(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板(1)の裏面(1R)にサンバイザー(9)への取付部材(3)を固着し、且つ基板表面(1S)側の下縁(14)沿い横方向に第一マグネット体(22)を一体化すると共に基板表面(1S)側の上縁(13)沿い横方向に第二マグネット体(21)を一体化したベース体(BS)と、
シート状にして、中央の縦方向を縦折り目(45)にして左右に分かれる半割部(41,42)の上縁(43)沿いに左筒袋(410)と右筒袋(420)とが形成され、且つ該左右の半割部(41,42)を折り重ねることによる横長さ(L)が前記基板(1)の横長さ(a)よりも小さくなり、横方向の横折り目(46)で折畳むことにより折畳まれた横折り目間長さ(N)が前記基板(1)の縦長さ(b)に合わせた大きさになるサンシェード用シート部材(4)と、
前記左筒袋(410)と右筒袋(420)とに夫々収容され、前記第一マグネット体(22)への磁力吸着により、前記左右の半割部(41,42)が展開状態で維持されるようにする強磁性体の第一板片(71)と、
前記左右の半割部(41,42)の表面(4S)側を対向させて重ね合わせると共に、前記第一マグネット体(22)に一方の半割部の前記第一板片(71)を磁力吸着させた状態にして、前記横折り目(46)で巻き込むように折畳んで前記基板(1)上に重ね置かれた前記シート部材(4)の折畳み体(4K)で、該シート部材(4)を介して前記第二マグネット体(21)に対向する部位に、取付け保持され、前記第二マグネット体(21)への磁力吸着により、該折畳み体(4K)の形状が維持されるようにする強磁性体の第二板片(72)と、を具備することを特徴とするサンシェードセット具。
前記シート部材(4)が矩形の布製で、展開状態で維持される前記左右の半割部(41,42)の下縁(44)沿いに、前記折畳み体(4K)の大きさに合わせた左右の袋部(419,429)を形成し、左右の該袋部(419,429)にそれぞれ収容された板状の芯材(5)をさらに具備する請求項1記載のサンシェードセット具。
前記左右の袋部(419,429)に夫々収容された前記芯材(5)に前記第二板片(72)を取付け固定して、該第二板片(72)が前記左右の袋部(419,429)に収容されるようにした請求項2記載のサンシェードセット具。
前記ベース体(BS)は、複数の前記第一マグネット体(22)が互いに離間して前記基板(1)に一体化すると共に複数の前記第二マグネット体(21)が互いに離間して該基板(1)に一体化してなる請求項1乃至4のいずれか1項に記載のサンシェードセット具。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るサンシェードセット具について詳述する。
図1〜
図10は本発明のサンシェードセット具の一形態で、
図1はその分解斜視図、
図2は
図1のサンバイザーに取付けたベース体と裏面側から見たサンシェード本体の斜視図、
図3はベース体の第一マグネットにサンシェード本体を展開状態にして取付けた正面図、
図4は
図3の状態からシート部材の中央縦方向を折り目にして折畳んだ正面図、
図5は
図4の状態から第三段部分,展開第三段部分を巻き込むようにして横折り目で折畳んだ正面図、
図6は
図5の状態からさらに第二段部分,第二段部分を巻き込むようにして横折り目で折畳んだ正面図、
図7は
図6の状態からさらに第一段部分,第一段部分を巻き込むようにして横折り目で折畳んでなる折畳み体とし、第二板片が第二マグネット体に磁力吸着して基板に折畳み体を保持した正面図、
図8はサンシェードセット具をサンバイザーへ取付ける説明図、
図9は(イ)が
図4のIX−IX線矢視図、(ロ)が(イ)の部分拡大図、
図10は
図7のX-X線矢視図である。尚、各図は図面を判り易くするため、基板,マグネット体2,取付部材3,シート部材4等の発明要部を強調図示する。
図3〜
図8は取付部材3,接続テープT,突片Pの図示を省き、
図9,
図10は第一板片71,第二板片72との位置関係を判り易くするため、第一マグネット体22,第二マグネット体21を図示する。
【0010】
サンシェードセット具は、ベース体BSとサンシェード本体SHとを具備する(
図1)。
ベース体BSは、基板1と取付部材3とマグネット体2とを備える。ベース体BSは、基板1の裏面1Rにサンバーザー9への取付部材3を固着し、且つ基板表面1S側の下縁14沿い横方向に第一マグネット体22を一体化し、さらに基板表面1S側の上縁13沿い横方向に第二マグネット体21を一体化したサンバイザー9への取付け固定具である。
【0011】
基板1は、
図2のごとく、サンバイザー9の大きさに合わせた横長の矩形板状のベース板である。基板1は合成樹脂製や木製,紙製等で造られる。ある程度の保形性を有しておれば足り、ソリッドの樹脂成形品よりも発泡成形品や厚紙よりもダンボールなどで車両用として軽量化を図ったものが好ましい。例えば軽量で撓み難く、保形性に優れる発泡ポリウレタンや発泡スチロール等からなる「ビーズ発泡成形体」の板状加工品が好ましく、本実施形態の基板1もこれを用いる。「ビーズ発泡成形体」とは、いわゆるビーズ発泡法(特許第4855138号,特開2015-101620号,特開2013-22911号,特開2011-105879号等)によって得られた発泡成形体で、ペレットに発泡剤を含浸したビーズを予備発泡成形し、その後の型内発泡成形によって成形されている発泡成形体をいう。
基板1は、左右対称の四角枠で、その中央域に矩形の開口部10が設けられる。サンバイザー9に基板1が取付けられた状態下でも、サンバイザー9のバニティミラー910を使用できるようにするためである(
図2)。この四角枠の基板裏面1Rの両側寄りに、
図1ごとくの取付部材3が固着される。
【0012】
取付部材3は基板1をサンバイザー9に取付けるための部材で、本実施形態は帯状の樹脂製結束バンドとする。取付部材3は一対構成で、二組ある。四角枠基板1の裏面1Rで、その上縁13側フレームに上側バンド部32の基端部分が固着され、上方に先端部分が突出する。またその下縁14側フレームに下側バンド部33の基端部分が固着され、下方に先端部分が突出する。
ここで、本発明でいう「基板の裏面」とは、サンバイザー9を下ろして使用状態にし、該サンバイザー9へ車室内から乗員がベース体BSを取付ける
図8で、サンバイザー9と対向する「基板の面」を指し、「基板の表面」は着座乗員と向き合う「基板の面」を指す。シート部材4の「表面」側とは、図示しない運転席側サンバイザー9にベース体BSが取付けられ、シート部材4に収容された第一板片71を第一マグネット体22に磁力吸着させた状態にある
図3の該シート部材4を、運転席に座った乗員から見たその「紙面表面」側をいう。また、基板1やシート部材4の「上側」,「下側」,「左側」,「右側」とは、
図3の正面視状態ある基板1やシート部材4の「紙面上側」,「紙面下側」,「紙面左側」,「紙面右側」を指す。
取付部材3には、
図1のごとく上側バンド部32の先端部分の表面と下側バンド部33の先端部分の裏面に、対の面ファスナー37,38がそれぞれ貼着一体化されている。よって、
図2,
図9のように該取付部材3をサンバイザー9に巻き付けるだけで、基板1がサンバイザー9に簡便に取付け保持される。
【0013】
マグネット体2は永久磁石で、ここでは外観形状を円盤形状とする。マグネット体2を構成する磁石は固体磁石(又は可撓性磁石)で、磁石は磁力が強力なNd,Sm等のレアアースを含む希土類磁石や希土類鉄磁石が好ましく、本実施形態もこれらの固体磁石を採用する。マグネット体2は第一マグネット体22と第二マグネット体21とを備える。
第一マグネット体22は、基板表面1S側の下縁14沿い横方向に埋設一体化される。複数(
図1は七個)の第一マグネット体22が互いに離間して、
図1のように基板下縁14沿いの全域に亘るように一体化している。
図2のように左端とその隣の第一マグネット体22間距離nは短くして、他はこれより長い所定ピッチmで離間配設されるとより好ましく、本実施形態もこれを採用する。
図3のごとく、展開したシート部材が左右方向に多少ずれても、左半割り部41を確実に保持できるからである。左端の第一マグネット体22Aは磁力を高めるべく、他の第一マグネット体22よりも大きくする。基板表面1Sと第一マグネット体22が基板表面1S側に現れる面は面一とする。
図3のごとく、左右に展開した両半割部が、第一マグネット体22と第一板片71(詳細後述)との接合(近接を含む)による磁力吸着で、シート部材4の展開状態が維持される。
【0014】
第二マグネット体21は、永久磁石からなる円盤状の金属品で、基板表面1S側の上縁13沿い横方向に一体化される。詳しくは、複数(
図1は五個)の第二マグネット体21が、基板表面1S側の上縁13沿い横方向の全域に亘るように、
図1のごとく互いに離間して所定ピッチで配設される。各第二マグネット体21は左右対称位置にあり、第二マグネット体21の基板表面1S側に現れる面を基板表面1Sと面一とする。符号15は基板上縁13の中央寄り二箇所に設けた切欠を示す。尚、第二マグネット体21や前記第一マグネット体22の基板1からの脱落を防ぐべく、これを覆うようにして基板表面1Sにフィルム(図示せず)を被着することもできる。
【0015】
サンシェード本体SHは、シート部材4と第一板片71と第二板片72とを備える。シート部材4は、矩形にして、サンシェード本体SHの正面視大きさと同じ大きさである。シート部材4は、シート状にして、中央の縦方向を縦折り目45にして左右に分かれる半割部41,42の上縁43沿いに左筒袋410と右筒袋420とが形成された遮光シートである。左右の半割部41,42を折り重ねることによる横長さLが前記基板1の横長さaよりも小さくなる。さらに横方向の横折り目46で折畳むことにより折畳まれた横折り目間長さNが前記基板1の縦長さbに合わせた大きさになるシート部材4である。横折り目間長さNは基板縦長さbにほぼ等しい。縦折り目45で折り重ねられた状態になったシート部材4の長さLは、基板1の横長さaの1/2以上で2/3以下が好ましい(
図4)。この範囲が取り扱い易く、日差し防止の効果を得るからである。シート部材4や基板1の「横長さ」は、サンシェード本体SHが使用時の展開状態にある
図3の正面視で、それらの紙面各横方向の長さをいい、「縦長さ」は
図3でそれらの紙面各縦方向長さをいう。縦折り目45で折り重ねられた半割部の横長さLを二倍にしたものがシート部材4の横長さになる。
【0016】
本シート部材4は布製で、
図1,
図3ごとくの矩形にして、上縁43付近の横長方形部分を表面4S側へ折り重ね、上縁43沿いに左筒袋410,右筒袋420を形成する。そして、折り重なった部分の左側縁部位以外は、外周部を接着剤で接着(又は縫い糸で縫合)し、左筒袋410と右筒袋420とがつながる有底筒袋たる左右の半割部を形成する。符号gは接着部分を示す。尚、縦折り目45,横折り目46の折り目をシート部材4に予め付けておくのが、折り重ねし易く好ましいが、シート部材4を布製とするので、特に折り目は付けなくてもよい。
【0017】
また、シート部材4(サンシェード本体SH)は、不使用時に、左右の半割部41,42の表面4S側を対向させて重ね合わせると共に、第一マグネット体22に一方の半割部の第一板片71を磁力吸着させた状態にして、横折り目46で巻き込むように折畳んで基板1上に重ね置かれたシート部材4の小さな折畳み体4Kとし、第二マグネット体21と後述の第二板片72の力を借りて基板1上に保形維持されるようにしている。
本実施形態のシート部材4は、
図1,
図3のごとく縦折り目45を介して左右に左筒袋410,右筒袋420があり、右筒袋420の下方に向け横折り目46を介して第一段部分421、第二段部分422、第三段部分423が延在し、且つ第一〜第三段部分421,422,423から左方に向けて展開第一段部分411、展開第一段部分412、展開第三段部分413が延在する矩形シートになっている。左筒袋410の下方に向け、横折り目46を介して展開第一段部分411、展開第一段部分412、展開第三段部分413が延在する。縦折り目45と横折り目46によって、左筒袋410及び右筒袋420の下方で、シート部材4が六個の単位シートに分かれ、各単位シートの大きさが折畳み体4Kの大きさになる。
また、展開状態で維持される左右の半割部41,42の下縁44沿いに、折畳み体4Kの大きさに合わせた左右の袋部419,429を形成する。シート部材下縁44近くのの横長方形部分を表面4S側へ折り重ね、左右半割部41,42の下縁44沿いに左袋部419,右袋部429が設けられる。折り重なった部分で外周部を接着固定(又は縫合固定)し、左袋部419と右袋部429との境界も接着固定(又は縫合固定)する。該左袋部419,右袋部429が展開第三段部分413,第三段部分423になる。左右の袋部419,429にはそれぞれ該袋部419,429に適合する大きさの芯材5が収容される。芯材5は、樹脂製プレート片や板紙等からなる矩形板で、折畳み体4Kよりも若干小さめの矩形板とする。
【0018】
第一板片71は、前記左筒袋410と右筒袋420とに夫々収容され、第一マグネット体22への磁力吸着により、左右の半割部41,42が
図3の展開状態で維持されるようにする強磁性体の板片である。
図1のごとく左筒袋410と右筒袋420とに、半割部の横長さLよりも若干短くした帯板状の第一板片71が夫々収容される。ここでは二つの第一板片71を接続テープTでつないで、左筒袋410の筒口から右筒袋420用第一板片71、左筒袋410用第一板片71を収容する。強磁性体とは鉄,ニッケル,コバルト及びその合金などのように磁石に強く引き付けられる物質をいう。本実施形態の第一板片71は、鉄製の薄板を細長矩形板にカットした板片である。第一板片71に鉄製板片等の金属製板片を用いると、展開した左側半割部41で、基板1から
図3のように外方へ突き出す左側半割部41の展開上縁部がよれたり垂れたりしないので、サンシェード本体SHが大きく開いた状態で維持できる効果がある。符号Pは可撓性突片で、その基端部が左袋部419の第一板片71に固着され、先端部が筒口を通って
図1のごとく左筒袋410外(左側縁外)へ突出する。
【0019】
第二板片72は、第一マグネット体22に一方の半割部の第一板片71を磁力吸着させた状態にしたシート部材4の前記折畳み体4Kで、該シート部材4を介して第二マグネット体21に対向する部位に、取付け保持される強磁性体の板片である。第二マグネット体21への第二板片72の磁力吸着により、基板表面1S上で該折畳み体4Kの形状が維持されるようにした強磁性体の板片になっている。
本実施形態は、縦折り目45で折畳み、第一マグネット体22に右側半割部42の第一板片71を磁力吸着させた
図4の状態にして、横折り目46で巻き込むように折畳んで基板1上に重ね置かれたシート部材4の折畳み体4Kで、シート部材4を介して第二マグネット体21に対向する部位になるよう、第三段部分423,展開第三段部分413の下縁44沿いに、第二板片72が取付け保持されている。第二板片72も第一板片71と同様、鉄製板片とする。二枚の第二板片72が左袋部419,右袋部429にそれぞれ収容保持され、詳しくは、左右の袋部419,429に夫々収容された芯材5の下縁沿いに第二板片72を固着(接着固定)して、第二板片72が左右の袋部419,429に収容,保持される。第二板片72は
図2のように芯材5の裏面に固着される。
【0020】
次に前記構成のサンシェードセット具の一使用法を説明する。サンシェードセット具を右ハンドルの運転席側に取付ける場合であり、まず、
図8のごとくサンバイザー9を降ろし、
図8から
図2の状態になるよう取付部材3をサンバーザーに巻いてベース体BSを固定する。次いで、運転席側から見たサンシェード本体SHを、
図1の展開状態にして、
図3のごとく第一マグネット体22に第一板片71を磁力吸着させ、基板1に取付け保持させる。基板右側縁1cにシート部材4の右側縁4cを一致させ、左右の半割部41,42を図示のごとく展開状態に保つ。これだけで、運転席側へのサンシェード本体SHのセットが完了し、日よけ機能を発揮する。
多少シート部材4が左右にずれても、左端の第一マグネット体22が大きく、且つこれと隣接する第一マグネット体22間距離nが小さいので、第一板片71を第一マグネット体22へ確実に磁力吸着させシート部材4の展開状態を維持する。
【0021】
一方、使用状態から一時不使用となり、一時的に片づけたい時は、基板裏面1Rにサンシェード本体SHを小さく折畳んで片付ける。
図3の状態から、例えば右側第一マグネット体22に右側半割部42の第一板片71を磁力吸着させたまま、左側半割部41を縦折り目45で折って右側半割部42へと重ね合わせる(
図4)。次に、第三段部分423,展開第三段部分413を横折り目46で巻き込むように折畳んで、第二段部分422,展開第二段部分412上に重ね合わせ、
図5ごとくの重ね合わせ部をつくる。さらに、この重ね合わせ部を横折り目46で巻き込むように折畳んで第一段部分421,展開第一段部分411上に重ね合わせ、
図6のような折畳み体4Kをつくる。折畳み体4Kの大きさに合わせた芯材5が袋部419,429に収容されているので、該袋部419,429を巻き込むだけで、簡単に重ね合わせ部,折畳み体4Kを形成できる。
さらに該折畳み体4Kを横折り目46で巻き込むように折畳んで、小さくなった該折畳み体4Kを第二板片72の第二マグネット体21への磁力吸着により形状維持させる(
図7,
図10)。第二マグネット体21と右袋部429に在る第二板片72とが、第三段部分423の袋部419,第二段部分422,展開第二段部分412のシート部材4を介在させて磁力吸引し合うことによって、折畳み体4Kの形状を崩さずに保形維持する。左袋部419に在る第二板片72も
図10のごとく芯材5,シート部材4を介して右袋部429に在る第二板片72に重なり合っており、これも第二マグネット体21と磁力吸着されて、折畳み体4Kの保形維持に貢献する。
一時的不使用の場合は、基板裏面1R上に折畳んだ折畳み体4Kを重ね合わせて、片付け易いサンシェードセット具になっている。
【0022】
このように構成したサンシェードセット具は、日差しが強い日などで、ハンドルやシフトノブ等の日除けカバーとしてサンシェード本体SHが必要なときに、サンバイザー9にベース体BSを取付部材3で巻回固定して、サンシェードセット具を簡単に取付け対応できる。特許文献1のように車購入時のカスタム仕様にすることなく、後付けでしかも着脱自在に車に取付け可能である。一家族に複数台の車がある場合でも、サンシェードセット具を融通し合って、他の車に取付けできる。ベース体BSとサンシェード本体SHとが別体構成で、且つ略左右対称品になっているので、運転席,助手席に両用できる。
【0023】
そして、サンシェード本体SHが縦折り目45を中心にして左右の半割部41,42を折り重ねることにより、半割部の横長さLが前記基板1の横長さaよりも小さくなるので、不使用時におけるサンシェード本体SHの収納を助ける。一方、左右に展開した半割部41,42の双方が、第一マグネット体22と第一板片71との接合又は近接による磁力吸着で、シート部材4が展開状態で維持されるので、ハンドルやシフトノブ等の日除けカバーとしての大きさが確保でき、炎天下で車が直射日光に晒された場合でも、ハンドルやシフトノブが触れられないほど熱くなる事態を避けることができる。サンシェード本体SHとしての役目を十分果たす。左筒袋410,右筒袋420の夫々に収容された第一板片71の第一マグネット体22への磁力吸着により、左右の半割部41,42が展開状態で維持できる。
また、図示を省略するが、基板1の左側縁にシート部材4の左側縁を合わせて、第一マグネット体22に第一板片71を磁力吸着させてサンシェード本体SHを垂らせば、助手席側サンバイザー9に取付けて、助手席シートが熱くなるのを防止できる。
【0024】
布製のシート部材4は、横折り目46で屈曲自在になっていることから、車のサンバイザー9がどのような角度になっても、第一板片71を第一マグネット体22に磁力吸着させて、基板1にサンシェード本体SHを取付け維持でき、極めて優れものになっている。本発明は車室内温度を下げるのが目的でなく、炎天下で、停止後の再運転操作をし易くしたり、座席シートが熱くなるのを防いだりするものであることから、サンシェード本体SHの軽量化,薄型を図ることもできる。
そして、半割部41,42の下縁44沿いの袋部419,429に芯材5が収容され、さらに該芯材5に第二板片72が取付け固定されると、これらの重みによって、布製シート部材4であっても垂らせば、
図3,
図9のように該シート部材4が安定した展開状態を保つ。第一板片71が左右の筒袋410,420に第二板片72が左右の袋部419,429に収容されるので、シート部材4への第一板片71,第二板片72の接着剤等による固定に比べ低コストでサンシェード本体SHを生産できる。且つ第一板片71,第二板片72がシート部材4から剥がれ落ちる心配もない。
【0025】
一方、例えば、右半割部42の第一板片71を第一マグネット体22に磁力吸着させた状態にして、左右の半割部41,42の表面4S側を対向させて重ね合わせ、さらに横折り目46で巻き込むように折畳んで基板1上に重ね置かれた折畳み体4Kで、シート部材4を介して第二マグネット体21に対向する部位に、強磁性体の第二板片72が取付け保持され、第二マグネット体21への磁力吸着により、該折畳み体4Kの形状が維持されるようにすると、コンパクトな折畳み体4Kにして、基板裏面1Rに収納できる。従来のサンシェード本体SHは一時的不使用時に蛇腹状に折畳んで、後部座席等に収納していたが、後部座席に乗員が乗ると、改めてサンシェード本体SHの収納場所探しをしなければならず厄介であった。
これに対し、本発明のサンシェードセット具は、
図3のようにサンバイザー9に取付けたまま小さく折畳んだ後、該サンバイザー9を持ち上げれば、
図8のごとくフロントガラスFG上方の車両ボディルーフ82へ寄せられる。サンバイザー9の天井側に付くので、場所をとらず、置き場所に困ることがない。サンバイザー9で隠れるので目障りにならず、運転に支障もでない。また、サンバイザー9に取付けたまま、展開状態のシート部材4を折畳み体4Kへとスムーズに小さく折畳むことができる。折畳み体4Kには、基板1上に置かれる際、第二マグネット体21と対向する部位に、強磁性体の第二板片72が取付け保持されているので、第二マグネット体21と第二板片72とが磁力の吸引し合う力によって、折畳み体4Kの形状を保形維持する。本実施形態は、第二マグネット体22と第二板片71との磁力吸着を、第二段部分422,展開第二段部分412,右筒袋420のシート部材4を介しての接合による磁力吸着にしたが(
図10)、試作品でも磁力吸引が特に衰えることがなく問題ない。サンシェードセット具はこのコンパクト化した収納状態を保ったまま走行できる。勿論、折畳み体4Kの状態で磁力吸着によって基板表面1Sに係止できる一方、磁力吸着であるので、基板1から第一板片71,第二板片72付きサンシェード本体SHを磁力に抗して取り外すこともできる。使い勝手に優れる。
【0026】
さらに、左右の半割部41,42の下縁44沿いに、折畳み体4Kの大きさに合わせた左右の袋部419,429を形成し、左右の該袋部419,429にそれぞれ収容された板状の芯材5をさらに具備すると、縦折り目45,横折り目46の箇所での折り畳みがスムーズに運び、作業性が一段と向上する。加えて、布製シート部材4であると、その表面4Sに、キャラクター等の絵や図柄、模様,図形を施せば、遊び心を演出したサンシェード本体SHにもなる。
【0027】
また、再び前記収納状態からサンシェード本体SHを展開して使用する場合は、サンバイザー9を
図8のように倒した後、切欠15を利用して、乗員が第二マグネット体21の磁力に抗して折畳み体4Kを自らの方に引き寄せれば、
図4のごとく第二板片72が取付け保持された第三段部分423(袋部429)を基板1から容易に離すことができる。展開できれば、後は、重力で瞬時に右側半割部42が展開し、その後、乗員が手で左側半割部41を基板1の露出部分側に広げれば、第一マグネット体22に第一板片71が磁力吸引されて吸着し、サンシェード本体SHが
図3のごとく展開し使用状態に維持される。さらに、突片Pがあると、これにタッチして、サンシェード本体SHを容易に展開できる。収納状態のサンシェード本体SHから使用状態にする場合も手間取らず、時間がかからない。第一マグネット体22,第二マグネット体21と第一板片71,第二板片72との磁石による磁力を利用して、前述のごとく収納は勿論、展開も頗る容易になっている。
【0028】
さらにいえば、基板1が四角枠で、その中央域に矩形の開口部10を設けると、サンバイザー9に装備されたバニティミラーを継続使用できる。取付部材3はバニティミラーの裏面側に配されるので、邪魔にならず、車種によるバニティミラーの位置に制限を受けない。特許文献1のようにサンシェード本体SHを取付けるのに、バニティミラーの設置を取り止めることもない。本発明は双方を共存させて、乗員の満足度を高める。
加えて、本サンシェードセット具はサンバイザー9に取付けるので、
図8のようにフロントガラスFGに対向するようにサンバイザー本体91を下ろして、ハンドルやシャフトの日除けだけでなく、サンバイザー9の棒状支持部材92をサイドウィンドゥに沿うように回転させれば、第一マグネット体22への第一板片71の磁力吸着位置を調整して、サイドウィンドゥから日差しが入るのも簡単に防ぐことができる。
かくのごとく、本サンシェードセット具は数々の優れた効果を発揮し極めて有益である。
【0029】
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。ベース体BS,基板1,第一マグネット体22,第二マグネット体21,取付部材3,サンシェード本体SH,シート部材4,芯材5,第一板片71,第二板片72等の形状,大きさ,個数,材料,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。
【課題】後付けでサンバイザーへ取付け取外しができ、また他の車にも取付け可能であり、さらに収納も容易で、加えてサンバイザーにバニティミラーがあってもその使用対応ができるサンシェードセット具を提供する。
【解決手段】基板1の裏面にサンバイザーへの取付部材3を固着し、且つ基板表面1S側の上下縁14にマグネット体22,21を一体化したベース体BSと、シート状にして、中央の縦折り目45、横折り目46で折畳まれるサンシェード用シート部材4と、マグネット体への磁力吸着により、左右の半割部が展開状態で維持されるようにする強磁性体の第一板片71と、左右の半割部の表面4S側を対向させて重ね合わせると共に、横折り目で巻き込むように折畳んで基板上に重ね置かれたシート部材の折畳み体で、シート部材を介してマグネット体への磁力吸着により、折畳み体の形状が維持されるようにする強磁性体の第二板片72と、を具備する。