(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
[0002]無線通信の進化は、普及および性能の観点から大幅な成長を試みてきており、最近では3GPP LTE(「第3世代パートナーシッププロジェクトロングタームエボリューション」)/LTE−Advanced、およびWiMax標準をもたらしている。
【0003】
[0003]このような標準は、高速伝送送信を可能にするために考えられている。
【0004】
[0004]これを達成するために、送信のためにOFDMおよびMIMO技法の組み合わせが用いられる。OFDM技法に従って、送信されることになるビットは、ビットシーケンスに分割され、次いでビットシーケンスは、個別の、相互に直交したサブキャリアによって変調され、送信のためにデータストリーム(すなわち(OFDM)シンボルを含むデータのストリーム、またはシンボルストリーム)に多重化される。MIMO技法に従って複数のシンボルストリームは、複数の送信/受信アンテナを通じて送信/受信される。
【0005】
[0005]しかし増大するモバイルネットワークユーザの数、ならびに非常に高いデータトラフィックを必要とするサービス(インターネット、マルチメディア、およびリアルタイムサービスなど)に対する増大する需要、およびモバイルアプリケーションの進化は、ますます高いユーザデータレート要件をもたらしている。
【0006】
[0006]このような要件を満たすためには、無線ネットワークの最適化およびアップグレードは、不十分な、非効率的な、および/または高価すぎる手法となり得る。
【0007】
[0007]別の手法は、ユーザ端末側で、スループットを増加させることを目的としてアルゴリズム、およびそれらを実現するように適合された受信器アーキテクチャを考案することである。
【0008】
[0008]文献で得られる受信器アーキテクチャは、実質的に2つの特有の設計上の選択、すなわち非反復受信器および反復受信器を示す。
【0009】
[0009]非反復受信器では、逆多重化は、QRD−M、球面復号、またはSOMA(「ソフト出力Mアルゴリズム」)アルゴリズムなどの、ML(「最尤」)検出を近似するアルゴリズムによって行われる。このようなアルゴリズム、および特にQRD−Mアルゴリズムは、より低い複雑さでML検出に近い性能を得ることを可能にする。
【0010】
[0010]反復受信器では、ストリーム間干渉キャンセル(「連続的干渉キャンセル」、SIC、または「並列干渉キャンセル」、PICなど)およびノイズ強調低減(noise enhancement reduction)のために、反復処理が行われる。反復受信器において逆多重化は、MMSE(「最小平均二乗誤差」)、ZF(「ゼロ強制」)、またはV−BLASTアルゴリズムを用いて行われる。
【0011】
[0011]現況技術では、非反復および反復受信器に基づく、または関係がある種々の解決策が知られている。
【0012】
[0012]国際公開第2008/027554号は、QR分解をベースとするMIMO検出、およびソフトビット生成のための方法および装置を開示している。MIMOチャネル行列Hに対して、H=QRとなるようにQ行列およびR行列を計算するようにQR分解が行われる。R行列、またはR行列の対角要素は、メモリに記憶される。R行列の各行の要素を、R行列の対応する対角要素で除算することによって計算される行列と、受信されたシンボルベクトルの各要素をR行列の対応する対角要素で除算することによって計算されるベクトルとを用いることにより、送信されたシンボルの近似最尤(ML)推定を生成するように木探索プロセスが行われる。
【0013】
[0013]米国特許出願公開第2010/0271988号は、MIMO検出およびチャネル復号のための方法およびシステムを開示している。方法は、チャネル複素利得行列をユニタリ行列、および右上の三角行列に分解するステップと、受信信号をユニタリ行列の複素共役転置に与えるステップであって、それによって複数の信号を生成するステップと、複数の信号の最後を正規化するステップと、複数の信号の正規化された最後をチャネル復号するステップであって、それによって最後の符号語信号を回復する、ステップと、最後の符号語信号を符号化するステップと、最後から2番目の符号語信号を回復するために、符号化された最後の符号語信号を利用するステップと、利用するステップを、すべての符号語信号が回復されるまで繰り返すステップとを含む。また、連続的干渉キャンセルのための不均衡変調およびコーディング方式をもたらすための方法およびシステムが開示される。
【0014】
[0014]国際公開第2008/069467号は、推定された送信信号から干渉を推定し、アンテナを通して受信された信号から、推定された干渉をキャンセルするための信号検出器と、干渉がキャンセルされた受信信号を用いることによって、チャネル復号を行うための復号器と、チャネル復号された信号を用いることによって、送信信号に対するソフト決定プロセスを行うためのソフト決定ユニットと、ソフト決定が適用された送信信号、および受信信号を用いることによってチャネルを推定するためのチャネル推定器と、ソフト決定が適用された送信信号、受信信号、および推定されたチャネルを用いることによって干渉およびノイズの合計信号に対して共分散を推定するための共分散推定器と、干渉キャンセル、チャネル復号、推定された送信信号更新、チャネル推定、および共分散推定が複数回反復された後の、チャネル復号された信号を用いることによって、送信信号を決定するためのハード決定ユニットとを備えた、反復受信器を開示している。
【0015】
[0015]国際公開第2010/031005号は、ソフト出力Mアルゴリズムに基づく、制限された木探索が後に続く、線形フロントエンドと、外側バイナリコードのための従来型の近最適または最適復号器と、反復復号(ID)とを含む内側復号器を備えた受信器を開示しており、それによって復号(出力)情報は、一方の復号器モジュールから入力として他方に渡され、内側/外側復号モジュール出力を精密化し改善するために用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
[0016]発明者は、列挙されたいずれの従来技術の解決策も不十分であることを認識した。
【0017】
[0017]実際に一方で非反復受信器は、受信されたシンボルストリームが大幅な電力不均衡を有する場合、最も弱いシンボルストリームは、ML検出を用いても(それによりストリーム間干渉はML検出によって除去されるはずで、ML検出の後のさらなる干渉キャンセルは用意されない)、エラーによって大きく影響を受ける場合があるという欠点があるとすると、他方では反復受信器におけるストリーム間干渉キャンセルは、MMSE、ZF、またはV−BLASTアルゴリズムなどの最適ではない、低い性能の逆多重化アルゴリズムの使用に限定される。
【0018】
[0018]さらに非反復および反復受信器では共に、セル間および/またはセル内干渉(以下では簡潔にするために、セル間/セル内干渉)についての問題は考慮されず、本明細書の以下ではセル間干渉は、サービス提供送信器が属するセル上の隣接セルによって生じる干渉を意味し、本明細書の以下ではセル内干渉によって、同じリソースを共有する同じセル内の異なるユーザによって生じる干渉を意味する。
【0019】
[0019]上記に鑑みて発明者は、ML検出の後に、シンボルストリーム(特に、弱いシンボルストリーム)に影響を及ぼすストリーム間、およびセル間/セル内干渉をキャンセルする問題に取り組み、それを達成するために、ML検出を、ストリーム間および、セル間/セル内干渉キャンセル概念と組み合わせることが可能な、受信器アーキテクチャを考案した。
【課題を解決するための手段】
【0020】
[0020]本発明の特定の実施形態による解決策の1つまたは複数の態様は独立請求項で述べられ、従属請求項で示される同じ解決策の有利な特徴を有し、その文言は参照によって言葉通どおりに本明細書に包含される(いずれの有利な特徴も、いずれの他の態様に必要な変更を加えて当てはまる、本発明の一実施形態による解決策の特定の態様を参照して示される)。
【0021】
[0021]より具体的には、本発明の実施形態による解決策の一態様は、セルにおいて、少なくとも第1および第2の信号に含まれる少なくとも第1および第2のデータストリームを受信するための受信器に関する。受信器は、
第1および第2の信号を受信し、第1のデータストリーム上で運ばれる第1のデータの推定をもたらすように構成された第1の推定ユニットと、
第1のデータの推定、および第1のデータストリームが送信された第1の無線チャネルの減衰に基づいて、再生された第1のデータストリームをもたらすように構成された再生ユニットと、
再生された第1のデータストリーム、第1および第2の信号、第2のデータストリームが送信された第2の無線チャネルの減衰、およびセル間/セル内干渉に基づいて、第2のデータストリーム上で運ばれる第2のデータの推定をもたらすように構成された第2の推定ユニットと、
第1のデータの前記推定に基づいて第1のデータ内の第1の情報を抽出するように構成された第1の抽出ユニット、および第2のデータの前記推定に基づいて第2のデータ内の第2の情報を抽出するように構成された第2の抽出ユニットと
を備える。
【0022】
[0022]本発明の一実施形態によれば、第1の推定ユニットは、第2のデータの追加の推定をもたらすようにさらに構成され、第2の抽出ユニットは、やはり第2のデータの前記追加の推定に基づいて第2の情報を抽出するように構成される。
【0023】
[0023]本発明の一実施形態によれば、受信器は、第2のデータの前記推定を、第2のデータの前記追加の推定に加算することによって、第2のデータの合成推定をもたらすための加算器ノードをさらに備え、前記第2の抽出ユニットは、第2のデータの前記合成推定に基づいて第2の情報を抽出するように構成される。
【0024】
[0024]本発明の一実施形態によれば、再生ユニットは、
第1のデータの前記推定を、第1の情報の推定に復号するように構成された第1の復号器アセンブリと、
第1の情報の前記推定を符号化するための符号化器アセンブリと、
第1の情報の符号化された推定に、第1の無線チャネルの減衰を推定する第1のチャネル係数を乗算することによって、再生された第1のデータストリームをもたらすための乗算ノードと
を備える。
【0025】
[0025]本発明の一実施形態によれば、第2の推定ユニットは、
第1および第2の信号から、再生された第1のデータストリームを減算し、それによってストリーム間干渉がキャンセルされた第2のデータストリームを取得するための、減算ノードと、
第2の無線チャネルの減衰、および第1および第2の信号に重畳されたセル間/セル内干渉に応じた重み係数によって、ストリーム間干渉がキャンセルされた第2のデータストリームに重み付けするための重み付けユニットであって、クリーンな第2のデータストリームをもたらす、重み付けユニットと、
クリーンな第2のデータストリームに基づいて、第2のデータの前記推定をもたらすように構成されたソフト復調ユニットと
をさらに備える。
【0026】
[0026]本発明の一実施形態によれば、第2の抽出ユニットは、
第2のデータの前記合成推定を、第2の情報の推定に復号するように構成された第2の復号器アセンブリと、
第2の情報の前記推定から、第2の情報を抽出するように構成されたハード決定ユニットと
を備える。
【0027】
[0027]本発明の一実施形態によれば、第1の抽出ユニットは、前記第1の復号器アセンブリによってもたらされた第1の情報の前記推定から、第1の情報を抽出するように構成された追加のハード決定ユニットを備える。
【0028】
[0028]本発明の一実施形態によれば、第1の推定ユニットは、
第1のデータストリームの電力を、第2のデータストリームの電力と比較し、
このような比較に従って、より高い電力を有するデータストリームを、第1のデータストリームとして識別し、
第1のデータの推定を、第1の復号器アセンブリにルーティングする
ように構成された比較およびルーティングユニットをさらに備える。
【0029】
[0029]本発明の一実施形態によれば、受信器は、
第2のデータの前記追加の推定を、第2の情報の追加の推定に復号するように構成された追加の第1の復号器アセンブリと、
第2の情報の追加の推定、および第2の無線チャネルの減衰に基づいて、再生された第2のデータストリームをもたらすように構成された追加の再生ユニットと、
再生された第2のデータストリーム、第1および第2の信号、第1のデータストリームが送信された第1の無線チャネルの減衰、およびセル間/セル内干渉に基づいて、第1のデータの追加の推定をもたらすように構成された追加の第2の推定ユニットと
をさらに備える。
【0030】
[0030]本発明の一実施形態によれば、追加の再生ユニットは、
第2の情報の前記追加の推定を符号化するための追加の符号化器アセンブリと、
第2の情報の符号化された追加の推定に、第2の無線チャネルの減衰を推定する第2のチャネル係数を乗算することによって、再生された第2のデータストリームをもたらすための追加の乗算ノードと
を備える。
【0031】
[0031]本発明の一実施形態によれば、追加の第2の推定ユニットは、
第1および第2の信号から、再生された第2のデータストリームを減算し、それによってストリーム間干渉がキャンセルされた第1のデータストリームを取得するための追加の減算ノードと、
第1の無線チャネルの減衰、および第1および第2の信号に重畳されたセル間/セル内干渉に応じた追加の重み係数によって、ストリーム間干渉がキャンセルされた第1のデータストリームを重み付けするように構成された追加の重み付けユニットであって、クリーンな第1のデータストリームをもたらす、追加の重み付けユニットと、
クリーンな第1のデータストリームに基づいて、第1のデータの前記追加の推定をもたらすように構成された追加のソフト復調ユニットと
を備える。
【0032】
[0032]本発明の一実施形態によれば、第1の抽出ユニットは、やはり第1のデータの前記追加の推定に基づいて第1の情報を抽出するように構成される。
【0033】
[0033]本発明の一実施形態によれば、受信器は、第1のデータの前記推定を、第1のデータの前記追加の推定に加算することによって、第1のデータの合成推定をもたらすための追加の加算ノードをさらに備え、前記第1の抽出ユニットは、第1のデータの前記合成推定に基づいて、第1の情報を抽出するように構成される。
【0034】
[0034]本発明の一実施形態によれば、第1の抽出ユニットは、
第1のデータの前記合成推定を、第1の情報の追加の推定に復号するように構成された追加の第2の復号器アセンブリと、
第1の情報の前記追加の推定から、第1の情報を抽出するように構成された追加のハード決定ユニットと
を備える。
【0035】
[0035]本発明の一実施形態によれば、前記重み係数、および前記追加の重み係数は、「最大比合成」、「干渉抑圧合成」、または「最小平均二乗」技法によって計算される。
【0036】
[0036]本発明の一実施形態によれば、第1の推定ユニットは、QRD−Mまたは球面復号アルゴリズムに基づくMIMO検出器を備える。
【0037】
[0037]本発明の一実施形態によれば、第1の推定ユニットは、MMSE、ZF、またはV−BLASTアルゴリズムに基づくMIMO検出器を備える。
【0038】
[0038]本発明の実施形態による解決策の他の態様は、前記受信器を備えた機器に関する。
【0039】
[0039]本発明の実施形態による解決策の他の態様は、セルにおいて、少なくとも第1および第2の信号に含まれる少なくとも第1および第2のデータストリームを受信するための方法に関する。方法は、
第1および第2の信号を受信し、第1のデータストリーム上で運ばれる第1のデータの推定をもたらすステップと、
第1のデータの推定、および第1のデータストリームが送信された第1の無線チャネルの減衰に基づいて、再生された第1のデータストリームをもたらすステップと、
再生された第1のデータストリーム、第1および第2の信号、第2のデータストリームが送信された第2の無線チャネルの減衰、およびセル間/セル内干渉に基づいて、第2のデータストリーム上で運ばれる第2のデータの推定をもたらすステップと、
第1のデータの前記推定に基づいて第1のデータ内の第1の情報を抽出し、第2のデータの前記推定に基づいて第2のデータ内の第2の情報を抽出するステップと
を含む。
【0040】
[0040]本発明のおかげで、例えばBLER(「ブロック誤り率」)、および受信器でのスループットの両方に関して、リンクレベルにおける性能が強力に向上される。
【0041】
[0041]本発明の上記その他の特徴および利点は、そのいくつかの例示的および非限定的な実施形態の以下の説明によって明らかにされるであろう。そのより良い理解のために、以下の説明は添付の図面を参照して読まれるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
[0042]図面を参照すると、本発明の1つまたは複数の実施形態による解決策が応用され得る、無線通信ネットワーク100が、
図1に概略的に示される。無線通信ネットワーク100は、複数の(図には1つのみが示される)トランシーバ局(またはノード)105を備える。各ノード105は、セル105
Cとしても参照される地理的領域にわたり、セル105
C内のユーザ機器(UE)110(例えば携帯電話)が、データトラフィックサービス(例えばウェブブラウジング、Eメール、音声、および/またはマルチメディアサービス)を可能にする無線周波数(RF)信号の交換を可能にするために、無線カバレージをもたらすように構成される。
【0044】
[0043]それを達成するために、ノード105、およびセル105
C内のUE110は共に、RF信号の相互の交換のためのそれぞれの送信/受信アンテナ(図示せず)、およびそれらを正しく処理するための適切な処理回路(図示せず)を備える。
【0045】
[0044]大まかに言えば、通常はUE110側における処理回路は、受信されたRF信号を対応するベースバンド信号に変換し、情報抽出のためにそれらを処理するための受信器と、それぞれの1つまたは複数の送信アンテナを通じて送信されるように信号を処理しベースバンド/RF変換するための送信器とを備える。
【0046】
[0045]無線通信ネットワーク100は、例えば3GPP LTE/LTE−Advanced、またはWiMAX標準に準拠するが、本発明の原理は一般に、OFDM(「直交周波数分割多重」)およびMIMO(「多入力多出力」)技法に基づく任意の無線通信ネットワークに当てはまる。
【0047】
[0046]OFDM技法に従って、送信されることになるビット(情報ビット、および冗長ビットなどの制御ビットの両方を含む)はビットシーケンスに分割され、次いでビットシーケンスは、個別の、相互に直交したサブキャリアによって変調され、送信のためにデータストリーム(すなわち(OFDM)シンボルを含むデータのストリーム、またはシンボルストリーム)に多重化される。MIMO技法に従って複数のシンボルストリームは、ノード105およびUE110側の両方において、複数の送信/受信アンテナを通じて送信/受信され、これは追加的な帯域幅および送信電力の増加なしに、通信性能を改善する。
【0048】
[0047]知られているようにOFDM技法は、時間/周波数領域における無線リソース割り当てに基づく。例えば3GPP LTE/LTE−Advanced標準を考察すると、時間領域では、無線リソースは送信時間間隔(TTI)ごとに分配され、各1つは1ms持続し(サブフレーム)、0.5msの2つの時間スロットを備え、一方、周波数領域では全帯域幅は複数の180kHzサブチャネルに分割される(各1つは、N=12の隣接した、等しい間隔で配置されたサブキャリアに対応する)。時間領域において1つの時間スロットに、周波数領域において12個の隣接したサブキャリアにわたって広がる、いくつか(例えば7つ)のOFDMシンボルを備えた無線リソースは、RRB(「物理リソースブロック」)と呼ばれ、データ送信のためにUE110に割り当てられ得る最小の無線リソースに対応する。
【0049】
[0048]本発明によれば、UE110には先進の受信器が設けられ、一実施形態によるそのアーキテクチャは
図2に概略的に示され、参照番号200によって示される。簡潔にするために、本発明を理解するために関連のある受信器200の部分(すなわちベースバンド部分)のみが示され、以下で述べられ、受信器200の他のよく知られた部分(例えばアンテナ、RFフィルタ、デュプレクサ、RF/IFフロントエンド、周波数ダウンコンバージョンのためのミキサ、A/D変換器)は意図的に省かれている。
【0050】
[0049]例示の開示された実施形態では、UE110側ではi=1,2の受信アンテナ(図示せず)、およびノード105側ではj=1,2の送信アンテナ(図示せず)を有する、2×2MIMOシステムが考察され、2つの並列の第1αおよび第2βのシンボルストリームの(ダウンリンク)送信のために空間多重化技法が仮定される。
【0051】
[0050]従って例示の考察されるシナリオでは、ノード105側において、第1および第2のビットシーケンスは、符号化され、変調され、それぞれ第1αおよび第2βのシンボルストリームに多重化される。次いで第1αおよび第2βのシンボルストリームは、それぞれ第1および第2の送信アンテナを通じて送信され、各1つは第1および第2の受信アンテナの両方に向けられる。
【0052】
[0051]言い換えれば受信器の観点からは、第1αおよび第2βのシンボルストリームは、それぞれ第1および第2の受信アンテナにおいて受信される第1y
1および第2y
2の信号の両方に含まれ、これは対応する情報ビットの高性能の抽出のために、提案される受信器200が処理することが意図される。
【0053】
[0052]受信器200は、例示としてUE110側にあるものと仮定されたが、これは限定的に解釈されるべきではない。実際、追加または代替として受信器200は、本発明の原理をUE110(これはそれによりサービス提供送信器機器として働く)とノード105との間のアップリンク送信に応用するために、ノード105側に配置され得る。
【0054】
[0053]
図2に戻って、受信器200の第1の段階は、第1の推定ユニット(例えばMIMO検出器)205であり、これは第1y
1および第2y
2の信号を受信する。MIMO検出器205は、シンボルストリームα、βの分離(空間逆多重化)を行い、第1のシンボルストリームα上で運ばれるシンボルのLLR(「対数尤度比」)ベースの推定、またはソフトシンボルLLR
α、および第2のシンボルストリームβ上で運ばれるシンボルのLLRベースの推定、またはソフトシンボルLLR
βを出力するように構成される。
【0055】
[0054]MIMO検出器205は、ML検出を最良に近似する、QRD−Mまたは球面復号アルゴリズムによって実現されることが好ましい。しかしMMSE、ZF、またはV−BLASTアルゴリズム(例えばその後に、ソフトシンボルLLR
α、LLR
βへの後続する逆マッピングのためのソフト復調器が続く)などの、より簡単なアルゴリズムによってそれを実現することを妨げるものではない。
【0056】
[0055]受信器200は、MIMO検出器205の下流側に、比較およびルーティングユニット210をさらに備え、これはソフトシンボルLLR
α、LLR
βを受け取る。論理信号Sの制御下で、比較およびルーティングユニット210は、シンボルストリームα、β電力を互いに比較し、このような比較に従って、より高い平均電力を有するシンボルストリームα、β、または最も強いシンボルストリームに関係するソフトシンボルLLR
α、LLR
βを第1の出力A
1に、およびより低い平均電力を有するシンボルストリームα、β、または最も弱いシンボルストリームに関係するソフトシンボルLLR
α、LLR
βを第2の出力A
2にルーティングするように構成される。
【0057】
[0056]最も強いシンボルストリームα、βの決定は、種々の、非限定的なメトリックまたは基準に従って行われ得る。一実施形態によれば、最も強いシンボルストリームは、チャネル行列を推定し、チャネル行列推定に基づいてシンボルストリームα、βの平均電力を計算し、計算された平均電力を互いに比較することによって決定され得る。
【0058】
[0057]具体的には、n番目のOFDMサブキャリアに対応するチャネル行列
【0062】
ただしh
ij(n)は、i番目の受信アンテナとj番目の送信アンテナの間の複素チャネル係数である。チャネル行列
【0064】
は、受信器200側において、例えば送信されたフレームに挿入された適切なパイロットシンボルを用いて推定される。第1αおよび第2βのシンボルストリームの平均受信電力p
αおよびp
βは、それぞれ以下のように計算され、
【0066】
ただし平均は、TTI内のUE110に割り当てられたN個のOFDMサブキャリアに対して行われる。
【0067】
[0058]第1のシンボルストリームαの平均電力p
αが、第2のシンボルストリームβの平均電力p
βより高い(p
α>p
β)場合は、比較およびルーティングユニット210は、ソフトシンボルLLR
α、LLR
βをそれぞれ、出力A
1、A
2にルーティングすることになる(第1のシンボルストリームαは最も強いシンボルストリーム、第2のシンボルストリームβは最も弱いシンボルストリームであり、例示として図に示されるシナリオである)。反対に第1のシンボルストリームαの平均電力p
αが、第2のシンボルストリームβの平均電力p
βより低い(p
α<p
β)場合は、比較およびルーティングユニット210は、ソフトシンボルLLR
α、LLR
βをそれぞれ、出力A
2、A
1にルーティングすることになる(第1のシンボルストリームαは最も弱いシンボルストリーム、第2のシンボルストリームβは最も強いシンボルストリームである)。しかし比較およびルーティングユニット210は、最も強いシンボルストリームに関係するソフトシンボルLLR
α、LLR
βのみを出力し得る(実際以下で述べられるように、最も弱いシンボルストリームに関係するソフトシンボルLLR
α、LLR
βは使用されなくてもよい)。
【0068】
[0059]従ってMIMO検出器205、ならびに比較およびルーティングユニット210は全体として、第1y
1および第2y
2の信号を受信し、データストリームの少なくとも1つ(例えば最も強いデータストリームα)において運ばれるソフトシンボルLLR
α、LLR
βをもたらすように構成された第1の推定ユニットとして働く。
【0069】
[0060]受信器200はまた、ソフトシンボルLLR
αに基づいて、最も強いシンボルストリームαのシンボル内の情報ビットb
αを抽出するように構成された抽出ユニットを含む。
【0070】
[0061]例示として示される実施形態では抽出ユニットは、復号器アセンブリ215、およびハード決定ユニット220を備える。
【0071】
[0062]復号器アセンブリ215は一般に、最も強いシンボルストリームに関係するソフトシンボルLLR
α、LLR
β(例えば第1のシンボルストリームαのソフトシンボルLLR
α)を受け取り、誤り訂正のための復号動作を行うように構成される。図に示されないが復号器アセンブリ215は、レートデマッチングユニット、デインターリーバ、ソフト合成によってハイブリッドARQ制御を行うためのソフトバッファ(間違って受信されたシンボルは、対応する再送信されたシンボルと合成される)、およびチャネル復号のためのターボ復号器を備えることが好ましい。
【0072】
[0063]復号器アセンブリ215は、最も強いシンボルストリームに関連して、情報ビットb
αのLLRベースの推定、またはソフト情報ビットLLR
bα、および(好ましくは)冗長ビットr
αのLLRベースの推定、またはソフト冗長ビットLLR
rα(冗長ビットr
αは、チャネルによって導入されるエラーに対する、情報ビットb
αの保護のために用いられる)を出力する。ソフト冗長ビットLLR
rαは、ターボ復号器内で実現されるLog−MAP(「対数最大事後確率」)アルゴリズムによって、ソフト情報ビットLLR
bαと一緒に出力されることが好ましい。
【0073】
[0064]ソフト情報ビットLLR
bαは、知られているようにソフト情報ビットLLR
bαから情報ビットb
αを抽出するように構成された、ハード決定ユニット220に供給される。
【0074】
[0065]図から分かるように復号器アセンブリ215はまた(論理的観点から)、ソフト情報ビットLLR
bα(およびソフト冗長ビットLLR
rα)、ならびに最も強いシンボルストリームαが送信された無線チャネルの減衰に基づいて、最も強い(すなわち第1の)シンボルストリームαの再生されたバージョン(または再生された最も強いシンボルストリームα)をもたらすことを目的とする再生ユニットの一部である。
【0075】
[0066]それを達成するために再生ユニットはまた、符号化器アセンブリ225、乗算ノード230、235、およびルーティング要素240を備える。
【0076】
[0067]符号化器アセンブリ225は一般に、よく知られているインターリーブおよびレートマッチング(すなわちパンクチャリングまたは反復)動作(例えば図に示されない、適切なインターリーバおよびレートマッチングユニットによって)、ならびに最も強いシンボルストリームαのシンボルを再生するためのソフト変調動作(例えば図に示されない、QAM変調器などのソフト変調ユニットを通して)を行うように構成される。
【0077】
[0068]再生されたシンボルは、以下のように計算され得る。
【0078】
[0069]各1つがN
b=log
2(M)ビットを備えるM個のシンボルs
mの信号点配置を考察し、
【0080】
によって、シンボルs
mにマップされたh番目のビット
【0082】
のLLRベースの推定を表すものとすると、それにより
【0084】
ただしyは対応する受信信号サンプル、hはビットインデックス、およびmは考察されるシンボルインデックスである。それにより、
【0086】
が0および1に等しい事後確率Pは、それぞれ以下のように書き表され得る。
【0088】
[0070]従って再生されたシンボル
【0094】
は、シンボルs
kに関連するラベルにおけるh番目のビットを表す。
【0095】
[0071]言い換えれば再生されたシンボル
【0097】
は、信号点配置のシンボルs
kの線形合成として得られ、各シンボルは、復号器アセンブリ215からの出力されるソフト情報ビットLLR
bα、およびソフト冗長ビットLLR
rαから導出される、確率の積として計算される対応する確率によって重み付けされる。
【0098】
[0072]最も強いシンボルストリームαを再生するために次いで、再生されたシンボルに伝搬チャネルの影響が適用される。具体的には最も強いシンボルストリームαの再生されたシンボル
【0100】
に、対応するチャネル係数h
ij(n)が(乗算ノード230、235を通して)乗算される(それによって再生された第1の、または最も強いシンボルストリームx
1(α)、x
2(α)を得る)。チャネル係数h
ij(n)は、ルーティング要素240によって乗算ノード230、235にルーティングされ、ルーティング要素240は、チャネル係数h
ij(n)を受け取って、それらの各1つを最も強いシンボルストリームに従って、対応する出力B
1〜B
4に向かってルーティングするように適合される。具体的には信号S(これは比較およびルーティングユニット210も制御する)の制御下で、ルーティング要素240は、出力B
1およびB
2において、最も強いシンボルストリームに対応するチャネル行列
【0102】
のチャネル係数h
ij(n)を、ならびに出力B
3およびB
4において最も弱いシンボルストリームに対応するチャネル行列
【0104】
のチャネル係数h
ij(n)をルーティングする。最も強いシンボルストリームが第1のシンボルストリームαである本明細書で考察される例では、出力B
1〜B
4は以下の値をとる。
【0105】
B
1=h
11(n) B
2=h
21(n)
B
3=h
12(n) B
4=h
22(n)
[0073]従って、最も強いシンボルストリームαの再生されたシンボルストリームx
1(α)、x
2(α)は、以下のように表され得る。
【0107】
[0074]受信器200は一般に、再生された最も強いシンボルストリームx
1(α),x
2(α)、第1y
1および第2y
2の信号、最も弱いシンボルストリームβが送信された無線チャネルの減衰、およびセル間/セル内干渉に基づいて、第2の、最も弱いシンボルストリームβ(以下、ソフトシンボルLLR
βf)上に送信されたシンボルの追加のLLRベースの推定をもたらすように構成された第2の推定ユニットをさらに備える。それを達成するために第2の推定ユニットは(以下で述べられるように)、減算ノード245、250、重み付けユニット(例えば合成ユニット255、および重み計算ユニット260を備えた)、およびソフト復調ユニット265を備える。
【0108】
[0075]具体的には再生されたシンボルストリームx
1(α)、x
2(α)は、以下の成分によって与えられる、ストリーム間干渉がキャンセルされた最も弱いシンボルストリーム
【0110】
を得るために、減算ノード245、250においてそれぞれ第1y
1および第2y
2の信号が減算される。
【0112】
[0076]ストリーム間干渉がキャンセルされた最も弱いシンボルストリーム
【0114】
は、次いで重み付けユニットに供給される。本明細書で述べられる例示的実施形態では、ストリーム間干渉がキャンセルされた最も弱いシンボルストリーム
【0116】
は、合成ユニット255においてアンテナ合成を受け、合成ユニット255は以下によって与えられるクリーンな最も弱いシンボルストリーム
【0122】
は、重み計算ユニット260によって計算される重みベクトルである。重み計算ユニット260は入力において、ルーティング要素240の出力B
3およびB
4にて供給される最も弱いシンボルストリームのチャネル係数(考察される例では、係数h
12(n)およびh
22(n))と、第1y
1および第2y
2の受信信号に重畳されるセル間/セル内干渉の共分散行列
【0124】
とを受け取る。これ以降では、セル間/セル内干渉とは、サービス提供送信器(すなわち、ダウンリンク送信におけるノード105、およびアップリンク送信におけるUE110)が属するセル上で、隣接セルによって生じる干渉(セル間干渉)、および/または同じリソースを共有する同じセル(例えばセル105
C)内で、異なるUE110によって生じる干渉(セル内干渉)を意味する。
【0125】
[0077]例えば、ユニタリ周波数再使用係数の場合には、干渉は、同じ周波数を再使用する隣接セルによって引き起こされるセル間干渉となり得る。
【0128】
は、MIMO2×2システムの場合は2×2複素行列であり、これは知られているように、送信されたフレームに挿入されたパイロットシンボルを用いて、受信器側において推定され得る。
【0131】
の計算は、種々の非限定的な、良く知られている合成技法に従って行われ得る。例えばMRC「最大比合成」技法を用いることができ、その場合は重みベクトル
【0133】
は、チャネル係数の複素共役によって形成され、すなわち
【0135】
ただし記号*は、複素共役演算を示す。
【0136】
[0080]どのような方法でも、干渉の空間的相関を考慮に入れたより複雑な合成技法を、重み計算ユニット260において実現することもできる。例えばウィーナー・ホップ方程式に基づくIRC(「干渉抑圧合成」)を用いることができ、これは以下のSINR(「信号対干渉および雑音比」)を最大化することを可能にする。
【0138】
[0081]上記の式で与えられる計算は共分散行列の転置を必要とし、これはMIMO2×2の場合は自明な演算である。より高次のMIMO構成(例えば4×4)の場合は、共分散行列
【0140】
のサイズが増大し、従って転置は実現の観点から複雑な問題となり得る。行列転置問題を回避するために、重みベクトル
【0142】
の計算はまた、LMS(「最小平均二乗」)のような反復アルゴリズムを用いて行うことができ、これは基準シンボル(例えばパイロットシンボル)を用いることによって、良好な精度および短い収束時間でウィーナー・ホップ方程式の解をもたらすことができる。
【0143】
[0082]次いで合成ユニット255の出力におけるクリーンな最も弱いシンボルストリーム
【0145】
は、例えば適切なアルゴリズム、例えば当技術分野でよく知られているMAP(「最大事後確率」)または対数領域(例えばLog−MAPまたはMax Log−MAP)で正しく働く簡略化されたバージョンによって実現される、シンボル対ビットデマッピングを行う、ソフト復調ユニット265に供給される。
【0146】
[0083]ソフト復調ユニット265は、クリーンな最も弱いシンボルストリーム
【0148】
からソフトシンボルLLR
βfをもたらす。好ましくは、ソフト復調ユニット265によってもたらされるソフトシンボルLLR
βfは、その後に加算器ノード270を通して、MIMO検出器205によって供給されるソフトシンボルLLR
βと合成(すなわち加算)され、それによって合成ソフトシンボルLLR
sum(β)を得る。
【0149】
LLR
sum(β)=LLR
β+LLR
βf
[0084]ソフトシンボルLLR
βおよびソフトシンボルLLR
βfが異なるようにして得られたことを考慮に入れると、それらはある程度相関がなく、従って後の情報ビット抽出のための補強をもたらす(しかし最も弱いシンボルストリームβの情報ビットb
βを直接、およびソフトシンボルLLR
βのみから抽出することを妨げるものではない)。本発明の実施形態ではまた、加算器ノード270は省くことができ、その場合はソフトシンボルLLR
βfおよびLLR
βは別々に処理され得る。
【0150】
[0085]合成ソフトシンボルLLR
sum(β)は次いで第2の抽出ユニットに供給され、これは一般にソフトシンボルLLR
sum(β)に基づいて(またはソフトシンボルLLR
βfのみに基づいて)、最も弱いシンボルストリームβのシンボル内の第2の情報ビットb
βを抽出するように構成される。
【0151】
[0086]第2の抽出ユニットは(上述の第1の抽出ユニットと同じように)、追加の復号器アセンブリ275(復号器アセンブリ215と同じような)を備え、これは、情報ビットb
βのLLRベースの推定、または最も弱いシンボルストリームβのソフト情報ビットLLR
bβ’を(場合によっては、図に示されない冗長ビットのLLRベースの推定、またはソフト冗長ビットと一緒に)出力する。
【0152】
[0087]前の考察と同様に、ソフト情報ビットLLR
bβは最後に、ハード決定ユニット280(第2の抽出ユニットの一部でもある)に供給され、これはソフト情報ビットLLR
bβ’から、最も弱いシンボルストリームβの情報ビットb
βを抽出するように構成される。
【0153】
[0088]
図3は、本発明の他の実施形態による受信器アーキテクチャ300のブロック図を示す。
【0154】
[0089]受信器300は、概念的には受信器200と同様であるが、それとは第1αおよび第2βのシンボルストリームの並列処理(それらの平均電力に関係ない)に対して異なる。
【0155】
[0090]回路の観点から、これは実質的に受信器200のほとんどすべての回路の複製に変わる(そのため、すでに述べられたものと等しいまたは同様な回路については再び述べられない)。
【0156】
[0091]受信器300のアーキテクチャおよび動作は、以下のように要約され得る。
【0157】
[0092]MIMO検出器305によって出力されたソフトシンボルLLR
α、LLR
βは、それぞれの復号器アセンブリ315
1、315
2に入力される。
【0158】
[0093]復号器アセンブリ315
1からの第1のシンボルストリームαのソフト情報ビットLLR
bα、および(場合によっては)ソフト冗長ビットLLR
rα、ならびに復号器アセンブリ315
2からの第2のシンボルストリームβのソフト情報ビットLLR
bβ、および(場合によっては)ソフト冗長ビットLLR
rβは、次いでそれぞれの符号化器アセンブリ325
1、325
2に入力され、これらはそれぞれ、第1のシンボルストリームαの再生されたシンボル(または再生されたシンボルs
m(α))、および第2のシンボルストリームβの再生されたシンボル(または再生されたシンボルs
m(β))をもたらす。
【0159】
[0094]再生された第1のシンボルストリームx
1(α)、x
2(α)は、再生されたソフトシンボルs
m(α)に、対応するチャネル係数h
11(n)およびh
21(n)をそれぞれ、乗算(乗算ノード330
1、335
1を通して)することによって得られ、一方、再生された第2のシンボルストリームx
1(β)、x
2(β)は、再生されたソフトシンボルs
m(β)に、対応するチャネル係数h
12(n)およびh
22(n)をそれぞれ、乗算(追加の乗算ノード330
2、335
2を通して)することによって得られる。
【0160】
[0095]従って復号器アセンブリ315
1、符号化器アセンブリ325
1、および乗算ノード330
1、335
1は、全体として第1のシンボルストリームαに関連する再生ユニットを特定し(前の実施形態と同じように)、一方、復号器アセンブリ315
2、符号化器アセンブリ325
2、および乗算ノード330
2、335
2は、全体として第2のシンボルストリームβに関連する追加の(複製された)再生ユニットを特定する。
【0161】
[0096]再生された第1のシンボルストリームx
1(α)、x
2(α)は、第2のシンボルストリームβ上のストリーム間干渉をキャンセルするために、対応する減算ノード345
1、350
1において、受信された第1y
1および第2y
2の信号から減算され、再生された第2のシンボルストリームx
1(β)、x
2(β)は、第1のシンボルストリームα上のストリーム間干渉をキャンセルするために、対応する追加の減算ノード345
2、350
2において、第1y
1および第2y
2の信号から減算される。
【0162】
[0097]ストリーム間干渉がキャンセルされた第1のシンボルストリーム
【0166】
[0098]同様にストリーム間干渉がキャンセルされた第2のシンボルストリーム
【0170】
[0099]ストリーム間干渉がキャンセルされた第1
【0174】
のシンボルストリームは、次いでそれぞれの合成ユニット355
1、355
2に供給され、これらは、それぞれクリーンな第1のシンボルストリーム
【0176】
、およびクリーンな第2のシンボルストリーム
【0184】
は、前のように、入力においてチャネル行列
【0186】
と、第1y
1および第2y
2の信号に重畳された干渉およびノイズの共分散行列
【0188】
とを受け取る重み計算ユニット360によって計算される。従って合成ユニット355
2および重み計算ユニット360は全体として、ストリーム間干渉がキャンセルされた第2のシンボルストリーム
【0190】
に対する重み付けユニットを特定し(前の実施形態と同じように)、一方、合成ユニット355
1および重み計算ユニット360は全体として、ストリーム間干渉がキャンセルされた第1のシンボルストリーム
【0192】
に対する追加の重み付けユニットを特定する。重み計算ユニット360は、例示として両方の重み付けユニットによって共有されるものと仮定されたが、別々の重み計算ユニット(各1つが、それぞれの合成ユニット355
1、355
2に関連付けられる)を実現することを妨げるものではない。
【0197】
のシンボルストリームは、次いでシンボル対ビットデマッピング動作を行うそれぞれのソフト復調ユニット365
1、365
2に供給される。
【0198】
[0101]上述のものと同様に、ソフト復調ユニット365
1は第1のシンボルストリームαのシンボルの追加のLLRベースの推定、またはソフトシンボルLLR
αfをもたらし、一方、ソフト復調ユニット365
2はソフトシンボルLLR
βfをもたらす。
【0199】
[0102]従って減算ノード345
1、350
1、合成ユニット355
2、重み計算ユニット360、およびソフト復調ユニット365
2は、ストリーム間干渉がキャンセルされた第2のシンボルストリーム
【0201】
に関連する第2の推定ユニットを特定し(前の実施形態と同じように)、一方、減算ノード345
2、350
2、合成ユニット355
1、重み計算ユニット360、およびソフト復調ユニット365
1は、ストリーム間干渉がキャンセルされた第1のシンボルストリーム
【0203】
に関連する追加の第2の推定ユニットを特定する。
【0204】
[0103]次いで好ましくは、ソフトシンボルLLR
αfおよびソフトシンボルLLR
βfは、それぞれ追加の第1の370
1および第2の370
2加算器ノードを通して、MIMO検出器305によって供給されるソフトシンボルLLR
αおよびソフトシンボルLLR
βと合成(すなわち加算)される。
【0205】
LLR
sum(α)=LLR
α+LLR
αf
LLR
sum(β)=LLR
β+LLR
βf
[0104]加算器ノード270に対して述べられたように、第1の370
1および第2の370
2加算器ノードも省くことができ、ソフトシンボルLLR
αfおよびLLR
βfは別々に処理され得る。
【0206】
[0105]合成ソフトシンボルLLR
sum(α)およびLLR
sum(β)は、最後にそれぞれの復号器アセンブリ375
1、375
2に供給され、それから出力されるソフトビットLLR
bα’、LLR
bβ’は、それぞれのハード決定ユニット380
1、380
2に入力される(後者はそれぞれ、第1のシンボルストリームαの情報ビットb
α、および第2のシンボルストリームβの情報ビットb
βを抽出するように構成される)。
【0207】
[0106]従って、復号器アセンブリ375
2およびハード決定ユニット380
2は全体として、合成ソフトシンボルLLR
sum(β)から(またはソフトシンボルLLR
βfのみから)、情報ビットb
βを抽出するための抽出ユニットとして働き(前の実施形態と同じように)、一方、復号器アセンブリ375
1およびハード決定ユニット380
1は全体として、合成ソフトシンボルLLR
sum(α)から(またはソフトシンボルLLR
αfのみから)、情報ビットb
αを抽出するための追加の抽出ユニットとして働く。
【0208】
[0107]当然ながら、局所的および特定の要件を満たすために、当業者は上述の解決策に、多くの論理的および/または物理的修正および改変を適用することができる。より具体的には、本発明はその好ましい実施形態を参照してある程度の特定性と共に述べられたが、形式および詳細における様々な省略、置き換え、および変更、ならびに他の実施形態が可能であることを理解されたい。特に本発明の種々の実施形態は、さらには、そのより完全な理解をもたらすために上記の記述において記載された特定の詳細なしに実施することができ、逆に、不必要な詳細によって説明の妨げとならないように、よく知られている特徴は省略または簡略化された場合がある。さらに本発明の開示された実施形態に関連して述べられた特定の要素および/または方法ステップは、一般的な設計上の選択の問題として、任意の他の実施形態に組み込まれ得ることが明示的に意図される。
【0209】
[0108]より具体的には、同様な考察は、受信器が異なる構造を有する、もしくは等価な構成要素を備える、または他の動作的特徴を有する場合に当てはまる。いずれの場合も、そのいずれの構成要素もいくつかの要素に分離することができ、または2つ以上の構成要素は単一の要素に組み合わせることができ、さらに各構成要素は、並列での対応する動作の実行をサポートするために複製され得る。また異なる構成要素間のいずれの相互作用も、一般に連続的である必要はなく(特に明記されない限り)、直接、および1つまたは複数の中間物を通した間接の、両方となり得ることが留意されるべきである。
【0210】
[0109]例えば提案される受信器アーキテクチャは、2つより多い送信/受信アンテナを有するMIMO構成にも応用され得る。容易に理解されるように、所与のストリームの信号は、複合受信信号と、再生後の他のストリームの合計との間の差として得られる。例えば、4つの送信されたストリームを有するMIMO4×4構成の場合は、ストリーム間干渉キャンセル後の第1のストリームの信号をモデル信号化する式は、以下によって与えられ、
【0218】
は第2β、第3γ、および第4δのシンボルストリームに対する再生されたシンボルである。
【0219】
[0110]さらに、LTE/LTE−Advanced標準に基づく無線通信ネットワークへの明示的な言及がなされたが、いずれかの特定の無線通信システムアーキテクチャまたはプロトコルの実装形態に限定されることは、発明者が意図するものではないことを理解されたい。
【0220】
[0111]さらに本発明の一実施形態による解決策は、等価な方法を通して(同様なステップを用いる、本質的でないいくつかのステップを取り除く、またはさらなるオプションのステップを追加することによって)実施されるようになっており、さらにステップは、異なる順序で、平行して、またはインターリーブされたように(少なくとも部分的に)行われ得る。