特許第6204593号(P6204593)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204593
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】風力発電装置およびその基礎
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/32 20060101AFI20170914BHJP
   F03D 1/06 20060101ALI20170914BHJP
   F03D 13/20 20160101ALI20170914BHJP
【FI】
   E02D27/32 Z
   F03D1/06 A
   F03D13/20
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-535397(P2016-535397)
(86)(22)【出願日】2014年8月5日
(65)【公表番号】特表2016-528411(P2016-528411A)
(43)【公表日】2016年9月15日
(86)【国際出願番号】EP2014066823
(87)【国際公開番号】WO2015024772
(87)【国際公開日】20150226
【審査請求日】2016年4月18日
(31)【優先権主張番号】102013216343.6
(32)【優先日】2013年8月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512197272
【氏名又は名称】ヴォッベン プロパティーズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】WOBBEN PROPERTIES GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】ヘルシャ、ノルベルト
【審査官】 苗村 康造
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0167499(US,A1)
【文献】 特開2009−057713(JP,A)
【文献】 特表2006−526095(JP,A)
【文献】 特開2011−017245(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0061321(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/00〜 27/52
F03D 1/00〜 80/80
E02B 17/00〜 17/08
E04B 1/00〜 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタワーセグメントを備えた風力発電装置を受ける風力発電装置の基礎であって、
複数のプレキャストコンクリート製基礎セグメント(210)を備え、
前記基礎セグメント(210)は、前記基礎セグメント(210)を緊張保持する引張ワイヤを受容する複数の第1および第2シース管(216、217)を含み、
前記基礎セグメント(210)は、底面(211)、下部タワーセグメントが載置可能な上面(212)、内面(213)、内方へ湾曲する外面(214)、両側面(218)および外端面(215)を備え、
前記第1シース管(216)は前記底面(211)に対して周方向または平行に延在し、および
前記第2シース管(217)は前記基礎セグメント(210)の前記外端面(215)と前記上面(212)の間にまたは前記側面(218)に平行に延在し、
前記第2シース管(217)は、前記外面(214)の曲がりに追従することを特徴とする風力発電装置の基礎。
【請求項2】
さらに、前記第2シース管(217)の端部領域で前記外端面(215)に設けられ、前記基礎セグメント(210)を緊張保持する前記引張ワイヤの端部を受ける複数のセグメントアンカー(500)を有することを特徴とする請求項1に記載の風力発電装置の基礎。
【請求項3】
前記基礎セグメント(210)が前記第1および第2シース管(216、217)内に配した前記引張ワイヤ(400)によって緊張保持される請求項1または2に記載の風力発電装置の基礎を有することを特徴とする風力発電装置。
【請求項4】
前記第2シース管(217)内に配した前記引張ワイヤ(400)によって複数の基礎セグメント(210)に緊張保持されるよう、少なくとも1つの下部タワーセグメント(300)が前記基礎の前記上面(212)に載置されることを特徴とする請求項に記載の風力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力発電装置およびその基礎に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電装置には少なくとも20年の耐用年数が要求されるため、風力発電装置の基礎は重要である。風力発電装置用の基礎は、典型的には、施工用トレンチの掘削、基礎(コンクリート敷石)層の掘削、基礎構造部分の建立、必要な補強作業の実行、および最後にトレンチへのセメント充填によって形成される。基礎は、通例、現場で混合されたコンクリートによって現場打ちされ、基礎の品質は建設現場の天候に左右される。
【0003】
WO2004/101898は、プレキャストコンクリート製セグメントが予め組み立てられて構築された風力発電装置の基礎を開示する。基礎は、その目的のために複数の放射状に配置された足部モジュールを備える中空円筒状の基礎要素を有する。足部モジュールは、互いにかつ基礎要素と相互に結合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2004/101898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、複数のプレキャストコンクリート製セグメントから構成され、改善された安定性を備える風力発電装置の基礎および対応する風力発電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これは、第1の視点による風力発電装置の基礎および第2の視点による風力発電装置によって解決される。
(第1の視点)複数のタワーセグメントを備えた風力発電装置を受ける風力発電装置の基礎であって、複数のプレキャストコンクリート製基礎セグメントを備え、前記基礎セグメントは、前記基礎セグメントを緊張保持する引張ワイヤを受容する複数の第1および第2シース管を含み、前記基礎セグメントは、底面、下部タワーセグメントが載置可能な上面、内面、内方へ湾曲する外面、両側面および外端面を備え、前記第1シース管は前記底面に対して周方向または平行に延在し、および前記第2シース管は前記基礎セグメントの前記外端面と前記上面の間にまたは前記側面に平行に延在し、前記第2シース管は、前記外面の曲がりに追従する。
(第2の視点)前記基礎セグメントが前記第1および第2シース管内に配した前記引張ワイヤによって緊張保持される第1の視点の風力発電装置の基礎を有する風力発電装置。
なお、本願の特許請求の範囲に付記した図面参照符号は、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
【0007】
したがって、風力発電装置の基礎が、複数のプレキャストコンクリート製基礎セグメントを備えるように設けられる。基礎セグメントは、基礎セグメントを緊張保持する引張ワイヤを受容する複数の第1および第2シース管を含む。
【0008】
基礎セグメントは、底面、下部タワーセグメントを受ける上面、内面、内方へ湾曲する外面、両側面および外端面を備える。
【0009】
第1シース管は、底面に対して周方向または平行に延在する。第2シース管は、基礎セグメントの外端面と上面の間にまたは側面に平行に延在する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、第2シース管は、外端面の曲がりないし曲率(Krummung)に追従する。
【0011】
本発明のさらなる態様によれば、第2シース管の端部領域で外端面に設けられ、基礎セグメントを緊張保持する引張ワイヤの端部を受ける複数のセグメントアンカーを有する。
【0012】
基礎セグメントは、環状リングセグメントの形状を有することができる。
【0013】
また、本発明は、上述した風力発電装置の基礎を有する風力発電装置に関する。基礎セグメントは、第1および/または第2引張ワイヤによって緊張保持(確保)される。
【0014】
本発明の一態様によれば、第2シース管内の引張ワイヤによって複数の基礎セグメントと一緒に緊張保持されるよう、少なくとも1つのタワーセグメントが基礎に載置される。
【0015】
本発明は、複数のプレキャストコンクリート製セグメントから風力発電装置の基礎を提供するという概念に関する。プレキャストコンクリート製セグメントは複数のシース管を備える。基礎を装着するため、引張ワイヤがシース管内へ導入され、引張ワイヤを通じて基礎の複数のプレキャスト製コンクリートセグメントが一緒に緊張保持される。このように(ワイヤ張設による)緊張保持がプレキャスト製基礎を介して実現される。例えば引張ワイヤによる張設(Abspannung, bracing)は、任意にプレキャストコンクリート製セグメントを通じて、例えば緊張保持のために設置可能なセグメントアンカーを備えることができるセグメントの足部まで到達する。
【0016】
本発明のさらなる実施形態は従属請求項の主題である。
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)第1の視点のとおり。
(形態2)前記第2シース管は、前記外面の曲がりに追従することが好ましい。
(形態3)基礎は、前記第2シース管の端部領域で前記外端面に設けられ、前記基礎セグメントを緊張保持する前記引張ワイヤの端部を受ける複数のセグメントアンカーを有することが好ましい。
(形態4)第2の視点のとおり。
(形態5)前記第2シース管内に配した前記引張ワイヤによって複数の基礎セグメントに緊張保持されるよう、少なくとも1つの下部タワーセグメントが前記基礎の前記上面に載置されることが好ましい。
【0017】
本発明の利点および実施形態を、添付図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明に係る一風力発電装置の概略図である。
図2図2は、第1実施形態に係る風力発電装置の基礎を示す概略図である。
図3図3は、第1実施形態に係る一基礎セグメントの概略図である。
図4図4は、第1実施形態に係る基礎セグメントのさらに別の概略図を示す。
図5図5は、第1実施形態に係る風力タービン基礎の平面図を示す。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明に係る一風力発電装置の概略図を示す。風力発電装置100は、タワー102と、タワー102上のナセル104を有する。三枚のロータブレード108がある空力学的ロータ106とスピナ110がナセル104上に設けられる。風力発電装置の運転中、空力学的ロータ106は風を受けて回転するように設定され、空力学的ロータに直接または間接的に連結された発電機のロータまたは走行子を回転させる。発電機はナセル104内に装着されて発電する。ロータブレードのピッチ角は各ロータブレード108のロータブレード根元にあるピッチ用モータによって可変調節できる。
【0020】
図2は、第1実施形態に係る風力発電装置の基礎の概略図を示す。基礎200は、複数の基礎セグメント210を備える。複数の基礎セグメント210は、隣接して配置されて基礎200を構成する。基礎セグメント210は、円形リング状セグメント、円形セクタないし円形の切り抜きとして構成できる。基礎セグメント210は、第1および第2シース管216,217(外殻管、Hullrohre)を備える。第1シース管216は横断方向に延在し、第2シース管217は基礎セグメント210の長軸方向に延在する。基礎セグメント210は、第1シース管216、第2シース管217を介して(通じた)引張ワイヤ400の助けにより緊張保持(verspannt)されることできる。
【0021】
基礎200は八角形または多角形状に構築できる。この場合、基礎200はn個の基礎セグメントから組み合わせて構成できる。
【0022】
下部タワーセグメント、例えばドアセグメント300は、基礎の上端部、すなわち上面に載置できる。任意に、下部タワーセグメントまたはドアセグメント300は、基礎セグメント210と一緒に(ワイヤにより)緊張保持できる。
【0023】
第1シース管216は、隣接する基礎セグメントを互いに緊張保持するために引張ワイヤ400を受容するために使用される。第2シース管217は、隣接する基礎セグメントを任意に少なくとも下部タワーセグメント300に対して引張ワイヤにより緊張保持するために使用される。基礎セグメントは、任意に、それに載置される複数のタワーセグメント210とともに緊張保持できる。
【0024】
風力発電装置のタワーがプレキャストコンクリート製セグメントから構成されるタワーである場合、プレキャストコンクリート製タワーセグメントは、任意に、単一の連続プロセスにおいて、複数の基礎セグメント210と一緒に緊張保持できる。
【0025】
図3は、第1実施形態に係る一基礎セグメントの概略図を示す。基礎セグメント210は、底面211、上面212、内面213、外面214、および底面211の(端部近傍)領域に外端面215を備える。内面213は外方へ湾曲して形成され、外面214は内方へ湾曲して形成される。外面214の(近傍)領域には、複数の第1シース管216がある。第1シース管216は、任意に、セグメントの底面211に実質的に平行に延在できる。基礎セグメント210は、側面としての2つの真直ぐな平坦状端面218を備える。隣接する基礎セグメント210が側面218同士を介して隣接して配置されて、第1シース管を通じて案内される引張ワイヤ400により緊張保持される。引張ワイヤ400を緊張保持するために、引張アンカー500が第2シース管217の端部領域に設置できる。
【0026】
図4は、本実施形態に係る基礎セグメント210のさらなる一概略図を示す。基礎セグメント210は、好ましくは平坦な底面211、上面212、外方へ湾曲する内面213、内方へ湾曲する外面214、2つの平坦状側面218、および外端面215を有する。基礎セグメント210は、さらに底面211に対して実質的に平行に延在するよう設けられる複数の第1シース管216を備える。さらに基礎セグメント210は、さらに側面218に対して実質的に平行に延在するよう構成される第2シース管217を備える。
【0027】
図5は、第1実施形態に係る基礎200の模式的な平面図を示す。基礎200は、複数の基礎セグメント210から組み合わせて構成される。複数の第2シース管は基礎セグメント210の上面212で開口する。
【0028】
本発明によれば、任意に、第2シース管217は基礎セグメント210の外面214の曲がりないし曲率(Krummung)に追従できる。また第1シース管216は円形セグメント状になる基礎セグメント210の曲がりないし曲率に追従でき、これにより第1シース管216の各端部は隣接する基礎セグメント210の第1シース管の各自由端部と側面218上で合致して、引張ワイヤは複数の第1シース管216を通じて案内されて複数の基礎セグメントを緊張保持(確保)できる。
【0029】
また、本発明は第1実施形態による基礎を有し、複数のタワーセグメントを備えた風力発電装置に関する。少なくとも最下層のタワーセグメントは、引張ワイヤと、基礎200を構成する各基礎セグメントに具備された第2シース管217を用いて緊張保持される。セグメントアンカーは、例えば、外端面215において第2シース管217の端部で連結できる。
【0030】
基礎200の上面212の直径は、複数の基礎セグメント210が組み立てられた後の外端面215の直径よりも小さい。複数の基礎セグメント210が組み立てられた後の上面212の直径は、下部タワーセグメント300の下端部の直径に対応する。
【符号の説明】
【0031】
100 風力発電装置
102 タワー
104 ナセル
106 空力学的ロータ
108 ロータブレード
110 スピナ
200 基礎
210 基礎セグメント、タワーセグメント
211 底面
212 上面
213 内面
214 外面
215 外端面
216 第1シース管
217 第2シース管
218 側面、平坦状端面
300 下部タワーセグメント
400 引張ワイヤ
500 セグメントアンカー、引張アンカー
図1
図2
図3
図4
図5