(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204505
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】センサ用CTと発電用CTが線路上に並列に分離設けられる電流変成システム、及びこれを無線通信網で管理する統合システム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/00 20160101AFI20170914BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20170914BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20170914BHJP
G01R 15/18 20060101ALI20170914BHJP
H02H 3/08 20060101ALI20170914BHJP
H02H 3/02 20060101ALI20170914BHJP
H01F 38/32 20060101ALI20170914BHJP
H01F 38/14 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
H02J50/00
H02J50/40
H02J50/80
G01R15/18 B
H02H3/08 D
H02H3/02 F
H01F38/32
H01F38/14
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-557952(P2015-557952)
(86)(22)【出願日】2014年2月20日
(65)【公表番号】特表2016-517256(P2016-517256A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(86)【国際出願番号】KR2014001374
(87)【国際公開番号】WO2014129817
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2015年8月13日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0018739
(32)【優先日】2013年2月21日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0053188
(32)【優先日】2013年5月10日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515197307
【氏名又は名称】フェラリスパワー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】コー ジャ−イル
(72)【発明者】
【氏名】キム テ−キュン
【審査官】
高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−058960(JP,A)
【文献】
特表平11−502313(JP,A)
【文献】
特表2007−507999(JP,A)
【文献】
特開2001−033491(JP,A)
【文献】
特開2009−014659(JP,A)
【文献】
特開平07−294584(JP,A)
【文献】
特表2011−501405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00 − 50/90
H02H 1/00 − 3/07
H02H 3/08 − 3/253
G01R 15/18
H01F 38/14
H01F 38/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送/配電線路上に脱/付着可能に設けられ、電磁誘導方式で前記線路に流れる電流を検出するセンサ用CTと、
前記線路上に脱/付着可能に設けられ、電磁誘導方式で電源を生成する発電用CTと、
前記センサ用CT及び前記発電用CTを制御するマイクロプロセッサと、
近距離通信を介して隣接した電流変成システムとデータ通信するRF送受信部ユニットと、TCP/IP通信規格に従い、隣接した無線AP又はスマートフォンを介して統合システムとデータ通信を行うWLAN送受信部ユニットと、を含む通信モジュールと、
を含むことを特徴とする電流変成システム。
【請求項2】
前記センサ用CT及び前記発電用CTは、相互分離されるよう並列に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電流変成システム。
【請求項3】
前記発電用CTは、無接点形式で独立電源を発生させることを特徴とする請求項2に記載の電流変成システム。
【請求項4】
前記発電用CTは、前記センサ用CTに供給される必要電源量に応じて複数個で形成されることを特徴とする請求項3に記載の電流変成システム。
【請求項5】
前記センサ用CT及び前記発電用CTは、それぞれ、
内部にコアとコイルが設けられるトップアセンブリと、
前記トップアセンブリと対応されるボトムアセンブリと、
前記トップアセンブリ及び前記ボトムアセンブリが相互回動結合されるヒンジと、
前記トップアセンブリ及び前記ボトムアセンブリを選択的に開閉するロッククリップと、
を含む構造物であることを特徴とする請求項1に記載の電流変成システム。
【請求項6】
前記マイクロプロセッサは、前記センサ用CTの構造物に一体で形成されることを特徴とする請求項5に記載の電流変成システム。
【請求項7】
前記マイクロプロセッサは、
前記センサ用CTを介して検出した電流信号を出力する電流センシング管理モジュールと、
前記発電用CTから発生される誘導電圧を必要な電源に変成させる電源発生管理モジュールと、
前記電流信号によるセンシング電流値と基準電流値とを比較し、異常電流有無を判断するメインCPUと、
を含むことを特徴とする請求項1又は6に記載の電流変成システム。
【請求項8】
前記マイクロプロセッサは、前記コアの磁性を除去し、前記センサ用CT構造物を前記線路から分離させるCT分離CPUを、さらに含むことを特徴とする請求項6に記載の電流変成システム。
【請求項9】
前記マイクロプロセッサは、
太陽光発電の補助電源発生管理モジュールと、
前記発電用CT又は前記補助電源発生管理モジュールの発電エネルギーを繰り返して充/放電する充電管理モジュールと、
を、更に含むことを特徴とする請求項6に記載の電流変成システム。
【請求項10】
送/配電線路上に設けられる一つ以上の電流変成システムと、
無線通信網を介して前記電流変成システムとネットワークを形成する統合システムと、
を含み、
前記電流変成システムは、
電磁誘導方式で前記線路上に流れる電流を検出するセンサ用CTと、
電磁誘導方式で無接点独立電源を生成する発電用CTと、
通信モジュールと、
を含み、
前記通信モジュールは、
近距離通信を介して隣接した前記電流変成システムとデータ通信するRF送受信部ユニットと、
TCP/IP通信規格に従い、隣接した無線AP又はスマートフォンを介して前記統合システムとデータ通信を行うWLAN送受信部ユニットと、
を含むことを特徴とする無線統合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ用CTと発電用CTが線路上に並列に分離設けられる電流変成システム、及びこれを無線通信網で管理する統合システムに関する。特に、電磁誘導方式を利用して異常電流を感知するセンサ用CTと、同様に、電磁誘導方式を利用して電源を生成する発電用CTを作製するものであり、それぞれ別個の構造物として形成し、相互干渉することなく、一定の距離を置いて並列に設けて、発電用CTは、センサ用CTで求められる必要電力量に応じて複数個で並列設けており、構造物をリングタイプとし、クランプ方式で形成することによって、増設時線路に付着が容易であり、入れ替え時の脱着のために構造物のコアで磁性を任意に除去し、メンテナンスが簡単であり、構造物に無線通信機能を追加し、従来の統合管理システムともネットワークを形成し、リアルタイムで線路の状態をモニターリングするセンサ用CTと発電用CTとが線路上に並列に分離設けられる電流変成システム、及びこれを無線通信網で管理する統合システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、送/配電線路又はこれと類似した電力供給システムにおいて、非正常的な電流を感知するか、現在の送/配電状態を把握するために、変圧器の2次側に計器用変圧器又は変流器を設け、電圧又は電流の異常有無だけを感知していた。また、高圧の場合、MOF(Metering Out Fit)から流れる電流の異常有無だけを感知し、無線で伝達する方式が現場で一部適用されていた。
【0003】
しかし、前述した従来の変流器には以下の問題があった。
【0004】
第1に、センサとして使われる電流センシング用CTは、電池を充電するのに適しないため、メイン電源として使われる電池を使用しなければならなかった。そのために、電流センシング用CTの一部分を使用しようとする試みがあったが、これは、電源発生用CTのコア(core)と、電流センシング用CTのコアと間の干渉現象を引き起こした。
【0005】
第2に、電源発生用CTのコアと、電流センシング用CTのコアを別に形成し、電気的干渉を防止しようとする試みがあった。しかし、このような場合にも2個のコアを1個の構造物に結合する方式であるため、2個の分離型コアを線路に取り付けるとき、孔隙の問題無しで同時に結合するには技術的な多くの問題点を有していた。
【0006】
第3に、前述したマグネチック構造において、電流センシング用CTの設置区間を変更するために構造物を撤去するとき、線路電流が一定水準以上高い場合、マグネチックコアを基盤とする構造物は、物理的な力で分離ができないため、メンテナンスが困難であった。特に、電源発生用CTに使われる場合には、構造物撤去時、既存線路の電流を断電しなければならなかった。
【0007】
第4に、前述のような方式は、異常電流を感知することを主要な機能としているため、異常電流以外に線路の電流及び電圧状態をリアルタイムでモニターリングするのに限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、前記したような従来技術の問題点を解決するためのものであり、本発明の目的は、メンテナンスが容易なように脱/付着が可能な電源発生用CT、及び電流センシング用CTを提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、相互干渉性及び組立性の問題を改善するために、電源発生用CT、及び電流センシング用CTを別途の構造物として備えることである。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、無線通信網を介して線路の負荷をリアルタイムでモニターリングし、異常発見時、これを遠隔で制御命令により異常区間を開閉することができるシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述したような目的を達成するための本発明の特徴によれば、本発明の電流変成システムは、送/配電線路上に脱/付着可能に設けられ、電磁誘導方式で前記線路に流れる電流を検出するセンサ用CTと、前記線路上に脱/付着可能に設けられ、電磁誘導方式で電源を生成する発電用CTと、前記センサ用CT及び前記発電用CTを制御するマイクロプロセッサと、を含む。
【0012】
本発明の他の特徴によれば、本発明の電流変成システムは、送/配電線路上に脱/付着されるクランプタイプのセンサ用CT構造物と、前記電路上に脱/付着され、前記センサ用CTと分離され並列に設けられるクランプタイプの発電用CT構造物とを含み、前記各構造物は、それぞれ、内部にコアとコイルが搭載されるトップアセンブリ及びボトムアセンブリと、前記トップアセンブリ及び前記ボトムアセンブリの一側に設けられるヒンジと、前記トップアセンブリ及び前記ボトムアセンブリの他側に設けられるロッククリップと、を含む。
【0013】
本発明のさらに別の特徴によれば、本発明の無線統合システムは、送/配電線路上に設けられる一つ以上の電流変成システムと、無線通信網を介して前記電流変成システムとネットワークを形成する統合システムと、を含み、前記電流変成システムは、電磁誘導方式で前記線路上に流れる電流を検出するセンサ用CTと、電磁誘導方式で無接点独立電源を生成する発電用CTと、通信モジュールと、を含む。
【発明の効果】
【0014】
前述の通りに、本発明の構成によれば、以下の効果を期待することができる。
【0015】
第1に、分離可能な発電用CTをメイン電源として使用することによって、電源供給を独立に行うことができ、必要時、所望の数だけの発電用CTを定量的に追加することで、必要な電源を容易に確保することができるようになり、電源供給の便利性が極大化される効果がある。
【0016】
第2に、線路の異常電流を感知し、線路の電流を遮断する漏電遮断機のように安全事故防止機能の他にも線路の電力量をリアルタイムで把握し、送/配電系の全般的な電力使用状態をモニターリングすることができ、効果的である。
【0017】
第3に、センサ用CTに無線通信機能を追加し、リアルタイムで線路状態を伝送するか、又は制御情報を交換できるようにすることによって、従来の無線線路監視システム及びそれと類似したシステムにそのまま適用することができる効果が期待される。
【0018】
第4に、必要時、発電用CTを常時電源として確保した状態で線路から分離が可能にすることで、作業者の安全を極大化し、断電など消費者の電源状態に影響を与えなく、電流変成システムをメンテナンスすることができ、消費者のニーズを満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】本発明に係るセンサ用CTと発電用CTが線路上に並列に分離設けられる電流変成システムの構成を示すブロック図である。
【
図1B】本発明に係るセンサ用CTと発電用CTが線路上に並列に分離設けられる電流変成システムの構成を示すブロック図である。
【
図2A】本発明に係るセンサ用CTと発電用CTの構造物を示す全体斜視図である。
【
図2B】本発明に係るセンサ用CTと発電用CTの構造物を示す分離斜視図である。
【
図2C】本発明に係るセンサ用CTと発電用CTの構造物を示す使用状態図である。
【
図3】本発明に係る電流変成システムを無線通信網で管理する統合システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は添付される図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば明らかになるものである。しかし、本発明は、以下に開示される実施例に限定されなく、互いに異なる様々な形態で具現できるものであり、単に、本実施例は、本発明の開示が完全なものになるようにし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者に発明の範疇を完全に理解してもらうために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇により定義されるだけである。図面において、モジュール及びユニット等の位置及び相対的な大きさは説明の明瞭性のために誇張されたものであり得る。明細書全体に亘って同一参照符号は同一構成要素を指している。
【0021】
以下、前記したような構成を有する本発明に係るセンサ用CTと発電用CTとが線路上に並列に分離設けられる電流変成システム1000及びこれを無線通信網で管理する統合システム2000の好ましい実施例を添付された図面を参考して詳細に説明する。
【0022】
図1Aに示されるように、本発明の電流変成システム1000は、送/配電線路Wに流れる非正常的な電流を検出するセンサ用CT200、センサ用CT200に電源を供給する発電用CT300、及び一対のCT200、300を制御するマイクロプロセッサ400を含む。
【0023】
電流変成システム1000は、電磁誘導方式を利用して異常電流を感知すると同時に、電磁誘導方式を利用して電源を生成することができる。本発明は、送/配電線路Wに流れる高電流を低電流に変成させ、電流感知と独立発電に利用しようとする。
【0024】
送/配電線路Wに断線や負荷に問題が生じれば、過電流による感電事故や電気機器に致命的な損傷を与えるため、電流異常有無を管理者が確認できなければならない。
【0025】
センサ用CT200は、発電用CT300から電源の供給を受け、送/配電線路Wに流れる前述した異常電流を測定する測定回路を意味する。即ち、CT(Current Transformer)は、線路Wの測定しようとする電流値を、これに比例する電流値に変成させることができる。
【0026】
発電用CT300は、センサ用CT200に電源を供給する独立電源を意味しており、外部の電源供給なしで電流変成システム1000の動作を可能にする。特に、発電用CT300は、無接点形式で電源を発生させる。
【0027】
図2(A)〜
図2(C)に示されるように、センサ用CT200及び発電用CT300は、コア(core:見えない)とコアに巻線されるコイル(coil:見えない)で構成されており、コイルの巻線数によって高電圧、高電流の線路電圧を低電圧、低電流に変成させることができる。本発明の場合、各CT200、300は、線路Wに脱/付着が可能なようにリング(ring)タイプであってもよく、クランプ(clamp)方式の構造物Hで作製されていてもよい。
【0028】
このような構造物Hは、トップアセンブリ510、ボトムアセンブリ520、一対のアセンブリー510、520が相互回動結合されるヒンジ530、及び一対のアセンブリー510、520を選択的に開閉するロッククリップ540を含む。各アセンブリー510、520内部には、コアとコイルが含まれて起電力を発生させる。
【0029】
線路Wに流れる電流から発生される誘導起電力を活用して電流を生成する。たとえば、線路Wに大きな電流が流れれば、発電用CT300のコアにアンペアの法則(ampere’s law)の右手法則により磁界が発生し、コイルにはファラデーの法則(faraday’s law)により誘導起電力が発生することで、電源が発生する。即ち、線路Wの大きな電流に対して比例する小さな電流が発生しており、その原理はセンサ用CT200と同様である。
【0030】
一方、発電用CT300とセンサ用CT200と間にも誘導起電力が発生し、これにより、相互間の干渉現象が生ずる。そこで、本発明は、発電用CT300とセンサ用CT200を別個の構造物Hで作製し、並列に設けることによって、前述の干渉を防止することを特徴とする。
【0031】
トップアセンブリ510の前方には、構造物Hを線路Wに固定させるベルトB又はワイヤーが支持されるように支持リブ512が更に含まれ得る。ボトムアセンブリ520の後方には、隣接した構造物H相互間に一定の距離を維持することで、電磁石の性質によって隣接した構造物Hが密着され、相互結合することを防止するストッパー522が更に含まれ得る。
【0032】
このような構造物Hによれば、各CT200、300が脱付着可能な分離型で作製されるため、各CT200、300を線路Wに追加増設するか、入れ替えのために除去する必要があるとき便利である。
【0033】
特に、
図1Bに示されるように、構造物Hは、必ず単数個設けられる必要はなく、発電用CT300の場合、センサ用CT200に電力を供給するために必要な数だけの複数個300a、300b、300cで設けられていてもよい。
【0034】
図面には図示されていないが、各CT200、300は、コンバーターを更に含み得る。AC/DCコンバーターは、発電用CT300から出力される交流電源を直流電源に変換して出力することができる。その他に、高調波信号を除去するLPF、電圧範囲を一定に維持するレギュレーター、及びノイズを除去するフィルタなどを更に含み得る。
【0035】
マイクロプロセッサ400は、電流センシング管理モジュール420、電源発生管理モジュール430、メインCPU440、CT分離CPU450、補助電源発生管理モジュール460、充電管理モジュール470、補助電池480、及び通信モジュール490を含む。
【0036】
マイクロプロセッサ400は、センサ用CT200と一体で形成されるか、別途のユニットとして設けられ得る。たとえば、線路Wに設けられる点を勘案すれば、構造物Hのボトムプレート520の一側にマイクロプロセッサ400が機構的に結合されるように設計され得る。
【0037】
電流センシング管理モジュール420は、送/配電系の線路Wに流れる電流を、センサ用CT200を介して検出し、メインCPU440に検出電流信号を出力する。検出電流信号をアナログデータ又はデジタルデータに変換して出力できる。
【0038】
電源発生管理モジュール430は、無接点形式で電源を発生させる発電用CT300を制御する。メイン電源発生管理モジュール430は、発電用CT300から発生される誘導電圧を必要な電源に変成させる低電圧変成ユニット432及び過電流保護ユニット434を含み得る。たとえば、過電流保護ユニット434は、過電流やショート、漏電などの非正常電流が発生すれば、負荷などに致命的な損傷が加えられることを防止することができる。過電流保護ユニット434は、これを感知し、回路を自動で遮断することによって、負荷などを保護する。
【0039】
メインCPU440は、各モジュールの動作を制御管理する。特に、センサ用CT200から出力されるセンシング電流値と基準電流値とを比較し、センシング電流値が基準電流値を超えれば、異常電流として判断する。
【0040】
CT分離CPU450は、構造物Hが線路Wに脱着する際に使われる。本発明の構造物Hは、既存に設置運用される送/配電線路Wに使われるものであるため、線路Wには電圧電流が流れている。本発明は、電圧電流が流れる既存の線路Wに構造物Hを容易に脱/付着するために考案されたものであるため、脱/付着に適した構造を有するようになる。付着時には構造物のロッククリップ540を利用して線路Wに容易に固定することができるが、脱着時には構造物Hが電磁石の形態を有するため、物理的な力では線路Wで容易に除去されなくなっている。
【0041】
そこで、CT分離CPU450は、電磁石の性質を制御する必要がある。たとえば、CT分離CPU450は、コアから発生する磁性を除去し、構造物Hを線路Wから容易に除去することができる。コイルの端部が連結されるPCB上にスイッチを設ければ、CT分離CPU450は、スイッチをオン/オフし、磁性を制御することができる。
【0042】
補助電源発生管理モジュール460は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池(未図示)の発電管理モジュールであってもよい。太陽電池は、太陽光を利用してエネルギーを発生させることができれば、結晶シリコン(crystalline silicon)太陽電池、薄膜型(a−Si、CIGS、CdTe)太陽電池、染料感応型(dye−sensitized)太陽電池、又は有機高分子(organic)太陽電池など特に制限がない。
【0043】
充電管理モジュール470は、発電用CT300又は太陽電池(未図示)から発電した電気エネルギーを蓄電する蓄電池(未図示)の充電管理モジュールであってもよい。蓄電池は繰り返し的な充/放電が可能な2次電池又は電気二重層コンデンサーなどが使用できる。蓄電池は、発電用CT300が作動しない線路の停電などの場合、又は太陽光発電ができない夜間に電流変成システム1000に電源を供給することができる。
【0044】
補助電池480は、蓄電池も放電された非常状態で予備的に電流変成システム1000に電源を供給することができる。
【0045】
通信モジュール490は、独立電源形式の発電用CT300から電力の供給を受けながら、無接点形式のセンサ用CT200を管理者が遠隔から効果的に制御するのに必要である。そのために、通信モジュール490は、RF送受信部ユニット492及びWLAN送受信部ユニット494などを含み得る。
【0046】
RF送受信部ユニット492は、近距離通信のための通信モジュールであり、中波帯域を使用して比較的数キロメートル内外の近距離に位置した他方n電流変成システム1000とデータ通信を行うことができる。反面、WLAN送受信部ユニット494は、無線インターネット通信のための通信モジュールであり、TCP/IP通信規格に従って隣接した無線AP(access point)又はスマートフォン(smart device)を介して後記する遠隔モニターリング無線統合システム2000と直接データ通信を行うことができる。
【0047】
図3に示されるように、遠隔で無線通信網を介して送/配電線路Wの負荷を監視する遠隔モニターリング無線統合システム2000は、線路Wの負荷状態をリアルタイムでモニターリングし、有事時、事故地点を即刻把握することができることで、迅速な対応が可能であり、結果的に管理費用が節減できる。従って、遠隔モニターリング無線統合システム2000は、無線通信網を介して複数個の電流変成システム1000とネットワークを形成することができる。
【0048】
前述するように、本発明は、電磁誘導方式を利用して異常電流を感知するセンサ用CTと、電源を生成する発電用CTを、それぞれ別個の構造物として作製し、一定の距離を置いて並列設けることによって、相互干渉を防止する構成を技術的思想とすることが分かる。このような本発明の基本的な技術的思想の範疇内で、当業界の通常の知識を有した者は様々な変形が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明のセンサ用CTと発電用CTが線路上に並列に分離設けられる電流変成システム、及びこれを無線通信網で管理する統合システムは、変流器に広く適用され得る。