(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回転アクチュエータが、前記懸架されたプラットフォームに対する前記外骨格の接続部と前記基部に対する前記外骨格の接続部との間の中間ポイントにおいて、前記外骨格に対して結合されている請求項2に記載の振動絶縁システム。
前記懸架されたプラットフォームの前記基部に対する移動量の範囲全体にわたる変位についての、前記第1のロータと前記第2のロータの相対回転が1回転未満である請求項1に記載の振動絶縁システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示はアクティブな振動絶縁システムを対象とするものでる。アクティブな振動絶縁システムは、振動絶縁システムが結合されている基部に対して加えられる振動入力から設備(ペイロードが存在する懸架されたプラットフォームを包含することになるが、他の要素も包含し得る)を絶縁することに関して説明されることになる。アクティブな振動システムは、ペイロードが存在する懸架されたプラットフォームを振動絶縁するために、基部と懸架されたプラットフォームの間に制御された力を加えるものである。本明細書で開示される実施形態の多くは、車両座席に適用されるアクティブな振動系を論じることになる。しかしながら、説明される振動絶縁システムは、車両座席の用途に限定されるものではないことを理解されたい。本明細書では、何らかの振動入力からペイロードを絶縁することが望まれるあらゆる用途が企図されている。
【0017】
絶縁される設備は、入力振動から絶縁される全体の構造を包含するものである。アクティブなシートの場合、シートトップフレーム、クッション、肘掛けなどは、すべて懸架された設備の一部分である。加えて、アクティブに懸架されたシートの乗員も設備の一部分になる(最も関心を持たれるのは乗員の絶縁であるため、この例では乗員はペイロードになる)。振動している構造体と、振動から絶縁することが望まれるペイロードとの間に配置されたアクティブサスペンションシステムの構成要素の機構に関する実施形態がさらに説明される。
【0018】
図1のサスペンションにおいて、サスペンション12は、力発生源20、センサ22、およびコントローラ24を含むアクティブなシートサスペンションである。いくつかのアクティブサスペンションは、複数のセンサおよび場合によっては複数の力発生源さえ有し得る。サスペンション12は、シート28の静的重量を支持するためのばね26も有してよい。ばね26は制御可能なばね定数を有する可変ばねか、または制御可能な予荷重を与えるための備えを伴うばねでよい。
図1の例では、力発生源20が、車両フロア25に対して慣性的に結合されている。
【0019】
動作において、車両ホイール15は、経路16を通過するとき外乱を通過する。経路に沿った外乱によって生じる力が車両ホイールに加わり、次に車両懸架ばね18およびダンパ19によって車両フロア25に伝達される。車両サスペンション要素18および19(車両の1輪だけが示されていることに注意されたい)に載っている車体は一般にばね上質量と称され、ホイール組立体の質量は一般にばね下質量と称される。ばね下質量の運動がサスペンション要素に力を与え、その結果としてばね上質量に力が伝わる。シートサスペンション12は、ばね付きの車両質量の運動からシート28を絶縁するのに利用される。
【0020】
センサ22は、シート28の上下運動に関する量(垂直加速度、垂直変位、または垂直速度など)を検出する。センサ22(および存在する場合には他のセンサ)の出力は、コントローラ24に対する入力データとして供給される。コントローラ24は、供給されたデータに基づいて、シート28の運動を制御するために力発生源20によって作用させるべき出力を求めて、力発生源20にその力を作用させるように指令を送出する。上記の説明は、アクティブな閉ループ振動制御システムの機能の簡単な議論である。シートサスペンション12として使用するのに適するアクティブな閉ループ振動制御システムは、Umethalaらの「Active Suspending」という米国特許第7,983,813号に詳細に説明されており、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0021】
米国特許第7,983,813号で開示された力発生源は、可動磁石アーマチュアを有する往復型アクチュエータであった。いくつかの用途では、リニアアクチュエータが最適な選択ではない可能性がある。たとえば、必要な同一の移動量のために、より小さい物理的封体の内部に、リニアアクチュエータよりも適合することができる力発生源を採用するのが望ましいことがある。加えて、高効率および/または緊密さが望まれる用途では、回転アクチュエータが、より優れた選択肢であり得る。リニアアクチュエータでは、固定子封体の外部に延在するリニアアクチュエータのアーマチュアの部分は、アクチュエータの力の出力に相当に寄与することがない。
【0022】
本明細書で説明される実施形態は、振動制御システムの要素の特定の機構の利益を受けるものであり、このことはより詳細に説明する。本明細書で開示される実施形態は、回転アクチュエータを採用するものである。ボールナットおよびボールねじ、遊星歯車ヘッドなど、従来の伝達機構の使用が回避される。そのような従来の伝動は、電動機の複数の回転が、異なる回転数の伝動出力に変換される運動比を導入することによって、電動機の特定の用途のサイズの低減を可能にする有益な利益をもたらすことができる(一般に、所望の力を出すための電動機サイズを低減し得るような力増幅率をもたらすために、電動機の回転が、伝動出力のより少ない回転数に変換される)。しかしながら、制御される要素(すなわち懸架された設備の一部分である懸架されたプラットフォーム)に力が加わるポイントの近くに運動センサを配置するのが望ましい。伝動装置が存在することにより、力発生源からの力出力の作用点が、制御される懸架されたプラットフォームから分離される(伝動装置は、力発生源と、設備の懸架されたプラットフォーム部分との間に配設される)。伝動装置にガタ、ずれ、摩擦、静止摩擦などの何らかの異常があると、制御ループが不安定になる可能性がある。一般に、伝達機構のラッシュ、ノイズ、および摩耗を特に長期間の動作にわたって回避するのは、構成要素が摩耗したり潤滑が劣化したりするので非常に困難である。閉じた制御ループ内で従来の伝達機構を使用するのを回避することにより、これらの問題が回避される。
【0023】
少なくとも振動絶縁システムが制御するように構成されている動作の自由度における力発生源の出力と懸架された設備との間の結合は、直接結合と同程度に実用的であるのが望ましい。より具体的には、振動絶縁システムからの本来の力出力を、外骨格(外骨格の例は、後により詳細に説明され、4本の棒リンク、はさみ機構、テレスコープシステム、リニア軸受けシステムなどを包含し得る)などの副的な支持構造体を通してルーティングしてから懸架された設備に加えることは、回避するのが望ましい。アクティブな振動絶縁システムにおける回転アクチュエータの力発生源を、制御する運動の自由度において、外骨格を通してルーティングすることなく、絶縁される設備と絶縁システムの基部の間に、直接駆動として直接結合することに言及する。直接駆動結合をもたらすように使用される機構は、直接駆動機構と称されることになる。直接駆動機構のいくつかの例には、ピボットリンクおよび/またはカム/従動節の構造があり、後の段落で、より詳細に説明する。
【0024】
いくつかの実施形態では、直接駆動機構は、力発生源から設備に(および/または力発生源と振動絶縁システムの基部の間で)力を伝達するためにピボットリンクを採用する。一般に、ピボットリンクの、力発生源上の結合される位置に対する角変位は比較的大きいものになる。力発生源に対してリンクを結合する回転軸受けは、好ましくは、リンク端の、力発生源への接続位置に対する相対回転を拘束することなく、力発生源への接続位置に対するリンクの移動を拘束するものである。
【0025】
一般に、懸架された設備および/または振動絶縁システムの基部に接続されたリンク端の、設備(および/または機械的グランド)への、そのそれぞれの接続位置に対する角変位は、力発生源への接続位置に対する第1のリンクとの接続ポイントの角変位よりも(前述のように)小さいものになる。いくつかの実施形態では、設備(および/または振動絶縁システムの基部)に対するピボットリンクのこの接続は、回転軸受けを用いても、力発生源に対する第1の接続ポイントが達成されるので達成される。いくつかの実施形態では、相対角変位の必要条件が小さくなるので、回転軸受けは、回転において柔軟なエラストマのブッシングまたは屈曲部で置換され得る。ブッシングまたは屈曲部は、設備(および/または振動絶縁システムの基部)の接続ポイントに対するリンク端の必要な角変位を許容するように回転において柔軟である一方で、設備(および/または振動絶縁システムの基部)への接続ポイント位置に対するリンク端の移動を実質的に拘束すべきである。
【0026】
前述の直接駆動機構は、リンク端を力発生源に接続し、必要に応じて設備および/または振動絶縁システムの基部に接続するための諸要素を採用し、それらの要素は、リンク端の、力発生源、設備および/または振動絶縁システムの基部へのそれぞれの接続ポイントに対する必要な相対回転を可能にする一方で、接続ポイントに対するリンク端の移動を拘束するものである。回転軸受け、回転において柔軟なブッシング、屈曲部、または何らかの他の既知の機構は、必要な相対回転に順応する一方で相対移動を実質的に拘束することができる直接駆動機構の一部分として使用されてよく、本明細書の開示は、いかなる特定の接続機構の使用にも限定されるものではない。
【0027】
本明細書で説明される実施形態では、駆動機構と、分離した支持機構(外骨格とも称される)との両方が使用される。そのような機構に複数の利点がある。以前に説明したように、駆動機構は、回転アクチュエータから出力された力を、懸架されたプラットフォームに直接結合するように構成されている(一般的な場合、結合は、回転アクチュエータから設備へのものである。アクティブに懸架されたシートの例では、回転アクチュエータと、シートトップのフレームまたはシートトップのフレームが取り付けられているプラットフォームとの間が結合される)。懸架されたプラットフォーム上の、力発生源から出力された力が結合される位置またはその近くの位置に、運動センサが配置され得る。運動センサは、閉ループ振動制御システムで使用するとき、設備に対する加力ポイントまたはその近くに配置すると、曲げモードおよび他の設備構造体の他の外部振動の影響を最小化することができるので有利である。そのような機構により、閉ループ制御システムの安定性が改善される。必要に応じて、追加のセンサを他のどこかに配置してもよい。
【0028】
分離した外骨格を使用すると、直接駆動機構が、システムに生じ得る外的な負荷(横荷重、曲げモーメントなど)に耐える必要性が緩和される。外骨格に対する外的負荷に耐える必要条件を軽減することにより、ガタ、ずれ、摩擦などを最小化するための直接駆動機構の設計が、より容易になる。たとえば、ピボットリンクの直接駆動機構については、外骨格を使用すると、ピボットリンクの軸受けが耐えなければならない曲げ荷重が最小化される。軸受けは、曲げ、捩りなどが最小化されると、有効実用寿命が著しく向上し得、摩擦が低減し得て、用途においてより廉価なものを使用することができる。
【0029】
外骨格は、外的な力(制御された運動の自由度以外のもの)に抵抗するように構成されており、そのため、駆動機構は、そのような力に耐える必要性が緩和される。これによって、力発生源および駆動リンクの設計が簡単になり、システムの信頼性が向上する。加えて、外骨格(支持構造体)によって制御ループが閉じることがなく、絶縁システムの安定性が向上する。
【0030】
振動絶縁システムが所望の自由度の軸における運動を制御するように構成されている場合、外骨格が、設備の運動を、振動絶縁システムの基部に対して制御する軸に沿って直線にするように制限するのが望ましいが必要ではない。アクティブに懸架されたシートの用途では、シートトップの運動が、車両フロアに対して直線であるのが望ましいが必要ではない。はさみ機構は、本明細書で説明された様々な実施形態とともに使用するのに適切な外骨格の一実施形態である。はさみ機構は、直線の運動または直線に近い運動をもたらすことができる。従来のはさみ機構で一般に使用されている摺動面またはリニア軸受けでは、摺動面の場合、摩擦の増加、ラ音、摩耗、ガタの可制御性などの問題、または追加コストの問題(リニア軸受けの場合)が生じる可能性がある。ピボットリンクのみを使用するはさみ機構の一実施形態には特定の利益があり、後の段落でより詳細に説明する。当技術分野で知られている、テレスコープ構造体、リニア軸受けまたは他の直線的なサスペンション機構などの他の外骨格構造体も使用されてよい。
【0031】
いくつかの有益な外骨格機構は、曲線状運動を拘束する。4本棒のリンクなど、当技術分野で既知の様々なピボットリンク機構が使用され得る。曲線状運動を拘束する外骨格が使用される場合、駆動機構は、制御する運動の軸の自由度に加えて、1つまたは複数の他の自由度の運動に対応するように構成されなければならない。4本棒のリンクの外骨格では、摺動面またはリニア軸受けが不要であり、コストおよび信頼性の利益がある。回転軸受けは、リニア軸受けまたは摺動面と比較して、一般にあまり高価でなく、より高信頼であって、ラッシュ、静止摩擦、および他の非線形性の弱点がより少ない。しかしながら、4本棒のリンクなどの機構を使用したときの結果として、曲線状運動を許容し、別の自由度の運動(4本棒のリンクが垂直の主運動軸向けに構成されている場合には前後または水平の運動)をもたらす。付加的な自由度の運動が導入されると、いくつかの用途では問題になる可能性がある。
【0032】
従来の回転アクチュエータは、一般にロータ構成要素およびステータ構成要素を有し、ロータがステータに対して回転すると説明されている。一般的な用途では、ステータは機械的基準に対して(慣性的に、また回転において)固定されており、固定されたステータに対してロータが回転する。しかしながら、これは、回転アクチュエータの、いくぶん便宜的で限定する説明である。本開示の目的のために、特にロータとステータを識別するのではなく、内側ロータおよび外側ロータを説明する。回転アクチュエータには、内側ロータと外側ロータの間の相対的回転が存在し得る。内側ロータと外側ロータの一方または両方を、振動絶縁システムの様々な部分に対して様々なやり方で結合する様々な実施形態を説明する。いくつかの実施形態では、ロータのうちの1つが、機械的グランド基準(振動絶縁システムの基部または懸架されたプラットフォームなど)に対して回転自在に固定されてよい。いくつかの実施形態では、両方のロータが、機械的グランド基準に対して自由に回転することになる。いくつかの実施形態では、回転アクチュエータの外側ロータに対する内側ロータの相対回転が、振動絶縁システムの基部に対する懸架されたプラットフォームの移動量の全体の範囲にわたって1回転未満になるように制限されている。いくつかの実施形態では、機械的グランド基準に対する内側ロータの相対回転および機械的グランド基準に対する外側ロータの相対回転が、それぞれ、振動絶縁システムの基部に対する懸架されたプラットフォームの移動量の全体の範囲にわたって1回転未満になるように制限されている。
【0033】
多数のタイプの回転アクチュエータがあり、本発明は、いかなる特定のタイプの回転アクチュエータの使用にも限定されるものではない。回転アクチュエータはDC回転機またはAC回転機であり得る。回転アクチュエータは永久磁石を使用してよく、または永久磁石に依存しない誘導式機械もしくはスイッチングリラクタンス機械でもよい。回転アクチュエータは、NdFeBなどの希土類の永久磁石を使用してよく、またはあまり高価でないセラミック磁石を使用してよく、あるいは磁石を使用しなくてもよい。回転アクチュエータは油圧式または空気圧式でよい。本明細書で開示された実施形態は、内側ロータと外側ロータの間の相対運動を生成するために採用される物理的原理については多少なりとも制限されるものではなく、任意の既知の回転アクチュエータが使用され得る。
【0034】
回転アクチュエータをアクティブな振動絶縁システムの基部および設備に対して取り付けることができる複数のやり方があり、外側ロータに対する内側ロータの相対的角変位を、振動絶縁システムの基部と設備の間に出力の力を与えるように利用することができる複数のやり方がある。
図2a〜
図2fおよび
図3a〜
図3cは、回転アクチュエータを使用するアクティブな振動絶縁システムの様々な実施形態を概略的に示すものである。これらの図は、回転アクチュエータ、直接駆動機構、振動絶縁システムの基部および懸架されたプラットフォーム(設備)の配置を説明するものである。外骨格および制御システムの詳細は、明瞭さのために省略されている。
【0035】
図2aでは、回転アクチュエータ100は、機械的グランド基準に対して慣性的に固定されている。本出願では、機械的グランド基準は、選択された便宜的な機械的基準ポイントを指す。機械的グランド基準には、システムの内部の実質的に任意のポイントが(または地球など、システムの外部のポイントさえ)選択され得る。しかしながら、本明細書で開示される実施形態では、機械的グランド基準には、一般に、振動絶縁システムの基部または懸架されたプラットフォームのいずれかが選択されることになる。
図2aでは、機械的グランド基準には振動絶縁システムの基部101が選択されている。
図2bでは、機械的グランド基準には懸架されたプラットフォーム102が選択されている。「(機械的グランドに対して)慣性的に固定する」とは、回転アクチュエータ100の全体の質量が、地球に対して、慣性的に結合されている機械的グランド基準と同様に空間で移動することを意味する。
図2aでは、回転アクチュエータ100は基部101と一緒に移動する。
図2bでは、回転アクチュエータ100は懸架されたプラットフォーム102と一緒に移動し、回転アクチュエータ100の質量は、懸架されたプラットフォーム102の移動質量の一部分になる。
【0036】
いくつかの実施形態では、回転アクチュエータ100は、基部101または懸架されたプラットフォーム102ではなく、アクティブサスペンションシステムの何らかの部分に対して慣性的に結合される。この構成では、回転アクチュエータ100は、基部101および懸架されたプラットフォーム102の両方に対して移動する。この構成を浮動アクチュエータと称する。これらの構成は
図3a〜
図3bに示されており、より詳細に以下で説明する。
【0037】
いくつかの実施形態では、回転アクチュエータの内側ロータおよび外側ロータのうち一方が機械的グランド基準に対して回転自在に固定され、他方が機械的グランドに対して回転することができる。
図2aでは、回転アクチュエータ100の外側ロータ103は、機械的グランド(基部101)に対して回転自在に固定されている(慣性的にも固定されている)。内側ロータ104は、機械的グランドおよび懸架されたプラットフォーム102に対して回転することができる。直接駆動機構105は、懸架されたプラットフォーム102に対して内側ロータ104を結合する。
図2aに示された直接駆動機構はピボットリンク機構であり、剛性リンク106が、回転軸受け110を介して内側ロータ104に結合され、第2の回転軸受け111を介して、懸架されたプラットフォーム102に結合されている。カムおよびカム従動節などの他の直接駆動機構も、ここで、回転リンクの直接駆動機構の代わりに使用され得る。
【0038】
図2bの実施形態では、回転アクチュエータは、懸架されたプラットフォーム102に対して慣性的に固定されている。この実施形態で機械的グランド基準に選択されている懸架されたプラットフォーム102に対して、外側ロータ103が回転自在に固定されている。内側ロータ104は、機械的グランドおよび基部101に対して回転することができる。直接駆動機構105が、内側ロータ104を基部101に結合している。直接駆動機構105が内蔵する剛性リンク106が、回転軸受け110を介して内側ロータ104に結合されており、回転軸受け112を介して振動絶縁システムの基部101に結合されている。
【0039】
図2cの実施形態では、回転アクチュエータの内側ロータ104が、基部101に選択された機械的グランドに対して慣性的に、かつ回転自在に固定されており、外側ロータ103が、機械的グランドに対して回転することができる。外側ロータ103は、直接駆動機構105を介して、懸架されたプラットフォーム102に結合されている。直接駆動機構105は剛性リンク106を内蔵する。剛性リンク106は、第1の回転軸受け113を介して外側ロータ103に結合されており、第2の回転軸受け111を介して、懸架されたプラットフォーム102に結合されている。
【0040】
図2dの実施形態では、内側ロータ104は、機械的グランドに選択された懸架されたプラットフォーム102に対して慣性的に、かつ回転自在に固定されている。直接駆動機構105が、外側ロータ103を振動絶縁システムの基部101に結合している。直接駆動機構105が内蔵する剛性リンク106が、回転軸受け113を介して外側ロータ103に回転結合されており、回転軸受け112を介して振動絶縁システムの基部101に回転結合されている。
【0041】
いくつかの実施形態では、内側ロータ104と外側ロータ103の両方を、基部101と懸架されたプラットフォーム102との両方に対して回転可能にすることができる。
図2eの実施形態では、回転アクチュエータ100は、この実施形態における基部101である機械的グランドに対して慣性的に結合されている。内側ロータ104と外側ロータ103の両方が、基部101と、懸架されたプラットフォーム102との両方に対して自由に回転することができる。内側ロータ104または外側ロータ103のいずれか一方が機械的グランドに対して回転自在に固定されている先の実施形態と異なり、この実施形態では、内側ロータ104も外側ロータ103も機械的グランドに対して回転自在な固定はされていない。内側ロータと外側ロータの両方が機械的グランドに対して自由に回転することができる実施形態は、本明細書では2重作用と称される。一般に、2重作用の実施形態では、内側ロータと外側ロータは互いに対して逆方向に回転する。
【0042】
第1の剛性リンク123は、第1の回転軸受け124を介して内側ロータ104に結合されており、第2の回転軸受け125を介して、懸架されたプラットフォーム102に結合されている。第2の剛性リンク130は、第3の回転軸受け113を介して外側ロータ103に結合されており、第4の回転軸受け111を介して、懸架されたプラットフォーム102に結合されている。加えて、回転アクチュエータを通って延在する中心軸140が、内側ロータ104に固定され、第5の回転軸受け141を介してアクチュエータ取付け台150に結合されている。アクチュエータ取付け台150は、機械的グランドに選択された振動絶縁システムの基部に固定されている(したがって慣性的にも固定されている)。
図2eおよび
図2fでは、単一のアクチュエータ取付け台150のみが示されている。しかしながら、実際には、中心軸は電動機を通って延在し、電動機のいずれかの側に配置されたアクチュエータ取付け台に結合する。
図2eおよび
図2fに示された実施形態では、中心軸は内側ロータに固定されており、アクチュエータ取付け台に対して回転結合されている。中心軸を内側ロータに固定すると、中心軸が、直接駆動リンクを内側ロータに結合するためのクランクアームの取付けポイントとして利用され得、このことによってパッケージングの融通性がもたらされるという実用的な利益がある。あるいは、中心軸を、アクチュエータ取付け台に固定して、軸受けを介して内側ロータに回転結合することも可能であろう。
【0043】
図2fが示す別の実施形態は、
図2eの実施形態に実質的に類似のものである。機械的グランドが、
図2eのような基部ではなく、懸架されたプラットフォームに選択されていること以外は詳細には説明されない。
【0044】
2重作用の回転アクチュエータの機構では、機械的グランドに対する外側ロータの特定の角変位が、基部に対する懸架されたプラットフォームの変位に対応し、また、基部に対する懸架されたプラットフォームの同一の変位が、機械的グランドに対する内側ロータの同一の角変位に対応するのが望ましいが必要ではない。これは、ロータに接続された所望の半径のクランクアームを採用することによって可能になる。直接駆動リンクとロータの間の接続ポイントであるクランクピンが、所望の長さのクランクアームの終端に配置され得る。これを達成するためのクランクアーム341の使用法が
図3bに示されている。(
図3bは、実際には、絶縁システムの基部または懸架されたプラットフォームのいずれにも電動機が慣性的に結合されていない構成で使用されるリンクの接続を表すことに留意されたい。この機構は簡潔に説明されることになる。しかしながら、内側ロータのクランクアームの等価半径を変更するために
図3bで使用されている同一の構成が、
図2eおよび
図2fの2重作用の慣性的に固定された実施形態ならびに本開示で示された他の実施形態などの他の実施形態にも適用可能である)。この実施形態では、有効な内側ロータの直径が、アクチュエータの旋回点に対する外側ロータの剛性リンクの接続の直径に等しく設定されている。
【0045】
機械的グランドに対する慣性結合が回転アクチュエータ支持体と外側ロータの間の回転軸受けによって達成される他の実施形態(図示せず)も可能である。この機構は、
図2eおよび
図2fに示されたような、中心軸による慣性接続ほど実用的でなく、さらには説明しない。しかしながら、そのような機構は本明細書で企図されるものである。
【0046】
前述のように、浮動アクチュエータの実施形態も可能である。浮動アクチュエータの実施形態では、振動絶縁システムの基部または懸架されたプラットフォームのいずれかに対して回転アクチュエータを慣性的に結合する必要はない。浮動アクチュエータの実施形態では、アクチュエータは、振動絶縁基部と懸架されたプラットフォームの両方に対して移動することができる。しかしながら、アクチュエータは、制御される運動の自由度において、懸架されたプラットフォームと基部の間に、回転アクチュエータから直接駆動機構を介して力を加えることを可能にするやり方で拘束されている。2重作用の浮動アクチュエータの実施形態が
図3aおよび
図3bに示されており、後の段落でより詳細に説明する。
【0047】
回転リンクの直接駆動機構の代わりに、カムおよびカム従動節などの他の直接駆動機構も使用され得る。2重作用の浮動アクチュエータの実施形態においてカムおよびカム従動節を使用する例示の直接駆動機構が
図10に示されている。アクチュエータ1000の外側ロータに接続されたカム1030が、カム従動節1050を駆動する。カム従動節1050は懸架されたプラットフォームに接続されている(この図では、構造体が見えるように、懸架されたプラットフォームが省略されている)。カム1031が固定されている中心軸1040が、アクチュエータ100の内側ロータに固定されている。振動絶縁システムの基部に固定されているカム従動節1051が、カム1031によって駆動される。カム1030およびカム従動節1050は
図3bのピボットリンク330に類似であり、カム1031およびカム従動節1051は
図3bのリンク331およびクランクアーム341に類似である。ここで、カムおよびカム従動節は、本明細書で説明した他の実施形態の直接駆動リンクとして使用することもできるはずであり、2重作用の浮動アクチュエータの実施形態とともに使用するように限定されたものではないことに留意されたい。
【0048】
図4aおよび
図4bは、ピボットリンクのみを必要とするはさみ機構を使用する振動絶縁システムの外骨格を表すものである。滑り接触またはリニア軸受けは不要である。
図4aおよび
図4bは、はさみ外骨格の支持構造体400の斜視図を提供するものであり、
図4aでは、はさみ構造体の要素をより見やすくするように、振動絶縁システムのフレームのいくつかの部分を削除してある。構造体400は、振動絶縁システムの両側に取り付けられた2つのはさみ機構を有する。第1のはさみ機構430は、中央に取り付けられた軸受け440によって互いに対して旋回可能に接続された1対の主支持リンク432および433を含み、構造体400の片側で第1の主はさみ機構を形成する。はさみ機構430の背後には、第2のはさみ機構431が部分的に見えている。第2のはさみ機構431は、はさみ機構430と同一の構造であり、さらに説明することはない。
【0049】
主リンク432は、軸受け442によって、絶縁されたプラットフォーム402に対して旋回可能に接続されている。主リンク432は、軸受け435によって、副リンク434にも旋回可能に接続されている。主リンク433は、軸受け441によって、振動絶縁基部401に対して旋回可能に接続されている。主リンク433は、軸受け438によって、副リンク437にも旋回可能に接続されている。副リンク434は、前述のように主リンク432に接続されており、軸受け436によって振動絶縁基部401に対して旋回可能に接続されている。副リンク437は、前述のように主リンク433に結合されており、軸受け439によって、絶縁されたプラットフォーム402に対して、旋回可能に接続されている。はさみ機構430は(はさみ機構431も)摺動面またはリニア軸受けを使用しないことが理解され得る。副リンクを導入すると、はさみ機構は、回転軸受けのみを使用して機能することができる。これは、回転軸受けがリニア軸受けよりも低コストかつ高信頼であり得、摺動面を使用するのと比較して、摩擦がより小さく、静止摩擦が存在しないので有利である。
【0050】
主リンク432と433が同一の長さではないことも理解され得る。はさみ機構において長さが不均等な主リンクを使用すると、懸架されたプラットフォーム102が振動絶縁システムの基部401に対して移動するとき、主リンクが互いを通り過ぎることが可能になる。すなわち、主リンクは、主リンクが互いに対して平行になるポイントを越えることができる。はさみ機構が、この交差ポイントを通って移動することが可能になると、はさみ外骨格の運動の総合的な線形性が改善される。交差ポイントを外骨格サスペンション移動量の中間点の近くに移動させると、線形性がさらに改善される。
【0051】
前述のように、はさみ機構において、従来のはさみ機構で一般に使用されている摺動面および/またはリニア軸受けを副ピボットリンクで置換するのは有利であり得る。副ピボットリンクを使用するとき可能性のある難点の1つは、追加の副リンクの端点の運動が、直線状ではなく円弧状になることである。円弧状の経路により、望ましくない別の自由度の運動が導入される。この望ましくない自由度の運動を最小化するやり方の1つは、円弧状の運動が直線運動に近づくように長いリンクを使用することであろう(制限の中でリンク長さが無限大に向かうとき、リンク端の行程は真の直線運動に近づく)。しかしながら、多くの用途で、長いリンクのパッケージ化が問題になる可能性があるので、これは、利用可能な解決策をもたらさないことがある。この難点を克服するために、追加の副リンク(リンク434と437)が、両方とも、取り付けられている主リンク部材から離れる同一方向に配向される。副リンクは、同一方向に配向されている限り、主リンクとの接続ポイントから上方に向いても下方に向いてもよい(can either point up or down)。副リンクが同一方向に整列していて(すなわち平行であって)同一の長さであると、副リンク端の運動の直線からの誤差が、追加の副リンクによって補償される。
【0052】
一方のはさみ機構を他方のはさみ機構に結合する構造は、本明細書で特許請求される本発明の題材ではないので、説明しないことにする。外骨格構造体の剛性を高めるために、1対のはさみ機構を互いに結合することができる様々なやり方があり、本明細書で開示された実施形態は、はさみ機構を互い結合する特定のやり方に限定されないことに留意されたい。
【0053】
図3aは、振動絶縁システムのための、2重作用浮動アクチュエータの力発生源の実施形態を示す概略図である。外骨格と絶縁システムに対するアクチュエータの慣性接続との詳細は、この図では省略されている。アクチュエータ300は内側ロータ304および外側ロータ303を含む。アクチュエータ300に結合されている直接駆動機構305は、直接駆動リンク330、331、中心軸340、クランクアーム341、および後に説明する関連した軸受けを含む。外側ロータ303は、軸受け313によって、第1の直接駆動リンク330に対して旋回可能に接続されている。直接駆動リンク330の他端は、軸受け311によって、懸架されたプラットフォーム302に対して旋回可能に接続されている。内側ロータ304は中心軸340に固定されている。この図では、中心軸340は、アクチュエータを通って、紙面に対して垂直に配向された軸に沿って延在する。クランクアーム341は中心軸340に固定されている。クランクアーム341は、第2の直接駆動リンク331に対して旋回可能に接続されている。第2の直接駆動リンク331も、振動絶縁システムの基部301に対して旋回可能に接続されている。
【0054】
懸架されたプラットフォーム302を、アクチュエータ300の力によって、振動絶縁システムの基部301から離れるように変位させたいとき、内側ロータ304が時計回りに回転し、リンク331を介して振動絶縁システムの基部301に下向きの力を作用させる。同時に外側ロータ303が反時計回りに回転し、リンク330を介して、懸架されたプラットフォーム302に上向きの力を作用させる。
【0055】
図3bは、
図3aに概略的に示されたシステムの物理的な実施態様を示すものであり、各図において、同じ要素には同じ番号が付いている。
図3bでは、アクチュエータおよび直接駆動機構のみが示されている。
図3bの斜視図において、中心軸340がアクチュエータ300から外に延在する様子を見ることができる。図示されていないが、以下で論じられるように、中心軸340の一部分がアクチュエータ300の裏面から延在し、中心軸340が両端で支持されている。中心軸340のそれぞれの終端に1対の軸受け350がある(
図3bでは1対の軸受けのみが見られる)。
図3bの力発生源および直接駆動機構がはさみタイプの外骨格とともに使用される場合については、中心軸340の各終端が、軸受け350を介して主はさみの旋回点に回転結合され、各はさみ機構の主リンクが互いに対して結合される。その1対の軸受け350のうち一方が、接続する中心軸を第1の主はさみリンクに結合し、他方が中心軸を第2の主はさみリンクに結合する。
【0056】
中心軸を有するはさみ外骨格が、力発生源、直接駆動機構および絶縁されたプラットフォームなしで、
図5aには折り畳んだ状態で示され、
図5bには延びた状態で示されている。主はさみの旋回点が空間において移動するのと同様に、中心軸が空間において移動することになるのが理解され得る。アクチュエータの慣性は、はさみの旋回点に対して効果的に結合されている。しかしながら、中心軸が軸受けを介して旋回点に回転結合されているので、アクチュエータが生成するトルクが旋回点を介して外骨格構造体に結合されることはない。浮動アクチュエータの実施形態では、接続する中心軸に対してアクチュエータを慣性的に結合する必要はないことを理解されたい。はさみ機構が外骨格として使用されるとき、中心軸に対する接続は便利ではあるが必要でない。アクチュエータは、慣性的に懸架されたプラットフォームおよび振動絶縁システムの基部に対して移動する外骨格の他の部分に対して結合されてよい。あるいは、振動絶縁システムの基部および懸架されたプラットフォームに対してアクチュエータが移動することを可能にしてアクチュエータを支持するように、外骨格から分離した支持体の機構を使用してもよい。アクチュエータが結合される中心軸が、アクチュエータの質量の前後の慣性の影響を低減するように、同心であるかまたは偏心してよいことも理解されたい。
【0057】
前述のように、アクティブな振動絶縁システムが含み得るばね機構は、静的ばね定数またはシステムの制御下でいくつかのやり方で変化され得る制御可能なばね定数を有する。いくつかの実施形態では、ばね機構は、振動絶縁プラットフォームおよびそのペイロードを支持して、静的負荷およびゆっくり変化する負荷を相殺するように使用される。このばねは、アクティブな振動アクチュエータを支援し、したがって平均消費電力を低減することができ、かつ/またはアクティブなアクチュエータが油圧アクチュエータと対照的に電気アクチュエータであるとき、アクティブな振動を絶縁するシステムに必要なアクチュエータのサイズを縮小することができる。空気ばねなどの可変ばねが利用可能であれば、アクチュエータは静的負荷を支持する必要がない。いくつかの実施形態では、空気ばねは、懸架されたプラットフォームと振動絶縁システムの基部の間に結合され得る。
【0058】
折り畳まれた高さ対振動絶縁プラットフォームの動作距離の比が1対1に近づくと、従来の空気ばねでは、もはや用途の性能要件を満たすことができなくなる。いくつかの実施形態では、1に近い比が望まれるとき、代替形態の1つには、空気ばねをヨークおよび軸受け経由で中心軸に接続するものがある。これによって、非常にコンパクトな設計を達成することができる。この構成では、所与のプラットフォームの負荷を支持するのに2倍の空気力が必要になる一方で、必要とされる空気ばねの動作距離が半分になる。
図6に示される構造体は
図3bのものと同一であり、ヨーク660、空気ばね661および662、空気制御ライン663の一部分が追加されている。ヨーク660を中心軸340に回転結合する回転軸受けは示されていない。1つには、変位量が、懸架されたプラットフォームの変位量の1/2になる中心軸にばねを接続するときには、2倍の力が必要になるので、1対の空気ばねが使用されている。加えて、1対の空気ばねを使用すると、対称性が改善され、システムが移動量の範囲を超えて動作するとき揺れ動かないように保つのを支援する。
【0059】
図7は、
図5の外骨格および中心軸に統合された
図6の構造体を示すものである。
図5aおよび
図5bまたは
図6には示されていない追加要素は、電子モジュール710のみである。電子モジュール710は、システムコントローラ、モータコントローラおよび電力増幅器、システムの電源などのアクティブな振動絶縁システムの電子装置を含む。アクチュエータ600が、振動絶縁基部に対して側方にオフセットされていることが理解され得る。これによって、電子モジュール710を振動絶縁基部の封体の内部にパッケージ化するための余地が与えられる。加えて、回転アクチュエータの位置をオフセットすることにより、駆動機構が、懸架されたプラットフォームを、懸架された設備の重心において、または重心の近くで駆動するように配置され得る。
【0060】
図7には、アクチュエータ600と電気信号をやり取りするための可撓性リボンケーブル720および721も示されている。これらのケーブルは、アクチュエータ600に電力を供給し、アクチュエータ600の内部のセンサから信号を受け取る。アクチュエータが、相対運動に対応するために、システムの電子モジュール(一般に振動絶縁システムの基部にある)の位置に対して空間で移動する実施形態では、可撓ケーブルが必要となる。加えて、外側ロータがシステムの電子装置の位置に対して回転する実施形態については、ケーブルは、この相対回転にも対応しなければならない。(
図7に示されるような)2重作用の浮動電動機の実施形態では、外側ロータは、絶縁システムの基部から上方へ移動するとき時計回りに回転し、したがってアクチュエータ筐体の外部のまわりでリボンケーブルを巻き戻し、絶縁システムの基部に向かって下方へ移動するとき、反時計回りに回転し、したがって可撓性リボンケーブルを巻き付ける。このように、アクチュエータ筐体の外部のまわりにケーブルを通すことにより、リボンケーブルの曲率の半径を大きく保つことができ、それによって、ケーブルが撓むときの曲げストレスが低減する。
【0061】
前述の様々な実施形態のすべてが、システムの様々な要素を互いに結合するのに回転軸受けを採用する。これらの軸受けの摩擦、ラッシュ、静止摩擦などは、閉ループ振動制御装置に対して問題を導入することのないように、軸受けの有効実用寿命を通じて最小限であることが望ましい。長時間にわたる公差および摩耗のために、システムの予期された作動期間にわたったラッシュのない挙動を保証するのは困難なことがある。軸受けにおけるラッシュを最小化するやり方の1つには、製品寿命を通じて、すべての動作条件の下で軸受けに予荷重がかかるのを保証することがある。
【0062】
図8は、回転軸受けに対して予荷重を与えるための要素を含んでいる単一の直接駆動リンク800の一部分を示すものである。システムにおいて複数の駆動リンクが使用される場合、各駆動リンクのそれぞれの軸受け組立体が、リンク800に関して説明されるものと類似の構成を用いることになるであろう。加えて、類似の軸受け構成が、必要に応じて、様々なシステムの軸受けのために用いられ得る。1対のアンギュラコンタクト軸受け801、811が、リンク800の各終端(
図8には一端だけが示されている)に配置されている。軸受け801は、内側レース802、外側レース803、および内側レース802と外側レース803の間に捕捉された球804から成る。軸受け811は、内側レース812、外側レース813、および内側レース812と外側レース813の間に捕捉された球814から成る。リンク軸820は、内側軸受けレース802および812の内径の中に取り付けられる。軸820は、内側レース812に対して静止している肩部821を有する。リンク820の反対側には、保持クリップ822が軸820のまわりに取り付けられており、軸820を適所に保持するために内側レース802の外径に対して押しつけられている。
【0063】
軸受け801および811は、内側レース802と812が互いに対向している穴に圧入されている。外側レース803および813が穴に圧入されて、球804および814に荷重をかけ、その結果として、互いに対向した内側レースに荷重をかける。この圧入によって、球が内側レースに予荷重をかける。いくつかの実施形態では、内側レースは互いに直接押圧される。この機構の難点の1つには、軸受けが摩耗したとき、ラッシュまたは遊びが発達する可能性があることがある。
図8に示される実施形態では、柔軟な要素であるばね要素825(限定的でない一例ではエラストマであり、別の限定的でない一例では波形ばねである)が、内側レース802と812の間に配置されている。外側レース803および813が穴の設定された深さに収容されたとき、ばね825に予荷重がかかる。この予荷重によって、軸受けがかなり摩耗しても、予荷重がかかった状態を維持したまま熱変化に対応することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、他方に対して反対に設定された各軸受けの「C」タイプのアンギュラコンタクトまたは約15度の接触角として一般に示される浅い接触角が有利である。結果は、より高い横方向の結合または半径方向の負荷能力対45度の接触角であり、その結果、リンクにかかる所与のスラスト荷重に対して、すべりばめ軸の内側レースの動きに抵抗するための予荷重がより小さくて済む。
【0065】
図9aおよび
図9bは、駆動リンクの代替機構と、アクチュエータにかかる静的荷重を肩代わりさせるためのばねをパッケージ化する別の方法とを示すものである。
図9aおよび
図9bに開示された要素の機構の利益の1つは、駆動リンクに予荷重をかけるために重力を利用することができることである。第2の利益は、駆動リンクを特定のやり方で配置することによって、空気ばねの力対変位の特性を変え得ることである。
図9aでは、システムの関連した部品をより見やすくするために、振動絶縁システムの複数の要素が省略されている。絶縁システムの基部901の壁部分および懸架されたプラットフォーム902が省略されており、外骨格の各部が示されておらず、その結果、駆動リンクおよびばね継手構造体が見える。アクチュエータ900は、内側ロータ904および外側ロータ903を内蔵する。内側ロータ904に対して中心軸940が固定されている。中心軸940は、はさみ機構930および931の中央の旋回点に対して回転結合されている。この図では、はさみ機構930の中央の旋回点935は見えるが、はさみ機構931の中央の旋回点はアクチュエータ900によって隠されている。はさみ機構930は、主はさみリンク932および933を内蔵する。はさみ機構931は、主はさみリンク938および939を内蔵する。はさみ機構930および931の副リンクは示されていない。
図9aおよび
図9bの実施形態では外骨格としてはさみ機構が使用されているが、
図9aおよび
図9bに示された以下で説明される駆動リンク機構およびばね支持機構は、様々なタイプの外骨格とともに使用することができ、(摺動面、リニア軸受け、または副リンク機構を使用するかどうかということにかかわらず)はさみ機構とともに使用することに限定されないことを理解されたい。
【0066】
ばね要素(図示せず)は、上側ばね支持体954および下側ばね支持体955から成るばね支持構造体の内部に存在する。限定的でない一例では、ばね要素は空気(エア)ばねである。しかしながら、空気ばねの代わりに他のばね要素を使用してもよい。上側ばね支持体954は駆動リンク951に回転結合されている。駆動リンク951はクランクアーム941に回転結合されている。クランクアーム941は中心軸940に固定されており、中心軸940は内側ロータ904に固定されている。上側ばね支持体954は、ピボットピン960(回転軸受け、回転に柔軟なブッシング、屈曲部、または回転を許すが他の相対運動は拘束する他の要素でもよい)を介して、懸架されたプラットフォーム902にも回転結合されており、その結果、上側ばね支持体954は、懸架されたプラットフォーム902に対して傾くことができる。
【0067】
内側ロータ904は、中心軸940、クランクアーム941、および駆動リンク950にも接続すされている。駆動リンク950は、回転軸受けを介してクランクアーム941に回転結合されており、限定的でない一例では、回転軸受けを介して、懸架されたプラットフォーム902にも回転結合される。
【0068】
下側ばね支持体955は駆動リンク953に回転結合されている。駆動リンク953はクランクピンを介して外側ロータ903に回転結合されている。下側ばね支持体955は、ピボットピン961(回転軸受け、回転に柔軟なブッシング、屈曲部、または回転を許すが他の相対運動は拘束する他の要素でもよい)を介して、振動絶縁システムの基部901にも回転結合されており、その結果、下側ばね支持体955は、振動絶縁システムの基部901に対して傾くことができる。外側ロータ903は駆動リンク952にも回転結合されており、駆動リンク952は振動絶縁システムの基部901に回転結合されている。
【0069】
図9aおよび
図9bに表された駆動リンクの機構の動作は、以下のように理解され得る。最初に、ばね要素が存在せず、懸架されたプラットフォームに重量が与えられ、アクチュエータが、懸架されたプラットフォームを一定位置に保持するための力を生成するように命令されると想定する。重量が与えられたとき、懸架されたプラットフォームと振動絶縁システムの基部の間の間隔を縮小しようとする力が生成される。与えられた重量が駆動リンク950上を押す力を生成し、駆動リンク950が、内側ロータ904に反時計回りのトルクを与える。加えて、重量は、駆動リンク952を(上方へ)押す力も生成し、駆動リンク952が、外側ロータ903に時計回りのトルクを与える。懸架されたプラットフォームの変位に抵抗するために、アクチュエータは、与えられた重量によって生成された力に逆らう力(トルク)を出力しなければならない。アクチュエータは、内側ロータ904への時計回りのトルクと外側ロータ903への反時計回りのトルクとを同時に出力するように命令される。結果として、リンク950と952の両方に圧縮荷重がかかる。駆動リンク950および952には、付加重量によって効果的に予荷重がかかる。
【0070】
図6の実施形態では、1対の空気ばねが、ヨーク機構660を介して中心軸と振動絶縁システムの基部(
図6には示されていない)の間に結合されている。これらのばねが静的荷重l(重量)を相殺し、その結果リンクの予荷重を除去し、このことが、回転結合機構(一般的には回転軸受けであるが、前述の他の機構でもよい)の予荷重を除去する。予荷重のこの除去を補償する方法の1つは、以前に説明されたように、軸受け構造体に対して
図8の追加の要素を付加することである。代替形態には、軸受けシステムに予荷重を与える一方でばねが静的荷重を相殺することを可能にするために、
図9aおよび
図9bに示されたばね支持機構および駆動リンク951と953の追加の対を採用するものがある。
【0071】
次に、システムの中へ、ばね支持要素954と955の間にばね要素が配置されると想定する。システムに重量が与えられたとき、駆動リンク950および952は、ばねが存在しないかのように「押しつけられる」。リンク950が押し下げられ、以前のように、クランクアーム941が反時計回りに回転する。しかしながら、駆動リンク951はクランクアーム941にも取り付けられており、クランクアーム941が反時計回りに回転するとき、駆動リンク951は「引き下げられる」。駆動リンク951は、上側ばね支持体954に接続されているので、上側ばね支持体954を引張って下方へ傾斜させる。加えて、重量が与えられると、駆動リンク952が「押し上げられて」、外側ロータ903を時計回りに回転させる。駆動リンク953は外側ロータ903に接続されており、外側ロータ903が時計回りに回転するとき、駆動リンク953は「引き上げられる」。駆動リンク953が下側ばね支持体955に接続されているので、下側ばね支持体955は上方へ傾斜することになる。結果として、上側ばね支持体と下側ばね支持体が互いの方へ向かって傾斜して、間に配置されたばねを圧縮する。ばねは、変位するとき、変位に比例した力を作用させることにより、リンクおよび回転結合機構に対して予荷重を与え、一方、静的荷重が電動機から相殺され、ばねによって支持される。いくらかの静的荷重がある限り、リンク950および952は圧縮状態に保たれ、リンク951および953は引張り状態に保たれる。何らかの理由で、懸架されたプラットフォームの重力加速度がゼロになると、予荷重が失われるはずであるが、これは、一般に、重力があるときには一般的な用途では問題にならない。
【0072】
図9aおよび
図9bに示されるようにリンクを使用すると、さらなる1つの利益が生じる。ばねに加えられる力を、システムの変位の関数として変化させるように駆動リンク機構の幾何形状を変えることが可能である。この用途に使用可能な一般的な空気ばねは、公称の中心から離れて一定距離だけ延びたときと、公称の中心から離れて同じ距離だけ圧縮されたときとで、異なる力を出すことが分かる。この特定の非線形の挙動は、リンクの幾何形状の機構によって相殺することができ、これは、特定の用途においてアクチュエータの最大の力の出力要件が低減する利益をもたらすことができる。
【0073】
図9bの機構は、上側ばね支持体954と下側ばね支持体955の間に配置されるばね要素に適用される力対変位の所望の変更をもたらすものである。駆動リンク950と951が非平行であり、駆動リンク952と953が非平行であることが理解され得る。加えて、駆動リンク950と951は長さが異なってよく、駆動リンク952と953は長さが異なってよい。力対変位の特性を変えるために、1対の駆動リンクの間のオフセット角の調節および/またはリンクの相対長さの調節が用いられ得、ばね要素の非理想的な挙動を補償するためにリンクの幾何形状の調節が用いられ得る。
【0074】
図9bにおいて、軸A-Aは、リンク951のクランクアーム941に対する接続部において旋回点を通り、リンク951の上側ばね支持体954への接続部の旋回点を通る。軸A-Bは、リンク950の、クランクアーム941に対する接続部において旋回点(リンク951のクランクアーム941に対する接続部の旋回点と一致する)を通り、リンク950の、懸架されたプラットフォーム950への接続部の旋回点を通る。軸C-Cは、リンク953の外側ロータ903に対する接続部において旋回点を通り、リンク953の下側ばね支持体955との接続部の旋回点を通る。軸C-Dは、リンク952の外側ロータ903に対する接続部における旋回点(リンク953の外側ロータ903に対する接続部と同心である)を通り、リンク952の振動絶縁基部901との接続部の旋回点を通る。軸A-Aと軸A-Bが非平行であり、軸C-Cと軸D-Dが非平行であることが理解され得る。
【0075】
複数の実施態様が説明されてきた。しかしながら、本明細書で説明した発明概念の精神および範囲から逸脱することなくさらなる修正形態が製作され得、したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内であることが理解されよう。