(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのために経済性、環境性を考慮し、産業上に有効な電力を効率良く得るには、次のような問題点があった。
【0005】
従来の水流エネルギー変換発電装置は、大型水力発電に見られるように、水流エネルギーを回転エネルギーに変換するタービンと同軸にした高出力の大型発電機を用いるのが公知である。該大型発電機は、高駆動トルクが要求され、落差を利用した高水圧の水流を該タービンに作用させて発電機を駆動する方法が用いられている。従って、高水圧の水流を得るには、貯水ダムが必要で、設置場所の制限や自然環境破壊の考慮が必要となる。更に、高出力発電機の設置には、大規模な発電設備を要し、建設には長い工期と莫大な費用が必要である。
【0006】
海流発電は、前記、特許文献等で開示されている如く、海流エネルギーを回転エネルギーに変換するプロペラ羽根やダリウス型水車等が一般的に用いられている。該回転エネルギー変換部分は、発電機保持部分と構造的に分離され、回転エネルギー変換部分の回転軸で発電機保持部分が連結されている。従って、前記、特許文献4で開示されている該ダリウス型水車は、回転軸連結部に直角方向からの水流エネルギーによって、連結部を支点として折り曲げ力が発生する。よって、経年使用で回転振れが予測されることから発電能力を向上させるための高駆動トルクを要する発電機の使用には問題がある。
前記、特許文献2で開示されている海流発電装置も椀型の翼を本体からアームで垂らした構造であり、水流の耐用性に問題が予測される。
前記、特許文献1、3で開示されているプロペラ羽根の場合は、流水の方向にプロペラ羽根の軸方向を常に向ける必要があり、構造的不安定性が生じている。従って、従来の海流発電は、構造的不安定性の観点から発電能力を向上する高駆動トルクを要する発電機の使用には問題がある。よって、産業上での有効利用が不向きとなり小電力発電で対応できる標識灯等に用いられているのが公知である。
【0007】
河川流発電は、特許文献5及び6の先行技術文献に記載の如く、河川本流から水路により導いた流水エネルギーを水車、プロペラ羽根、スクリュー羽根等の翼で回転エネルギーに変換し、小電力発電機一機に回転力を伝達して発電するのが公知である。河川流を有効的に活用するには、水流の変換効率を上げるために発電能力を向上させる高駆動トルクの高出力発電機を用いることから翼を拡大して水路の幅を広げる必要がある。また、発電機の数を増やすと水路の長さを延長する必要がある。従って、水路拡大、延長等における工事費用や、自然破壊の問題が生じる。
【0008】
従って、本発明は、以上の問題点を解決し、海流、潮流、波動水流等の海水流や河川水流等の莫大な各種水流エネルギーを水中及び水面で環境汚染や自然破壊を起こすこと無く効率良く有効に電気エネルギーに変換できることを特長とする水流エネルギー変換発電装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1の発明では、
水流のエネルギーを受け回転運動に変換する翼と、該翼を外周面に備えることにより回転運動を受けて回転する筒状の外郭回転体と、該外郭回転体の内周面に位置し、該外郭回転体の回転力により発電する複数個の発電機と、該外郭回転体の支持中心軸となる円柱型固定中心軸と、該発電機を保持するための該円柱型固定中心軸に固定する発電機保持用台座によって構成する水流エネルギー変換発電装置基部と、該水流エネルギー変換発電装置基部を固定支持し、かつ、水流に対して移動ができないようにしてなる支持構造体とからなる水流エネルギー変換発電装置において、
発電機保持用台座は円盤状からなって、該発電機保持用台座の中心部を貫通する円柱型固定中心軸に発電機保持用台座固定具により発電機保持用台座が固定されており、
該発電機保持用台座の端部は、外郭回転体の回転を円滑にするために外郭回転体の内周面に備えた発電機保持用台座軌道輪に挿入されており、
該発電機保持用台座軌道輪の上部で前記外郭回転体の内周面に輪状の胴体内部固定輪状歯車が設けられており、
複数個の発電機は、前記発電機保持用台座上で、前記円柱型固定中心軸から放射線上に固定され、前記胴体内部固定輪状歯車を介して前記発電機の歯車に回転力を伝達してなることを特徴とする。
ここで、
図1、
図3、
図5に示す、水中で水流のエネルギーを受けて回転する筒状の外郭回転体に内設している複数個の発電機を駆動する水流エネルギー変換発電装置基部100と、施設が容易で、海流、潮流、波動水流等の海水流や河川水流等の各種水流に適応する支持構造体に連結して構成することを特徴とする水流エネルギー変換発電装置である。
【0010】
前記記載の水流エネルギー変換発電装置基部100は、
図1から
図13に示す、水流のエネルギーを受けて回転運動に変換する翼1と、該翼を外周面に備えることにより回転する筒状の外郭回転体2と、該外郭回転体2に内設する発電機3の歯車に回転力を伝達する胴体内部固定輪状歯車5と、該胴体内部固定輪状歯車5からの回転力を受けて発電する筒状の外郭回転体2に内設する発電効率向上のための複数個の発電機3と、該外郭回転体の支持中心軸となる円柱型固定中心軸4と、発電機3を保持するための該円柱型固定中心軸4に固定する円盤状の発電機保持用台座6と、発電機保持用台座6を支えて外郭回転体2の回転を円滑にする外郭回転体2の内周面に備えた発電機保持用台座軌道輪7と、該発電機保持用台座6を円柱型固定中心軸4に固定する発電機保持用台座固定具8と、外郭回転体2の回転補助や円柱型固定中心軸4の支持や支持構造体に連結できるギアボックス兼用支持構造体連結部9、10等によって構成する水流エネルギー変換発電装置基部であり、本発明の水流エネルギー変換発電装置に水流エネルギー変換発電装置基部として用いる。
【0011】
図14から
図16に示す水面や水中の水流を応用する水流エネルギー変換発電装置は、前記記載の水流エネルギー変換発電装置基部100を、支持構造体200に連結する構造体で構成する水流エネルギー変換発電装置である。水流エネルギーを効率良く電気エネルギーに変換するために、複数機の該水流エネルギー変換発電装置基部100を連結可能とし、船舶の運行に支障とならない水中や水面で水位と水流がある海流、潮流、河川水流等の水流域に用いることを特徴とする水流エネルギー変換発電装置である。該支持構造体が、水流の方向転換に対応するために、水流エネルギー変換発電装置基部の中心軸を垂直にして支持構造体に連結する発電装置基部固定連結器201と、支持構造体を水中に保持する機能を有するフロート202と、支持構造体の構造を支持する構造骨格203と、水底に大掛かりな基礎工事を行なう必要が無く容易に係留する係留用ケーブル204や係留用ブロック205と、発電した電気を船舶や陸上に送電する送電線206により構成する支持構造体200を用いた本発明の水流エネルギー変換発電装置である。
【0012】
図17の変動水位や可逆水流に応用する水流エネルギー変換発電装置の斜視図で示す水流エネルギー変換発電装置は、水流エネルギー変換発電装置基部100を支持構造体300に連結する構造体で構成する水流エネルギー変換発電装置である。
該支持構造体300が、浅い水深位の水流エネルギーを有効に得るために水流エネルギー変換発電装置基部の中心軸を水平にして連結し、浅い水流域の河川上流や水深位が変動し水流方向が可逆的に常に変動する海岸線の波打際の水流エネルギーを変換することを特徴とする支持構造体300を用いた水流エネルギー変換発電装置である。
該支持構造体が、水流エネルギー変換発電装置基部100の浮力により水位に同調し水面に浮遊させ、または、水中の任意な位置に固定連結することが可能な発電装置基部連結器301と、支持構造体300を水流に対抗して保持するための、水底に杭打ちすることで大掛かりな基礎工事を行なう必要が無く容易に施設出来る水底固定盤302と、支持構造体300の構造を支持する構造骨格303と、発電された電気を船舶や陸上に送電する送電線304等により構成する支持構造体300を用いた本発明の水流エネルギー変換発電装置である。
【0013】
図18の一定方向水流に応用する水流エネルギー変換発電装置の斜視図で示す水流エネルギー変換発電装置は、水流エネルギー変換発電装置基部100を支持構造体400に連結する構造体で構成する水流エネルギー変換発電装置である。
該支持構造体400が、常に一定方向の水流で水量が多い河川域に適用し、水中の水流エネルギーを変換することを特徴とする支持構造体400を用いた水流エネルギー変換発電装置である。
該支持構造体400が、該水流エネルギー変換発電装置基部100の中心軸を垂直にして支持構造体400に連結する発電装置基部固定連結器401と、水流を効率よく捕捉促進する水流補足促進用外殻402と、水流を該水流捕捉促進用外殻402に誘導する水流捕捉誘導用翼403と、支持構造体400を水流に対抗して保持するための、水底に杭打ちすることで大掛かりな基礎工事を行なう必要が無く容易に施設出来る水底固定盤404と、発電した電気を地上に送電する送電線405等により構成する支持構造体400を用いた本発明の水流エネルギー変換発電装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、水中で水流のエネルギーを受けて回転する筒状の外郭回転体に内設している複数個の発電機を駆動する構造からなる水流エネルギー変換発電装置基部100と、施設が容易で、海流、潮流、波動水流等の海水流や河川水流等の各種水流に適応する支持構造体に連結して構成することを特徴とする水流エネルギー変換発電装置である。
該水流エネルギー変換発電装置は、大掛かりな基礎工事を行なう必要が無く容易に施設が出来るため、工事費用の軽減に寄与し、環境汚染や自然破壊を起こすこと無く、莫大な各種水流エネルギーを水中及び水面で、効率良く有効に電気エネルギーに変換されることを特長とする水流エネルギー変換発電装置である。
その中で、
図14から
図16で示す該支持構造体200は、水流エネルギー変換発電装置基部100を複数機連結できる電気エネルギー変換向上に有効な手段である。また、水流エネルギー変換発電装置は、水流環境に応じて可能な限り連続施設して用いることにより、莫大な水流エネルギーの更なる電気エネルギー変換向上につながる。
よって、地球温暖化の防止とエネルギー問題の解決に寄与する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
請求項1記載の水流エネルギー変換発電装置に設ける水流エネルギー変換発電装置基部100の形態は、
図1から
図13で示す。その中で、部位の位置関係を分解図として
図6から
図11で示す。
【0018】
図1は、本発明の水流エネルギー変換発電装置として、エネルギー変換の基部となる水流エネルギー変換発電装置基部100の立体的外観を斜視図で示す。
1は翼、2は外郭回転体、2aは外郭回転体胴体部、2bは外郭回転体2の一端において軸が貫通する外郭回転体軸貫通蓋部、2cは外郭回転体2の他端を閉塞する外郭回転体閉塞型蓋部、100は水流エネルギー変換発電装置基部を示す。
図2は、水流エネルギー変換発電装置基部100の平面図による翌1の形態とA−A線断面部位を示す。
図3は、水流エネルギー変換発電装置基部100の内部構造の形態をA−A線断面図で示す。
3は発電機、3aは発電機の軸に固定した発電機用歯車、4は水流エネルギー変換発電装置基部100の中心軸となる円柱型固定中心軸、5は発電機用歯車3aに回転力を伝える胴体内部に固定した輪状の歯車、6は中心軸4に固定し発電機3を保持する円盤状の台座、7は円盤状の発電機保持用台座6の端部を受け入れる軌道輪、7aは発電機保持用台座6の押さえ用軌道輪、7bは発電機保持用台座6の受け用軌道輪、8は発電機保持用台座を中心軸に固定する固定具、9は外郭回転体軸貫通部2b側の先端を受け入れるギアボックスと支持構造体に連結する連結部として兼用する支持構造体連結部、9aは浸水防止兼用ギアボックス蓋部、9bは円柱型固定中心軸4と外郭回転体軸貫通蓋部2b間の軸受、9cは外郭回転体軸貫通蓋部2bと支持構造体連結部9の外郭部間の軸受、9dは外郭回転体軸貫通蓋部2bの回転補助用転動体、9eは外郭回転体軸貫通蓋部2bの浸水防止兼用回転補助軌道輪、9fは外郭回転体軸貫通蓋部2bと円柱型固定中心軸4との間に位置し回転補助用転動体9dの回転を補助する浸水防止兼用の押さえ軌道輪、9gは9fと同様の支え軌道輪、9hは外郭回転体2の加重を抗して支える保持機、9iは円柱型固定中心軸4を固定する突起部、9jは外郭回転体軸貫通蓋部2b側のギアボックス兼用支持構造体連結部9の外郭体、10は外郭回転体閉塞型蓋部2c側の先端を受け入れるギアボックスと支持構造体に連結する連結部として兼用する支持構造体連結部、10aは浸水防止兼用ギアボックス蓋部、10bは 円柱型固定中心軸4と外郭回転体閉塞型蓋部2c間の軸受、10cは外郭回転体閉塞型蓋部2cとギアボックス外郭体10f間の軸受、10dは円柱型固定中心軸4の端面と外郭回転体閉塞型蓋部2c間の転動体、10eは外郭回転体閉塞型蓋部2cと外郭体10fの転動体、10fは外郭回転体閉塞型蓋部2c側ギアボックス兼用支持構造体連結部10の外郭体、11は送電線、12は支持構造体に接続する送電用コンセントで示す。
【0019】
以上の構成において、発電の動作について説明する。
【0020】
図1で示される外郭回転体2の外周面に備える翼1は、水流エネルギーを受けて外郭回転体2を回転する。
該翼1は、外郭回転体2の中心軸に対して放射線上に2枚以上の翼数を設けることにより、外郭回転体2が円滑に回転する。
該翼1の種類は、
図1、5で示す翼1の他に、
図3の水流エネルギー変換発電装置基部100の円柱型固定中心軸4と平行に設けられる翼であれば利用できる。例えば、サボニウス翼、螺旋翼、ダリウス翼、クロスフロー翼等が利用可能である。
該翼1の面積は、使用する発電機の駆動トルクを考慮して求めるが、風力発電に用いる翼と比較して、水の密度が空気の密度の800倍であることから水流と風速及び使用する発電機の駆動トルクを一定にすると縮小が可能となる。
【0021】
図3で示す外郭回転体2は、円柱型固定中心軸4を中心として回転し、外郭回転体2の内周面に設けた胴体内部固定輪状歯車5を介して、外郭回転体2に内設した複数個の発電機3の歯車に回転力を伝達することにより、発電機を駆動させる。
図5、
図12、
図13は、胴体内部固定輪状歯車5から発電機3の歯車に回転力を伝達する動作を明確に示す。
該発電機の回転速度を増速する必要がある場合は、胴体内部固定輪状歯車5と発電機用歯車3aとの間に増速装置を用いることも可能である。
図3で示す該外郭回転体2は、外郭回転体閉塞型蓋部2cで一端を密閉し、他端に円柱型固定中心軸4が挿入できる外郭回転体軸貫通蓋部2bを接合した筒状の外郭回転体2であり、外郭回転体軸貫通蓋部2bの開口部から該外郭回転体閉塞型蓋部2cまで円柱型固定中心軸4が挿入され支持されている。
【0022】
図3で示す該円柱型固定中心軸4は、一端が軸受10bや転動体10eを介して外郭回転体2の回転を円滑にして支持すると共に、他端の切込み部分が外郭回転体軸貫通蓋部2bを貫通して外郭回転体軸貫通蓋部2b側ギアボックス兼用支持構造体連結部9の軸固定用突起部9iに接合し固定する。
更に、円柱型固定中心軸4は、発電機3を保持する円盤状の発電機保持用台座6の中心部を貫通し、(発電機保持用台座6は)発電機保持用台座固定具8で(円柱型固定中心軸4により)固定し支持する。
【0023】
図3、
図5、
図12、
図13で示す該発電機保持用台座6は、発電機3を固定する円盤状の形状で、中心に設けた該円柱型固定中心軸4により固定支持され、端部を外郭回転体2の内周面に備える発電機保持用台座軌道輪7に挿入し、外郭回転体2の回転を円滑にすると共に、該外郭回転体2が受ける水圧を分散し保護する。
【0024】
図3で示す外郭回転体軸貫通蓋部2b側のギアボックス兼用支持構造体連結部9は、外郭回転体軸貫通蓋部2bを受け入れ、円柱型固定中心軸4と外郭回転体軸貫通蓋部2b間の軸受9b、外郭回転体軸貫通蓋部2bとギアボックス外郭体9j間の軸受9c、外郭回転体軸貫通蓋部2bの回転補助用転動体9d等で、外郭回転体2の回転を円滑にする。また、浸水防止兼用ギアボックス蓋部9aと、外郭回転体軸貫通蓋部2bの浸水防止兼用回転補助軌道輪9eで浸水を防止する。
【0025】
外郭回転体閉塞型蓋部2c側のギアボックス兼用支持構造体連結部10は、外郭回転体の閉塞型蓋部2cが挿入され、円柱型固定中心軸4及び外郭回転体2の支持と外郭回転体2の回転を円滑にする。
【0026】
外郭回転体軸貫通蓋部2b側の該ギアボックス兼用支持構造体連結部9と、外郭回転体閉塞型蓋部2c側の該ギアボックス兼用支持構造体連結部10は、海流、潮流、波動水流等の海水流や河川水流等の各種水流エネルギーに適応した支持構造体の発電装置基部固定連結器に挿入し連結固定する。
【0027】
図3、5に示す複数個の発電機3は、円柱型固定中心軸4に固定した発電機保持用台座6に円柱型固定中心軸4から重量バランスを考慮して放射線上に設置する。
該発電機3の種類は、電気的制御や電力の活用を考慮して直流発電機や交流発電機の中から選択する。水を電気分解して水素ガスを得る場合は、直流発電機を用いると良い。
【0028】
発電された電気は、
図3に示される電線11により、支持構造体の内部を介して水上及び地上に送電する。
【0029】
請求項1記載の水流エネルギー変換発電装置基部100の形態と動作の説明は、以上による。この、水流エネルギー変換発電装置基部100を支持固定する支持構造体は、次により説明する。
【0030】
請求項2記載の水流エネルギー変換発電装置の形態を
図14から
図16で示す。
【0031】
図14は、水流エネルギー変換発電装置基部100の中心軸を垂直にして支持構造体に複数個連結する本発明の水流エネルギー変換発電装置の形態を斜視図で示す。
200は水流変換発電装置基部100を支持固定する支持構造体、201は発電装置基部100を支持構造体200に連結する発電装置基部連結器、202は支持構造体200に設けて水流エネルギー変換発電装置を浮遊させるフロート、203は支持構造体200の構造骨格。
図15は、水流変換発電装置基部100の連結形態を示す
図14の水面や水中の水流を応用する水流エネルギー変換発電装置の平面図。
図16は、水流エネルギー変換発電装置を水底に設置する正面図。
204は水流エネルギー変換発電装置を水底に係留する係留用ケーブル、205は係留用ケーブル204を接続し水底に固定する係留用ブロック、206は海上や陸上に送電する送電線を示す。
【0032】
以上の構成において、発電の動作について説明する。
【0033】
請求項2記載の水流エネルギー変換発電装置に設ける
図14から
図16に示す支持構造体200は、海流,潮流や水位のある河川流等の水面や水中で水流エネルギー変換発電装置を固定支持する支持構造体200である。
【0034】
該支持構造体200は、水流エネルギー変換発電装置基部100の中心軸を垂直にして、該水流エネルギー変換発電装置基部100の一端に備えた外郭回転体軸貫通蓋部2b側のギアボックス兼用支持構造体連結部9と、他端に備えた外郭回転体閉塞型蓋部2c側のギアボックス兼用の支持構造体連結部10を発電装置基部固定連結器201に挿入し固定連結する。
【0035】
該支持構造体200は、2対のフロート202により、水面や水中に浮遊した状態で保持する機能を有する。
【0036】
該支持構造体200は、構造骨格203により、水圧や水流に抗して構造が支持される。
【0037】
支持構造体200の係留用ケーブル204及び係留用ブロック205は、係留用ケーブル204で支持構造体200と係留用ブロック205を接続して、係留用ブロック205を水底に投入設置することにより、大掛かりな基礎工事を必要とせずに水流エネルギー変換発電装置を水中の水流に対抗させて容易に係留する。
該係留用ケーブル204及び係留用ブロック205は、水流に対抗させ安定に保持するために水流エネルギー変換発電装置の四方向に設ける。
【0038】
発電した電気は、送電線206により船舶や陸上に送電する。
陸上まで遠距離の海流、潮流を変換し送電ロスが問題になる場合は、水上に電気分解装置を備えたタンカーを待機させ、その電気分解装置に送電し、水を電気分解して水素ガスを得る方法もある。この場合は、直流発電機を用いると良い。
【0039】
請求項2記載の水流エネルギー変換発電装置の形態と動作の説明は、以上による。
【0040】
請求項3記載の水流エネルギー変換発電装置の形態を
図17で示す。
【0041】
図17は、水流変換発電装置基部100の軸方向を水平にして支持構造体に連結する形態を示す変動水位や可逆水流に応用する水流エネルギー変換発電装置の斜視図を示す。
300は水流エネルギー変換発電装置基部100を支持固定し水底に保持する水流エネルギー変換発電装置の支持構造体、301は水流エネルギー変換発電装置基部100を支持構造体300に連結する発電装置基部連結器、302は水流エネルギー変換発電装置を水底に固定する水底固定盤、303は支持構造体300の構造骨格、304は地上に送電する送電線を示す。
【0042】
以上の水流エネルギー変換発電装置の構成において、発電の動作について説明する。
【0043】
請求項3記載の水流エネルギー変換発電装置に設ける支持構造体の形態としては、
図17に示す支持構造体300である。該支持構造体300は、水位が浅く変動する河川上流や、可逆的な水流方向の変動が常に生じている海岸線の波打際における水流エネルギーの変換に適応する水流エネルギー変換発電装置の支持構造体300である。かつ、水流に対抗して水流エネルギー変換発電装置を固定支持する支持構造体300である。
【0044】
該支持構造体300は、浅い水位の水流エネルギーを有効に得るために、円柱型固定中心軸4を水平にした該水流エネルギー変換発電装置基部100を水面や水中で固定が可能な発電装置連結器301により連結する。
【0045】
該発電装置連結器301は、水流エネルギー変換発電装置基部100自体の浮力により、絶えず変化する水位に同調しながら水流エネルギー変換発電装置基部100を水面に浮遊させた状態で上下にスライドさせることが可能である。
ただし、水位に同調させる水面浮遊方法では、悪天候で強力な波力が生じる場合に発電装置を損傷させる恐れもある。その場合は、水中に固定して退避できる。
【0046】
該支持構造体300は、水底固定盤302を杭で水底に固定する構造骨格303により水力や波力に対抗する保持機能を有する。かつ、施設には、水底に大掛かりな基礎工事を行なう必要が無く容易に施設することが出来る
【0047】
発電した電気は、送電線304により地上に送電する。
【0048】
請求項3記載の水流エネルギー変換発電装置の形態と動作の説明は、以上による。
【0049】
請求項4記載の水流エネルギー変換発電装置の形態を
図18で示す。
【0050】
図18は、水流変換発電装置基部100の軸方向を垂直にして支持構造体に連結する形態を示す一定方向水流に応用する水流エネルギー変換発電装置の斜視図である。
400は水流変換発電装置基部100を支持固定し水底に保持する支持構造体、401は発電装置基部100を支持構造体400に連結する発電装置基部固定連結器、402は水流エネルギー変換発電装置の外郭で一定方向の水流を効率よく翼に導く半ドーム状の水流捕捉促進用外殻、403は該水流捕捉促進用外殻402に水流を導く水流捕捉誘導用翼、404は支持構造体400を水底に固定する水底固定盤、405は地上に送電する送電線を示す。
【0051】
以上のような構成において、発電の動作について説明する。
【0052】
図18の一定方向の水流に応用する水流エネルギー変換発電装置の斜視図で示す該支持構造体400は、水位が有り、常に一定方向水流の河川域に適応する水流エネルギー変換発電装置の支持構造体400である。
【0053】
該支持構造体400は、該水流エネルギー変換発電装置基部100の円柱型固定中心軸4を垂直にして発電装置基部固定連結器401で連結する。
【0054】
該支持構造体400は、一定方向の水流を効率良く発電装置基部100の翼1に伝達する機能を有する水流捕捉促進用外殻402と、一定方向の水流を該水流捕捉促進用外殻402に導く水流捕捉促進用翼403を備える。これにより、発電効率が向上する。
【0055】
該支持構造体400は、水底に杭で固定した水底固定盤404により水流に対抗して水流エネルギー変換発電装置を固定支持する。
【0056】
発電した電気は、送電線405を通じて地上に送電する。
【0057】
請求項4記載の水流エネルギー変換発電装置の形態と動作の説明は、以上による。
【0058】
本発明を実施する方法は、海流、潮流、波動水流等の海水流や、河川水流等の各種水流域に適応する本発明の各種水流エネルギー変換発電装置を施設することからなる。施設には、大掛かりな基礎工事を行なう必要が無く容易に施設することが可能であり工事費用の軽減に寄与し、更に、各種水流エネルギー変換発電装置を可能な限り連続施設することで莫大な水流エネルギーを電気エネルギーに変換が可能となる。
【実施例1】
【0059】
本発明の第1実施例は、請求項1及び2記載の水流エネルギー変換発電装置を用いて船舶の運行に支障とならない水中で水位と水流がある海流、潮流、河川水流等の水流を効率的にエネルギー変換して発電する方法である。
実施要領は、
図14の水面や水中の水流に応用する水流エネルギー変換発電装置の斜視図で立体的形態を、
図15はその平面図、
図16は水流エネルギー変換発電装置を水中に施設した実施例を示す。
【0060】
図14の水面や水中の水流に応用する水流エネルギー変換発電装置の斜視図と
図15の該平面図は、水流エネルギー変換発電装置基部100の円柱型固定中心軸4を垂直にする4機の水流エネルギー変換発電装置基部100を、該水流エネルギー変換発電装置基部100の外郭回転体軸貫通蓋部2b側のギアボックス兼用支持構造体連結部9と、外郭回転体閉塞型蓋部2c側のギアボックス兼用支持構造体連結部10で発電装置基部固定連結器201に連結して支持構造体200に固定した状態を示す。
【0061】
図16の水中や水面の水流に応用する水流エネルギー変換発電装置の正面図は、船舶の運航に支障の無い水中に保持する該水流エネルギー変換発電装置を水流に対抗させるため係留用ケーブル204を支持構造体200と係留用ブロック205に連結し水底に固定した状態を示す。
水流エネルギー変換発電装置の施設は、陸上で水流エネルギー変換発電装置を組み立てた後に輸送船で施設場所の水域まで搬送して水面に浮かせる。次に係留用ブロック205を船上から水底に投入して接地させ、水流エネルギー変換発電装置を牽引して水中の任意な位置に保持する。これにより、大掛かりな基礎工事を必要とせずに水流エネルギー変換発電装置を水中の水流に対抗させて容易に係留する。
【0062】
該水流エネルギー変換発電装置を水中で保持するには、水流エネルギー変換発電装置基部100自身の浮力では不十分であり、フロート202を用いて浮力を増加し構造骨格203で固定して用いる。
【0063】
水圧の影響が生じる場合は、水流エネルギー変換発電装置基部100や支持構造体200のフロート202、構造骨格203内部に不燃性圧縮ガスを充填して内部圧力を調整できる。
【0064】
水流エネルギー変換発電の方法は、水流エネルギー変換発電装置に設けるそれぞれの水流エネルギー変換発電装置基部100が360度方向から水流エネルギーを受けると翌1に作用して外郭回転体2と、該外郭回転体2の内周面に設ける胴体内部固定輪状歯車5を回転させ、水流エネルギー変換発電装置基部100に内設する複数個の発電機3の発電機用歯車3aに回転力を伝達することで発電機3を駆動する。
発電した電気は、送電線204を介して陸上に送電して有効利用する方法や、陸上に遠距離で送電ロスが生じる場合は、電気分解装置を備えた船舶の電気分解装置に送電し、水を電気分解して水素ガスを生成する。生成した水素ガスは、タンカーで陸上に搬送し、燃料電池の原料として利用できる。
【0065】
該水流エネルギー変換発電装置は、単機に限らず、複数機の水流エネルギー変換発電装置を可能な限り水中に連続して施設することにより、更に、有効な電気エネルギーが得られる。
該水流エネルギー変換発電装置は、水中に限らず水面に浮遊した状態で、水面の水流エネルギーを電気エネルギーに変換することも出来る。
【0066】
以上の実施例1が、水流エネルギー変換発電装置基部100を支持構造体200に連結した構造体で構成する本発明の水流エネルギー変換発電装置であり、船舶の運行に支障とならない水中や水面で水位と水流がある海流、潮流、河川水流等を効率的にエネルギー変換し発電することを特徴とした本発明の水流エネルギー変換発電装置による実施の形態である。
【実施例2】
【0067】
本発明の第2実施例は、請求項1及び3記載の水流エネルギー変換発電装置を用いる浅い水位の河川上流や水位と水流方向が常に変動する海岸線の波打際等における水流エネルギーを変換する発電方法である。
実施要領は、
図17の変動水位や可逆水流に応用する水流エネルギー変換発電装置の斜視図で実施例を示す。
【0068】
図17の水流エネルギー変換発電装置は、浅い水位の水流や可逆的に水流方向が変動する水流エネルギーを有効に得るために、円柱型固定中心軸4を水平にした水流エネルギー変換発電装置基部100を、該水流エネルギー変換発電装置基部100の外郭回転体軸貫通蓋部2b側のギアボックス兼用支持構造体連結部9と外郭回転体閉塞型蓋部2c側のギアボックス兼用支持構造体連結部10を発電装置支持構造体300の発電装置基部連結器301に連結して支持構造体300に固定した実施例を示す。
【0069】
該発電装置基部連結器301は、水流エネルギー変換発電装置基部100自体の浮力により水面に浮遊させ、または、水中の任意な位置に固定して可逆方向の水流エネルギーを効率良く変換し発電する。
【0070】
水流エネルギー変換発電装置の水底固定盤302は、支持構造体300を杭で水底に固定し、水流に対抗する機能を有する。これにより、大掛かりな基礎工事を必要とせずに水流エネルギー変換発電装置を水中の水流に対抗させて容易に係留する。
【0071】
水流エネルギー変換発電基部100に内設する発電機の発電方法は、実施例1の水流エネルギー変換発電装置基部100による発電方法である。発電した電気は、送電線304で地上に送電し有効利用する。
【0072】
該水流エネルギー変換発電装置は、海岸線の波打ち際に用いると、回転している翼の上位部に寄せ波が作用し、引き波が下位部の翼に作用することから、可逆の水流を有効に利用する。
天候が悪化した海岸線の波打際で用いる場合は、発電装置の損傷を考慮して水流エネルギー変換発電装置基部100を水中に固定する。
該水流エネルギー変換発電装置を浅い水位の河川で用いるときは、
図17の水流エネルギー変換発電装置の引き波方向を河川の川上に向けることで、有効に水流エネルギーを変換する。
該水流エネルギー変換発電装置は、単機に限らず、複数機の水流エネルギー変換発電装置を可能な限り連続して施設することにより、更に、有効に電気エネルギーが得られる。
【0073】
以上の実施例2が、水流エネルギー変換発電装置基部100を支持構造体300に連結した構造体で構成する本発明の水流エネルギー変換発電装置であり、浅い水位の河川上流や水流方向が常に変動する海岸線の波打際等で、水位や水流方向が変動する水流を効率的にエネルギー変換して発電することを特徴とした本発明の水流エネルギー変換発電装置による実施例である。
【実施例3】
【0074】
本発明の第3実施例は、請求項1及び4の水流エネルギー変換発電装置を用いる水流が常に一定方向の水中に応用する発電方法で、全没可能な水量が多い河川域に適用する。
実施要領は、
図18の一定方向の水流を応用する水流エネルギー変換発電装置の斜視図で示す。
【0075】
図18の一定方向の水流に応用する水流エネルギー変換発電装置の斜視図は、円柱型固定中心軸4の方向を垂直にした水流エネルギー変換発電装置基部100を、外郭回転体軸貫通蓋部2b側のギアボックス兼用支持構造体連結部9と外郭回転体閉塞型蓋部2c側のギアボックス兼用支持構造体連結部10を発電装置基部固定連結器401に連結し、支持構造体400に固定した形態を示す。
【0076】
該水流エネルギー変換発電装置は、水流捕捉促進用外殻402と水流捕捉促進用翼403の作用により、一定方向の水流を効率良く水流エネルギー変換発電装置基部100の翼1に伝達する。その結果、水流エネルギー変換発電装置基部100の外郭回転体2が回転速度を上げることにより発電効率の向上につながる。
【0077】
該支持構造体400の水底固定盤404は、水底に杭で固定して設置することで、水流エネルギー変換発電装置を水流に対抗する機能を有する。
【0078】
水流エネルギー変換発電基部100に内設する発電機の発電方法は、実施例1の水流エネルギー変換発電装置基部100による発電方法である。発電した電気は、送電線405を通じて地上に送電し有効利用する。
【0079】
該水流エネルギー変換発電装置は、単機に限らず、複数機を可能な限り連続して施設することにより、更に、有効な電気エネルギーが得られる。
【0080】
以上の実施例3が、水流エネルギー変換発電装置基部100を支持構造体400に連結した構造体で構成する、水中で常に一定方向の水流に適応して水量が多い河川域の水流を効率的にエネルギー変換発電することを特徴とした本発明の水流エネルギー変換発電装置による実施例である。