(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記支援情報提供手段は、前記評価手段による評価結果が基準未満である場合、前記計測結果取得手段により取得された計測結果に基づいて、前記プレイヤがすべきショットの弾道に関する推奨弾道情報を取得する推奨弾道取得手段を更に含み、前記推奨弾道取得手段により取得された推奨弾道情報を、前記支援情報として提供する、
ことを特徴とする請求項2に記載のゴルフプレイ支援システム。
前記支援情報提供手段は、前記推奨弾道取得手段により取得された推奨弾道情報に基づいて定まる位置に移動するように前記無人航空機に指示することによって、前記支援情報を提供する、
ことを特徴とする請求項3に記載のゴルフプレイ支援システム。
前記支援情報提供手段は、前記評価手段による評価結果が基準以上である場合、現在の位置で待機するように前記無人航空機に指示することによって、前記支援情報を提供する、
ことを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載のゴルフプレイ支援システム。
前記ゴルフプレイ支援システムは、前記無人航空機が移動先で風を計測中であるか、前記無人航空機の位置により前記支援情報が提供されているか、を前記プレイヤに通知する通知手段を更に含む、
ことを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載のゴルフプレイ支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[1.ゴルフプレイ支援システムのハードウェア構成]
以下、本発明に関わるゴルフプレイ支援システムの実施形態の例を説明する。本実施形態では、ゴルフコースでプレイヤがティーショットをする場面を例に挙げて、ゴルフプレイ支援システムの構成を説明する。
【0022】
図1は、ゴルフプレイ支援システムが利用される様子を示す図である。
図1に示すように、ゴルフプレイ支援システム1は、無人航空機10及びプレイヤ端末20を含む。例えば、ティーグラウンドから150ヤード程度離れた位置に、無人航空機10の発着所があるものとする。プレイヤ端末20は、プレイヤが乗車するカート内にある。
図1に示すように、ここでは、ティーグラウンドから150ヤード程度までは緩い上りであり、それ以降は下るゴルフコースを例に挙げて説明する。
【0023】
図2は、ゴルフプレイ支援システム1のハードウェア構成を示す図である。
図2に示すように、無人航空機10及びプレイヤ端末20は、互いにデータ送受信可能に接続される。
【0024】
無人航空機10は、人が搭乗しない航空機であり、例えば、バッテリーで駆動する無人航空機(いわゆるドローン)やエンジンで駆動する無人航空機である。無人航空機10は、制御部11、記憶部12、通信部13、及びセンサ部14を含む。なお、無人航空機10は、プロペラ・モーター・バッテリーなどの一般的なハードウェアも含むが、ここでは省略している。
【0025】
制御部11は、例えば、一又は複数のマイクロプロセッサを含む。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムやデータに従って処理を実行する。記憶部12は、主記憶部及び補助記憶部を含む。例えば、主記憶部はRAMなどの揮発性メモリであり、補助記憶部は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリである。通信部13は、無線通信用のネットワークカードを含む。通信部13は、ネットワークを介してデータ通信を行う。
【0026】
センサ部14は、風向風速センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、赤外線センサ、GPSセンサ、及びイメージセンサを含む。なお、無人航空機10には、任意のセンサが搭載されてよく、センサ部14は、地磁気センサ、高度センサ、又は変位センサを含んでもよい。
【0027】
プレイヤ端末20は、プレイヤが操作するコンピュータであり、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(タブレット型コンピュータを含む)、又は携帯電話機(スマートフォンを含む)等である。プレイヤ端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、及び表示部25を含む。制御部21、記憶部22、及び通信部23のハードウェア構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様であるので説明を省略する。
【0028】
操作部24は、プレイヤが操作を行うための入力デバイスであり、例えば、タッチパネルやマウス等のポインティングデバイスやキーボード等である。操作部24は、プレイヤによる操作内容を制御部21に伝達する。表示部25は、例えば、液晶表示部又は有機EL表示部等である。表示部25は、制御部21の指示に従って画面を表示する。
【0029】
なお、記憶部12又は記憶部22に記憶されるものとして説明するプログラム及びデータは、ネットワークを介して記憶部12又は記憶部22に供給されるようにしてもよい。また、無人航空機10及びプレイヤ端末20のハードウェア構成は、上記の例に限られず、種々のコンピュータのハードウェアを適用可能である。例えば、無人航空機10及びプレイヤ端末20の各々は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を読み取る読取部(例えば、光ディスクドライブやメモリカードスロット)やスピーカなどの音声出力部を含んでもよい。この場合、情報記憶媒体に記憶されたプログラムやデータが読取部を介して記憶部12又は記憶部22に供給されるようにしてもよい。
【0030】
本実施形態のゴルフプレイ支援システム1では、各プレイヤのショットの飛距離に応じた位置で無人航空機10が風を計測し、その計測結果をプレイヤに提供することによって、プレイヤのショットに応じた支援をするようにしている。以降、当該技術の詳細について説明する。
【0031】
[2.ゴルフプレイ支援システムにおいて実現される機能]
図3は、ゴルフプレイ支援システム1で実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、本実施形態では、移動制御部36が無人航空機10で実現され、データ記憶部30、飛距離情報取得部31、種類取得部32、ショット情報取得部33、レイアウト情報取得部34、移動指示部35、計測結果取得部37、予想部38、評価部39、支援情報提供部40、退避指示部41、及び通知部42がプレイヤ端末20で実現される場合を説明する。
【0032】
[2−1.データ記憶部]
データ記憶部30は、記憶部22を主として実現される。データ記憶部30は、プレイヤのゴルフプレイを支援するためのデータを記憶する。ここでは、データ記憶部30が記憶するデータとして、プレイヤデータ、スコアデータ、及びゴルフコースデータを説明する。
【0033】
図4は、プレイヤデータの一例を示す図である。
図4に示すように、プレイヤデータは、プレイヤのショットの特徴に関するデータである。ここでは、プレイヤデータは、プレイヤを一意に識別するプレイヤIDと、プレイヤ名と、各プレイヤのショットの飛距離に関する飛距離情報と、が格納されている。飛距離情報は、複数種類のゴルフクラブごとに、プレイヤの飛距離を示す。飛距離は、プレイヤが操作部24から入力してもよいし、予め定められていてもよい。飛距離が予め定められている場合には、全プレイヤで共通の飛距離を用いてもよいし、性別や年齢ごとに飛距離を定めておき、プレイヤが入力した性別や年齢に応じた飛距離を用いてもよい。
【0034】
図5は、スコアデータの一例を示す図である。
図5に示すように、スコアデータは、プレイヤのスコアに関するデータである。ここでは、スコアデータは、ホールごとに、各プレイヤの打数を示している。各プレイヤは、各ホールの終了時に自分の打数を操作部24から入力する。スコアデータには、当該入力された打数が格納されることになる。
【0035】
図6は、ゴルフコースデータの一例を示す図である。
図6に示すように、ゴルフコースデータは、ゴルフコースに関するデータである。ここでは、ゴルフコースデータは、ホールごとに、レイアウトに関するレイアウト情報と、ティーグラウンドからの打ち出し方向に関する基本方向情報と、が格納されている。レイアウト情報は、ゴルフコースの地形、及び、グリーン・ピン・フェアウェイ・ラフ・バンカー・池・木などの障害物・OBなどの各エリアの配置を示す情報である。本実施形態では、レイアウト情報は、ゴルフコースを3Dモデルデータとして表したものとして説明するが、2次元的な情報であってもよい。基本方向情報は、ティーグラウンドからの打ち出し方向を示す。基本方向情報は、例えば、ゴルフコースの管理者などによって予め指定されたおすすめの方向である。
【0036】
なお、データ記憶部30に記憶されるデータは上記の例に限られない。例えば、データ記憶部30は、ティーショットで使用するゴルフクラブをプレイヤが予め入力する場合には、当該入力されたゴルフクラブを示すデータを記憶してもよい。他にも例えば、データ記憶部30は、ゴルフコースの3Dモデルが構築される仮想3次元空間の3次元座標と、現実空間の緯度経度情報及び高度情報と、の関連付け(詳細後述)を記憶してもよい。
【0037】
[2−2.飛距離情報取得部]
飛距離情報取得部31は、制御部21を主として実現される。飛距離情報取得部31は、ゴルフクラブの種類と打球の飛距離との関係を示す飛距離情報を取得する。本実施形態では、プレイヤデータに飛距離情報が格納されているので、飛距離情報取得部31は、データ記憶部30に記憶されたプレイヤデータを取得することになる。なお、各プレイヤは自分の飛距離をその場で入力してもよい。この場合、飛距離情報取得部31は、操作部24の検出信号に基づいて、飛距離情報を取得する。
【0038】
[2−3.種類取得部]
種類取得部32は、制御部21を主として実現される。種類取得部32は、プレイヤの操作に基づいて、所定位置からのショットで使用するゴルフクラブの種類を取得する。所定位置とは、ゴルフコース内の予め定められた位置であり、本実施形態では、ティーグラウンドである。また、本実施形態では、各プレイヤが、自分が使用するゴルフクラブの種類をその場で操作部24から入力する場合を説明する。このため、種類取得部32は、操作部24の検出信号に基づいて、ゴルフクラブの種類を取得することになる。なお、ゴルフクラブの種類は、各プレイヤが予め入力しておくようにしてもよい。この場合、種類取得部32は、データ記憶部30に記憶されたゴルフクラブの種類を取得する。
【0039】
[2−4.ショット情報取得部]
ショット情報取得部33は、制御部21を主として実現される。ショット情報取得部33は、ゴルフコース内の所定位置からのプレイヤに応じたショットに関するショット情報を取得する。ショット情報は、プレイヤのショットの特徴を示す情報であり、例えば、打球の飛距離・飛び出し方向(角度)・軌道・曲がり方・最高到達点などである。本実施形態では、ショット情報が飛距離である場合を説明する。このため、ショット情報取得部33は、飛距離情報取得部31により取得された飛距離情報と、種類取得部32により取得されたゴルフクラブの種類と、に基づいて、プレイヤのショットの飛距離に関するショット情報を取得することになる。即ち、ショット情報取得部33は、飛距離情報を参照して、種類取得部32により取得されたゴルフクラブの種類に関連付けられた飛距離をショット情報として取得する。
【0040】
[2−5.レイアウト情報取得部]
レイアウト情報取得部34は、制御部21を主として実現される。レイアウト情報取得部34は、ゴルフコースのレイアウトに関するレイアウト情報を取得する。レイアウト情報取得部34は、データ記憶部30に記憶されたゴルフコースデータを取得することになる。
【0041】
[2−6.移動指示部]
移動指示部35は、制御部21を主として実現される。移動指示部35は、ショット情報取得部33により取得されたショット情報に基づいて定まる位置(以降、計測位置という。)に移動するように、風を計測する無人航空機10に指示する。例えば、ショット情報と計測位置との関連付けがデータ記憶部30に記憶されているものとする。この関連付けは、数式形式であってもよいし、テーブル形式であってもよい。移動指示部35は、ショット情報に関連付けられた計測位置に移動するように無人航空機10に指示する。計測位置は、現実空間における3次元的な位置であり、本実施形態では、緯度経度情報及び高度情報によって特定される。緯度経度情報は、地球上の南北方向の位置及び東西方向の位置を特定する情報であり、例えば、度・分・秒の各数値により示される。高度情報は、所定位置からの高さを示す情報であり、ここでは、地面からの高さを示すものとして説明するが、海抜を示してもよい。
【0042】
図7は、計測位置を決定する方法の説明図である。ここでは、4人のプレイヤA〜Dがティーショットを打つ場合を例に挙げる。なお、
図7のXw−Yw−Zw軸は、仮想3次元空間の座標軸(原点をOwとする。)である。この座標軸が設定される仮想3次元空間内に、レイアウト情報が示す3Dモデルが構築される。本実施形態では、ショット情報が飛距離である場合を説明するので、移動指示部35は、各プレイヤの飛距離と、基本方向情報が示す基本方向Vと、に基づいて、当該プレイヤの弾道を計算して計測位置を決定する。この弾道は、風の影響を考慮せずに決定される。移動指示部35は、飛距離が長いほど、ティーグラウンドから遠くかつ高くなるように計測位置を決定し、飛距離が短いほど、ティーグラウンドから近くかつ低くなるように計測位置を決定する。
【0043】
例えば、プレイヤAは3番ウッド(3W)を使用し、プレイヤB〜Dはドライバー(D)を使用する場合、
図4に示すように、プレイヤA〜Dの飛距離は、それぞれ200ヤード、160ヤード、280ヤード、200ヤードとなる。このため、ティーグラウンドから基本方向Vに対してこれらの飛距離だけ飛ぶように移動指示部35が各プレイヤの弾道を計算すると、
図7に示す弾道50A〜50Dのようになる。弾道の計算式自体は、公知のゴルフシミュレータで用いられているものを使用してよく、例えば、飛距離を代入することで放物線を求める計算式である。本実施形態では、この計算式が、上記説明した関連付けに相当する。
【0044】
移動指示部35は、弾道50A〜50D上の任意の位置(ここでは、最高到達地点51A〜51D)の3次元座標に基づいて、プレイヤA〜Dの計測位置を決定する。ここでは、データ記憶部30は、仮想3次元空間の3次元座標と、緯度経度情報及び高度情報と、の関連付けを記憶しているものとする。この関連付けは、数式形式であってもよいし、テーブル形式であってもよい。移動指示部35は、当該関連付けに基づいて、最高到達地点51A〜51Dの3次元座標を緯度経度情報及び高度情報に変換することによって、プレイヤA〜Dの各々の計測位置を決定すればよい。
【0045】
移動指示部35は、上記のようにして決定した計測位置に移動するように、無人航空機10に指示する。例えば、移動指示部35は、緯度経度情報及び高度情報を無人航空機10に送信することによって計測位置を指示する。この指示は、所定形式のデータを送信することで行われるようにすればよい。また、ティーショットは、所定の順番で行われるので、移動指示部35は、スコアデータに基づいて各プレイヤがティーショットをする順番を特定し、これからティーショットをするプレイヤに応じた計測位置に移動するように、無人航空機10に指示すればよい。なお、移動指示部35が各プレイヤのティーショットの終了を判定するために、ティーショットを終えるたびに各プレイヤに操作部24から所定の操作をさせるようにしてもよい。あるプレイヤのティーショットが終了した場合、移動指示部35は、次のプレイヤに応じた計測位置の移動を指示することになる。
【0046】
[2−7.移動制御部]
移動制御部36は、制御部11を主として実現される。移動制御部36は、移動指示部35からの指示に基づいて、無人航空機10を移動させる。例えば、移動制御部36は、移動指示部35により指示された計測位置に向けて移動するように、無人航空機10の各プロペラの回転方向や回転速度を調整する。プロペラの回転方向や回転速度は、これらを示すパラメータを変化させることによって調整すればよい。なお、無人航空機10を指定された計測位置に移動させる方法自体は、公知の種々の手法を適用可能であり、例えば、移動制御部36は、進行方向側にあるプロペラの回転数を減少させるようにすればよい。
【0047】
例えば、移動制御部36は、センサ部14のGPSセンサの受信信号により定まる緯度経度情報(即ち、現在位置の緯度経度情報)から、移動指示部35により指示された緯度経度情報(即ち、計測位置の緯度経度情報)に向けた方向に、無人航空機10を移動させる。また例えば、移動制御部36は、センサ部14の赤外線センサにより検出した地面からの距離と、高度情報と、のずれが閾値未満となるように、無人航空機10の高度を調整する。移動制御部36は、無人航空機10を計測位置に移動させると、その場でホバリングさせる。この状態で、無人航空機10はセンサ部14を使って風を計測し、計測結果をプレイヤ端末20に送信することになる。
【0048】
[2−8.計測結果取得部]
計測結果取得部37は、制御部21を主として実現される。計測結果取得部37は、無人航空機10による移動先(即ち、計測位置)での風の計測結果を取得する。計測結果取得部37は、センサ部14により検出された風向及び風速の少なくとも一方を計測結果として取得する。本実施形態では、計測結果取得部37は、風向と風速の両方を取得する場合を説明するが、風向又は風速の何れか一方のみを取得してもよい。
【0049】
[2−9.予想部]
予想部38は、制御部21を主として実現される。予想部38は、ショット情報取得部33により取得されたショット情報と、計測結果取得部37により取得された計測結果と、に基づいて、所定位置からのショットの弾道に関する予想を行う。本実施形態では、予想部38が、弾道そのものを予想する場合を説明するが、打球の着地点のみを予想してもよい。予想部38が予想する弾道は、風の影響を考慮に入れた弾道であり、移動指示部35が計算する弾道(風を考慮しない弾道)とは異なる。風の影響を考慮した弾道を取得する方法自体は、公知のゴルフシミュレータで用いられている方法を利用してよいが、例えば、予想部38は、下記のようにして弾道を予想する。
【0050】
図8は、予想部38が予想する弾道の説明図である。
図8に示すように、本実施形態では、予想部38は、風の計測結果に基づいて、移動指示部35が計算した弾道50A〜50Dを変化させる。例えば、風の計測結果と、弾道の変化方向及び変化量と、の関連付けがデータ記憶部30に記憶されているものとする。この関連付けは、数式形式であってもよいし、テーブル形式であってもよい。予想部38は、風の計測結果に関連付けられた変化方向及び変化量だけ、移動指示部35が計算した弾道を変化させることになる。別の言い方をすれば、予想部38は、計測結果が示す風向の方向に風速に応じた分だけ弾道50A〜50Dを変化させることによって、風の影響を考慮に入れた予想弾道52A〜52Dを取得する。
【0051】
例えば、
図7に示すように、最高到達地点51A,51B,51Dに対応する計測位置は、木に囲まれており風の影響を受けにくいため、計測結果がほぼ無風を示していたとすると、
図8に示すように、予想部38は、弾道50A,50B,50Dからあまり変化しない予想弾道52A,52B,52Dを取得する。一方、最高到達地点51Cに対応する計測位置は、周囲をさえぎるものがなく風の影響を受けやすいため、計測結果が強い横風を示していたとすると、予想部38は、弾道50Cから大きく変化した予想弾道52Cを取得する。例えば、打球が最高到達点に達した後は速度が落ちて風の影響のため曲がりやすいので、
図8に示すように、予想部38は、後半で大きく曲がる弾道50Cを予測する。
【0052】
なお、移動指示部35が計算した弾道を変化させるのではなく、予想部38は、ショット情報と風の計測結果から弾道を計算しなおしてもよい。この場合、ショット情報及び風の計測結果と、弾道と、の関連付けがデータ記憶部30に記憶されているものとする。この関連付けは、数式形式であってもよいし、テーブル形式であってもよい。予想部38は、ショット情報及び風の計測結果に関連付けられた弾道を予想結果として取得することになる。
【0053】
[2−10.評価部]
評価部39は、制御部21を主として実現される。評価部39は、レイアウト情報取得部34により取得されたレイアウト情報に基づいて、予想部38による予想結果を評価する。評価は、ゴルフのペナルティが発生するか、又は、所定のエリアに打球が着地するかによって行われる。ペナルティは、ゴルフ規則で定められたものであり、例えば、OBやウォーターハザードである。所定のエリアとは、フェアウェイ・ラフ・バンカー・池などである。評価部39は、レイアウト情報を参照して、予想部38が予想した予想弾道の軌道上に障害物があるか否かをから判定したり、予想部38が予想した予想弾道の着地点が所定のエリアであるかを判定したりする。
【0054】
評価部39は、予想弾道だとペナルティが発生する場合、予想弾道上に障害物がある場合、又は、予想弾道の着地点がラフ・バンカー・池などである場合、基準未満の評価とする。一方、評価部39は、予想弾道でペナルティが発生しない場合、予想弾道上に障害物がない場合、及び、予想弾道の着地点がフェアウェイである場合、基準以上の評価とする。
図8の例では、弾道52A,52B,52Dは、ペナルティが発生せず、弾道上に障害物がなく、着地点がフェアウェイ53であるので、評価部39は、弾道52A,52B,52Dは基準以上の評価を与える。一方、弾道52Cは、ペナルティが発生せず弾道上に障害物はないが、着地点がバンカー54であるので、評価部39は、弾道52Cは基準未満の評価を与える。
【0055】
[2−11.支援情報提供部]
支援情報提供部40は、制御部21を主として実現される。支援情報提供部40は、計測結果取得部37により取得された計測結果に基づいて、所定位置からのショットを支援するための支援情報をプレイヤに提供する。
【0056】
本実施形態では、支援情報が、プレイヤが打つべき方向又は位置を示す情報である場合を説明するが、計測位置の風向や風速そのものが支援情報として提供されてもよいし、打球の曲げ方(フックやスライスなど)や打ち方(トップ気味に打つなど)が支援情報として提供されてもよい。また、支援情報は、画像又は音声を利用して提供されてもよいが、本実施形態では、無人航空機10の位置を利用して提供されるものとする。即ち、プレイヤは、無人航空機10がいる位置を目標にしてショットすることになる。
【0057】
本実施形態では、支援情報提供部40は、評価部39による評価結果に基づいて、支援情報を提供する。例えば、支援情報提供部40は、基本方向Vで打って良いかを支援情報として提供する。なお、基本方向Vは、カート内のコースマップなどに記載されており、各プレイヤは基本方向Vを知ることができるものとする。支援情報提供部40は、評価部39による評価結果が基準未満である場合、基本方向Vで打ってはいけない旨を示す支援情報を提供し、評価部39による評価結果が基準以上である場合、基本方向Vで打つべき旨を示す支援情報を提供する。
【0058】
また、本実施形態では、支援情報提供部40は、推奨弾道取得部40Aを含む。推奨弾道取得部40Aは、評価部39による評価結果が基準未満である場合、計測結果取得部37により取得された計測結果に基づいて、プレイヤがすべきショットの弾道に関する推奨弾道情報を取得する。ここでは、推奨弾道情報が、弾道そのものを示す場合を説明するが、ショットの打ち出し方向が推奨弾道情報であってもよい。推奨弾道情報は、基準以上の評価となる弾道であり、例えば、ペナルティが発生しない弾道、弾道上に障害物がない弾道、又は、着地点がフェアウェイの弾道である。
【0059】
図9は、推奨弾道取得部40Aの処理内容の説明図である。
図9に示すように、推奨弾道取得部40Aは、計測結果取得部37の計測結果に応じた角度θだけ基本方向Vを回転させた推奨方向Uを取得し、当該方向Uにプレイヤの飛距離で打球が飛んだ場合の弾道55Cを計算する。例えば、風の計測結果と推奨方向Uとの関連付けがデータ記憶部に記憶されているものとする。この関連付けは、数式形式であってもよいし、テーブル形式であってもよい。推奨弾道取得部40Aは、風の計測結果に関連付けられた推奨方向Uを取得し、弾道55Cを計算して推奨弾道情報として取得する。
【0060】
なお、推奨弾道取得部40Aは、評価部39と同じ評価方法を使って、この弾道55Cを評価してもよい。基準未満の評価になった場合、基準以上の評価が得られるまで、推奨弾道取得部40Aは、推奨方向Uを変更して弾道55Cを再計算し、推奨弾道情報として取得すればよい。支援情報提供部40は、推奨弾道取得部40Aにより取得された推奨弾道情報を、支援情報として提供する。支援情報提供部40は、弾道55C上の任意の位置を支援情報として提供してもよいし、弾道55Cを計算した場合に使用した推奨方向Uを支援情報として提供してもよい。
【0061】
また、本実施形態では、無人航空機10の位置を利用して支援情報を提供するので、支援情報提供部40は、推奨弾道取得部40Aにより取得された推奨弾道情報に基づいて定まる位置に移動するように無人航空機10に指示することによって、支援情報を提供する。支援情報提供部40は、弾道55C上の任意の位置(例えば、最高到達地点56C)の3次元座標を取得し、当該3次元座標を緯度経度情報及び高度情報に変換する。支援情報提供部40は、当該緯度経度情報及び高度情報が示す位置に移動するように無人航空機10に指示することになる。
【0062】
また、本実施形態では、支援情報提供部40は、評価部39による評価結果が基準以上である場合、現在の位置で待機するように無人航空機10に指示することによって、支援情報を提供する。即ち、基本方向Vに向けてティーショットをしても特に問題が発生しない場合、無人航空機10は、計測位置で待機することになる。
【0063】
[2−12.退避指示部]
退避指示部41は、制御部21を主として実現される。退避指示部41は、支援情報提供部40により支援情報が提供された後に、現在の位置から退避するように無人航空機10に指示する。退避指示部41は、所定の条件が満たされた場合に退避を指示すればよい。例えば、退避指示部41は、一定時間が経過した場合、プレイヤがスイングを開始した場合、プレイヤがショットをした場合、又は、プレイヤが操作部24から所定の操作をした場合に、退避を指示すればよい。
【0064】
なお、プレイヤのスイングやショットは、センサ部14の検出信号により検知されるようにすればよい。例えば、退避指示部41は、センサ部14のイメージセンサで撮影した画像を解析して、スイングやショットが行われたかを判定すればよい。他にも例えば、センサ部14がマイクを含む場合、退避指示部41は、打球音を検知したかを判定してもよい。退避指示部41が行う退避の指示は、退避方向が含まれていてもよい。退避方向は、予め定められた方向であってもよいし、ランダムに定まってもよい。更に、無人航空機10が打球の方向を解析し、当該打球の方向に基づいて退避方向が定まってもよい。
【0065】
[2−13.通知部]
通知部42は、制御部21を主として実現される。通知部42は、無人航空機10が移動先(計測位置)で風を計測中であるか、無人航空機10の位置により支援情報が提供されているか、をプレイヤに通知する。通知は、視覚的又は聴覚的に行われるようにすればよく、例えば、通知部42は、所定の画像を表示させたり、所定の音声を出力したりする。他にも例えば、無人航空機10がライトを搭載している場合は、通知部42は、ライトの点灯や消灯を指示することによって通知を行うようにしてもよい。通知部42が通知を行うことによって、プレイヤはショットしてもよいかどうかを判断することができる。
【0066】
[3.ゴルフプレイ支援システムにおいて実行される処理]
図10及び
図11は、ゴルフプレイ支援システムにおいて実行される処理の一例を示すフロー図である。
図10及び
図11に示す処理は、制御部11が、記憶部12に記憶されたプログラムに従って動作し、制御部21が、記憶部22に記憶されたプログラムに従って動作することによって実行される。本実施形態では、下記に説明する処理が実行されることにより、
図3に示す機能ブロックが実現される。
【0067】
図10に示すように、まず、プレイヤ端末20においては、制御部21は、ゴルフコースデータに基づいて、各プレイヤがこれからティーショットをするゴルフコースの3Dモデルを仮想3次元空間に構築する(S1)。制御部21は、各プレイヤがティーショットをするゴルフコースを、プレイヤの入力によって特定してもよいし、プレイヤ端末20にGPSセンサを搭載しておき、現在の緯度経度情報に基づいて特定してもよい。S1においては、制御部21は、レイアウト情報が示す3Dモデルを記憶部22に構築することになる。
【0068】
制御部21は、スコアデータに基づいて、ティーショットをする順番を特定する(S2)。S2においては、制御部21は、前のホールのスコアが良い順となるように、順番を特定すればよい。以降、これからティーショットをするプレイヤに応じた計測位置で無人航空機10が風を計測するための処理が実行されることなる。
【0069】
制御部21は、プレイヤが使用するゴルフクラブの種類を特定する(S3)。S3においては、制御部21は、操作部24から入力されたゴルフクラブの種類を取得することになる。
【0070】
制御部21は、プレイヤデータの飛距離情報に基づいて、S3で特定したゴルフクラブをプレイヤが使用した場合の飛距離を取得する(S4)。制御部21は、S4で取得した飛距離と、ゴルフコースデータの基本方向情報が示す基本方向Vと、に基づいてプレイヤの弾道を計算する(S5)。S5においては、制御部21は、
図7を参照して説明した方法に基づいて、風の影響を考慮しない弾道を計算する。
【0071】
制御部21は、S5で計算した弾道の最高到達地点に基づいて定まる計測位置に移動するように、無人航空機10に移動指示を送信する(S6)。ここでは、仮想3次元空間の3次元座標と、緯度経度情報及び高度情報と、の関連付けが記憶部22に記憶されているので、S6においては、制御部21は、最高到達地点の3次元座標に関連付けられた緯度経度情報及び高度情報を計測位置として取得し、移動指示を送信することになる。
【0072】
無人航空機10においては、移動指示を受信すると、制御部11は、指示された計測位置に向けて無人航空機10を移動させる(S7)。S7においては、制御部11は、移動指示に含まれる緯度経度情報及び高度情報を目的地点に設定して、無人航空機10の移動を開始する。
【0073】
制御部11は、無人航空機10が計測位置に移動すると、センサ部14を使って風向と風速を計測する(S8)。S8においては、制御部11は、センサ部14のGPSセンサ等を使って計測位置に移動したかを判定する。計測位置に移動したと判定した場合に、制御部11は、センサ部14の風向風速センサの検出結果を取得することになる。制御部11は、S8における計測結果をプレイヤ端末20に送信する(S9)。S9においては、制御部11は、風向と風速を示す情報をプレイヤ端末20に送信することになる。
【0074】
プレイヤ端末20においては、計測結果を受信すると、制御部21は、計測結果に基づいてS5で計算した弾道を修正し、予想弾道を取得する(S10)。S10においては、制御部21は、
図8を参照して説明した方法に基づいて、風の影響を考慮しないS5の弾道を、風の影響を考慮した予想弾道に修正する。
【0075】
図11に移行し、制御部21は、ゴルフコースデータに基づいて、S10で取得した予想弾道を評価する(S11)。S11においては、制御部21は、予想弾道でペナルティが発生するか、予想弾道上に障害物があるか、及び予想弾道の着地点のエリアを判定することによって評価を行う。
【0076】
予想弾道の評価が基準未満であった場合(S11;基準未満)、制御部21は、S10において受信した計測結果に基づいて、推奨弾道を取得する(S12)。S12においては、制御部21は、
図9を参照して説明した方法に基づいて、推奨弾道を取得する。
【0077】
制御部21は、S12で取得した推奨弾道上に移動するように、無人航空機10に移動指示を送信する(S13)。S13においては、制御部21は、ゴルフコースデータを参照して、推奨弾道上の任意の点の3次元座標に関連付けられた緯度経度情報及び高度情報を取得して移動指示を送信することになる。制御部21は、「無人航空機が推奨弾道上に移動します。無人航空機が停止したら、無人航空機を目標にショットして下さい。」などの所定の音声を出力する(S14)。
【0078】
無人航空機10においては、移動指示を受信すると、制御部11は、推奨弾道上に向けて移動する(S15)。制御部11は、一定時間ホバリングした後に退避する(S16)。S16においては、制御部11は、センサ部14のGPSセンサ等を使って推奨弾道上に移動したかを判定する。計測位置に移動したと判定した場合に、制御部11は、無人航空機10をホバリングさせるとともに、リアルタイムクロック等を利用して計時を開始する。そして、制御部11は、一定時間が経過した場合に、無人航空機10を所定方向に退避させる。
【0079】
一方、S10において、予想弾道の評価が基準以上であった場合(S10;基準以上)、制御部21は、無人航空機10にその場で一定時間ホバリングする旨の指示を送信し(S17)、「無人航空機を目標にショットして下さい。」などの所定の音声を出力する(S18)。無人航空機10は、指示を受信すると、S16の処理を実行して、一定時間後に退避する。
【0080】
プレイヤ端末20においては、制御部21は、操作部24からの入力に基づいて、プレイヤがティーショットしたかを判定する(S19)。プレイヤがティーショットしたと判定された場合(S19;Y)、制御部21は、スコアデータに格納されたプレイヤの人数に基づいて、全員のティーショットが終了したかを判定する(S20)。全員のティーショットが終了したと判定されない場合(S20;N)、S3の処理に戻り、次にティーショットをするプレイヤを支援するための処理が実行される。一方、全員のティーショットが終了したと判定された場合(S20;Y)、本処理は終了する。
【0081】
以上説明したゴルフプレイ支援システム1によれば、各プレイヤのショットに応じた計測位置で風を計測して支援情報を提供するので、プレイヤのショットの特徴に応じた的確な支援をすることができる。例えば、ゴルフコース上の固定地点に風向風速センサを配置する場合には、その場所の風しか計測できないので、その場所以外を通るショットを打つプレイヤには有益な情報とはならない可能性があるが、ゴルフプレイ支援システム1では、無人航空機10が任意の位置の風を計測できるので、プレイヤに応じた有益な情報を提供することができる。
【0082】
また、ゴルフプレイ支援システム1では、計測位置における風の影響を考慮した予想弾道をレイアウト情報に基づいて評価するので、ゴルフコースのレイアウトに応じた支援情報をユーザに提供することができる。
【0083】
また、ゴルフプレイ支援システム1では、風の影響を考慮した予想弾道の評価が低い場合は、風の影響を考慮した推奨弾道を計算してプレイヤに提供するので、どの方向にショットしたらよいかをプレイヤに具体的に提案することができ、ゴルフプレイの支援をより効果的に行うことができる。
【0084】
また、ゴルフプレイ支援システム1では、推奨弾道上に無人航空機10が移動することによって支援情報を提供するので、プレイヤが打つべき方向を視覚的に分かりやすく伝えることができる。
【0085】
また、ゴルフプレイ支援システム1では、風の影響を考慮した予想弾道の評価が高い場合は、無人航空機10を計測位置で待機させることによって、プレイヤが狙っている方向に向けてショットしても問題ないことを視覚的に分かりやすく伝えることができる。
【0086】
また、無人航空機10の位置によって支援情報を提供する場合、プレイヤは無人航空機10に向かってショットすることになるが、ゴルフプレイ支援システム1では、支援情報を提供した後は無人航空機10が退避するので、打球が無人航空機10にぶつからないようにすることができる。
【0087】
また、ゴルフプレイ支援システム1では、無人航空機10が風を計測中なのか、プレイヤが打つべき方向を伝えているのか、を通知することによって、プレイヤはショットしてよいかどうかを判断しやすくなる。
【0088】
また、打球の飛距離が異なれば風の影響も大きく異なることになるが、ゴルフプレイ支援システム1では、プレイヤが使用するゴルフクラブに応じた飛距離をもとに風の計測位置を決定することによって、支援情報の精度をより向上させることができる。
【0089】
[4.変形例]
なお、本発明は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0090】
(1)
図12は、変形例(1)の機能ブロック図である。
図12に示すように、下記に説明する変形例では、実施形態の機能に加えて、障害物判定部43が実現される。障害物判定部43は、制御部21を主として実現される。障害物判定部43は、無人航空機10のセンサ部14の検出結果に基づいて、ゴルフコース内の障害物の有無を判定する。
【0091】
変形例(1)では、無人航空機10は、ゴルフコース内の物体を検出するためのセンサを含むものとする。このセンサは、赤外線センサやイメージセンサであってよい。例えば、障害物判定部43は、赤外線センサが発射した赤外線が反射して戻ってくるかを判定することによって障害物を検出する。また例えば、障害物判定部43は、イメージセンサで撮影した画像と、障害物の基本形状を示す画像(データ記憶部30にこの画像を予め記憶させておくものとする。)と、をパターンマッチングすることによって障害物を検出する。
【0092】
評価部39は、レイアウト情報取得部34により取得されたレイアウト情報と、障害物判定部43の判定結果と、に基づいて、予想部38による予想結果を評価する。評価部39の評価方法は、実施形態で説明した方法と同様であるが、評価部39は、障害物判定部43の判定結果に基づいて、仮想3次元空間上に障害物を配置する。例えば、無人航空機10は、センサ部14のGPSセンサや赤外線センサから緯度経度情報及び高度情報(即ち、現在の飛行位置)を取得可能なので、評価部39は、無人航空機10の緯度経度情報及び高度情報を仮想3次元空間の3次元座標に変換する。そして、評価部39は、障害物判定部43が判定に使用した赤外線センサの検出結果やイメージセンサの画像から、無人航空機10と障害物との位置関係を推定することによって、障害物の3次元座標を決定する。評価部39は、当該決定した3次元座標に障害物の3Dモデルを配置して、予想部38が予想した余同弾道上に当該障害物があるかを判定することになる。
【0093】
変形例(1)によれば、無人航空機10がゴルフコース内の障害物を検出するので、ゴルフコース内の現在の状況に応じた障害物を考慮して予想弾道を評価することができる。
【0094】
(2)また例えば、実施形態では、ショット情報が飛距離を示す場合を説明したが、ショット情報は、ショットの弾道に関するものであってもよい。この場合、ショット情報取得部33は、プレイヤの操作に基づいて、プレイヤのショットの弾道に関するショット情報を取得する。例えば、プレイヤは、自分のショットの曲がり具合や飛び出し方向をその場で操作部24から入力してもよいし、予め入力されたものがプレイヤデータに格納されていてもよい。移動指示部35は、プレイヤが入力した曲がり具合や飛び出し方向に基づいて弾道を計算することになる。実施形態で説明したように、弾道の計算自体は、公知のゴルフシミュレータで用いられている計算方法を用いてよい。
【0095】
変形例(2)によれば、プレイヤのショットの曲がり具合や飛び出し方向などの弾道に応じた計測位置で風を計測して支援情報を提供することができる。
【0096】
(3)また例えば、変形例(1)と(2)を組み合わせるようにしてもよい。
【0097】
また例えば、無人航空機10の計測位置は1つだけではなく、移動指示部35が計算した弾道上の複数の位置に基づいて、複数の計測位置を設定してもよい。更に、無人航空機10は、1台だけでなく、複数台であってもよく、複数の計測位置の各々に無人航空機10が移動してもよい。更に、複数台の無人航空機10が推奨弾道を示すように、各無人航空機10を配列させるようにしてもよい。
【0098】
また例えば、プレイヤがティーショットする場面で支援情報が提供される場合を説明したが、ティーショット以外の場面で同様の処理を実行することによって支援情報を提供するようにしてもよい。この場合、各プレイヤのボールの位置が所定位置となる。各プレイヤのボールの位置は、各プレイヤが保有するスマートフォンなどの端末のGPSセンサで推定してもよいし、プレイヤ端末20のGPSセンサで推定してもよい。他にも、無人航空機10が撮影した画像に基づいて各プレイヤの位置を特定してもよい。
【0099】
また例えば、プレイヤの前方で他のグループがプレイしていることがあるので、プレイヤ端末20は、プレイヤの前方方向を無人航空機10に撮影させ、この撮影画像に基づいて、ゴルフコース内で打ち込みを禁止するエリアを仮想3次元空間内に設定するようにしてもよい。このエリア内に予測弾道が入る場合には、支援情報提供部40は、その旨を支援情報として提供してもよい。
【0100】
また例えば、風を計測する方法自体は、風向風速センサを利用した方法以外であってもよい。例えば、ゴルフプレイ支援システム1は、無人航空機10を自由落下させて流された距離を検出することで風を推定してもよい。他にも例えば、公知の種々の計測方法を利用してもよい。
【0101】
また例えば、実施形態では、前半が上り坂で中盤以降は下り坂のゴルフコースを例に挙げたが、他の種々のゴルフコースにおけるゴルフプレイを支援する場面でゴルフプレイ支援システム1を適用することができる。例えば、1打でグリーンに乗せることが可能なショートホールに適用してもよいし、所定方向に曲がるドッグレッグのゴルフコースにおいて、OBや谷となっているエリアをまたぐ方向に打つか(ショートカットをするか)、フェアウェイに沿って堅実な方向に打つか、をプレイヤに選択させ、当該方向に応じた計測位置に無人航空機10を移動させるようにしてもよい。この場合、推奨弾道取得部40Aは、風の計測結果に基づいて、ショートカットする弾道を推奨弾道として取得してもよいし、ショートカットを狙うプレイヤに対して堅実な方向を推奨弾道として取得してもよい。
【0102】
また例えば、レイアウト情報は、予め管理者によって作成されたものであってもよいし、無人航空機10がゴルフコース上空を撮影することで生成されてもよい。更に、無人航空機10がゴルフコース上空を周遊することによって全ホールのレイアウト情報が生成されるようにしてもよい。
【0103】
また例えば、プレイヤ端末20は、各プレイヤがショットをする所定位置からピンまでの残りヤード数からゴルフクラブの種類を推定してもよい。この場合、プレイヤデータの飛距離情報を利用してプレイヤが使用するゴルフクラブを推定してもよい。更に、プレイヤ端末20は、残りヤード数と飛距離情報に基づいて推奨するゴルフクラブをプレイヤに提案してもよい。
【0104】
また例えば、プレイヤ端末20で実現されるものとして説明した機能が無人航空機10で実現されてもよい。例えば、データ記憶部30、飛距離情報取得部31、種類取得部32、ショット情報取得部33、レイアウト情報取得部34、移動指示部35、計測結果取得部37、予想部38、評価部39、支援情報提供部40、退避指示部41、通知部42、及び障害物判定部43が無人航空機10で実現されてもよい。この場合、データ記憶部30は記憶部12を主として実現され、他の各機能は制御部11を主として実現される。上記説明した各機能は、無人航空機10だけで実現されるようにしてもよいし、ゴルフプレイ支援システム1の各コンピュータで分担されるようにしてもよい。更に、上記説明した各機能のうち、ショット情報取得部33、移動指示部35、計測結果取得部37、及び支援情報提供部40以外の機能は省略してもよい。
プレイヤに応じた位置の風を計測してゴルフプレイの支援をする。ゴルフプレイ支援システム(1)のショット情報取得手段(33)は、ゴルフコース内の所定位置からのプレイヤに応じたショットに関するショット情報を取得する。移動指示手段(35)は、ショット情報取得手段(33)により取得されたショット情報に基づいて定まる位置に移動するように、風を計測する無人航空機(10)に指示する。計測結果取得手段(37)は、無人航空機(10)による移動先での風の計測結果を取得する。支援情報提供手段(40)は、計測結果取得手段(37)により取得された計測結果に基づいて、所定位置からのショットを支援するための支援情報をプレイヤに提供する。