(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6204623
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】高さ変更可能なスペーサー
(51)【国際特許分類】
E04C 5/18 20060101AFI20170914BHJP
E04G 21/12 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
E04C5/18 104
E04G21/12 105D
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-69093(P2017-69093)
(22)【出願日】2017年3月30日
【審査請求日】2017年7月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501297996
【氏名又は名称】青森昭和産業 株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110537
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 繁
(72)【発明者】
【氏名】柴田 京一
【審査官】
西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−113291(JP,A)
【文献】
特開平07−300998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 5/18
E04G 21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左側斜辺固定部材と右側斜辺固定部材とを頂点で交叉連結させ、前記左側斜辺固定部材及び右側斜辺固定部材の下部連結部材を適宜長さの底辺連結部材で連結して正面視三角形となるように組み立て形成し、前記底辺連結部材の長さを変更することによって基礎からの前記頂点の高さを変更可能にすることを特徴とする高さ変更可能なスペーサー。
【請求項2】
前記左側斜辺固定部材及び右側斜辺固定部材は、所定間隔で離間した上下の上部連結部材と下部連結部材とを設け、前記上部連結部材と下部連結部材とを橋渡しするように連結した左側斜辺部材及び右斜辺部材を適宜間隔で並列に連結し、前記左側斜辺部材及び右側斜辺部材の下端部は、前記下部連結部材の部分で基礎に沿って折り曲げられてL字状端部となっていることを特徴とする請求項1記載の高さ変更可能なスペーサー。
【請求項3】
左側斜辺固定部材と右側斜辺固定部材とを頂点で連結棒で交叉連結させ、前記左側斜辺固定部材及び右側斜辺固定部材の下部連結部材を適宜長さの底辺連結部材で連結して正面視三角形となるように組み立て形成し、前記底辺連結部材の長さを変更することによって基礎からの前記頂点の高さを変更可能にすることを特徴とする高さ変更可能なスペーサー。
【請求項4】
前記左側斜辺固定部材及び右側斜辺固定部材は、下部連結部材を設け、前記下部連結部材に連結した左側斜辺部材及び右側斜辺部材を適宜間隔で並列に連結し、前記左側斜辺部材及び右側斜辺部材の上端部は、折り曲げられて鉤状フックを形成し、前記左側斜辺部材及び右側斜辺部材の下端部は、前記下部連結部材の部分で基礎に沿って折り曲げられてL字状端部となっていることを特徴とする請求項3記載の高さ変更可能なスペーサー。
【請求項5】
接地部分及び立上がり部分を備えた逆くの字状の複数並列状に連結された固定支持部材と、所定間隔で離間した上部連結部材と下部連結部材とを橋渡しするように連結した左側斜辺部材を適宜間隔で連結する左側斜辺固定部材とからなり、前記固定支持部材と左側斜辺固定部材とを連結して正面視三角形となるように組み立て形成し、前記左側斜辺固定部材の長さを変更することによって基礎からの高さを変更可能にすることを特徴とする高さ変更可能なスペーサー。
【請求項6】
前記固定支持部材は、鋼線材を逆くの字状の折り曲げて形成し、立上がり部分に設けた上部連結部材と接地部分に設けた下部連結部材とに跨って連結し、前記接地部分の先端部には、上方にU字状に折り曲げた先端折曲部を形成し、また、前記立上り部分の適宜位置には高さ調節用横架部材を設けることを特徴とする請求項5記載の高さ変更可能なスペーサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配筋作業において、コンクリートの被りを確保するために床面又は壁面の間に入れて、鉄筋と床或いは鉄筋と壁面の距離を確保するためスペーサーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリートスラブを補強する鉄筋の配筋作業は、コンクリートスラブを形成する基礎の上に、コンクリート被りに相当する高さのスペーサーを必要個数設置し、その後、設置したスペーサー上に鉄筋を配置し、その配置した鉄筋に他の鉄筋を格子状に交差させて配置すると共に、その交点を連結固定することによって平板状の鉄筋格子を形成している。
【0003】
このスペーサーの設置作業を省略すると共に、鉄筋を略等間隔に容易に配置することができる鉄筋支持具が知られている(特許文献1を参照)。
この公知技術は、鉄筋部材の長手方向に沿って略くの字状に屈曲して形成した支持部材が略等間隔に固定された鉄筋支持具であって、前記鉄筋部材は支持部材により基礎から離間した位置に支持されるので、別部材のスペーサーを鉄筋部材と基礎との間に介在させることなく、鉄筋部材の周りにコンクリート被りを形成することができる。
【0004】
前記公知技術は、鉄筋部材を所定の位置に配置するだけで、スペーサーの上に鉄筋が配置された状態とすることができるので、従来のように、スペーサーを設置する必要がなく、スペーサーの設置作業を省略することができる効果があるが、基礎に高低差がある場合には使用できない不都合があった。そのため、高さ変更可能なスペーサーの開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−166313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、配筋作業において、コンクリートの被りを確保するため、高低差がある基礎に適用できる高さ変更可能なスペーサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の高さ変更可能なスペーサーは、左側斜辺固定部材と右側斜辺固定部材とを頂点で交叉連結させ、前記左側斜辺固定部材及び右側斜辺固定部材の下部連結部材を適宜長さの底辺連結部材で連結して正面視三角形となるように組み立て形成し、前記底辺連結部材の長さを変更することによって基礎からの前記頂点の高さを変更可能にする。
本発明の高さ変更可能なスペーサーは、接地部分及び立上がり部分を備えた逆くの字状の複数並列状に連結された固定支持部材と、所定間隔で離間した上部連結部材と下部連結部材とを橋渡しするように連結した左側斜辺部材を適宜間隔で連結する左側斜辺固定部材とからなり、前記固定支持部材と左側斜辺固定部材とを連結して正面視三角形となるように組み立て形成し、前記左側斜辺固定部材の長さを変更することによって基礎からの高さを変更可能にする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の高さ変更可能なスペーサーは、左側斜辺固定部材と右側斜辺固定部材とを頂点で交叉連結させ、前記左側斜辺固定部材及び右側斜辺固定部材の下部連結部材を適宜長さの底辺連結部材で連結して正面視三角形となるように組み立て形成し、前記底辺連結部材の長さを変更することによって基礎からの前記頂点の高さを変更可能にするため、左側斜辺固定部材と右側斜辺固定部材と底辺連結部材を組み立てることにより、簡易にスペーサーの高さ調整をすることができる。
また、本発明の高さ変更可能なスペーサーは、接地部分及び立上がり部分を備えた逆くの字状の複数並列状に連結された固定支持部材と、所定間隔で離間した上部連結部材と下部連結部材とを橋渡しするように連結した左側斜辺部材を適宜間隔で連結する左側斜辺固定部材とからなり、前記固定支持部材と左側斜辺固定部材とを連結して正面視三角形となるように組み立て形成し、前記左側斜辺固定部材の長さを変更することによって基礎からの高さを変更可能にするため、前記左側斜辺固定部材と連結される固定支持部材の高さ調節用横架部材の位置を適宜設定することができ、予め工場等で溶接により簡単に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の高さ変更可能なスペーサーの一実施例の斜視図である。
【
図2】本発明の高さ変更可能なスペーサーの一実施例の左側斜辺固定部材の斜視図である。
【
図3】本発明の高さ変更可能なスペーサーの一実施例の左側斜辺固定部材と右側斜辺固定部材と底辺連結部材で正面視三角形に組み立て形成した正面図である。
【
図4】本発明の高さ変更可能なスペーサーの他の実施例の斜視図である。
【
図5】本発明の高さ変更可能なスペーサーの他の実施例の分解斜視図である。
【
図6】本発明の高さ変更可能なスペーサーの他の実施例の左側斜辺固定部材と右側斜辺固定部材と底辺連結部材で正面視三角形に組み立て形成した正面図である。
【
図7】本発明の高さ変更可能なスペーサーの他の実施例の鉤状フックの別パターン(a)〜(c)の正面図である。
【
図8】本発明の高さ変更可能なスペーサーのその他の実施例の固定支持部材の斜視図である。
【
図9】本発明の高さ変更可能なスペーサーのその他の実施例の左側斜辺固定部材の斜視図である。
【
図10】本発明の高さ変更可能なスペーサーのその他の実施例の固定支持部材と左側斜辺固定部材で正面視三角形に組み立て形成した斜視図である。
【
図11】本発明の高さ変更可能なスペーサーのその他の実施例の拡大正面図である。
【
図12】本発明の高さ変更可能なスペーサーのその他の実施例の別組み立ての拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の高さ変更可能なスペーサーの一実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図1の斜視図に示すように、本発明の高さ変更可能なスペーサーは、左側斜辺固定部材1と右側斜辺固定部材2とを頂点3で交叉連結させ、前記左側斜辺固定部材1及び右側斜辺固定部材2の下部連結部材6、6’を適宜長さの底辺連結部材4で連結して正面視三角形となるように組み立て形成し、前記底辺連結部材4の長さを変更することによって基礎からの前記頂点3の高さを変更可能にする。
【0011】
前記左側斜辺固定部材1は、
図2の斜視図に示すように、所定間隔で離間した上下の上部連結部材5と下部連結部材6とを設け、前記上部連結部材5と下部連結部材6とを橋渡しするように連結した左側斜辺部材7を適宜間隔で並列に連結する。前記左側斜辺部材7の下端部は、前記下部連結部材6の部分で基礎に沿って折り曲げられてL字状端部8となっている。
【0012】
前記右側斜辺固定部材2は、
図2に示す左側斜辺固定部材1を反対向きの背中合わせにするもので、前記左側斜辺固定部材1と同様に、所定間隔で離間した上下の上部連結部材5’と下部連結部材6’とを設け、前記上部連結部材5’と下部連結部材6’とを橋渡しするように連結した右側斜辺部材7’を適宜間隔で連結する。前記右側斜辺部材7’の下端部は、前記下部連結部材6’の部分で基礎に沿って折り曲げられてL字状端部8’となっている。
【0013】
前記頂点3は、
図3の正面図に示すように、前記左側斜辺固定部材1の左側斜辺部材7を右側斜辺固定部材2の上部連結部材5’に載せ、また前記右側斜辺固定部材2の左側斜辺部材7’を左側斜辺固定部材2の上部連結部材5に載せて交叉連結させる。
【0014】
前記底辺連結部材4は、
図3に示すように、両端部を基礎と平行になるように下方に折り曲げて下部連結部材6、6’に嵌合する折り曲げ部9を形成する。前記底辺連結部材4の長さを変更することによって基礎からの頂点3の高さを変更することができる。前記底辺連結部材4は、
図1に示すように別々に複数本設けるが、必要に応じて一体に相互に連結された底辺連結部材4とすることもできる。
【0015】
次に、本発明の高さ変更可能なスペーサーの一実施例の操作動作を添付図面に基づいて、以下に説明する。
本発明の高さ変更可能なスペーサーを設置する場合には、
図2の左側斜辺固定部材1と反対向きの背中合わせにした右側斜辺固定部材2とを、前記左側斜辺固定部材1の左側斜辺部材7を右側斜辺固定部材2の上部連結部材5’に載せ、また前記右側斜辺固定部材2の左側斜辺部材7’を左側斜辺固定部材2の上部連結部材5に載せて交叉連結させる。
【0016】
この状態から、左側斜辺固定部材1の下部連結部材6と右側斜辺固定部材2の下部連結部材6’とに底辺連結部材4の折り曲げ部9を架け渡して、正面視三角形となるように組み立て形成する。これで本願発明の高さ変更可能なスペーサーが完成される。
また、本発明の高さ変更可能なスペーサーの高さを変更する場合には、前記底辺連結部材4の長さを変えることによって基礎からの頂点3までの高さを変更することができる。このようにすることによって、
図1に示すような高さ変更可能なスペーサーが簡易に組み立てられる。
【0017】
また、本発明の高さ変更可能なスペーサーのその他の実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図4の斜視図に示すように、本発明の高さ変更可能なスペーサーは、左側斜辺固定部材1と右側斜辺固定部材2とを頂点3にて連結棒23で交叉連結させ、前記左側斜辺固定部材1及び右側斜辺固定部材2の下部連結部材6、6’を適宜長さの底辺連結部材4で連結して正面視三角形となるように組み立て形成し、前記底辺連結部材4の長さを変更することによって基礎からの前記頂点3の高さを変更可能にする。
【0018】
前記左側斜辺固定部材1は、
図5の分解斜視図に示すように、下部連結部材6を設け、前記下部連結部材6に連結した左側斜辺部材7を適宜間隔で並列に連結する。前記左側斜辺部材7の上端部は、折り曲げられて鉤状フック22を形成し、前記左側斜辺部材7の下端部は、前記下部連結部材6の部分で基礎に沿って折り曲げられてL字状端部8となっている。
【0019】
前記右側斜辺固定部材2は、
図5の分解斜視図に示すように、下部連結部材6’を設け、前記下部連結部材6’に連結した右側斜辺部材7’を適宜間隔で並列に連結する。前記右側斜辺部材7’の上端部は、折り曲げられて鉤状フック22’を形成し、前記右側斜辺部材7’の下端部は、前記下部連結部材6’の部分で基礎に沿って折り曲げられてL字状端部8’となっている。
【0020】
前記頂点3は、
図6の正面図に示すように、前記左側斜辺固定部材1の左側斜辺部材7の先端部の鉤状フック22と前記右側斜辺固定部材2の左側斜辺部材7’の先端部の鉤状フック22’を重ね合わせ、前記鉤状フック22,22’の中央空間部に連結棒23を挿入して前記左側斜辺固定部材1と右側斜辺固定部材2とを交叉連結させる。そうすることにより、左側斜辺固定部材1と右側斜辺固定部材2とは頂点3を支点として回動自在となる。
【0021】
前記底辺連結部材4は、
図5に示すように、両端部を基礎と平行になるように下方に折り曲げて下部連結部材6、6’に嵌合する折り曲げ部9を形成する。前記底辺連結部材4の長さを変更することによって基礎からの頂点3の高さを変更することができる。前記底辺連結部材4は、
図4に示すように別々に複数本設けるが、必要に応じて一体に相互に連結された底辺連結部材4とすることもできる。
【0022】
図7の正面図に示すように、前記鉤状フック22,22’は、(a)クエスチョンマークのように連結棒23を抱え込む状態、(b)Uターン状に折り曲げた状態、(c)環状の輪を形成した状態、などに設計変更可能である。
また、前記鉤状フック22,22’は、連結棒23を挿入した後、溶接等により連結棒23と一体化としても良いし、予め溶接等により連結棒23と一体化しても良い。
【0023】
次に、本発明の高さ変更可能なスペーサーのその他の実施例の操作動作を添付図面に基づいて、以下に説明する。
本発明の高さ変更可能なスペーサーを設置する場合には、
図5の左側斜辺固定部材1と反対向きの背中合わせにした右側斜辺固定部材2とを、前記左側斜辺固定部材1の左側斜辺部材7の先端部の鉤状フック22と前記右側斜辺固定部材2の左側斜辺部材7’の先端部の鉤状フック22’を重ね合わせ、前記鉤状フック22,22’の中央空間部に連結棒23を挿入して前記左側斜辺固定部材1と右側斜辺固定部材2とを交叉連結させる。
【0024】
この状態から、左側斜辺固定部材1の下部連結部材6と右側斜辺固定部材2の下部連結部材6’とに底辺連結部材4の折り曲げ部9を架け渡して、正面視三角形となるように組み立て形成する。これで本願発明の高さ変更可能なスペーサーが完成される。
また、本発明の高さ変更可能なスペーサーの高さを変更する場合には、前記底辺連結部材4の長さを変えることによって基礎からの頂点3までの高さを変更することができる。このようにすることによって、
図4に示すような高さ変更可能なスペーサーが簡易に組み立てられる。
【0025】
さらに、本発明の高さ変更可能なスペーサーのその他の実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
本発明の高さ変更可能なスペーサーは、
図8の斜視図に示すように、接地部分10および立上がり部分11を備えた逆くの字状の複数並列状に連結された固定支持部材12と、
図9の斜視図に示すように、所定間隔で離間した上部連結部材13と下部連結部材14とを橋渡しするように連結した左側斜辺部材15を適宜間隔で連結する左側斜辺固定部材16とからなり、
図10の斜視図に示すように、前記固定支持部材12と左側斜辺固定部材16とを連結して正面視三角形となるように組み立て形成し、前記左側斜辺固定部材16の長さを変更することによって基礎からの高さを変更する。
【0026】
図8に示すように、前記固定支持部材12は、鋼線材を逆くの字状の折り曲げて形成し、立上がり部分11に設けた上部連結部材17と接地部分10に設けた下部連結部材18とに跨って固定する。前記接地部分10の先端部には、上方にU字状に折り曲げた先端折曲部19を形成する。また、前記立上り部分11の適宜位置には高さ調節用横架部材20を設ける。なお、本実施例では1個のみを示している。
【0027】
図9に示すように、前記左側斜辺固定部材16は、所定間隔で離間した上下の上部連結部材13と下部連結部材14とを設け、前記上部連結部材13と下部連結部材14とを橋渡しするように連結した左側斜辺部材15を適宜間隔で並列に連結する。前記左側斜辺部材15の下端部は、前記下部連結部材14の部分で基礎に沿って折り曲げられてL字状端部21となっている。
前記左側斜辺固定部材16は、下部連結部材14が前記固定支持部材12の接地部分10の先端折曲部19に着脱自在に係合すると共に、上部連結部材13が前記立上がり部分11に設けた上部連結部材17又は高さ調節用横架部材20に着脱自在に係合する。
【0028】
次に、本発明の高さ変更可能なスペーサーの他の実施例の操作動作を添付図面に基づいて、以下に説明する。
本発明の高さ変更可能なスペーサーを設置する場合には、
図8の固定支持部材12及び
図9の左側斜辺固定部材16の分離状態から、
図11の拡大正面図に示すように左側斜辺固定部材16の左側斜辺部材15の上部連結部材13を、固定支持部材12の立上り部材11の先端をくぐらして前記立上がり部分11の上部連結部材17に載るように配置する。そして、前記左側斜辺固定部材16の下端連結部材14が、前記固定支持部材12の接地部分10の先端折曲部19に嵌合するように配置する。
このようにすることによって、
図10の斜視図に示すような高さ変更可能なスペーサーが組み立てられる。
また、
図12の拡大正面図に示すように、左側斜辺固定部材16の左側斜辺部材15の上部連結部材13が、固定支持部材12の立上り部分11の先端をくぐらせないで、前記左側斜辺部材15を固定支持部材12の上部連結部材17に載せるように配置することもできる。
【0029】
本発明の高さ変更可能なスペーサーの設置高さを変更する場合には、短い寸法の左側斜辺固定部材16’を別に用意し、
図11の一点鎖線で示すように、左側斜辺固定部材16’の左側斜辺部材15’が固定支持部材12の高さ調節用横架部材20に載るように配置する。そして、前記左側斜辺固定部材16’の下端連結部材14が前記固定支持部材12の接地部分10の先端折曲部19に嵌合するように配置する。
このようにすることによって、
図11に一点鎖線で示すように高さの低いスペーサーが組み立てられる。
【0030】
このようにして、本発明の高さ変更可能なスペーサーは、逆くの字状の固定支持部材12と左側斜辺固定部材16を正面視三角形に組み立てることにより、簡易に高さ調整することができるため、高低差がある基礎であってもコンクリート被りを適正に行うことができる。
また、固定支持部材12の立上がり部分11の高さ調節用横架部材20の位置を適宜設定することができるため、予め工場等で溶接により簡単に製作することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 左側斜辺固定部材
2 右側斜辺固定部材
3 頂点
4 底辺連結部材
5、5’ 上部連結部材
6、6’ 下部連結部材
7、7’ 左側斜辺部材
8、8’ L字状端部
9 折り曲げ部
10 接地部分
11 立上がり部分
12 固定支持部材
13 上端連結部材
14 下端連結部材
15 左側斜辺部材
16 左側斜辺固定部材
17 上部連結部材
18 下部連結部材
19 先端折曲部
20 高さ調節用横架部材
21 L字状端部
22、22’ 鉤状フック
23 連結棒
【要約】
【課題】本発明は、配筋作業において、コンクリートの被りを確保するため、高低差がある基礎に適用できる高さ変更可能なスペーサーを提供する。
【解決手段】本発明の高さ変更可能なスペーサーは、左側斜辺固定部材1と右側斜辺固定部材2とを頂点3で交叉連結させ、前記左側斜辺固定部材1及び右側斜辺固定部材2の下部連結部材6、6‘を適宜長さの底辺連結部材4で連結して正面視三角形となるように組み立て形成し、前記底辺連結部材4の長さを変更することによって基礎からの前記頂点3の高さを変更する。このようにして、左側斜辺固定部1材と右側斜辺固定部材2と底辺連結部材4を組み立てることにより、簡易にスペーサーの高さ調整をすることができる。
【選択図】
図1