特許第6204628号(P6204628)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6204628像担持体ユニットおよびそれを備えた画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204628
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】像担持体ユニットおよびそれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20170914BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20170914BHJP
   G03G 15/02 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   G03G21/16 165
   G03G21/16 147
   G03G21/18 157
   G03G15/02 101
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-511480(P2017-511480)
(86)(22)【出願日】2016年2月2日
(86)【国際出願番号】JP2016053082
(87)【国際公開番号】WO2016163138
(87)【国際公開日】20161013
【審査請求日】2017年1月10日
(31)【優先権主張番号】特願2015-78275(P2015-78275)
(32)【優先日】2015年4月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森下 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】福永 靖幸
【審査官】 田代 憲司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−225964(JP,A)
【文献】 特開2014−112135(JP,A)
【文献】 特開2007−212823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 15/02
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される回転可能な像担持体と、
該像担持体の外周面に接触しながら従動回転することにより前記像担持体を帯電させる帯電ローラーと、該帯電ローラーの外周面に接触しながら回転することにより前記帯電ローラーを清掃する清掃部材と、該清掃部材及び前記帯電ローラーの両端部を所定の間隔で回転可能に支持する一対の軸受部材と、該軸受部材を前記像担持体に近づく方向に付勢する付勢部材と、を有する帯電装置と、
前記像担持体の一端部を回転可能に支持する像担持体軸受部が形成された一対の支持フレームと、
を備え、
前記像担持体の一端部には出力側ギアが設けられ、
前記清掃部材の回転軸の一端部には前記出力側ギアに連結される入力側ギアが設けられており、
前記像担持体の前記出力側ギアが設けられた一端部を支持する第1支持フレームには、前記像担持体軸受部と、前記清掃部材の回転軸の前記入力側ギアが設けられた一端部を回転可能に支持する第1清掃部材軸受部と、が一体形成されていることを特徴とする像担持体ユニット。
【請求項2】
前記軸受部材は、前記帯電ローラーの回転軸の一端部を回転可能に支持するローラー軸受部と、前記清掃部材の回転軸の一端部を回転可能に支持する第2清掃部材軸受部と、が所定の間隔で一体形成されており、
前記清掃部材の回転軸の前記入力側ギアが設けられた一端部を支持する第1軸受部材は、前記第2清掃部材軸受部の内径が前記清掃部材の回転軸の外径よりも大きく、
前記清掃部材の回転軸の前記入力側ギアと反対側の一端部を支持する第2軸受部材は、前記第2清掃部材軸受部の内径が前記清掃部材の回転軸の外径と略同一径であることを特徴とする請求項1に記載の像担持体ユニット。
【請求項3】
前記像担持体の前記出力側ギアと反対側の一端部を支持する第2支持フレームには、前記帯電装置を軸方向に着脱するための開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の像担持体ユニット。
【請求項4】
前記出力側ギアと前記入力側ギアに連結され、前記出力側ギアの回転駆動力を前記入力側ギアに伝達するアイドルギアが設けられており、
前記アイドルギアを回転可能に支持する固定軸が前記第1支持フレームに一体形成されていることを特徴とする請求項1に記載の像担持体ユニット。
【請求項5】
請求項1に記載の像担持体ユニットを備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いる帯電装置及びそれを備えた画像形成装置に関し、特に、像担持体と、帯電ローラーを清掃する機構を有する帯電装置とをユニット化した像担持体ユニット及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置には、像担持体である感光体の表面を帯電させるために帯電装置が用いられている。帯電装置としては、感光体とコロナワイヤーを非接触に配置し、コロナ放電により感光体の表面を帯電させるコロナ帯電方式と、帯電ローラー等の帯電部材を用いて感光体の表面に接触させる接触帯電方式とが知られている。しかし、近年、人体に有害なオゾンの排出量を減らすため、オゾン排出量がより少ない接触帯電方式が採用されることが多くなっている。
【0003】
このような接触帯電方式において帯電ローラーを感光体表面に接触させる場合、感光体表面にトナーの成分や用紙の紙粉等の異物が付着し、その異物が帯電ローラーの表面に移動することがある。帯電ローラー表面に異物が付着すると、感光体表面に帯電不良を発生させるので、印字される画像の画質に大きな影響を与える原因となる。このような帯電ローラーへの異物の付着を防止するため、従来、クリーニングブラシやクリーニングローラー等の清掃部材を帯電ローラーの表面に接触させて、帯電ローラーに付着した異物を除去するようにしている。
【0004】
例えば特許文献1には、クリーニングローラーを帯電ローラーの外周面に圧接した状態で帯電ローラーに対して線速差をもって回転駆動するとともに、クリーニングローラーを帯電ローラーの軸方向に往復移動することによって、帯電ローラーの汚れを除去する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−89636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したような帯電ローラーとそれを清掃する清掃部材を有する構成においては、清掃部材と帯電ローラーのニップ(隙間)は所定間隔(約0.5mm)に設定されている。ニップが狭くなると、感光体ドラムに対する帯電ローラーの従動回転に対して清掃部材の抵抗が大きくなり、感光体ドラムの表面で帯電ローラーのスリップが発生し帯電不良が発生する。一方、ニップが広くなると清掃部材と帯電ローラーの接触が不安定となり帯電ローラーのクリーニング性が悪化する。
【0007】
そこで、ニップを安定させるため帯電ローラーとクリーニングブラシの軸受は一体の軸受部材で構成され、軸受部材は感光体ドラムに対して帯電ローラーを密着させるようにバネ等の付勢部材で押圧されている。帯電ローラーは感光体ドラムに対して従動回転し、クリーニングブラシは、ドラム側ギアの駆動力がアイドルギアを介してブラシ側ギアに伝達されることで、帯電ローラーに対して所定の線速差(約80%)で回転させている。
【0008】
しかし、クリーニングブラシは感光体ドラムに対して位置決めされていないため、使用環境等の要因により帯電ローラーの外径が変化すると、感光体ドラムに対するクリーニングブラシの回転軸の相対位置が変化し、ブラシ側ギアとアイドルギアのピッチ間寸法が安定し難くなる。そのため、帯電ローラーの外径が小さくなった場合、ブラシ側ギアとアイドルギアとの噛み合いが、各ギアの歯先と歯底(谷)とが突き当たる歯底当たりになり易くなる。その結果、ブラシ側ギアがアイドルギアから受ける反力によりクリーニングブラシの回転軸が浮き上がり、クリーニングブラシと軸受が一体構成である帯電ローラーの感光体ドラムからの跳ね上がり(バンディング)が発生する。これにより、感光体ドラム表面に帯電ムラが発生し、出力画像に横筋等の画像不良が生じるという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、駆動機構のギアの噛み合いに起因する帯電ローラーのバンディングを効果的に防止するとともに、帯電ローラーと清掃部材、及び帯電ローラーと像担持体との接触状態も良好に維持可能な像担持体ユニット及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、像担持体と、帯電装置と、一対の支持フレームと、を備えた像担持体ユニットである。像担持体は、回転可能であり静電潜像が形成される。帯電装置は、像担持体の外周面に接触しながら従動回転することにより像担持体を帯電させる帯電ローラーと、帯電ローラーの外周面に接触しながら回転することにより帯電ローラーを清掃する清掃部材と、清掃部材及び帯電ローラーの両端部を所定の間隔で回転可能に支持する一対の軸受部材と、軸受部材を像担持体に近づく方向に付勢する付勢部材と、を有する。一対の支持フレームは、像担持体の一端部を回転可能に支持する像担持体軸受部が形成される。像担持体の一端部には出力側ギアが設けられ、清掃部材の回転軸の一端部には出力側ギアに連結される入力側ギアが設けられている。像担持体の出力側ギアが設けられた一端部を支持する第1支持フレームには、像担持体軸受部と、清掃部材の回転軸の入力側ギアが設けられた一端部を回転可能に支持する第1清掃部材軸受部と、が一体形成されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の構成によれば、像担持体の出力側ギアが設けられた一端部を支持する像担持体軸受部と、清掃部材の入力側ギアが設けられた一端部を支持する第1清掃部材軸受部とが第1支持フレームに一体形成されるため、出力側ギアと入力側ギアのギアピッチが安定する。その結果、駆動機構のギアの噛み合いに起因する帯電ローラーのバンディングの発生、及び帯電ローラーのバンディングによる出力画像における横筋の発生を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のドラムユニット40a〜40bを搭載した画像形成装置100の概略構成を示す図
図2図1における画像形成部Pa付近の部分断面図
図3】本発明の一実施形態に係るドラムユニット40aを第1支持フレーム51a側から見た外観斜視図
図4】本実施形態のドラムユニット40aを第2支持フレーム51b側から見た外観斜視図
図5】本実施形態のドラムユニット40aを構成する帯電装置2aの外観斜視図
図6】本実施形態のドラムユニット40aの側面断面図
図7】本実施形態のドラムユニット40aを長手方向に沿って切断した縦断面図
図8】本実施形態のドラムユニット40aに用いられる第1支持フレーム51aを内側から見た斜視図
図9】帯電装置2a内に配置される第1軸受部材92aを内側から見た斜視図
図10】帯電装置2a内に配置される第2軸受部材92bを外側から見た斜視図
図11】本実施形態のドラムユニット40aの第1支持フレーム51a側の端部周辺の部分斜視図
図12図11のドラムユニット40aから第1支持フレーム51aを取り外した状態を示す部分斜視図
図13】本実施形態のドラムユニット40aの第2支持フレーム51b側の端部周辺の部分斜視図であり、第2支持フレーム51bを取り外した状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。画像形成装置100は、本実施形態では、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエローおよびブラック)に対応する4つの感光体ドラム1a、1b、1cおよび1dを並列配置して画像形成を行う、4連タンデム型のカラープリンターで構成されている。
【0014】
画像形成装置100の装置本体内には、4つの画像形成部Pa、Pb、PcおよびPdが、図1では右側から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエローおよびブラック)の画像に対応して設けられている。画像形成部Pa〜Pdは、それぞれ帯電、露光、現像および転写の各工程によりマゼンタ、シアン、イエローおよびブラックの画像を順次形成する。
【0015】
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する上記した感光体ドラム1a〜1dがそれぞれ配設されている。さらに、各画像形成部Pa〜Pdに隣接して、図1において時計回り方向に回転する中間転写ベルト8が設けられている。これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a〜1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次転写される。その後、二次転写ローラー9において用紙P上に一度に転写され、さらに、定着装置7において用紙P上に定着された後、画像形成装置100より排出される。感光体ドラム1a〜1dを図1において反時計回り方向に回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
【0016】
トナー像が転写される用紙Pは、画像形成装置100内の下部に配置された用紙カセット16内に収容されている。用紙Pは、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、主に継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。中間転写ベルト8および二次転写ローラー9は、ベルト駆動モーター(図示せず)により感光体ドラム1a〜1dと同一線速で回転駆動される。また、二次転写ローラー9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナー等を除去するためのブレード状のベルトクリーナー19が配置されている。
【0017】
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転可能に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲および下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電装置2a、2b、2cおよび2dと、各感光体ドラム1a〜1dに対して画像データに基づく露光を行う露光ユニット4と、感光体ドラム1a〜1d上に形成される静電潜像をトナーで現像する現像装置3a、3b、3cおよび3dと、感光体ドラム1a〜1d上でトナー像の転写後に残留した現像剤(トナー)を回収、除去するクリーニング装置5a、5b、5cおよび5dとが設けられている。
【0018】
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電装置2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させる。次いで露光ユニット4によって画像データに基づいて感光体ドラム1a〜1dの表面に光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向配置された現像ローラー(現像剤担持体)を備える。現像装置3a〜3dには、それぞれマゼンタ、シアン、イエローおよびブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。
【0019】
なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a〜3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ(図示せず)から各現像装置3a〜3dに現像剤が補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置3a〜3dにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、露光ユニット4の露光により形成された静電潜像に静電的に付着する。これにより、感光体ドラム1a〜1d上に静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0020】
そして、一次転写ローラー6a〜6dにより一次転写ローラー6a〜6dと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧を付与する。これにより、感光体ドラム1a〜1d上のマゼンタ、シアン、イエローおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。一次転写ローラー6a〜6dは、一次転写駆動モーター(図示せず)により感光体ドラム1a〜1dおよび中間転写ベルト8と同一線速で回転駆動される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング装置5a〜5dにより除去される。
【0021】
中間転写ベルト8は、従動ローラー10及び駆動ローラー11に掛け渡されている。上記ベルト駆動モーターによる駆動ローラー11の回転に伴い中間転写ベルト8が反時計回り方向に回転を開始すると、用紙Pがレジストローラー対12bから所定のタイミングで中間転写ベルト8に隣接して設けられた二次転写ローラー9と中間転写ベルト8のニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送される。そして、ニップ部において用紙P上にフルカラー画像が二次転写される。トナー像が転写された用紙Pは定着装置7へと搬送される。
【0022】
定着装置7に搬送された用紙Pは、定着ローラー対13のニップ部(定着ニップ部)を通過する際に加熱および加圧される。これにより、トナー像が用紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Pは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられる。用紙Pの片面のみに画像を形成する場合は、そのまま排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
【0023】
一方、用紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着装置7を通過した用紙Pの一部を一旦排出ローラー対15から装置外部にまで突出させる。その後、用紙Pは排出ローラー対15を逆回転させることにより分岐部14で反転搬送路18に振り分けられ、画像面を反転させた状態で二次転写ローラー9に再搬送される。そして、中間転写ベルト8上に形成された次のトナー像が二次転写ローラー9により用紙Pの画像が形成されていない面に転写される。トナー像が転写された用紙Pは、定着装置7に搬送されてトナー像が定着された後、排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
【0024】
次に、上述した画像形成部Paの詳細について説明する。なお、画像形成部Pb〜Pdについては、基本的に画像形成部Paと同様の構成であるため、その詳細な説明を省略する。図2は、図1における画像形成部Pa付近を拡大して示す部分断面図である。感光体ドラム1aの周囲には、ドラム回転方向(図2の反時計回り方向)に沿って、上述した帯電装置2a、現像装置3a、一次転写ローラー6a、クリーニング装置5aが配設されている。このうち、一次転写ローラー6aは、中間転写ベルト8を挟んで感光体ドラム1aと対向する位置に配置されている。
【0025】
また、感光体ドラム1aと、帯電装置2aと、クリーニング装置5aとはユニット化されている。なお、各画像形成部Pa〜Pdにおいて、感光体ドラム1a〜1dと、帯電装置2a〜2dと、クリーニング装置5a〜5dとから成るユニットを、以下ではドラムユニット40a〜40dと称する。
【0026】
帯電装置2aは、感光体ドラム1aに接触してドラム表面に帯電バイアスを印加する帯電ローラー21と、帯電ローラー21をクリーニングするためのクリーニングブラシ23とを有している。現像装置3aは、攪拌搬送スクリュー、供給搬送スクリューから成る2本の攪拌搬送部材24と、磁気ローラー25と、現像ローラー26とを有し、現像ローラー26の表面に担持されたトナーを感光体ドラム1a表面に飛翔させて静電潜像をトナー像に現像する。
【0027】
クリーニング装置5aは、摺擦ローラー(研磨部材)27、クリーニングブレード28、および回収スパイラル29を有している。摺擦ローラー27は、感光体ドラム1aに所定の圧力で圧接されており、ドラムクリーニングモーター(図示せず)により感光体ドラム1aとの当接面において同一方向に回転駆動される。摺擦ローラー27の線速は感光体ドラム1aの線速よりも速く(ここでは1.2倍)制御されている。摺擦ローラー27としては、例えば金属シャフトの周囲にローラー体としてEPDMゴム製でアスカーC硬度が55°の発泡体層を形成した構造が挙げられる。ローラー体の材質としてはEPDMゴムに限定されず、他の材質のゴムや発泡ゴム体であっても良く、アスカーC硬度が10〜90°の範囲のものが好適に使用される。
【0028】
感光体ドラム1a表面の、摺擦ローラー27との当接面よりも回転方向下流側には、クリーニングブレード28が感光体ドラム1aに当接した状態で固定されている。クリーニングブレード28としては、例えばJIS硬度が78°のポリウレタンゴム製のブレードが用いられ、その当接点において感光体接線方向に対し所定の角度で取り付けられている。なお、クリーニングブレード28の材質および硬度、寸法、感光体ドラム1aへの食い込み量および圧接力等は、感光体ドラム1aの仕様に応じて適宜設定される。
【0029】
摺擦ローラー27およびクリーニングブレード28によって感光体ドラム1a表面から除去された残留トナーは、回収スパイラル29の回転に伴ってクリーニング装置5a(図2参照)の外部に排出される。本発明に用いられるトナーとしては、トナー粒子表面にシリカ、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、アルミナ等から選択される研磨剤が埋め込まれて表面に一部突出するように保持されたものや、研磨剤がトナー表面に静電的に付着しているものが用いられる。
【0030】
このように摺擦ローラー27を感光体ドラム1aに対し速度差を持って回転させることで研磨剤を含む残留トナーによって感光体ドラム1aの表面を研磨する。そして、摺擦ローラー27およびクリーニングブレード28によってドラム表面の水分や放電生成物等を残留トナーと共に除去する。
【0031】
なお、画像形成装置100の本体内部のレイアウトは、感光体ドラム1a〜1dおよび中間転写ベルト8の回転方向や、用紙Pの搬送経路を適切に設定できるのであれば、適宜変更可能である。例えば、感光体ドラム1a〜1dおよび中間転写ベルト8の回転方向を、本実施形態とは逆にするとともに、ドラムユニット40a〜40dと現像装置3a〜3dとの位置関係を、本実施形態とは逆にし、これに合わせて用紙Pの搬送経路を設定することも勿論可能である。
【0032】
次に、上述の画像形成装置100に用いられるドラムユニット40a〜40dについて図3図7を用いて説明する。図3及び図4は、それぞれドラムユニット40aを支持フレーム51a及び51b側から見た斜視図、図5は、ドラムユニット4aを構成する帯電装置2aの斜視図、図6は、ドラムユニット40aを支持フレーム51a側から見た側面図、図7は、ドラムユニット40aを長手方向に沿って切断した断面図(図6のAA矢視断面図)である。以下、画像形成部Paに配置されるドラムユニット40aについて説明するが、画像形成部Pb〜Pdに配置されるドラムユニット40b〜40dについても同様である。
【0033】
図3及び図4に示すように、ドラムユニット40aは、感光体ドラム1aと、帯電装置2aと、クリーニング装置5aと、ユニット筐体41を備える。ユニット筐体41の長手方向の両端部には、感光体ドラム1aの軸方向両端を回転可能に支持する一対の支持フレーム51a、51bが装着されている。図3に示すように、第1支持フレーム51aは感光体ドラム1aの一端に形成されたドラムフランジ部43を回転可能に支持している。
【0034】
また、図4に示すように、第2支持フレーム51bは感光体ドラム1aのドラム回転軸44を回転可能に支持している。第2支持フレーム51bには、帯電装置2aを着脱するための開口部52が形成されている。
【0035】
図5に示すように、帯電装置2aは、帯電ローラー21と、クリーニングブラシ23と、帯電ローラー21とクリーニングブラシ23とを収容するケース部材91とを備える。ケース部材91は、非導電性を有する樹脂で帯電ローラー21の軸方向に延在するように形成される。帯電ローラー21は、金属製の回転軸21aの外周面にゴム等の弾性層21b(図7参照)を形成した導電性ゴムローラーからなる。帯電ローラー21は、感光体ドラム1aに所定のニップ圧で圧接されており、感光体ドラム1aの回転に伴い感光体ドラム1aに従動して回転する。
【0036】
クリーニングブラシ23は、回転軸23aの外周面に導電性のナイロン等の樹脂で形成されたブラシ部23b(図7参照)が突出している。クリーニングブラシ23は、ブラシ部23bを帯電ローラー21の外周面に接触させた状態で回転することにより帯電ローラー21に付着しているトナーや紙粉等を除去する。クリーニングブラシ23の回転軸23aの一端にはブラシ側ギア80が固定されている。なお、クリーニングブラシ23に代えて、ゴムや樹脂のスポンジ状のローラーから成るクリーニングローラーを用いてもよい。
【0037】
帯電ローラー21とクリーニングブラシ23の軸方向の両端部側には、一対の軸受部材92a、92bが配置されている。第1軸受部材92a、第2軸受部材92bは、帯電ローラー21の回転軸21a及びクリーニングブラシ23の回転軸23aを回転可能に支持する。軸受部材92a、92bは導電性を有する樹脂で形成されている。
【0038】
図7に示すように、ケース部材91と第1軸受部材92a、第2軸受部材92bの間には一対のコイルバネ76が配置されている。コイルバネ76は、第1軸受部材92a、第2軸受部材92bの下部に当接するとともにケース部材91内の底壁に当接している。コイルバネ76は、軸受部材92a、92bを介して帯電ローラー21を感光体ドラム1a側(図7の上方向)に付勢している。このコイルバネ76の付勢力によって、帯電ローラー21が感光体ドラム1aの表面に均一に圧接され、感光体ドラム1aの回転に伴い帯電ローラー21が従動回転する。
【0039】
図8は、第1支持フレーム51aを内側(感光体ドラム1a側)から見た斜視図、図9は、第1軸受部材92aを内側(帯電ローラー21側)から見た斜視図、図10は、第2軸受部材92bを外側(帯電ローラー21と反対側)から見た斜視図である。図8に示すように、第1支持フレーム51aには、感光体ドラム1aのドラムフランジ部43を回転可能に支持するドラム軸受部85と、アイドルギア82(図7参照)を回転可能に支持する固定軸86と、クリーニングブラシ23の回転軸23aを回転可能に支持する第1ブラシ軸受部87と、が一体形成されている。また、第1支持フレーム51aの3箇所にはユニット筐体41の係合穴(図示せず)に係合する係止爪93が形成されている。
【0040】
なお、ここでは図示しないが、感光体ドラム1aの他端側に配置される第2支持フレーム51bには固定軸86、第1ブラシ軸受部87は形成されていない。第2支持フレーム51bには、開口部52(図4参照)と、感光体ドラム1aのドラム回転軸44を支持するドラム軸受部85と係止爪93が形成されている。
【0041】
図9及び図10に示すように、第1軸受部材92a、第2軸受部材92bには、帯電ローラー21の回転軸21aを回転可能に支持するローラー軸受部88と、クリーニングブラシ23の回転軸23aを回転可能に支持する第2ブラシ軸受部89と、が一体形成されている。また、第1軸受部材92a、第2軸受部材92bの下面にはコイルバネ76(図7参照)が当接するバネ台座95が形成されている。ローラー軸受部88の内径は回転軸21aの外径と略同一径である。なお、図10のように帯電ローラー21と反対側から見た状態では、第2軸受部材92bのローラー軸受部88はカバー93で覆われており、軸受穴は目視できない。
【0042】
また、第1支持フレーム51a側に配置される第1軸受部材92aでは、第2ブラシ軸受部89の内径がクリーニングブラシ23の回転軸23aの外径に比べて若干大きく形成されており、回転軸23aが径方向に移動可能となっている。一方、第2支持フレーム51b側に配置される第2軸受部材92bでは、第2ブラシ軸受部89の内径は回転軸23aの外径と略同一径である。
【0043】
図11は、ドラムユニット47の第1支持フレーム51a側の端部周辺の部分斜視図であり、図12は、図11の状態から第1支持フレーム51aを取り外した状態を示す部分斜視図である。図13は、ドラムユニット47の第2支持フレーム51b側の端部から第2支持フレーム51bを取り外した状態を示す部分斜視図である。必要に応じて図5図10を参照しながら、図11図13を用いてクリーニングブラシ23の駆動機構について説明する。
【0044】
図11に示すように、感光体ドラム1aの一端に形成されたドラムフランジ部43は、第1支持フレーム51aに形成されたドラム軸受部85に回転可能に支持されている。また、ブラシ側ギア80が固定されたクリーニングブラシ23の回転軸23aの一端は、第1支持フレーム51aに形成された第1ブラシ軸受部87に回転可能に支持されている。
【0045】
図12に示すように、ドラム側ギア45の回転駆動力を第1ブラシ軸受部87に伝達するアイドルギア82が、第1支持フレーム51aに一体形成された固定軸86に支持されている。さらに、帯電ローラー21の回転軸21aとクリーニングブラシ23の回転軸23aを回転可能に支持する第1軸受部材92aがコイルバネ76によって感光体ドラム1aに接近する方向に付勢されている。
【0046】
図13に示すように、感光体ドラム1aの他端から突出するドラム回転軸44は、第2支持フレーム51bに形成されたドラム軸受部85(図7参照)に回転可能に支持されている。また、帯電ローラー21とクリーニングブラシ23の他端部は第2軸受部材92bによって回転可能に支持され、第2軸受部材92bはコイルバネ76によって感光体ドラム1aに接近する方向に付勢されている。
【0047】
つまり、クリーニングブラシ23の回転軸23aは、第1支持フレーム51a側においては第1支持フレーム51aに一体形成された第1ブラシ軸受部87によって位置決めされている(図7の破線円S1)。一方、第2支持フレーム51b側においては第2軸受部材92bに一体形成された第2ブラシ軸受部89によって位置決めされている(図7の破線円S2)。
【0048】
図12のような駆動機構を備える帯電装置2aにおいて、感光体ドラム1aが回転すると、帯電ローラー21は、一対のコイルバネ76の付勢力によって第1軸受部材92a、第2軸受部材92bを介して感光体ドラム1aの表面に略均一に圧接され、感光体ドラム1aに従動して回転する。また、感光体ドラム1aの回転に伴いドラム側ギア45が回転すると、ドラム側ギア45に噛合するアイドルギア82、ブラシ側ギア80が回転する。ドラム側ギア45の回転駆動力はブラシ側ギア80に伝達され、この回転駆動力によってクリーニングブラシ23は第1支持フレーム51aの第1ブラシ軸受部87、第2軸受部材92bの第2ブラシ軸受部89に支持された状態で、帯電ローラー21に対して線速差をもって回転駆動される。これにより、帯電ローラー21に付着しているトナーや紙粉等が除去される。
【0049】
上記の構成によれば、感光体ドラム1aのドラム側ギア45が設けられた一端部を支持するドラム軸受部85、クリーニングブラシ23(回転軸23a)のブラシ側ギア80が設けられた一端部を支持する第1ブラシ軸受部87、アイドルギア82を支持する固定軸86が第1支持フレーム51aに一体形成される。そのため、ドラム側ギア45、アイドルギア82、ブラシ側ギア80のギアピッチが安定する。その結果、駆動機構側における帯電ローラー21のバンディングの発生、及び帯電ローラー21のバンディングによる出力画像における横筋の発生を効果的に抑制することができる。
【0050】
また、帯電ローラー21の回転軸21aを支持する第1軸受部材92a、第2軸受部材92bはコイルバネ76によって感光体ドラム1a側に付勢されているため、感光体ドラム1aの軸方向における帯電ローラー21の接触状態も均一となる。従って、感光体ドラム1aの軸方向の帯電ムラも抑制することができる。
【0051】
また、第1軸受部材92a、第2軸受部材92bにより帯電ローラー21とクリーニングブラシ23とが所定のピッチで支持されるため、帯電ローラー21とクリーニングブラシ23のニップ(接触状態)も安定する。従って、クリーニングブラシ23を用いて帯電ローラー21に付着した汚れを良好に除去することができる。
【0052】
なお、上述したように、第1支持フレーム51a側に配置される第1軸受部材92aは、第2ブラシ軸受部89の内面とクリーニングブラシ23の回転軸23aの外周面との間に隙間が形成されている(図7の破線円S3)。これにより、第1軸受部材92aは帯電ローラー21の外径変化に応じて隙間の範囲で径方向に移動可能となっており、帯電ローラー21の外径が小さくなったときの感光体ドラム1aからの帯電ローラー21の浮き上がりや、帯電ローラー21の外径が大きくなったときの感光体ドラム1aに対する帯電ローラー21の圧接力の上昇が発生するおそれはない。
【0053】
さらに、第2支持フレーム51bには開口部52(図4参照)が形成されているため、開口部52から帯電装置2aをユニット筐体41に対して軸方向に引き出し、或いは挿入することができる。従って、帯電装置2aの交換作業やメンテナンス作業も容易となる。
【0054】
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、クリーニングブラシ23が軸方向に往復移動せず回転のみ行う帯電装置2aについて説明したが、例えばクリーニングブラシ23が回転しながら軸方向に往復移動する場合にも、クリーニングブラシ23の回転軸23aを第1支持フレーム51aの第1ブラシ軸受部87で位置決めすることで、帯電ローラー21のバンディングを効果的に防止することができる。
【0055】
また本発明は、図1に示したタンデム式のカラープリンターに限らず、デジタル或いはアナログ方式のモノクロ複写機、モノクロプリンター、カラー複写機、ファクシミリ等、感光体ドラムと帯電装置がユニット化されたドラムユニットを備えた種々の画像形成装置に適用可能である。
【0056】
本発明は、帯電ローラーと清掃部材とを有する帯電装置を備えた像担持体ユニットに利用可能である。本発明の利用により、駆動機構のギアの噛み合いに起因する帯電ローラーのバンディングを効果的に防止するとともに、帯電ローラーと清掃部材、及び帯電ローラーと像担持体との接触状態も良好に維持可能な像担持体ユニット及びそれを備えた画像形成装置を提供することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13