特許第6204484号(P6204484)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6204484キナーゼモジュレーターとして有用なヘテロアリール置換ピリジル化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204484
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】キナーゼモジュレーターとして有用なヘテロアリール置換ピリジル化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 213/82 20060101AFI20170914BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20170914BHJP
   A61P 19/06 20060101ALI20170914BHJP
   C07D 213/85 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20170914BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20170914BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20170914BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20170914BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20170914BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   C07D213/82
   A61P29/00
   A61P37/02
   A61P1/04
   A61P11/06
   A61P37/06
   A61P11/00
   A61P29/00 101
   A61P17/00
   A61P17/06
   A61P43/00 111
   A61P19/02
   A61P25/00
   A61P25/04
   A61P19/06
   C07D213/85CSP
   A61K31/444
   C07D405/14
   C07D401/12
   A61K31/506
   C07D417/14
   C07D401/14
   A61K31/501ZNA
【請求項の数】13
【全頁数】144
(21)【出願番号】特願2015-541886(P2015-541886)
(86)(22)【出願日】2013年11月7日
(65)【公表番号】特表2016-501186(P2016-501186A)
(43)【公表日】2016年1月18日
(86)【国際出願番号】US2013068875
(87)【国際公開番号】WO2014074675
(87)【国際公開日】20140515
【審査請求日】2016年9月21日
(31)【優先権主張番号】61/723,848
(32)【優先日】2012年11月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/774,824
(32)【優先日】2013年3月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(72)【発明者】
【氏名】ラジーブ・エス・ビデ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ブイ・ダンシア
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ハインズ
(72)【発明者】
【氏名】サティーシュ・ケイ・ナイル
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ジェイ・ピッツ
(72)【発明者】
【氏名】スリーカンタ・アール・クマール
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・エス・ガードナー
(72)【発明者】
【氏名】ナテサン・ムルゲサン
(72)【発明者】
【氏名】ベンカトラム・レディ・パイディ
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼフ・ビー・サンテラ
(72)【発明者】
【氏名】ラメシュ・シストラ
(72)【発明者】
【氏名】ウー・ホン
【審査官】 伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2008年,18,pp.3656-3660
【文献】 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2008年,18,pp.3211-3214
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)
【化1】
[この文献は図面を表示できません]

〔式中、

(a) 0〜4個のR1aで置換されているC2−3ヒドロキシアルキル(ここで、R1aが独立してF、Cl、−OH、−CHF、−CN、−CF、−OCHおよびシクロプロピルから選択されている);
(b) −O(C1−3アルキル)と0〜4個のR1aで置換されているC1−3アルキル(ここで、R1aが独立してF、Cl、−OH、−CHF、−CN、−CFおよびシクロプロピルから選択される);
(c) 0〜7個のR1aで置換されているC4−8アルキル(ここで、R1aが独立してF、Cl、−OH、−CHF、−CF、−CN、−OCH、シクロプロピルおよび−OP(O)(OH)から選択される);
(d) −(CH)2−4NHC(O)(C1−6アルキル)、−(CH)CH(CH)NHC(O)(C1−6アルキル)、−(CH)CH(CH)NHC(O)(CH)0−1NH(C1−6アルキル)または−(CH)CH(CH)NHC(O)(CH)0−1N(C1−4アルキル)
(e) −OH、−OCH、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C1−3アルキル)、−C(O)NH(C1−6ヒドロキシアルキル)、−C(O)NH(C3−6シクロアルキル)、−C(O)NH(C3−6フルオロシクロアルキル)、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NHC(O)O(C1−3アルキル)、−NHS(O)CH、−S(O)NH、−S(O)(C1−3アルキル)、−S(C1−3アルキル)、チアゾリル、メチルピラゾリルならびに−OHおよびシクロプロピルで置換されているC1−3アルキルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているシクロヘキシル;
(f) −(CH)(フェニル)(ここで、該フェニルは−C(O)NH、−C(O)NH(C1−3アルキル)または−S(O)NHで置換されている);または
(g) −C(O)(C1−3アルキル)で置換されているピペリジニルであり;
はフェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリルまたはトリアゾリルであり、各々F、Cl、−OH、−CN、C1−3アルキル、−CHC(O)OCH、−O(C1−3アルキル)、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−NH(シクロプロピル)、−C(O)NH、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NH(テトラヒドロピラニル)、ヒドロキシピロリジニル、=O、−O(ピペリジニル)およびピリジニルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されており;
は:
(a) F、−OH、−CH、−CFおよびC3−6シクロアルキルから独立して選択される0〜4個の置換基で置換されているC1−6アルキル;
(b) F、−OH、C1−3ヒドロキシアルキル、−CH、−CFH、−NHおよび−C(O)OCHCHから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているC3−6シクロアルキル;
(c) オキセタニル、テトラヒドロピラニルまたはフルオロテトラヒドロピラニル;
(d) −OH、−CN、−O(C1−3アルキル)、C1−3ヒドロキシアルキル、−C(O)NH、−S(O)NH、−NHS(O)(C1−3アルキル)、ピラゾリル、イミダゾリルおよびメチルテトラゾリルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているフェニル;または
(e)
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
である。〕
の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項2】

(a) −O(C1−3アルキル)と0〜4個のR1aで置換されているC1−3アルキル(ここで、R1aがF、−OHおよび−CFから独立して選択される);
(b) 0〜5個のR1aで置換されているC4−8アルキル(ここで、R1aが独立してF、Cl、−OH、−CHF、−CF、−CN、−OCH、シクロプロピルおよび−OP(O)(OH)から選択される);
(c) −(CH)2−4NHC(O)(C1−3アルキル)、−(CH)CH(CH)NHC(O)(C1−3アルキル)、−(CH)CH(CH)NHC(O)NH(C1−3アルキル)または−(CH)CH(CH)NHC(O)N(C1−3アルキル)
(d) −OH、−OCH、C1−3アルキル、−OCH、C1−3ヒドロキシアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C1−3アルキル)、−C(O)NH(C3−5シクロアルキル)、−C(O)NH(フルオロシクロプロピル)、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NHC(O)O(C1−3アルキル)、−S(O)NH、−S(O)(C1−2アルキル)、−S(C1−2アルキル)、チアゾリル、メチルピラゾリルならびに−OHおよびシクロプロピルで置換されているC1−3アルキルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているシクロヘキシル;
(e) −(CH)(フェニル)(ここで、該フェニルは−C(O)NH、−C(O)NH(CH)または−S(O)NHで置換されている);または
(f) −C(O)(C1−3アルキル)で置換されているピペリジニルであり;
がフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリルまたはトリアゾリルであり、各々F、Cl、−OH、−CN、C1−3アルキル、−CHC(O)OCH、−O(C1−3アルキル)、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−NH(シクロプロピル)、−C(O)NH、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NH(テトラヒドロピラニル)、ヒドロキシピロリジニル、−O(ピペリジニル)およびピリジニルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているか;または=Oで置換されているピリダジニルであり;

(a) F、−OH、−CH、−CFおよびシクロプロピルから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されているC1−5アルキル;
(b) F、−OH、C1−3ヒドロキシアルキル、−CH、−CFH、−NHおよび−C(O)OCHCHから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているC3−6シクロアルキル;
(c) オキセタニル、テトラヒドロピラニルまたはフルオロテトラヒドロピラニル;
(d) −OH、−CN、−OCH、C1−2ヒドロキシアルキル、−C(O)NH、−S(O)NH、−NHS(O)CH、ピラゾリル、イミダゾリルおよびメチルテトラゾリルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているフェニル;または
(e)
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
である、請求項1に記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項3】
が−CHCHFC(CH)OH、−CHCHFC(CH)OCH、−CHCHFC(CHCH)OH、−CHCHFCHOCH、−(CH)OCH、−(CH)OC(CH)、−CHCFC(CH)OH、−(CH)CH(CH)NHC(O)CH、−(CH)CH(CH)NHC(O)NHCH(CH)、−CHCHFC(CH)OP(O)(OH)
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
であり;

【化5】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
がC2−5アルキル、−CHCF、−CHC(CH)F、−CH(CH)CHFCH、−CH(CH)CHF、−CH(CH)CHCHF、−CH(CH)CHOH、−CHC(CH)OH、−CHCFC(CH)OH、−CH(CH)(シクロプロピル)、C3−4シクロアルキル、
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
である、請求項1に記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項4】

(a) −O(C1−3アルキル)と0〜4個のR1aで置換されているC1−3アルキル(ここで、R1aがF、−OHおよび−CFから独立して選択される);
(b) 0〜5個のR1aで置換されているC4−8アルキル(ここで、R1aが独立してF、Cl、−OH、−CHF、−CF、−CN、−OCH、シクロプロピルおよび−OP(O)(OH)から選択される);または
(c) −(CH)2−4NHC(O)(C1−3アルキル)、−(CH)CH(CH)NHC(O)(C1−3アルキル)、−(CH)CH(CH)NHC(O)NH(C1−3アルキル)または−(CH)CH(CH)NHC(O)N(C1−3アルキル)である、
請求項1に記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項5】
が−OH、−OCH、C1−3アルキル、−OCH、C1−3ヒドロキシアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C1−3アルキル)、−C(O)NH(C3−5シクロアルキル)、−C(O)NH(フルオロシクロプロピル)、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NHC(O)O(C1−3アルキル)、−S(O)NH、−S(O)(C1−2アルキル)、−S(C1−2アルキル)、チアゾリル、メチルピラゾリルならびに−OHおよびシクロプロピルで置換されているC1−3アルキルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されたシクロヘキシルである、請求項1に記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項6】
がC2−5アルキル、−CHCF、−CHC(CH)F、−CH(CH)CHFCH、−CH(CH)CHF、−CH(CH)CHCHF、−CH(CH)CHOH、−CHC(CH)OH、−CHCFC(CH)OHまたは−CH(CH)(シクロプロピル)である、請求項1に記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項7】
がC3−4シクロアルキル、
【化7】
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である、請求項1に記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項8】

【化8】
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である、請求項1に記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項9】

【化9】
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である、請求項1に記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の化合物の1個以上および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項11】
炎症性疾患または自己免疫性疾患の処置における治療に使用するための、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
疾患がクローン病、潰瘍性大腸炎、喘息、移植片対宿主病、同種移植片拒絶反応、慢性閉塞性肺疾患;グレーブス病、リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、乾癬;クリオピリン関連周期性症候群、TNF受容体関連周期熱症候群、家族性地中海熱、成人スチル病、全身型若年性特発性関節炎、多発性硬化症、神経障害性疼痛、痛風および痛風関節炎から選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
炎症性疾患または自己免疫性疾患の処置用医薬の製造における、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、IRAK−4の調節を含むキナーゼ阻害剤として有用な化合物に関する。ここで提供されるのは、単環式ヘテロアリール置換ピリジル化合物、このような化合物を含む粗製物およびその使用方法である。本発明は、さらに、キナーゼ調節と関係する状態の処置に有用な、本発明の化合物を少なくとも1個含む医薬組成物および哺乳動物におけるIRAK−4を含むキナーゼ群の活性を阻害する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
Toll/IL−1受容体ファミリーメンバーは、炎症および宿主抵抗性の重要なレギュレーターである。Toll様受容体(TLR)ファミリーは、細菌、真菌、寄生虫およびウイルスを含む感染性生物由来の分子パターンを認識する(Kawai, T. et al., Nature Immunol., 11:373-384 (2010)に総括)。本受容体に結合するリガンドは、本受容体に結合するリガンドは、アダプター分子と二量体化し、Toll/IL−1受容体(TIR)ドメインと呼ばれる受容体の保存細胞質モチーフへの動員を誘発する。TLR3の全TLRはアダプター分子MyD88を動員する。IL−1受容体ファミリーはまた細胞質TIRモチーフを含み、リガンド結合によりMyD88を動員する(Sims, J.E. et al., Nature Rev. Immunol., 10:89-102 (2010)に総括)。
【0003】
セリン/スレオニンキナーゼ群のIRAKファミリーのメンバーは、MyD88との相互作用を用いて受容体へ動員される。本ファミリーは4メンバーからなる。IRAK4がMyD88依存的TLRおよびIL−1Rファミリーメンバーを介するシグナル伝達の開始に重要で、非冗長性の役割を有することを示すいくつかの証拠がある。構造データは、IRAK4がMyD88と直接相互作用し、その後IRAK1またはIRAK2のいずれかを当該受容体複合体に動員して下流シグナル伝達を促進することを確認する(Lin, S. et al., Nature, 465:885-890 (2010))。IRAK4はIRAK1を直接リン酸化して、E3ユビキチンリガーゼTRAF6への下流シグナル伝達を促進し、セリン/スレオニンキナーゼTAK1の活性化と続くNFκB経路およびMAPKカスケードの活性化を誘発する(Flannery, S. et al., Biochem. Pharmacol., 80:1981-1991 (2010))。IRAK4発現を欠くヒト患者のサブセットが同定された(Picard, C. et al., Science, 299:2076-2079 (2003))。これらの患者からの細胞はTLR3を除く全TLRアゴニストならびにIL−1βおよびIL−18を含むIL−1ファミリーのメンバーに応答できない(Ku, C. et al., J. Exp. Med., 204:2407-2422 (2007))。マウスでのIRAK4の欠失は、IL−1、IL−18ならびにTLR3以外の全TLR依存性応答の重度の阻止を起こす(Suzuki, N. et al., Nature, 416:750-754 (2002))。対照的に、IRAK1(Thomas, J.A. et al., J. Immunol., 163:978-984 (1999); Swantek, J.L. et al., J. Immunol., 164:4301-4306 (2000))またはIRAK2(Wan, Y. et al., J. Biol. Chem., 284:10367-10375 (2009))の欠失は、シグナル伝達の部分的喪失を起こす。さらに、IRAK4は、キナーゼ活性がシグナル伝達の開始に必要であることが示されているIRAKファミリーの唯一のメンバーである。マウスゲノムにおける野生型IRAK4のキナーゼ不活性変異体(KDKI)への置き換えは、IL−1、IL−18およびTLR3以外の全TLRを含む、全てのMyD88依存性受容体を介するシグナル伝達を障害する(Koziczak-Holbro, M. et al., J. Biol. Chem., 282:13552-13560 (2007); Kawagoe, T. et al., J. Exp. Med., 204:1013-1024 (2007); およびFraczek, J. et al., J. Biol. Chem., 283:31697-31705 (2008))。
【0004】
野生型動物と比較して、IRAK4 KDKIマウスは、多発性硬化症(Staschke, K.A. et al., J. Immunol., 183:568-577 (2009))、リウマチ性関節炎(Koziczak-Holbro, M. et al., Arthritis Rheum., 60:1661-1671 (2009))、アテローム性動脈硬化症(Kim, T.W. et al., J. Immunol., 186:2871-2880 (2011)およびRekhter, M. et al., Biochem. Biophys. Res. Comm., 367:642-648 (2008))および心筋梗塞(Maekawa, Y. et al., Circulation, 120:1401-1414 (2009))のマウスモデルにおける疾患重症度の大きな減少を示す。報告されいるように、IRAK4阻害剤は全MyD88依存性シグナル伝達を遮断する。MyD88依存性TLRは、多発性硬化症、リウマチ性関節炎、心血管疾患、メタボリック症候群、敗血症、全身性エリテマトーデス、クローン病および潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患、自己免疫性ブドウ膜炎、乾癬、喘息、アレルギー、I型糖尿病および同種移植片拒絶反応の病因に寄与することが示されている(Keogh, B. et al., Trends Pharmacol. Sci., 32:435-442 (2011); Mann, D.L., Circ. Res., 108:1133-1145 (2011); Jiang, W.et al., J. Invest. Dermatol. (2013) doi: 10.1038/jid.2013.57; Horton, C.G. et al., Mediators Inflamm., Article ID 498980 (2010), doi:10.1155/2010/498980; Goldstein, D.R. et al., J. Heart Lung Transplant., 24:1721-1729 (2005); and Cario, E., Inflamm. Bowel Dis., 16:1583-1597 (2010)). Oncogenically active MyD88 mutations in diffuse large B cell lymphomas have been identified that are sensitive to IRAK4 inhibition (Ngo, V.N. et al., Nature, 470:115-121 (2011))。全ゲノム配列決定はまた慢性リンパ性白血病およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症と関係したMyD88の変異も同定しており、IRAK4阻害剤が白血病処置においても有用であり得ることを示唆する(Puente, X.S. et al., Nature, 475:101-105 (2011); Treon, S.P. et.al., New Engl. J. Med., 367:826-833 (2012))。
【0005】
TLRシグナル伝達遮断に加えて、IRAK4阻害剤はまたIL−1ファミリーメンバーによるシグナル伝達も遮断する。IL−1の中和は、痛風;痛風関節炎;2型糖尿病;クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、TNF受容体関連周期熱症候群(TRAPS)、家族性地中海熱(FMF)、成人スチル病を含む自己炎症性疾患;全身型若年性特発性関節炎;卒中;GVHD;くすぶり型多発性骨髄腫;再発性心膜炎;骨関節症;気腫を含む多数の疾患に有効であることが示されている(Dinarello, C.A., Eur. J. Immunol., 41:1203-1217 (2011)およびCouillin, I. et al., J. Immunol., 183:8195-8202 (2009))。アルツハイマー病のマウスモデルにおいて、IL−1受容体の遮断は認知欠損を改善し、タウ病理を減弱し、アミロイド−βのオリゴマー形態を減少した(Kitazawa, M. et al., J. Immunol., 187:6539-6549 (2011))。IL−1はまた適応免疫と密接に関係し、TH17エフェクターT細胞サブセットの分化を駆動することも示されている(Chung, Y. et al., Immunity, 30:576-587 (2009))。それゆえに、IRAK4阻害剤は、多発性硬化症、乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫性ブドウ膜炎およびリウマチ性関節炎を含むTH17関連疾患に効果を有すると予測される(Wilke, C.M. et al., Trends Immunol., 32:603-661 (2011))。
【0006】
タンパク質キナーゼ群の調節を含む処置が有益であり得る状態を考慮すれば、IRAK−4のようなタンパク質キナーゼ群を調節できる新規化合物およびこれらの化合物の使用方法が、広汎な患者に相当な治療効果をもたらすことは容易に分かる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、IRAK−4を含むタンパク質キナーゼ群の有効な阻害剤であることが判明した新規ヘテロ環式置換ピリジル化合物群に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
一般にヘテロ環式置換ピリジル化合物と表記し得るキナーゼ活性のモジュレーターをここに提供する。
【0009】
本発明は、IRAK−4の阻害剤として有用であり、増殖性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫性疾患および炎症性疾患の処置に有用である式(I)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグに関する。
【0010】
本発明はまた本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの製造のための方法および中間体も提供する。
【0011】
本発明はまた薬学的に許容される担体および本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの少なくとも1個を含む、医薬組成物も提供する。
【0012】
本発明はまた、処置を必要とする宿主に本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの少なくとも1個の治療有効量を投与することを含む、IRAK−4の阻害方法も提供する。
【0013】
本発明はまた処置を必要とする宿主に本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの少なくとも1個の治療有効量を投与することを含む、増殖性疾患、代謝性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫性疾患および炎症性疾患の処置方法も提供する。
【0014】
好ましい態様は炎症性疾患および自己免疫性疾患の処置方法であり、炎症性疾患の処置がさらに好ましい。特定の、炎症性疾患および自己免疫性疾患は、クローン病、潰瘍性大腸炎、喘息、移植片対宿主病、同種移植片拒絶反応、慢性閉塞性肺疾患;グレーブス病、リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、乾癬;CAPS、TRAPS、FMF、成人スチル病、全身型若年性特発性関節炎、多発性硬化症、神経障害性疼痛、痛風および痛風関節炎を含むが、これらに限定されない。
【0015】
別の好ましい態様は、2型糖尿病およびアテローム性動脈硬化症を含む代謝疾患の処置方法である。
【0016】
本発明はまた治療に使用するための本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグも提供する。
【0017】
本発明はまた、癌の処置用医薬の製造のための、本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用も提供する。
【0018】
本発明のこれらおよび他の特性は、開示が進むに連れて、拡張された形態で示される。
【0019】
発明の態様の詳細な記載
ここに提供されるのは、式(I)
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
〔式中、
は0〜7個のR1aで置換されているC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、0〜7個のR1aで置換されているC2−6アルケニル、0〜7個のR1aで置換されているC2−6アルキニル、0〜7個のR1aで置換されている−(CH)−C3−10シクロアルキル、0〜7個のR1aで置換されている−(CH)−C6−10アリールまたは0〜7個のR1aで置換されている−N、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH)−5〜10員ヘテロ環であり;
1aは各々独立して水素、=O、F、Cl、Br、OCF、CF、CHF、CN、NO、−(CH)OR、−(CH)SR、−(CH)C(O)R、−(CH)C(O)OR、−(CH)OC(O)R、−(CH)NR1111、−(CH)C(O)NR1111、−(CH)NRC(O)R、−(CH)NRC(O)OR、−NRC(O)NR1111、−S(O)NR1111、−NRS(O)、−S(O)R、−S(O)、0〜2個のRで置換されているC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、0〜3個のRで置換されている−(CH)−3〜14員炭素環または0〜3個のRで置換されている炭素原子およびN、OおよびS(O)から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH)−5〜7員ヘテロ環であり;
は0〜4個のR2aで置換されているN、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロアリールであり;
2aは各々独立して水素、=O、ハロ、OCF、CN、NO、−(CH)OR、−(CH)SR、−(CH)C(O)R、−(CH)C(O)OR、−(CH)OC(O)R、−(CH)NR1111、−(CH)C(O)NR1111、−(CH)NRC(O)R、−(CH)NRC(O)OR、−NRC(O)NR1111、−S(O)NR1111、−NRS(O)、−S(O)R、−S(O)、0〜2個のRで置換されているC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、0〜1個のRで置換されている−(CH)−3〜14員炭素環または0〜2個のRで置換されている炭素原子およびN、OおよびS(O)から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH)−5〜7員ヘテロ環であり;
【0020】
は0〜3個のR3aで置換されているC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、0〜3個のR3aで置換されているC2−6アルケニル、0〜3個のR3aで置換されているC2−6アルキニル、0〜3個のR3aで置換されているC3−10シクロアルキル、0〜3個のR3aで置換されているC6−10アリールまたは0〜3個のR3aで置換されているN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロ環であり;
3aは各々独立して水素、=O、F、Cl、Br、OCF、CF、CHF、CN、NO、−(CH)OR、−(CH)SR、−(CH)C(O)R、−(CH)C(O)OR、−(CH)OC(O)R、−(CH)NR1111、−(CH)C(O)NR1111、−(CH)NRC(O)R、−(CH)NRC(O)OR、−NRC(O)NR1111、−S(O)NR1111、−NRS(O)、−S(O)R、−S(O)、0〜3個のRで置換されているC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、0〜3個のRで置換されている−(CH)−3〜14員炭素環または0〜3個のRで置換されている炭素原子およびN、OおよびS(O)から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH)−5〜10員ヘテロ環であり;
およびRは独立して水素または0〜1個のRで置換されているC1−4アルキルであり;
11は各々独立して
(i) 水素、0〜1個のRで置換されているC1−6アルキル、CF、0〜1個のRで置換されているC3−10シクロアルキル、0〜3個のRで置換されている−(CH)−フェニルまたは0〜3個のRで置換されている炭素原子およびN、OおよびS(O)から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH)−5〜7員ヘテロ環であるか;または
(ii) 第一のR11が第二のR11および両者が結合している窒素原子と一体となって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたは4−(C1−6アルキル)ピペラジニル環を形成してよく;
は各々独立して水素、F、Cl、Br、OCF、CF、CHF、CN、NO、−(CH)OR、−(CH)SR、−(CH)C(O)R、−(CH)C(O)OR、−(CH)OC(O)R、−(CH)NR1111、−(CH)C(O)NR1111、−(CH)NRC(O)R、−(CH)NRC(O)OR、−NRC(O)NR1111、−S(O)NR1111、−NRS(O)、−S(O)R、−S(O)、0〜3個のRで置換されているC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、−(CH)−3〜14員炭素環または0〜3個のRで置換されている炭素原子およびN、OおよびS(O)から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH)−5〜7員ヘテロ環であるか、隣接するまたは同じ炭素原子上の2個のRは式−O−(CH)−O−または−O−CF−O−の環状アセタールを形成し、ここで、nは1または2であり;
は水素、0〜2個のRで置換されているC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、0〜2個のRで置換されているC3−6シクロアルキルまたは0〜3個のRで置換されている(CH)−フェニルであり;
は0〜3個のRで置換されているC1−6アルキル、0〜3個のRで置換されている−(CH)−C3−6シクロアルキルまたは0〜3個のRで置換されている−(CH)−フェニルであり;
は各々独立して水素、F、Cl、Br、OCF、CF、CN、NO、−OR、−(CH)C(O)R、−NR、−NRC(O)OR、C1−6アルキルまたは0〜3個のRで置換されている−(CH)−フェニルであり;
は水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキルまたは0〜3個のRで置換されている−(CH)−フェニルであり;
は各々独立して水素、ハロ、NH、OH、C3−6シクロアルキル、CFまたはO(C1−6アルキル)であり;
pは0、1または2であり;
rは0、1、2、3または4である。〕
の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1個の化学物質である。
【0021】
他の態様において提供されるのは、Rがピリジル、チアゾリル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、オキサジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニルまたはトリアジニルであり、各基がR2aから選択される0〜4個の基で置換されている、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0022】
他の態様において、RおよびRの両者が水素である、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0023】
他の態様において、式(II)
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
〔式中、
はC1−6アルキル、−(CH)3−10シクロアルキル、N、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH)−5〜7員ヘテロ環または−(CH)−フェニルであり、各基は0〜4個のR1aで置換されており;
1aは各々独立して水素、=O、F、Cl、Br、OCF、CF、CHF、CN、NO、−(CH)OR、−(CH)SR、−(CH)C(O)R、−(CH)C(O)OR、−(CH)OC(O)R、−(CH)NR1111、−(CH)C(O)NR1111、−(CH)NRC(O)R、−(CH)NRC(O)OR、−NRC(O)NR1111、−S(O)NR1111、−NRS(O)、−S(O)R、−S(O)、0〜2個のRで置換されているC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、0〜3個のRで置換されている−(CH)−3〜14員炭素環(水素または−C(O)NHCH)または0〜3個のRで置換されている炭素原子およびN、OおよびS(O)から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH)−5〜7員ヘテロ環であり;
はピリジル、チアゾリル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、オキサジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニルまたはトリアジニルであり、各基がR2aから選択される0〜4個の基で置換されており;
2aは各々独立して水素、=O、F、Cl、Br、OCF、CN、NO、−(CH)OR、−(CH)SR、−(CH)C(O)R、−(CH)C(O)OR、−(CH)OC(O)R、−(CH)NR1111、−(CH)C(O)NR1111、−(CH)NRC(O)R、−(CH)NRC(O)OR、−NRC(O)NR1111、−S(O)NR1111、−NRS(O)、−S(O)R、−S(O)、0〜2個のRで置換されているC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、0〜1個のRで置換されている−(CH)−3〜14員炭素環または0〜1個のRで置換されている炭素原子およびN、OおよびS(O)から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH)−5〜7員ヘテロ環であり;
【0024】
はC1−6アルキル、C3−10シクロアルキル、フェニルまたは0〜3個のR3aを含むN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5〜10員ヘテロ環であり;
3aは各々独立して水素、=O、F、Cl、Br、OCF、CF、CHF、CN、NO、−(CH)OR、−(CH)SR、−(CH)C(O)R、−(CH)C(O)OR、−(CH)OC(O)R、−(CH)NR1111、−(CH)C(O)NR1111、−(CH)NRC(O)R、−(CH)NRC(O)OR、−NRC(O)NR1111、−S(O)NR1111、−NRS(O)、−S(O)R、−S(O)、0〜3個のRで置換されているC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、0〜3個のRで置換されている−(CH)−3〜14員炭素環または0〜3個のRで置換されている炭素原子およびN、OおよびS(O)から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH)−5〜10員ヘテロ環であり;
11は各々独立して水素、0〜1個のRで置換されているC1−6アルキル、CF、0〜1個のRで置換されているC3−10シクロアルキル、0〜3個のRで置換されている−CH−フェニルまたは0〜3個のRで置換されている炭素原子およびN、OおよびS(O)から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH)−5〜7員ヘテロ環であり;
は各々独立して:
(i) 水素、F、Cl、Br、OCF、CF、CHF、CN、NO、−(CH)OR、−(CH)SR、−(CH)C(O)R、−(CH)C(O)OR、−(CH)OC(O)R、−(CH)NR1111、−(CH)C(O)NR1111、−(CH)NRC(O)R、−(CH)NRC(O)OR、−NRC(O)NR1111、−S(O)NR1111、−NRS(O)、−S(O)R、−S(O)、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、−(CH)−3〜14員炭素環または炭素原子およびN、OおよびS(O)から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH)−5〜7員ヘテロ環であるか;または
(ii) 隣接するまたは同じ炭素原子上の2個のRは式−O−(CH)−O−または−O−CF−O−の環状アセタールを形成し、ここで、nは1または2であり;
は水素、0〜2個のRで置換されているC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、0〜2個のRで置換されているC3−6シクロアルキルまたは0〜3個のRで置換されている−(CH)−フェニルであり;
はC1−6アルキル、C3−6シクロアルキルまたは0〜3個のRで置換されている−(CH)−フェニルであり;
は各々独立して水素、F、Cl、Br、OCF、CF、CN、NO、−OR、−(CH)C(O)R、−NR、−NRC(O)OR、C1−6アルキルまたは0〜3個のRで置換されている−(CH)−フェニルであり;
は水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキルまたは0〜3個のRで置換されている−(CH)−フェニルであり;
は水素、ハロ、NH、OHまたはO(C1−6アルキル)であり;
rは0、1、2、3または4であり;
pは0、1または2である。〕
の構造を有する式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0025】
他の態様において、Rがチアゾリル、ピリジルまたはピリミジニルであり、各基が0〜4個のR2aで置換されている、化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0026】
好ましい態様において、R2aが独立して=O、F、Cl、CN、−(CH)OR、−(CH)C(O)R、−(CH)C(O)OR、−(CH)NR1111、0〜2個のRで置換されているC1−6アルキルまたはピリジルである、化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0027】
特に好ましい態様において、Rがエチルまたはメチルであり、R11が水素であり、rが0である、化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0028】
より好ましい態様において、R
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0029】
さらに別のより好ましい態様において、
がC1−6アルキル、−(CH)3−10シクロアルキル、N、SおよびOから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH)−6員ヘテロ環または−(CH)−フェニルであり、各基が0〜4個のR1aで置換されており;
1aが各々独立して:
(i) F、CF、CN、−(CH)OR、−(CH)C(O)NR1111、−(CH)NRC(O)Rまたは−NRC(O)NR1111であるか;または
(ii) C1−6アルキル、C3−10シクロアルキル(特にシクロプロピルまたはシクロブチル)、フェニルまたは炭素原子およびNおよびOから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ環(特にピロリジニルまたはモルホリニル)であり、各基が0〜4個のRで置換されており;
が独立して水素、−(CH)C(O)NR1111、C1−4アルキルまたは炭素原子およびNおよびOから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ環(特にトリアゾリル)であり;
が水素またはメチルであり;
が、各々独立して
(i) C1−4アルキル;または
(ii) C3−6シクロアルキル(特にシクロペンチルまたはシクロヘキシル)またはフェニルであり;
11が各々独立して水素またはC1−4アルキルであり;
rが0、1、2、3または4である、
式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0030】
他の態様において、RがC1−6アルキルまたはシクロヘキシルであり、各々0〜4個のR1aで置換されている、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0031】
さらなる態様において、R
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0032】
他の態様において、
がC1−6アルキル、C3−10シクロアルキル、フェニルまたはN、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ環(特にテトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニルまたはオキセタニル)であり、各基が場合により0〜3個のR3aで置換されていてよく;
3aが各々独立して
(i) 水素、F、Cl、CF、CHF、−(CH)OR、−(CH)C(O)OR、−(CH)NR1111または−(CH)C(O)NR1111であるか;または
(ii) C1−6アルキル、−(CH)−フェニル、C3−10シクロアルキルまたは炭素原子およびN、OおよびS(O)から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む−(CH)−5〜7員ヘテロ環であり、各基が0〜3個のRで置換されており;
が水素、F、Clまたは−(CH)ORであり;
が水素、CHFまたはC1−4アルキルであり;
11が独立して水素、C3−10シクロアルキル、−CFまたは場合によりOHで置換されていてよいC1−4アルキルであり;
rが0、1、2、3または4である、
式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0033】
他の好ましい態様において、Rがメチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、シクロプロピル、シクロペンチルまたはテトラヒドロピラニルであり、各基がFおよび−CFから独立して選択される0〜2個の基で置換されている、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0034】
他の態様において、Rが次の−CHCH、−CH(CH)、−CHCF
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される、式(I)の化合物が提供される。
【0035】
一つの態様において、RがC1−6アルキル、シクロヘキシルまたはピペリジニルであり、各々0〜4個のR1aで置換されている、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0036】
一つの態様において、
が−CH、−CHCHFC(CH)OH、
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
であり;

【化7】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
が−CHCH、−CH(CH)、−CHCF、シクロプロピル、シクロブチル、−CH(フェニル)CH(OH)CH(OH)、
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
である、
式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0037】
一つの態様において、Rが−CHまたは−CHCHFC(CH)OHである、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0038】
一つの態様において、Rが−CHCHFC(CH)OHである、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0039】
一つの態様において、Rが−CHCHFC(CH)OHである、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0040】
一つの態様において、R
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0041】
一つの態様において、R
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0042】
一つの態様において、R
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0043】
一つの態様において、R
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0044】
一つの態様において、Rが0〜4個のR2aで置換されているN、OおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロアリールである、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0045】
一つの態様において、Rが0〜4個のR2aで置換されている、1個の窒素ヘテロ原子と0〜1個のN、OおよびSから選択される付加的ヘテロ原子を含む5〜6員ヘテロアリールである、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0046】
一つの態様において、Rがチアゾリル、ピリジルまたはピリミジニルであり、各基が0〜4個のR2aで置換されている、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0047】
一つの態様において、R
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0048】
一つの態様において、R
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0049】
一つの態様において、R
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0050】
一つの態様において、R
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0051】
一つの態様において、R
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0052】
一つの態様において、R
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0053】
一つの態様において、R
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0054】
一つの態様において、R
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0055】
一つの態様において、Rが0〜3個のR3aで置換されているC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、0〜3個のR3aで置換されているC3−6シクロアルキルまたは0〜3個のR3aで置換されているテトラヒドロピラニルである、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0056】
一つの態様において、Rが−CHCH、−CH(CH)または−CHCFである、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0057】
一つの態様において、Rが−CHCHまたは−CH(CH)である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0058】
一つの態様において、Rが−CH(CH)である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0059】
一つの態様において、Rがシクロプロピル、シクロブチル、
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0060】
一つの態様において、Rがシクロプロピルまたはシクロブチルである、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0061】
一つの態様において、Rが−CH(フェニル)CH(OH)CH(OH)である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0062】
一つの態様において、Rが0〜4個のR1aで置換されているC1−6アルキルであり;Rがピリミジニルであり、各基がR2aから選択される0〜1個の基で置換されており;Rが0〜3個のR3aで置換されているC1−4アルキルであり;各R1aが独立してF、Cl、OH、OCF、CF、CHFまたはCNであり;R2aがCNまたは−NR1111であり;各R3aが独立してF、Cl、Br、OCF、CF、CHFまたはCNである、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0063】
一つの態様において、Rが0〜2個のR1aで置換されているC4−6アルキルであり;各R1aが独立してFまたはOHであり;RがCNで置換されているピリミジニルであり;RがC2−3アルキルである、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0064】
一つの態様において、Rが0〜4個のR1aで置換されているC1−6アルキルであり;Rがピリミジニルであり、各基がR2aから選択される0〜1個の基で置換されており;Rが0〜3個のR3aで置換されているC1−6アルキルである、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0065】
一つの態様において、
が−CHまたは−CHCHFC(CH)OHであり;

【化22】
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であり;
が−CHCH、−CH(CH)または−CHCFである、
式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0066】
一つの態様において、
が−CHまたは−CHCHFC(CH)OHであり;

【化23】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
が−CHCHまたは−CH(CH)である、
式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0067】
一つの態様において、
が−CHCHFC(CH)OHであり;

【化24】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
が−CHCH、−CH(CH)または−CHCFである、
式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0068】
一つの態様において、
が−CHまたは−CHCHFC(CH)OHであり;

【化25】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
が−CH(CH)である、
式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0069】
一つの態様において、
が−CHまたは−CHCHFC(CH)OHであり;

【化26】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
が−CH(CH)である、
式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0070】
一つの態様において、
が−CHCHFC(CH)OHであり;

【化27】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
が−CH(CH)である、
式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0071】
一つの態様において、次の式を有する、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【化28】
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【0072】
一つの態様において、次の式を有する式(II)の化合物が提供される。
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【0073】
一つの態様において、次の式を有する式(II)の化合物がHCl塩として提供される。
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【0074】
一つの態様において、

(a) 0〜4個のR1aで置換されているC2−3ヒドロキシアルキル(ここで、R1aが独立してF、Cl、−OH、−CHF、−CN、−CF、−OCHおよびシクロプロピルから選択される);
(b) −O(C1−3アルキル)と0〜4個のR1aで置換されているC1−3アルキル(ここで、R1aが独立してF、Cl、−OH、−CHF、−CN、−CFおよびシクロプロピルから選択される);
(c) 0〜7個のR1aで置換されているC4−8アルキル(ここで、R1aが独立してF、Cl、−OH、−CHF、−CF、−CN、−OCH、シクロプロピルおよび−OP(O)(OH)から選択される);
(d) −(CH)2−4NHC(O)(C1−6アルキル)、−(CH)CH(CH)NHC(O)(C1−6アルキル)、−(CH)CH(CH)NHC(O)(CH)0−1NH(C1−6アルキル)または−(CH)CH(CH)NHC(O)(CH)0−1N(C1−4アルキル)
(e) −OH、−OCH、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C1−3アルキル)、−C(O)NH(C1−6ヒドロキシアルキル)、−C(O)NH(C3−6シクロアルキル)、−C(O)NH(C3−6フルオロシクロアルキル)、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NHC(O)O(C1−3アルキル)、−NHS(O)CH、−S(O)NH、−S(O)(C1−3アルキル)、−S(C1−3アルキル)、チアゾリル、メチルピラゾリルならびに−OHおよびシクロプロピルで置換されているC1−3アルキルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているシクロヘキシル;
(f) −(CH)(フェニル)(ここで、該フェニルが−C(O)NH、−C(O)NH(C1−3アルキル)または−S(O)NHで置換されている);または
(g) −C(O)(C1−3アルキル)で置換されているピペリジニル
であり;
がフェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリルまたはトリアゾリルであり、各々F、Cl、−OH、−CN、C1−3アルキル、−CHC(O)OCH、−O(C1−3アルキル)、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−NH(シクロプロピル)、−C(O)NH、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NH(テトラヒドロピラニル)、ヒドロキシピロリジニル、=O、−O(ピペリジニル)およびピリジニルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されており;
【0075】
が:
(a) F、−OH、−CH、−CFおよびC3−6シクロアルキルから独立して選択される0〜4個の置換基で置換されているC1−6アルキル;
(b) F、−OH、C1−3ヒドロキシアルキル、−CH、−CFH、−NHおよび−C(O)OCHCHから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているC3−6シクロアルキル;
(c) オキセタニル、テトラヒドロピラニルまたはフルオロテトラヒドロピラニル;
(d) −OH、−CN、−O(C1−3アルキル)、C1−3ヒドロキシアルキル、−C(O)NH、−S(O)NH、−NHS(O)(C1−3アルキル)、ピラゾリル、イミダゾリルおよびメチルテトラゾリルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているフェニル;または
(e)
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
である、
式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0076】
一つの態様において、

(a) −O(C1−3アルキル)と0〜4個のR1aで置換されているC1−3アルキル(ここで、R1aがF、−OHおよび−CFから独立して選択される);
(b) 0〜5個のR1aで置換されているC4−8アルキル(ここで、R1aが独立してF、Cl、−OH、−CHF、−CF、−CN、−OCH、シクロプロピルおよび−OP(O)(OH)から選択される);
(c) −(CH)2−4NHC(O)(C1−3アルキル)、−(CH)CH(CH)NHC(O)(C1−3アルキル)、−(CH)CH(CH)NHC(O)NH(C1−3アルキル)または−(CH)CH(CH)NHC(O)N(C1−3アルキル)
(d) −OH、−OCH、C1−3アルキル、−OCH、C1−3ヒドロキシアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C1−3アルキル)、−C(O)NH(C3−5シクロアルキル)、−C(O)NH(フルオロシクロプロピル)、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NHC(O)O(C1−3アルキル)、−S(O)NH、−S(O)(C1−2アルキル)、−S(C1−2アルキル)、チアゾリル、メチルピラゾリルならびに−OHおよびシクロプロピルで置換されているC1−3アルキルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているシクロヘキシル;
(e) −(CH)(フェニル)(ここで、該フェニルが−C(O)NH、−C(O)NH(CH)または−S(O)NHで置換されている);または
(f) −C(O)(C1−3アルキル)で置換されているピペリジニル
であり;
がフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリルまたはトリアゾリルであり、各々F、Cl、−OH、−CN、C1−3アルキル、−CHC(O)OCH、−O(C1−3アルキル)、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−NH(シクロプロピル)、−C(O)NH、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NH(テトラヒドロピラニル)、ヒドロキシピロリジニル、−O(ピペリジニル)およびピリジニルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているか;または=Oで置換されているピリダジニルであり;
が:
(a) F、−OH、−CH、−CFおよびシクロプロピルから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されているC1−5アルキル;
(b) F、−OH、C1−3ヒドロキシアルキル、−CH、−CFH、−NHおよび−C(O)OCHCHから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているC3−6シクロアルキル;
(c) オキセタニル、テトラヒドロピラニルまたはフルオロテトラヒドロピラニル;
(d) −OH、−CN、−OCH、C1−2ヒドロキシアルキル、−C(O)NH、−S(O)NH、−NHS(O)CH、ピラゾリル、イミダゾリルおよびメチルテトラゾリルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているフェニル;または
(e)
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0077】
一つの態様において、
が−CHCHFC(CH)OH、−CHCHFC(CH)OCH、−CHCHFC(CHCH)OH、−CHCHFCHOCH、−(CH)OCH、−(CH)OC(CH)、−CHCFC(CH)OH、−(CH)CH(CH)NHC(O)CH、−(CH)CH(CH)NHC(O)NHCH(CH)、−CHCHFC(CH)OP(O)(OH)
【化33】
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であり;

【化34】
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であり;
【0078】
がC2−5アルキル、−CHCF、−CHC(CH)F、−CH(CH)CHFCH、−CH(CH)CHF、−CH(CH)CHCHF、−CH(CH)CHOH、−CHC(CH)OH、−CHCFC(CH)OH、−CH(CH)(シクロプロピル)、C3−4シクロアルキル、
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0079】
一つの態様において
が:
(a) −O(C1−3アルキル)と0〜4個のR1aで置換されているC1−3アルキル(ここで、R1aがF、−OHおよび−CFから独立して選択される);
(b) 0〜5個のR1aで置換されているC4−8アルキル(ここで、R1aが独立してF、Cl、−OH、−CHF、−CF、−CN、−OCH、シクロプロピルおよび−OP(O)(OH)から選択される);または
(c) −(CH)2−4NHC(O)(C1−3アルキル)、−(CH)CH(CH)NHC(O)(C1−3アルキル)、−(CH)CH(CH)NHC(O)NH(C1−3アルキル)または
−(CH)CH(CH)NHC(O)N(C1−3アルキル)である、
式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0080】
一つの態様において、Rが−OH、−OCH、C1−3アルキル、−OCH、C1−3ヒドロキシアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C1−3アルキル)、−C(O)NH(C3−5シクロアルキル)、−C(O)NH(フルオロシクロプロピル)、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NHC(O)O(C1−3アルキル)、−S(O)NH、−S(O)(C1−2アルキル)、−S(C1−2アルキル)、チアゾリル、メチルピラゾリルならびに−OHおよびシクロプロピルで置換されているC1−3アルキルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているシクロヘキシルである、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0081】
一つの態様において、RがC2−5アルキル、−CHCF、−CHC(CH)F、−CH(CH)CHFCH、−CH(CH)CHF、−CH(CH)CHCHF、−CH(CH)CHOH、−CHC(CH)OH、−CHCFC(CH)OHまたは−CH(CH)(シクロプロピル)である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0082】
一つの態様において、RがC3−4シクロアルキル、
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0083】
一つの態様において、R
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0084】
一つの態様において、R
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0085】
一つの態様において、実施例2〜168の化合物から選択される、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0086】
一つの態様において、Rが(a)0〜4個のR1aで置換されているC2−3ヒドロキシアルキル(ここで、R1aが独立してF、Cl、−OH、−CHF、−CN、−CF、−OCHおよびシクロプロピルから選択される);(b)−O(C1−3アルキル)と0〜4個のR1aで置換されているC1−3アルキル(ここで、R1aが独立してF、Cl、−OH、−CHF、−CN、−CFおよびシクロプロピルから選択される);または(c)0〜7個のR1aで置換されているC4−8アルキル(ここで、R1aが独立してF、Cl、−OH、−CHF、−CF、−CN、−OCH、シクロプロピルおよび−OP(O)(OH)から選択される)である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。この態様に包含されるのは、Rが−O(C1−3アルキル)と0〜4個のR1aで置換されているC1−3アルキル(ここで、R1aがF、−OHおよび−CFから独立して選択される);または0〜5個のR1aで置換されているC4−8アルキル(こおkで、R1aが独立してF、Cl、−OH、−CHF、−CF、−CN、−OCH、シクロプロピルおよび−OP(O)(OH)から選択される)である、化合物である。またこの態様に包含されるのは、Rが−CHCHFC(CH)OH、−CHCHFC(CH)OCH、−CHCHFC(CHCH)OH、−CHCHFCHOCH、−(CH)OCH、−(CH)OC(CH)、−CHCFC(CH)OHまたは−CHCHFC(CH)OP(O)(OH)である、化合物である。
【0087】
一つの態様において、Rが−(CH)2−4NHC(O)(C1−6アルキル)、−(CH)CH(CH)NHC(O)(C1−6アルキル)、−(CH)CH(CH)NHC(O)(CH)0−1NH(C1−6アルキル)または−(CH)CH(CH)NHC(O)(CH)0−1N(C1−4アルキル)である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。この態様に包含されるのは、Rが−(CH)2−4NHC(O)(C1−3アルキル)、−(CH)CH(CH)NHC(O)(C1−3アルキル)、−(CH)CH(CH)NHC(O)NH(C1−3アルキル)または−(CH)CH(CH)NHC(O)N(C1−3アルキル)である、化合物である。またこの態様に包含されるのは、Rが−(CH)CH(CH)NHC(O)CHまたは−(CH)CH(CH)NHC(O)NHCH(CH)である、化合物である。
【0088】
一つの態様において、Rが−OH、−OCH、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C1−3アルキル)、−C(O)NH(C1−6ヒドロキシアルキル)、−C(O)NH(C3−6シクロアルキル)、−C(O)NH(C3−6フルオロシクロアルキル)、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NHC(O)O(C1−3アルキル)、−NHS(O)CH、−S(O)NH、−S(O)(C1−3アルキル)、−S(C1−3アルキル)、チアゾリル、メチルピラゾリルならびに−OHおよびシクロプロピルで置換されているC1−3アルキルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているシクロヘキシルである、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。この態様に包含されるのは、Rが−OH、−OCH、C1−3アルキル、−OCH、C1−3ヒドロキシアルキル、−C(O)NH、−C(O)NH(C1−3アルキル)、−C(O)NH(C3−5シクロアルキル)、−C(O)NH(フルオロシクロプロピル)、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NHC(O)O(C1−3アルキル)、−S(O)NH、−S(O)(C1−2アルキル)、−S(C1−2アルキル)、チアゾリル、メチルピラゾリルならびに−OHおよびシクロプロピルで置換されているC1−3アルキルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているシクロヘキシルである、化合物である。またこの態様に包含されるのは、R
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
である、化合物である。
【0089】
一つの態様において、Rが−(CH)(フェニル)(ここで、該フェニルは−C(O)NH、−C(O)NH(C1−3アルキル)または−S(O)NHで置換されている);または−C(O)(C1−3アルキル)で置換されているピペリジニルである、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。この態様に包含されるのは、Rが−(CH)(フェニル)(ここで、該フェニルが−C(O)NH、−C(O)NH(CH)または−S(O)NHで置換されている);または−C(O)(C1−3アルキル)で置換されているピペリジニルである、化合物である。またこの態様に包含されるのは、R
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
である、化合物である。
【0090】
一つの態様において、Rが−CHCHFC(CH)OH、−CHCHFC(CH)OCH、−CHCHFC(CHCH)OH、−CHCHFCHOCH、−(CH)OCH、−(CH)OC(CH)、−CHCFC(CH)OH、−(CH)CH(CH)NHC(O)CH、−(CH)CH(CH)NHC(O)NHCH(CH)、−CHCHFC(CH)OP(O)(OH)
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0091】
一つの態様において、R
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0092】
一つの態様において、RがC2−5アルキル、−CHCF、−CHC(CH)F、−CH(CH)CHFCH、−CH(CH)CHF、−CH(CH)CHCHF、−CH(CH)CHOH、−CHC(CH)OH、−CHCFC(CH)OH、−CH(CH)(シクロプロピル)、C3−4シクロアルキル、
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0093】
一つの態様において、Rがフェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリルまたはトリアゾリルであり、各々F、Cl、−OH、−CN、C1−3アルキル、−CHC(O)OCH、−O(C1−3アルキル)、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−NH(シクロプロピル)、−C(O)NH、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NH(テトラヒドロピラニル)、ヒドロキシピロリジニル、=O、−O(ピペリジニル)およびピリジニルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されている、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。この態様に包含されるのは、Rがフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリルまたはトリアゾリルであり、各々F、Cl、−OH、−CN、C1−3アルキル、−CHC(O)OCH、−O(C1−3アルキル)、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−NH(シクロプロピル)、−C(O)NH、−NHC(O)(C1−3アルキル)、−NH(テトラヒドロピラニル)、ヒドロキシピロリジニル、−O(ピペリジニル)およびピリジニルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されている;または=Oで置換されているピリダジニルである、化合物である。またこの態様に包含されるのは、R
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
である、化合物である。
【0094】
一つの態様において、Rが(a)F、−OH、−CH、−CFおよびC3−6シクロアルキルから独立して選択される0〜4個の置換基で置換されているC1−6アルキル;(b)F、−OH、C1−3ヒドロキシアルキル、−CH、−CFH、−NHおよび−C(O)OCHCHから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているC3−6シクロアルキル;(c)オキセタニル、テトラヒドロピラニルまたはフルオロテトラヒドロピラニル;(d)−OH、−CN、−O(C1−3アルキル)、C1−3ヒドロキシアルキル、−C(O)NH、−S(O)NH、−NHS(O)(C1−3アルキル)、ピラゾリル、イミダゾリルおよびメチルテトラゾリルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているフェニル;または(e)
【化45】
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である、式(II)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。この態様に包含されるのは、Rが(a)F、−OH、−CH、−CFおよびシクロプロピルから独立して選択される0〜3個の置換基で置換されているC1−5アルキル;(b)F、−OH、C1−3ヒドロキシアルキル、−CH、−CFH、−NHおよび−C(O)OCHCHから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているC3−6シクロアルキル;(c)オキセタニル、テトラヒドロピラニルまたはフルオロテトラヒドロピラニル;(d)−OH、−CN、−OCH、C1−2ヒドロキシアルキル、−C(O)NH、−S(O)NH、−NHS(O)CH、ピラゾリル、イミダゾリルおよびメチルテトラゾリルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換されているフェニル;または(e)
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
である、化合物である。またこの態様に包含されるのは、RがC2−5アルキル、−CHCF、−CHC(CH)F、−CH(CH)CHFCH、−CH(CH)CHF、−CH(CH)CHCHF、−CH(CH)CHOH、−CHC(CH)OH、−CHCFC(CH)OH、−CH(CH)(シクロプロピル)、C3−4シクロアルキル、
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
である、化合物である。
【0095】
一つの態様は、6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−4−(((1S,2S)−2,3−ジヒドロキシ−1−フェニルプロピル)アミノ)−N−メチルニコチンアミド(1);6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(2);6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−((2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)ニコチンアミド(3);6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−4−(エチルアミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド(4);6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)−N−(trans−4−(メチルカルバモイル)シクロヘキシル)ニコチンアミド(5);6−((5−シアノピリジン−2−イル)アミノ)−N−((1R,4R)−4−(シクロプロピルカルバモイル)シクロヘキシル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(6);6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−N−(trans−4−(((1S,2R)−2−フルオロシクロプロピル)カルバモイル)シクロヘキシル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(7);N−(1−アセチル−4−ピペリジニル)−6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(8);N−(trans−4−アセトアミドシクロヘキシル)−6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(9);6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−4−(シクロブチルアミノ)−N−(trans−4−(メチルカルバモイル)シクロヘキシル)ニコチンアミド(10);N−((1R,4R)−4−アセトアミドシクロヘキシル)−6−((5−シアノピリジン−2−イル)アミノ)−4−(((3S,4R)−3−フルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ニコチンアミド(11);6−((3−クロロ−5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(12);6−((3−クロロ−5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ニコチンアミド(13);6−((3−クロロ−5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−4−(シクロプロピルアミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド(14);N−((1r,4r)−4−アセトアミドシクロヘキシル)−6−((3−クロロ−5−シアノピリジン−2−イル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(15);6−((3−クロロ−5−シアノピリジン−2−イル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)−N−((1r,4r)−4−(メチルカルバモイル)シクロヘキシル)ニコチンアミド(16);6−((5−シアノ−3−フルオロ−2−ピリジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(17);6−((5−シアノ−3−フルオロピリジン−2−イル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)−N−((1r,4r)−4−(メチルカルバモイル)シクロヘキシル)ニコチンアミド(18);N−(trans−4−アセトアミドシクロヘキシル)−6−((5−シアノ−3−フルオロ−2−ピリジニル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(19);N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)−6−(4−ピリミジニルアミノ)ニコチンアミド(20);4−(シクロプロピルアミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−6−(4−ピリミジニルアミノ)ニコチンアミド(21);6−((5−シアノ−2−ピリミジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(22);4−(シクロプロピルアミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−6−((4−(3−ピリジニル)−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ)ニコチンアミド(23);6−((2−(シクロプロピルアミノ)−4−ピリミジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(24);N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)−6−((2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルアミノ)−4−ピリミジニル)アミノ)ニコチンアミド(25);N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−6−((2−(3−フルオロ−1−ピロリジニル)−4−ピリミジニル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(26);および6−((5−シアノ−6−((3S)−3−ヒドロキシ−1−ピロリジニル)−2−ピリジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(27)から選択される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0096】
他の態様において、式(I)の化合物の1個以上および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
【0097】
本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、IRAK−4の調節(特に阻害)を含む、キナーゼ調節と関係する疾患の処置に有用な医薬組成物にも関する。
【0098】
本発明は、さらに処置を必要とする患者に式(I)の化合物の治療有効量を投与することを含む、IRAK−4の調節を含む、キナーゼ調節と関係する疾患の処置方法に関する。
【0099】
本発明はまた本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの製造のための方法および中間体も提供する。
【0100】
本発明はまた増殖性疾患、代謝性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫性疾患および炎症性疾患の処置方法(またはこれらの疾患の処置用医薬の製造における本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用)であって、これらの疾患の処置を必要とする宿主に本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの少なくとも1個の治療有効量を投与することを含む、方法も提供する。
【0101】
本発明はまた疾患の処置方法(またはこれらの疾患の処置用医薬の製造における本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用)であって、このような処置を必要とする患者に式(I)の化合物の治療有効量を投与することを含み、該疾患がクローン病、潰瘍性大腸炎、喘息、移植片対宿主病、同種移植片拒絶反応、慢性閉塞性肺疾患;グレーブス病、リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、乾癬;CAPS、TRAPS、FMF、成人スチル病、全身型若年性特発性関節炎、多発性硬化症、神経障害性疼痛、痛風および痛風関節炎である、方法も提供する。
【0102】
本発明はまた炎症性疾患または自己免疫性疾患の処置方法(またはこれらの疾患の処置用医薬の製造における本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用)であって、このような処置を必要とする患者に式(I)の化合物の治療有効量を投与することを含む、方法も提供する。
【0103】
本発明はまた炎症性疾患または自己免疫性疾患の処置方法(またはこれらの疾患の処置用医薬の製造における本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用)であって、ここで、該疾患がクローン病、潰瘍性大腸炎、喘息、移植片対宿主病、同種移植片拒絶反応、慢性閉塞性肺疾患;グレーブス病、リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、乾癬;CAPS、TRAPS、FMF、成人スチル病、全身型若年性特発性関節炎、多発性硬化症、神経障害性疼痛、痛風および痛風関節炎から選択される、方法も提供する。
【0104】
さらに、本発明は処置を必要とする患者に式(I)の化合物の治療有効量を投与することを含む、状態の処置方法(またはこれらの状態の処置用医薬の製造のための本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用)であって、状態が急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移黒色腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、固形腫瘍、眼血管新生および小児血管腫、B細胞リンパ腫、全身性エリテマトーデス(SLE)、リウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、多発性脈管炎、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、重症筋無力症、アレルギー性鼻炎、多発性硬化症(MS)、移植片拒絶、I型糖尿病、膜性腎症、炎症性腸疾患、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、寒冷および温暖凝集素症、エバンス症候群、溶血性尿毒症症候群/血栓性血小板減少性紫斑病(HUS/TTP)、サルコイドーシス、シェーグレン症候群、末梢ニューロパシー、尋常性天疱瘡および喘息から選択される、方法も提供する。
【0105】
本発明はまた、処置を必要とする患者に式(I)の化合物の治療有効量を投与することを含む、リウマチ性関節炎の処置方法(またはリウマチ性関節炎の処置用医薬の製造のための本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用)も提供する。
【0106】
本発明はまた、処置を必要とする患者に式(I)の化合物の治療有効量を投与することを含む、TLR/IL−1介在疾患の処置方法(またはこれらの疾患の処置用医薬の製造における本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用)も提供する。
【0107】
本発明はまた、処置を必要とする患者に式(I)の化合物の治療有効量を投与することを含む、TLR/IL−1介在疾患の処置方法(またはこれらの疾患の処置用医薬の製造における本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用)であって、ここで、TLR/IL−1介在疾患がIRAK−4から選択されるキナーゼにより調節される疾患である、方法も提供する。
【0108】
本発明はまた他の治療剤と組み合わせて、処置を必要とする患者に式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与することを含む、疾患の処置方法も提供する。
【0109】
本発明はまた治療に使用するための本発明の化合物またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグも提供する。
【0110】
他の態様において、式(I)の化合物は例示化合物または例示化合物の組み合わせまたはここでの他の態様の組み合わせから選択される。
【0111】
他の態様において、化合物は下記IRAK−4アッセイでIC50<1000nMを有する。
【0112】
本発明は、その精神または不可欠な属性から逸脱することなく他の形態に具現化し得る。本発明は、ここに記載する本発明の好ましい面および/または態様の全ての組み合わせを包含する。任意かつ全ての本発明の態様を任意の他の1個以上の態様と組み合わせて、より好ましい態様をさらに説明し得ると理解される。好ましい態様の個々の要素はそれ自体の独立した好ましい態様であることも理解される。さらに、態様の任意の要素を、任意の態様の任意のかつ他の全ての要素と組み合わせて、さらなる態様を説明することをも意図される。
【0113】
発明の詳細な記載
次は、本明細書および添付する特許請求の範囲において使用する用語の定義である。特に断らない限り、ここに適用する基または用語についての最初の定義は、明細書および特許請求の範囲を通して、個々にまたは他の基の一部として該基または用語に適用される。
【0114】
本発明の化合物は1カ所以上の不斉中心を有し得る。特に断らない限り、本発明の化合物の全てのキラル(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびラセミ体は本発明に含まれる。オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何異性体がまた化合物に存在でき、全てのこのような安定な異性体は本発明で意図される。本発明の化合物のcisおよびtrans幾何異性体が記載され、異性体混合物としてまたは個々の異性形態として単離され得る。本化合物は光学活性またはラセミ体で単離できる。本化合物は光学活性体またはラセミ体で単離され得る。ラセミ体の分割または光学活性出発物質からの合成によるような、光学活性形態をどのように形成するかは当分野で周知である。特定の立体化学または異性形態が示されていない限り、構造の全てのキラル(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびラセミ体および全ての幾何異性形態が意図される。
【0115】
ある可変基(例えば、R)が化合物の構成部分または式において2回以上存在するときは、各位置におけるその定義は他の全ての位置におけるその定義と無関係である。それゆえに、例えば、基が0〜2個のRで置換されていると説明されるならば、該基は場合により2個までのR基で置換されていてよく、それぞれの位置のRはRの定義からそれぞれ独立して選択される。また、置換基および/または可変基の組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物を生じるときのみ許容される。
【0116】
置換基への結合が環中の2個の原子を繋ぐ結合と交差して示されるならば、このような置換基は環上の任意の原子に結合し得る。置換基が、与えられた式の化合物の残りの部分に結合するために経由する原子を指定すことなく列挙されているならば、このような置換基は、このような置換基中の任意の原子を介して結合し得る。置換基および/または可変基の組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物を生じるときのみ許容される。
【0117】
本発明の化合物に窒素原子が存在するとき(例えば、アミン類)、酸化剤(例えば、MCPBAおよび/または過酸化水素類)での処理によりN−オキシドに変換でき、本発明における他の化合物を与える。それゆえに、ここに記載し、請求する窒素原子は、記載された窒素およびそのN−オキシド(N→O)誘導体を包含すると考慮される。
【0118】
当分野で使用される慣習に従い、
【化48】
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は、部分または置換基のコアまたは骨格構造への結合点を示すためにここでの構造式で使用する。
【0119】
2個の文字または記号の間ではない一重線“−”は置換基の結合点を示すために使用する。例えば、−CONHは炭素原子を用いて結合する。
【0120】
式(I)の化合物の特定の部分に関して“場合により置換されていてよい”なる記載(例えば、場合により置換されていてよいヘテロアリール基)は、0個、1個、2個以上の置換基を有する部分を指称する。例えば、“場合により置換されていてよいアルキル”は、ここで定義する“アルキル”および“置換アルキル”の両者を含む。当業者には理解されるとおり、1個以上の置換基を有する何れかの基に関して、そのような基が立体的に実現不可能である、合成的に実施不可能であるおよび/または本質的に不安定である如何なる置換または置換パターンも包含することを意図しない。
【0121】
ここで使用する用語“少なくとも1個の化学成分”は用語“化合物”と交換可能である。
【0122】
ここで使用する用語“アルキル”または“アルキレン”は、特定した炭素原子数を有する分枝鎖および直鎖両者の飽和脂肪族炭化水素基をいう。例えば、“C1−10アルキル”(またはアルキレン)は、C、C、C、C、C、C、C、C、CおよびC10アルキル基を包含することを意図する。さらに、例えば、“C−Cアルキル”は、1〜6個の炭素原子を有するアルキルを意味する。アルキル基は非置換でも、その水素の1個以上が他の化学基に置き換えられるように置換されていてもよい。アルキル基の例は、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n−プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(例えば、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル)、ペンチル(例えば、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)などを含むが、これらに限定されない。
【0123】
“アルケニル”または“アルケニレン”は、鎖に添った任意の安定な点で生じ得る1個以上の炭素−炭素二重結合を有する、直鎖または分枝鎖配置の炭化水素鎖を含むことを意図する。例えば、“C2−6アルケニル”(またはアルケニレン)はC、C、C、CおよびCアルケニル基を含むことを意図する。アルケニルの例は、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、2−メチル−2−プロペニル、4−メチル−3−ペンテニルなどを含むが、これらに限定されない。
【0124】
“アルキニル”または“アルキニレン”は、鎖に添った任意の安定な点で生じ得る1個以上の炭素−炭素三重結合を有する、直鎖または分枝鎖配置の炭化水素鎖を含むことを意図する。例えば、“C2−6アルキニル”(またはアルキニレン)はエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどのようなC、C、C、CおよびCアルキニル基を含むことを意図する。
【0125】
当業者は、“CO”なる記載がここで使用されているとき、これが基
【化49】
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を意味するように意図されていることを理解する。
【0126】
用語“アルキル”が“アリールアルキル”におけるように他の基と組み合わせて使用されるとき、この連結は、置換アルキルを含む置換基の少なくとも1個をより具体的に定義する。例えば、“アリールアルキル”は、ベンジルのような置換基の少なくとも1個がアリールである上に定義した置換アルキル基をいう。それゆえに、用語アリール(C0−4)アルキルは、少なくとも1個のアリール置換基を有する置換低級アルキルおよびまた他の基に直接結合するアリール、すなわち、アリール(C)アルキルを含む。用語“ヘテロアリールアルキル”は、置換基の少なくとも1個がヘテロアリールである上に定義した置換アルキル基をいう。
【0127】
置換アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基、アルケニレン基またはアルキニレン基を参照するとき、これらの基は置換アルキル基について上に定義した1〜3個の置換基で置換されている。
【0128】
用語“アルコキシ”は、ここに定義したアルキルまたは置換アルキルで置換された酸素原子をいう。例えば、用語“アルコキシ”は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、2−ペンチルオキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキソキシ、2−ヘキソキシ、3−ヘキソキシ、3−メチルペントキシなどのような基−O−C1−6アルキルを含む。“低級アルコキシ”は、1〜4個の炭素を有するアルコキシ基をいう。
【0129】
例えば、アルコキシ、チオアルキルおよびアミノアルキルを含む全ての基の選択は、安定な化合物を提供するように当業者によりなされると理解すべきである。
【0130】
ここで使用する用語“置換”は、示す原子または基上の1個以上の水素が、示す原子の通常の原子価を超えない限り、示す基から選択される基で置き換えられていることを意味する。置換基がオキソまたはケト(すなわち、=O)であるならば、原子上の2個の水素が置き換えられる。ケト置換基は芳香族部分には存在しない。特に断らない限り、置換基はコア構造に向かって名付ける。例えば、(シクロアルキル)アルキルが可能な置換基として挙げられているとき、この置換基のコア構造への結合点はアルキル部分にある。環二重結合は、ここで使用するとき、2個の隣接環原子(例えば、C=C、C=NまたはN=N)により形成される二重結合である。
【0131】
置換基および/または可変基の組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物または有用な合成中間体を生じるときのみ許容される。安定な化合物または安定な構造は、有用な純度での反応混合物からの単離と、その後の有効な治療剤への製剤に残存するために十分に頑丈な化合物を意味することを意図する。ここで記載した化合物がN−ハロ基、S(O)H基またはS(O)H基を有しないことが好ましい。
【0132】
用語“シクロアルキル”は、単、二または多環式環系を含む環化アルキル基をいう。C3−7シクロアルキルはC、C、C、CおよびCシクロアルキル基を包含することを意図する。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボロニルなどを含むが、これらに限定されない。ここで使用する“炭素環”または“炭素環式残基”は、あらゆる安定な3員、4員、5員、6員または7員単環式または二環式または7員、8員、9員、10員、11員、12員または13員二環式または三環式環を含むことを意図し、このいずれも飽和でも、一部不飽和でも、不飽和でも、芳香族でもよい。このような炭素環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、アントラセニルおよびテトラヒドロナフチル(テトラリン)を含むが、これらに限定されない。上に示すとおり、架橋環もまた炭素環の定義に包含される(例えば、[2.2.2]ビシクロオクタン)。好ましいは、特に断らない限り、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびフェニルである。用語“炭素環”を使用するとき、“アリール”を含むことを意図する。架橋環は、1個以上の炭素原子が2個の非隣接炭素原子に結合するとき生じる。好ましい架橋は1個または2個の炭素原子である。架橋は常に単環式環を二環式環に変えることは注意すべきである。環が架橋されているならば、該環に関する置換基または架橋上にも存在し得る。
【0133】
用語“アリール”は、フェニル基およびナフチル基のような環部分に6〜12個の炭素原子を有する単環式または二環式芳香族炭化水素基をいい、この各々は置換されていてよい。
【0134】
従って、式(I)の化合物において、用語“シクロアルキル”はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロオクチルなどならびに次の:
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
の環系などを含み、これは、場合により環上の利用可能な任意の原子で置換されていてよい。好ましいシクロアルキル基はシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
を含む。
【0135】
用語“ハロ”または“ハロゲン”はクロロ、ブロモ、フルオロおよびヨードをいう。
用語“ハロアルキル”は、1個以上のハロ置換基を有する置換アルキルをいう。例えば、“ハロアルキル”はモノ、ビおよびトリフルオロメチルを含む。
【0136】
用語“ハロアルコキシ”は、1個以上のハロ置換基を有するアルコキシ基をいう。例えば、“ハロアルコキシ”はOCFを含む。
【0137】
それゆえに、アリール基の例は
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
(フルオレニル)などを含み、これは、場合により任意の利用可能な炭素原子または窒素原子で置換されていてよい。好ましいアリール基は場合により置換されていてよいフェニルである。
【0138】
用語“ヘテロ環”、“ヘテロシクロアルキル”、“ヘテロシクロ”、“ヘテロ環式”または“ヘテロシクリル”は相互交換可能に使用してよく、置換および非置換3〜7員単環式基、7〜11員二環式基および10〜15員三環式基を含み、ここで、環の少なくとも1個は少なくとも1個のヘテロ原子(O、SまたはN)を有し、該ヘテロ原子含有環は、好ましくはO、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する。ヘテロ原子を含むこのような基の各環は1個または2個の酸素原子または硫黄原子および/または1〜4個の窒素原子を含み得るが、各環のヘテロ原子の総数は4個以下であり、さらに、該環は少なくとも1個の酸素原子を含む。窒素原子および硫黄原子は所望により酸化されていてよく、窒素原子は所望により4級化されていてよい。二環式基および三環式基を構成する縮合環は炭素原子のみを含んでよく、飽和でも、一部飽和でも、完全に不飽和でもよい。ヘテロシクロ基は、任意の利用可能な窒素原子または炭素原子で結合し得る。用語“ヘテロ環”は“ヘテロアリール”基を含む。原子価から可能である限り、該さらなる環がシクロアルキルまたはヘテロシクロであるならば、それは場合によりさらに=O(オキソ)で置換されていてよい。
【0139】
単環式ヘテロシクリル基の例は、アゼチジニル、ピロリジニル、オキセタニル、イミダゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、1−ピリドニル、4−ピペリドニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニルなどを含む。二環式ヘテロシクロ基の例はキヌクリジニルを含む。さらなる単環式ヘテロシクリル基は
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
を含む。
【0140】
用語“ヘテロアリール”は、環の少なくとも1個に少なくとも1個のヘテロ原子(O、SまたはN)を有する置換および非置換芳香族5員または6員単環式基、9員または10員二環式基および11〜14員三環式基をいい、該ヘテロ原子含有環は、好ましくはO、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有する。ヘテロ原子を含むヘテロアリール基の各環は、1個または2個の酸素原子または硫黄原子および/または1〜4個の窒素原子を含み得るが、各環のヘテロ原子の総数は4個以下であり、各環は少なくとも1個の炭素原子を有する。二環式基および三環式基を構成する縮合環は炭素原子のみを含んでよく、飽和でも、一部飽和でも、完全に不飽和でもよい。窒素原子および硫黄原子は所望により酸化されていてよく、窒素原子は所望により4級化されていてよい。二環式または三環式であるヘテロアリール基は、少なくとも1個の完全芳香環を含まなければならないが、他の1個以上の縮合環は芳香族でも非芳香族でもよい。ヘテロアリール基は、任意の環の任意の利用可能な窒素原子または炭素原子で結合し得る。原子価から可能である限り、該さらなる環がシクロアルキルまたはヘテロシクロであるならば、それは場合によりさらに=O(オキソ)で置換されていてよい。
【0141】
単環式ヘテロアリール基の例はピロリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニルなどを含む。
【0142】
二環式ヘテロアリール基の例はインドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフラニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロキノリニルなどを含む。
【0143】
三環式ヘテロアリール基の例はカルバゾリル、ベンズインドリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニルなどを含む。
【0144】
式(I)の化合物、好ましいヘテロアリール基は
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
などを含み、これは、場合により任意の利用可能な炭素原子または窒素原子で置換されていてよい。
【0145】
特に断らない限り、具体的に名前を挙げたアリール(例えば、フェニル)、シクロアルキル(例えば、シクロヘキシル)、ヘテロシクロ(例えば、ピロリジニル、ピペリジニルおよびモルホリニル)またはヘテロアリール(例えば、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、チアゾリルおよびフリル)を参照するとき、これらの言及は、適宜、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロ基および/またはヘテロアリール基について上に示したものから選択される0〜3個、好ましくは0〜2個の置換基を含むことを意図する。
【0146】
用語“カルボシクリル”または“炭素環式”は、全環の全原子が炭素である飽和または不飽和の単環式または二環式環をいう。それゆえに、用語はシクロアルキル環およびアリール環を含む。単環式炭素環は3〜6環原子、さらに典型的に5または6環原子を含む。二環式炭素は、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]または[6,6]系として配置された7〜12環原子またはビシクロ[5,6]または[6,6]系として配置された9または10環原子を有する。単環および二環式炭素環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペント−1−エニル、1−シクロペント−2−エニル、1−シクロペント−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキシ−1−エニル、1−シクロヘキシ−2−エニル、1−シクロヘキシ−3−エニル、フェニルおよびナフチルを含む。炭素環式環は置換されていてよく、この場合、置換基はシクロアルキル基およびアリール基について上に挙げたものから選択される。
【0147】
用語“ヘテロ原子”は酸素、硫黄および窒素を含む。
用語“不飽和”を環または基に関して使用するとき、該環または基は完全不飽和でも一部不飽和でもよい
【0148】
明細書をとおして、基およびその置換基は、安定な部分および化合物ならびに薬学的に許容される化合物として有用な化合物および/または薬学的に許容される化合物の製造に有用な中間体化合物を提供するように当業者により選択され得る。
【0149】
式(I)の化合物は遊離形態で存在してよく(非イオン化)または同様に本発明の範囲内である塩も形成できる。特に断らない限り、本発明化合物を記載するとき、それは遊離形態およびその塩への言及を含むと理解される。用語“塩”は、無機および/または有機酸および塩基と形成される酸塩および/または塩基塩を意味する。さらに、用語“塩”は、例えば、式(I)の化合物がアミンまたはピリジンまたはイミダゾール環のような塩基性部分およびカルボン酸のような酸性部分の両者を含むとき、双性イオン(分子内塩)を含んでよい。例えば、カチオンが塩の毒性または生物学的活性に顕著に寄与しない許容される金属およびアミン塩のような、薬学的に許容される(すなわち、非毒性の、生理学的に許容される)塩が好ましい。しかしながら、他の塩が、例えば、製造中に用い得る単離または精製工程で有用である可能性があり、それゆえに、本発明の範囲内であることが意図される。式(I)の化合物の塩は、例えば、式(I)の化合物と、当量のような一定量の酸または塩基を、塩が沈殿するような媒体かまたは水性媒体中で形成させて、その後凍結乾燥し得る。
【0150】
酸付加塩の例は、酢酸塩類(例えば酢酸またはトリハロ酢酸、例えば、トリフルオロ酢酸と形成されるもの)、アジピン酸塩類、アルギン酸塩類、アスコルビン酸塩類、アスパラギン酸塩類、安息香酸塩類、ベンゼンスルホン酸塩類、重硫酸塩類、ホウ酸塩類、酪酸塩類、クエン酸塩類、樟脳酸塩類、カンファースルホン酸塩類、シクロペンタンプロピオン酸塩類、ジグルコン酸塩類、ドデシル硫酸塩類、エタンスルホン酸塩類、フマル酸塩類、グルコヘプトン酸塩類、グリセロリン酸塩類、ヘミ硫酸塩類、ヘプタン酸塩類、ヘキサン酸塩類、塩酸塩類(塩酸と形成される)、臭化水素酸塩類(臭化水素と形成される)、ヨウ化水素酸塩類、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩類、乳酸塩類、マレイン酸塩類(マレイン酸と形成される)、メタンスルホン酸塩類(メタンスルホン酸と形成される)、2−ナフタレンスルホン酸塩類、ニコチン酸塩類、硝酸塩類、シュウ酸塩類、ペクチン酸塩類、過硫酸塩類、3−フェニルプロピオン酸塩類、リン酸塩類、ピクリン酸塩類、ピバル酸塩類、プロピオン酸塩類、サリチル酸塩類、コハク酸塩類、硫酸塩類(例えば硫酸と形成されるもの)、スルホン酸塩類(例えばここに記載のもの)、酒石酸塩類、チオシアン酸塩類、トシル酸塩類のようなトルエンスルホン酸塩類、ウンデカン酸塩類などを含む。
【0151】
塩基性塩の例は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、バリウム塩、亜鉛塩およびアルミニウム塩、トリエチルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェナミン、N,N’−ジベンジルエチレン−ジアミン、デヒドロアビエチルアミン、N−エチルピペリジン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミンまたは類似の薬学的に許容されるアミン類およびアルギニン、リシンのようなアミノ酸との塩などを含む。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハライド類(例えば、メチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)、ジアルキル硫酸エステル類(例えば、ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルの硫酸エステル)、長鎖ハライド類(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)、アラルキルハライド類(例えば、ベンジルおよびフェネチルの臭化物)およびその他のような試薬で4級化し得る。好ましい塩は一塩酸塩、硫酸水素塩、メタンスルホン酸塩、リン酸塩または硝酸塩を含む。
【0152】
用語“薬学的に許容される”は、妥当な医学的判断において、過度な毒性、刺激、アレルギー反応またはその他の問題もしくは複合化がなく、ヒトおよび動物組織と接触させるのに適する、合理的利益/危険比に均衡する化合物、物質、組成物および/または投与形態をいうときに用いる。
【0153】
ここで使用する“薬学的に許容される塩”は、その酸または塩基塩の製造により修飾されている、ここに開示した化合物の誘導体をいう。薬学的に許容される塩の例は、アミン類のような塩基性基の無機または有機酸塩およびカルボン酸類のような酸性基のアルカリまたは有機塩を含むが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩は、例えば、非毒性無機または有機酸から形成される、本化合物慣用の非毒性塩または4級アンモニウム塩を含む。例えば、このような慣用の非毒性塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸および硝酸のような無機酸由来のものおよび酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸およびイセチオン酸のような有機酸と製造される塩などを含む。
【0154】
本発明の薬学的に許容される塩は、塩基性または酸性部分を含む化合物から、慣用の化学法により合成できる。一般に、このような塩は、遊離酸または塩基形態のこれらの化合物と化学量論量の適当な塩基または酸を水中または有機溶媒中または2者の混合物中反応させることにより合成でき、一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。適切な塩の一覧は、その開示を引用により本明細書に包含させるRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, Mack Publishing Company, Easton, PA (1990)に見ることができる。
【0155】
本発明化合物の全ての立体異性体が、混合物または純粋または実質的に純粋な形態のいずれかで意図される。立体異性体は、1個以上のキラル原子を有することにより光学異性体である化合物ならびに1個以上の結合に関する回転制限により光学異性体である化合物(アトロプ異性体)を含み得る。本発明の化合物の定義は、全ての可能な立体異性体およびそれらの混合物を包含する。特定する活性を有するラセミ体および単離した光学異性体が極めて具体的には包含される。ラセミ体を、例えば、ジアステレオマー誘導体の分別結晶、分離または結晶化のような物理的方法により分割できまたはキラルカラムクロマトグラフィーにより分離できる。個々の光学異性体は例えば、光学活性酸との塩形成と、続く結晶化のような、慣用の方法によりラセミ体から得られる。
【0156】
本発明は、本化合物に存在する原子の全ての同位体を含むことを意図する。同位体は、同じ原子数を有するが、質量数が異なる原子を含む。一般的な、限定を伴わない例として、水素の同位体は重水素およびトリチウムを含む。炭素の同位体は13Cおよび14Cを含む。同位体標識した本発明の化合物は、一般に当業者に知られる慣用の技術によりまたはここに記載するものに準じる方法により、適当な同位体標識した反応材を、他では用いた非標識反応材の代わりに用いて製造できる。
【0157】
本発明化合物のプロドラッグおよび溶媒和物も意図される。用語“プロドラッグ”は、対象への投与により代謝による化学変換または化学処理を受けて式(I)の化合物および/またはその塩および/または溶媒和物を生じる化合物を意味する。インビボで変換して生物活性剤(すなわち、式(I)の化合物)を提供するあらゆる化合物が、本発明の範囲および精神のプロドラッグである。例えば、カルボキシ基を含む化合物は、体内で加水分解して式(I)の化合物それ自体を生じるプロドラッグとして機能する生理学的に加水分解可能なエステル類を形成できる。このようなプロドラッグは、加水分解が多くの場合、主に消化酵素の作用下に起こるために、好ましくは経口で投与する。エステル自体が活性であるか、加水分解が血中で起こるとき、非経腸投与を使用し得る。式(I)の化合物の生理学的に加水分解可能なエステル類の例はC1−6アルキルベンジル、4−メトキシベンジル、インダニル、フタリル、メトキシメチル、C1−6アルカノイルオキシ−C1−6アルキル、例えば、アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチルまたはプロピオニルオキシメチル、C1−6アルコキシカルボニルオキシ−C1−6アルキル、例えば、メトキシカルボニル−オキシメチルまたはエトキシカルボニルオキシメチル、グリシルオキシメチル、フェニルグリシルオキシメチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)−メチルおよび例えば、ペニシリンおよびセファロスポリン分野で使用される、他の周知の生理学的に加水分解可能なエステル類を含む。このようなエステル類は、当分野で知られる慣用の技術により製造し得る。
【0158】
種々の形態のプロドラッグが当分野で周知である。このようなプロドラッグ誘導体の例として、各々引用により本明細書に包含させる
a) Bundgaard, H., ed., Design of Prodrugs, Elsevier (1985)およびWidder, K. et al., eds., Methods in Enzymology, 112:309-396, Academic Press (1985);
b) Bundgaard, H., Chapter 5, “Design and Application of Prodrugs”, Krosgaard-Larsen, P. et al., eds., A Textbook of Drug Design and Development, pp. 113-191, Harwood Academic Publishers (1991);および
c) Bundgaard, H., Adv. Drug Deliv. Rev., 8:1-38 (1992)
を参照のこと。
【0159】
式(I)の化合物およびその塩は、水素原子が分子の他の部分に輸送され、分子の原子間の化学結合が結果的に再編成される、その互変異性形態で存在し得る。全ての互変異性形態が、存在し得る限り、本発明に含まれると理解されるべきである。さらに、本発明化合物はtrans−およびcis−異性体を有し得る。
【0160】
式(I)の化合物の溶媒和物(例えば、水和物)も本発明の範囲内であることはさらに理解されるべきである。溶媒和の方法は一般に当分野で知られる。
【0161】
有用性
本発明の化合物は、IRAK−4の調節を含み、キナーゼ活性を調節する。本発明の化合物により調節され得る他のタイプのキナーゼ活性は、Pelle/IRAKファミリーおよびその変異体を含むが、これらに限定されない。
【0162】
従って、式(I)の化合物はキナーゼ活性の調節と関係する状態の処置、特にIRAK−4の選択的阻害またはIRAKおよび他のPelleファミリーキナーゼ群の阻害に有用性を有する。このような状態は、サイトカインレベルが細胞内シグナル伝達の結果として調節されるTLR/IL−1ファミリー受容体と関係する疾患を含む。さらに、式(I)の化合物はIRAK−4活性に対して有利な選択性を有し、好ましくは少なくとも20倍から1000倍を超えて選択的である。
【0163】
ここで使用する“処置する”または“処置”は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の処置を含み、(a)特に、哺乳動物が疾患状態の素因を有するが、まだそれを有すると診断されていないとき、そのような哺乳動物における疾患状態の発症の予防または遅延;(b)疾患状態の阻止、すなわち、その発生の停止;および/または(c)症状または疾患状態の完全なまたは一部軽減および/または疾患または障害および/またはその症状の軽減、回復、軽減または治癒の達成を含む。
【0164】
IRAK−4の選択的阻害剤としての活性に鑑み、式(I)の化合物は、クローン病、潰瘍性大腸炎、喘息、移植片対宿主病、同種移植片拒絶反応、慢性閉塞性肺疾患のような炎症性疾患;グレーブス病、リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、乾癬のような自己免疫性疾患;CAPS、TRAPS、FMF、成人スチル病、全身型若年性特発性関節炎、痛風、痛風関節炎を含む自己炎症性疾患;2型糖尿病、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞を含む代謝疾患;骨吸収疾患、骨関節症、骨粗鬆症、多発性骨髄腫関連骨障害のような破壊性骨障害;急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病のような増殖性障害;固形腫瘍、眼血管新生および小児血管腫を含む血管新生障害のような血管新生障害;敗血症、敗血症性ショックおよび細菌性赤痢のような感染症;アルツハイマー病、パーキンソン病、脳虚血または外傷性傷害が原因の神経変性疾患のような神経変性疾患、それぞれ転移黒色腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫およびHIV感染およびCMV網膜炎、AIDSのような腫瘍およびウイルス疾患を含むが、これらに限定されないTLR/IL−1ファミリー受容体関連疾患の処置に有用である。
【0165】
より具体的に、本発明の化合物で処置し得る特定の状態または状態は、膵炎(急性または慢性)、喘息、アレルギー、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、糸球体腎炎、リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、強皮症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性胃炎、糖尿病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、アトピー性皮膚炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、多発性硬化症、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、乾癬、移植片対宿主病、内毒素により誘発される炎症反応、結核、アテローム性動脈硬化症、筋変性、カヘキシー、乾癬性関節炎、ライター症候群、痛風、外傷性関節炎、風疹性関節炎、急性滑膜炎、膵臓β細胞疾患;大量の好中球浸潤を特徴とする疾患;リウマチ性脊椎炎、痛風関節炎および他の関節炎状態、脳性マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺サルコイドーシス、骨吸収疾患、同種移植片拒絶反応、感染による発熱および筋肉痛、感染に二次性のカヘキシー、ケロイド形成、瘢痕組織形成、潰瘍性大腸炎、発熱、インフルエンザ、骨粗鬆症、骨関節症、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移黒色腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、敗血症、敗血症性ショックおよび細菌性赤痢;アルツハイマー病、パーキンソン病、脳虚血または外傷性傷害が原因の神経変性疾患;固形腫瘍、眼血管新生および小児血管腫を含む血管新生障害;急性肝炎感染(A型肝炎、B型肝炎およびC型肝炎を含む)、HIV感染およびCMV網膜炎、AIDS、ARCまたは悪性腫瘍およびヘルペスを含むウイルス疾患;卒中、心筋虚血、卒中心臓発作における虚血、臓器低酸素症、血管過形成、心臓および腎臓再灌流傷害、血栓症、心肥大、トロンビン誘発血小板凝集、内毒血症および/または毒素ショック症候群、プロスタグランジンエンドペルオキシダーゼシンターゼ−2が関係する状態および尋常性天疱瘡を含むが、これらに限定されない。好ましい処置方法は、状態がクローン病、潰瘍性大腸炎、同種移植片拒絶反応、リウマチ性関節炎、乾癬、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎および尋常性天疱瘡から選択されるものである。あるいは好ましい処置方法は、状態が卒中が原因の脳虚血再灌流傷害および心筋梗塞が原因の心臓虚血再灌流傷害を含む虚血再灌流傷害から選択されるものである。他の好ましい処置方法は、状態が多発性骨髄腫であるものである。
【0166】
さらに、本発明のキナーゼ阻害剤は、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)とも呼ばれるプロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ−2(PGHS−2)、IL−1、IL−6、IL−18、ケモカイン類のような誘導性炎症促進性タンパク質の発現を阻害する。従って、さらなるIRAK−4関連状態は、浮腫、鎮痛、発熱および疼痛、例えば、神経筋疼痛、頭痛、癌が原因の疼痛、歯痛および関節炎疼痛を含む。本発明の化合物はまたウマ伝染性貧血ウイルスを含むが、これに限定されないレンチウイルス感染、ネコ免疫不全ウイルス、ウシ免疫不全ウイルスおよびイヌ免疫不全ウイルスを含むレトロウイルス感染のような動物のウイルス感染の処置にも使用し得る。
【0167】
用語“IRAK−4関連状態”または“IRAK−4関連疾患または障害”をここで使用するとき、各々、上に挙げた状態全てをその全てを繰り返したのと同程度にならびにIRAK−4キナーゼ活性により影響を受けるあらゆる他の状態を含むことを意図する。
【0168】
本発明は、それゆえに、処置を必要とする対象に少なくとも1個の式(I)の化合物またはその塩の治療有効量を投与することを含む、このような状態の処置方法を提供する。“治療有効量”は、単独でまたは組み合わせて投与したとき、IRAK−4を阻害するおよび/または疾患を処置するのに有効である本発明の化合物の量を含むことを意図する。
【0169】
IRAK−4キナーゼ関連状態を処置する方法は、式(I)の化合物単独またはそれら互いのおよび/またはこのような状態の処置に有用である他の適切な治療剤と組み合わせた投与を含み得る。従って、“治療有効量”はまたIRAK−4の阻害および/またはIRAK−4と関係する疾患の処置に有効である請求する化合物の組み合わせた量を含むことを意図する。
【0170】
このような他の治療剤の例は、コルチコステロイド、ロリプラム、カルフォスチン、サイトカイン抑制性抗炎症剤(CSAID)、インターロイキン−10、グルココルチコイド類、サリチレート、一酸化窒素および他の免疫抑制剤;デオキシスペルグアリン(DSG)のような核移行阻害剤;イブプロフェン、セレコキシブおよびロフェコキシブのような非ステロイド性抗炎症剤(NSAID);プレドニゾンまたはデキサメサゾンのようなステロイド類;アバカビルのような抗ウイルス剤;メトトレキサート、レフルノミド、FK506(タクロリムス、PROGRAF(登録商標))のような抗増殖剤;ヒドロキシクロロキンのような抗マラリア剤;アザチオプリンおよびシクロホスファミドのような細胞毒性剤;テニダップ、抗TNF抗体または可溶性TNF受容体およびラパマイシン(シロリムスまたはRAPAMUNE(登録商標))またはその誘導体のようなTNF−α阻害剤を含む。
【0171】
上記の他の治療剤は、本発明の化合物と組み合わせて使用したとき、例えば、Physician's Desk Reference(PDR)に示された量でまたは当業者が他に決定した量で使用し得る。本発明の方法において、このような他の治療剤を本発明化合物の投与の前に、同時にまたは後に行い得る。本発明はまた、上記のTLRおよびIL−1ファミリー受容体介在疾患を含む、IRAK−4キナーゼ関連状態の処置が可能な医薬組成物も提供する。
【0172】
本発明の組成物は上記のとおり他の治療剤を含んでよく、例えば、慣用の固体または液体媒体または希釈剤ならびに所望の投与方法に適する医薬添加剤(例えば、添加物、結合剤、防腐剤、安定化剤、香味剤など)を用いて、医薬製剤の分野で周知の技術に従い製剤し得る。
【0173】
従って、本発明は、さらに、1個以上の式(I)の化合物および薬学的に許容される担体を含む組成物を含む。
【0174】
“薬学的に許容される担体”は、動物、特に、哺乳動物への生物学的活性剤の送達のために当分野で一般に許容される媒体をいう。薬学的に許容される担体を、十分に当業者の範囲内の多くの因子に従い製剤する。これらは製剤する活性剤のタイプおよび性質;薬剤含有組成物を投与する対象;組成物の意図する投与経路;および処置する治療適応症を含むが、これらに限定されない。薬学的に許容される担体は水性および非水性両方の液体媒体ならびに多様な固体および半固体投与形態を含む。このような担体は、活性剤に加えて多くの種々の成分および添加剤を含んでよく、このようなさらなる成分は、当業者に周知の様々な理由で、例えば、活性剤の安定化、結合剤などのために製剤に含まれる。適切な薬学的に許容される担体およびその選択に含まれる因子の記載は、例えば、その全体を引用により本明細書に包含させるRemington's Pharmaceutical Sciences, 17th Edition (1985)のような、多様な容易に入手できる情報源に見ることができる。
【0175】
式(I)の化合物を、処置する状態に適する任意の手段で投与でき、これは、部位特異的処置または送達する薬剤の量により得る。皮膚関連疾患のために局所投与が一般に好ましく、癌性または前癌性状態のためには全身処置が好ましいが、他の送達方法も企図され得る。例えば、本化合物は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤またはシロップ剤を含む液体製剤のような形で経口で;溶液剤、懸濁液剤、ゲル剤または軟膏剤のような形で局所的に;舌下で;頬側で;皮下、静脈内、筋肉内または胸骨内注射または点滴法のように非経腸的に(例えば、無菌注射可能水性または非水性溶液または懸濁液);吸入スプレー剤のように経鼻で;クリーム剤または軟膏剤の形のように局所的に;坐薬の形のように直腸に;またはリポソームで送達し得る。非毒性の、薬学的に許容される媒体または希釈剤を含む投与単位製剤を投与し得る。本化合物を、即時放出または持続放出に適する形で投与し得る。即時放出または持続放出は、適切な医薬組成物でまたは特に持続放出に関しては、皮下インプラントまたは浸透圧ポンプのようなデバイスを用いて達成し得る。
【0176】
局所投与用組成物の例は、PLASTIBASE(登録商標)(ポリエチレンでゲル化した鉱油)のような局所担体を含む。
【0177】
経口投与用組成物の例は、例えば、量を増やすための微結晶セルロース、懸濁化剤としてのアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、増粘剤としてのメチルセルロースおよび当分野で知られるもののような甘味剤または風味剤を含み得る懸濁液;および例えば、微結晶セルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムおよび/またはラクトースおよび/または当分野で知られるもののような他の添加物、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および滑沢剤を含み得る即時放出錠剤を含む。本発明化合物はまた、例えば、鋳造した、圧縮したまたは凍結乾燥した錠剤で舌下および/または頬側投与し得る。組成物の例は、マンニトール、ラクトース、スクロースおよび/またはシクロデキストリン類のような速溶性希釈剤を含み得る。このような製剤にまた包含されるのは、セルロース類(AVICEL(登録商標))またはポリエチレングリコール類(PEG)のような高分子量添加物;ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(SCMC)および/またはマレイン無水物コポリマー(例えば、GANTREZ(登録商標))のような粘膜接着を助ける添加物;およびポリアクリルコポリマー(例えば、CARBOPOL 934(登録商標))のような放出を制御する薬剤であり得る。滑沢剤、流動促進剤、香味剤、着色剤および安定化剤もまた製作および使用を容易にするために添加してよい。
【0178】
経鼻エアロゾルまたは吸入投与用組成物の例は、例えば、当分野で知られるもののようなベンジルアルコールまたは他の適切な防腐剤、吸収を増強するための吸収促進剤および/またはバイオアベイラビリティおよび/または他の溶解剤または分散剤を含み得る、溶液を含む。
【0179】
非経腸投与用組成物の例は、例えば、マンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンゲル液、等張塩化ナトリウム溶液または他の適切な分散剤または湿潤剤および合成モノまたはジグリセライドおよびオレイン酸を含む脂肪酸を含む懸濁化剤のような適切な非毒性の、非経腸的に許容される希釈剤または溶媒を含み得る、注射可能溶液または懸濁液を含む。
【0180】
直腸投与用組成物の例は、例えば、常温で固体であるが、直腸腔で液化および/または溶解して薬物を遊離するカカオバター、合成グリセライドエステル類またはポリエチレングリコール類のような適切な非刺激性添加物を含み得る、坐薬を含む。
【0181】
本発明の化合物の治療有効量は当業者により決定されてよく、1日あたり活性化合物約0.05〜1000mg/kg;1〜1000mg/kg;1〜50mg/kg;5〜250mg/kg;250〜1000mg/kg体重が哺乳動物の投与量例であり、これを1回でまたは1日1〜4回のような個々の分割投与の形態で投与してよい。ある特定の対象に対する特定の投与レベルおよび投与頻度は変わる可能性があり、用いる具体的化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、対象の種、年齢、体重、一般的健康、性別および食習慣、投与方法および時間、排泄速度、併用薬および特定の状態の重症度を含む、多様な因子による。処置のための好ましい対象は動物、最も好ましくは哺乳動物種、例えばヒトおよびイヌ、ネコ、ウマなどのような家畜動物を含む。それゆえに、用語“患者”をここで使用するとき、本用語は、全ての対象、最も好ましくはIRAK−4酵素レベルの調節により影響を受けている哺乳動物種を含むことを意図する。
【0182】
生物学的アッセイ
IRAK4阻害アッセイ
本アッセイは、U字底384ウェルプレートで行った。最終アッセイ体積は、酵素および基質(蛍光標識ペプチドおよびATP)の15μL添加と、アッセイ緩衝液(20mM HEPES pH7.2、10mM MgCl、0.015%Brij 35および4mM DTT)中の試験化合物から調製した30μLであった反応を、IRAK4および基質と試験化合物を併せることにより開始した。反応混合物を室温で60分インキュベートし、各サンプルへの45μLの35mM EDTAの添加により停止させた。反応混合物を、Caliper LABCHIP(登録商標)3000(Caliper, Hopkinton, MA)で、蛍光基質とリン酸化生成物の電気泳動分離により分析した。阻害データを、無酵素対照反応物を100%阻害および媒体のみの反応物を0%阻害として比較により計算した。アッセイ中の試薬の最終濃度はATP、500μM;FL−IPTSPITTTYFFFKKKペプチド1.5μM;IRAK4、0.6nM;およびDMSO、1.6%であった。
【0183】
PBMC TLR2誘発IL−6アッセイ
末梢血単核細胞(PBMC)を、抗凝血剤EDTA(2.5mM)を含むヒト血液から、FICOLL(登録商標)勾配上の遠心分離により単離した。PBMC(250000細胞/ウェル)を、アッセイ培地(RPMIと10%熱不活性化FCS)中、化合物と30分、37℃で5%COインキュベーター中で培養した。化合物との前処理後、細胞を、TLR2アゴニストである10μg/mlリポテイコ酸(Invivogen, San Diego, CA)で5時間刺激した。培養の最後に、プレートを1800rpmで10分遠心して、細胞をペレット化した。上清を回収し、IL−6レベルをELISA(BD Biosciences, San Jose, CA)で分析した。
【0184】
下の表はIRAK4阻害アッセイおよびPBMC TLR2誘発IL−6アッセイで測定した、下記本発明実施例化合物のIRAK4 IC50値および細胞IC50またはEC50値を記載する。実施例により例示される本発明の化合物は、0.06μM未満のIRAK IC50阻害値を示した。
【表1】
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【表2】
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【表3】
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【0185】
製造方法
本発明の化合物は、有機化学の当業者が利用可能な多くの方法により合成し得る。本発明の化合物は、下記方法を、合成有機化学で知られる方法または当業者が認識するとおりその変法と共に使用して、合成できる。好ましい方法は、下記のものを含むが、これらに限定されない。ここで引用する全ての引用文献は、引用によりその全体を本明細書に包含させる。
【0186】
この章で述べる反応および技術は、用いる反応材および物質に適し、実施する変換に適する溶媒中で行う。また、下記合成法の記載において、溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、反応時間および後処理法を含む全ての提案した反応条件は、当業者により容易に認識されるとおり、その反応に標準的な条件であるように選択すべきであると理解される。有機合成の当業者には理解されるとおり、分子の種々の部分に存在する官能基は提案する反応材および反応に適合性でなければならない。反応条件に適合性である置換基に対するこのような制限は当業者には容易に明らかであり、そうであれば別の方法を使用すべきである。所望の本発明の化合物を得るために、合成工程の順序を変えるまたはある特定のスキームを他のものから選択する判断が必要であることがある。また、この分野でのある合成経路の計画における他の大きな懸念事項は、本発明において記載した化合物に存在する反応性官能基の保護に使用する保護基の選択であることも認識される。多くの熟練した施術者への多くの別法を提供する権威ある説明はGreene et al. (Protective Groups in Organic Synthesis, Third Edition, Wiley and Sons (1999))である。
【0187】
一般式(I)の化合物はスキーム1に概略した方法に従い製造できる。エステル(1)の酸1.1への加水分解と、続く標準的アミド結合形成条件を使用した反応により、ジクロロアミド1.2を得ることができる。アミンと反応させることによるC4クロライドの選択的置換によりモノ−クロロ生成物1.3を得ることができる。1.3とアミンのような適当な求核試薬の、パラジウムのような触媒存在下での反応により、一般式(I)の化合物を得ることができる。
【化55】
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【0188】
あるいは、分子の異なる位置での製造の異なる段階での多様性を可能とするために、全体的合成を代えるために反応の順序を変えてよい。例えば、スキーム2において、クロライド1を始めにアミンと反応させて、モノ−クロロ化エステル2.1を得てよい。続いて、金属触媒存在下または加熱下に酸の存在下で、他のアミノと反応させて、二置換中間体2.2を形成できる。エステルから酸2.3への加水分解と、続くアミド結合形成により、最終類似体2.4を得ることができる。
【化56】
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【0189】
置換順序のさらなる変更をスキーム3に示す。始めにジクロライドとアミンを反応させて、化合物3.1を得てよい。エステルのNaOHまたはKOHのような塩基での加水分解により、酸3.2を得ることができる。この酸を、スキーム1におけるアミド1.3に準じて、アミド3.3を形成するための、適当な溶媒中のHOBt、EDCおよびDIPEAのような標準的アミド形成反応条件を使用して、アミンと反応させ得る。続くパラジウムのような金属触媒存在下でのアリールアミンまたはヘテロアリールアミンカップリングにより、最終化合物3.4を得ることができる。
【化57】
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【0190】
他の変法は、合成の最終段階でのHNR置換基の多様性を可能にするために、異なってハロゲン化されたピリジンコアの合成を含む。6−ブロモ−4−クロロニコチン酸を塩化オキサリルのようなハロゲン化剤と反応させて、酸クロライド4.1を得ることができる。これをさらにDIPEAまたはTEAのような塩基と、DCMのような適当な溶媒中で反応させて、アミド4.2を得ることができる。アミド4.2を、CsCOまたはKCOのような塩基およびPdのような金属触媒の存在下、溶媒中で他のアミンと反応させて、化合物4.3を得ることができる。最後に、化合物4.3を、塩基の存在下、アミンと、高温で反応させて、化合物4.4を得ることができる。
【化58】
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【0191】
、R、R、RおよびR基の取り込みの合成手法が可能であることも知られ、当業者には明らかである。説明的設例をスキーム5に示す。化合物5.1に取り込まれたブチルエステルを、TFAのような酸で、DCMのような適当な溶媒中処理することにより、酸5.2に変換し得る。さらに、アミド結合形成剤の存在下、5.2とアミンの反応により、5.3のような化合物が得られ得る。カルボキシレート以外の官能基が、続く官能基化のために存在し得ることは当業者には明らかである。例えば、ニトロ基を、アミン類に容易に変換し、続いて官能化でき、ハロゲン類をアリールアミン類またはニトリル類に容易に変換できる。
【化59】
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【0192】
スキーム5の化学の他の変法をスキーム6に概説する。アルキル基を、アルコール6.1におけるように官能基化し、標準化学操作を用いてフルオロ類似体6.2のような化合物に変換できる。続くエステルの酸、続いてアミドへの変換、その後の残った塩化ピリジンでのアミンカップリングにより、6.3のような類似体を得ることができる。これらの変換は示した例に限定されず、所望の化合物を得るために多様な基質に適用できることは当業者には明らかである。
【化60】
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【0193】
さらに、R基の多様性は、ピリジン骨格への取り込み後の官能化によりなし得る。例えば、スキーム7において、適当に保護されたアミンを、標準的アミド結合形成条件を用いてピリジン酸とカップリングさせて、7.2を形成する。化合物7.2を脱保護して、アミン7.3を得て、これを、種々の反応剤(酸類、酸クロライド類、スルホニルクロライド類、イソシアネート類、アルデヒド類など)と反応させて、一般式7.4の化合物を形成し得る。
【化61】
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【0194】
同様に、置換アミノエステルをピリジン酸コアとカップリングしてエステル8.1を得て、これを酸8.2に鹸化し得る。アミン類とのアミド結合形成反応条件下での反応により、化合物8.3を形成し得る。
【化62】
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【0195】
またはRでの置換は、スキーム9に概略する方法を用いて達成し得る。化合物9.1のような適当に官能化された前駆体の製造と、アミン類、アリールクロスカップリング対およびシアニドのような多様な反応材との反応により、式9.2の化合物を形成し得る。例えば、化合物9.3を、アミンとの高温での反応により化合物9.4に変換し得る。
【化63】
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【実施例】
【0196】
式(I)の化合物および式(I)の化合物の製造に使用する中間体を、次の実施例に示す方法および関連法を使用して製造できる。これらの実施例で使用した方法および条件ならびにこれらの実施例で製造した実際の化合物は限定する意図ではなく、どのように式(I)の化合物を製造するかを示すことを意図する。これらの実施例で使用した出発物質および反応材は、ここに製造法が記載されていないとき、市販されているか、または化学文献に報告されているかまたは化学文献に記載された方法を使用して製造し得る。
【0197】
ここに示す実施例において、用語“濃縮乾固”は、一般に硫酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウムでの有機溶媒溶液の乾燥、続く濾過および濾液からの溶媒の除去(一般に減圧下および製造する物質の安定性に適した温度で)をいう。カラムクロマトグラフィーは、Isco中圧クロマトグラフィー装置(Teledyne Corporation)を使用する、予充填シリカゲルカートリッジを用いて、それぞれに示す溶媒または溶媒混合物で溶出して行った。分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、分離する物質の量に適するサイズの逆相カラム(Waters SunFire C18、Waters XBridge C18、PHENOMENEX(登録商標)Axia C18、YMC S5 ODSなど)を使用して、一般に0.05%または0.1%トリフルオロ酢酸または10mM 酢酸アンモニウムも含む水中のメタノールまたはアセトニトリルの濃度を上げていく勾配で、カラムサイズおよび達成すべき分離に適する溶出速度で溶出する。化学名はChemDraw Ultra, version 9.0.5(CambridgeSoft)を使用して決定した。次の略語を使用する。
ACN=アセトニトリル
塩水=飽和塩化ナトリウム水溶液
DAST=三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄
DCM=ジクロロメタン
DEA=ジエチルアミン
DIPEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
EDC=N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩
EtOAc=酢酸エチル
HATU=O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HOBT=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
LCMS=液体クロマトグラフィー−質量分析
MeOH=メタノール
MTBE=メチルt−ブチルエーテル
NaHCO(水性)=飽和重炭酸ナトリウム水溶液
n−BuLi=n−ブチルリチウム
NHOAc=酢酸アンモニウム
Pd(dba)=tris−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム
rt=環境室温(一般に約20〜25℃)
TBAF=テトラブチルアンモニウムフルオライド
TEA=トリエチルアミン
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
【0198】
HPLC条件
A:XBridge Phenyl(150×4.6mm)、3.5μ;溶媒A=5%ACN:95%HO:0.05%TFA pH=2.5;溶媒B=95%ACN:5%HO:0.05%TFA pH=2.5;勾配15分かけて0〜100%B;流速:1.0μl/分。
【0199】
B:SunFire C18(150×4.6mm)、3.5μ;溶媒A=5%ACN:95%HO:0.05%TFA pH=2.5;溶媒B=95%ACN:5%HO:0.05%TFA pH=2.5;勾配30分かけて0〜100%B。
【0200】
C:Eclipse XDB C18(150×4.6mm)、5μ;溶媒A=20mM NHOAcの水溶液;溶媒B=ACN;勾配20分かけて0〜100%B;流速=1.0mL/分。
【0201】
D:ZORBAX(登録商標)SB C18、4.6×50mm、5μm;溶媒A=10%MeOH:90%HO:0.1%TFA;溶媒B=90%MeOH:10%HO:0.1%TFA;勾配2分かけて0〜100%B。
【0202】
E:SunFire C18(150×4.6mm)、3.5μ;溶媒A=5%ACN:95%HO:0.05%TFA pH=2.5;溶媒B=95%ACN:5%HO:0.05%TFA pH=2.5;勾配15分かけて0〜100%B。
【0203】
F:Ascentis Express C18(4.6×50)mm、2.7μm;溶媒A=5%ACN:95%水:10mM NHOAc;溶媒B=95%ACN:5%水:10mM NHOAc。4分かけて0〜100%B;流速=4mL/分。カラム温度=45℃。
【0204】
G:BEH C18(2.1×50)mm、1.7μm;溶媒A=5%ACN:95%水:10mM NHOAc;溶媒B=95%ACN:5%水:10mM NHOAc。4分かけて0〜100%B;流速=1.1mL/分。カラム温度=45℃。
【0205】
H:Chiralcel(登録商標)-OJ-H(250×4.6×5.0μ)、CO−3.og(70%)、共溶媒−30%(0.5%DEAのメタノール溶液)。
【0206】
I:Chiral-OD-H(250×4.6)mm 5μ 移動相A:0.2 DEAのn−ヘキサン(85)溶液;移動相B:エタノール(15);流速:1.0ml/分。
【0207】
J:XBridge Phenyl(4.6×150mm) 3.5μ 移動相A:10mM NHHCO pH9.5、希NHを使用して調節;移動相B:メタノール;流速:1ml/分。
【0208】
K:SunFire C18(4.6x150)mm、3.5μ 移動相A:0.05%TFAの水溶液:アセトニトリル:95:05;移動相B:アセトニトリル:0.05%TFAの水溶液:95:05流速:1ml/分 B%時間 18分かけて0〜100%B。
【0209】
L:XBridge(150×4.6mm) 3.5μ SC/749緩衝液:0.05%TFAの水溶液 pH2.5 移動相A:緩衝液:アセトニトリル(95:5) 移動相B:アセトニトリル:緩衝液(95:5);流速:1.0ml/分 %B 100時間(分)15。
【0210】
M:SunFire C18(150×4.6mm) 3.5μ、緩衝液:0.05%TFAの水溶液、希アンモニアを使用してpH2.5に調節 溶媒A:緩衝液:アセトニトリル(95:5)、溶媒B:アセトニトリル:緩衝液(95:5)。
【0211】
N:Chiralpak(登録商標)-1A(250×4.6mm)、5μ CO−3.og(70%)、共溶媒−30%移動相A:0.5%DEAのメタノール溶液。
【0212】
O:Waters Acquity UPLC BEH C18、2.1×50mm:移動相A:5:95アセトニトリル:水と0.05%TFA;移動相B:95:5アセトニトリル:水と0.05%TFA;勾配:3分かけて0〜100%B、続いて0.75分100%Bに維持;流速:1.11mL/分。
【0213】
実施例1
6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−4−(((1S,2S)−2,3−ジヒドロキシ−1−フェニルプロピル)アミノ)−N−メチルニコチンアミド
【化64】
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【0214】
【化65】
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工程1:4,6−ジクロロニコチン酸の合成:エチル4,6−ジクロロニコチネートのエタノール(20mL)および水(10mL)溶液を環境温度で撹拌した。水酸化リチウムを反応混合物に添加し、室温で4時間撹拌した。溶媒を減圧下濃縮し、EtOAcで希釈し、水を添加した。水層を集め、クエン酸を使用してpH3〜4に酸性化した。混合物を氷浴で10分撹拌し、沈殿した生成物を濾取し、減圧下乾燥して、化合物を得た。
【0215】
【化66】
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工程2:4,6−ジクロロ−N−メチルニコチンアミドの合成:撹拌中の4,6−ジクロロニコチン酸(2)(10g、1当量)のDCM(100mL)溶液に、DMF(触媒量)を0℃で添加した。塩化オキサリル(14mL、3当量)を反応混合物に添加した。反応混合物を環境温度に温め、30分撹拌し、2時間加熱還流した。反応混合物を濃縮して過剰の塩化オキサリルを除去し、DCM(50mL)に再溶解し、−20℃に冷却した。メチルアミンを反応混合物に少量ずつ添加し、室温で3時間撹拌した。水、続いてNaHCO溶液で反応停止させた。層を分離し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、所望の化合物、6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミドを得た。LC/MS: ZORBAX(登録商標)SB C18, 4.6×50mm, 5μm; 溶媒A = 10%MeOH:90%H2O:0.1%TFA; 溶媒B = 90%MeOH:10%H2O:0.1%TFA; 勾配2分かけて0〜100%B(操作時間3分); 保持時間:0.874分; LCMS (ES-API), m/z 205 (M+H)
【0216】
【化67】
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工程3:((2S,3S)−3−フェニルオキシラン−2−イル)メタノールの合成:(−)−DIPT(0.524g、0.075当量)をDCM(250mL)に溶解し、−30℃に冷却した。モレキュラー・シーブ(1.6g)、チタニウム(IV)イソプロポキシド(0.437mL、0.05当量)およびt−ブチルヒドロペルオキシド(TBHPのデカン溶液)(5.78mL、2当量)を連続的に添加した。混合物を1時間撹拌した。(E)−3−フェニルプロプ−2−エン−1−オール(4g、1当量)のDCM(10mL)を反応混合物に添加し、3時間、−30℃で撹拌した。8mLの10%NaOH水溶液、続いて塩水溶液により反応停止させた。反応混合物を10℃に温め、10分、10℃で撹拌した。無水硫酸ナトリウム(2g)およびセライト(登録商標)(2g)を反応混合物に添加し、さらに50分撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)パッドで濾過した。不溶物をエーテルで洗浄し、濾液を濃縮した。粗製の生成物を溶離剤として酢酸エチル:石油エーテルを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、((2S,3S)−3−フェニルオキシラン−2−イル)メタノールを得た。1H NMR:400 MHz, CDCl3:δ 1.19 - 1.29 (m, 1H), 4.33 (t, J = 4.80 Hz, 2H), 6.34 - 6.41 (m, 1H), 6.61 - 6.65 (m, 1H), 7.23 - 7.27 (m, 1H), 7.30 - 7.38 (m, 4H)
【0217】
工程4:(2R,3R)−3−アミノ−3−フェニルプロパン−1,2−ジオールの合成:((2S,3S)−3−フェニルオキシラン−2−イル)メタノール(0.5g、1当量)の2−プロパノール(5mL)溶液に、NHOH水溶液(10mL)を添加した。反応混合物を84℃で12時間加熱した。反応混合物を濃縮し、粗製の物質をトルエン(3×30mL)と共沸して、(2R,3R)−3−アミノ−3−フェニルプロパン−1,2−ジオールを得た。本化合物を精製することなく次工程で使用した。
【0218】
【化68】
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工程5:4,6−ジクロロ−N−メチルニコチンアミド(410mg、2mmol)、(2S,3S)−3−アミノ−3−フェニルプロパン−1,2−ジオール(502mg、3mmol)およびDIPEA(419μL、2.4mmol)のDMA(2mL)中の混合物を110℃で6時間撹拌した。容器を室温に冷却し、反応混合物を酢酸エチルおよびpH4溶液に分配した。有機部分をpH4水溶液(2×)で洗浄し、合わせた水性部分を酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機層を10%塩化リチウム溶液および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して、6−クロロ−4−((1S,2S)−2,3−ジヒドロキシ−1−フェニルプロピルアミノ)−N−メチルニコチンアミドを得て、これをさらに精製することなく使用した。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 8.23 (1 H, s), 7.40 - 7.47 (2 H, m), 7.33 - 7.40 (2 H, m), 7.26 - 7.33 (1 H, m), 6.46 (1 H, s), 4.72 (1 H, d, J = 4.18 Hz), 3.89 - 4.14 (1 H, m), 3.44 (2 H, d, J = 5.72 Hz), 2.92 (3 H, s)
【0219】
工程6:1ドラムバイアル中の6−クロロ−4−((1S,2S)−2,3−ジヒドロキシ−1−フェニルプロピルアミノ)−N−メチルニコチンアミド(20mg、0.060mmol)、CuI(5.67mg、0.030mmol)、CsCO(116mg、0.357mmol)および6−アミノニコチノニトリル(21.3mg、0.18mmol)とNMP(500μL)の混合物をアルゴンで5分通気し、Xantphos(6.89mg、0.012mmol)およびビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(7mg、0.012mmol)を添加し、アルゴンでバイアルを満たした。容器を140℃で3時間加熱し、LCMSにより反応の完了が示された。内容物をメタノールで希釈し、所望の物質をを分取HPLCで取得した(2.1mg、8%収率)。LCMS: M+H = 419.2; HPLC RT 5.65分, 条件A; 1H NMR (500 MHz, MeOD) δ ppm 8.56 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.36 (d, J = 7.21 Hz, 2H), 7.24 - 7.32 (m, 2H), 7.11 - 7.24 (m, 1H), 6.96 (d, J = 8.60 Hz, 1H), 6.07 (s, 1H), 4.73 - 4.85 (m, 1H), 3.81 - 4.07 (m, 1H), 3.26 - 3.43 (m, 2H), 2.85 (s, 3H)
【0220】
実施例2
6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド
【化69】
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【0221】
【化70】
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工程1:エチル6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチネートの合成:エチル4,6−ジクロロニコチネート(1g、1当量)のDMA(5mL)溶液にDIPEA(3.97mL、5当量)およびプロパン−2−アミン(0.5g、2当量)を添加した。混合物を50℃で12時間加熱した。反応混合物を減圧下濃縮して過剰の溶媒を除去した。残渣を酢酸エチルに溶解し、水、塩水で洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製の生成物を得た。生成物をシリカゲルを通すフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤としてEtOAC:石油エーテル)で精製して、エチル6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチネート(0.4g、36%収率)を得た。LC/MS: Acquity BEH C18 2.1×50mm, 1.8μ; 溶媒A = 0.1%TFAの水溶液; 溶媒B = 0.1%TFAのACN溶液; 勾配2分かけて0〜100%B; 保持時間:0.90分; LCMS (ES-API), m/z 243.7 (M+H)
【0222】
【化71】
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工程2:エチル6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチネート(7g、28.8mmol)のEtOH(70mL)溶液に水(30mL)およびLiOH(2.1g、87mmol)を添加した。混合物を3時間撹拌し、濃縮し、1.5N HClで酸性化した。得られた固体を集め、乾燥して、6−クロロ−4−)イソプロピルアミノ)ニコチン酸(5.3g、85%収率)を白色固体として得た。LCMS: M+H = 215.3; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.32 (br s, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.19 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.79 (s, 1H), 2.50 (m, 1H), 1.20 (s, 3H), 1.18 (s, 3H)
【0223】
【化72】
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工程3:撹拌中の6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチン酸(2.9g、13.51mmol)のDMF溶液に、(R)−4−アミノ−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オール(1.637g、13.51mmol)、HATU(6.16g、16.21mmol)、DIPEA(9.44mL、54.0mmol)を連続的に添加し、撹拌を18時間続けた。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水(3×)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、減圧下濃縮して、粗製の化合物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(10〜40%酢酸エチル/石油エーテル)で精製して、(R)−6−クロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(2.8g、65%収率)を灰白色固体として得た。LCMS: 318.1 (M+H):1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.75 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 8.44 (br d, J = 10.4 Hz, 1H), 8.38 (s, 1H), 6.71 (s, 1H), 4.24 (m, 1H), 3.64 (m 2H), 3.42 (m, 1H), 1.16 (m, 12H)
【0224】
工程4:(R)−6−クロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(150mg、0.472mmol)をXantphos(137mg、0.236mmol)、6−アミノニコチノニトリル(56.2mg、0.472mmol)およびNaCO(150mg、1.416mmol)のジオキシン(5mL)および水(1mL)と共に封管に入れた。反応混合物を脱気し、Pd(dba)(216mg、0.236mmol)を添加した。反応混合物を110℃で18時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、セライト(登録商標)の小プラグを酢酸エチルと共に通した。酢酸エチル層を水で洗浄し、減圧下濃縮乾固した。粗製物を10%メタノールのクロロホルムを用い、combiflash(24gカラム)を使用し、続いて分取HPLCによる最終精製により、(R)−6−((5−シアノピリジン−2−イル)アミノ)−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(42mg、21%収率)を得た。LCMS: 318.1 (M+H):1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.24 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.54 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.39 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.04 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.83 (s, 1H), 4.26 - 4.44 (m, 1H), 3.57 - 3.75 (m, 2H), 3.40 (M, 1H), 1.23 (s, 3H), 1.22 (s, 3H), 1.17 (s, 3H), 1.16 (s, 3H)
【0225】
次の表中の実施例化合物を、実施例1および2に準じる方法により、合成工程において適宜アミンを替えて、製造した。
【表4】
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【表5】
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6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−((2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)ニコチンアミド(3);6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−4−(エチルアミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド(4);6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)−N−(trans−4−(メチルカルバモイル)シクロヘキシル)ニコチンアミド(5);6−((5−シアノピリジン−2−イル)アミノ)−N−((1R,4R)−4−(シクロプロピルカルバモイル)シクロヘキシル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(6);6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−N−(trans−4−(((1S,2R)−2−フルオロシクロプロピル)カルバモイル)シクロヘキシル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(7);N−(1−アセチル−4−ピペリジニル)−6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(8);N−(trans−4−アセトアミドシクロヘキシル)−6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(9);6−((5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−4−(シクロブチルアミノ)−N−(trans−4−(メチルカルバモイル)シクロヘキシル)ニコチンアミド(10);N−((1R,4R)−4−アセトアミドシクロヘキシル)−6−((5−シアノピリジン−2−イル)アミノ)−4−(((3S,4R)−3−フルオロテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)ニコチンアミド(11)。
【0226】
実施例12
6−((3−クロロ−5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド
【化73】
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(R)−6−クロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(25mg、0.08mmol)をジオキサン(2.5mL)に溶解し、これに6−アミノ−5−クロロニコチノニトリル(24.16mg、0.16mmol)をXantphos(23mg、0.039mmol)、NaCO(25mg、0.24mmol)および水(0.5mL)と共に添加した。反応混合物を10分脱気し、Pd(PhP)(45.5mg、0.039mmol)を添加し、さらに5分脱気した。反応混合物を100℃で20分、次いで140℃で20分加熱した。分取HPLCでの精製により、(R)−6−((3−クロロ−5−シアノピリジン−2−イル)アミノ)−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(2mg、5%収率)を得た。LCMS: 435.2 (M+H):1H NMR (500 MHz, 1:1 MeOD:CDCl3) δ 8.76 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 4.45 (ddd, J = 10, 50 Hz, 1H), 3.87 (m, 2H), 3.44 (m, 1H), 1.33 (s, 3H), 1.32 (s, 3H), 1.29 (s, 6H)
【0227】
下の表の実施例化合物は実施例12に準じる方法で、合成工程において適宜アミンを替えて製造した。
【表6】
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6−((3−クロロ−5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)ニコチンアミド(13);6−((3−クロロ−5−シアノ−2−ピリジニル)アミノ)−4−(シクロプロピルアミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド(14);N−((1r,4r)−4−アセトアミドシクロヘキシル)−6−((3−クロロ−5−シアノピリジン−2−イル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(15);6−((3−クロロ−5−シアノピリジン−2−イル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)−N−((1R,4R)−4−(メチルカルバモイル)シクロヘキシル)ニコチンアミド(16);6−((5−シアノ−3−フルオロ−2−ピリジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(17);6−((5−シアノ−3−フルオロピリジン−2−イル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)−N−((1R,4R)−4−(メチルカルバモイル)シクロヘキシル)ニコチンアミド(18);N−(trans−4−アセトアミドシクロヘキシル)−6−((5−シアノ−3−フルオロ−2−ピリジニル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(19)。
【0228】
実施例20
N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)−6−(4−ピリミジニルアミノ)ニコチンアミド
【化74】
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実施例20の化合物を、実施例2に記載する一般法により製造した。HPLC RT 9.54分, 条件A. LCMS 377.3 (M+H)
【0229】
実施例21
4−(シクロプロピルアミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−6−(4−ピリミジニルアミノ)ニコチンアミド
【化75】
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実施例21の化合物を、実施例2に記載する一般法により製造した。HPLC RT 4.32分, 条件E. LCMS 375.2 (M+H)
【0230】
実施例22
6−((5−シアノ−2−ピリミジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド
【化76】
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【0231】
【化77】
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工程1:エチル6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチネートの合成:エチル4,6−ジクロロニコチネート(10g、45mmol)のDMA(40mL)溶液に、プロパン−2−アミン(5.3g、91mmol)およびDIPEA(31.7mL、182mmol)を添加した。反応混合物を室温で48時間撹拌した。反応混合物をMTBEで希釈し、水(3×)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製の生成物を得た。生成物をシリカゲルを通すフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤として10%EtOAc:石油エーテル)で精製して、エチル6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチネート(8.3g、75%収率)を結晶固体として得た。LCMS m/z 243.7 (M+H); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.54 (s, 1H), 7.98 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.29 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.86 (m, 1H), 1.32 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.20 (s, 3H), 1.19 (s, 3H)
【0232】
【化78】
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工程2:エチル6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチネート(7g、28.8mmol)を実施例2、工程2の方法により合成した。
【0233】
【化79】
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工程3:6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチン酸(2.9g、13.51mmol)を実施例2、工程3の方法により合成した。
【0234】
工程4:100mL丸底フラスコで、(R)−6−クロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(10g、31.5mmol)および2−アミノピリミジン−5−カルボニトリル(4.54g、37.8mmol)をDMA(125mL)に溶解し、懸濁液を窒素をバブリングすることにより通気した。Pd(dba)(0.360g、0.393mmol)、Xantphos(0.455g、0.787mmol)およびKCO(8.70g、62.9mmol)を、通気を続けながら連続的に一度に添加した。添加後、通気をさらに5分続け、溶液から通気針を外し(反応は窒素雰囲気下に維持)、135℃に予熱した油浴に反応フラスコを1時間直接浸した。反応フラスコを油浴から外し、反応混合物を室温に冷却した。溶媒を減圧下除去し、得られた固体をカラムクロマトグラフィー(100%EtOAc、次いで10%MeOH/CHCl)で精製した。生成物含有フラクションをさらに2回の反応操作分(10gおよび5g規模)と合わせ、アセトンと2時間還流した。スラリーを冷却し、濾取し、アセトンで濯いで、乾燥後純粋生成物を白色固体として得た(18.5g、58%収率)。LCMS m/z 402 (M+H)+; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.54 (s, 1H), 8.99 (s, 2H), 8.57 (br s, 1H), 8.53 - 8.40 (m, 2H), 8.46 (s, 1H), 4.81 (s, 1H), 4.36 (m, 1H), 3.84 - 3.59 (m, 2H), 3.46 - 3.25 (m, 1H), 1.25 (d, J = 6.4 Hz, 6H), 1.21 - 1.11 (m, 6H)
【0235】
6−((5−シアノ−2−ピリミジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド塩酸塩の製造:6−((5−シアノ−2−ピリミジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(100mg、0.249mmol)のアセトン(3mL)懸濁液に、HCl(1.2当量、ジオキサン中4N)を添加した。固体は溶液になり、数分撹拌後、塩が沈殿し始めた。撹拌をさらに20分続け、固体を濾取し、高減圧下に乾燥して、6−((5−シアノ−2−ピリミジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド塩酸塩(90mg、82%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.87 (br s, 1H), 9.22 - 9.04 (m, 4H), 8.48 (s, 1H), 6.97 (s, 1H), 4.34 (m, 1H), 4.00 - 3.99 (m, 1H), 3.81 - 3.61 (m, 3H), 1.28 (d, J = 6.4 Hz, 6H), 1.16 (dd, J = 5.9, 1.3 Hz, 6H)。
【0236】
6−((5−シアノ−2−ピリミジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミドのリン酸エステルプロドラッグ
【化80】
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【0237】
【化81】
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工程1:(R)−4−アミノ−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オール(10g、83mmol)のDCM(100mL)溶液に、TEA(23.01mL、165mmol)を添加し、BOCO(21.08mL、91mmol)を滴下した。反応物を室温で2時間撹拌した。反応物を水(100mL)およびDCM(100mL)に分配し、有機層を水(2×50mL)、1.5N HCl溶液(2×25mL)および塩水(25mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、(R)−tert−ブチル(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)カルバメート(16.2g、89%収率)を濃無色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 6.93 (t, J = 5.27 Hz, 1 H), 4.68 - 4.73 (m, 1 H), 4.06 - 4.24 (m, 1 H), 3.35 - 3.43 (m, 1 H), 2.99 - 3.12 (m, 1 H), 1.37 - 1.42 (m, 9 H), 1.08 - 1.12 (m, 6 H)
【0238】
【化82】
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工程2:(R)−tert−ブチル(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)カルバメート(1.9g、8.59mmol)のDCM(40mL)溶液に、ジベンジルジイソプロピルホスホロアミデイト(4.33mL、12.88mmol)、1H−テトラゾール(1.203g、17.17mmol)を室温で添加した。得られた混合物を1時間撹拌した。反応物を0℃に冷却し、H(1.422mL、17.17mmol)を添加し、反応物を1時間、室温で撹拌した。反応物をDCM(50mL)で希釈し、飽和ピロ亜硫酸ナトリウム溶液(30mL)、塩水(20mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮し、シリカゲル上で10%EAのDCM溶液により溶出して精製し、(R)−tert−ブチル(3−((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)−2−フルオロ−3−メチルブチル)カルバメート(2.5g、61%収率)を無色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.33 - 7.42 (m, 9 H), 7.08 (t, J = 5.52 Hz, 1 H), 4.99 - 5.04 (m, 4 H), 4.35 - 4.52 (m, 1 H), 3.35 - 3.44 (m, 1 H), 3.05 - 3.15 (m, 1 H), 1.35 - 1.51 (m, 15 H); LCMS; (M+H) 482.0
【0239】
【化83】
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工程3:撹拌中の(R)−tert−ブチル(3−((ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル)オキシ)−2−フルオロ−3−メチルブチル)カルバメート(1.6g、3.32mmol)のDCM(3mL)溶液に、0℃でHCl(15mL、60.0mmol、ジオキサン中4M)を添加し、30分、0℃で撹拌した。反応を減圧下濃縮し、残渣をDCMに溶解した。アンモニア水溶液を添加し、層を分離し、有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、(R)−4−アミノ−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−イルジベンジルホスフェート(1.2g、3.15mmol、95%収率)を無色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.21 - 7.43 (m, 11 H), 4.94 - 5.04 (m, 4 H), 4.44 - 4.65 (m, 1 H), 3.57 - 3.74 (m, 2 H), 3.44 - 3.54 (m, 1 H), 2.66 - 3.04 (m, 2 H), 1.39 - 1.52 (m, 6 H); LCMS (M+H) 382.2
【0240】
【化84】
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工程4:6−((5−シアノピリミジン−2−イル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチン酸(220mg、0.738mmol)および(R)−4−アミノ−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−イルジベンジルホスフェート(366mg、0.959mmol)のDMF(3mL)溶液に、DIPEA(0.386mL、2.213mmol)およびHATU(561mg、1.475mmol)を添加した。反応物を一夜、室温で撹拌した。水(6mL)を添加し、得られた固体を5分撹拌し、濾取した。固体をヘキサン(10mL)およびエーテル(15mL)で洗浄し、乾燥した。物質をさらに精製することなく次工程で直接使用した。粗製物の重量:190mg、30%収率。LCMS (M+H) 661.8
【0241】
工程5:(R)−ジベンジル(4−(6−((5−シアノピリミジン−2−イル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド)−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−イル)ホスフェート(120mg、0.181mmol)の1,2−ジクロロエタン(4mL)溶液に、TFA(2.79mL、36.3mmol)のDCE(10mL)溶液を添加し、得られた混合物を35℃で5時間撹拌した。反応物を減圧下35℃で濃縮し、トルエン(2回)およびCHCl(2回)と共蒸発し、分取HPLCで精製して、(R)−4−(6−((5−シアノピリミジン−2−イル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド)−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−イルリン酸二水素塩(30mg、34%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.98 (s, 3 H), 8.54 - 8.58 (m, 2 H), 7.56 (s, 1 H), 4.50 - 4.66 (m, 1 H), 3.51 - 3.72 (m, 5 H), 1.45 (s, 3 H), 1.37 (s, 3 H), 1.24 (d, J = 6.02 Hz, 6 H); LCMS (M+H) 482.2
【0242】
実施例23
4−(シクロプロピルアミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−6−((4−(3−ピリジニル)−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ)ニコチンアミド
【化85】
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【0243】
【化86】
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工程1:2−ブロモ−1−(ピリジン−3−イル)エタノンの合成:1−(ピリジン−3−イル)エタノン(4.2g、1当量)の33%HBrのCHCOOH溶液(37mL)を70℃で5分加熱した。Br(1.8mL、1.1当量)の45%HBr(5mL、34.7mmol)溶液を反応混合物に70℃で滴下し、3時間撹拌した。反応混合物を室温に徐々に冷却し、その間に生成物が沈殿した。生成物を濾取し、MeOH−ヘキサン(1:1)を使用して再結晶して、2−ブロモ−1−(ピリジン−3−イル)エタノン(5.6g、81%収率)を得た。LC/MS:PUROSPHER(登録商標)Star RP-18、4×55mm、3μm;溶媒A=10%ACN:90%HO:20mM NHOAc;溶媒B=90%ACN:10%HO:20mM NHCOOAc;勾配1.5分かけて0〜100%B(3.2分操作時間);保持時間:1.13分;LCMS (ES-API), m/z 202 (M+H)
【0244】
【化87】
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工程2:4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−アミンの合成:2−ブロモ−1−(ピリジン−3−イル)エタノン(2g、1当量)のエタノール(18.46mL)溶液に、チオウレア(0.543g、0.7当量)を添加した。反応混合物を2時間加熱還流した。2時間経過後、反応混合物を4℃に冷却した。冷却により生成物が二臭化水素酸塩として析出した。得られた物質を濾取し、乾燥した。4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−アミン二臭化水素酸塩を温水(11mL)に溶解し、5分撹拌し、これに水酸化アンモニウム水溶液(17mL)を添加し、撹拌した。所望の生成物がゆっくり沈殿し(黄色固体)、これを濾取し、減圧下で乾燥して、4−(ピリジン−3−イル)チアゾール−2−アミン2g、56%収率)を得た。LCMS m/z 178.01 (M+H); 1H NMR 400 MHz, CD3OD:δ 8.96 (d, J = 0.80 Hz, 1H), 8.44 (dd, J = 1.60, 4.80 Hz, 1H), 8.19 - 8.22 (m, 1H), 7.43 - 7.47 (m, 1H), 7.05 (s, 1H)
【0245】
工程3:実施例23の化合物を、実施例2に記載する一般法により製造した。HPLC RT 8.32分, 条件C. LCMS 457.2 (M+H)
【0246】
実施例24
6−((2−(シクロプロピルアミノ)−4−ピリミジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド
【化88】
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【0247】
【化89】
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工程1:2−クロロピリミジン−4−アミン(0.5g、3.9mmol)のNMP(5mL)溶液にシクロプロピルアミン(1.1g、19.3mmol)を添加し、混合物を密閉し、150℃で30分加熱した。混合物を濃縮し、EAおよび水に分配した。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(5%MeOH/CHCl)で精製して、N2−シクロプロピルピリミジン−2,4−ジアミン(0.14g、23%収率)を淡黄色油状物として得た。LCMS: 151.2 (M+H)
【0248】
工程2:実施例2に略記した方法により、N2−シクロプロピルピリミジン−2,4−ジアミンを(R)−6−クロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミドと反応させて、実施例24の化合物を得た。LCMS m/z 432.2 (M+H); 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.29 (s, 1H), 8.00 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.10 (br s, 1H), 6.54 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.52 (m, 1H), 3.83 (m, 2H), 3.44 (m, 1H), 2.78 (m, 1H), 1.29 (m, 12H), 0.83 (m, 2H), 0.59 (m, 2H)
【0249】
下の表の実施例化合物は実施例24に準じる方法で、合成工程において適宜アミンを替えて製造した。
【表7】
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N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)−6−((2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルアミノ)−4−ピリミジニル)アミノ)ニコチンアミド(25);N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−6−((2−(3−フルオロ−1−ピロリジニル)−4−ピリミジニル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド。
【0250】
実施例27
6−((5−シアノ−6−((3S)−3−ヒドロキシ−1−ピロリジニル)−2−ピリジニル)アミノ)−N−((2R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド
【化90】
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【0251】
【化91】
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工程1:6−アミノ−2−クロロニコチノニトリル(0.100g、0.651mmol)を封管に仕込み、ジオキサン(3mL)およびNMP(0.2mL)に溶解した。これに(R)−ピロリジン−3−オール(0.057g、0.651mmol)およびNMP(0.2mL)を添加し、材料を150℃で18時間加熱した。溶媒を反応混合物から蒸発させ、粗製物を水に溶解し、NaHCOの添加により塩基性とし、DCM(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、蒸発して、生成物(80mg、42%収率)を得て、これを次反応に直接使用した。LCMS 205.2 (M+H)
【0252】
工程2:実施例2に略記した方法により、(R)−6−アミノ−2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ニコチノニトリルを(R)−6−クロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミドと反応させて、実施例27の化合物を得た。LCMS m/z 486.2 (M+H); HPLC RT 6.80分, 条件E
【0253】
【化92】
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メチル2−(ジベンジルアミノ)−3−ヒドロキシプロパノエートの合成:KCO(34.8g、2当量)のDMF(280mL)溶液に、L−セリンメチルエステル塩酸塩(1当量)、ヨウ化カリウム(10.8g、0.5当量)および臭化ベンジル(38mL、2.5当量)を添加した。混合物を16時間、室温で撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮して過剰のDMFを除去し、EtOAcで希釈した。有機層を塩水および水で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製の物質をシリカゲルを通すカラムクロマトグラフィー(溶離剤としてEtOAC:石油エーテル)で精製して、メチル2−(ジベンジルアミノ)−3−ヒドロキシプロパノエートを得た。1H NMR:400 MHz, DMSO-d6:δ 2.49 (s, 1H), 3.58 - 3.59 (m, 1H), 3.67 - 3.70 (m, 2H), 3.73 - 3.75 (m, 2H), 3.77 - 3.80 (m, 3H), 3.90 - 3.94 (m, 2H), 7.24 - 7.38 (m, 10H)
【0254】
【化93】
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(R)−メチル3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパノエートの合成:氷冷しているメチル2−(ジベンジルアミノ)−3−ヒドロキシプロパノエート(15g、1当量)のTHF(95mL)溶液に、DAST(13.1mL、1.23当量)をN雰囲気下滴下し、反応混合物を14時間、室温で撹拌した。反応混合物を10%NaHCO水溶液で0℃で反応停止させ、酢酸エチル(2回)で抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製の生成物をシリカゲルおよびEtOAc:石油エーテルを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−メチル3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパノエートを得た。1H NMR:400 MHz, CDCl3:δ 2.93 - 3.11 (m, 2H), 3.51 - 3.55 (m, 2H), 3.70 (s, 3H), 3.82 - 3.85 (m, 2H), 4.98 - 5.13 (m, 1H), 7.22 - 7.34 (m, 10H)
【0255】
【化94】
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(S)−3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパン−1−オールの合成:撹拌中のLiBH(34.5mL、1.4当量)のTHF(300mL)溶液に、(R)−メチル3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパノエート(15g、1当量)のTHF(150mL)溶液をN雰囲気下滴下した。反応混合物を16時間、室温で撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で0℃で反応停止させ、酢酸エチル(2回)で抽出した。有機層を一緒に集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製の生成物をシリカゲルおよびEtOAc:石油エーテルを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパン−1−オールを得た。
【0256】
【化95】
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(R)−3−アミノ−2−フルオロプロパン−1−オールの合成:脱気した(R)−3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパン−1−オール(2g、1当量)のエタノール(50mL)溶液に、10%Pd/C(0.2当量)およびPd(OH)(0.2当量)を添加し、反応混合物を60℃で10Kg(140psi)圧のオートクレーブ中、14時間水素化した。反応混合物をセライト(登録商標)で濾過し、濾液を濃縮して、(R)−3−アミノ−2−フルオロプロパン−1−オールを得た。
【0257】
【化96】
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(R)−エチル3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパノエートの合成:(R)−メチル3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパノエートの合成について記載した方法により製造。
【0258】
【化97】
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(R)−4−(ジベンジルアミノ)−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オールの合成:(R)−エチル3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパノエート(15g、1当量)のTHF(150mL)、臭化メチルマグネシウム(ジエチルエーテル中3M)(15mL、2.5当量)を、0℃でN雰囲気下滴下した。反応混合物をゆっくり室温にし、1時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で0℃で反応停止させ、酢酸エチル(2回)で抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製の生成物をシリカゲルおよびEtOAc:石油エーテルを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−4−(ジベンジルアミノ)−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オールを得た。1H NMR:400 MHz, DMSO-d6:δ 0.92 - 0.92 (m, 3H), 0.98 - 0.98 (m, 3H), 2.53 - 2.94 (m, 2H), 3.51 - 3.81 (m, 4H), 4.34 - 4.46 (m, 1H), 4.80 (s, 1H), 7.22 - 7.40 (m, 10H)
【0259】
【化98】
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(R)−4−アミノ−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オールの合成:(R)−4−(ジベンジルアミノ)−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オールを、(R)−3−アミノ−2−フルオロプロパン−1−オールの合成について略記した方法を使用して脱保護した。
【0260】
【化99】
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(S)−4−アミノ−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オールの合成:(S)−4−(ジベンジルアミノ)−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オールを、D−セリンメチルエステルから出発して、(R)−4−アミノ−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オールと同じ方法で製造した。
【0261】
【化100】
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(R)−3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパン酸の合成:(R)−エチル3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパノエート(5.5g、1当量)のEtOH(30mL)予液に、水(30mL)に溶解したLiOH(5当量)を添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた残渣を最少量の水に溶解し、6N HClで中和し、白色固体を得た。沈殿を濾取し、減圧下で乾燥して、(R)−3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパン酸を得た。LC/MS: Acquity BEH C18 2.1×50mm, 1.8μ; 溶媒A = 0.1%TFAの水溶液; 溶媒B = 0.1%TFAのACN溶液; 勾配2分かけて0〜100%B; 保持時間:0.64分; LCMS (ES-API), m/z 288.8 (M+H)
【0262】
【化101】
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(R)−3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロ−N−メトキシ−N−メチルプロパンアミドの合成:(R)−3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパン酸(1.4g、1当量)のDMF(5mL)溶液に、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン.HCl(0.7g、1.5当量)、EDC.HCl(1.8g、2当量)およびDIPEA(4.5mL、5当量)を添加し、HOBT(0.65g、1当量)を添加した。反応混合物を室温で撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮して過剰のDMFを除去し、得られた残渣を酢酸エチルで希釈し、塩水溶液、続いて水で洗浄した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製の物質をシリカゲルを通し、溶離剤としてEtOAC:石油エーテルを使用するフラッシュクロマトグラフィーで精製して、(R)−3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロ−N−メトキシ−N−メチルプロパンアミドを得た。LC/MS: Acquity BEH C18 2.1×50mm, 1.8μ; 溶媒A = 0.1%TFAの水溶液; 溶媒B = 0.1%TFAのACN溶液; 勾配2分かけて0〜100%B; 保持時間:0.71分; LCMS (ES-API), m/z 331.8 (M+H)
【0263】
【化102】
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(R)−4−(ジベンジルアミノ)−3−フルオロブタン−2−オンの合成:(R)−3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロ−N−メトキシ−N−メチルプロパンアミド(0.9g、1当量)のTHF(10mL)溶液を0℃に冷却した。臭化メチルマグネシウム(3当量、ジエチルエーテル中3M)を反応混合物に添加した。添加完了後反応混合物を室温に温め、1時間撹拌した。反応物を飽和塩化アンモニウム溶液で反応停止させ、酢酸エチルで抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、表題化合物(R)−4−(ジベンジルアミノ)−3−フルオロブタン−2−オンを得た。LC/MS: Acquity BEH C18 2.1×50mm, 1.8μ; 溶媒A = 0.1%TFAの水溶液; 溶媒B = 0.1%TFAのACN溶液; 勾配2分かけて0〜100%B; 保持時間:0.73分; LCMS (ES-API), m/z 286.8 (M+H)
【0264】
(R)−1−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロ−4−メチルペンタン−3−オンおよび(R)−1−シクロプロピル−3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパン−1−オンの合成:これらの化合物は(R)−4−(ジベンジルアミノ)−3−フルオロブタン−2−オンの合成について記載した方法を使用して、それぞれイソ−プロピルまたはシクロプロピルグリニャール試薬を用いて製造した。
【0265】
【化103】
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(R)−4−(ジベンジルアミノ)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−メチルブタン−2−オールの合成:(R)−4−(ジベンジルアミノ)−3−フルオロブタン−2−オン(1.2g、1当量)のTHF(15mL)溶液に、CFTMS(3g、5当量)を添加し、30分撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、TBAF(THF中1M、21mL、5当量)を反応混合物に滴下した。反応混合物を16時間、室温で撹拌し、2M HClで反応停止させた。生成物をMTBEで抽出し、有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製の物質をシリカゲル上で、溶離剤としてEtOAC:石油エーテルを使用するフラッシュクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(R)−4−(ジベンジルアミノ)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−メチルブタン−2−オールをジアステレオマー混合物として得た。LC/MS: Acquity BEH C18 2.1×50mm, 1.8μ; 溶媒A = 0.1%TFAの水溶液; 溶媒B = 0.1%TFAのACN溶液; 勾配2分かけて0〜100%B; 保持時間:0.77分; LCMS(ES-API), m/z 356.8 (M+H)
【0266】
【化104】
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(2R)−1−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロ−4−メチルペンタン−3−オールの合成:(R)−1−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロ−4−メチルペンタン−3−オン(0.9g、1当量)のTHF:MeOH(2:1)(10mL)溶液に、NaBH(0.2g、2当量)を0℃で少量ずつ添加し、1時間撹拌した。反応物を飽和NHCl溶液で環境温度で反応停止させ、減圧下濃縮して、過剰の溶媒を除去した。得られた残渣を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた物質をジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥して、(2R)−1−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロ−4−メチルペンタン−3−オールをジアステレオマー混合物として得た。LC/MS: Acquity BEH C18 2.1×50mm, 1.8μ; 溶媒A = 0.1%TFAの水溶液; 溶媒B = 0.1%TFAのACN溶液; 勾配2分かけて0〜100%B; 保持時間:0.76分; LCMS(ES-API), m/z 316.8 (M+H)
【0267】
(2R)−1−シクロプロピル−3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパン−1−オールおよび(3R)−4−(ジベンジルアミノ)−3−フルオロブタン−2−オールの合成:これらの化合物は(R)−1−シクロプロピル−3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパン−1−オンおよび(R)−4−(ジベンジルアミノ)−3−フルオロブタン−2−オンから出発して、(2R)−1−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロ−4−メチルペンタン−3−オールの合成について記載した方法を使用して製造した。
【0268】
(3R)−2−シクロプロピル−4−(ジベンジルアミノ)−1,1,1,3−テトラフルオロブタン−2−オールの合成:この化合物を、(R)−1−シクロプロピル−3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパン−1−オンから出発して、化合物(R)−4−(ジベンジルアミノ)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−メチルブタン−2−オールの合成について記載した方法を使用して製造した。
【0269】
(3R)−4−アミノ−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−メチルブタン−2−オール、(2R)−1−アミノ−2−フルオロ−4−メチルペンタン−3−オール、(2R)−3−アミノ−1−シクロプロピル−2−フルオロプロパン−1−オール、(3R)−4−アミノ−3−フルオロブタン−2−オール、(3R)−4−アミノ−2−シクロプロピル−1,1,1,3−テトラフルオロブタン−2−オールの合成:これらの化合物は(R)−3−アミノ−2−フルオロプロパン−1−オールの合成について記載したベンジル脱保護法を使用して製造した。
【0270】
(3R)−4−アミノ−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−メチルブタン−2−オール:LC/MS: ELSD方法. 保持時間:1.804分; LCMS(ES-API), m/z 175.6 (M-H)
【0271】
【化105】
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工程1:メチル6−クロロ−4−(シクロペンチルアミノ)ニコチネート:本化合物は、メチル4,6−ジクロロニコチネートから出発して、エチル6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチネートの合成について記載した方法を使用して製造した。
【0272】
【化106】
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工程1:2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(23.5g、160mmol)のTHF(250mL)溶液を、窒素雰囲気下−78℃に冷却した。ブチルリチウム(9.7g、151mmol)を滴下し、0℃で45分撹拌した。LTMP溶液を−78℃に冷却し、2−ブロモ−4−フルオロ−3−(トリメチルシリル)ピリジン(20g、76mmol)のTHF(50mL)溶液の滴下により処理した。反応混合物を−78℃で3.5時間撹拌し、窒素雰囲気下、ドライアイスで反応停止させた。反応混合物を5%HSO溶液で酸性化し、水層をEtOAcで2回抽出した。分離した有機層を乾燥し(NaSO)、濃縮して、粗製の生成物(6−クロロ−4−フルオロ−5−(トリメチルシリル)ニコチン酸(18.7g、80%収率)を褐色油状物として得た。この粗製の生成物を直接次工程で使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.66 (s, 1H), 0.59 (s, 9H)
【0273】
【化107】
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工程2:6−クロロ−4−ブロモ−5−(トリメチルシリル)ニコチン酸(4g、13mmol)のMeOH(100mL)溶液にKCO(4g、29mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を氷にゆっくり添加し、10%HSOで酸性化した。水層をEtOAc(50mL)で2回抽出した。分離した有機層を乾燥し(NaSO)、濃縮して、粗製の生成物6−クロロ−4−ブロモニコチン酸(2.3g、75%収率)を得た。LCMS m/z 233.9 (M)+; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 14.05 (br s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.06 (s, 1H)
【0274】
【化108】
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工程3:6−ブロモ−4−クロロニコチン酸(5g、21.15mmol)のDCM(75mL)懸濁液を0℃に冷却した。塩化オキサリル(3.70ml、42.3mmol)を添加し、反応混合物を50℃で1時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、過剰の塩化オキサリルおよびDCMを蒸留により除去して、酸クロライドを褐色油状物として得て、これを直接次工程で使用した。
【0275】
【化109】
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工程4:(R)−4−アミノ−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オール(2.82g、23.26mmol)のDCM(25mL)溶液をTEA(8.84mL、63.4mmol)に0℃で添加した。上で製造した酸クロライドDCM(75mL)に溶解し、0℃でアミン溶液に滴下した。反応混合物を30分撹拌し、室温に30分温めた。反応混合物をDCM(150mL)で希釈し、水、塩水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、(R)−6−ブロモ−4−クロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド(2.7g、7.95mmol、37.6%収率)を褐色油状物として得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EA、15〜20%)で精製した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.90 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 8.47 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 4.84 (s, 1H), 4.31 (ddd, J = 49.6, 8.4, 2.0 Hz, 1H), 3.77 (ddd, J = 38.4, 14.8, 6.0 Hz, 1H), 3.69 (m, 1H), 1.17 (s, sH), 1.15 (s, 3H)
【0276】
【化110】
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エチル4,6−ジクロロニコチネート(50g、227mmol)のDMA(500mL)溶液に、DIPEA(39.7mL、227mmol)およびシクロプロピルアミン(17.6mL、250mmol)を添加した。混合物を90℃で5時間加熱した。反応混合物を撹拌しながら破砕氷に加えて反応停止させた。得られたスラリーを撹拌し、固体を濾取して、粗製の生成物(42g、91%収率)を得て、これをさらに精製することなく使用した。LCMS m/z 241.1 (M+H)+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.54 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.03 (s, 1H), 4.29 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.61 (m, 1H), 1.31 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 0.86 (m, 2H), 0.58 (m, 2H)
【0277】
【化111】
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エチル6−クロロ−4−(シクロプロピルアミノ)ニコチネート(2g、8.31mmol)のEtOH(14mL)溶液に、LiOH.HO(1.02g、25mmol)および水(6mL、8.31mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下除去し、pHを1.5N HClで3〜4に調節した。得られた固体を濾取し、乾燥して、6−クロロ−4−(シクロプロピルアミノ)ニコチン酸(1.5g、82%収率)を白色固体として得た。LCMS m/z 213.2 (M+H)+
【0278】
【化112】
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撹拌中の6−クロロ−4−(シクロプロピルアミノ)ニコチン酸(0.30g、1.4mmol)のDMF(5mL)溶液に、HATU(0.644g、1.7mmol)、DIPEA(0.74mL、4.23mmol)および(1R,4R)−4−アミノ−1−メチルシクロヘキサノール(0.219g、1.693mmol)を添加した。混合物を3時間、室温で撹拌した。DMFを反応混合物から蒸発させ、残渣を水およびEtOAcに分配した。有機層を冷水(3回)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、減圧下濃縮して、粗製の化合物を得て、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%MeOH/DCM)で精製して、6−クロロ−4−(シクロプロピルアミノ)−N−(4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)ニコチンアミド(310mg、63%収率)を得た。LCMS m/z 324.2 (M+H)+
【0279】
工程4:6−クロロ−4−(シクロプロピルアミノ)−N−(4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)ニコチンアミド(0.100g、0.309mmol)のジオキサン(10mL)溶液にベンゾ[d]チアゾール−6−アミン(0.056g、0.37mmol)、Xantphos(0.071g、0.124mmol)および炭酸ナトリウム(0.131g、1.24mmol)を添加した。溶液にNを10分通気した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.113g、0.124mmol)を添加し、混合物をさらに10分Nを通気させた。反応混合物を110℃で18時間加熱した。混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈した。混合物をセライト(登録商標)で濾過し、濃縮して残渣をえて、これを分取HPLCで精製して、6−(ベンゾ[d]チアゾール−6−イルアミノ)−4−(シクロプロピルアミノ)−N−(4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)ニコチンアミド(7mg、5%収率)を得た。
【0280】
【化113】
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工程1:エチル4−(4−(tert−ブトキシカルボニル)フェニルアミノ)−6−クロロニコチネートの合成:エチル4,6−ジクロロニコチネートおよびtert−ブチル4−アミノベンゾエートを使用し、実施例5、工程1の合成について概略のものと同じ方法に従った。LC/MS: PUROSPHER(登録商標)Star RP-18, 4×55mm, 3μm; 溶媒A = 10%ACN:90%H2O:20mM NH4OAc; 溶媒B = 90%ACN:10%H2O:20mM NH4COOAc; 勾配1.5分かけて0〜100%B(3.2分操作時間); 保持時間:2.525分;LCMS(ES-API), m/z 377.0 (M+H)
【0281】
【化114】
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工程1:エチル6−クロロ−4−(3−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ニコチネートの合成:エチル4,6−ジクロロニコチネートおよび(3S)−3−アミノシクロヘキサノールを使用し、実施例5、工程1の合成について略記した方法によった。LC/MS:ZORBAX(登録商標)SB C18、4.6×50mm、5μm;溶媒A=10%MeOH:90%HO:0.1%TFA;溶媒B=90%MeOH:10%HO:0.1%TFA;勾配2分かけて0〜100%B(操作時間3分);保持時間:1.65分;LCMS(ES-API), m/z 299.0 (M+H)
【0282】
【化115】
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工程2:6−クロロ−4−((1S)−3−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ニコチン酸の合成:6−クロロ−4−(3−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ニコチネートを使用して、実施例5、工程3の合成について略記した方法によった。LC/MS: ZORBAX(登録商標)SB C18, 4.6×50mm, 5μm; 溶媒A = 10%MeOH:90%H2O:0.1%TFA; 溶媒B = 90%MeOH:10%H2O:0.1%TFA; 勾配2分かけて0〜100%B(操作時間3分); 保持時間:1.095分; LCMS(ES-API), m/z 271.0 (M+H)
【0283】
【化116】
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工程3:6−クロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−((1S)−3−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ニコチンアミドの合成:(R)−4−アミノ−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オールおよび6−クロロ−4−((1S)−3−ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)ニコチン酸を使用して、実施例5、工程4の合成について略記した方法によった。
【0284】
【化117】
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工程1:エチル6−クロロ−4−((1S)−3−フルオロシクロヘキシルアミノ)ニコチネートの合成:エチル6−クロロ−4−((3−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ)ニコチネート(0.3g、1当量)のDCM(10mL)溶液を−78℃に冷却し、5分撹拌した。Xtal-Fluoro-E(1.2当量)を反応混合物に添加した。添加完了後反応混合物を5分撹拌した。反応混合物を飽和溶液で−78℃で反応停止させ、DCM(2回)で抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗製の得られた物質をカラムクロマトグラフィー(EtOAc:石油エーテル)で精製して、エチル6−クロロ−4−((1S)−3−フルオロシクロヘキシルアミノ)ニコチネートを得た。LC/MS: ZORBAX(登録商標)SB C18, 4.6×50mm, 5μm; 溶媒A = 10%MeOH:90%H2O:0.1%TFA; 溶媒B = 90%MeOH:10%H2O:0.1%TFA; 勾配2分かけて0〜100%B(操作時間3分); 保持時間:1.981分; LCMS(ES-API), m/z 301 (M+H)
【0285】
【化118】
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工程2:6−クロロ−4−((1S)−3−フルオロシクロヘキシルアミノ)ニコチン酸の合成:6−クロロ−4−((1S)−3−フルオロシクロヘキシルアミノ)ニコチネートを使用して、実施例5、工程3の合成について略記した方法によった。LC/MS: ZORBAX(登録商標)SB C18, 4.6×50mm, 5μm; 溶媒A = 10%MeOH:90%H2O:0.1%TFA; 溶媒B = 90%MeOH:10%H2O:0.1%TFA; 勾配2分かけて0〜100%B(操作時間3分); 保持時間:1.393分; LCMS(ES-API), m/z 273.0 (M+H)
【0286】
【化119】
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工程3:6−クロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−((1S)−3−フルオロシクロヘキシルアミノ)ニコチンアミドの合成:(R)−4−アミノ−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オールおよび6−クロロ−4−((1S)−3−フルオロシクロヘキシルアミノ)ニコチン酸を使用して、実施例5、工程4の合成について略記した方法によった。
【0287】
【化120】
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工程1:エチル6−クロロ−4−((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロペンチルアミノ)ニコチネート)の合成:エチル4,6−ジクロロニコチネートおよび(1R,2R)−2−アミノシクロペンタノールを使用して、実施例5、工程1の合成について略記した方法によった。LC/MS: Ascentis Express C18, 5×2.1mm, 2.7μm; 溶媒A = 2%ACN:98%H2O:10mM NH4COOH; 溶媒B = 98%ACN:2%H2O:10mM NH4COOH; 勾配1.5分かけて0〜100%B; 保持時間:1.786分; LCMS(ES-API), m/z 285.2 (M+H)
【0288】
【化121】
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工程2:エチル6−クロロ−4−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロペンチル)アミノ)ニコチネート(1.3g、4.57mmol)のTHF(10mL)、MeOH(4mL)および水(2mL)溶液にLiOH(0.328g、13.7mmol)を添加し、室温で18時間撹拌した。有機層を蒸発させ、粗製混合物のpHを1.5N HClで6に調節して、粗製の酸を沈殿させた。固体を濾取し、減圧下で乾燥して、6−クロロ−4−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロペンチル)アミノ)ニコチン酸(0.95mg、81%収率)を得た。LCMS(ES-API), m/z 257.4 (M+H)
【0289】
【化122】
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工程3:6−クロロ−4−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロペンチル)アミノ)ニコチン酸(900mg、3.51mmol)のDMF(10mL)および(R)−4−アミノ−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オール(425mg、3.51mmol)溶液に、HATU(1333mg、3.51mmol)およびDIPEA(0.612mL、3.51mmol)を添加した。反応混合物を18時間、室温で撹拌した。DMFを減圧下除去し、粗製の物質を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層をNaHCOで洗浄し、濃縮乾固して、1.4gの粗製の物質を得て、これをカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH:9.5/0.5)で精製して、生成物を得た。LCMS m/z 360.5 (M+H)
【0290】
【化123】
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エチル6−クロロ−4−((1R)−2−フルオロシクロペンチルアミノ)ニコチネートの合成:エチル6−クロロ−4−(((2S)−2−ヒドロキシシクロペンチル)アミノ)ニコチネート(1.0g、1当量)のDCM(15mL)溶液を0℃に冷却した。DAST(0.7mL、1.5当量)を滴下した。反応混合物を一夜、室温で撹拌した。反応混合物を再び0℃に冷却し、10%NaHCO溶液で反応停止させた。生成物をDCMで抽出した。水層をDCM(2回)で洗浄した。有機抽出物を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製の生成物をシリカゲルおよびEtOAc:石油エーテルを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物を得た。LC/MS: Ascentis Express C18, 5×2.1mm, 2.7μm; 溶媒A = 2%ACN:98%H2O:10mM NH4COOH; 溶媒B = 98%ACN:2%H2O:10mM NH4COOH; 勾配1.5分かけて0〜100%B; 保持時間:2.013分; LCMS(ES-API), m/z 287.2 (M+H)
【0291】
【化124】
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(R)−エチル6−クロロ−4−(2−オキソシクロペンチルアミノ)ニコチネートの合成:エチル6−クロロ−4−(((2S)−2−ヒドロキシシクロペンチル)アミノ)ニコチネート(0.5g、1当量)のDCM(20mL)溶液にDess - Martinペルヨージナン(2.98g、4当量)を添加し、反応混合物を室温で10分撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、セライト(登録商標)床で濾過した。濾液を濃縮した。粗製の生成物をシリカゲルおよびEtOAc:石油エーテルを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物を得た。LC/MS: Ascentis Express C18, 5×2.1mm, 2.7μm; 溶媒A = 2%ACN:98%H2O:10mM NH4COOH; 溶媒B = 98%ACN:2%H2O:10mM NH4COOH; 勾配1.5分かけて0〜100%B; 保持時間:1.863分; LCMS(ES-API), m/z 283.2 (M+H)
【0292】
【化125】
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(R)−エチル6−クロロ−4−(2,2−ジフルオロシクロペンチルアミノ)ニコチネートの合成:エチル6−クロロ−4−((2−オキソシクロペンチル)アミノ)ニコチネート(0.57g、1当量)のDCM(10mL)を0℃に冷却した。DAST(0.67mL、2.5当量)を反応混合物に滴下し、一夜、室温に置いた。反応混合物をDCMで希釈し、10%NaHCOで0℃で反応停止させた。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製の生成物をシリカゲルおよびEtOAc:石油エーテルを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の生成物を得た。LC/MS: PUROSPHER(登録商標)Star RP-18, 4×55mm, 3μm; 溶媒A = 10%ACN:90%H2O:20mM NH4OAc; 溶媒B = 90%ACN:10%H2O:20mM NH4COOAc; 勾配1.5かけて0〜100%B(3.2分操作時間); 保持時間:2.017分; LCMS(ES-API), m/z 305 (M+H)
【0293】
【化126】
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工程1:エチル6−クロロ−4−(3−ホルミルシクロブチルアミノ)ニコチネートの合成:エチル6−クロロ−4−((3−(ヒドロキシメチル)シクロブチル)アミノ)ニコチネート(0.6g、1当量)のDCM(35mL)溶液にDess - Martinペルヨージナン(3.57g、4当量)を0℃で添加し、反応混合物を室温で30分撹拌した。反応混合物を濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解し、セライト(登録商標)床で濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を集め、10%NaHCO溶液で洗浄した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製の物質を溶離剤としてEtOAC:石油エーテルを使用するフラッシュクロマトグラフィーで精製して、エチル6−クロロ−4−(3−ホルミルシクロブチルアミノ)ニコチネートを得た。LC/MS: PUROSPHER(登録商標)Star RP-18, 4×55mm, 3μm; 溶媒A = 10%ACN:90%H2O:20mM NH4OAc; 溶媒B = 90%ACN:10%H2O:20mM NH4COOAc; 勾配1.5分かけて0〜100%B(3.2分操作時間); 保持時間:1.54分; LCMS(ES-API), m/z 281.2 (M-H)
【0294】
【化127】
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工程2:エチル6−クロロ−4−(3−(ジフルオロメチル)シクロブチルアミノ)ニコチネートの合成:エチル6−クロロ−4−((3−ホルミルシクロブチル)アミノ)ニコチネート(0.11g、0.389mmol)のDCM(5mL)溶液を−10℃に冷却した。DAST(0.103mL、0.78mmol)を反応混合物に滴下し、室温で5時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO溶液で0℃で反応停止させた。生成物をDCMで抽出し、有機抽出物を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製の物質を溶離剤としてEtOAC:石油エーテルを使用するフラッシュクロマトグラフィーで精製して、エチル6−クロロ−4−(3−(ジフルオロメチル)シクロブチルアミノ)ニコチネートを得た。LC/MS: PUROSPHER(登録商標)Star RP-18, 4×55mm, 3μm; 溶媒A = 10%ACN:90%H2O:20mM NH4OAc; 溶媒B = 90%ACN:10%H2O:20mM NH4COOAc; 勾配1.5分かけて0〜100%B(3.2分操作時間); 保持時間:1.975分; LCMS(ES-API), m/z 305.0 (M+H)
【0295】
【化128】
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工程1:エチル6−クロロ−4−((1S)−3−ヒドロキシシクロペンチルアミノ)ニコチネートの合成:この中間体を3−アミノシクロペンタノールおよびエチル4,6−ジクロロニコチネートから、実施例5に略記した標準法により製造した。LC/MS: Acquity BEH C18 2.1×50mm, 1.8μ; 溶媒A = 0.1%TFAの水溶液; 溶媒B = 0.1%TFAのACN溶液; 勾配2分かけて0〜100%B; 保持時間:0.70分; LCMS(ES-API), m/z 285.1 (M+H)
【0296】
【化129】
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工程2:エチル6−クロロ−4−((1S)−3−フルオロシクロペンチルアミノ)ニコチネートの合成:この中間体をエチル6−クロロ−4−((1R)−2−フルオロシクロペンチルアミノ)ニコチネートについて略記した方法により、エチル6−クロロ−4−(3−ヒドロキシシクロペンチルアミノ)ニコチネートおよびDASTの反応から製造した。LC/MS: XBridgePhe 8, 4.6×30mm, 3.5μm; 溶媒A = 2%ACN:98%H2O:10mM NH4COOH; 溶媒B = 98%ACN:2%H2O:10mM NH4COOH; 勾配1.5分かけて0〜100%B(3.2分操作時間); 保持時間:1.165分; LCMS(ES-API), m/z 287.0 (M+H)
【0297】
【化130】
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エチル3−(ジベンジルアミノ)シクロブタンカルボキシレートの合成:エチル3−オキソシクロブタンカルボキシレート(5.0g、1当量)を10%酢酸水溶液(25mL)およびTHF(25mL)の混合物に溶解した。ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(14.9g、2当量)およびジベンジルアミン(6.94g、1当量)を連続的に添加した。反応混合物を14時間、室温で撹拌した。反応混合物を濃縮して過剰の溶媒を除去し、残渣をDCMに溶解し、水、10%NaHCO水溶液および塩水溶液で洗浄した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製の生成物をシリカゲルおよび溶離剤としてEtOAC:石油エーテルを使用するフラッシュクロマトグラフィーで精製して、必要な生成物を得た。1H NMR 400 MHz, CD3OD:δ 1.22 - 1.26 (m, 3H), 2.03 - 2.12 (m, 2H), 2.19 - 2.26 (m, 2H), 2.69 - 2.71 (m, 1H), 3.11 - 3.15 (m, 1H), 3.51 (d, J = 2.40 Hz, 4H), 4.11 (q, J = 7.20 Hz, 2H), 7.22 - 7.34 (m, 10H)
【0298】
【化131】
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エチル3−アミノシクロブタンカルボキシレートの合成:エタノール(48mL)、水(3mL)および酢酸(0.2mL)の混合物に溶解したエチル3−(ジベンジルアミノ)シクロブタンカルボキシレート(1.0g、1当量)をNで脱気した。反応混合物に、10%Pd/C(0.5g、1.1当量)を不活性条件下に添加した。反応混合物を42psiのオートクレーブで室温で18時間水素化した。反応混合物をセライト(登録商標)で濾過し、濃縮して、エチル3−アミノシクロブタンカルボキシレートを得た。1H NMR 400 MHz, CD3OD:δ 1.29 - 1.30 (m, 3H), 2.23 - 2.29 (m, 2H), 2.56 - 2.63 (m, 2H), 2.96 - 3.01 (m, 1H), 3.63 - 3.67 (m, 1H), 4.16 (q, J = 7.20 Hz, 2H)
【0299】
【化132】
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(3−(ジベンジルアミノ)シクロブチル)メタノールの合成:エチル3−(ジベンジルアミノ)シクロブタンカルボキシレート(4.0g、1当量)のTHF(50mL)溶液を−10℃に冷却した。リチウムボロハイドライド(0.404g、1.5当量)を反応混合物に少量ずつ添加した。添加完了後、反応混合物を室温に温め、18時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、0℃に冷却し、NHCl飽和溶液で反応停止させた。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製の生成物をシリカゲルおよび溶離剤としてEtOAC:石油エーテルを使用するフラッシュクロマトグラフィーで精製して、必要な生成物を得た(3−(ジベンジルアミノ)シクロブチル)メタノールを得た。LC/MS: PUROSPHER(登録商標)Star RP-18, 4×55mm, 3μm; 溶媒A = 10%ACN:90%H2O:20mM NH4OAc; 溶媒B = 90%ACN:10%H2O:20mM NH4COOAc; 勾配1.5分かけて0〜100%B(3.2分操作時間); 保持時間:1.955分; LCMS(ES-API), m/z 282.2 (M+H)
【0300】
【化133】
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(3−アミノシクロブチル)メタノールの合成:エチル3−アミノシクロブタンカルボキシレートの製造について記載した還元法を使用して、(3−アミノシクロブチル)メタノールを(3−(ジベンジルアミノ)シクロブチル)メタノールから得た。1H NMR 400 MHz, CD3OD:δ 3.61 - 3.66 (m, 1H), 3.55 (d, J = 5.20 Hz, 2H), 3.33 - 3.34 (m, 2H), 2.40 - 2.47 (m, 2H), 2.22 - 2.38 (m, 2H), 1.92 - 1.98 (m, 3H)
【0301】
【化134】
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2−(3−(ジベンジルアミノ)シクロブチル)プロパン−2−オールの合成:エチル3−(ジベンジルアミノ)シクロブタンカルボキシレート(1.5g、4.6mmol)をTHF(30mL)に溶解し、−50℃に冷却した。臭化メチルマグネシウム(1.6mL、13.9mmol)を滴下し、混合物を室温で20時間撹拌した。TLCは変換が一部であることを示した。反応混合物を再び−15℃に冷却し、さらに3当量の臭化メチルマグネシウム(1.603mL、13.91mmol)を添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、飽和NHCl溶液で反応停止させた。水層を酢酸エチル(3回)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、液体を粗製の生成物として得た。粗製の生成物をカラムクロマトグラフィー(EA/石油エーテル15%)で精製して、2−(3−(ジベンジルアミノ)シクロブチル)プロパン−2−オール(1.4g、88%収率)を無色液体として得た。LC/MS: PUROSPHER(登録商標)Star RP-18, 4×55mm, 3μm; 溶媒A = 10%ACN:90%H2O:20mM NH4OAc; 溶媒B = 90%ACN:10%H2O:20mM NH4COOAc; 勾配1.5分かけて0〜100%B(3.2分操作時間); 保持時間:2.201分; LCMS(ES-API), m/z 310.2 (M+H)
【0302】
【化135】
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2−(3−アミノシクロブチル)プロパン−2−オールの合成:2−(3−(ジベンジルアミノ)シクロブチル)プロパン−2−オール(1.6g、5.17mmol)をエタノール(45mL)に溶解し、10%Pd−C(0.8g、7.52mmol)、AcOH(4.8mL)および水(0.32mL)を添加した。反応混合物を3kgpsiのオートクレーブで18時間水素化した。反応混合物をセライト(登録商標)で濾過し、MeOHで洗浄し、濃縮して、無色液体として生成物(0.63g、94%収率)を得た。LCMS m/z 130.1 (M+H); 1H NMR 400 MHz, CD3OD:δ 3.53 - 3.57 (m, 1H), 2.29 - 2.35 (m, 2H), 2.13 - 2.20 (m, 1H), 2.02 - 2.07 (m, 2H), 1.12 - 1.18 (m, 6H)
【0303】
【化136】
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3−アジドシクロペンタノンの合成:シクロペント−2−エノン(10g、1当量)のDCM(100mL)およびAcOH(35mL、5当量)溶液に、0℃でトリメチルシリルアジド(81mL、5当量)、TEA(3.4mL、0.2当量)を添加した。反応混合物を一夜、室温で撹拌した。出発物質の消費完了後、反応物を水の添加により反応停止させた。生成物をDCM(2回)で抽出し、有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製の3−アジドシクロペンタノンを得た。GCMS: 125 (M):保持時間:4.445分
【0304】
【化137】
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Tert−ブチル3−オキソシクロペンチルカルバメートの合成:3−アジドシクロペンタノン(10g、1当量)のEtOAc(80mL)溶液にBocO(22.3mL、1.2当量)を添加した。溶液をNで脱気し、Pd/C(0.850g、0.1当量)を添加した。反応混合物を一夜、環境温度でH雰囲気下撹拌した(14psi)。反応混合物をセライト(登録商標)で濾過し、セライト(登録商標)床を酢酸エチルで徹底的に洗浄した。濾液を濃縮した。残渣をエーテル:ヘキサン::1:1で摩砕し、濾取し、乾燥して、tert−ブチル(3−オキソシクロペンチル)カルバメートを得た。LC/MS: Ascentis Express C18, 5×2.1mm, 2.7μm; 溶媒A = 2%ACN:98%H2O:10mM NH4COOH; 溶媒B = 98%ACN:2%H2O:10mM NH4COOH; 勾配1.5分かけて0〜100%B; 保持時間:1.6分; LCMS(ES-API), m/z 200.9 (M+H)
【0305】
【化138】
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tert−ブチル3−ヒドロキシシクロペンチルカルバメートの合成:tert−ブチル(3−オキソシクロペンチル)カルバメート(2.0g、1当量)のMeOH(20mL)溶液に、0℃でNaBH(0.760g、2当量)を添加した。反応混合物を1時間、室温で撹拌した。メタノールを減圧下除去し、残渣を飽和NHClで反応停止させ、EtOAc(2回)で抽出した。有機層を水、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗製の得られた物質をシリカゲルおよび溶離剤としてEtOAC:石油エーテルを使用するカラムクロマトグラフィーで精製して、tert−ブチル3−ヒドロキシシクロペンチルカルバメートを得た。LC/MS: Ascentis Express C18, 5×2.1mm, 2.7μm; 溶媒A = 2%ACN:98%H2O:10mM NH4COOH; 溶媒B = 98%ACN:2%H2O:10mM NH4COOH; 勾配1.5分かけて0〜100%B; 保持時間:1.6分; LCMS(ES-API), m/z 201.9 (M+H)
【0306】
【化139】
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3−アミノシクロペンタノール)の合成:tert−ブチル(3−ヒドロキシシクロペンチル)カルバメート(1.6g、1当量)のDCM(2mL)溶液を0℃に冷却した。4M HClのジオキサン溶液(6mL)を反応混合物に添加し、1時間撹拌した。ジオキサンを減圧下に除去して、3−アミノシクロペンタノール塩酸塩を得た。1H NMR 400 MHz, DMSO-d6:δ 8.02 - 8.19 (m, 1H), 4.12 - 4.23 (m, 2H), 3.43 - 3.58 (m, 1H), 2.04 - 2.10 (m, 1H), 1.88 - 1.94 (m, 2H), 1.66 - 1.75 (m, 2H), 1.49 - 1.60 (m, 1H)
【0307】
【化140】
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tert−ブチル3−ヒドロキシ−3−メチルシクロペンチルカルバメートの合成:tert−ブチル(3−オキソシクロペンチル)カルバメート(0.25g、1当量)のTHF(10mL)溶液を0℃に冷却した。臭化メチルマグネシウム(THF中3M)(0.449g、3当量)を添加し、室温で4時間撹拌した。4時間経過後、反応混合物に飽和NHCl溶液(20mL)を0℃で加えて反応停止させ、室温で10分撹拌した。生成物を酢酸エチル(2回)で抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗製の生成物をシリカゲルおよびEtOAc:石油エーテルを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、tert−ブチル(3−ヒドロキシ−3−メチルシクロペンチル)カルバメートを得た。1H NMR:400 MHz, DMSO-d6:δ 7.19 (bs, 1H), 4.42 (s, 1H), 3.72 - 3.85 (m, 1H), 2.08 - 2.16 (m, 2H), 1.77 - 1.99 (m, 2H), 1.50 - 1.66 (m, 2H), 1.33 - 1.45 (m, 9H), 1.16 - 1.21 (m, 3H)
【0308】
【化141】
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3−アミノ−1−メチルシクロペンタノールの合成:tert−ブチル(3−ヒドロキシ−3−メチルシクロペンチル)カルバメート(0.12g)のDCM(10mL)溶液を、メタノール性塩酸(10mL)で0℃で処理した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。出発物質の消費完了後、反応混合物を濃縮した。得られた物質をMeOH(2回)と共沸させ、減圧下濃縮して、3−アミノ−1−メチルシクロペンタノールを得た。
【0309】
【化142】
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エチル2−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロペンチリデン)アセテートの合成:撹拌中のNaH(72.3mg、1.2当量)のTHF(10mL)懸濁液に、0℃でトリエチルホスホノアセテート(0.55mL、1.1当量)のTHF(5mL)溶液を添加し、30分撹拌した。tert−ブチル(3−オキソシクロペンチル)カルバメート(500mg、1当量)のTHF(5mL)を反応混合物に0℃で添加した。反応混合物をゆっくり室温に温め、12時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAcで希釈し、塩水溶液および水で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製の物質をシリカゲルを通し溶離剤としてEtOAC:石油エーテルを使用するカラムクロマトグラフィーで精製して、エチル2−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロペンチリデン)アセテートを得た。GCMS: 269 (M); 保持時間:9.051分
【0310】
【化143】
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エチル2−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロペンチル)アセテートの合成:エチル2−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロペンチリデン)アセテート(500mg、1当量)のMeOH(15mL)溶液をNで脱気し、PdOH(261mg、1当量)を添加した。反応混合物を環境温度で12時間、H雰囲気下に撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)で濾過した。得られた濾液を濃縮して、エチル2−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロペンチル)アセテートを得た。1H NMR:400 MHz, CDCl3:δ 4.12 (q, J = 6.80 Hz, 2H), 3.66 (s, 1H), 2.25 - 2.41 (m, 4H), 1.85 - 1.99 (m, 3H), 1.72 - 1.78 (m, 1H), 1.61 - 1.65 (m, 1H), 1.44 (s, 9H), 1.22 (t, J = 4.40 Hz, 3H)
【0311】
【化144】
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tert−ブチル3−(2−ヒドロキシエチル)シクロペンチルカルバメートの合成:氷冷したエチル2−(3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロペンチル)アセテート(400mg、1当量)のTHF溶液に、LAH(112mg、2当量)を添加し、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。1時間経過後、反応物を硫酸ナトリウム飽和溶液で反応停止させ、懸濁液を濾過した。濾液を濃縮して、tert−ブチル3−(2−ヒドロキシエチル)シクロペンチルカルバメートを得た。1H NMR:400 MHz, CDCl3:δ 3.64 - 3.61.89 - 1.99 (m, 2H),5 (m, 2H), 2.24 - 2.31 (m, 1H), 2.01 - 2.10 (m, 1H), 1.60 - 1.67 (m, 3H), 1.54 - 1.59 (m, 1H), 1.41 (s, 9H), 1.45 - 1.32 (m, 3H)
【0312】
【化145】
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2−(3−アミノシクロペンチル)エタノールの合成:tert−ブチル3−(2−ヒドロキシエチル)シクロペンチルカルバメートを4M HClのジオキサン溶液で0℃で処理した。反応混合物を1時間撹拌し、濃縮乾固して、2−(3−アミノシクロペンチル)エタノールを得た。
【0313】
【化146】
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工程1:還流しているmCPBA(0.460g、1.867mmol)のDCE溶液にtert−ブチル((trans)−4−アミノシクロヘキシル)カルバメート(0.1g、0.467mmol)のDCE溶液を添加した。混合物を3時間還流した。反応物をEtOAcの添加により後処理し、1N NaOH(3×)および塩水(1×)で洗浄した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去して、0.0654gのtert−ブチル((trans)−4−ニトロシクロヘキシル)カルバメートを黄色粘性油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.51 (br. s., 1H), 2.42 - 2.31 (m, 2H), 2.24 - 2.15 (m, 2H), 2.04 - 1.91 (m, 2H), 1.47 (s, 9H), 1.33 - 1.19 (m, 4H)
【0314】
【化147】
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tert−ブチル((trans)−4−ニトロシクロヘキシル)カルバメート(0.0654g、0.268mmol)をDCM(1mL)に溶解し、この溶液にHCl(0.669mL、2.68mmol)を添加した。内容物を一夜、室温で撹拌した。100%EtOAcでのTLCは原点生成物のみを示した。溶媒を減圧下除去し、残渣を塩化メチレン(3×)から再蒸発して、痕跡量のHClを除去した。0.059mgのtrans−4−ニトロシクロヘキサンアミン、HClを灰白色固体として得た。
【0315】
実施例28
【化148】
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【0316】
【化149】
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工程1:6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチン酸(96106−020−01)(150mg、0.699mmol)、PyBOP(364mg、0.699mmol)およびヒューニッヒ塩基(0.366mL、2.1mmol)をDMF(3mL)中、25℃で撹拌しながら混合し、(R)−tert−ブチル(4−アミノブタン−2−イル)カルバメート(132mg、0.699mmol)を添加した。反応物を2時間撹拌し、酢酸エチルを添加し、10%LiClで3回濯いだ。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、(R)−tert−ブチル(4−(6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド)ブタン−2−イル)カルバメート(250mg、84%収率)を白色固体として得た。LCMS 385.20 (M+H)+
【0317】
【化150】
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工程2:(R)−tert−ブチル(4−(6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド)ブタン−2−イル)カルバメート(250mg、0.650mmol)をCHCl(2mL)に25℃で撹拌しながら溶解し、4N HClのジオキサン溶液(1.624mL、6.50mmol)を添加した。3時間後LCMSにより反応の実質的完了が示された。後処理は塩化メチレンの添加と濃縮を5回反復するだけで足り、(R)−N−(3−アミノブチル)−6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド、2HCl(230mg、0.611mmol、94%収率)を白色ガラス状物として得た。LCMS 285.1 (M+H)+
【0318】
【化151】
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工程3:(R)−N−(3−アミノブチル)−6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド、2HCl(115mg、0.321mmol)、PYBOP((1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−イル)オキシ)トリ(ピロリジン−1−イル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(167mg、0.321mmol)、ヒューニッヒ塩基(0.168mL、0.964mmol)および酢酸(19.31mg、0.321mmol)を、DMF(1mL)中、25℃で撹拌しながら混合した。1時間後、LCMSは反応がほぼ完了したことを示した。酢酸エチルを添加し、10%LiClで3回濯いでDMFを除去した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、(R)−N−(3−アセトアミドブチル)−6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(75mg、0.207mmol、64.2%収率)を灰白色固体として得た。LCMS 327.20 (M+H)+
【0319】
工程4:マイクロ波チューブで、(R)−N−(3−アセトアミドブチル)−6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(20mg、0.061mmol)、6−アミノ−5−クロロニコチノニトリル(18.80mg、0.122mmol)、Pddba(11.21mg、0.012mmol)、Xantphos(14.16mg、0.024mmol)およびCsCO(59.8mg、0.184mmol)を、DMA(1mL)中、室温で混合した。反応容器をNで通気し、密閉し、150℃で計40分加熱した。反応物を濾過し、濾液を高減圧下濃縮し、残渣を分取HPLCで精製して、(R)−N−(3−アセトアミドブチル)−6−((3−クロロ−5−シアノピリジン−2−イル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド、2TFA(6mg、13%収率)を得た。1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ 8.64 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.38 (s, 1H), 8.27 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.14 (s, 1H), 4.05 - 3.94 (m, 1H), 3.83 (dt, J = 12.9, 6.4 Hz, 1H), 3.65 - 3.55 (m, 1H), 3.18 (ddd, J = 14.1, 8.7, 5.9 Hz, 1H), 2.01 (s, 3H), 1.87 - 1.76 (m, 1H), 1.69 - 1.59 (m, 1H), 1.42 - 1.35 (m, 6H), 1.21 (d, J = 6.9 Hz, 3H); LCMS 444.2 (M+H)+
【0320】
実施例29
【化152】
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【0321】
【化153】
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工程1:(R)−N−(3−アミノブチル)−6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド、2HCl(115mg、0.321mmol)およびヒューニッヒ塩基(0.056mL、0.321mmol)を、THF(2mL)中、25℃で撹拌しながら混合し、2−イソシアナトプロパン(27.4mg、0.321mmol)を添加した。反応物を30分撹拌し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)−N−(3−(3−イソプロピルウレイド)ブチル)ニコチンアミド(75mg、0.201mmol、62%収率)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.55 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 8.45 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.32 (s, 1H), 6.68 (s, 1H), 5.58 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 3.81 - 3.71 (m, 1H), 3.70 - 3.60 (m, 2H), 3.18 (s, 1H), 3.17 - 3.05 (m, 1H), 1.55 (dt, J = 13.8, 7.1 Hz, 2H), 1.16 (d, J = 6.4 Hz, 6H), 1.07 - 0.98 (m, 9H); LCMS 370.3 (M+H)+
【0322】
工程2:マイクロ波チューブで、(R)−6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)−N−(3−(3−イソプロピルウレイド)ブチル)ニコチンアミド(20mg、0.054mmol)、6−アミノ−5−フルオロニコチノニトリル(14.83mg、0.108mmol)、Pddba(9.90mg、10.81μmol)、Xantphos(12.51mg、0.022mmol)およびCsCO(52.9mg、0.162mmol)を、DMA(1mL)中、室温で混合した。反応容器をNで通気し、密閉し、150℃で計40分加熱した。反応物を濾過し、濾液を高減圧下濃縮し、残渣を分取HPLCで精製して、(R)−6−((5−シアノ−3−フルオロピリジン−2−イル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)−N−(3−(3−イソプロピルウレイド)ブチル)ニコチンアミド(11.6mg、43%収率)を得た。1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ 8.44 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.32 (s, 1H), 7.73 (dd, J = 10.7, 1.2 Hz, 2H), 7.61 (s, 1H), 3.90 - 3.74 (m, 3H), 3.66 - 3.59 (m, 1H), 3.13 (ddd, J = 13.9, 8.4, 5.9 Hz, 1H), 1.80 - 1.70 (m, 1H), 1.61 - 1.51 (m, 1H), 1.34 (dd, J = 6.4, 2.0 Hz, 6H), 1.19 - 1.10 (m, 9H); LCMS 471.2 (M+H)+
【0323】
【化154】
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2−(3−アミノ−4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)酢酸(500mg、2.85mmol)溶液を、CHCl(3mL)およびMeOH(1mL)中、窒素下で25℃で撹拌した。反応物は一部溶液であった。2.0M TMS−ジアゾメタンのヘキサン溶液(1.566mL、3.13mmol)を滴下した。注:添加注ガス発生が観察された。添加完了後、反応物はコハク色溶液であった。反応物を1時間撹拌し、濃縮して、メチル2−(3−アミノ−4−クロロ−1H−ピラゾール−1−イル)アセテート(422mg、2.114mmol、74.2%収率)の油状黄褐色固体を生成物として得て、これは固化した。LCMS 189.90 (M+H)+
【0324】
実施例30
【化155】
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【0325】
【化156】
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工程1:6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチン酸(0.554g、2.58mmol)、BOP(1.142g、2.58mmol)およびTEA(1.080mL、7.75mmol)のDMF(15mL)溶液に、25℃で(1R,4R)−メチル4−アミノシクロヘキサンカルボキシレート、HCl(0.5g、2.58mmol)を添加した。反応物を一夜撹拌し、酢酸エチルを添加し、10%LiClで3回濯いでDMFを除去した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、(1R,4R)−メチル4−(6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド)シクロヘキサンカルボキシレート(820mg、85%収率)を灰白色固体として得た。LCMS 354.10 (M+H)+
【0326】
【化157】
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工程2:(1R,4R)−メチル4−(6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド)シクロヘキサンカルボキシレート(820mg、2.317mmol)を、MeOH(10mL)に25℃で撹拌しながら溶解し、1.0N NaOH(4.63mL、4.63mmol)を添加した。反応物を2時間撹拌し、濃縮してMeOHを除去した。水溶液のpHを撹拌しながら1N HClで4に調節した。得られた固体を濾取し、水、ヘキサンで濯いだ。固体を高真空下で乾燥して、(1r,4r)−4−(6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド)シクロヘキサンカルボン酸(680mg、82%収率)を得た。LCMS 340.10 (M+H)+
【0327】
【化158】
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工程3:(1r,4r)−4−(6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド)シクロヘキサンカルボン酸(200mg、0.589mmol)、BOP(260mg、0.589mmol)およびTEA(0.246mL、1.766mmol)を、DMF(5mL)中、25℃で撹拌しながら混合し、2.0M エタナミンのTHF溶液(0.441mL、0.883mmol)を添加した。反応物を一夜撹拌し、EAで希釈し、10%LiClで2回濯いでDMFを除去した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、6−クロロ−N−((1R,4R)−4−(エチルカルバモイル)シクロヘキシル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(200mg、83%収率)を得た。LCMS 367.20(M+H)+
【0328】
工程4:マイクロ波バイアルで、6−クロロ−N−((1R,4R)−4−(エチルカルバモイル)シクロヘキシル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(25mg、0.068mmol)、6−アミノ−5−フルオロニコチノニトリル(9.34mg、0.068mmol)、BrettPhos前触媒(2.72mg、3.41μmol)およびKCO(18.83mg、0.136mmol)を、6:1 t−BuOH/DMA(2mL)中、室温で混合した。窒素を混合物に5分通してバブリングし、反応物を145℃で15分加熱した。反応物を冷却し、濾過し、濾液を濃縮した。生成物を分取HPLCで精製して、6−((5−シアノ−3−フルオロピリジン−2−イル)アミノ)−N−((1R,4R)−4−(エチルカルバモイル)シクロヘキシル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド、2TFA(6.6mg、13%収率)を得た。1H NMR; LCMS 468.2 (M+H)+
【0329】
実施例31
【化159】
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【0330】
【化160】
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工程1:1−メチル−1H−ピラゾール(1.012mL、12.18mmol)のTHF(50mL)溶液を−78℃に冷却し、n−BuLi(4.87mL、12.18mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。tert−ブチル(4−オキソシクロヘキシル)カルバメート(1.299g、6.09mmol)のTHF(10mL)溶液を添加し、混合物を室温で一夜撹拌した。反応物を水で反応停止させ、THFを蒸発し、EtOAcを添加し、生成物を水(2×)で洗浄して、後処理した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去して、1.061gの粘性黄色油状物を得て、これをカラムクロマトグラフィーで精製して、cis異性体およびtrans異性体混合物(0.85g、46%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3-d) δ 7.40 - 7.33 (m, 1H), 6.24 - 6.00 (m, 1H), 5.31 (s, 1H), 4.48 (br. s., 1H), 4.12 - 4.00 (m, 3H), 2.23 - 1.80 (m, 6H), 1.73 - 1.59 (m, 2H), 1.50 - 1.43 (m, 9H)。注:trans/cis生成物率を示す3:1比のビニルプロトンに相当するピークが2セット存在する。
【0331】
【化161】
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工程2:tert−ブチル(4−ヒドロキシ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)シクロヘキシル)カルバメート(0.85g、2.88mmol)をDCM(20mL)に溶解し、この溶液にHCl(ジオキサン中4N)(7.19mL、28.8mmol)を添加した。内容物を室温で撹拌した。反応物の沈殿が観察されたため、少量のMeOHを添加して、生成物を可溶化させた。反応物を蒸発させ、残渣を塩化メチレン3×から蒸発させて、痕跡量のHClを除去した。こうして得た固体を実験室減圧によって乾燥させ、0.75gの明黄色固体を得て、これをさらに精製することなく使用した:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.31 - 8.14 (m, 3H), 7.39 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.14 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.08 - 2.95 (m, 1H), 2.08 - 1.96 (m, 2H), 1.82 (br. s., 5H)
【0332】
【化162】
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工程3:4−アミノ−1−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)シクロヘキサノール、HCl(200mg、0.863mmol)、6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチン酸(185mg、0.863mmol)、ヒューニッヒ塩基(0.754mL、4.32mmol)およびPyBOP(898mg、1.726mmol)を混合し、DMF(3mL)中、室温で撹拌した。反応物を1N NaOHで反応停止し、EtOAcを添加した。層を分離し、有機層を1N NaOH(2×)、塩水(1×)で濯ぎ、乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下に除去して、1.25gの褐色油状固体を得た。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、245mg(69%収率)のtrans対cis異性体4−5:1比の混合物を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.46 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.42 - 8.25 (m, 2H), 7.33 - 7.19 (m, 1H), 6.74 - 6.61 (m, 1H), 6.25 - 6.02 (m, 1H), 5.22 - 5.08 (m, 1H), 4.01 - 3.91 (m, 3H), 3.88 - 3.69 (m, 2H), 2.11 - 1.60 (m, 7H), 1.20 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 1.16 (d, J = 6.4 Hz, 5H), 1.09 - 1.09 (m, 1H)
【0333】
工程4:6−((5−シアノピリジン−2−イル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチン酸(50mg、0.168mmol)、BOP(82mg、0.185mmol)およびTEA(0.047mL、0.336mmol)のDMF(2mL)溶液を、25℃で窒素下に撹拌した。数分後、4−アミノ−1−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)シクロヘキサノール。HCl(39.0mg、0.168mmol)を添加した。混合物は明コハク色溶液であった。反応物を1時間撹拌し、粗製の物質を直接分取HPLCで精製して、6−((5−シアノピリジン−2−イル)アミノ)−N−((1s,4s)−4−ヒドロキシ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)シクロヘキシル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(14.4mg、17%収率)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 10.18 (s, 1H), 8.64 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.40 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 8.20 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 8.03 (dd, J = 8.9, 2.1 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.08 (s, 1H), 6.09 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.78 (dd, J = 7.6, 4.0 Hz, 1H), 3.60 (dq, J = 13.0, 6.4 Hz, 1H), 2.03 (d, J = 11.6 Hz, 2H), 1.92 - 1.79 (m, 2H), 1.76 - 1.61 (m, 4H), 1.21 (d, J = 6.1 Hz, 7H); LCMS 475.2 (M+H)+
【0334】
実施例32
【化163】
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【0335】
【化164】
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工程1:撹拌中のtert−ブチル((1s,4s)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)カルバメート(1.00g、4.64mmol)およびトリエチルアミン(3.24mL、23.22mmol)のCHCl(10mL)溶液に、0℃で塩化メタンスルホニル(0.543ml、6.97mmol)を滴下した。混合物を0℃で15分撹拌し、水で希釈した。層を分離し、有機層を飽和重炭酸ナトリウム(1×)、塩水(1×)で濯いだ。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、(1S,4S)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシルメタンスルホネート(3.20g、89%収率)を明コハク色固体として得た。LCMS(TFA) 238.0 (M+H-t-ブチル)+
【0336】
【化165】
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工程2:撹拌中の(1S,4S)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシルメタンスルホネート(3.20g、10.91mmol)のDMF(40mL)溶液に、室温でチオ酢酸カリウム(1.869g、16.36mmol)を添加した。反応物を安全シールドの中で80℃で7時間加熱し、室温で48時間。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、10%LiCl(2×)、飽和塩化アンモニウム(1×)、飽和重炭酸ナトリウム(1×)および塩水(2×)で濯いだ。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、暗色油状物として粗製の生成物を得た。カラムクロマトグラフィーでの精製により、S−((1R,4R)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)エタンチオエート(820mg、27.5%収率)を得た。LCMS(TFA) 218.0 (M+H-t-ブチル)+
【0337】
【化166】
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工程3:撹拌中のS−((1R,4R)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)エタンチオエート(820mg、3.00mmol)のMeOH(5mL)溶液に、室温でナトリウムメトキシド(648mg、12.00mmol)、ヨードメタン(0.281mL、4.50mmol)を添加した。フラスコをストッパーで蓋し、16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化アンモニウム(1×)、飽和重炭酸ナトリウム(1×)および塩水(1×)で濯いだ。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、tert−ブチル((1R,4R)−4−(メチルチオ)シクロヘキシル)カルバメート(650mg、79%収率)をコハク色固体として得た。LCMS(TFA) 190.0 (M+H)+
【0338】
【化167】
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工程4:撹拌中のtert−ブチル((1R,4R)−4−(メチルチオ)シクロヘキシル)カルバメート(650mg、2.65mmol)のジオキサン(5mL)およびメタノール(1mL)溶液に、室温で4N HClのジオキサン溶液(3.31mL、13.24mmol)を添加した。20時間後、反応を塩化メチレン(5×)から濃縮して、(1R,4R)−4−(メチルチオ)シクロヘキサンアミン、HCl(490mg、92%収率)の黄褐色固体として生成物を得た。
【0339】
【化168】
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工程5:撹拌中の6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチン酸(236mg、1.101mmol)、BOP(487mg、1.101mmol)およびTEA(0.307mL、2.201mmol)のDMF(0.5mL)溶液に、25℃で(1r,4r)−4−(メチルチオ)シクロヘキサンアミン、HCl(200mg、1.101mmol)を添加した。2時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、10%LiCl(2×)、飽和重炭酸ナトリウム(1×)、最後に10%LiCl(1×)で濯いだ。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、tert−ブチル((1R,4R)−4−(メチルカルバモイル)シクロヘキシル)カルバメート(320mg、77%収率)のコハク色油状物として、生成物を得た。LCMS 342.2 (M+H)+
【0340】
工程6:6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)−N−((1R,4R)−4−(メチルチオ)シクロヘキシル)ニコチンアミド(100mg、0.292mmol)、6−アミノ−5−フルオロニコチノニトリル(48.1mg、0.351mmol)、KCO(29.4mg、0.213mmol)および6:1 t−BuOH/DMA(2mL)の混合物を、磁気撹拌子を含む5mLマイクロ波バイアル中で混合し、窒素で5分バブリングすることにより脱気した。混合物をBrettPhos前触媒(23.36mg、0.029mmol)で処理し、さらに5分脱気した。バイアルを密閉し、反応物を、マイクロ波中、撹拌しながら145℃で40分加熱した。反応物を濾過し、分取HPLCで精製して、生成物(16.8mg、12%収率)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.04 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 8.69 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 8.61 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.45 - 8.37 (m, 2H), 7.95 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 3.71 (dd, J = 12.8, 6.7 Hz, 2H), 2.57 - 2.52 (m, 1H), 2.09 - 1.98 (m, 5H), 1.90 (d, J = 12.2 Hz, 2H), 1.44 - 1.20 (m, 11H). LCMS 443.2 (M+H)+
【0341】
実施例33
【化169】
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6−((5−シアノ−3−フルオロピリジン−2−イル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)−N−((1R,4R)−4−(メチルチオ)シクロヘキシル)ニコチンアミド(50mg、0.113mmol)のMeOH(3.5mL)溶液に、0℃でOXONE(登録商標)(139mg、0.226mmol)の水(1.5mL)溶液を添加した。撹拌を室温で1時間続け、さらにOXONE(登録商標)(0.3当量)を添加した。反応物をさらに48時間撹拌した。固体を濾取し、MeOHで濯いだ。濾液を濃縮し、CHClで抽出した。有機抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。生成物を分取HPLCで精製して、6−((5−シアノ−3−フルオロピリジン−2−イル)アミノ)−4−(イソプロピルアミノ)−N−((1R,4R)−4−(メチルスルホニル)シクロヘキシル)ニコチンアミド(11.3mg、19%収率)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.53 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.44 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.23 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 7.42 (s, 1H), 3.78 - 3.68 (m, 1H), 3.63 (dq, J = 12.8, 6.3 Hz, 1H), 3.16 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 3.04 (t, J = 11.9 Hz, 1H), 2.93 (s, 3H), 2.13 (d, J = 11.6 Hz, 2H), 1.98 (d, J = 10.4 Hz, 2H), 1.56 - 1.44 (m, 2H), 1.44 - 1.35 (m, 2H), 1.22 (d, J = 6.1 Hz, 6H); LCMS 475.1 (M+H)+
【0342】
実施例34
【化170】
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(R)−6−((4−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イル)アミノ)−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(60mg、0.144mmol)およびヒューニッヒ塩基(0.025mL、0.144mmol)を、室温で撹拌しながらDMF(2mL)に溶解し、塩化アセチル(10.24μl、0.144mmol)を添加した。反応物を1時間撹拌した。反応物を濾過し、濾液を分取HPLCで精製して、生成物(2.9mg、4%収率)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.68 (s, 1H), 8.53 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 8.43 (s, 2H), 8.37 (s, 1H), 8.29 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.59 (br. s., 2H), 4.84 (s, 1H), 4.37 (d, J = 9.2 Hz, 0.5H), 4.27 (d, J = 9.2 Hz, 0.5H), 3.91 - 3.81 (m, 1H), 3.74 - 3.58 (m, 1H), 3.34 - 3.26 (m, 1H), 2.36 (s, 1H), 1.19 (d, J = 6.1 Hz, 5H), 1.15 (d, J = 6.1 Hz, 7H); LCMS 459.2 (M+H)+
【0343】
実施例35
【化171】
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【0344】
【化172】
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工程1:(R)−3−(ジベンジルアミノ)−2−フルオロプロパン−1−オール(400mg、1.463mmol)のTHF(10mL)溶液に、0℃で窒素下、NaH(70.2mg、1.756mmol)を添加した。混合物を10分撹拌し、MeI(0.092mL、1.463mmol)を添加した。1時間後さらにDMF(1mL)を添加した。2時間後、さらに1回NaHおよびMeI(1当量)を2回に分けて添加した。反応物を水で反応停止させ、EtOAcで希釈し、10%LiClで洗浄してDMFを除去した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、(R)−N,N−ジベンジル−2−フルオロ−3−メトキシプロパン−1−アミン(400mg、86%収率)を得た。LCMS 287.70 (M+H)+
【0345】
【化173】
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工程2:窒素雰囲気下、Parrボトルに注意深く10%Pd−C(74.1mg、0.070mmol)を入れ、触媒をメタノール(10mL)で注意深く湿らせた。容器に(R)−N,N−ジベンジル−2−フルオロ−3−メトキシプロパン−1−アミン(400mg、1.392mmol)のメタノール(10mL)溶液を添加し、混合物を脱気し、Hを充填し、50psiで4時間加圧した。混合物を窒素で脱気し、反応混合物を窒素下、グラスファイバーで濾過し、ケーキが完全に乾燥しないよう注意した。フィルターケーキをメタノールで完全に濯ぎ(総濯ぎ量25mL)、合わせた濾液および濯ぎ液を減圧下濃縮して、(R)−2−フルオロ−3−メトキシプロパン−1−アミン(125mg、75%収率)を無色油状物として得た。
【0346】
【化174】
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工程3:6−クロロ−4−(イソプロピルアミノ)ニコチン酸(250mg、1.167mmol)、BOP(516mg、1.167mmol)およびTEA(0.325mL、2.334mmol)のDMF(5mL)溶液に、(R)−2−フルオロ−3−メトキシプロパン−1−アミン(125mg、1.167mmol)を添加した。反応物を18時間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、10%LiClで2回洗浄してDMFを除去し、飽和炭酸ナトリウムで1回、最後に10%LiClで1回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、(R)−6−クロロ−N−(2−フルオロ−3−メトキシプロピル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(300mg、72%収率)を得た。
【0347】
工程4:5mLマイクロ波バイアルで、(R)−6−クロロ−N−(2−フルオロ−3−メトキシプロピル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(35mg、0.115mmol)、6−アミノ−5−フルオロニコチノニトリル(15.80mg、0.115mmol)およびKCO(31.8mg、0.230mmol)の混合物を、室温で6:1 tert−ブタノール/DMA(2mL)中で混合し、窒素で5分バブリングすることにより脱気した。混合物をBrettPhos前触媒(4.60mg、5.76μmol)で処理し、さらに5分脱気し、バイアルを密閉した。反応物をマイクロ波により撹拌しながら145℃で15分加熱した。反応物を冷却し、濾過し、濾液を高真空下濃縮し、残渣を精製のためにDMFに溶解した。生成物を分取HPLCで単離して、(R)−6−((5−シアノ−3−フルオロピリジン−2−イル)アミノ)−N−(2−フルオロ−3−メトキシプロピル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(11.8mg、25%収率)を得た。
【0348】
実施例36
【化175】
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実施例36の化合物は、実施例35に準じる形態で、(R)−4−(ジベンジルアミノ)−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オールから出発して製造した。LCMS 433.3 (M+H)+: HPLC RT 1.73分, 条件G
【0349】
実施例37
【化176】
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実施例37の化合物は、実施例36に準じる形態で、(R)−4−(ジベンジルアミノ)−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オールおよびCDIから出発して製造した。LCMS 436.4 (M+H)+: HPLC RT 1.85分, 条件G
【0350】
実施例38
【化177】
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6−クロロ−N−((R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−((3−フルオロシクロペンチル)アミノ)ニコチンアミド(200mg、0.553mmol)および6−アミノ−5−クロロニコチノニトリル(85mg、0.553mmol)の1,4−ジオキサン(4mL)溶液に、CsCO(540mg、1.658mmol)およびXantphos(128mg、0.221mmol)および水(0.5mL)を添加した。反応物を窒素で20分通気し、Pd(dba)(202mg、0.221mmol)を添加し、再び15分通気した。反応混合物を110℃で一夜加熱した。反応混合物を冷却し、セライト(登録商標)で濾過し、EtOAc(50mL)で希釈した。有機層を水(10mL)および塩水溶液(10mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製の化合物を得て、これを10%メタノールのDCM溶液で溶出するシリカゲルで精製して、ニトリル含有ジアステレオマーと2個のニトリル加水分解ジアステレオマーの混合物を得て、これは分取SFCクロマトグラフィーで精製した。所望のジアステレオマーを白色固体として得た(4mg、1.5%収率)。LCMS 497.2 (M+H)+; HPLC RT 6.15分, 条件A, 12分勾配
【0351】
実施例39
【化178】
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【0352】
【化179】
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工程1:撹拌中のエチル4,6−ジクロロニコチネート(1.0g、4.54mmol)のDMA(5mL)溶液に、DIPEA(2.381mL、13.63mmol)および(S)−2−アミノプロパン−1−オール(0.424mL、5.45mmol)を添加した。反応混合物を3時間、100℃で撹拌し、室温に冷却し、溶媒を減圧下除去した。残渣に水を添加し、酢酸エチルで抽出した。有機溶液を無水NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、(S)−エチル6−クロロ−4−((1−ヒドロキシプロパン−2−イル)アミノ)ニコチネート(1.1g、93%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.53 (s, 1 H) 8.22 (d, J = 8.03 Hz, 1 H) 8.20 - 8.24 (m, 1 H) 6.87 (s, 1 H) 6.85 - 6.88 (m, 1 H) 4.97 - 4.97 (m, 1 H) 4.99 (t, J = 5.27 Hz, 1 H) 4.30 (q, J = 7.03 Hz, 1 H) 4.26 - 4.33 (m, 2 H) 3.73 - 3.82 (m, 1 H) 3.39 - 3.52 (m, 2 H) 1.29 - 1.34 (m, 3 H) 1.16 (m, 3 H); LCMS 259.3 (M+H)+
【0353】
【化180】
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工程2:撹拌中の(S)−エチル−6−クロロ−4−((1−ヒドロキシプロパン−2−イル)アミノ)ニコチネート(2g、7.73mmol)のTHF(15mL)溶液に、−78℃でDAST(2.55mL、19.33mmol)を添加した。反応混合物を室温に温め、一夜撹拌した。反応物を10%NaHCO水溶液で反応停止させ、EtOAcで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製の物質を得て、これをカラムクロマトグラフィーで精製して、生成物(1.2g、60%収率)を得た。LCMS 261.0 (M+H)+
【0354】
【化181】
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工程3:(S)−エチル6−クロロ−4−((1−フルオロプロパン−2−イル)アミノ)ニコチネート(1.3g、4.99mmol)のエタノール(10mL)溶液に、LiOH(0.615g、14.96mmol)および水(3mL、4.99mmol)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。TLCは出発物質が存在しないことを示した。混合物を濃縮し、1.5N HClを使用してpH3〜4に酸性化した。得られた固体を濾取して、(S)−6−クロロ−4−((1−フルオロプロパン−2−イル)アミノ)ニコチン酸(1.0g、41%収率)を灰白色固体として得た。LCMS 233.2 (M+H)+
【0355】
【化182】
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工程4:(S)−6−クロロ−4−((1−フルオロプロパン−2−イル)アミノ)ニコチン酸(0.650g、2.79mmol)のDMF(6mL)溶液に、DIPEA(1.952mL、11.18mmol)、(R)−4−アミノ−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オール(0.406g、3.35mmol)およびHATU(1.062g、2.79mmol)を添加し、反応物質を物質を室温で1時間撹拌した。反応物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を10%重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗製の物質をカラムクロマトグラフィーで精製して、6−クロロ−N−((R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(((S)−1−フルオロプロパン−2−イル)アミノ)ニコチンアミド(0.4g、42%収率)を淡黄色油状物として得た。LCMS 336.2 (M+H)+
【0356】
工程5:6−クロロ−N−((R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(((S)−1−フルオロプロパン−2−イル)アミノ)ニコチンアミド(0.1g、0.298mmol)のジオキサン(1mL)溶液に、6−アミノ−5−クロロニコチノニトリル(0.055g、0.357mmol)、炭酸セシウム(0.291g、0.893mmol)、水(0.5mL、0.298mmol)およびXantphos(0.017g、0.030mmol)を添加した。混合物を脱気し、Pd(dba)(0.014g、0.015mmol)を添加し、反応物をさらに脱気し、110℃で18時間加熱した。反応物を冷却し、セライト(登録商標)で濾過した。セライト(登録商標)床を酢酸エチルで洗浄し、合わせた濾液を濃縮した。最少量のDCMを添加して、反応物を溶解させ、石油エーテルを添加した。得られた固体を沈降させ、石油エーテル層を傾捨した。この工程を2〜3回繰り返して、粗製の固体を得て、これを分取HPLCで精製して、淡褐色油状物を得て、これをさらに分取HPLCで精製して、6−((3−クロロ−5−シアノピリジン−2−イル)アミノ)−N−((R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(((S)−1−フルオロプロパン−2−イル)アミノ)ニコチンアミド(4mg、3%収率)を灰白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.61 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.76 - 7.98 (m, 1H), 4.96 - 5.08 (m, 1H), 4.56 - 4.66 (m, 1H), 4.41 - 4.56 (m, 1H), 4.29 - 4.41 (m, 1H), 3.79 - 3.99 (m, 1H), 3.40 - 3.62 (m, 3H), 3.37 (s, 3H), 1.35 - 1.57 (m, 3H), 1.30 (d, J = 1.51 Hz, 6H); LCMS 453.2 (M+H)+
【0357】
実施例40
【化183】
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実施例40の化合物は、実施例27に記載する方法により製造した。LCMS 459.3 (M+H)+; HPLC RT 7.18分, 条件A
【0358】
実施例41
【化184】
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【0359】
【化185】
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工程1:tert−ブチル4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(0.614g、3.05mmol)のTHF(50mL)溶液に、KOtBu(0.342g、3.05mmol)を添加し、30分撹拌し、2,5−ジクロロピリミジン−4−アミン(0.5g、3.05mmol)を添加した。反応混合物を一夜加熱還流した。反応物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、橙色固体を得た。粗製の生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、tert−ブチル4−((4−アミノ−5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.72g、72%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.24 (br. s., 1H), 5.04 - 5.11 (m, 1H), 3.84 (m, 3H), 3.24 - 3.34 (m, 1H), 3.04 (ddd, J = 3.50, 9.82, 13.45 Hz, 1H), 1.70 - 2.01 (m, 4H), 1.50 (s, 9H); LCMS 329.2 (M+H)+
【0360】
【化186】
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工程2:(R)−6−クロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(0.110g、0.346mmol)およびtert−ブチル4−((4−アミノ−5−クロロピリミジン−2−イル)オキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.114g、0.346mmol)の1,4−ジオキサン(10mL)溶液にNaCO(0.110g、1.038mmol)および水(1mL)を添加した。反応物をNで通気し、Xantphos(0.050g、0.087mmol)、Pd(dba)(0.079g、0.087mmol)を添加し、再びNを5分通気した。反応混合物を110℃で一夜加熱した。反応混合物を冷却し、DCMで希釈し、セライト(登録商標)で濾過し、濃縮して、褐色液体として粗製の生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色固体(28mg、13%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.34 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 5.26 (br. s., 1H), 4.33 - 4.51 (m, 1H), 3.76 - 3.95 (m, 2H), 3.62 (d, J = 9.54 Hz, 2H), 3.40 - 3.56 (m, 4H), 1.92 - 2.02 (m, 2H), 1.77 - 1.88 (m, 2H), 1.50 (s, 9H), 1.34 (d, J = 6.02 Hz, 6H), 1.30 (d, J = 2.01 Hz, 6H); LCMS 611.2 (M+2H)+
【0361】
工程3:(R)−tert−ブチル4−((5−クロロ−4−((5−((2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)カルバモイル)−4−(イソプロピルアミノ)ピリジン−2−イル)アミノ)ピリミジン−2−イル)オキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.02g、0.033mmol)のDCM(5mL)溶液を0℃に冷却し、TFA(0.5μl、6.49μmol)を添加した。反応混合物を室温で撹拌した一夜。溶媒を蒸発させ、粗製の生成物を分取TLCプレート(MeOH/CHCl 9%)で精製して、生成物を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.34 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 5.27 - 5.34 (m, 1H), 4.33 - 4.50 (m, 1H), 3.74 - 3.94 (m, 2H), 3.47 (ddd, J = 9.04, 14.56, 16.56 Hz, 1H), 3.35 - 3.39 (m, 1H), 3.20 (td, J = 4.89, 13.30 Hz, 2H), 2.06 - 2.22 (m, 4H), 1.35 (d, J = 6.53 Hz, 6H), 1.30 (d, J = 1.51 Hz, 6H); LCMS 510.0 (M+H)+
【0362】
実施例42
【化187】
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実施例42の化合物を、実施例41に記載する方法により製造した。LCMS 508.2 (M+H)+; HPLC RT 8.11分, 条件K
【0363】
実施例43
【化188】
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【0364】
【化189】
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工程1:撹拌中のZn末(4.98g、76mmol)のTHF(100mL)懸濁液にTMS−Cl(9.73mL、76mmol)、エチル2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(3.40g、16.75mmol)を添加した。混合物を15分撹拌し、N−((1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−イル)メチル)−N−ベンジル−1−フェニルメタンアミン(5g、15.22mmol)のTHF(50mL)溶液をゆっくり添加した。反応混合物を2時間撹拌した。反応物を10%重炭酸ナトリウム溶液をゆっくり添加することにより反応停止し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗製の物質をカラムクロマトグラフィーで精製して、エチル3−(ジベンジルアミノ)−2,2−ジフルオロプロパノエート(5g、95%収率)を淡黄色油状物として得た。LCMS 334.2 (M+H)
【0365】
【化190】
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工程2:エチル3−(ジベンジルアミノ)−2,2−ジフルオロプロパノエート(8g、24.00mmol)のTHF(80mL)溶液に、0℃でメチルMgBr(24mL、72.0mmol)を滴下した。添加完了後反応物を室温で1時間撹拌した。反応物を0℃に冷却し、塩化アンモニウム溶液の添加により反応停止した。水層を酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗製の物質をカラムクロマトグラフィーで精製して、4−(ジベンジルアミノ)−3,3−ジフルオロ−2−メチルブタン−2−オール(5g、64%収率)を淡黄色油状物として得た。LCMS 320.2 (M+H)+.
【0366】
【化191】
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工程3:4−(ジベンジルアミノ)−3,3−ジフルオロ−2−メチルブタン−2−オール(5g、15.65mmol)のMeOH溶液に、Pd/C(2.5g、23.49mmol)および水酸化パラジウム(2.5g、15.65mmol)を添加し、反応物質を室温で4時間水素化した。反応物をセライト(登録商標)で濾過し、濾液を濃縮して、4−アミノ−3,3−ジフルオロ−2−メチルブタン−2−オールを淡黄色油状物として得た(2g、91%収率)。1H NMR (MeOD4, 400 MHz) δ 3.14 (t, J = 16.4 Hz, 2H), 1.30 (s, 6H)
【0367】
【化192】
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工程4:6−クロロ−4−(シクロプロピルアミノ)ニコチン酸(1g、4.70mmol)のDMF(10mL)溶液に、DIPEA(2.46mL、14.11mmol)、4−アミノ−3,3−ジフルオロ−2−メチルブタン−2−オール(0.79g、5.64mmol)およびHATU(1.79g、4.70mmol)を添加し、反応物を室温で2時間撹拌した。反応物質を水で希釈し、酢酸エチル(3×75ml)で抽出した。合わせた有機層を10%重炭酸ナトリウムおよび水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、6−クロロ−N−(2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(イソプロピルアミノ)ニコチンアミド(1.30g、60%収率)を得た。
【0368】
工程5:6−クロロ−4−(シクロプロピルアミノ)−N−(2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド(0.2g、0.599mmol)のジオキサン(5mL)溶液に、6−アミノ−5−クロロニコチノニトリル(0.110g、0.719mmol)、CsCO(0.586g、1.798mmol)およびXantphos(0.277g、0.479mmol)を添加し、反応物を脱気した。Pddba(0.219g、0.240mmol)を添加し、混合物を再び脱気し、密閉チューブで110℃で一夜加熱した。反応物を冷却し、セライト(登録商標)で濾過し、分取HPLCで精製して、6−((3−クロロ−5−シアノピリジン−2−イル)アミノ)−4−(シクロプロピルアミノ)−N−(2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド(61mg、18%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.68 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 4.01 (t, J = 16 Hz, 1H), 2.67 - 2.73 (s, 1H), 1.35 (m, 6H), 1.01 - 1.06 (m, 2H), 0.75 - 0.77(m, 2H); LCMS 451.1 (M+H)+
【0369】
実施例44
【化193】
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【0370】
【化194】
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工程1:撹拌中の4−(ジベンジルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸(1.5g、4.64mmol)のDMF(15mL)懸濁液にHATU(3.53g、9.28mmol)およびDIPEA(4.05mL、23.19mmol)を添加した。反応物を5分撹拌し、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.26g、23.2mmol)を添加した。反応物を3時間撹拌し、水を添加し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、4−(ジベンジルアミノ)−N−メトキシ−N−メチルシクロヘキサンカルボキサミド(0.9g、54%収率)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.27 - 7.40 (m, 8H), 7.18 - 7.24 (m, 2H), 3.66 (s, 3H), 3.60 (s, 4H), 3.06 (s, 3H), 2.62 (br. s., 1H), 2.41 (t, J = 11.80 Hz, 1H), 1.87 (d, J = 10.04 Hz, 2H), 1.76 (d, J = 11.04 Hz, 2H), 1.40 - 1.54 (m, 2H), 1.14 - 1.27 (m, 2H); LCMS 367.0 (M+H)+
【0371】
【化195】
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工程2:撹拌中の4−(ジベンジルアミノ)−N−メトキシ−N−メチルシクロヘキサンカルボキサミド(800mg、2.183mmol)の乾燥THF(16mL)溶液に、0℃でメチルMgBr(1.091mL、3.27mmol)を添加した。反応物を室温に温め、2時間撹拌した。反応物を氷浴で冷却し、飽和NHClで反応停止させた。合わせた有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、1−(4−(ジベンジルアミノ)シクロヘキシル)エタノンを得た。LCMS 322.4 (M+H)+
【0372】
【化196】
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工程3:撹拌中の1−(4−(ジベンジルアミノ)シクロヘキシル)エタノン(1.2g、3.73mmol)の乾燥THF(24mL)溶液に、シクロプロピルマグネシウムブロマイド(14.93mL、7.47mmol)を0℃で滴下した。反応物を室温に温め、3時間撹拌した。反応物を氷浴で冷却し、飽和NHClで反応停止させた。合わせた有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、1−シクロプロピル−1−(4−(ジベンジルアミノ)シクロヘキシル)エタノールをジアステレオマー混合物として得た。LCMS 364.3 (M+H)+
【0373】
工程4:1−シクロプロピル−1−((1s,4s)−4−(ジベンジルアミノ)シクロヘキシル)エタノール(1.2g、3.30mmol)のMeOH(24mL)溶液にPd/C(0.527g、0.495mmol)を添加し、水素雰囲気下、RTで16時間撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)で濾過し、濾液を濃縮して、1−((1s,4s)−4−アミノシクロヘキシル)−1−シクロプロピルエタノールをジアステレオマー混合物として得た(95%収率)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.57 (s, 1H), 1.80 (m, 4H), 1.00 - 1.22 (m, 4H), 0.91 - 0.99 (m, 6H), 0.71 - 0.83 (m, 1H), 0.33 (t, J = 6.04 Hz, 1H), 0.13 - 0.26 (m, 3H)。
【0374】
下の表の実施例化合物は、先に記載した実施例に準じる方法で、適宜アミンを替えて製造した。
【0375】
【表8】
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【表9】
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【0376】
【表10】
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【表11】
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【0377】
【表12】
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【表13】
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【0378】
【表14】
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【表15】
[この文献は図面を表示できません]
【0379】
【表16】
[この文献は図面を表示できません]
【表17】
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【0380】
【表18】
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【表19】
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【0381】
【表20】
[この文献は図面を表示できません]
【表21】
[この文献は図面を表示できません]
【0382】
【表22】
[この文献は図面を表示できません]
【表23】
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【0383】
【表24】
[この文献は図面を表示できません]
【表25】
[この文献は図面を表示できません]
【0384】
【表26】
[この文献は図面を表示できません]
【表27】
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【0385】
【表28】
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【表29】
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【0386】
【表30】
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【表31】
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【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]