用される。よって、用語「治療」は、予防的(preventative)(予防的(prophylactic))治療と、疾患または障害の測定可能もしくは検出可能な症状が示されている治療の両方を網羅する。
【0079】
用語「治療有効量」とは、本明細書において(例えば疾患または状態の治療の方法に関して)、望ましい治療効果を生じるのに効果的な化合物の量をさす。例えば、状態が疼痛である場合、治療有効量は、望ましいレベルの疼痛の軽減をもたらすために十分な量である。望ましいレベルの疼痛の軽減は、例えば、疼痛の完全な除去であってもよいし、疼痛の重症度の低下であってもよい。
【0080】
式(1)において、XおよびXは、全体として合計5〜9個の炭素原子を含有し、部分:
【化15】
が二環式環系を形成するように共に結合する飽和炭化水素基である。用語「二環式環系」には、本明細書において、XおよびXの文脈において、縮合二環式系、架橋二環式系および、2つの連結環を含有するスピロ環系が含まれる。
【0081】
用語「非芳香族炭化水素基」(「C1−10非芳香族炭化水素基」または「非環状C1−5非芳香族炭化水素基」中など)とは、炭素原子および水素原子からなり、芳香環を含まない基をさす。炭化水素基は、完全に飽和していてもよいし、1以上の炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合、または二重結合と三重結合の混合物を含有していてもよい。炭化水素基は、直鎖または分枝鎖基であってもよいし、環式基で構成されるかまたは環式基を含有していてもよい。よって、非芳香族炭化水素という用語には、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキルなどが含まれる。
【0082】
用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「シクロアルキル」および「シクロアルケニル」は、他に示されない限り、それらの従来の意味(例えば、IUPAC Gold Bookに定義される通り)で使用される。
【0083】
用語「シクロアルキル」には、本明細書において、指定された数の炭素原子が許容する場合に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルなどの単環式シクロアルキル基と、二環式および三環式基の両方が含まれる。二環式シクロアルキル基には、ビシクロヘプタン、ビシクロオクタンおよびアダマンタンなどの架橋された環系が含まれる。
【0084】
上のR、RおよびRの定義において、述べられる場合、非芳香族炭化水素基の1個または2個の、しかし全てではない炭素原子は、O、NおよびSから選択されるヘテロ原子および(RおよびRの場合には)その酸化形態によって所望により置換されてよい。Rの部分R形成部の定義において、炭化水素基の1または2個の、しかし全部ではない炭素原子は、O、NおよびSから選択されるヘテロ原子によるか、または、CO、XC(X)、C(X)X、SOおよびSOから選択される基によって所望により置換されてよい。炭素原子がヘテロ原子で置換される場合、炭素と比べてヘテロ原子の原子価が低いということは、置換された炭素原子と結合していたであろう原子よりも少ない原子がヘテロ原子と結合することを意味することは当然理解される。よって、例えば、CH基の炭素原子(原子価4)を酸素(原子価2)で置き換えることは、結果として生じる分子が、2個少ない水素原子を含有することを意味することになり、CH基の炭素原子(原子価4)を窒素(原子価3)で置き換えることは、結果として生じる分子が、1個少ない水素原子を含有することを意味することになる。
【0085】
炭素原子に対するヘテロ原子置換の例としては、エーテル−CH−O−CH−またはチオエーテル−CH−S−CH−を得るための−CH−CH−CH−鎖中の炭素原子の酸素または硫黄による置換、ニトリル(シアノ)基CH−C≡Nを得るための基CH−C≡C−H中の炭素原子の窒素による置換、ケトン−CH−C(O)−CH−を得るための基−CH−CH−CH−中の炭素原子のC=Oによる置換、スルホキシド−CH−S(O)−CH−またはスルホン−CH−S(O)−CH−を得るための基−CH−CH−CH−中の炭素原子のS=OまたはSOによる置換、アミド−CH−CH−C(O)−NH−を得るための−CH−CH−CH−鎖中の炭素原子のC(O)NHによる置換、アミン−CH−NH−CH−を得るための−CH−CH−CH−鎖中の炭素原子の窒素による置換、エステル(またはカルボン酸)−CH−CH−C(O)−O−を得るための−CH−CH−CH−鎖中の炭素原子のC(O)Oによる置換が挙げられる。そのような各置換の場合、炭化水素基の少なくとも1つの炭素原子は残らなければならない。
【0086】
(塩)
多くの式(1)の化合物は、塩、例えば酸付加塩の形態で存在することができるか、または特定の例では、カルボン酸塩、スルホン酸塩およびリン酸塩などの有機もしくは無機塩基の塩の形態で存在することができる。そのような塩は全て本発明の範囲内にあり、式(1)の化合物への言及には、実施形態1.62〜1.64に定義されるような化合物の塩形態が含まれる。
【0087】
塩は、一般に酸付加塩である。
【0088】
本発明の塩は、Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,P.Heinrich Stahl(Editor),Camille G.Wermuth(Editor),ISBN:3−90639−026−8,Hardcover,388 pages,August 2002に記載される方法などの従来の化学的方法によって、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基と、適切な塩基または酸とを水中または有機溶媒中、またはこれら2つの混合物中で反応させることによって調製することができる;一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水系媒体が使用される。
【0089】
酸付加塩(実施形態1.63に定義される通り)は、幅広い種類の酸(無機酸および有機酸)で形成することができる。実施形態1.63に属する酸付加塩の例としては、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸(例えばL−アスコルビン酸)、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)樟脳酸、カンファ−スルホン酸、(+)−(1S)−カンファ−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、グルクロン酸(例えばD−グルクロン酸)、グルタミン酸(例えばL−グルタミン酸)、α−オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、ハロゲン化水素酸(例えば臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸)、イセチオン酸、乳酸(例えば(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸および吉草酸、ならびにアシル化アミノ酸および陽イオン交換樹脂からなる群から選択される酸で形成されたモノ塩またはジ塩が挙げられる。
【0090】
式(1)の化合物がアミン官能基を含む場合、これらは、例えば当業者に周知の方法に従ってアルキル化剤との反応によって、第四級アンモニウム塩を形成することができる。そのような第四級アンモニウム化合物は式(1)の範囲内である。
【0091】
本発明の化合物は、塩を形成する酸のpKaに応じてモノ塩またはジ塩として存在してよい。
【0092】
本発明の化合物の塩形態は、一般に、製薬上許容される塩であり、製薬上許容される塩の例は、Berge et al.,1977,「Pharmaceutically Acceptable Salts,」J.Pharm.Sci.,Vol.66,pp.1−19に考察される。しかし、製薬上許容されない塩も、その後に製薬上許容される塩に変換することのできる中間体形態として調製されてよい。例えば、本発明の化合物の精製または分離において有用であり得る、そのような製薬上許容されない塩形態も、本発明の一部を成す。
【0093】
(立体異性体)
立体異性体は、同じ分子式および結合原子の配列を有するが、空間でのそれらの原子の三次元配向だけが異なる異性体分子である。立体異性体は、例えば、幾何異性体または光学異性体であってよい。
【0094】
(幾何異性体)
幾何異性体の場合、炭素−炭素二重結合の周囲のシスおよびトランス(ZおよびE)異性、またはアミド結合の周囲のシスおよびトランス異性体、または炭素窒素二重結合の周囲のsynおよびanti異性(例えばオキシムでのように)、または回転が制限されている結合の周囲の回転異性、またはシクロアルカン環などの環の周囲のシスおよびトランス異性でのように、異性は、二重結合の周囲の原子または基の異なる配向に起因する。
【0095】
従って、もう一つの実施形態では(実施形態1.65)、本発明は、実施形態1.1〜1.64のいずれか1つに定義される化合物の幾何異性体を提供する。
【0096】
(光学異性体)
式の化合物が、1以上のキラル中心を含有し、2以上の光学異性体の形態で存在することができる場合、化合物への言及には、文脈上ほかの意味に解釈するべき場合を除いて、その全ての光学異性体の形態(例えばエナンチオマー、エピマーおよびジアステレオ異性体)が、個々の光学異性体として、または2以上の光学異性体の混合物(例えばラセミ混合物)として含まれる。
【0097】
従って、もう一つの実施形態では(実施形態1.66)、本発明は、キラル中心を含有する、実施形態1.1〜1.65のいずれか1つに定義される化合物を提供する。
【0098】
光学異性体は、それらの光学活性によって(すなわち、+および−異性体、またはdおよびl異性体として)特徴づけられ、同定されてもよいし、それらはCahn,IngoldおよびPrelogによって開発された「RおよびS」命名法を用いて、それらの絶対立体化学に関して特徴づけられてもよい。Advanced Organic Chemistry by Jerry March,4th Edition,John Wiley&Sons,New York,1992,P.109−114を参照されたい、また、Cahn,Ingold&Prelog,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,1966,5,385−415も参照されたい。光学異性体は、キラルクロマトグラフィー(キラル支持体上でのクロマトグラフィー)を含むいくつかの技法によって分離することができ、そのような技法は当業者に周知である。キラルクロマトグラフィーの代替法として、(+)−酒石酸、(−)−ピログルタミン酸、(−)−ジ−トルオイル−L−酒石酸、(+)−マンデル酸、(−)−リンゴ酸、および(−)−カンファースルホン酸などのキラル酸でジアステレオ異性体塩を形成し、選択的結晶化によってジアステレオ異性体を分離し、その後、塩を分離して遊離塩基の個々のエナンチオマーを得ることによって光学異性体を分離することができる。
【0099】
本発明の化合物が2以上の光学異性体形態として存在する場合、一対のエナンチオマーの一方のエナンチオマーは、例えば、生物活性の点で他方のエナンチオマーよりも優位性を示すことがある。よって、特定の環境下では、治療薬として一対のエナンチオマーの一方のみ、または複数のジアステレオ異性体の一つだけを使用することが望ましいことがある。
【0100】
従って、もう一つの実施形態では(実施形態1.67)、本発明は、1以上のキラル中心を有する実施形態1.66に定義される化合物を含有する組成物を提供し、この際、少なくとも55%(例えば少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%)の実施形態1.65の化合物が単一の光学異性体(例えばエナンチオマーまたはジアステレオ異性体)として存在する。
【0101】
一つの一般的な実施形態(実施形態1.68)では、実施形態1.66の化合物(または使用のための化合物)の総量の99%以上(例えば実質的に全て)が単一の光学異性体として存在する。
【0102】
例えば、一実施形態では(実施形態1.69、化合物は、単一のエナンチオマーとして存在する。
【0103】
もう一つの実施形態では(実施形態1.70)、化合物は、単一のジアステレオ異性体として存在する。
【0104】
本発明はまた、光学異性体の混合物も提供し、それはラセミであっても非ラセミであってもよい。よって、本発明は以下を提供する:
1.71 光学異性体のラセミ混合物の形態である、実施形態1.66に定義される化合物。
【0105】
1.72 光学異性体の非ラセミ混合物の形態である、実施形態1.66に定義される化合物。
【0106】
(同位体)
実施形態1.1〜1.72のいずれか1つに定義される本発明の化合物は、1以上の同位体置換を含んでもよく、特定の元素への言及には、その範囲内にその元素の全ての同位体が含まれる。例えば、水素への言及には、その範囲内にH、H(D)およびH(T)が含まれる。同様に、炭素および酸素への言及には、その範囲内に、それぞれ、12C、13Cおよび14Cおよび16Oおよび18Oが含まれる。
【0107】
類似の方法では、特定の官能基への言及にも、文脈が別のものを示さない限り、その範囲内に同位体変種が含まれる。例えば、エチル基などのアルキル基への言及には、基内の水素原子の1以上が重水素またはトリチウム同位体の形態である、例えば5個全ての水素原子が重水素同位体形態である、エチル基(パージュウテロエチル(perdeuteroethyl)基)のような変種も包含される。
【0108】
同位体は、放射性であっても非放射性であってもよい。本発明の一実施形態(実施形態1.73)では、実施形態1.1〜1.72のいずれか1つの化合物は、放射性同位体を含まない。そのような化合物は、治療用途に好ましい。しかし、もう一つの実施形態では(実施形態1.74)、実施形態1.1〜1.72のいずれか1つの化合物は、1以上の放射性同位元素を含んでよい。そのような放射性同位元素を含有する化合物は、診断の状況で有用であり得る。
【0109】
(溶媒和物)
実施形態1.1〜1.74のいずれか1つに定義される式(1)の化合物は、溶媒和物を形成することができる。好ましい溶媒和物は、本発明の化合物の固体状態構造(例えば結晶構造)の中に無毒の製薬上許容される溶媒(以下、溶媒和させる溶媒)の分子を組み込むことによって形成される溶媒和物である。そのような溶媒の例としては、水、アルコール(例えばエタノール、イソプロパノールおよびブタノールなど)およびジメチルスルホキシドが挙げられる。溶媒和物は、本発明の化合物を溶媒または溶媒和させる溶媒を含有する溶媒の混合物で再結晶化することにより調製することができる。溶媒和物が形成されたかどうかは、どのような場合でも、熱重量分析(TGE)、示差走査熱量測定(DSC)およびX線結晶解析などの周知の標準的な技法を用いて、化合物の結晶を分析に付すことによって判定することができる。溶媒和物は、化学量論的溶媒和物であってもよいし、非化学量論的溶媒和物であってもよい。特に好ましい溶媒和物は水和物であり、水和物の例には、半水和物、一水和物および二水和物が含まれる。
【0110】
従って、さらなる実施形態1.75および1.76では、本発明は以下を提供する:
1.75 溶媒和物の形態の、実施形態1.1〜1.74のいずれか1つに定義される化合物。
【0111】
1.76 溶媒和物が水和物である、実施形態1.75に定義される化合物。
【0112】
溶媒和物ならびに溶媒和物を作成および特徴づけるために使用する方法のより詳細な考察については、Bryn et al.,Solid−State Chemistry of Drugs,Second Edition,published by SSCI,Inc of West Lafayette,IN,USA,1999,ISBN 0−967−06710−3を参照されたい。
【0113】
あるいは、水和物として存在するよりはむしろ、本発明の化合物は無水物であってよい。そのため、もう一つの実施形態では(実施形態1.77)、本発明は、無水形態(例えば無水結晶形態)の、実施形態1.1〜1.74のいずれか1つに定義される化合物を提供する。
【0114】
(結晶形態および非晶質形態)
実施形態1.1〜1.77のいずれか1つの化合物は、結晶状態または非結晶(例えば非晶)状態で存在してよい。化合物が結晶状態で存在するかどうかは、X線粉末回折(XRPD)などの標準的な技法によって容易に判定することができる。結晶およびそれらの結晶構造は、単結晶X線結晶解析、X線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)および赤外分光法、例えばフーリエ変換赤外分光法(FTIR)を含むいくつかの技法を用いて特徴づけることができる。変化する湿度条件下での結晶の挙動は、重量法による蒸気収着試験(gravimetric vapour sorption studies)によって、またXRPDによって分析することができる。化合物の結晶構造の判定は、X線結晶解析によって実施することができ、それは本明細書に記載される従来法およびFundamentals of Crystallography,C.Giacovazzo,H.L.Monaco,D.Viterbo,F.Scordari,G.Gilli,G.Zanotti and M.Catti,(International Union of Crystallography/Oxford University Press,1992 ISBN 0−19−855578−4(p/b),0−19−85579−2(h/b))に記載される従来法に従って実行することができる。この技法は、単結晶のX線回折の分析および解釈を含む。非晶質固体では、結晶形に通常存在する三次元構造が存在せず、非晶質形態中の分子の互いに対する位置は本質的にランダムである。例えばHancock et al.J.Pharm.Sci.(1997),86,1)を参照されたい。
【0115】
従って、さらなる実施形態では、本発明は以下を提供する:
1.78 結晶形態の、実施形態1.1〜1.77のいずれか1つに定義される化合物。
【0116】
1.79 (a)50%〜100%結晶性、より特に、少なくとも50%結晶性、または少なくとも60%結晶性、または少なくとも70%結晶性、または少なくとも80%結晶性、または少なくとも90%結晶性、または少なくとも95%結晶性、または少なくとも98%結晶性、または少なくとも99%結晶性、または少なくとも99.5%結晶性、または少なくとも99.9%結晶性、例えば100%結晶性である、実施形態1.1〜1.77のいずれか1つに定義される化合物。
【0117】
1.80 非晶質形態の、実施形態1.1〜1.77のいずれか1つに定義される化合物。
【0118】
(プロドラッグ)
実施形態1.1〜1.74のいずれか1つに定義される式(1)の化合物は、プロドラッグの形態で存在してよい。「プロドラッグ」とは、例えば、インビボで実施形態1.1〜1.74のいずれか1つに定義される、生物活性のある式(1)の化合物に変換される任意の化合物を意味する。
【0119】
例えば、一部のプロドラッグは、活性化合物のエステル(例えば、生理学的に許容される代謝的に不安定なエステル)である。代謝の間に、エステル基(−C(=O)OR)が切断されて活性薬物を生じる。そのようなエステルは、例えば、適切な場合に、親化合物中に存在する任意のその他の反応性基を事前に保護し、その後必要であれば脱保護することを伴って、親化合物中に存在する任意のヒドロキシル基のエステル化によって形成することができる。
【0120】
また、一部のプロドラッグは、酵素によって活性化されて活性化合物、またはさらなる化学反応によって活性化合物を生じる化合物(例えば、ADEPT、GDEPT、LIDEPTなどで)を生じる。例えば、プロドラッグは、糖誘導体またはその他のグリコシド複合体であってもよいし、あるいは、アミノ酸エステル誘導体であってもよい。
【0121】
従って、もう一つの実施形態では(実施形態1.81)、本発明は、ヒドロキシル基またはアミノ基を形成するために生理条件下で変換可能である官能基を化合物が含有する、実施形態1.1〜1.74のいずれか1つに定義される化合物のプロドラッグを提供する。
【0122】
(錯体およびクラスレート)
また、実施形態1.1〜1.81の式(1)には、実施形態1.1〜1.81の化合物の錯体(例えばシクロデキストリンなどの化合物との包接錯体またはクラスレート、あるいは金属との錯体)も包含される。
【0123】
従って、もう一つの実施形態(実施形態1.82)では、本発明は、複合体またはクラスレートの形態の、実施形態1.1〜1.81のいずれか1つに定義される化合物を提供する。
【0124】
(生物活性および治療用途)
本発明の化合物は、ムスカリンM1受容体作動薬としての活性を有する。化合物のムスカリン活性は、下の実施例Aに記載されるホスホ−ERK1/2アッセイを用いて求めることができる。
【0125】
本発明の化合物の重要な利点は、本発明の化合物はM2およびM3受容体サブタイプに比べてM1受容体に対して選択性が高いことである。本発明の化合物は、M2およびM3受容体サブタイプの作動薬でも拮抗薬でもない。例えば、本発明の化合物は、実施例Aに記載される機能アッセイにおいて、M1受容体に対して一般にpEC50値が少なくとも6(好ましくは少なくとも6.5)であり、Emax値が80よりも大きい(好ましくは95よりも大きい)が、実施例Aの機能アッセイでM2およびM3サブタイプに対して試験した場合、pEC50値は5未満、Emax値は20%未満であり得る。
【0126】
従って、実施形態2.1〜2.9において、本発明は以下を提供する:
2.1 医薬に用いるための、実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物。
【0127】
2.2 ムスカリンM1受容体作動薬として用いるための、実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物。
【0128】
2.3 本明細書中の実施例Aのアッセイまたは実質的にそれと同様のアッセイにおいて、M1受容体に対するpEC50が6.0〜7.9の範囲内であり、Emaxが少なくとも90であるムスカリンM1受容体作動薬である、実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物。
【0129】
2.4 6.5〜7.5の範囲内のpEC50を有するムスカリンM1受容体作動薬である、実施形態2.3に定義される化合物。
【0130】
2.5 M1受容体に対して少なくとも95のEmaxを有する、実施形態2.3または実施形態2.4に定義される化合物。
【0131】
2.6 ムスカリンM2およびM3受容体と比較してM1受容体に対して選択性である、実施形態2.3〜2.5のいずれか1つに定義される化合物。
【0132】
2.7 ムスカリンM2およびM3受容体サブタイプに対して5未満のpEC50および50未満のEmaxを有する、実施形態2.3〜2.6のいずれか1つに定義される化合物。
【0133】
2.8 ムスカリンM2およびM3受容体サブタイプに対して4.5未満のpEC50および/または30未満のEmaxを有する、実施形態2.7に定義される化合物。
【0134】
2.9 ムスカリンM1受容体が介在する疾患または状態の治療に用いるための、実施形態1.1〜1.82および実施形態2.3〜2.8のいずれか1つに定義される化合物。
【0135】
そのムスカリンM1受容体作動薬活性のために、本発明の化合物は、アルツハイマー病、統合失調症およびその他の精神病性障害、認知障害およびムスカリンM1受容体が介在するその他の疾患の治療で使用することができ、さらに様々な種類の疼痛の治療でも使用することができる。
【0136】
従って、実施形態2.10〜2.26において、本発明は以下を提供する:
2.10 認知障害または精神病性障害の治療に用いるための、実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物。
【0137】
2.11 認知障害または精神病性障害が、認知障害、軽度認知機能障害、前頭側頭型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、初老期認知症、老年性認知症、フリードライヒ運動失調症、ダウン症候群、ハンチントン舞踏病、運動亢進症、躁病、トゥレット症候群、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、注意力、見当識を含む認知機能障害、学習障害、記憶機能の障害(すなわち、記憶障害、健忘症、健忘障害、一過性全健忘症候群および加齢性記憶障害)および言語機能の障害;卒中、ハンチントン病、ピック病、エイズ関連認知症またはその他の認知症状態、例えば多重梗塞性認知症、アルコール認知症、甲状腺機能低下関連(hypotiroidism−related)認知症、ならびに小脳萎縮および筋委縮性(amyotropic)側索硬化症などのその他の変性障害に関連する認知症などの結果としての認知障害;認知機能低下を引き起こす可能性のあるその他の急性または亜急性状態、例えば譫妄または鬱病(仮性認知症状態)心的外傷、頭部外傷、加齢性認知機能低下、卒中、神経変性、薬剤誘導性の状態、神経毒性剤、加齢性認知障害、自閉症関連認知障害、ダウン症候群、精神病に関連する認知障害、および電気痙攣療法後の関連認知障害など;ニコチン、大麻、アンフェタミン、コカインを含む薬物乱用または退薬に起因する認知障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)および運動障害、例えばパーキンソン病、神経遮断薬誘導性パーキンソニズム、および遅発性ジスキネジアなど、統合失調症、統合失調症様疾患、精神病性うつ病、躁病、急性躁病、偏執病、幻覚発現性障害および妄想性障害、人格障害、強迫性障害、統合失調型障害、妄想性障害、悪性腫瘍、代謝障害、内分泌疾患またはナルコレプシーに起因する精神病、薬物乱用または退薬に起因する精神病、双極性障害および統合失調感情障害を含むか、これらから生じるか、あるいはこれらから選択される状態に関連している、実施形態2.10に従って用いるための化合物。
【0138】
2.12 アルツハイマー病の治療に用いるための、実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物。
【0139】
2.13 統合失調症の治療に用いるための、実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物。
【0140】
2.14 被験体(例えばヒトなどの哺乳動物患者、例えばそのような治療を必要とするヒト)における認知障害の治療の方法。この方法は、治療上有効な量の実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物の投与を含む。
【0141】
2.15 認知障害が、実施形態2.11に定義される状態を含むか、それらから生じるか、あるいはそれらに関連している、実施形態2.14に従う方法。
【0142】
2.16 認知障害が、アルツハイマー病から生じるか、またはそれに関連している、実施形態2.15に従う方法。
【0143】
2.17 認知障害が統合失調症である、実施形態2.16に従う方法。
【0144】
2.18 認知障害の治療のための薬物の製造のための、実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物の使用。
【0145】
2.19 認知障害が、実施形態2.11に定義される状態を含むか、それらから生じるか、あるいはそれらに関連している、実施形態2.10に従う使用。
【0146】
2.20 認知障害が、アルツハイマー病から生じるか、またはそれに関連している、実施形態2.19に従う使用。
【0147】
2.21 認知障害が統合失調症である、実施形態2.19に従う使用。
【0148】
2.22 急性、慢性、神経因性、もしくは炎症性疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経痛、全身神経痛、内臓痛、変形性関節症痛、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害、神経根痛、坐骨神経痛、背痛、頭痛または頸部痛、激痛または難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突出痛、手術後疼痛、または癌性疼痛の治療または重症度を軽減するための、実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物。
【0149】
2.23 治療上有効な量の実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物の投与を含む、急性、慢性、神経因性、もしくは炎症性疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経痛、全身神経痛、内臓痛、変形性関節症疼痛、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害、神経根痛、坐骨神経痛、背痛、頭痛または頸部痛、激痛または難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突出痛、手術後疼痛、または癌性疼痛の治療または重症度を軽減する方法。
【0150】
2.24 緑内障における眼内圧の低下などの末梢性障害の治療およびシェーグレン症候群を含むドライアイおよび口渇の治療のための、実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物。
【0151】
2.25 治療上有効な量の実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物の投与を含む、緑内障における眼内圧の低下などの末梢性障害の治療およびシェーグレン症候群を含むドライアイおよび口渇の治療の方法。
【0152】
2.26 急性、慢性、神経因性、もしくは炎症性疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経痛、全身神経痛、内臓痛、変形性関節症疼痛、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害、神経根痛、坐骨神経痛、背痛、頭痛または頸部痛、激痛または難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突出痛、手術後疼痛、または癌性疼痛の治療または重症度を軽減するための、あるいは、緑内障における眼内圧の低下などの末梢性障害の治療およびシェーグレン症候群を含むドライアイおよび口渇の治療のための、薬物の製造のための実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物の使用。
【0153】
2.27 例えば、尋常性天疱瘡、疱疹状皮膚炎、類天疱瘡およびその他の水泡形成皮膚症状に起因する皮膚病変の治療で使用するための、実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物の使用。
【0154】
2.28 胃腸機能および運動の変化に関連する症状、例えば機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群、胃食道酸逆流(GER)および胃食道運動障害、胃不全麻痺および慢性下痢の症状などを治療、予防、寛解または逆転させる際に使用するための、実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物の使用。
【0155】
2.29 嗅覚機能障害、例えばボスマ−ヘンキン−クリスティアンセン(Bosma−Henkin−Christiansen)症候群、化学中毒(例えばセレンおよび銀)、下垂体機能低下症、カルマン症候群、頭蓋骨骨折、腫瘍治療および甲状腺機能不全などの治療の際に使用するための、実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物の使用。
【0156】
(式(1)の化合物の調製のための方法)
式(1)の化合物は、当業者に周知の合成方法に従って、本明細書に記載される通り調製されることができる。
【0157】
従って、もう一つの実施形態(実施形態3.1)では、本発明は、実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される化合物の調製のためのプロセスを提供し、そのプロセスは以下を含む:
(A)式(10)の化合物
【化16】
[式中、R、R、R、XおよびXは、実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される通りである]と、アミド形成条件下での式RNHの化合物との反応;あるいは
(B)式(11)の化合物:
【化17】
と、(i)塩基の存在下での式Cl−C(=O)−CH−Rの化合物との反応;または(ii)式R−CH−OHおよびトリホスゲンの化合物との反応;または(iii)塩基の存在下での4−ニトロフェニルクロロホルメートとそれに続いて式R−CH−OHの化合物との反応;
ならびに、所望により:
(C)式(1)の1つの化合物を別の式(1)の化合物に変換すること。
【0158】
プロセス変形(A)では、反応は、アミド結合の形成で一般に用いられる種類の試薬の存在下で実行されてよい。このような試薬の例としては、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(Sheehan et al,J.Amer.Chem Soc.1955,77,1067)、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(本明細書中ではEDCまたはEDAC)(Sheehan et al,J.Org.Chem.,1961,26,2525)、ウロニウム系カップリング剤、例えば、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)およびホスホニウム系カップリング剤、例えば、1−ベンゾ−トリアゾリルオキシトリス−(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)など(Castro et al,Tetrahedron Letters,1990,31,205)が挙げられる。カルボジイミド系カップリング剤は、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)(L.A.Carpino,J.Amer.Chem.Soc.,1993,115,4397)または1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(Konig et al,Chem.Ber.,103,708,2024−2034)と組み合わせて有利に使用される。好ましいアミドカップリング剤は、HATUである。
【0159】
カップリング反応は、一般に、非水性非プロトン性溶媒中、例えばアセトニトリル、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドまたはN−メチルピロリジノンなど、あるいは水性溶媒中で、所望により1以上の混和性共溶媒とともに実行される。反応は室温で実行してもよいし、反応体の反応性が低い場合には適切に高い温度で、例えば約100℃まで、例えば50〜80℃の温度で実行してもよい。反応は、所望により非妨害塩基、例えば、トリエチルアミンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの第三級アミンの存在下で行ってもよい。
【0160】
代わりとして、カルボン酸の反応性誘導体、例えば無水物または酸塩化物を用いてよい。酸塩化物は、一般に、重炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下で式RNHの化合物と反応する。酸塩化物は、標準法を用いて、例えば、触媒量のジメチルホルムアミドの存在下で酸を塩化オキサリルで処理することによって、調製することができる。
【0161】
プロセス変形(B)は、一般に、トリエチルアミンなどの非妨害塩基の存在下、ジクロロメタンまたはジクロロエタンなどの非プロトン性溶媒中で実行される。反応は、室温で行われてよい。
【0162】
式(10)の中間体化合物は、下のスキーム1に示される一連の反応によって調製することができる。
【化18】
【0163】
反応スキーム1では、ピペリジンエステル(12、R’’=エチルまたはメチル)を還元的アミノ化条件下で置換ケトン(13)と反応させる。還元的アミノ化反応は、一般に、塩化亜鉛と組み合わせた水素化シアノホウ素ナトリウムまたはチタンイソプロポキシドと組み合わせたトリアセトキシホウ水素化ナトリウムの存在下、酢酸を含有するジクロロメタンまたはジクロロエタンなどの溶媒中、穏やかに加温(例えば約40℃〜約70℃の温度に)して実行されて、中間体エステル化合物(14)が得られ、これを次に水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムを用いて穏和な条件下で選択的に加水分解して、化合物(10)を得る。
【0164】
式(11)の化合物は、下のスキーム2に示される一連の反応によって調製することができる。
【化19】
【0165】
スキーム2では、ピペリジンエステル(12、R’’=エチルまたはメチル)を上記の種類の還元的アミノ化条件下でケトン(15)と反応させて中間体エステル(図示せず)を得、これを次に水酸化リチウムを用いて選択的に加水分解して、カルボン酸(16)を得る。次に、カルボン酸(16)をアミンHNRとアミド形成条件下で(上記参照)反応させて、中間体アミド化合物(図示せず)を得、これを次に酸(例えばジクロロメタン中トリフルオロ酢酸)で処理することによるBoc基の除去によって脱保護して、化合物(11)を得る。
【0166】
式(10)の化合物は、下のスキーム3に示される一連の反応によっても調製することができる。
【化20】
スキーム3では、メタノール中の水素化ホウ素ナトリウムを用いて置換ケトン(13)をアルコール(17)に還元する。次に、トリエチルアミンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの第三級アミンの存在下、ジクロロメタン中の対応する塩化スルホニルを用いて、アルコール(17)をスルホン酸エステル(18、R=メチル、トリフルオロメチル(trifluormethyl)または4−メチルフェニル)として活性化する。スルホン酸エステル(18)をピペリジンエステル(12、R’’=エチルまたはメチル)と、一般に、そのまま溶媒なしで、あるいはテトラヒドロフラン、アセトニトリルまたはジメチルアセトアミドなどの適した溶媒中で穏やかに加温して(例えば約40℃〜約70℃の温度まで)実行される求核置換反応で反応させて、化合物(14)を得、これを次に水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムを用いて穏和な条件下で選択的に加水分解して化合物(10)を得る。
【0167】
ひとたび形成されると、式(1)の1つの化合物、またはその保護された誘導体は、当業者に周知の方法によって式(1)の別の化合物に変換することができる。1つの官能基を別の官能基に変換するための合成手順の例は、Advanced Organic Chemistry and Organic Syntheses(上の参考文献を参照)または Fiesers’Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1−17,John Wiley,edited by Mary Fieser(ISBN:0−471−58283−2)などの標準的なテキストに示されている。
【0168】
上記の反応の多くにおいて、分子の望ましくない位置で反応が起こることを防ぐために1以上の基を保護することが必要である場合がある。保護基の例、ならびに官能基を保護および脱保護する方法は、Protective Groups in Organic Synthesis(T.Greene and P.Wuts;3rd Edition;John Wiley and Sons,1999)に見出すことができる。
【0169】
前述の方法によって作成した化合物は、当業者に周知の多様な方法のいずれかによって単離および精製することができる。そのような方法の例としては、再結晶化ならびにカラムクロマトグラフィー(例えばフラッシュクロマトグラフィー)およびHPLCなどのクロマトグラフィー技法が挙げられる。
【0170】
(医薬製剤)
活性化合物は単独で投与することも可能であるが、医薬組成物(例えば製剤)として提示することが好ましい。
【0171】
従って、本発明のもう一つの実施形態では(実施形態4.1)、実施形態1.1〜1.82のいずれか1つに定義される式(1)の化合物の少なくとも1つを少なくとも1つの製薬上許容される賦形剤とともに含む医薬組成物が提供される。
【0172】
一実施形態(実施形態4.2)では、組成物は錠剤組成物である。
【0173】
もう一つの実施形態(実施形態4.3)では、組成物はカプセル剤組成物である。
【0174】
1または複数の製薬上許容される賦形剤は、例えば、担体(例えば固体、液体または半固体担体)、アジュバント、希釈剤(例えば増量剤または充填剤などの固体希釈剤;ならびに溶媒および共溶媒などの液体希釈剤)、造粒剤、結合剤、流動助剤、コーティング剤、放出制御剤(例えば放出を遅延させる(retarding or delaying)ポリマーまたはワックス)、結合剤、崩壊剤、緩衝剤、滑沢剤、防腐剤、抗真菌剤および抗菌剤、抗酸化薬、緩衝剤、浸透圧調節剤、増粘剤、香味剤、甘味料、顔料、可塑剤、風味マスキング剤、安定剤、または医薬組成物において従来使用される任意のその他の賦形剤から選択され得る。
【0175】
用語「薬剤的に許容される」とは、本明細書において、しっかりした医学的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合った、過剰な毒性、刺激作用、アレルギー応答、またはその他の問題または合併症なく、被験体(例えばヒト被験体)の組織との接触に用いるのに適している化合物、材料、組成物、および/または剤形を意味する。各々の賦形剤も、製剤のその他の構成成分と相容性であるという意味において「許容される」べきである。
【0176】
式(1)の化合物を含有する医薬組成物は、公知の技法に従って処方することができる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,PA,USAを参照されたい。
医薬組成物は、経口、非経口、局所、鼻腔内、気管支内、舌下、眼内、耳、直腸の、膣内、または経皮投与に適した任意の形態であってよい。
【0177】
経口投与に適した医薬剤形には、錠剤(コーティング錠もしくは非コーティング錠)、カプセル剤(硬質もしくは軟質シェル)、カプレット、丸剤、トローチ剤、シロップ剤、溶液、粉末、顆粒剤、エリキシル剤および懸濁剤、舌下錠、ウエハまたは口内パッチなどのパッチが含まれる。
【0178】
錠剤組成物は、単位用量の活性化合物を、不活性希釈剤または担体、例えば糖または糖アルコールなど、例えば;ラクトース、スクロース、ソルビトールもしくはマンニトール;および/または非糖由来希釈剤、例えば炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムなど、またはそのセルロースもしくは誘導体、例えば微晶質セルロース(MCC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびデンプン例えばトウモロコシデンプンなどとともに含有することができる。錠剤はまた、結合剤および造粒剤、例えばポリビニルピロリドンなど、崩壊剤(例えば架橋カルボキシメチルセルロースなどの膨潤性架橋ポリマー)、潤滑剤(例えばステアレート)、防腐剤(例えばパラベン)、抗酸化薬(例えばBHT)、緩衝剤(例えばリン酸もしくはクエン酸緩衝液)、および発泡剤、例えばクエン酸塩/重炭酸塩混合物などのような標準的な構成成分も含有してよい。そのような賦形剤は周知であり、ここで詳細に考察する必要はない。
【0179】
錠剤は、薬剤を、胃液と接触すると同時に放出する(直接放出錠剤)か、あるいは制御された様式で長時間にわたって、または胃腸管の特定の区域に、放出する(制御放出錠剤)ように設計されてよい。
【0180】
医薬組成物は、一般に約1%(w/w)〜約95%、好ましくは%(w/w)の有効成分および99%(w/w)〜5%(w/w)の製薬上許容される賦形剤(例えば上記定義の通り)またはそのような賦形剤の組合せを含む。好ましくは、組成物は、約20%(w/w)〜約90%(w/w)の有効成分および80%(w/w)〜10%の薬剤的な賦形剤または賦形剤の組合せを含む。医薬組成物は、約1%〜約95%、好ましくは約20%〜約90%の有効成分を含む。本発明に従う医薬組成物は、例えば、単位投与形態で、例えばアンプル、バイアル、坐剤、事前充填シリンジ、ドラジェ、粉末、錠剤またはカプセル剤の形態であってよい。
【0181】
錠剤およびカプセル剤は、例えば、0〜20%の崩壊剤、0〜5%の滑沢剤、0〜5%の流動助剤および/または0〜99%(w/w)の増量剤/もしくは充填剤を(薬剤用量に応じて)含有してよい。また、それらは、0〜10%(w/w)の高分子バインダー、0〜5%(w/w)の抗酸化薬、0〜5%(w/w)の顔料も含有してよい。緩徐放出錠剤は、その上に、一般に0〜99%(w/w)の放出制御(例えば遅延)ポリマーを(用量に応じて)含有することになる。錠剤またはカプセル剤のフィルムコートは、一般に0〜10%(w/w)のポリマー、0〜3%(w/w)の顔料、および/または0〜2%(w/w)の可塑剤を含有する。
【0182】
非経口製剤は、一般に、0〜20%(w/w)のバッファー、0〜50%(w/w)の共溶媒、および/または0〜99%(w/w)の注射水(WFI)(用量に応じて、またはフリーズドライの場合)を含有する。筋肉内デポー製剤のための処方には、0〜99%(w/w)の油も含有されてよい。
【0183】
医薬製剤は、単一のパッケージ、通常ブリスターパックに治療の全ての過程を含有する「患者パック」で患者に提示することができる。
【0184】
式(1)の化合物は、通常、単位剤形で提示されることになり、したがって、一般に、望ましいレベルの生物活性を提供するために十分な化合物を含有することになる。例えば、製剤は、1ナノグラム〜2グラムの有効成分、例えば1ナノグラム〜2ミリグラムの有効成分を含有してよい。これらの範囲内で、化合物の特定の下位範囲は、0.1ミリグラム〜2グラムの有効成分(より通常には、10ミリグラム〜1グラム、例えば50ミリグラム〜500ミリグラム)、または1マイクログラム〜20ミリグラム(例えば1マイクログラム〜10ミリグラム、例えば0.1ミリグラム〜2ミリグラムの有効成分)である。
【0185】
経口組成物には、単位剤形は、1ミリグラム〜2グラム、より一般に10ミリグラム〜1グラム、例えば50ミリグラム〜1グラム、例えば100ミリグラム〜1グラムの活性化合物を含有してよい。
【0186】
活性化合物は、それを必要とする患者(例えばヒトまたは動物患者)に、所望の治療効果を達成するために十分な量(有効量)で投与される。投与される化合物の正確な量は、標準的な手順に従って、監督している医師によって決定されてよい。
【0187】
(実施例)
本発明は、これから以下の実施例に記載される特定の実施形態を参照して説明されるが、それらに限定されない。
【0188】
(実施例1〜32)
下の表1に示される実施例1〜32の化合物を調製した。それらのNMRおよびLCMS特性ならびにそれらを調製するために用いる方法を表3に示す。各々の実施例の出発物質は、表2に記載される。
【0189】
表1
【表2-1】
【表2-2】
【0190】
(一般手順)
調製経路が含められていない場合、当該中間体は市販されている。市販の試薬は、さらなる精製を行わずに利用した。室温(rt)とは、約20〜27℃をさす。H NMRスペクトルは、Bruker製計測器またはJeol製のいずれかの計測器で400MHzで記録した。化学シフト値は、百万分率(ppm)、すなわち(δ)−値で表される。以下の略語がNMRシグナルの多重度に使用される:s=シングレット、br=ブロード、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、quint=クインテット、td=ダブレットのトリプレット、tt=トリプレットのトリプレット、qd=ダブレットのカルテット、ddd=ダブレットのダブレットのダブレット、ddt=トリプレットのダブレットのダブレット、m=マルチプレット。結合定数は、Hzの単位で測定したJ値として記載される。NMRおよび質量分析結果は、バックグラウンドピークを考慮するために補正した。クロマトグラフィーとは、60〜120メッシュシリカゲルを用いて実施され、窒素圧力(フラッシュクロマトグラフィー)条件下で実行されるカラムクロマトグラフィーをさす。反応をモニターするためのTLCとは、指定された移動相および固定相としてMerck製のシリカゲルF254を用いるTLCの実行をさす。マイクロ波による反応は、Biotage InitiatorまたはCEM Discoverマイクロ波反応器で実施した。
【0191】
質量分析は、詳細な実験の項で各々の化合物について指定されるエレクトロスプレー条件を用いて、Shimadzu LC−2010 EV、Waters ZQ−2000、UPLC−Mass SQD−3100またはApplied Biosystem API−2000スペクトロメーターで行った。
【0192】
分取HPLCは、一般に次の条件下で実行される、(Gilson Semi−Prep HPLC):カラム:Phenomenex Gemini NX 5μm C18 110A Axia(100×30mm);移動相:溶媒A:MeCN;溶媒B:NH水溶液(28%)および5%MeCNの0.1または0.2%溶液を含有する水;勾配:溶媒B中20〜60%の溶媒Aで14.4分、溶媒B中60%溶媒Aで1.6分間保持、100%溶媒Aで1.6分 流量:30mL/分;検出波長:210nm。
【0193】
LCMS実験は、一般に、各々の化合物に対して指定されるエレクトロスプレー条件を用いて次の条件下で実行された:
(方法AおよびB)
計測器:Waters Alliance 2795、Waters 2996 PDA検出器、Micromass ZQ;カラム:Waters X−Bridge C−18、2.5μm、2.1×20mmまたはPhenomenex Gemini−NX C−18、3μm、2.0×30mm;勾配[時間(分)/C中溶媒D(%)]:方法A:0.00/2、0.10/2、2.50/95、3.50/95、3.55/2、4.00/2または方法B:0.00/2、0.10/2、8.40/95、9.40/95、9.50/2、10.00/2;溶媒:溶媒C=2.5L HO+2.5mLアンモニア溶液;溶媒D=2.5L MeCN+135mL HO+2.5mLアンモニア溶液);注入量3μL;UV検出230〜400nM;カラム温度45℃;流量1.5mL/分。
【0194】
(方法C)
計測器:HP1100、HP DAD G1315A検出器、Micromass ZQ;カラム:Phenomenex Gemini−NX C−18、3μm、2.0×30mm;勾配[時間(分)/C中溶媒D(%)]:方法C:0.00/2、0.10/2、8.40/95、9.40/95、9.50/2、10.00/2;溶媒:溶媒C=2.5L HO+2.5mLアンモニア溶液;溶媒D=2.5L MeCN+135mL HO+2.5mLアンモニア溶液);注入量3μL;UV検出230〜400nM;カラム温度45℃;流量1.5mL/分。
【0195】
(方法D)
計測器:Waters Alliance 2795、Waters 2996 PDA検出器、Micromass ZQ;カラム:Waters X−Bridge C−18、2.5μm、2.1×20μm、流量1.0mL/分;注入量5μL;5〜95%のアセトニトリル:水+0.1%水酸化アンモニウム。
【0196】
(方法E)
計測器:Waters 2695 Alliance、Micromass ZQ、2996 PDAおよびVarian 385−LC ELSD、カラム:XBridge C18 3×100mm×3.5μm、流量1mL/分;注入量20μL、5〜95%のアセトニトリル(acetonirtile):水+2%ギ酸
【0197】
GC実験は次の条件下で実行した:
(方法F)
計測器:Agilent 6890、CP select 624カラム;注入温度200℃、10psi H;検出器温度250℃、25mL/分 H、400mL/分 空気;オーブン 35℃(2分)から8℃/分で130℃まで(4.1分)
【0198】
(方法G)
計測器:Agilent 6890、CP select 624カラム;注入温度200℃、10psi H;検出器温度250℃、25mL/分 H、400mL/分 空気;オーブン 35℃(2分)から4℃/分で130℃まで(5.75分)
【0199】
実験の項のGCデータは、実行時間、保持時間、ピーク面積百分率の形式で示される。
【0200】
(略語)
d = 日(数)
DCM = ジクロロメタン
DIPEA = ジイソプロピルエチルアミン
DMF = ジメチルホルムアミド
DMSO = ジメチルスルホキシド
ES = エレクトロスプレーイオン化法
EtOAc = 酢酸エチル
h = 時間(数)
HPLC = 高速液体クロマトグラフィー
LC = 液体クロマトグラフィー
MeCN = アセトニトリル
MeOH = メタノール
min = 分(数)
MS = 質量分析
NMR = 核磁気共鳴
rt = 室温
sat. = 飽和
sol. = 溶液
STAB = トリアセトキシホウ水素化ナトリウム
THF = テトラヒドロフラン
TLC = 薄層クロマトグラフィー
【0201】
接頭辞n−、s−、i−、t−およびtert−は、それらの通常の意味:ノルマル、第二級、イソ、および第三級を有する。
【0202】
一般的な合成手順:
(経路a)
実施例1異性体1、エチル 3−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレートの調製によって例証される、STAB還元的アミノ化およびHATUカップリングによるアミドの調製のための典型的手順
【化21】
【0203】
エチル ピペリジン−4−カルボキシレート(0.797g、0.78mL、5.07mmol)およびN−エトキシカルボニルノルトロピノン(1.00g、5.07mmol)を室温でDCM(30mL)に溶解し、チタンイソプロポキシド(1.59g、1.7mL、5.58mmol)を添加した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。STAB(2.15g、10.14mmol)および酢酸(0.2mL)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した。反応混合物を水(4mL)の添加によってクエンチし、DCMで希釈した後、セライトパッドに通して濾過した。濾液を飽和NaHCO溶液、飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 50g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配 DCM中2%〜4.5%MeOH])によって精製して、エチル 3−[4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレートを、異性体の分離可能な混合物として得た。淡黄色の油状物質として異性体1(0.549g、32%)、淡黄色の油状物質として異性体2(0.137g、8%)。
【0204】
LCMS(方法A):異性体1 m/z 339(M+H)(ES)、1.78分時点、UV不活性。
【0205】
LCMS(方法A):異性体2 m/z 339(M+H)(ES)、1.68分時点、UV不活性。
【0206】
エチル 3−[4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(0.549g、1.62mmol)の異性体1を室温でTHF(10mL)に溶解し、1M LiOH溶液(1.62mL)を添加した。反応混合物を室温で2日間撹拌した。濃塩酸の添加によってpHをpH6に注意深く調節し、溶媒を真空除去して、1−[8−(エトキシカルボニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]ピペリジン−4−カルボン酸(0.50g、100%)をオフホワイトの固体として得た。
【0207】
LCMS(方法A):m/z 311(M+H)(ES)、0.1分時点、UV不活性
1−[8−(エトキシカルボニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]ピペリジン−4−カルボン酸(0.50g、仮定値1.62mmol)を、DMF(8mL)に溶解し、(1−メチルシクロブチル)アミン塩酸塩(0.295g、2.44mmol)、HATU(0.926g、2.44mmol)およびDIPEA(1.05g、1.41mL、8.12mmol)を添加した。反応混合物を室温で60時間撹拌し、溶媒を真空除去した。残渣をDCMと飽和NaHCO溶液とに分配し、有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、相分離カートリッジに通した。有機濾液の溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å、25mL/分、勾配 DCM中0%〜10%MeOH])によって精製して、エチル 3−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート異性体1(0.208g、34%)を淡黄色のゴム質として得た。
【0208】
データは表3中
【0209】
(経路b)
実施例5異性体1、エチル 3−{4−メトキシ−4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレートの調製によって例証される、NaCNBH還元的アミノ化およびHATUカップリングによるアミドの調製のための典型的手順
【化22】
【0210】
4−メトキシピペリジン−4−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(0.500g、2.38mmol)を、メタノール(2mL)に溶解し、最小限の水中のKCO(0.329g、2.38mmol)で処理して脱塩した。混合物を真空濃縮し、トルエンで共沸乾固した。残渣およびN−エトキシカルボニルノルトロピノン(0.470g、2.39mmol)をメタノール(20mL)に溶解し、塩化亜鉛(0.975g、7.15mmol)を添加した。反応混合物を窒素雰囲気下、50℃で2時間撹拌した後、室温まで冷却した。NaCNBH(0.299g、4.77mmol)を添加し、反応混合物を窒素下50℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を真空除去し、残渣をDCMで希釈し、飽和NaHCO溶液で処理し、得られる不均一な混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を飽和NaHCO溶液、飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配 DCM中0%〜10%MeOH])によって精製して、エチル 3−[4−メトキシ−4−(メトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレートを異性体の分離可能な混合物として得た。淡黄色の油状物質として異性体1(0.097g、12%)、淡黄色の油状物質として異性体2(0.022g、2.5%)。
【0211】
LCMS(方法A):異性体1 m/z 355(M+H)(ES)、1.47〜1.50分時点、UV不活性。
LCMS(方法A):異性体2 m/z 355(M+H)(ES)、1.47分時点、UV不活性。
【0212】
エチル 3−[4−メトキシ−4−(メトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート(0.097g、0.27mmol)の異性体1を、室温でTHF(5mL)に溶解し、1M LiOH溶液(0.3mL)を添加した。反応混合物を室温で7日間撹拌した。pHを、濃塩酸の添加によってpH6に注意深く調節し、溶媒を真空除去して1−[8−(エトキシカルボニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]−4−メトキシピペリジン−4−カルボン酸(0.093g、100%)をオフホワイトの固体として得た。
【0213】
LCMS(方法A):m/z 341(M+H)(ES)、0.83分時点、UV不活性。
【0214】
1−[8−(エトキシカルボニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]−4−メトキシピペリジン−4−カルボン酸(0.093g、仮定値0.27mmol)をDMF(5mL)に溶解し、(1−メチルシクロブチル)アミン塩酸塩(0.05g、0.411mmol)、HATU(0.156g、0.41mmol)およびDIPEA(0.177g、0.24mL、1.37mmol)を添加した。反応混合物を室温で60時間撹拌し、溶媒を真空除去した。残渣をDCMと飽和NaHCO溶液とに分配し、有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 10g、40〜63μm、60Å、25mL/分、勾配 DCM中0%〜10%MeOH])によって精製して、エチル 3−{4−メトキシ−4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシレート異性体1(0.028g、25%)を淡黄色のゴム質として得た。
【0215】
データは表3中
【0216】
(経路c)
実施例9、エチル 2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例証される、クロロホルメートカップリングによるカルバミン酸塩の調製のための典型的手順
【化23】
【0217】
エチル ピペリジン−4−カルボキシレート(0.35g、0.32mL、2.22mmol)および6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボン酸、2−オキソ−、1,1−ジメチルエチルエステル(0.500g、2.22mmol)を、室温でDCM(20mL)に溶解し、チタンイソプロポキシド(4.12g、4.40mL、14.5mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。STAB(0.694g、0.72mL、2.44mmol)および酢酸(0.05mL)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO溶液(5mL)の添加によってクエンチし、5分間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、セライトパッドに通して濾過した。濾液を分離し、飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 50g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配 DCM中0%〜5%MeOH])によって精製して、tert−ブチル 2−[4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.739g、90.9%)を淡黄色の油状物質として得た。
【0218】
LCMS(方法A):m/z 367(M+H)(ES)、1.94/1.99分時点、UV不活性
tert−ブチル 2−[4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.739g、2.02mmol)を室温でTHF(10mL)に溶解し、1M LiOH溶液(2.02mL)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を、1M HCl溶液の添加によってpH5に調節し、溶媒を真空除去して、1−[6−(tert−ブトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−カルボン酸を得、これを粗製のままその後の反応に使用した。
【0219】
LCMS(方法A):m/z 339(M+H)(ES)、0.12分時点、UV不活性
1−[6−(tert−ブトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−カルボン酸を、DMF(5mL)に溶解し、(1−メチルシクロブチル)アミン塩酸塩(0.37g、3.03mmol)、HATU(0.844g、2.22mmol)およびDIPEA(1.305g、10.1mmol)を添加した。反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をDCMと飽和NaHCO溶液とに分配し、有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 50g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配 DCM中0%〜10%MeOH])によって精製して、tert−ブチル 2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.627g、76.7%)を白色の泡沫として得た。
【0220】
LCMS(方法A):m/z 406(M+H)(ES)、1.81分時点、UV不活性
tert−ブチル 2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.627g、1.55mmol)をDCM(8mL)に溶解し、TFA(2mL)を添加した。反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した後、溶媒を真空除去して、1−(6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル)−N−(1−メチルシクロブチル)ピペリジン−4−カルボキサミドトリフルオロアセテートを暗黄色の油状物質として得、それをさらなる精製を行わずに直接使用した。残渣をDCM(10mL)に溶解し、NEt(0.49g、0.65mL、4.64mmol)およびクロロギ酸エチル(0.25mg、0.18mL、0.57mmol)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をDCMと飽和NaHCO溶液とに分配し、有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 10g、40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配 DCM中0%〜10%MeOH])によって精製して、エチル 2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.04g、13%)をジアステレオマーの混合物として黄色のゴム質として得た。
【0221】
データは表3中
【0222】
(経路d)
実施例9異性体2、エチル 2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例証される、単一のジアステレオ異性体の調製とその後のクロロホルメートカップリングのための典型的手順
【化24】
【0223】
6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボン酸、2−オキソ−、1,1−ジメチルエチルエステル(3.00g、13.33mmol)をアルコールに還元し、メシル化条件下で反応させ、得られるジアステレオ異性体を、国際公開第2010/089510号特許に詳述される情報に従って分離して、tert−ブチル 2−[(メチルスルホニル)オキシ]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート異性体1(1.79g、2工程で44%)を白色の結晶性固体として、および異性体2(0.965g、2工程で24%)を白色の結晶性固体として生成した。
【0224】
LCMS(方法B):異性体1;m/z 306(M+H)(ES)、3.36分時点、UV不活性
【0225】
LCMS(方法B):異性体2;m/z 306(M+H)(ES)、3.39分時点、UV不活性
【0226】
tert−ブチル 2−[(メチルスルホニル)オキシ]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート異性体1(1.79g、5.73mmol)およびイソニペコチン酸エチル(4.49g、28.62mmol)を5日間65℃まで一緒に加熱した。反応混合物の体積を真空で減少させ、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 100g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配DCM中1%〜4.5%MeOH])によって精製して、tert−ブチル 2−[4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.264g、12.5%)を黄色の油状物質として得た。
【0227】
LCMS(方法A):m/z 367(M+H)(ES)、1.97分時点、UV不活性。
tert−ブチル 2−[4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.080g、0.22mmol)をDCM(10mL)中、室温で撹拌し、4M HCl/ジオキサン(1mL)で処理した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空濃縮して黄色の固体を得、それをさらなる精製を行わずに直接使用した。残渣をDCM(10mL)に溶解し、NEt(0.066g、0.1mL、0.66mmol)およびクロロギ酸エチル(0.036g、0.03mL、0.32mmol)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をDCMと飽和NaHCO溶液とに分配し、有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 10g、40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配 DCM中0%〜8%MeOH])によって精製して、エチル 2−[4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.069g、93%)を琥珀色の油状物質として得た。
【0228】
LCMS(方法A):m/z 339(M+H)(ES)、1.71分時点、UV不活性。
エチル 2−[4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.069g、0.20mmol)を、室温でTHF(4mL)に溶解し、1M LiOH溶液(0.31mL)を添加した。反応混合物を週末を通じて室温で撹拌した。反応混合物を、1M HCl溶液の添加によってpH5に調節し、溶媒を真空除去して、1−[6−(エトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−カルボン酸を得、それをさらなる精製を行わずに直接使用した。
【0229】
LCMS(方法A):m/z 311(M+H)(ES)、0.10分時点、UV不活性。
1−[6−(エトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−カルボン酸(0.368g、1.10mmol)を、DMF(8mL)に溶解し、(1−メチルシクロブチル)アミン塩酸塩(0.200g、1.64mmol)、HATU(0.458g、1.21mmol)およびDIPEA(0.708g、5.45mmol)を添加した。反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をDCMと飽和NaHCO溶液とに分配し、有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配 DCM中1%〜8%MeOH])によって精製して、エチル 2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート異性体2(0.147g、35.5%)を白色の泡沫として得た。
【0230】
データは表3中
【0231】
(経路e)
実施例11、エチル 2−{4−フルオロ−4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例証される、NaCNBH還元的アミノ化および酸塩化物カップリングによるアミドの調製のための典型的手順
【化25】
【0232】
エチル−4−フルオロピペリジン−4−カルボキシレート塩酸塩(0.376g、1.77mmol)をメタノール(5mL)に溶解し、最小限の水中のKCO(0.244g、1.77mmol)で処理して脱塩した。混合物を真空濃縮し、トルエンで共沸乾固した。残渣をメタノール(10mL)に溶解し、塩化亜鉛(0.969g、7.11mmol)を添加した。反応混合物を窒素雰囲気下、50℃で2時間撹拌した後、室温まで冷却した。NaCNBH(0.222g、3.54mmol)を添加し、反応混合物を窒素下50℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を真空除去し、残渣をDCMで希釈し、飽和NaHCO溶液で処理し、得られる不均一な混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を飽和NaHCO溶液、飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配 DCM中1%〜9%MeOH])によって精製して、tert−ブチル 2−[4−フルオロ−4−(メトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.300g、46%)を無色の油状物質として得た。
【0233】
LCMS(方法A):m/z 371(M+H)(ES)、1.79および1.82分時点、UV不活性。
【0234】
これらの反応条件下では、エステル交換が起こる。
【0235】
tert−ブチル 2−[4−フルオロ−4−(メトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.300g、0.81mmol)をDCM(4mL)に溶解し、TFA(1mL)を添加した。反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した後、溶媒を真空除去して、エチル 1−(6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル)−4−フルオロピペリジン−4−カルボキシレートトリフルオロ酢酸塩を暗黄色の油状物質として得、それをさらなる精製を行わずに直接使用した。残渣を室温でDCM(8mL)に溶解し、NEt(0.246g、0.34mL、2.43mmol)およびクロロギ酸エチル(0.176g、0.16mL、1.62mmol)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した。反応混合物をDCMと飽和NaHCO溶液とに分配し、有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 10g、40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配 DCM中0%〜10%MeOH])によって精製して、エチル 2−[4−フルオロ−4−(メトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.440g、158% 不純)淡黄色の油状物質として得た。
【0236】
LCMS(方法A):m/z 343(M+H)(ES)、1.56および1.59分時点、UV不活性。
【0237】
エチル 2−[4−フルオロ−4−(メトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(仮定値0.81mmol)を、室温でTHF(5mL)に溶解し、1M LiOH溶液(0.81mL)を添加した。反応混合物を室温で2日間撹拌した。pHを、濃塩酸の添加によってpH6に注意深く調節し、溶媒を真空除去して、1−[6−(エトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]−4−フルオロピペリジン−4−カルボン酸をオフホワイトの固体として得、それをさらなる精製を行わずに直接使用した。
【0238】
LCMS(方法A):m/z 329(M+H)(ES)、0.79および0.86分時点、UV不活性。
【0239】
粗1−[6−(エトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]−4−フルオロピペリジン−4−カルボン酸を、塩化チオニル(3mL)に懸濁し、反応物を90℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、真空濃縮した。残渣をDCM(5mL)に溶解し、(1−メチルシクロブチル)アミン塩酸塩(0.196g、1.62mmol)およびDIPEA(0.523g、0.71mL、4.05mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をDCMと飽和NaHCO溶液とに分配し、有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配 DCM中0%〜6%MeOH])によって精製して、エチル 2−{4−フルオロ−4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.09g、28%)をジアステレオマーの混合物として淡黄色のゴム質として得た。
【0240】
データは表3中
【0241】
(経路f)
実施例14、エチル 2−[4−(tert−ブチルカルバモイル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例証される、アミドの調製とその後のクロロホルメートカップリングのための典型的手順
【化26】
【0242】
エチル ピペリジン−4−カルボキシレート(0.35g、0.32mL、2.22mmol)および6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボン酸、2−オキソ−、1,1−ジメチルエチルエステル(0.500g、2.22mmol)を、室温でDCM(20mL)に溶解し、およびチタンイソプロポキシド(4.12g、4.40mL、14.5mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。STAB(0.694g、0.72mL、2.44mmol)および酢酸(0.05mL)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した。飽和NaHCO溶液(5mL)の添加によって反応混合物をクエンチし、5分間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、セライトパッドに通して濾過した。濾液を分離し、飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 50g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配 DCM中0%〜5%MeOH])によって精製して、tert−ブチル 2−[4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.739g、90.9%)を淡黄色の油状物質として得た。
【0243】
LCMS(方法A):m/z 367(M+H)(ES)、1.94/1.99分時点、UV不活性
【0244】
tert−ブチル 2−[4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.739g、2.02mmol)を室温でTHF(10mL)に溶解し、1M LiOH溶液(2.02mL)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を、1M HCl溶液の添加によってpH5に調節し、溶媒を真空除去して、1−[6−(tert−ブトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−カルボン酸を得、これを粗製のままその後の反応に使用した。
【0245】
LCMS(方法A):m/z 339(M+H)(ES)、0.12分時点、UV不活性
【0246】
1−[6−(tert−ブトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−カルボン酸をDMF(2mL)に溶解し、t−ブチルアミン(0.087g、1.20mmol)、HATU(0.227g、0.60mmol)およびDIPEA(0.193g、1.50mmol)を添加した。反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をDCMと飽和NaHCO溶液とに分配し、有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 10g、40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配 DCM中0%〜10%MeOH])によって精製して、tert−ブチル−2−[4−(tert−ブチルカルバモイル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.071g、60.5%)を黄色の油状物質として得た。
【0247】
LCMS(方法A):m/z 394(M+H)(ES)、1.79分時点、UV不活性
【0248】
tert−ブチル−2−[4−(tert−ブチルカルバモイル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.627g、1.55mmol)をDCM(4mL)に溶解し、TFA(1mL)を添加した。反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した後、溶媒を真空除去して1−(6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル)−N−tert−ブチルピペリジン−4−カルボキサミドトリフルオロアセテート(1:2)を油状物質として得、それをさらなる精製を行わずに直接使用した。残渣をDCM(8mL)に溶解し、NEt(0.056g、0.08mL、0.54mmol)およびクロロギ酸エチル(0.024mg、0.02mL、0.22mmol)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をDCMと飽和NaHCO溶液とに分配し、有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 10g、40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配 DCM中0%〜10%MeOH])によって精製して、エチル 2−[4−(tert−ブチルカルバモイル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.027g、41%)をジアステレオマーの混合物として灰白色固体として得た。
【0249】
データは表3中
【0250】
(経路g)
実施例13、エチル 2−{4−[(2−メチルプロピル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例証される、アミドカップリングによるカルバミン酸塩の調製の代替手順
【化27】
エチル ピペリジン−4−カルボキシレート(0.35g、0.32mL、2.22mmol)および6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボン酸、2−オキソ−、1,1−ジメチルエチルエステル(0.500g、2.22mmol)を、室温でDCM(20mL)に溶解し、チタンイソプロポキシド(4.12g、4.40mL、14.5mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。STAB(0.694g、0.72mL、2.44mmol)および酢酸(0.05mL)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した。飽和NaHCO溶液(5mL)の添加によって反応混合物をクエンチし、5分間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、セライトパッドに通して濾過した。濾液を分離し、飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 50g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配 DCM中0%〜5%MeOH])によって精製して、tert−ブチル 2−[4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.739g、90.9%)を淡黄色の油状物質として得た。
【0251】
LCMS(方法A):m/z 367(M+H)(ES)、1.94/1.99分時点、UV不活性
【0252】
tert−ブチル 2−[4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(3.00g、8.20mmol)を、DCM(40mL)に溶解し、ジオキサン(10mL)中4M HClとともに室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空濃縮して、エチル 1−(6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル)ピペリジン−4−カルボキシレートトリフルオロ酢酸塩(1:2)を淡桃色の固体として得、それをさらなる精製を行わずに次の工程で使用した。エチル 1−(6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル)ピペリジン−4−カルボキシレートトリフルオロ酢酸塩(1:2)残渣をDCM(40mL)に溶解し、NEt(2.49g、3.42mL、24.6mmol)およびクロロギ酸エチル(1.07g、0.93mL、9.84mmol)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をDCMと飽和NaHCO溶液とに分配し、有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 50g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配 DCM中0%〜10%MeOH])によって精製して、エチル 2−[4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(2.474g、89%)を橙色の油状物質として得た。
【0253】
LCMS(方法A):m/z 339(M+H)(ES)、1.67/1.71分時点、UV不活性。
【0254】
エチル 2−[4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(2.474g、7.32mmol)を、室温でTHF(25mL)に溶解し、1M LiOH溶液(7.32mL)を添加した。反応混合物を週末を通じて室温で撹拌した。反応混合物を、1M HCl溶液の添加によってpH5に調節し、溶媒を真空除去して、1−[6−(エトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−カルボン酸を得、それをさらなる精製を行わずに直接使用した。
【0255】
LCMS(方法A):m/z 311(M+H)(ES)、0.85/0.91分時点、UV不活性。
【0256】
1−[6−(エトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−カルボン酸(0.200g、0.65mmol)を、DMF(5mL)に溶解し、イソブチルアミン(0.071g、0.97mmol)、HATU(0.270g、0.71mmol)およびDIPEA(0.417g、3.23mmol)を添加した。反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をDCMと飽和NaHCO溶液とに分配し、有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å、12mL/分、勾配 DCM中0%〜10%MeOH])によって精製して、エチル 2−{4−[(2−メチルプロピル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.089g、37.7%)をジアステレオマーの混合物として淡黄色のゴム質として得た。
【0257】
データは表3中
【0258】
(経路h)
実施例25、(2,2,2−トリジュウテロ)エチル 2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレートの調製によって例証される、パラニトロフェニルカルバメート活性化によるカルバメートの調製の代替手順
【化28】
【0259】
エチルピペリジン−4−カルボキシレート(0.35g、0.32mL、2.22mmol)および6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボン酸、2−オキソ−、1,1−ジメチルエチルエステル(0.500g、2.22mmol)を、室温でDCM(20mL)に溶解し、チタンイソプロポキシド(4.12g、4.40mL、14.5mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。STAB(0.694g、0.72mL、2.44mmol)および酢酸(0.05mL)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した。飽和NaHCO溶液(5mL)の添加によって反応混合物をクエンチし、5分間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、セライトパッドに通して濾過した。濾液を分離し、飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 50g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配 DCM中0%〜5%MeOH])によって精製して、tert−ブチル 2−[4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.739g、90.9%)を淡黄色の油状物質として得た。
【0260】
LCMS(方法A):m/z 367(M+H)(ES)、1.94/1.99分時点、UV不活性
【0261】
tert−ブチル 2−[4−(エトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.739g、2.02mmol)を室温でTHF(10mL)に溶解し、1M LiOH溶液(2.02mL)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を、1M HCl溶液の添加によってpH5に調節し、溶媒を真空除去して、1−[6−(tert−ブトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−カルボン酸を得、これを粗製のままその後の反応に使用した。
【0262】
LCMS(方法A):m/z 339(M+H)(ES)、0.12分時点、UV不活性
【0263】
1−[6−(tert−ブトキシカルボニル)−6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル]ピペリジン−4−カルボン酸を、DMF(5mL)に溶解し、(1−メチルシクロブチル)アミン塩酸塩(0.37g、3.03mmol)、HATU(0.844g、2.22mmol)およびDIPEA(1.305g、10.1mmol)を添加した。反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をDCMと飽和NaHCO溶液とに分配し、有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 50g、40〜63μm、60Å、50mL/分、勾配 DCM中0%〜10%MeOH])によって精製して、tert−ブチル 2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.627g、76.7%)を白色の泡沫として得た。
【0264】
LCMS(方法A):m/z 406(M+H)(ES)、1.81分時点、UV不活性
【0265】
tert−ブチル 2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.747g、1.84mmol)をDCM(8mL)に溶解し、TFA(2mL)を添加した。反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した後、溶媒を真空除去して、1−(6−アザスピロ[3.4]オクト−2−イル)−N−(1−メチルシクロブチル)ピペリジン−4−カルボキサミドトリフルオロアセテートを暗黄色の油状物質として得、それをさらなる精製を行わずに直接使用した。残渣をDCM(10mL)に溶解し、NEt(0.56g、0.77mL、5.52mmol)および4−ニトロフェニルクロロホルメート(0.555g、2.76mmol)を添加し、反応混合物を窒素下で一晩室温にて撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をDCM(15mL)と1N NaOH溶液(15mL)とに分配した。水層をDCM(4×20mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å、25mL/分、勾配 DCM中0%〜10%MeOH])によって半精製して、4−ニトロフェニル 2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.60g、69%)をジアステレオマーの混合物として黄色のゴム質として得た。
【0266】
LCMS(方法C):m/z 471(M+H)(ES)、4.60分時点、UV活性。
【0267】
エタノール−2,2,2−d3(0.186g、0.22mL、3.78mmol)をTHF(12.6mL)に溶解し、0℃に冷却した。水素化ナトリウム(0.202g、5.044mmol)を添加し、1時間撹拌した。THF(12.6mL)に溶解した4−ニトロフェニル 2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.600g、1.26mmol)を添加し、混合物を窒素下で一晩撹拌した。混合物をEtOAc(30mL)と水(30mL)とに分配した。水層をEtOAc(4×30mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(順相、[Biotage SNAPカートリッジKP−sil 25g、40〜63μm、60Å、25mL/分、勾配 DCM中0%〜10%MeOH])によって半精製して、エチル−2,2,2−d3 2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート(0.240g、50%)をジアステレオマーの混合物として黄色のゴム質として得た。ジアステレオマーの分離を、分取HPLCによって達成して、(2,2,2−トリジュウテロ)エチル 2−{4−[(1−メチルシクロブチル)カルバモイル]ピペリジン−1−イル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシレート異性体1(0.094g、39%)をオフホワイトのゴム質として、異性体2(0.085g、35%)をオフホワイトのゴム質として得た。
【0268】
データは表3中
【0269】
中間体の合成:
(経路i)
中間体19、1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブタン−1−アミン塩酸塩の調製によって例証される、アミンの調製のための典型的手順
【化29】
【0270】
マグネシウム(2.67g、110mmol)を、温度計および滴下漏斗を取り付けた三口フラスコにおいて、無水エーテル中で撹拌した。ジエチルエーテル(40mL)中の1,1,1−トリジュウテロメチルヨージド(6.24mL、100mmol)を滴下漏斗に装入し、ヨウ素の小さい結晶をマグネシウム懸濁液に添加した。マグネシウム懸濁液を、ヨウ素の呈色が消失するまで短時間温め、その後1,1,1−トリジュウテロメチルヨージド溶液を滴下した(わずかな発熱を引き起こした)。添加が完了すれば、混合物を32℃まで30分間加温し、次に0℃に冷却した。シクロブタノン(5mL、67mmol)をジエチルエーテル(20mL)に溶解し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。温度を15℃未満に保って溶液を反応混合物に滴下し、次に一晩で室温に到達させた。混合物を、塩化アンモニウム水溶液(100mL)とジエチルエーテル(100mL)とに分配し、さらに4回エーテルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して(250mbar、40℃)、黄色の油状物質を得た(5.9g、75%)。
【0271】
H NMR(300MHz、CDCl)δ:1.41〜1.52(1H,m)、1.60−1.81(2H,m)、1.95−2.06(4H,m)。
【0272】
クロロアセトニトリル(21.6mL、340mmol)を、1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブタン−1−オール(10.14g、113.7mmol)および酢酸(3.1mL)の溶液に添加した。混合物を0℃に冷却し、濃硫酸(18.3mL)を滴下した。添加が完了すれば、溶液を室温に到達させ、2時間撹拌した。反応物を氷/水(200mL)に注入し、ジクロロメタン(3×150mL)で抽出した。有機層を合し、炭酸ナトリウム水溶液(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮して黄色の油状物質を得た。この油状物質をトルエンと共沸混合して、ベージュ色の固体(19.7g、105%)を得、それを精製を行わずに直接使用した。
【0273】
H NMR(300MHz、CDCl)δ:1.79−1.90(2H,m)、1.99−2.06(2H,m)、2.23−2.32(2H,m)、3.94(2H,s)、6.59(1H,bs)。
【0274】
2−クロロ−N−(1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブチル)アセトアミド(10g、60.7mmol)およびチオ尿素(5.69g、74.8mmol)のエタノール(45mL)および酢酸(6.1mL)中の溶液を、一晩還流した。反応混合物を室温まで放冷し、約22mLに濃縮した。混合物を水(45mL)に添加し、濾過して沈殿物を除去した。濾液をジエチルエーテル(100mL、廃棄)で洗浄した後、NaOH(水溶液)でpH13に塩基性化した。塩基性の層をジクロロメタン(4×100mL)で抽出し、合し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して(200mbar、40℃)、黄色の油状物質を得た(2.08g)。この油状物質をジエチルエーテル(80mL)に溶解し、ジエチルエーテル(17mL、2M)を滴下している間に、撹拌した。結果として生じる沈殿物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した後、40℃で真空乾燥して、1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)シクロブタン−1−アミン塩酸塩(2.35g、31%)を得た。
【0275】
H NMR(300MHz、DO)δ:1.79−1.89(2H,m)、1.98−2.03(2H,m)、2.15−2.25(2H,m)。
【0276】
13C NMR(300MHz、DO)δ:13.0、22.5(m)、32.0、54.0。
【0277】
(経路j)
中間体20、1−(フルオロメチル)シクロブタン−1−アミン塩酸塩の調製によって例証される、アミンの調製のための典型的手順
【化30】
【0278】
アルゴン下、クロロホルム(80mL)中の(メチルスルフィニル)ベンゼン(23.0g、164mmol)の撹拌溶液に室温でジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(43.0mL、328mmol)を滴下し、反応混合物をこの温度で2日間撹拌した後、60℃で一晩撹拌した。混合物を、0℃の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の撹拌溶液に滴下し、その後ジクロロメタンで3回抽出した。合した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、(フルオロメチル)(フェニル)スルファン(20.0g、86%)を黄色の油状物質として得た。
【0279】
H NMR(300MHz、CDCl)δ:5.64(s,1H)、5.81(s,1H)、7.38−7.24(m,3H)、7.53−7.46(m,2H)。
【0280】
(フルオロメチル)(フェニル)スルファン(20.0g、140mmol)のジクロロメタン(300mL)中の撹拌溶液に、メタクロロ過安息香酸(84.0g、475mmol)を0℃で少量ずつ添加した。反応混合物をゆっくりと室温に温め、一晩撹拌した。混合物を0℃の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の撹拌溶液に注入し、その後、ジクロロメタンで3回抽出した。合した有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して黄色の油状物質を得た。残渣を、シリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出剤:ヘプタン:酢酸エチル、9:1〜4:1)によって精製して、((フルオロメチル)スルホニル)ベンゼン(22.9g、93%)を黄色の油状物質として得た。
【0281】
H NMR(300MHz、CDCl)δ:5.05(s,1H)、7.63(t,2H)、7.73(t,1H)、7.97(d,2H)。
【0282】
チタン(IV)エトキシド(22.4mL、107mmol)およびシクロブタノン(5.37mL、71.0mmol)のテトラヒドロフラン(120mL)中の混合物を、10分間撹拌した。Tert−ブタンスルフィンアミド(7.17g、59.0mmol)を添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解した。溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、N−シクロブチリデン−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(9.51g、77%)を淡黄色の油状物質として得、それを精製を行わずに直接使用した。.
【0283】
H NMR(300MHz、CDCl)δ:1.18(s,9H)、2.12−1.97(m,2H)、3.10−3.00(m,2H)、3.29−3.11(m,1H)、3.52−3.37(m,1H)。
【0284】
LCMS(方法D):m/z 174(M+H)(ES)、1.10分時点。
【0285】
アルゴン下−78℃の、((フルオロメチル)スルホニル)ベンゼン(5.0g、28.7mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)中の撹拌溶液に、n−ブチルリチウム(18.0mL、28.7mmol)を添加し、反応混合物を40分間この温度で撹拌した。N−シクロブチリデン−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(3.23g、18.7mmol)を−78℃の混合物に添加し、反応混合物をゆっくりと室温に温め、一晩撹拌した。水の添加によって反応混合物をクエンチし、ジクロロメタンで3回抽出した。合した有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、褐色の油状物質を得た。残渣をシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出剤:ヘプタン:酢酸エチル、3:2〜2:3)によって精製して、N−(1−(フルオロ(フェニルスルホニル)メチル)シクロブチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(3.00g、33%)を黄色の油状物質として得た。
【0286】
H NMR(300MHz、CDCl)δ:1.27(s,9H)、1.96−1.82(m,1H)、2.14−2.00(m,2H)、2.38−2.26(m,1H)、2.59−2.43(m,1H)、2.91−2.76(m,1H)、5.04(s,1H)、5.53−5.55(m,1H)、7.52−7.55(m,2H)、7.62−7.65(m,1H)、7.93−7.95(m,2H)。
【0287】
LCMS(方法D):m/z 348(M+H)(ES)、1.54分時点。
【0288】
N−(1−(フルオロ(フェニルスルホニル)メチル)シクロブチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(1.50g、4.32mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(270mL)中の撹拌溶液に、酢酸ナトリウム(22.6g、276mmol)の酢酸(34.6mL)中の緩衝溶液を添加し、反応混合物を15分間室温で撹拌した。マグネシウム削り屑(6.92g、289mmol)を添加し、混合物を65℃で24時間撹拌した。混合物を水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で処理し、酢酸エチルで3回抽出した。合した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して黄色の油状物質を得た。残渣をシリカでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出剤:ヘプタン:酢酸エチル 1:1〜0:1)によって精製して、N−(1−(フルオロメチル)シクロブチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(560mg、53%)を淡黄色の油状物質として得た。
【0289】
H NMR(300MHz、CDCl)δ:1.20(s,9H)、1.99−1.68(m,2H)、3.62(br s,1H)、4.36−4.38(m,1H)、4.52−4.54(m,1H)。
【0290】
N−(1−(フルオロメチル)シクロブチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(1.50g、7.23mmol)のメタノール(20mL)中の撹拌溶液に、塩酸(20mL、7.23mmol、ジオキサン中4M)をアルゴン下0℃で添加し、反応混合物を室温に温め、1時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗生成物をジエチルエーテルおよびtert−ブチル メチルエーテルで研和して、目的生成物1−(フルオロメチル)シクロブタン−1−アミン塩酸塩(0.90g、90%)を得た。
【0291】
H NMR(300MHz、CDCl)δ:1.92−1.76(m,2H)、2.09−1.93(m,2H)、2.36−2.16(m,2H)、4.54(s,1H)、4.70(s,1H)、8.68(br s,2H)。
【0292】
LCMS(方法D):m/z 104(M+H)(ES)、1.31分時点。
【0293】
(経路k)
中間体21、1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブタン−1−アミン塩酸塩の調製によって例証される、アミンの調製のための典型的手順
【化31】
【0294】
ジクロロメタン(825mL)中のマロン酸−d4(165g、1.53mol)、硫酸−d2(5.0mL)およびメタン(オール−d)(330mL)を、室温で4日間撹拌した。重水(100mL)を添加し、相を分離した。水相をジクロロメタン(100mL)で再抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して無色の油状物質を得た。残渣を蒸留(bp:25mmHgで105℃)によって精製して、目的生成物2,2−ジジュウテリオ−マロン酸ジメチルエステル(161g、79%)を無色の油状物質として得た。
【0295】
H NMR(300MHz、CDCl)δ:3.76(s,6H)。
【0296】
13C NMR(300MHz、CDCl)δ:40.7、52.6、167.0。
【0297】
GC(方法F):20分、11.91分時点、99.65%。
【0298】
反応は、80.5gの2回のバッチで実行した。重水素化リチウムアルミニウム(40.0g、0.90mol)を、アルゴン下、無水テトラヒドロフラン(1.0L)に少量ずつ添加し、0℃に冷却した。無水テトラヒドロフラン(300mL)中の2,2−ジジュウテリオ−マロン酸ジメチルエステル(80.5g、0.60mol)を、35℃よりも低い温度を保ちながらゆっくりと添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。水(40mL)を慎重に添加し、それに続いて水酸化ナトリウム(40mL、15%水溶液)を添加した後、さらなる水(120mL)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をセライトで濾過し、テトラヒドロフラン:メタノール(1:3、1.0L)で洗浄し、濾液を濃縮して粗残渣(76.0g)を得た。アルミニウム塩を酢酸エチル:メタノール(2:1、3.0L)に懸濁し、1時間撹拌し、濾過し、濾液を濃縮して、粗残渣(126g)の収量をさらに得た。2つの残渣を合し、蒸留によって精製して、目的生成物1,1,2,2,3,3−ヘキサジュウテリオ−プロパン−1,3−ジオール(56.0g、57%)を得た。
【0299】
13C NMR(300MHz、CDCl)δ:35.1、57.6、171.0
【0300】
GC(方法F):20分、10.96分時点、99.22%。
【0301】
反応は、2回のバッチで実行した。N−ブロモスクシンイミド(196g、1.10mol)を、1,1,2,2,3,3−ヘキサジュウテリオ−プロパン−1,3−ジオール(28.0g、0.368mol)およびトリフェニルホスフィン(289g、1.10mol)のアセトニトリル(500mL)およびジクロロメタン(500mL)中の溶液に、温度を35℃よりも低く保ちながら少量ずつ添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。ヘキサン(1L)を添加し、層を分離し、ヘキサン(400mL)で再抽出した。合したヘキサン層を水酸化ナトリウム(250mL、2M)、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(200mL)、ブライン(200mL)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣をヘプタンで研和し、固体を濾過によって除去した。濾液を濃縮し、残渣をヘプタンで再度研和した。固体を濾過によって除去し、各バッチからの濾液を濃縮して粗生成物(それぞれ、44.0gおよび34.0g)を得た。合した残渣を蒸留によって精製して、1,1,2,2,3,3−ヘキサジュウテリオ−1,3−ジブロモプロパン(44.0g、62%)を得た。
【0302】
GC(方法F):20分、12.10分時点、73.71%。
【0303】
ジメチルスルホキシド(450mL)およびジエチルエーテル(110mL)中の水素化ナトリウム(20.3g、508mmol、油中分散60%)の冷却した懸濁液に、1,1,2,2,3,3−ヘキサジュウテリオ−1,3−ジブロモプロパン(44.0g、213mmol)およびp−トルエンスルホニルイソシアン化メチル(33.4g、171mmol)のジメチルスルホキシド(100mL)およびジエチルエーテル(25mL)中の溶液を滴下した。反応混合物を0℃で15分間撹拌した後、1時間室温に温めた。この時間の間、固体が沈殿し、反応混合物が固体となった。ジメチルスルホキシド(200mL)を添加すると、固体が崩壊し、混合物を3時間撹拌した。水(500mL)を慎重に添加し、固体を濾過によって回収し、乾燥させて、1−((1−イソシアノ−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブタン)スルホニル)−4−メチルベンゼン(41.6g、80%)を褐色の固体として得た。それをさらなる精製を行わずに使用した。
【0304】
H NMR(400MHz、CDCl)δ:2.46(s,3H)、7.38−7.42(m,2H)、7.83−7.86(m,2H)。
【0305】
13C NMR(300MHz、CDCl)δ:14.2、21.9、30.8、73.9、129.9、130.6、146.5、164.88。
【0306】
蒸留したスルホラン(120mL)中、1−((1−イソシアノ−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブタン)スルホニル)−4−メチルベンゼン(41.6g、172mmol)の溶液に、硫酸−d2(9.4mL)および重水(9.4mL)の冷却混合物を一度に添加した。反応混合物を高真空に付し(炭酸カリウムおよび水酸化カリウムトラップを使用)、120℃に加熱した。ポンプの前にコールドフィンガーに生成物を回収した。粗生成物をジエチルエーテルに溶解し、相を分離した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、水浴を40℃に、圧力を250mbarに保って濃縮して、2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブタノン(5.45g、42%)を淡黄色の油状物質として得た。
【0307】
GC(方法F):20分、4.93分時点、99.03%。
【0308】
アルゴン下、マグネシウム(8.70g、0.358mol)およびヨウ素(1結晶)のジエチルエーテル(25mL)中の撹拌懸濁液に、数滴の1,1,1−トリジュウテロメチルヨージドのジエチルエーテル溶液を添加し、混合物を色が消失するまで1分間穏やかに加温した。残りのジエチルエーテル(25mL)中の1,1,1−トリジュウテロメチルヨージド(8.91mL、0.143mol)は、発熱を制御し、反応を穏やかな還流で維持する速度で添加した。添加が完了した後、反応混合物を室温で30分間撹拌した後、0℃に冷却した。2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブタノン(5.45g、0.0720mmol)のジエチルエーテル(25mL)中の溶液を、ゆっくりと添加し、その時間の間に還流する発熱が生じた。反応混合物を0℃で30分間、次に室温で30分間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を慎重に添加することによって混合物をクエンチし、水(400mL)、その後ジエチルエーテル(400mL)で希釈した。相を分離し、水相をジエチルエーテル(400mL)で抽出した。合した有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、注意深く濃縮して、1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブタノール(2.42g、36%)を得た。
【0309】
GC(方法F):20分、5.84分時点、96.38%。
【0310】
1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブタノール(2.42g、25.4mmol)の2−クロロアセトニトリル(8.0mL、127mmol)中の冷却撹拌溶液に、酢酸−d4(7.3mL、127mmol)および硫酸−d2(4.2mL、76.3mmol)を添加し、反応混合物をゆっくりと室温まで加温し、3時間撹拌した。混合物を氷に添加し、ジクロロメタン(2×30mL)で抽出した。合した有機層を炭酸ナトリウム水溶液(30mL)、その後ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、2−クロロ−N−(1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル)アセトアミド(3.95g、91%)を得た。
【0311】
LCMS(方法D):m/z 169(M+H)(ES)、1.04分時点。
【0312】
2−クロロ−N−(1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブチル)アセトアミド(8.52g、48.2mol)の工業用変性アルコール(50mL)および酢酸(10mL)の撹拌溶液に、チオウレア(7.60g、99.8mmol)を添加し、反応混合物を一晩加熱還流した。固体を濾過によって除去し、工業用変性アルコールで洗浄した。塩酸(10mL、2M)を濾液に添加した後、工業用変性アルコールを減圧下で除去した。残渣をジエチルエーテルと水とに分配した。水層を、水酸化ナトリウム(2M)の添加によってpH10に塩基性化し、ジエチルエーテル(3×50mL)で抽出した。合した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。塩酸(ジオキサン中4M)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、トルエンおよびイソプロピルアルコールで3回共沸混合して、淡黄色の固体を得た。この固体をジエチルエーテルで研和し、真空炉で乾燥させて、1−(1,1,1−トリジュウテロメチル)−2,2,3,3,4,4−ヘキサジュウテロシクロブタン−1−アミン塩酸塩(1.29g、43%)を得た。
【0313】
LCMS(方法E):m/z 95(M+H)(ES)、0.92分時点。
【0314】
GC(方法G):30分、20.56分時点、90.57%。
【0315】
表2−出発物質および中間体
【表3】
【0316】
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【表4-5】
【表4-6】
【表4-7】
【表4-8】
【0317】
(生物活性)
(実施例A)
(ホスホ−ERK1/2アッセイ)
Alphascreen Surefire ホスホ−ERK1/2アッセイを用いて機能性アッセイを実施した(Crouch&Osmond,Comb.Chem.High Throughput Screen,2008)。ERK1/2リン酸化は、Gq/11およびGi/oタンパク質共役型受容体の両方の活性化の下流の結果であるので、異なる受容体サブタイプに対して異なるアッセイ形式を用いるよりも、M1、M3(Gq/11共役)およびM2、M4受容体(Gi/o共役)の評価に非常に適している。ヒトムスカリンM1、M2、M3またはM4受容体を安定して発現するCHO細胞を、96ウェル組織培養プレートのMEM−α+10%透析FBSに蒔いた(25K/ウェル)。ひとたび接着すれば、細胞を一晩血清飢餓とした。作動薬刺激を、5μLの作動薬を細胞に5分間(37℃)添加することにより実施した。培地を除去し、50μLの溶解緩衝液を添加した。15分後、4μLの試料を384ウェルプレートに移し、7μLの検出混合物を添加した。プレートを暗所で穏やかにかき混ぜながら2時間インキュベートした後、PHERAstarプレートリーダーで読み取った。
【0318】
pEC50およびEmaxの数字を、各受容体サブタイプについて結果として生じるデータから計算した。
【0319】
結果を下の表4に示す。
【0320】
表4
【表5-1】
【表5-2】
【0321】
(実施例B)
(受動的回避)
調査は、Foley et al.,(2004)Neuropsychopharmacologyによって既に記載されている通り実行した。受動的回避課題において、トレーニングから6時間後のスコポラミン投与(1mg/kg、腹腔内)は、動物に該パラダイムを健忘させた。強制経口投与によりトレーニング期間の90分前に投与された3、10、および30mg/kg(経口)の遊離塩基の用量範囲を調査した。
【0322】
実施例9異性体2は、該パラダイムのスコポラミン誘発性健忘症を用量依存的な様式で逆転させ、概算のED50は約10mg/kg(経口)であることが見出された。30mg/kgの効果は、陽性対照としての役割を果たすコリンエステラーゼ阻害薬ドネペジル(0.1mg/kg、腹腔内)によって引き起こされた効果と同様であった(図1)。
【0323】
(実施例C)
CA1細胞発火
400μm厚のラット海馬スライスを、冷やした(<4℃)人工脳脊髄液(aCSF、組成(mM):NaCl 127、KCl 1.6、KHPO 1.24、MgSO 1.3、CaCl 2.4、NaHCO 26およびD−グルコース 10)中でビブラトームを用いて切断した。電気生理学的記録の前に、スライスを酸素化(95%O/5%CO)aCSF中で室温で少なくとも1時間維持し、その後、それらをインターフェースチャンバに移し、温めた(30℃)酸素化aCSFとともに1.5〜3ml.分−1の流量で一定に灌流した。次に、同心円双極電極でシェファー側枝を刺激して(1〜20V、パルス幅0.1ms、0.033Hz)、興奮性シナプス後場電位(fEPSPs)を誘発し、CA1領域の放線状層から記録した。実験を行って、ラット海馬スライスのCA1領域中のfEPSPsの振幅への化合物の効果を、1μMカルバコール(CCh)と比較して調べた。1μM CChは、最初に定常状態まで適用され、続いて洗浄された後、化合物に対して5点累積濃度−応答(five point cumulative concentration−response)を実施した。各々の化合物を6つのスライスで試験し、結果を平均した。薬剤の調製;化合物を100% DMSOに30mMのストック濃度で溶解させ、要件に従って希釈し、カルバモイルコリンクロリド(CCh)は、Sigma(カタログ番号C4382)より購入し、ddHO中、1mMのストック濃度で溶解させた。
【0324】
【表6】
【0325】
(実施例D)
(医薬製剤)
(i)錠剤製剤
式(1)の化合物を含有する錠剤組成物を、50mgの化合物と希釈剤として197mgのラクトース(BP)、および滑沢剤として3mgのステアリン酸マグネシウムを混合すること、および圧縮することにより調製して、既知方法で錠剤を形成する。
【0326】
(ii)カプセル製剤
カプセル製剤は、100mgの式(1)の化合物と100mgのラクトースおよび所望により1重量%のステアリン酸マグネシウムを混合すること、および、結果として生じる混合物を標準的な不透明硬質ゼラチンカプセルに充填することにより調製する。
【0327】
(等価物)
前述の実施例は、本発明を説明する目的で示されるものであり、本発明の範囲に何らかの制限を課すと解釈されるべきではない。本発明の根底にある原理から逸脱することなく、上に記載され実施例で説明される本発明の特定の実施形態に、多数の修正および変更がなされてよいことは容易に明らかである。そのような修正および変更は全て、本願に包含されることが意図される。
図1