特許第6204512号(P6204512)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6204512鋼管の冷間フレア成形加工装置及びその装置を用いた鋼管の冷間フレア成形加工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204512
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】鋼管の冷間フレア成形加工装置及びその装置を用いた鋼管の冷間フレア成形加工方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 19/08 20060101AFI20170914BHJP
   B21D 41/02 20060101ALI20170914BHJP
   B21D 19/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   B21D19/08 A
   B21D19/08 F
   B21D41/02 A
   B21D19/00 A
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-6909(P2016-6909)
(22)【出願日】2016年1月18日
(65)【公開番号】特開2017-127880(P2017-127880A)
(43)【公開日】2017年7月27日
【審査請求日】2016年7月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】316000172
【氏名又は名称】株式会社エム・エス・ケー
(73)【特許権者】
【識別番号】504145364
【氏名又は名称】国立大学法人群馬大学
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】松原 香
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 敬祐
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 豊
(72)【発明者】
【氏名】西田 進一
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−10930(JP,A)
【文献】 特開昭62−107824(JP,A)
【文献】 特開昭52−146760(JP,A)
【文献】 特開昭60−222607(JP,A)
【文献】 特開2000−246352(JP,A)
【文献】 特開2012−179610(JP,A)
【文献】 米国特許第06044735(US,A)
【文献】 特開昭64−071527(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102259129(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 19/08
B21D 19/00
B21D 41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形状の貫通した空間部を有し前記空間部を介して鋼管の外周面を挟持して前記鋼管を固定するクランプを有するクランプ機構と、
前記クランプの一側面から導出した前記鋼管に対して冷間フレア成形加工を行う円錐形状の加工面を有する第1のパンチと、
前記第1のパンチにより前記冷間フレア成形加工が施された前記導出した前記鋼管に対して、前記冷間フレア成形加工によりフランジ部を形成する平坦形状の加工面を有する第2のパンチと、
前記クランプ機構により固定された前記鋼管に対して前記第1のパンチと前記第2のパンチとを切り替えるパンチ切替機構と、
前記パンチ切替機構にて選定された前記第1のパンチまたは前記第2のパンチを前記導出した前記鋼管に向けて押し出し、前記第1のパンチの前記円錐形状の加工面及び前記第2のパンチの前記平坦形状の加工面により前記導出した前記鋼管の内周面に対して多段式のプレス加工を行うプレス機構と、を備え、
前記クランプの前記一側面に形成される円形状の開口端部に成形されると共に、前記プレス加工時に前記フランジ部の必要長さを形成する曲面が成形され
前記クランプは、前記空間部を構成する内周面である第1の加工面と、前記一側面である第2の加工面と、前記第1の加工面と前記第2の加工面とを結ぶ前記曲面である第3の加工面と、を有し、
前記第1のパンチには、前記冷間フレア成形加工時において、前記鋼管の内側に進入すると共に、前記円錐形状の加工面よりも先端側に配置され、前記鋼管の内側への変形を抑制する第1の円筒形状部が形成され、
前記第2のパンチには、前記冷間フレア成形加工時において、前記鋼管の内側に進入すると共に、前記平坦形状の加工面よりも先端側に配置され、前記鋼管の内側への変形を抑制する第2の円筒形状部が形成されていることを特徴とする鋼管の冷間フレア成形加工装置。
【請求項2】
前記クランプの前記開口端部には、加工前の前記開口端部から半径6mmから9mmの前記曲面が成形されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼管の冷間フレア成形加工装置。
【請求項3】
前記空間部を囲む前記クランプの前記内周面には凹凸形状の加工が成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鋼管の冷間フレア成形加工装置。
【請求項4】
前記凹凸形状は、前記鋼管の延在方向に対して傾斜角を有するように前記内周面に形成された複数の溝であり、
前記クランプの前記一側面側へと傾斜する前記溝の傾斜面と前記溝の加工前の前記クランプの前記内周面との成す角が、前記クランプの前記一側面と対向する面側へと傾斜する前記溝の傾斜面と前記溝の加工前の前記クランプの前記内周面との成す角よりも小さく、
前記クランプ機構は前記クランプを前記鋼管の延在方向に対して垂直方向に稼働させる油圧装置を有し、前記油圧装置は前記クランプを介して前記鋼管の前記外周面から前記垂直方向の力を加えることを特徴とする請求項3に記載の鋼管の冷間フレア成形加工装置。
【請求項5】
前記凹凸形状は、前記内周面に対してサンドブラスト加工により形成されている凹凸であることを特徴とする請求項3に記載の鋼管の冷間フレア成形加工装置。
【請求項6】
前記クランプの内径は前記鋼管の外径より小さく、前記クランプの内径は前記鋼管の外径の99.5%以上の大きさであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の鋼管の冷間フレア成形加工装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の鋼管の冷間フレア成形加工装置を用いた鋼管の冷間フレア成形加工方法であり、
前記鋼管を準備し、前記クランプ機構を稼働させ前記鋼管の一端側が前記クランプの前記一側面から導出するように前記鋼管の前記外周面を挟持して前記クランプにて前記鋼管を固定する工程と、
前記パンチ切替機構により前記第1のパンチを選定し、前記第1のパンチの軸心と前記鋼管の軸心とを位置合わせした後、前記プレス機構により前記第1のパンチの前記円錐形状の加工面が前記導出した前記鋼管の前記内周面をプレス加工すると共に、前記第1のパンチの前記第1の円筒形状部が前記鋼管内に進入し、前記鋼管の内側への変形を抑制するように前記第1のパンチを前記鋼管に向けて押し出す工程と、
前記パンチ切替機構により前記第2のパンチを選定し、前記第2のパンチの軸心と前記鋼管の前記軸心とを位置合わせした後、前記プレス機構により前記第2のパンチの前記平坦形状の加工面が前記導出した前記鋼管の前記内周面をプレス加工すると共に、前記第2のパンチの前記第2の円筒形状部が前記鋼管内に進入し、前記鋼管の内側への変形を抑制するように前記第2のパンチを前記鋼管に向けて押し出す工程と、を備え
前記クランプの前記一側面に形成される前記円形状の前記開口端部に成形される前記曲面は、前記第1のパンチ及び前記第2のパンチを用いたプレス加工時に、前記クランプの前記一側面から前記導出した前記鋼管に対して必要な長さの前記フランジ部を形成する曲面であることを特徴とする鋼管の冷間フレア成形加工方法。
【請求項8】
前記プレス機構では、予め設定された前記プレス機構の油圧シリンダの限界圧力または予め設定された前記第1のパンチ及び前記第2のパンチのストローク量のどちらか一方の条件を満たした段階にて前記多段式のプレス加工を終えることを特徴とする請求項7に記載の鋼管の冷間フレア成形加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷間方式にて鋼管の端部にフランジ部を形成する鋼管の冷間フレア成形加工装置及び鋼管の冷間フレア成形加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍食品加工工場や冷蔵食品加工工場等のプラント設備の配管は、鋼管材質の質向上も含め、常に最先端の機械設備の導入と共に改良を繰り返しながら今日に到っている。そして、配管用鋼管継手部の多くは溶接による接合に委ねられており、施工の効率化、作業効率化、施工期間の短縮、コスト削減等が追及されている。
【0003】
また、配管用鋼管継手の接合方法としてフランジ接合による施工も行われている。このフランジ接合も、鋼管とフランジ部分は溶接を要し、溶接時の火花による火災発生の危険性は、上記溶接による施工方法と同様に大きな問題である。その他、溶接を用いた施工方法では、環境負荷の低減、低コスト化、作業効率、溶接作業者の習熟度や人材不足と言った観点からも大きな問題である。
【0004】
上述した問題への対策として、配管用鋼管端部につば出し加工(以下、「フレア加工」と呼ぶ。)を行うことで、上記溶接よる施工工程を省略する鋼管のフレア加工方法が知られている。
【0005】
従来の鋼管の加工方法として、図5図7に示す加工方法が知られている。図5(A)〜図5(C)及び図6(A)〜図6(C)は、ダイス方式による鋼管のフレア加工方法を説明する断面図である。
【0006】
図5(A)に示す如く、フレア加工が行われる素管101を準備し、素管101をダイス方式のフレア加工装置の所望の箇所へと装着する。尚、素管101は、その先端側に形成された厚肉部に対してフレア加工が行われる。図示したように、フランジ形成領域の素管101の端部周囲には誘導コイル102が配設され、素管101は誘導加熱される。そして、円錐形状の成形面103Aを備えたダイス103に対して素管101の端部を押し込んでいく。
【0007】
図5(B)及び図5(C)に示す如く、素管101の先端側は、誘導コイル102により誘導加熱されながら、ダイス103に押し込まれることで、除々にダイス103の成形面103Aに沿って円錐形状に拡管される。
【0008】
図6(A)及び図6(B)に示す如く、フレア加工装置では、円錐形状の成形面103Aを備えたダイス103から平坦形状の成形面104Aを備えたダイス104へと切り替える。そして、引き続き、円錐形状に拡管された素管101を誘導コイル102により誘導加熱しながら、除々にダイス104へと押し込んでいく。
【0009】
図6(C)に示す如く、素管101の先端側は、ダイス104の成形面104Aに沿って、円錐形状から平坦形状へと成形される。このとき、ダイス104の成形面104Aの外周端に設けられたストッパー104Bに素管101の先端が当たることで、それ以上の加工が止まり、素管101の先端側には所定外径の平坦形状のフランジが成形される(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
また、従来のステンレスパイプの加工方法として、図7に示す加工方法が知られている。図7(A)及び図7(B)は、ステンレスパイプのフレア加工方法を説明する断面図である。
【0011】
図7(A)に示す如く、各種プラントに用いられる配管端部にフランジを成形するため、例えば、ステンレスパイプ121を所定の長さに切断し、ステンレスパイプ121をフレア加工装置の所望の箇所へと装着する。
【0012】
先ず、ステンレスパイプ121のフランジ加工が行われる一端側が露出するように、ステンレスパイプ121の周囲から拘束型122により押圧して固定される。一方、ステンレスパイプ121の他端側は拘束型122の直径内を摺動可能な下型123により固定される。次に、フレアーボンチ124によりステンレスパイプ121の一端側を押圧することで、円錐形状のフレアーボンチ124に沿ってステンレスパイプ121の一端側は円錐形状に拡管される。
【0013】
図7(B)に示す如く、上記拡管したステンレスパイプ121を熱処理した後、再び、拘束型122及び下型123によりステンレスパイプ121を固定し、平坦形状を備えたプレスラム125により押圧し、ステンレスパイプ121の一端側に平坦形状のフランジが成形される(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平10−146623号公報
【特許文献2】特開昭64−71527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
先ず、図5図6を用いて説明した温間方式のフレア成形加工方法では、フレア成形加工の前工程として素管101、111を加熱する熱処理工程が必要となり、その熱により素管101、111が塑性変形(拡管)するため、寸法精度を高めることが難しいという問題がある。
【0016】
また、上記熱処理工程では、バーナー等により素管101、111を加熱するため、素管101、111に酸化スケールが発生し、寸法精度を高めることが難しいという問題がある。
【0017】
次に、図7(A)及び図7(B)に示すフレア成形加工方法では、拘束型122及び下型123を用いて2方向からステンレスパイプ121を押圧して固定した状態にて、フレアーボンチ124及びプレスラム125を用いて、ステンレスパイプ121の一端側にフランジを成形している。
【0018】
特に、下型123がステンレスパイプ121の他端側を押圧することで、フレアーボンチ124及びプレスラム125がステンレスパイプ121の一端側を押圧した際に、ステンレスパイプ121が押し出されるようにずれることが防止される。
【0019】
つまり、このフレア成形加工装置では、拘束型122だけではフレアーボンチ124及びプレスラム125の押圧力に対抗出来ず、下型123が必須の構成となっている。そのため、短いステンレスパイプ121に対してはフレア加工を行うことが出来るが、ある程度長いステンレスパイプ121に対しては下型123により固定することが難しく、加工時にステンレスパイプ121がずれるため、フレア加工出来ないか、寸法精度良くフレア加工し難いという問題がある。仮に、長いステンレスパイプ121に対応可能なフレア成形加工装置とするためには、フレア加工装置が大型化し、設置箇所も限られ、装置コストも大幅に増加するという問題が考えられる。現実的には、このフレア成形加工装置では、短いステンレスパイプ121にしか対応出来ないという問題がある。
【0020】
また、丸印126にて示すように、ステンレスパイプ121を押圧して固定する拘束型122の端部に曲面が成形されていないため、フレアーボンチ124及びプレスラム125がステンレスパイプ121の一端側を押圧した際に、拘束型122の端部がステンレスパイプ121へ食い込み、ステンレスパイプ121の曲げ加工部が破損したり、亀裂等が入る恐れがあり、フランジ部の製品品質が安定しないという問題がある。その結果、ステンレスパイプ121の継手箇所において、フランジ部間にパッキンを介装してルーズフランジをボルト締結するが、時間の経過と共に、上記フランジ部が破損し、漏水現象が生じ、致命的な性能不良をきたす恐れがある。
【0021】
更には、拘束型122の端部においても、フレアーボンチ124及びプレスラム125がステンレスパイプ121の一端側を押圧した際に、拘束型122の端部がステンレスパイプ121へ食い込むことを繰り返すことで、拘束型122が破損するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前述した各事情に鑑みて成されたものであり、本発明の鋼管の冷間フレア成形加工装置は、円筒形状の貫通した空間部を有し前記空間部を介して鋼管の外周面を挟持して前記鋼管を固定するクランプを有するクランプ機構と、前記クランプの一側面から導出した前記鋼管に対して冷間フレア成形加工を行う円錐形状の加工面を有する第1のパンチと、前記第1のパンチにより前記冷間フレア成形加工が施された前記導出した前記鋼管に対して、前記冷間フレア成形加工によりフランジ部を形成する平坦形状の加工面を有する第2のパンチと、前記クランプ機構により固定された前記鋼管に対して前記第1のパンチと前記第2のパンチとを切り替えるパンチ切替機構と、前記パンチ切替機構にて選定された前記第1のパンチまたは前記第2のパンチを前記導出した前記鋼管に向けて押し出し、前記第1のパンチの前記円錐形状の加工面及び前記第2のパンチの前記平坦形状の加工面により前記導出した前記鋼管の内周面に対して多段式のプレス加工を行うプレス機構と、を備え、前記クランプの前記一側面に形成される円形状の開口端部に成形されると共に、前記プレス加工時に前記フランジ部の必要長さを形成する曲面が成形され、前記クランプは、前記空間部を構成する内周面である第1の加工面と、前記一側面である第2の加工面と、前記第1の加工面と前記第2の加工面とを結ぶ前記曲面である第3の加工面と、を有し、前記第1のパンチには、前記冷間フレア成形加工時において、前記鋼管の内側に進入すると共に、前記円錐形状の加工面よりも先端側に配置され、前記鋼管の内側への変形を抑制する第1の円筒形状部が形成され、前記第2のパンチには、前記冷間フレア成形加工時において、前記鋼管の内側に進入すると共に、前記平坦形状の加工面よりも先端側に配置され、前記鋼管の内側への変形を抑制する第2の円筒形状部が形成されていることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の鋼管の冷間フレア成形加工装置は、前記クランプの前記開口端部には、加工前の前記開口端部から半径6mmから9mmの前記曲面が成形されていることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の鋼管の冷間フレア成形加工装置は、前記空間部を囲む前記クランプの内周面には凹凸形状の加工が成されていることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の鋼管の冷間フレア成形加工装置は、前記凹凸形状は、前記鋼管の延在方向に対して傾斜角を有するように前記内周面に形成された複数の溝であり、前記クランプの前記一側面側へと傾斜する前記溝の傾斜面と前記溝の加工前の前記クランプの前記内周面との成す角が、前記クランプの前記一側面と対向する面側へと傾斜する前記溝の傾斜面と前記溝の加工前の前記クランプの前記内周面との成す角よりも小さく、前記クランプ機構は前記クランプを前記鋼管の延在方向に対して垂直方向に稼働させる油圧装置を有し、前記油圧装置は前記クランプを介して前記鋼管の前記外周面から前記垂直方向の力を加えることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の鋼管の冷間フレア成形加工装置は、前記凹凸形状は、前記内周面に対してサンドブラスト加工により形成されている凹凸であることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の鋼管の冷間フレア成形加工装置は、前記クランプの内径は前記鋼管の外径より小さく、前記クランプの内径は前記鋼管の外径の99.5%以上の大きさであることを特徴とする。
【0028】
また、本発明の鋼管の冷間フレア成形加工方法は、前記プレス機構では、予め設定された前記プレス機構の油圧シリンダの限界圧力または予め設定された前記第1のパンチ及び前記第2のパンチのストローク量のどちらか一方の条件を満たした段階にて前記多段式のプレス加工を終えることを特徴とする
【0029】
また、本発明の鋼管の冷間フレア成形加工方法は、上記記載の鋼管の冷間フレア成形加工装置を用いた鋼管の冷間フレア成形加工方法であり、前記鋼管を準備し、前記クランプ機構を稼働させ前記鋼管の一端側が前記クランプの前記一側面から導出するように前記鋼管の前記外周面を挟持して前記クランプにて前記鋼管を固定する工程と、前記パンチ切替機構により前記第1のパンチを選定し、前記第1のパンチの軸心と前記鋼管の軸心とを位置合わせした後、前記プレス機構により前記第1のパンチの前記円錐形状の加工面が前記導出した前記鋼管の前記内周面をプレス加工すると共に、前記第1のパンチの前記第1の円筒形状部が前記鋼管内に進入し、前記鋼管の内側への変形を抑制するように前記第1のパンチを前記鋼管に向けて押し出す工程と、前記パンチ切替機構により前記第2のパンチを選定し、前記第2のパンチの軸心と前記鋼管の前記軸心とを位置合わせした後、前記プレス機構により前記第2のパンチの前記平坦形状の加工面が前記導出した前記鋼管の前記内周面をプレス加工すると共に、前記第2のパンチの前記第2の円筒形状部が前記鋼管内に進入し、前記鋼管の内側への変形を抑制するように前記第2のパンチを前記鋼管に向けて押し出す工程と、を備え、前記クランプの前記一側面に形成される前記円形状の前記開口端部に成形される前記曲面は、前記第1のパンチ及び前記第2のパンチを用いたプレス加工時に、前記クランプの前記一側面から前記導出した前記鋼管に対して必要な長さの前記フランジ部を形成する曲面であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明では、鋼管を固定するクランプの加工面側の開口端部に曲面が成形され、その曲面を加工面として利用し、鋼管の先端側にフランジ部が成形される。この構造により、冷間フレア成形加工時にクランプが鋼管に食い込むことがなく、フランジ部が破断し、フランジ部に亀裂が入ることが防止され、製品品質の安定したフランジ部の成形が実現される。
【0031】
また、本発明では、クランプの加工面側の開口端部に対し、その端部から半径6mmから9mmの曲面が成形されることで、鋼管の内側への変形が大幅に低減され、所望の平坦長さを有するフランジ部の成形が実現される。
【0032】
また、本発明では、クランプの内周面に対して、溝形状やサンドブラスト加工による小さい凹凸形状が形成されることで、冷間フレア成形加工時における鋼管の滑りを防止し、寸法精度の高いフランジ部の成形が実現される。
【0033】
また、本発明では、クランプの内径は鋼管の外径より小さく、クランプの内径は鋼管の外径の99.5%以上の大きさとすることで、冷間フレア成形加工時における鋼管の滑りを防止し、寸法精度の高いフランジ部の成形が実現される。
【0034】
また、本発明では、鋼管に対して垂直荷重を加える稼働式のクランプ機構が配設されることで、垂直方向からの押圧力により鋼管を確実に固定することができ、様々な長さの鋼管に対してもフランジ部の成形加工が実現される。
【0035】
また、本発明では、クランプ機構と、パンチ切替機構と、プレス機構とを有し、クランプ機構にて鋼管を確実に固定した状態にて、パンチ切替機構にて第1のパンチと第2のパンチとを切替ながら多段式の冷間フレア成形加工が成される。この成形加工方法により、冷間式によるフランジ部の寸法精度が優れ、クランプ形状による製品品質の安定したフランジ部の成形が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の実施の形態における冷間フレア成形加工装置を説明する(A)斜視図、(B)側面図である。
図2】本発明の実施の形態における冷間フレア成形加工装置の(A)クランプを説明する斜視図、クランプの曲面を加工面として用いた解析及び実験結果に基づく(B)断面図、(C)断面図、(D)断面図、(E)断面図である。
図3】本発明の実施の形態における冷間フレア成形加工装置のクランプを説明する(A)斜視図、(B)断面図、(C)鋼管の外周面を説明する解析図である。
図4】本発明の実施の形態における冷間フレア成形加工方法を説明する(A)断面図、(B)断面図、(C)断面図、(D)断面図である。
図5】従来の鋼管のフレア加工を説明する(A)断面図、(B)断面図、(C)断面図である。
図6】従来の鋼管のフレア加工を説明する(A)断面図、(B)断面図、(C)断面図である。
図7】従来の鋼管のフレア加工を説明する(A)断面図、(B)断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、本発明の一実施形態である鋼管の冷間フレア成形加工装置(以下、フレア加工装置と呼ぶ。)について図面に基づき詳細に説明する。尚、一実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0038】
最初に、図1(A)はフレア加工装置の加工エリアを中心に部分的に図示した斜視図であり、図1(B)はフレア加工装置全体を簡略化して模式的に図示した側面図である。以下の説明では、紙面X軸方向はフレア加工装置の幅方向を示し、紙面Y軸方向はフレア加工装置の高さ方向を示し、紙面Z軸方向はフレア加工装置の奥行方向を示す。尚、紙面Z軸方向は鋼管の延在方向とも一致している。
【0039】
図1(A)及び図1(B)に示す如く、フレア加工装置1は、主に、クランプ機構2と、クランプ機構2を構成するクランプ3と、パンチ切替機構4と、パンチ切替機構4にて、適宜、切替られる第1のパンチ5及び第2のパンチ6と、第1のパンチ5及び第2のパンチ6を押し出すプレス機構7とを備えている。
【0040】
フレア加工装置1は、例えば、配管用ステンレス鋼管(以下、SUS管と呼ぶ。)、配管用炭素鋼管(以下、SGP管と呼ぶ。)等の鋼管8の端部にフランジ部8A(図2(B)参照)を成形し、管外径40A〜200A、管厚3〜6mmの鋼管8を取り扱うことができる。詳細は後述するが、クランプ3にて確実に鋼管8を固定した状態にて、形状の異なる加工面を有する第1及び第2パンチ5、6を用いて2段式のプレス加工を行うことで、冷間フレア成形加工を実現している。
【0041】
ここで、冷間フレア成形加工とは、上記SUS管、SGP管等の鋼管8を常温にて塑性変形させ、鋼管8の端部にフランジ部8Aを成形する方法である。温間フレア成形加工のように鋼管8を高温加熱した状態にて加工を行わないため、冷間加工では、成形荷重を要する事や成形形状に限界がある事等の加工条件は温間加工と比較して制限されるが、鋼管8の金属組織が緻密となり形状精度を高めるフレア成形加工が可能となる。
【0042】
クランプ機構2は、例えば、上型9と下型10から成るクランプ3と、上型9を保持する上型保持クランプ11と、下型10を保持する下型保持クランプ12と、上型9及び上型保持クランプ11を一体にフレア加工装置1の上下方向(紙面Y軸方向)に稼働させる電動油圧装置(図示せず)とを有している。尚、電動油圧装置は、例えば、その一部がフレア加工装置1に隣接して配設され、油圧シリンダ13と、電動モータと、作動油タンクと、油圧ポンプ等から構成されている。
【0043】
クランプ3は、冷間フレア成形加工を行う鋼管8の径サイズに応じて、適宜、上型9と下型10も鋼管8の径サイズに応じた型へと取替えられることで、確実に鋼管8を固定した状態での冷間フレア成形加工を行うことが実現される。そして、上型9及び下型10は、それぞれ上型保持クランプ11及び下型保持クランプ12に対してボルト締結されている。
【0044】
図1(B)に示すように、クランプ3に固定された鋼管8の軸心14の高さは、フレア加工装置1に対して一定の高さに設定される。これは、クランプ3の下型10が、鋼管8の径サイズに応じて、それぞれ掘り込み深さを変えて形成されることで、下型10上に配置された鋼管8の軸心14の高さは、常に、一定の高さとなるように設計されている。
【0045】
つまり、後述する第1及び第2のパンチ5、6及びプレス機構7の油圧シリンダ21の軸心の高さは、予め、鋼管8の軸心14の高さに一致するように、フレア加工装置1に配設されているので、冷間フレア成形加工時に、それぞれの軸心の高さを調整する作業を省略することができる。尚、以下の説明では、一点鎖線にて示すラインが、鋼管8、第1及び第2のパンチ5、6及びプレス機構7の油圧シリンダ21の共通の軸心14として説明する。
【0046】
下型保持クランプ12は、台座15上面にボルト締結により固定されている。一方、上金型保持クランプ11の上面には上記電動油圧装置の油圧シリンダ13が配設されており、その油圧シリンダ13により上型9及び上型保持クランプ11を一体にフレア加工装置1の高さ方向(紙面Y軸方向)に稼働させる。そして、鋼管8を下型10上に位置合わせして配置した後に、上型9及び上型保持クランプ11を一体に下降させ、鋼管8をクランプ3にて固定する。尚、図示したように、油圧シリンダ13と上型保持クランプ11とは1枚のプレート13Aを介して連結することで、油圧シリンダ13からの押圧力がより均等にクランプ3及びクランプ3内の鋼管8に伝えることが可能となる。
【0047】
次に、パンチ切替機構4は、クランプ機構2よりもフレア加工装置1の奥側(紙面−Z軸方向側)へ配設され、例えば、一対の移動レール16と、移動レール16上面を紙面X軸方向に摺動自在に配設された台座17と、台座17を移動レール16対して移動させる電動油圧装置(図示せず)と、台座17上面に配設された一対の移動レール18と、移動レール18上面に配設される第1及び第2のパンチ保持ホルダー19、20とを有している。尚、電動油圧装置は、例えば、その一部がフレア加工装置に隣接して配設され、油圧シリンダと、電動モータと、作動油タンクと、油圧ポンプ等から構成されている。
【0048】
一対の移動レール16が、フレア加工装置1の幅方向(紙面X軸方向)に一定間隔に並列して1組配設されている。そして、台座17は、その下面にて移動レール16と摺動自在に勘合し、電動油圧装置の油圧シリンダ(図示せず)を介して移動レール16上を紙面X軸方向に移動可能である。
【0049】
台座17上面には、一対の移動レール18が、フレア加工装置1の奥行方向(紙面Z軸方向)に一定間隔に並列して2組配設されている。移動レール18は、第1及び第2のパンチ保持ホルダー19、20の下方にそれぞれ配設されている。そして、第1及び第2のパンチ保持ホルダー19、20は、移動レール18と摺動自在に勘合して、それぞれ単独に紙面Z軸方向に移動可能である。
【0050】
第1及び第2のパンチ保持ホルダー19、20には、それぞれ第1及び第2のパンチ5、6が固定され、第1及び第2のパンチ保持ホルダー19、20のクランプ3側(紙面+Z軸方向側)からは、第1及び第2のパンチ5、6の加工面5A、6Aが突出している。
【0051】
台座17上面の第1及び第2のパンチ保持ホルダー19、20の紙面X軸方向の移動量は、例えば、インデックス装置(図示せず)にて制御されている。詳細は後述するが、鋼管8がクランプ3にて固定された後、第1のパンチ5にてプレス加工を行い、その後、第2のパンチ6にてプレス加工を行うが、台座17が移動レール16上を所定の距離だけ移動することで、第1のパンチ5と第2のパンチ6が入れ替わる。
【0052】
このとき、第1及び第2のパンチ5、6の軸心14とクランプ3に固定された鋼管8の軸心14とが一致するための移動量が、インデックス装置により制御され、台座17を移動させる油圧シリンダの伸縮量が制御される。この制御により、1回のフレア成形加工毎に軸心14の位置合わせを行う工程を省略でき、第1及び第2のパンチ5、6による連続したプレス加工により、鋼管8の先端側にフランジ部8Aを成形することができる。
【0053】
第1のパンチ5は、その大部分が円筒形状の剛体、例えば、SKD11からなり、その先端側(クランプ3側)が45度の角度にてなる円錐形状に成形され、その円錐形状の先端が、再び、円筒形状に成形されている。詳細は後述するが、第1のパンチ5の円錐形状の側面が加工面5Aとして用いられ、第1のパンチ5の加工面5Aが鋼管8の内周面と接触しながら紙面+Z方向へと鋼管8をプレスしていくことで、鋼管8の先端側が、第1のパンチの加工面5Aに沿って拡管される。尚、第1のパンチ5の先端側の円筒形状部5B(図4(B)参照)は、特に、プレス加工する面ではないが、鋼管8が内側へと変形することを防止するため、鋼管8の内側へと進入する領域である。
【0054】
第2のパンチ6は、その大部分が円筒形状の剛体、例えば、SKD11からなり、その先端側(クランプ3側)が平坦面として成形され、その平坦面の中心側が、再び、円筒形状に突出して成形されている。詳細は後述するが、第1のパンチ5にて拡管された鋼管8の先端に対し、第2のパンチ6の平坦面が加工面6Aとして用いられ、第2のパンチ6の加工面6Aが鋼管8の内周面と接触しながら紙面+Z軸方向へと鋼管8をプレスしていくことで、鋼管8の先端側にフランジ部8Aが成形される。尚、第2のパンチ6の先端側の円筒形状部6B(図4(D)参照)は、特に、プレス加工する面ではないが、鋼管8が内側へと変形することを防止するため、鋼管8の内側へと進入する領域である。
【0055】
プレス機構7は、第1及び第2のパンチ5、6をフレア加工装置1の奥行方向(紙面Z軸方向)に移動させる電動油圧装置(図示せず)を有している。電動油圧装置の油圧シリンダ21が、パンチ切替機構4よりもフレア加工装置1の奥側(紙面−Z軸方向側)へ配設されている。尚、電動油圧装置のその他の構成として電動モータと、作動油タンクと、油圧ポンプ等を有し、例えば、その一部がフレア加工装置に隣接して配設されている。
【0056】
プレス機構7の油圧シリンダ21の軸心14は、予め、クランプ機構2のクランプ3に固定される鋼管8の軸心14に対して一致するように配設され、油圧シリンダ21は紙面Z軸方向に伸縮稼働するのみである。
【0057】
そして、第1及び第2のパンチ保持ホルダー19、20が、その後端面側から油圧シリンダ21に押し込まれることで、第1及び第2のパンチ保持ホルダー19、20が移動レール18に沿って紙面Z軸方向に移動し、第1及び第2のパンチ5、6が鋼管8に対してプレス加工を行う。このとき、油圧シリンダ21の限界圧力が、例えば、175tと、予め、設定され、または、ストローク量が、例えば、100mmと、予め、設定され、どちらかの条件を満たした段階にてプレス加工を終了することで、鋼管8には所望形状のフランジ部8Aが成形される。尚、油圧シリンダ21の限界圧力及びストローク量は、冷間フレア成形加工される鋼管8に応じて、適宜、設計変更が可能である。
【0058】
次に、図2を参照し、加工面側(紙面−Z軸方向側)におけるクランプの開口端部の曲面に関し、図2(B)〜図2(E)の解析及び実験結果を用いて説明する。図2(A)は、上型が下型と当接するまで下降した状態のクランプを説明するための斜視図であり、図2(B)〜図2(E)は、図2(A)に示すA−A線方向の断面図であり、クランプの開口端部の所定の曲面を有する形状を説明する断面図である。
【0059】
尚、図2(B)〜図2(E)では、説明の都合上、図2(A)では図示していない冷間フレア成形加工後の鋼管8も図示している。そして、図2(B)〜図2(E)では、65AのSGP管の鋼管8に対し、フランジ部8Aの平坦長さXが8.425mm以上となることを目標値とし、同一荷重にて冷間フレア成形加工を行った場合を図示している。
【0060】
図2(A)に示す如く、上型9と下型10とが当接した状態のクランプ3では、紙面Z軸方向に貫通した円筒形状の空間部22が形成されている。クランプ3の紙面−Z軸方向側の側面は加工面3Aとして用いられ、その加工面3Aには円形状の開口部23が形成され、その開口部23の環状の開口端部には一環状に渡り所定の曲面23Aが成形されている。
【0061】
図2(B)は開口部23の曲面23Aが、点線にて示す開口部23の加工前の開口端部23Bから半径3mmの曲面として成形された場合を図示している。平坦長さXは鋼管8のフランジ部8Aの平坦部の長さを示し、隙間長さYは曲面23A近傍の鋼管8とクランプ3の内周面3Bとの間の隙間の最大値を示している。そして、平坦長さXは11.449mmとなり、隙間長さYは1.041mmとなった。クランプ3の加工面3A、開口部23の曲面23A及び内周面3Bは、鋼管8の冷間フレア成形加工の際の加工面として用いられる。
【0062】
図2(C)は開口部23の曲面23Aが、点線にて示す開口部23の加工前の開口端部23Bから半径6mmの曲面として成形された場合を図示している。そして、平坦長さXは10.249mmとなり、隙間長さYは0.631mmとなった。
【0063】
図2(D)は開口部23の曲面23Aが、点線にて示す開口部23の加工前の開口端部23Bから半径9mmの曲面として成形された場合を図示している。そして、平坦長さXは8.558mmとなり、隙間長さYは0.450mmとなった。
【0064】
図2(E)は開口部23の曲面23Aが、点線にて示す開口部23の加工前の開口端部23Bから半径12mmの曲面として成形された場合を図示している。そして、平坦長さXは7.296mmとなり、隙間長さYは0.274mmとなった。
【0065】
先ず、上記解析及び実験結果から、クランプ3の加工面3Aの開口部23の開口端部に対する曲面23Aにおいて、半径の小さい曲面23Aを成形すると隙間長さYは大きくなり、半径の大きい曲面23Aを成形する程、隙間長さYが小さくなることが分かった。この結果により、隙間長さYが大きくなるということは、冷間加工によって硬い鋼管8に対してプレス加工を行うことで、開口部23近傍の鋼管8が内側に変形しているものと考えられる。つまり、クランプ3の加工面3Aの開口部23の周端部に対して半径の大きい曲面23Aを成形することで、鋼管8が内側に変形することが大幅に低減され、製品品質を向上させることができる。
【0066】
次に、上記解析及び実験結果より、クランプ3の加工面3Aの開口部23の開口端部に対する曲面23Aにおいて、半径の大きい曲面23Aを成形すると平坦長さXは短くなり、半径の小さい曲面23Aを成形する程、平坦長さXが長くなることが分かった。この結果により、鋼管8は、開口部23の曲面23Aに沿って変形するため、平坦長さXを長くするためには、クランプ3の開口部23の開口端部に対して半径の小さい曲面23Aを成形する方が良い。
【0067】
ここで、フランジ部8Aはルーズフランジの内側へ配設され、フランジ部8Aの内側にはガスケットが配設され、ルーズフランジがボルト締結されることで、配管継手での止水が成されるが、フランジ部8Aの平坦長Xが短い場合には、ガスケットを十分に保持できず、十分な止水効果が得られなくなってしまう。
【0068】
以上より、クランプ3の開口部23の開口端部の曲面23Aにおいて、内側への変形量を低減し、且つ、フランジ部8Aによるガスケット保持による止水性を考慮すると、点線にて示す開口部23の加工前の開口端部23Bに対して半径6mm〜9mmの曲面23Aが成形されることが良いことが分かった。尚、40A〜200Aのサイズの鋼管8に対しても同じ解析及び実験を行ったが、同様な傾向の結果が得られた。
【0069】
また、クランプ3の開口端部の曲面23Aが加工面として用いられることで、第1及び第2のパンチ5、6によるプレス加工によりフランジ部8Aの平坦面が成形される。そのため、本実施形態の冷間フレア成形加工では、フランジ部8Aの平坦面を成形する切削工程を省略できるので、製造コストが大幅に低減される。
【0070】
次に、図3を参照し、クランプにより鋼管の滑りを防止する方法及びクランプ構造について説明する。図3(A)は、上型が下型から上昇した状態のクランプを説明する斜視図であり、図3(B)は、クランプの内周面の溝形状を説明する拡大断面図であり、図3(C)は、クランプの内径を鋼管の外径よりも小さくしてクランプした場合の鋼管の外周面の解析図である。
【0071】
先ず、クランプ3では、上型9と下型10とが当接した状態でのクランプ3の空間部22(図2(A)参照)内に鋼管8を挟み込み、上型9及び下型10により紙面Y軸方向から鋼管8を固定することで、プレス加工時に鋼管8が紙面+Z軸方向へ滑ることが防止される。
【0072】
詳細は後述するが、鋼管8の冷間フレア成形加工では、鋼管8には第1及び第2のパンチ5、6により紙面+Z軸方向にプレスする力が加わり、この力による鋼管8の紙面+Z軸方向への滑りを防止する為に、このパンチによる力に対向する垂直荷重を鋼管8へ加える必要がある。つまり、上型9及び下型10により紙面Y軸方向から鋼管8に垂直荷重を加えることで、鋼管8の紙面+Z軸方向への滑りを防止する。
【0073】
ここで、垂直荷重と摩擦力の関係式として以下の式がある。
【数1】
【0074】
Fは、引き抜き力であり、つまり、鋼管8がクランプ3から滑るために必要な力であり、本実施形態では、第1及び第2のパンチ5、6から鋼管8にプレス加工時に加えられる力に対応する。数字の2は、接触面の数であり、本実施形態では鋼管8は上型9と下型10の2つの面と接触することに対応しており、その数とする。μは静止摩擦係数であり、本実施形態では後述するクランプ3の内周面形状により決まる数値である。Wは垂直荷重であり、本実施形態では上型9及び下型10を介して紙面Y軸方向から鋼管8に加えられる力である。数字の1.5は安全係数である。
【0075】
上記式1より、右辺の数値が左辺の数値よりも大きくなることで、クランプ3に対しプレス加工時に鋼管8が紙面+Z軸方向へ滑ることが防止されこととなる。例えば、第1及び第2のパンチ5、6から加えられる力を37トンとし、静止摩擦係数μを0.3とした場合、垂直荷重Wは41トンとなり、41トン以上の力にて鋼管8をクランプ3にて固定することで、プレス加工時に鋼管8が紙面+Z軸方向へ滑ることが防止されこととなる。
【0076】
上述したように、クランプ3にはクランプ機構2の電動油圧装置の油圧シリンダ13を介して鋼管8を固定する力が加えられるが、フレア加工装置1の小型化を実現するためには、静止摩擦係数μを大きくすることが望ましい。
【0077】
図3(A)に示す如く、上型9及び下型10には、鋼管8の円筒形状に沿って曲面状に窪んだ内周面9A、10Aが形成され、内周面9A、10Aが鋼管8との接触面となる。そして、内周面9A、10Aには、それぞれ紙面Z軸方向と水平となるように半円上の複数の溝24が形成されている。
【0078】
図3(B)に示す如く、溝24の形状は、例えば、点線にて示す仮想の内周面9Aの表面から0.4mm程度の深さLであり、溝24の紙面+Z方向側の仮想の内周面9Aとのなす角θ1が、溝24の紙面−Z方向側の仮想の内周面9Aとのなす角θ2よりも大きくなる。この構造により、プレス加工時にクランプ3内にて紙面+Z方向側へと滑ろうとする鋼管8に対して溝24が引っ掛かり易くなり、静止摩擦係数μの値が大きくなる。
【0079】
上型9に形成される溝24と下型10に形成される溝24とは、上型9と下型10とが当接した際に、その内周面9A、10Aにて環状に繋がる場合でも、環状とならず紙面Z軸方向に互い違いに配設される場合でも良い。
【0080】
また、溝24の形状もθ1>θ2になる場合に限定されるものではなく、溝24の形状がθ1≦θ2となる場合でも良い。また、溝24は紙面Z軸方向と水平となるように配設される場合に限定されるものではなく、少なくとも溝24は紙面Z軸方向と平行して配設されず、紙面Z軸方向に対して交差するように傾斜角を有して配設されることで、静止摩擦係数μの値が大きくなる。上述したように、垂直荷重Wを大きくすることで、プレス加工時に鋼管8が紙面Z軸方向へ滑ることを防止できるが、フレア加工装置1の小型化を実現するために、溝24の形状により静止摩擦係数μの値を調整することができる。
【0081】
更には、40A〜200Aのサイズの鋼管8に対して冷間フレア成形加工が行われるが、鋼管8のサイズが小さくなる程、第1及び第2のパンチ5、6から加えられる力、つまり、上記数式1のFの値が小さくなる。この場合、垂直荷重W及び静止摩擦係数μの値も小さくすることが可能となる。そして、65A等小さいサイズの鋼管8では、上型9及び下型10の内周面9A、10Aに対してサンドブラスト加工を行い、内周面9A、10Aの全面に渡り小さい凹凸形状を形成する場合でもよい。この場合、溝24の構造の静止摩擦係数μの値よりも小さくなるが、Fの値も小さくなるため、垂直荷重Wを増加させなくても対応可能となる。
【0082】
また、図3(C)では、上型9と下型10とが当接した状態のクランプ3の内径φ(図2(A)参照)は、鋼管8の外径より小さく設計されるが、クランプ3の内径φは鋼管8の外径の99.5%として設計され、そのクランプ3にて鋼管8をクランプした場合の鋼管8への相当ひずみ分布を図示している。図示したように、鋼管8には、上型9と下型10との当接面9Bに沿って鋼管8の延在方向にひずみが集中していることが分かる。そして、このひずみが集中した領域の鋼管8では、バリが発生し、また、溶融亜鉛めっき被膜が剥離する等の製品品質の劣化が生じ易くなる。
【0083】
上記解析結果に基づき実験することで、クランプ3の内径φが鋼管8の外径の99.5%以上の場合には、多少のバリの発生や溶融亜鉛めっき被膜の剥離が生じるが、製品品質には問題がないことが分かった。一方、クランプ3の内径φが鋼管8の外径の99.5より小さい場合には、バリや溶融亜鉛めっき被膜の剥離により、製品品質の劣化度が大きく、製品品質を保持出来ないことが分かった。そして、クランプ3の内径φが鋼管8の外径から更に小さくしていくことで、クランプ領域の鋼管8が変形し、あるいは、鋼管8を確実にクランプ出来ず、クランプ力が低下し、結局、冷間フレア成形加工時に鋼管8が滑ってしまう結果となった。
【0084】
以上より、クランプ3の内径φは鋼管8の外径より小さく、クランプ3の内径φは鋼管の外径の99.5%以上の大きさの場合には、鋼管8が冷間フレア成形加工時に変形することを防止しつつ、上記紙面Z軸方向への滑りが更に防止出来ることが分かった。
【0085】
また、図3(A)に示す如く、上型9の下型10との当接面9Bには、3箇所のガイド孔9C、9D、9Eが形成されている。そして、ガイド孔9C、9D、9Eは紙面Y軸方向に延在する孔である。一方、下型10の上型9との当接面10Bには、3本のガイドピン10C、10D、10Eが形成されている。そして、ガイドピン10C、10D、10Eは紙面Y軸方向に延在するピンである。
【0086】
そして、ガイドピン10C、10D、10Eはそれぞれガイド孔9C、9D、9E内に挿入され摺動自在に稼働することができ、上型9はガイドピン10C〜10Eにガイドされながら紙面Y軸方向に昇降することができ、上型9と下型10とは位置精度良く当接することで、鋼管8を変形させることを防止できる。
【0087】
次に、図4を参照し、鋼管にフランジ部を成形する冷間フレア成形加工工程を説明する。図4(A)〜図4(D)は、冷間フレア成形加工領域を模式的に図示した拡大断面図である。
【0088】
図4(A)に示す如く、冷間フレア成形加工を行う鋼管8を準備し、鋼管8をクランプ3の下型10上に設置する。上述したように、下型10及び下型保持クランプ12は台座15上面に固定され、上型9及び上型保持クランプ11が紙面Y軸方向に昇降することで、クランプ3による鋼管8の固定状態または非固定状態が調整される。
【0089】
鋼管8のサイズに応じた上型9及び下型10が上型保持クランプ11及び下型保持クランプ12に固定され、上型9及び上型保持クランプ11が紙面+Y方向に昇降した状態にて、鋼管8を下型10内へと配置する。このとき、図1には示していないが、クランプ3の加工面3A側の近傍には管位置調整機構25が配設され、クランプ3の加工面3Aから突出する鋼管8の長さを調整することができる。
【0090】
ここで、図示したように、管位置調整機構25は、例えば、紙面Y軸方向に延在し紙面XY平面と平行面を有する、例えば、欧文字の略L字形状の板状部25Aと、その板状部25Aの下方側へ連結し紙面Y軸方向に稼働する昇降棒25Bとを有する。そして、昇降棒25Bは、例えば、第2のパンチ6によるプレス成形後に紙面+Y軸方向側へ上昇し、板状部25Aが少なくとも下型10の下側の内周面10Aよりも紙面+Y方向側へ位置するまで上昇する。その後、鋼管8が管位置調整機構25を利用して下型10上に設置され、上型9が下型10と当接するまで下降した後、一定時間の経過により、自動制御により昇降棒25Bが紙面−Y方向側へ下降する。このとき、板状部25Aが第1及び第2のパンチ5、6と接触しない領域まで昇降棒25Bは下降する。
【0091】
先ず、作業者は、準備した鋼管8を開口した状態のクランプ3内へ挿入し、鋼管8の先端が管位置調整機構25の板状部25Aに接触するまで挿入する。そして、両部材8、25Aが接触した後、作業者は、鋼管8が下型10に正しい位置にてはまり込むように調整する。このとき、長い鋼管8に対し、フレア加工装置1の外部にて鋼管支持具27を一定間隔にて鋼管8の下へ配設することで、鋼管8の軸心14の位置調整を行い易くなる。尚、前回の冷間フレア成形加工時の第2のパンチ6によるプレス加工後に、自動制御によりパンチ切替機構4(図1参照)が稼働し、第2のパンチ保持ホルダー20の位置と第1のパンチ保持ホルダー19の位置が入れ替えられており、既に、第1のパンチ保持ホルダー19が加工位置に配置されている。
【0092】
図4(B)に示す如く、作業者が、フレア加工装置1に配設されたクランプ下降ボタン(図示せず)を押下すると、上型9及び上型保持クランプ11が紙面−Y方向に下降し、上型9が下型10と当接するまで下降すると、上述したように、自動制御により昇降棒25Bが紙面−Y方向側へ下降することで、管位置調整機構25がフレア加工領域外へと移動する。
【0093】
その後、自動制御によりプレス機構7(図1参照)が稼働し、第1のパンチ5及び第1のパンチ保持ホルダー19が紙面+Z軸方向に移動し、第1のパンチ5が鋼管8に対してプレス加工を行う。第1のパンチ5の45°の円錐形状の加工面5Aが鋼管8の内周面に対して線接触しながら、プレス加工を行う。このとき、第1のパンチ5は、限界圧力が、例えば、175tまたはストローク量が、例えば、100mmのどちらかの条件を満たすことでプレス加工を終了し、第1のパンチ5及び第1のパンチ保持ホルダー19は元の位置へ戻る。そして、鋼管8の先端側は、第1のパンチ5の加工面5Aに沿って拡管される。
【0094】
図示したように、第1のパンチ5の先端側の円筒形状部5Bは、鋼管8の内側へと進入し、鋼管8の内周面と接するか、あるいは、若干、離れた位置に配置されることで、第1のパンチ5によるプレス加工の際に、鋼管8が内側へと変形する量を大幅に低減することができる。
【0095】
図4(C)に示す如く、自動制御によりパンチ切替機構4(図1参照)が稼働し、第1のパンチ保持ホルダー19の位置と第2のパンチ保持ホルダー20との位置を入れ替える。上述したように、パンチ切替機構4のインデックス装置(図示せず)により、第1及び第2のパンチ保持ホルダー19、20は紙面X軸方向に一定距離移動することで入れ替えられるが、入れ替えられた後の第2のパンチ6の軸心14と鋼管8の軸心14とは一致している。また、パンチ切替機構4が稼働している間もクランプ機構2では一定の押圧力、例えば、100tの力により鋼管8を固定した状態のままである。
【0096】
図4(D)に示す如く、自動制御によりプレス機構7(図1参照)が稼働し、第2のパンチ6及び第2のパンチ保持ホルダー20が紙面+Z軸方向に移動し、第2のパンチ6が、拡管された鋼管8に対してプレス加工を行う。第2のパンチ6の平坦面の加工面6Aが鋼管8の内周面に対して接触しながら、プレス加工を行う。このとき、第2のパンチ6は、限界圧力が、例えば、175tまたはストローク量が、例えば、100mmのどちらかの条件を満たすことでプレス加工を終了し、第2のパンチ6及び第2のパンチ保持ホルダー20は元の位置へ戻る。そして、鋼管8の先端には、フランジ部8Aが成形される。その後、第2のパンチ6及び第2のパンチ保持ホルダー20は元の位置へ戻った後、自動制御によりクランプ機構2(図1参照)が稼働し、上型9及び上型保持クランプ11が紙面+Y軸方向に上昇し、クランプ3による鋼管8の固定状態が解消され、作業員は下型10に嵌まり込んだ鋼管8を取り外し、冷間フレア成形加工が終了する。
【0097】
上述したように、クランプ3の加工面3Aの開口部23の周端部に対して曲面23Aを成形することで、冷間フレア成形加工時にクランプ3の開口部23の開口端部が鋼管8に食い込み、鋼管8が破断することが防止される。このとき、点線にて示すクランプ3の開口部23の開口端部23B(図2(B)参照)に対し、半径6mm〜半径9mmの範囲にて曲面23Aが成形されることで、ガスケットを保持するための十分な平坦面を有するフランジ部8Aが成形される。また、フランジ部8A近傍の鋼管8での内側への変形も大幅に抑えられ製品品質に優れた冷間フレア成形加工が実現される。
【0098】
更には、クランプ3の上型9及び下型10の内周面9A、10Aに溝24等の凹凸形状を形成し、クランプ3における静止摩擦係数μの値を大きくすることで、クランプ機構2の油圧シリンダ13を介して鋼管8を固定する力を小さくしても、プレス加工時に鋼管8が紙面+Z軸方向へ滑ることが防止される。そして、クランプ機構2の油圧シリンダ13等の電動油圧装置を小さくすることが可能となり、フレア加工装置1の小型化が実現される。
【0099】
尚、本実施形態では、配管用鋼管について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、配管以外の建造物の杭打ち用の鋼管等、その端部に連結用のフランジ部が形成される鋼管についても、上述した説明と同様な効果を得ることができる。
【0100】
また、クランプ3の上型9及び上型保持クランプ11が紙面+Y軸方向に昇降し、クランプ3により鋼管8を固定する場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、クランプ3を構成する上型9または下型10が紙面X軸方向にスライドする場合でも良い。この場合でも、例えば、下型10及び下型保持クランプ12がフレア加工装置1の枠体等に固定され、上型9が紙面X軸方向にスライドすることで、鋼管8に対して垂直荷重を加えることができ、プレス加工時に鋼管8が紙面+Z軸方向へ滑ることが防止される。
【0101】
また、加工面5Aが45度の角度から成る第1のパンチ5と、加工面6Aが平坦面から成る第2のパンチ6とを用い、2段式の冷間フレア成形加工により鋼管8の先端側にフランジ部8Aを成形する場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、その他、加工面が30度の角度から成るパンチや加工面が60度から成るパンチ等を準備し、3段式、4段式等の多段式の冷間フレア成形加工により鋼管8の先端側にフランジ部8Aを成形する場合でも良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 フレア成形加工装置
2 クランプ機構
3 クランプ
4 パンチ切替機構
5 第1のパンチ
6 第2のパンチ
7 プレス機構
8 鋼管
9 上型
10 下型
11 上型保持クランプ
12 下型保持クランプ
13 油圧シリンダ
14 軸心
19 第1のパンチ保持ホルダー
20 第2のパンチ保持ホルダー
21 油圧シリンダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7