特許第6204493号(P6204493)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204493
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】水イオンの空気清浄機
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/22 20060101AFI20170914BHJP
   B03C 3/02 20060101ALI20170914BHJP
   C02F 1/46 20060101ALI20170914BHJP
   A61L 9/14 20060101ALI20170914BHJP
   B01D 50/00 20060101ALI20170914BHJP
   B03C 3/16 20060101ALI20170914BHJP
   B03C 3/40 20060101ALI20170914BHJP
   B03C 3/41 20060101ALI20170914BHJP
   F24F 7/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   A61L9/22
   B03C3/02 A
   C02F1/46 A
   A61L9/14
   B01D50/00 501K
   B01D50/00 501Q
   B01D50/00 502A
   B03C3/16 A
   B03C3/40 A
   B03C3/41 A
   F24F7/00 B
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-549941(P2015-549941)
(86)(22)【出願日】2013年10月8日
(65)【公表番号】特表2016-507274(P2016-507274A)
(43)【公表日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】CN2013001191
(87)【国際公開番号】WO2014101262
(87)【国際公開日】20140703
【審査請求日】2015年8月18日
(31)【優先権主張番号】201210589889.2
(32)【優先日】2012年12月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515170403
【氏名又は名称】周志強
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】周志強
【審査官】 中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−105707(JP,A)
【文献】 特開2003−079714(JP,A)
【文献】 特開2007−190412(JP,A)
【文献】 特開2010−064001(JP,A)
【文献】 特開平09−075777(JP,A)
【文献】 特開2007−335249(JP,A)
【文献】 特開2001−149460(JP,A)
【文献】 特開2006−212588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/22
A61L 9/14
B01D 50/00
B03C 3/02
B03C 3/16
B03C 3/40
B03C 3/41
C02F 1/46
F24F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気清浄機装置であって、その本体(14)は両側の空気吸入口(1)と、1つの空気排出口(15)と、空気排出口吸気装置(11)と、を含み、前記吸気装置は外気を清浄機本体に吸い込んで浄化した後に清浄な空気を排出することに用いられ、
まず、空気が入る時に、先に陰イオン放出鋼線(2)を介して空気を負電荷を持たせて殺菌し、負電荷を持つ空気はナノ噴霧管(3)から噴出したナノスケールの水ミストと混合して複数の集塵板(4、4a、4b)に入り、ナノスケールの水ミストは貯水タンク(9)内の超音波霧化器(5)により霧化された後に、ナノエミッター(6)により電離して微細化された後に噴出し、貯水タンクの水は外接の給水タンク(10)の水電気分解器(16)により電気分解された後に供給され空気が、ナノエミッター(6)により電離して微細化された液滴に接する時に、空気内のPM2.5などの微小ダスト粒子は慣性の作用で空気の気流から分離して液滴と衝突して、捕捉され、凝集され、空気内のPM2.5などの微小ダスト粒子が負電荷に吸着されて液滴に湿潤された後に、比較的に大きい粒子を集めて重力沈下を実現し、空気と液滴とが混合した後に集塵板を流れ、衝撃力、湿潤付着作用及び集塵板電場の静電吸着作用により、分離されたPM2.5などの帯電の微小ダスト粒子を集塵板に付着させ、一定の重力に達した後に廃水タンク(7)に落ちて排水口(8)から排出し、分離した微小ダスト粒子を含有しない負電荷の自然な清浄空気は絶えずに吸気装置(11)から抽出され
前記複数の集塵板(4、4a、4b)が互いに平行に配列され、各集塵板に通気孔が開けられており、前記通気孔は、空気が前記通気孔を介して前記複数の集塵板(4、4a、4b)を波状に通過するように配置されている空気清浄機装置。
【請求項2】
超音波霧化器(5)ナノ噴霧管(3)、及び噴霧管に取り付けられたナノエミッター(6)は、ナノスケールの超微細液滴を放出する作用を有し、ナノスケールの超微細液滴は空気内のPM2.5等の微小ダスト粒子、ホルマリンを捕捉し、分離し、凝集する作用を有する請求項1に記載の清浄機装置。
【請求項3】
陰イオン放出鋼線(2)は陰イオン発生器(12)のエミッターからアクセスするが、陰イオン発生器(12)の接地端が本体の両側の集塵板に接続することで、陰イオン放出鋼線(2)と集塵板(4、4a、4b)で1つの電場を形成し、空気に対する殺菌および集塵作用を働く請求項1に記載の清浄機装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大気浄化技術に関し、具体的には、陰イオン殺菌による空気浄化、電気集塵、帯電ナノスケールの水ミストによる除塵、バッフル板によるデミスト、超音波霧化、アルカリ水を電気分解することでホルマリンを除去することに関し、ナノ陰イオンの水ミストを発生して空気を洗浄して分離することに関する。特に、ナノ陰イオンの水ミストを自動的に発生して空気内の微小ダスト粒子を吸着し、洗浄し、ろ過する方法および装置に関する。霧化前の水は電気分解器により分解され(アルカリ水を生じる)、空気内の微小ダスト、PM2.5、細菌、ホルマリンなどの汚染空気をろ過することができる。大気浄化作用を実現する。該発明により生成(ろ過)した空気を特別に清浄、新鮮、快適、健康にする。それは国内市場におけるすべての清浄機と共通点を有するが、相違点もある。空気が湿潤(快適)であり、空気が自然陰イオンを有し(新鮮・清浄であり、カーボンブラック現象を生じない)、空気が二次汚染されていない(健康)。
【背景技術】
【0002】
工業の発展、および自動車の登場に伴って、合成家具、化学油性塗料、工場で燃焼して排気することで多くの汚染空気を発生し、この汚染は日常の生活において体の健康に危害を与える源である。そのため、空気汚染および細菌伝播を防止する必要があり、水イオンの空気清浄機を使用して空気を浄化することができる。
【0003】
既存の空気清浄機は多くの種類があるが、使用した空気ろ過技術方法は、基本的に、ろ過スクリーンと静電気集塵とを組み合わせたろ過方法と、化学合成材料から作成したろ過スクリーンは吸着し、ろ過し、殺菌する方法である。しかし、以上の2つの技術はいずれも致命的な欠陥を有し、長期使用の有効性を維持することができず、二次汚染を引き起こしやすい。以上のスクリーン吸着式により空気をろ過することは、異なる技術方式を採用し、ろ過効果も優れるが、ろ過スクリーンにより遮断して吸着する方式を採用して働き、汚染空気を吸着して一定時間を経った後に、集塵スクリーンほこりっぽくなり、集塵効果低下し、または失効するため、交換する必要があり、化学合成材料のろ過スクリーンも一定の飽和容量に達すれば浄化・殺菌などの効果深刻に影響し、または失効し、即時に交換しないと、二次汚染を引き起こす。
【0004】
本発明に係る水イオンの清浄機は、負電荷を持つ超音波ナノスケールの水ミストを自動的に発生し、水ミストは電気分解したアルカリ水を超音波霧化することで形成されるものであり、空気内の細菌を殺すことができ、ホルムアルデヒド、PM2.5などの有害汚染空気とダストとを分離させ、静電気吸着、帯電水ミスト湿式捕捉、重力沈下技術を利用し、超音波により水を霧化し、かつ噴霧管から噴出し、噴霧管の排水口の上方にナノイオン発生器の2つの電極を取り付けて高圧電子電場を形成して水ミストを電離し、より細かいナノスケールの水ミストに微細化して噴出し、かつ殺菌する。水イオン清浄機の空気吸入口箇所に陰イオン発生器の2つの電極が取り付けられ、一方の高圧の負のエミッターは空気を電離して殺菌し、かつそれ負電荷を持たせ、他方の電極が低圧電極の集塵板に接続し、空気水ミストに対して極大の電圧電磁場を形成する。外気が吸気装置の風力により本製品に吸い込まれると、すぐ負電荷を持つと同時に、ナノスケールの水ミストと陰イオンの空気水ミストに混合し、低圧電極集塵板に吸い込まれ、ダストを持った、汚染された帯電水ミストはその重力が大きいため電極集塵板に吸着され、かつそれがダストを含有するので電極集塵板に吸着された噴霧が間断なく集まり、大きな水滴となって重力作用で集水タンクに自由落下し、室外の地下に排出される。ダスト、PM2.5粒子、およびホルマリンなどの汚染物を含有しない水ミスト空気は、その重力が小さいため低圧電極集塵板を通過し、湿度を有し、生物陰イオンを持つ清浄で、健康な空気は本製品の空気排出口を経って部屋に入る。本発明の応用範囲は広く、室内空気浄化、公共の娯楽施設の大気浄化、エアコン、自動車、汽船、キッチンのランプブラック除去などの環境および設備に用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は空気清浄機を提供し、自然界の風雨雷電効果をまねて、優れた、長期にわたって有効に空気内の細菌を殺すことができ、空気内のホルマリン、PM2.5肺部吸入可能な顆粒などの有害汚染空気とダストとを分離させ、清浄な空気を排出することである。
【0006】
本発明の主な目的はナノスケールの水ミスト帯電技術を利用して重力沈下、分離した空気汚染物、PM2.5粒子状物質を湿式に捕捉するとともに、水ミストにより清浄機自体内部の集塵デバイスに対して長期にわたって洗浄除塵を行って、一般の清浄機が長期にわたって使用された後に集塵デバイスが失効し、交換が面倒である欠陥を創造的に解決し、かつ空気湿度を長期にわたって最も快適な(恒湿50−70%)範囲にする
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するために、本発明の水イオンの空気清浄機は吸気および送風システムを有し、空気吸気ファンは外気を清浄機の水ミスト(イオン)浄化システムに吸い込んで汚染空気を分離した後に清浄で、新鮮な空気を排出する。
【0008】
水ミスト(イオン)浄化システムは、給水タンクと、超音波霧化器と、ナノ噴霧管と、ナノ高圧電極と、陰イオン高圧電極と、電気分解器と、集塵板と、廃水回収タンクと、汚水排水管とからなる。
【0009】
水イオンの清浄機が起動する時に、吸気ファンは外部の汚染空気を噴霧(イオン)浄化システムにより浄化した後に排出する。吸気ファンが起動する時に、汚染空気は、まず陰イオンのエミッター線(2)を流れ、汚染空気を入る時に負電荷を持たされ、その後に、負電荷を持った汚染空気は高電圧に接続したナノ噴霧管(3)を流れ、ナノスケールの水ミストが空気を殺菌し、空気内のPM2.5微小ダスト汚染粒子を遮断し、衝突し、凝集させて捕捉を実現し、汚染空気内の微粒子PM2.5、TVOC、ホルマリンなどの有害物質と空気とを分離させることを実現する。最後に加湿した後に、負電荷を持つ空気は接地集塵板を流れきって再び電離分解し、電場電荷の作用力によりPM2.5微小ダスト粒子を集塵板に付着させ、集塵板における微小PM2.5粒子はナノスケールの水ミストとの集まりなので絶えずに重くなってゆき、沈下して液滴と共に廃水回収タンク内へ流れ、その後に排出される。分離した清浄な空気は継続的に吸気ファンを介して空気排出口へ排出される。排出された清浄な空気は湿度と自然状態近い陰イオンを持ち、加湿機能を有し、室内の空気をより新鮮、清浄にする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る水イオンの清浄機の斜視図である。
図2-a】本発明の第1の実施形態の縦断面図である。
図2-b】本発明の第2の実施形態の縦断面図である
図3-a】本発明の第1の実施形態の集塵板の正面のワンピースおよび組合せを示す図である。
図3-b】本発明の第2の実施形態の集塵板の正面のワンピースおよび組合せを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る集塵板は2種の実施形態を採用し、1つはストレートパネル穴開け式であり、第1の実施形態と称し、もう1つの波状板式であり、第2の実施形態と称し、2つの実施形態の動作原理は一致する。
【第1の実施形態】
【0012】
以下、図面、および第1の実施形態を参照しながら本発明を詳しく説明する。
図1は本発明に係る水イオンの空気清浄機の斜視図であり、図2−aは本発明に係る水イオンの清浄機の縦断面図である。
図1および図2−aに示すように、本発明の水イオンの空気清浄機は本体14を含み、本体の底部は貯水タンク9であり、本体14の右側の空気吸入口の下面は給水タンク10であり、給水タンクからの水は電気分解器16により電気分解された後に貯水タンク9に接続して供給され、貯水タンクの底部は洗浄排水口17であり、本体の左右両側にそれぞれ2つの空気吸入口1と、1つの空気排出口15とが設けられ、空気排出口が本体14の裏面に取り付けられ、吸気装置11が本体14の裏面の空気排出口箇所に密接して取り付けられ、外気を吸い込んで浄化され、かつ浄化された新鮮な空気を排出することに用いられる。
【0013】
図2−aに示すように、本体14の最底部に陰イオン発生器12が取り付けられ、そのエミッターにエミッター鋼線2が接続し、接地電極が両側の集塵板4、4a、4bに接続し、集塵板4、4a、4bと陰イオンのエミッター鋼線2との間に電場を形成して集塵およびデミストの作用を実現し、それと同時に陰イオンは浄化殺菌剤の作用を奏する。両側の集塵板の底部に廃水タンク7が設けられ、廃水タンクの底部に排水口8が設けられ、空気内の汚染物PM2.5、ホルマリン、TOVCなどは分離された後に、液滴の重力作用で廃水タンク7に沈下した後に排出される図2−aに示すように、液滴をより微細化にするために、本体14の底部にナノ電極発生器13が取り付けられ、そのエミッターは2本の鋼針からなり本体14の両側のナノ噴霧管3の底端に取り付けられ、ナノエミッター6とも称し、その目的は高電圧の激しい衝撃を利用して、超音波霧化器5が発生した本来ナノスケールの液滴をより微細化にすることであり、細かいは霧はPM2.5肺部吸入可能な顆粒に対する捕捉沈下を強化するとともに、殺菌作用を奏する。それと同時に、超音波が霧化するのに用いられた水は電気分解器16により電気分解されて分離されたアルカリ水であり、電気分解水はホルマリン除去の作用を長期的に、効果的に発揮することができ、かつ殺菌、脱臭という効果を有する。
【0014】
図3−aに示すように、本体両側の集塵板4は導電板に穴を開けることで製造されており集塵板がお互いに平行に配列される場合に、集塵板4、4aおよび4bの通気孔は波状を呈し、このように、空気波状に入る時に集塵板に衝撃を与え、激しい衝撃および静電の吸着作用で空気汚染物を分離させ、さらにナノ帯電水ミスト捕捉して、集塵効果を最大化にするため、集塵板に付着された汚染物は液滴の増加に伴って凝集し、液滴によって廃水タンクに洗い流されて排出され、集塵板は長期にダストが積み重なって失効しないことが確実になる。集塵板の別の機能は脱水であり、水ミストが入った後に集塵板のバッフル方式により何層も遮断することで、最終に排出されるのは、浄化された、人体の感覚にもう少し適合するジメジメ(恒湿50−70%)した新鮮な空気である。
【第2の実施形態】
【0015】
図1および図2−bに示すように、発明の全体と動作原理とは一致する。図3−bのb1、b2に示すように、集塵板波状の導電板を採用して組み合わされていることが唯一の区別である。図2−bに示すように、その取付け位置は第1の実施形態と一致し、動作原理が一致し、図2−aおよび図2−bという2種の集塵板の主な区別は、前者が風に対する抵抗比較的大きく、通気量の必要が小さい場所への取り付けに適していることである。後者が風に対する抵抗が前者より少し小さく、通気量の必要が比較的大きい場所への取付けに適している。
図1
図2-a】
図2-b】
図3-a】
図3-b】