(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スピン算出方式を選択するステップで前記第1特徴部と前記第2特徴部とを比較して、特徴部の大きさまたはピクセルの数において、前記第1特徴部が前記第2特徴部よりも大きいか、または多い場合、
前記スピン軸及びスピン量を見つけるステップは、
前記第1特徴部をなす各ピクセルの位置情報に対して、任意のスピン軸及びスピン量に対する任意のスピン情報を適用するステップと、
前記任意のスピン情報が適用されたピクセルの位置情報と、前記第2特徴部をなす各ピクセルの位置情報とを比較するステップと、
前記任意のスピン情報が適用されたピクセルの位置情報と、前記第2特徴部をなす各ピクセルの位置情報とが、予め設定された水準で一致すると判断される場合、前記任意のスピン情報を最終のスピン情報として決定するステップと
を含む請求項9に記載の運動するボールに対するセンシング方法。
前記スピン算出方式を選択するステップで前記第1特徴部と前記第2特徴部とを比較して、特徴部の大きさまたはピクセルの数において、前記第1特徴部が前記第2特徴部よりも小さいか、または少ない場合、
前記スピン軸及びスピン量を見つけるステップは、
前記第2特徴部をなす各ピクセルの位置情報に対して、任意のスピン軸及びスピン量を逆に算出した任意の逆スピン情報を適用するステップと、
前記任意の逆スピン情報が適用されたピクセルの位置情報と、前記第1特徴部をなす各ピクセルの位置情報とを比較するステップと、
前記任意の逆スピン情報が適用されたピクセルの位置情報と、前記第1特徴部をなす各ピクセルの位置情報とが、予め設定された水準で一致すると判断される場合、前記任意の逆スピン情報を再び逆に算出したスピン情報を最終のスピン情報として決定するステップと
を含む請求項9または10に記載の運動するボールに対するセンシング方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る運動するボールに対するセンシング装置及びセンシング方法に関する具体的な内容を、図面を参照して説明する。
【0012】
本発明は、基本的に、ユーザがゴルフクラブでゴルフボール(以下、"ボール"という)を打撃することを所定のカメラで撮影し、その撮影されたイメージを分析することによって打撃されたボールのスピンを算出するようにしたもので、前記カメラは、複数個のカメラによりステレオ方式で構成されるステレオカメラまたは3Dカメラであって、ボールに対する2次元イメージ上の座標を3次元座標に変換したり、その反対の変換が可能なようにする構成であることが好ましい。
【0013】
そして、本発明に係る運動するボールに対するセンシング装置及びセンシング方法は、ユーザのゴルフスイングによるボールの打球分析や仮想現実ベースのシミュレーションを用いた仮想ゴルフなどの様々な分野に適用することができる。
【0014】
まず、
図1及び
図2を参照して、本発明の一実施例に係る運動するボールに対するセンシング装置について説明する。
【0015】
図1及び
図2に示すように、本発明の一実施例に係る運動するボールに対するセンシング装置は、イメージ取得手段100、イメージ処理手段200及びスピン算出手段300を含んで構成される。
【0016】
イメージ取得手段100は、カメラ装置であって、上述したように、ステレオ方式のカメラ装置であるか、または3Dカメラ装置として具現することができる。
図1では、第1カメラ110及び第2カメラ120によってステレオ方式のカメラ装置としてイメージ取得手段100が具現された場合を示している。
【0017】
イメージ処理手段200は、イメージ取得手段100によって取得された各イメージからボール部分に対するイメージであるボールイメージを抽出し、前記ボールイメージ上のディンプル部分及び各種ノイズ部分を除去することによって、前記ボールイメージ上の特徴部、すなわち、ボールに表示された商標やロゴ、傷などの不特定の表示を抽出するようにする構成要素である。
【0018】
イメージ処理手段200は、ボールイメージ抽出手段210及びボール特徴部抽出手段230を含んで構成されることが好ましい。
【0019】
ボールイメージ抽出手段210は、イメージ取得手段100によって取得されたイメージであるソースイメージからボール部分に対するイメージであるボールイメージを抽出し、そのボール部分に対する中心座標を抽出するように構成される。これについての具体的な事項は後述する。
【0020】
ボール特徴部抽出手段230は、ボールイメージ抽出手段210により抽出されたボールイメージに対して、それぞれのボールイメージの大きさ及び明るさなどに対する正規化(Normalization)などが行われるようにし、イメージ上に示されたボールの特徴部(ボールに表示された商標やロゴ、傷などの不特定の表示)部分を抽出する構成要素である。これについての具体的な事項は後述する。
【0021】
一方、スピン算出手段300は、任意の連続する2つのボールイメージ上でそれぞれ抽出された特徴部の位置変化を分析することによって、すなわち、先に取得されたイメージ上の特徴部が、どのような3次元空間上のスピン軸及びスピン量によって、後に取得されたイメージ上の特徴部に変化したかを分析することによって、最終的なボールのスピン軸及びスピン量に対する情報を見つけるようにする構成要素であって、
図1及び
図2に示すように、算出方式選択手段350、順演算分析手段360及び逆演算分析手段370を含んで構成されることが好ましい。
【0022】
本発明は、基本的に、連続的に撮影された運動するボールに対するイメージのうち、連続する2つのイメージずつ分析し、先に取得されたイメージを第1イメージとし、後に取得されたイメージを第2イメージとするとき、第1イメージが取得される時のボール状態から第2イメージが取得される時のボール状態になるスピンを算出する。第1イメージ上の特徴部が第2イメージ上の特徴部の位置に変化するためのスピン軸及びスピン量を見つける方式でスピンを算出するか、または第2イメージ上の特徴部から第1イメージ上の特徴部に逆回転させ、それからスピン軸及びスピン量を見つける方式でスピンを算出する。
【0023】
すなわち、前記第1イメージ上の特徴部に任意のスピン軸及びスピン量を適用した結果と前記第2イメージ上の特徴部とを比較分析する方式、及び前記第2イメージ上の特徴部に任意のスピン軸及びスピン量を逆に適用した結果と前記第1イメージ上の特徴部とを比較分析する方式のいずれか1つの方式を、予め設定された事項に応じて選択的に行うことによって、前記第1イメージから第2イメージへのボールの運動によるスピン軸及びスピン量を算出するようにする。
【0024】
以下、前者のスピン算出方式は順演算分析方式といい、後者のスピン算出方式は逆演算分析方式という。
【0025】
算出方式選択手段350は、連続的に取得されたイメージからそれぞれ抽出されたボールの特徴部を持ってスピンを算出する方式を選択するようにするための構成要素であって、分析対象である連続する2つのイメージのそれぞれの特徴部を互いに比較することによって、その結果に応じて、上記の順演算分析方式によりスピンを算出するか、または、上記の逆演算分析方式によりスピンを算出するかを選択する機能をする。これについての具体的な事項は後述する。
【0026】
順演算分析手段360は、上記の順演算分析方式によって運動するボールに対するスピン情報を算出するようにする機能をし、逆演算分析手段370は、上記の逆演算分析方式によって運動するボールに対するスピン情報を算出するようにする機能をし、これについての具体的な事項は後述する。
【0027】
一方、
図3に示すように、地面Gに対するi,j,k座標系を基準にして第1カメラ110及び第2カメラ120のそれぞれが取得したボールに対するイメージから、ボール10が運動することによる、それぞれのイメージが取得された位置での位置情報を知ることができる。
【0028】
すなわち、第1カメラ110及び第2カメラ120は、ステレオ方式(Stereoscopic)の構成を有するイメージ取得装置であるので、2つのカメラが同一の被写体に対して取得したイメージから被写体の3次元座標情報を抽出することができ、
図3では、ボール10が第1位置から第2位置に運動するに伴って、第1位置の座標情報(x,y,z)及び第2位置の座標情報(x',y',z')をそれぞれ抽出することができる。
【0029】
このとき、第1カメラ110及び第2カメラ120は固定されており、したがって、第1カメラ110及び第2カメラ120の位置座標を知ることができる。
【0030】
このような状態で、ある1つのカメラによって運動するボールに対して連続的に取得されたイメージのうちの一部を、
図4の(a)から(c)を通じて確認することができる。
【0031】
すなわち、
図4の(a)から(c)は、固定されたカメラによって、その画角内の運動するボールに対するイメージを所定の時間間隔で取得したイメージに対して、差映像などを通じて背景部分などを除去し、ボール部分21,22,23のみが残っている状態のイメージを示したものである。
【0032】
図4の(a)、(b)及び(c)から、ボールが左側対角線方向に飛んで行く状態であることがわかり、ボールがカメラに近接する時には、
図4の(a)のようにボール21が大きく見え、カメラから次第に遠ざかるほど、
図4の(b)及び(c)のようにボール22,23がだんだん小さく見えるようになることがわかる。
【0033】
ここで、
図4の(a)、(b)及び(c)に示したイメージ、すなわち、最初に取得されたイメージから背景部分及び各種ノイズ部分を差映像などを通じて除去し、動く部分であるボール部分のみが残った状態のイメージをソースイメージという。
【0034】
それぞれのソースイメージ上でボール部分21,22,23を見ると、ボール自体の表面に表示された特徴部F1,F2,F3が、ボールの回転に伴ってその位置が変わっていることがわかる。
【0035】
ここで、関心対象は、ボール上の特徴部F1,F2,F3の部分であり、これを正確に抽出してその位置変化を分析することによって、ボールのスピンを算出することができる。
【0036】
そのために、まず、
図4に示したようなソースイメージからボール部分21,22,23に対するイメージ、すなわち、ボールイメージのみを効果的に抽出することが必要である。
【0037】
図5の(a)から(c)では、それぞれのソースイメージからボール部分のみを抽出する過程を示しており、まず、ソースイメージにおいてボール部分21,22,23を探し、
図6に示したように、ボール部分21の中心点Cが、抽出するイメージ211の中心点となり、ボール部分21の外郭線が、抽出するイメージ211の外郭線と実質的に接するようにして正確に抽出するようにすることが好ましい。
【0038】
このような方法で、各ソースイメージからボール部分21,22,23のみを抽出したイメージ、すなわち、ボールイメージ211,212,213は、それぞれのソースイメージ上でのボールの大きさに対応する大きさであるので、互いに異なる大きさを有し、各ソースイメージ上に示されたボール部分21,22,23は、カメラとの距離に応じて照明の影響が異なるので、明るさも各ボールイメージ毎に異なる。
【0039】
正確なボール特徴部の抽出のためには、それぞれのボールイメージ211,212,213の大きさを同一にし、明るさを正規化することが必要である。
【0040】
図7の(a)から(c)は、
図5の(a)から(c)にそれぞれ対応するボールイメージに対する大きさ及び明るさの正規化(Nomalization)が行われたイメージを示したものである。
【0041】
すなわち、それぞれのボールイメージ211,212,213に対して、予め設定された大きさに合せて拡大又は縮小するか、または、ボールイメージ211,212,213のいずれか1つを基準として、それに合わせて他のボールイメージを拡大又は縮小することによって、すなわち、各ボールイメージに対してノーマライズ処理を行うことによって、ボールイメージの大きさが互いに同一になるようにする。
【0042】
そして、それぞれのボールイメージに対して、ボール部分をなす全てのピクセルの平均値を用いてノーマライズ処理を行うことによって、各ボールイメージの全体的な明るさが互いに同一になるようにする。
【0043】
一方、上述したように、ボールイメージに対する正規化が完了した後には、それぞれの正規化されたボールイメージに対して、
図8に示したように、ボール特徴部抽出手段によるボール特徴部の抽出が行われる。
【0044】
すなわち、
図8の(a)に示されたボールイメージを第1ボールイメージとし、(b)に示されたボールイメージを第2ボールイメージとするとき、第1ボールイメージは、連続して取得された2つのイメージのうち先に取得されたイメージであり、第2ボールイメージは、後に取得されたイメージであり、
図8の(c)は、第1ボールイメージ上の特徴部F1に対する抽出が完了した特徴部FC1を有する第1特徴部イメージであり、
図8の(d)は、第2ボールイメージ上の特徴部F2に対する抽出が完了した特徴部FC2を有する第2特徴部イメージである。
【0045】
ここで、特徴部の抽出は、差映像技法などの様々なイメージ処理技法により行われてもよい。
【0046】
上述したように、抽出された特徴部FC1,FC2を有する特徴部イメージが用意されると、これを用いて、スピン算出手段による、運動するボールのスピン情報を算出する過程が行われる。
【0047】
ここで、ボールのスピンは、
図9に示すように、i軸、j軸及びk軸座標系による3次元空間上のスピン軸に対する座標情報、及び前記スピン軸を中心に回転した角度、すなわち、スピン量に対する情報を算出することによって求めることができる。
【0048】
図9に示したように、3次元空間上での回転運動は、ピッチ、ヨー、ロール(pitch、yaw、roll)成分をそれぞれ含むことができ(例えば、スピン軸がk軸と一致する場合には、ボールはサイドスピン(Side Spin)のみを有するようになり、スピン軸がi軸と一致する場合には、ボールはバックスピン(Back Spin)またはフォワードスピン(Forward Spin)のみを有するようになる)、i軸方向の回転成分をθ、j軸方向の回転成分をλ、そしてk軸方向の回転成分をρとすると、求めようとするスピンのベクトル(ω)は、下記の[数式1]のように示すことができる。
【0050】
スピンベクトル(ω)から、下記の[数式2]のようにスピン軸情報及び[数式3]のようにスピン量情報をそれぞれ算出することができる。ここで、αは、スピン量情報を示す。
【0053】
したがって、運動するボールのスピンに対するyaw回転成分であるθ、roll回転成分であるλ、そして、pitch回転成分であるρ値を見つけることによって、スピン軸及びスピン量情報を求めることができる。
【0054】
このようなスピン軸及びスピン量情報を見つけることは、
図7に示したように、ボールイメージから抽出された特徴部から行われ得る。
【0055】
すなわち、
図8に示したように、連続する2つのボールイメージに対する特徴部イメージ(
図8の(c)及び(d))を用いて、スピン軸及びスピン量を抽出することができる。
【0056】
ここで、2つの特徴部イメージ上の特徴部に応じて、スピン算出方式が順演算分析方式及び逆演算分析方式のいずれか1つとして決定される。
【0057】
図10及び
図11を参照して、スピン算出方式を順演算分析方式にするか、または逆演算分析方式にするかに対する基準について説明する。ここで、
図10及び
図11の(a)及び(b)は、それぞれ
図8の(c)及び(d)のような特徴部イメージを示したもので、理解の便宜のため、ボールの形状を共に示したものである。
【0058】
図10において、第1特徴部イメージ上の第1特徴部FC1は、その形状が完全に示されているが、第2特徴部イメージ上の第2特徴部FC2は、ボールの回転によって一部がボールの後方に位置してしまい、一部分のみが示されている場合である。
【0059】
この場合は、第1特徴部FC1と第2特徴部FC2の全体の大きさを比較して、または、各特徴部のピクセル数を比較して、第1特徴部FC1がさらに大きいか、またはピクセル数がさらに多い場合であって、順演算分析方式によってスピン算出を行う場合である。
【0060】
ところが、
図11において、第1特徴部イメージ上の第1特徴部FC1は、第2特徴部イメージ上の第2特徴部FC2よりも大きさがさらに小さいか、またはピクセルの数がさらに少ない。
【0061】
この場合には、順演算分析方式によって第1特徴部FC1(
図11の(a))のピクセルの位置情報を変換して第2特徴部FC2(
図11の(b))と比較する場合、第2特徴部FC2の一部に対してのみ一致するか否かに対する情報を得ることができ、第2特徴部FC2の全てを含むことはできなくなるため、順演算分析方式を適用してスピン算出を行うことが非常に不正確である。
【0062】
したがって、
図11の(a)及び(b)の場合のように、先に取得されたイメージの特徴部と後に取得されたイメージの特徴部の大きさまたはピクセル数を比較して、前者が、大きさがさらに小さいかまたはピクセル数がさらに少ないときには、逆演算分析方式によってスピン軸及びスピン量を逆に見つける方式でスピン情報を算出することが好ましい。
【0063】
まず、順演算分析方式によるスピン算出過程について数式を用いて説明する。順演算分析方式は、
図8の(c)及び(d)のように、2つの特徴部の大きさまたはピクセル数がほぼ同一であるか、または、
図10の(a)及び(b)のように、第1特徴部の大きさが第2特徴部よりも大きいか、または第1特徴部のピクセル数が第2特徴部よりも多い場合に適用される。
【0064】
下記の[数式4]及び[数式5]のように、第1特徴部及び第2特徴部のそれぞれをなすピクセルの位置情報を3次元位置情報に変換して示すことができる。
【0065】
[数式4]
PC1set_3D=C1*P1set_3D
【0066】
[数式5]
PC2set_3D=C2*P2set_3D
【0067】
ここで、P1set_3Dは、第1特徴部FC1(
図8参照)上の各ピクセルの座標(2次元座標)に対する行列をP1setとするとき、当該P1setを3次元座標情報に変換した行列である。
【0068】
P2set_3Dは、第2特徴部FC2(
図8参照)上の各ピクセルの座標(2次元座標)に対する行列をP2setとするとき、当該P2setを3次元座標情報に変換した行列である。
【0069】
C1及びC2は、運動するボールを眺めるカメラの位置及び方向を一貫した基準によって補正するための位置補正情報を回転行列として算出したものであって、C1は、第1特徴部のピクセルの位置座標の補正のためのものであり、C2は、第2特徴部のピクセルの位置座標の補正のためのものである。
【0070】
PC1set_3Dは、第1特徴部上のピクセルの3次元座標に対して位置補正された行列であり、PC2set_3Dは、第2特徴部上のピクセルの3次元座標に対して位置補正された行列である。
【0071】
ここで、上記のC1及びC2の位置補正情報について説明すると、カメラによって取得されたイメージ上のボールの位置は、カメラが眺める方向に応じてスピン軸及びスピン量が異なって観察されるので、正確に基準を立て、その基準に合わせて絶対的なスピン軸及びスピン量を算出できるようにすることが必要であり、そのためには、連続的に取得されるそれぞれのイメージ毎に、ボールに対して、相対的にカメラが同一の位置及び方向にボールを眺めたようにカメラの位置及び方向情報を補正することによって、ボールの正確なスピン情報を算出できるようになる。
【0072】
例えば、
図12に示すように、ボールがd方向に沿って進行しながらカメラ110によって撮影されるそれぞれの位置毎に、ボール10が進行する方向ベクトルBjに対して垂直をなしながら地面Gに平行な方向ベクトルBiの方向にカメラがボールを眺めたようにカメラ110の位置及び方向を補正するための位置補正情報を生成し、これをスピン算出に適用する必要がある。
【0073】
実際には、カメラが固定されており、ボールが飛んで行くと、これを固定された位置から眺めるようなイメージを取得するようになり、このようなイメージではボールの位置毎にスピンが異なって観察されるので、算出されるスピン情報がそれぞれ異なり、正確なスピンの算出が難しいため、位置補正を通じて、カメラがボールと一定の距離離れた位置で常にボールと共に動く状態でボールを撮影したように位置補正を行い、その位置補正が行われた状態で後述する任意のスピン情報の適用及び最終のスピンの決定などの過程が行われるようにすることによって、正確なスピンの算出が行われるようにしたものである。
【0074】
一方、見つけようとする最終的なスピン情報として、スピン軸ベクトルをωとし、スピン量をαとするとき、これを用いて回転行列R(ω,α)を算出することができ、これは、前記各特徴部のピクセルの3次元変換された位置情報であるPC1set_3D及びPC2set_3Dと次の[数式6]のような関係が成立する。
【0075】
[数式6]
R(ω,α)*PC1set_3D=PC2set_3D
【0076】
[数式6]に[数式4]及び[数式5]を代入すると、次の[数式7]のような関係式が成立する。
【0077】
[数式7]
PC2set_3D=C2
T*R(ω,α)*C1*P1set_3D
【0078】
ここで、C2
Tは、行列C2の転置行列(Transposed Matrix)である。
【0079】
[数式7]を通じて第1特徴部のピクセルの位置情報を3次元位置情報に変換し、これに位置補正情報を適用した後、任意のスピン情報を適用した結果を算出することができ、すなわち、[数式7]において求めようとする最終のスピン情報であるR(ω,α)の代わりに任意のスピン情報を代入すればよい。
【0080】
任意のスピン情報として、任意のスピン軸ベクトルω'及び任意のスピン量α'を用いて算出された回転行列R(ω',α')を[数式7]に代入した結果をTset_3Dとすると、次の[数式8]のような関係式が成立する。
【0081】
[数式8]
Tset_3D=C2
T*R(ω',α')*C1*P1set_3D
【0082】
[数式8]によって求められたTset_3Dを、再び2次元座標に変換することができ、これをTsetとする場合、当該Tsetと上記P2setとが互いに一致すれば、R(ω',α')とR(ω,α)は互いに同じ値を有するようになるので、前記任意のスピン情報であるR(ω',α')を最終のスピン情報として決定することができる。
【0083】
すなわち、互いに異なる任意のスピン情報をそれぞれ適用した多数のTsetのうち、P2setと最も一致する、すなわち、類似度が最も高いTsetに適用された任意のスピン情報を最終のスピン情報として決定するようになる。
【0084】
これは、TsetとP2setとを比較して位置座標が互いに一致するピクセルの数を算出し、その一致するピクセルの数が一定水準を超える又はそれ以上である場合、または、TsetのピクセルとP2setのピクセルに対する所定の関数式による類似度を算出して、一定水準を超える又はそれ以上である場合、当該Tsetに適用された任意のスピン情報が最終のスピン情報となる。
【0085】
ここで、類似度は、例えば、ピクセル全体の数に対する互いに一致するピクセルの数の比率を算出し、その比率を用いて判断することができる。
【0086】
一方、もし、連続して取得された2つのイメージから抽出された特徴部が、
図11の(a)及び(b)のように、第1特徴部FC1の大きさが第2特徴部FC2よりも小さいか、または第1特徴部FC1のピクセル数が第2特徴部FC2よりも少ない場合には、上記のような順演算分析方式によってスピンを算出することができない。
【0087】
したがって、この場合には、逆演算分析方式によるスピン算出が行われる。
【0088】
すなわち、順演算分析方式が、第1特徴部のピクセルの位置座標であるP1setに対して任意のスピン情報であるR(ω',α')を適用したものである一方、逆演算分析方式は、時間的に後に取得されたイメージに対する特徴部である第2特徴部のピクセルの位置座標であるP2setをR(ω',α')に対して逆に回転させて、第1特徴部のピクセルの位置座標であるP1setと比較する。
【0089】
[数式7]を変形して、下記の[数式9]のような関係式を定立することができる。
【0090】
[数式9]
P1set_3D=C1
T*R(ω,α)
T*C2*P2set_3D
【0091】
ここで、任意のスピン軸ベクトルω'及び任意のスピン量α'に対する回転行列R(ω',α')を抽出することができ、P2set_3Dを任意のスピン軸で任意のスピン量だけ逆回転した特徴部の位置座標をinv_Tset_3Dとすると、下記の[数式10]のような表現が可能である。
【0092】
[数式10]
inv_Tset_3D=C1
T*R(ω',α')
T*C2*P2set_3D
【0093】
ここで、求められたinv_Tset_3Dは再び2次元座標に変換することができ、これをinv_Tsetとすると、R(ω',α')とR(ω,α)が一致する場合、当該inv_TsetとP1setは互いに同じ値を有するようになるので、前記任意の逆スピン情報であるR(ω',α')
Tを再び逆に換算したR(ω',α')を最終のスピン情報として決定することができる。
【0094】
すなわち、互いに異なる任意の逆スピン情報をそれぞれ適用した多数のinv_Tsetのうち、P1setと最も一致する、すなわち、類似度が最も高いinv_Tsetに適用された任意の逆スピン情報を再び逆に算出したスピン情報を最終のスピン情報として決定するようになる。
【0095】
これは、inv_TsetとP1setとを比較して位置座標が互いに一致するピクセルの数を算出し、その一致するピクセルの数が一定水準を超える又はそれ以上である場合、または、inv_TsetのピクセルとP1setのピクセルに対する所定の関数式による類似度を算出して一定水準を超える又はそれ以上である場合、当該inv_Tsetに適用された任意の逆スピン情報を再び逆に算出した情報が最終のスピン情報となる。
【0096】
一方、上述したような運動するボールに対するスピン算出過程を、
図13及び
図14に示したフローチャートを通じて再び説明する。
【0097】
図13及び
図14は、一つのフローチャートを分離して示したもので、
図13のA及びBは、それぞれ
図14のA及びBに連結される。
【0098】
図13及び
図14に示すように、運動するボールに対する連続的なイメージの取得が行われ(S10)、それぞれの取得されたイメージに対して背景の除去などを経てソースイメージをそれぞれ抽出する(S12)。
【0099】
そして、各ソースイメージからボール部分を探してボールイメージを抽出し(S14)、それぞれのボールイメージからボール特徴部を抽出して、それぞれ特徴部イメージを用意する(S16)。
【0100】
連続する特徴部イメージのうち、2つのイメージにおいて時間的に前のイメージを第1特徴部イメージとし、後のイメージを第2特徴部イメージとするとき、第1特徴部イメージ上の第1特徴部FC1をなすピクセルの位置情報及び第2特徴部イメージ上の第2特徴部FC2をなすピクセルの位置情報を用いてスピン算出が行われる。
【0101】
ここで、第1特徴部FC1と第2特徴部FC2とを比較するとき、大きさが同一であるか、または第1特徴部FC1がさらに大きい場合、または全体のピクセル数が、第1特徴部FC1が第2特徴部FC2と同一又はさらに多い場合(S22)には、順演算分析によるスピン算出が行われ(S100)、第1特徴部FC1が第2特徴部FC2よりも大きさがさらに小さいか、または全体のピクセルの数がさらに少ない場合には、逆演算分析によるスピン算出が行われる(S200)。
【0102】
順演算方式によるスピン算出が行われると、まず、第1特徴部をなすピクセルの位置情報は3次元位置情報に変換される(S110)。このとき、好ましくは、上述したように位置補正情報が適用されるようにする。
【0103】
そして、任意のスピン軸及びスピン量を抽出して任意のスピン情報を算出し(S120)、前記変換された3次元位置情報に前記任意のスピン情報を適用し(S130)、これを再び2次元位置情報に変換する(S140)。
【0104】
S140過程で変換された2次元位置情報を、第2特徴部をなすピクセルの位置情報と比較して(S150)、位置座標が互いに一致するピクセルの数を求め、その数が予め設定された数を超えるか、またはそれ以上である場合には(S160)、前記適用された任意のスピン軸及びスピン量を最終のスピン軸及びスピン量として決定する(S170)。
【0105】
もし、前記求められた'互いに一致するピクセルの数'が設定数に満たない場合には、再び他の任意のスピン軸及びスピン量に対する任意のスピン情報が算出されて、S130、S140、S150及びS160などの過程を繰り返し、上記の'互いに一致するピクセルの数'が最も多い場合の任意のスピン情報を最終のスピン情報として決定する。
【0106】
一方、逆演算方式によるスピン算出が行われると、まず、第2特徴部をなすピクセルの位置情報が3次元位置情報に変換される(S210)。このとき、好ましくは、上述したように位置補正情報が適用されるようにする。
【0107】
そして、任意のスピン軸及びスピン量を抽出して、これを逆に算出した任意の逆スピン情報を算出し(S220)、前記変換された3次元位置情報に前記任意の逆スピン情報を適用し(S230)、これを再び2次元位置情報に変換する(S240)。
【0108】
S240過程で変換された2次元位置情報を、第1特徴部をなすピクセルの位置情報と比較して(S250)、位置座標が互いに一致するピクセルの数を求め、その数が予め設定された数を超えるか、またはそれ以上である場合には(S260)、前記適用された任意の逆スピン情報を再び逆に算出したスピン軸及びスピン量を最終のスピン軸及びスピン量として決定する(S270)。
【0109】
もし、前記求められた'互いに一致するピクセルの数'が設定数に満たない場合には、再び他の任意のスピン軸及びスピン量に対する任意の逆スピン情報が算出されて、S230、S240、S250及びS260などの過程を繰り返し、上記の'互いに一致するピクセルの数'が最も多い場合の任意の逆スピン情報を再び逆に換算した情報を最終のスピン情報として決定するようになる。
【0110】
以上のような本発明に係るセンシング装置及びセンシング方法によれば、取得されたイメージ上で抽出した特徴部が完全な場合はもちろん、特徴部の一部が隠れて見えない場合にも、順演算分析や逆演算分析を適切に行うことで、安定的に運動するボールのスピン算出を可能にする特長点がある。