(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記施療機構は、前記開口部の前記内側を上方から下方に向かって前記施療子を通過させることによって前記座面の高さ位置よりも低い位置にまで前記施療子を到達させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の椅子式マッサージ機。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に基づいた実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。実施の形態の説明において、個数および量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数およびその量などに限定されない。実施の形態の説明において、同一の部品および相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0016】
(椅子式マッサージ機100)
図1を参照して、実施の形態における椅子式マッサージ機100の外観構成ついて説明する。
図1は、椅子式マッサージ機100の外観構成を示す斜視図である。椅子式マッサージ機100は、座カバー10、背凭れカバー11、枕12、肘掛カバー13R,13L、および脚載カバー14により表面の一部が覆われた構成を有している。座カバー10の表面には座面10Sが形成される。座面10Sは、被施療者が座る部位である。
【0017】
以下の説明中における前後方向とは、被施療者が座面10Sに通常の姿勢で着座したとき、その被施療者から見た場合の前後方向に相当し、上下方向とは、その被施療者から見た場合の上下方向に相当し、左右方向とは、その被施療者から見た場合の左右方向に相当する。背凭れカバー11の表面には背凭れ面11Sが形成される。背凭れ面11Sは、被施療者が凭れ掛かる部位である。背凭れ面11Sの上部には、枕12が着脱可能に取り付けられる。
【0018】
図2は、椅子式マッサージ機100から各種のカバーを取り外したときの様子を示す斜視図である。各種のカバー10,11,13R,13L,14を椅子式マッサージ機100から取り外すことにより、座部10M、背凭れ部17M、肘掛部13RM,13LM、および脚載部14Mが露出する。
【0019】
座部10Mは、空気袋ユニット10Uおよび座部構成体41を含む。空気袋ユニット10Uは、座部構成体41の上に設けられる。座部10Mの後方には、背凭れ板17が設けられる。背凭れ板17は、背凭れカバー11(
図1)により部分的に覆われる。背凭れ板17は、その表面に背凭れ部17Mを有し、背凭れ部17Mの上には空気袋ユニット17Uが設けられる。背凭れ板17の後ろには、背面カバー18(
図3参照)が設けられる。
【0020】
背凭れ板17(背凭れ部17M)は、背凭れ構造体50(
図3参照)によって支持されており、座面10S(
図1)に対する傾斜角度を変更可能である。背凭れ板17の中央には、上下方向に延びる長穴17Tが設けられている。長穴17Tの中央には、被施療者の背中を支持する薄板状の支持具17V(
図13も参照)が上下方向に延びて設けられている。長穴17Tの後ろには、施療機構60が設けられており、施療機構60の施療子(もみ玉)は、背凭れ部17M(長穴17T)の形状に沿って上下方向に昇降移動しつつ、長穴17Tを通して前後方向に移動することができる。
【0021】
肘掛部13RM,13LMは、座部10Mの右側および左側にそれぞれ設けられる。肘掛部13RM,13LMの各々は、平面視で略U字形状を有する立上壁を備え、被施療者は、立上壁の内側に上腕および手首等を配置することができる。肘掛部13RM,13LMは、背凭れ部17Mのリクライニング動作に連動して前後方向に移動することができる。背凭れ部17Mが倒れる方向に姿勢を変更したとき、肘掛部13RM,13LMは後退移動する。背凭れ部17Mが起きる方向に姿勢を変更したとき、肘掛部13RM,13LMは前進移動する。
【0022】
肘掛部13RM,13LMの各々の内側には、空気袋ユニット13RU,13LUがそれぞれ設けられる。肘掛部13RM,13LMの下方には、基台部15R,15Lがそれぞれ設けられる。基台部15R,15Lの後方には、後基台部16R,16L(
図3参照)がそれぞれ設けられる。
【0023】
脚載部14Mは、座部10Mの前方に設けられ、一対の凹部を備えている。脚載部14Mは、一対の凹部の内側に被施療者の両脚をそれぞれ配置した状態で、脚載部14Mと座部10Mとの間の部分を中心として回動することができる。一対の凹部の内側には、空気袋ユニット14Uがそれぞれ設けられる。空気袋ユニット10U,13RU,13LU,14U,17Uの各々は、複数の空気袋を備えている。空気袋は、圧縮空気の供給によって膨張する。空気袋の膨縮によって各空気袋ユニットが被施療者の身体を押圧することにより、被施療者の身体を施療することができる。
【0024】
図3は、椅子式マッサージ機100を分解したときの様子を示す斜視図である。椅子式マッサージ機100を分解したとき、本体部20が露出する。上述した座部10M、肘掛部13RM,13LM、脚載部14M、基台部15R,15L、後基台部16R,16L、背凭れ板17、および背面カバー18は、
図3中の矢印に示すとおり本体部20に取り付けられる(詳細は後述する)。
【0025】
椅子式マッサージ機100を分解したとき、上述の各機器の他に、制御ユニット19も露出する。制御ユニット19は、本体部20の後方に位置し、後基台部16Rと後基台部16Lとの間に設けられる。制御ユニット19は、椅子式マッサージ機100の各機器の全体を制御する。
【0026】
(本体部20)
本体部20は、固定フレーム体30、可動フレーム体40、背凭れ構造体50、および施療機構60を備える。詳細は後述されるが、固定フレーム体30は、可動フレーム体40をスライド移動可能に支持する。可動フレーム体40は、支持フレーム44A,44B、前面パネル45A、リンクアーム45B、および駆動機構49(
図8〜
図10参照)などを含む。支持フレーム44A,44Bは、間隔を空けて平行に水平配置される。
【0027】
座部10Mは、支持フレーム44A,44Bに跨るように支持フレーム44A,44B上に設けられる。椅子式マッサージ機100が組み立てられたとき、支持フレーム44A,44Bは座部10Mの下方に位置し、座部10M(
図1中の座面10S)に着座した被施療者からの荷重を受ける。駆動機構49(
図8〜
図10参照)が作動することにより、座部10Mは、被施療者を支持した状態で、可動フレーム体40(支持フレーム44A,44B)とともに前後移動することができる。
【0028】
脚載部14Mは、リンクアーム45Bに取り付けられる。駆動機構49(
図8〜
図10参照)が作動することにより、可動フレーム体40の前面パネル45Aおよびリンクアーム45Bも前後移動する。前面パネル45Aおよびリンクアーム45Bが前方向に移動するとき、リンクアーム45Bはその上端を回動の中心としてその下端側が起き上がるように回動する(
図8〜
図10中の矢印DR1を参照)。当該回動により、脚載部14Mも、脚載部14Mと座部10Mとの間の部分を中心として起き上がるように回動することができる。
【0029】
図4は、本体部20の一部を示す側面図である。
図5は、本体部20の一部を示す斜視図である。
図4および
図5中では、本体部20のうちの固定フレーム体30、背凭れ構造体50、施療機構60、および可動フレーム体40の支持フレーム44A,44Bのみを図示している。
図5中では、固定フレーム体30から背凭れ構造体50および施療機構60を取り外した状態を図示している。
【0030】
(固定フレーム体30)
図4および
図5を参照して、固定フレーム体30は、下部フレーム31R,31L,32A,32B,32C,32D、縦フレーム33R,33L,34R,34L,35R,35L、横フレーム36R,36L、および、リンクフレーム37R,37Lを備えている。駆動機構49(
図8〜
図10参照)が作動したとき、下部フレーム31R,31L,32A,32B,32C,32D、縦フレーム33R,33L,34R,34L,35R,35L、および、横フレーム36R,36Lは動かず、リンクフレーム37R,37Lはわずかに回動する。
【0031】
下部フレーム31R,31Lは、間隔を空けて平行に配置される。下部フレーム32A,32B,32C,32Dは、下部フレーム31R,31Lの間に設けられる。縦フレーム33R,34R,35Rは、下部フレーム31Rの上に立設される。縦フレーム33L,34L,35Lは、下部フレーム31Lの上に立設される。
【0032】
縦フレーム33R,34R,35Rは、この順に長さが長くなる形状を有しており、横フレーム36Rは、これらの上端を接続するように斜めに設けられる。縦フレーム33L,34L,35Lも、この順に長さが長くなる形状を有しており、横フレーム36Lは、これらの上端を接続するように斜めに設けられる。
【0033】
リンクフレーム37Rは、横フレーム36Rの後端に取り付けられる。リンクフレーム37Rは、リンクフレーム37Rの下端から上端に向かうにつれて、後方から前方に向かうように傾斜している。リンクフレーム37Lは、横フレーム36Lの後端に取り付けられる。リンクフレーム37Lは、リンクフレーム37Lの下端から上端に向かうにつれて、後方から前方に向かうように傾斜している。
【0034】
可動フレーム体40の支持フレーム44A,44Bは、横フレーム36R,36Lに跨るように横フレーム36R,36L上に設けられる。可動フレーム体40の支持フレーム44A,44Bは、横フレーム36R,36L上で摺動する。詳細は後述されるが、支持フレーム44A,44Bは、横フレーム36Rに上から跨るように設けられたスライドプレート46R(
図6,
図7,
図10参照)、および、横フレーム36Lに上から跨るように設けられたスライドプレート46L(
図6,
図7,
図9参照)の双方と一体化され、一体化した状態で前後移動する。
【0035】
座部10M(
図6参照)は、スライドプレート46R,46Lにより支持される。駆動機構49(
図8〜
図10参照)が作動したとき、支持フレーム44A,44B、スライドプレート46R,46L、および座部10Mは、一体化した状態で、横フレーム36R,36L上で前後移動する。
【0036】
(背凭れ構造体50)
図5を参照して、背凭れ構造体50は、リンクフレーム87R,87L,88R,88Lを有している(詳細は後述する)。
図5中の一点鎖線で示すように、リンクフレーム87R,87Lは、固定フレーム体30のリンクフレーム37R,37Lにそれぞれ回動可能に取り付けられる。固定フレーム体30は、リンクフレーム37R,37Lおよびリンクフレーム87R,87Lを介して、背凭れ構造体50を支持する。
【0037】
リンクフレーム88R,88Lは、可動フレーム体40(
図3参照)のスライドプレート46R,46L(
図6,
図7など参照)の後端にそれぞれ回動可能に取り付けられる。当該取付によって、リンクフレーム88R,88Lの前後動作とスライドプレート46R,46Lの前後動作とが連動する。
【0038】
スライドプレート46R,46Lにより支持される座部10Mは、背凭れ部17M(
図2参照)のリクライニング動作(背凭れ部17Mの座面10Sに対する傾斜角度を変更すること)に連動して前後方向に移動することが可能となる。具体的には、背凭れ部17Mが倒れる方向に傾斜角度を変更したとき、座部10Mは背凭れ部17Mから離れる方向である前方向に移動する(
図8〜
図10中の矢印DR2参照)。背凭れ部17Mが起きる方向に傾斜角度を変更したとき、座部10Mは背凭れ部17Mに近づく方向である後方向に移動する。
【0039】
(座部10M)
図6は、座部10Mを分解したときの様子と本体部20の一部とを示す斜視図である。上述のとおり、座部10Mは、空気袋ユニット10Uおよび座部構成体41を備える。座部構成体41は、座部ユニット42および支持パネル体43を含む。座部ユニット42は、支持プレート42Pおよびクッション体42Qを有する。
【0040】
支持プレート42Pは、薄板状の形状を有し、後端側には凹部42Jが設けられる。空気袋ユニット10Uは、支持プレート42Pの上に配置される。支持プレート42Pは、空気袋ユニット10Uを支持するための部材である。支持プレート42Pの凹部42Jは、支持プレート42Pの後側の外縁の一部が内側に向かって矩形状に凹む形状を有しており、後述する開口部200(
図13参照)を形成するための部位である。支持プレート42Pには、その中央部を貫通するように長穴42Hも設けられている。空気袋ユニット10Uに接続されるエア管(図示せず)は、長穴42Hに挿通される。
【0041】
クッション体42Qは、所定の厚さを有し、柔軟性および弾力性に富んだ部材から構成される。クッション体42Qの上面は、前側面42Sおよび後側面42Tを含む。後側面42Tは、前側面42Sよりも低い高さ位置となるように形成されており、支持プレート42Pは、後側面42T上に載置される。後側面42Tにも、その中央部を貫通するように長穴42Gが設けられており、空気袋ユニット10Uに接続されるエア管(図示せず)は、長穴42Gに挿通される。
【0042】
クッション体42Qは、後方に向かって延出する一対の延出部42R,42Lを有しており、延出部42R,42Lの間に凹部42Kが設けられる。クッション体42Qの凹部42Kも、クッション体42Qの後側の外縁の一部が内側に向かって矩形状に凹む形状を有しており、後述する開口部200(
図13参照)を形成するための部位である。延出部42R,42Lの下側の面は傾斜面42Wを構成している。傾斜面42Wは、後方側に向かうにつれて高さが高くなるように傾斜して形成されている。
【0043】
支持パネル体43は、基板部43Bおよび側壁部43R,43Lを有する。基板部43Bは、可動フレーム体40の支持フレーム44A,44Bに跨るように、支持フレーム44A,44B上に取り付けられる。基板部43Bの上に、クッション体42Q、支持プレート42Pおよび空気袋ユニット10Uが順次配置される。側壁部43R,43Lは、基板部43Bの左右の端部からそれぞれ起立している。側壁部43R,43Lの内側の面に、空気袋ユニット10Uの空気袋が取り付けられる。
【0044】
上述のとおり、支持フレーム44A,44B上に取り付けられる座部10Mは(具体的には、空気袋ユニット10U、支持プレート42P、クッション体42Q、および支持パネル体43は)、駆動機構49(
図8〜
図10参照)が作動することにより、被施療者を支持した状態で、可動フレーム体40(支持フレーム44A,44B)とともに前後移動することができる。
【0045】
(可動フレーム体40)
図7は、固定フレーム体30および可動フレーム体40を左後から見たときの様子を示す斜視図である。
図8は、固定フレーム体30および可動フレーム体40を左から見たときの様子を示す側面図である。
図9は、固定フレーム体30および可動フレーム体40の一部を左から見たときの様子を示す側面図である。
【0046】
図9中では、可動フレーム体40のうちの肘掛支持機構47R,47L(
図7を参照して詳細は後述する)およびリンク機構48R,48L(
図7,
図10を参照して詳細は後述する)を図示していない。
図10は、
図7中のX−X線に沿った矢視断面図である。
図7〜9中では、本体部20のうちの主として左手側の部位が図示されており、
図10中では、本体部20のうちの主として右手側の部位が図示されている。
【0048】
上述のとおり、支持フレーム44A,44Bは、間隔を空けて平行に水平配置される。支持フレーム44A,44Bは、固定フレーム体30の横フレーム36R,36L(
図5等参照)に跨るように横フレーム36R,36L上に設けられる。支持フレーム44A,44Bは、横フレーム36R,36L上で摺動する。座部10M(
図6)の支持パネル体43(基板部43B)は、支持フレーム44A,44Bに跨るように支持フレーム44A,44B上に取り付けられる。支持フレーム44A,44Bは、座部10M(
図1中の座面10S)に着座した被施療者からの荷重を受ける。
【0049】
前面パネル45Aは、支持フレーム44Aに固定され、支持フレーム44Aから垂れ下がるように設けられる。駆動機構49(
図8〜
図10)が作動したとき、前面パネル45Aは、支持フレーム44Aから垂れ下がった状態を維持したまま、支持フレーム44Aとともに前方向に移動する(
図8〜
図10中の点線を参照)。前面パネル45Aの一部は、リンクアーム45Bを配設するために開口しており、リンクアーム45Bはこの開口内に設けられている。
【0050】
リンクアーム45Bは、その上端が支持フレーム44Aに回動可能に取り付けられている。リンクアーム45Bの前面には、脚載部14M(
図3参照)が取り付けられる。リンクアーム45Bの後面には、駆動機構49の押出ロッドが取り付けられる。駆動機構49が作動することにより、支持フレーム44A,44B、前面パネル45Aおよびリンクアーム45Bも前後移動する。
【0051】
リンクアーム45Bが前方向に移動するとき、リンクアーム45Bは押出ロッドにより押圧力を受け、リンクアーム45Bはその上端を回動の中心としてその下端側が起き上がるように回動する(
図8〜
図10中の矢印DR1を参照)。当該回動により、脚載部14M(
図3参照)も、脚載部14Mと座部10Mとの間の部分を中心として起き上がるように回動する。
【0052】
スライドプレート46R(
図6,
図7,
図10)は、固定フレーム体30の横フレーム36R(
図5等参照)に上から跨るように設けられる。スライドプレート46Rの上部には、支持フレーム44A,44Bの右端部が嵌め込まれており、スライドプレート46Rは支持フレーム44A,44Bの右端部と一体化されている。スライドプレート46Rは、横フレーム36R上で、支持フレーム44A,44Bとともに横フレーム36Rが延びている方向に沿って前後移動する。
【0053】
上述の通り、背凭れ構造体50のリンクフレーム88Rは、スライドプレート46R(
図6,
図7など参照)の後端にそれぞれ回動可能に取り付けられる。リンクフレーム88Rの前後動作とスライドプレート46Rの前後動作とは連動し、スライドプレート46R,46Lにより支持される座部10Mは、背凭れ部17M(
図2参照)のリクライニング動作に連動して前後方向に移動することが可能となる。
【0054】
同様に、スライドプレート46L(
図6〜
図9)は、固定フレーム体30の横フレーム36L(
図5等参照)に上から跨るように設けられる。スライドプレート46Lの上部には、支持フレーム44A,44Bの左端部が嵌め込まれており、スライドプレート46Lは支持フレーム44A,44Bの左端部と一体化されている。スライドプレート46Lは、横フレーム36L上で、支持フレーム44A,44Bとともに横フレーム36Lが延びている方向に沿って前後移動する。
【0055】
上述の通り、背凭れ構造体50のリンクフレーム88Lは、スライドプレート46L(
図6,
図7など参照)の後端にそれぞれ回動可能に取り付けられる。リンクフレーム88Lの前後動作とスライドプレート46Lの前後動作とは連動し、スライドプレート46R,46Lにより支持される座部10Mは、背凭れ部17M(
図2参照)のリクライニング動作に連動して前後方向に移動することが可能となる。
【0056】
肘掛支持機構47L,47Rは、支持フレーム47LB(
図7,
図8参照)および支持フレーム47RB(
図7,10参照)の上にそれぞれ摺動可能に設けられている。肘掛支持機構47L,47Rは、肘掛部13LM,13RM(
図3)をそれぞれ支持する。
【0057】
支持フレーム47LBは、前後方向に傾斜して延びる部位とその両端から垂設された部位とを含み、これら垂設された部位の下端部は、縦フレーム33L,34Lの上端部に固定されている(
図7,
図8参照)。同様に、支持フレーム47RB(
図7,
図10参照)も、前後方向に傾斜して延びる部位とその両端から垂設された部位とを含み、垂設された部位の下端部は、縦フレーム33R,34Rの上端部に固定されている。
【0058】
肘掛支持機構47Lは、リンク機構48L(
図7,
図8参照)を介してスライドプレート46Lに取り付けられている。具体的には、リンク機構48Lの上端部は、肘掛支持機構47Lに回動可能に取り付けられており、リンク機構48Lの下端部は、スライドプレート46Lに回動可能に取り付けられており、リンク機構48Lの途中部分は、回動中心軸48Eを介して横フレーム36Lに取り付けられている。
【0059】
スライドプレート46Lが支持フレーム44A,44Bおよび座部10Mとともに矢印DR2方向に前進移動したとき、リンク機構48Lは回動中心軸48Eを中心として時計回り方向に回転し、肘掛支持機構47Lは矢印DR4方向に後退移動する。逆方向についても同様に、スライドプレート46Lが支持フレーム44A,44Bおよび座部10Mとともに後退移動したとき、リンク機構48Lは回動中心軸48Eを中心として反時計回り方向に回転し、肘掛支持機構47Lは前進移動する。
【0060】
このような動作は、支持フレーム47RB(
図7,10参照)およびリンク機構48R(
図10参照)についても同様に行われる。リンク機構48L,48Rによって、背凭れ部17M(
図3)が倒れる方向(矢印DR3方向)に姿勢を変更したときには、座部10Mが矢印DR2方向に前進移動するとともに肘掛部13RM,13LM(
図3)は矢印DR4方向に後退移動することができ、背凭れ部17Mが起きる方向に姿勢を変更したときには、座部10Mが後退移動するとともに肘掛部13RM,13LMは前進移動することが可能となっている。
【0061】
駆動機構49は、下部フレーム31R,31L,32A,32B(
図3)に固定される。駆動機構49が作動したとき、駆動機構49は前面パネル45A、リンクアーム45B、支持フレーム44A,44Bを前方に押し出すとともに、押出ロッドを用いてリンクアーム45Bの下部をさらに前方に向かって押し出す。駆動機構49の動作は、被施療者の操作などを受けて、制御ユニット19(
図3)により制御される。
【0062】
(背凭れ構造体50)
図11は、背凭れ構造体50から施療機構60を取り外したときの様子を示す斜視図である。
図12は、背凭れ構造体50および施療機構60等を示す斜視図である。
図11および
図12を参照して、背凭れ構造体50は、右ガイドレール70、背面フレーム体80、および左ガイドレール90を備えている。
【0063】
(右ガイドレール70)
右ガイドレール70は、ガイドレール部71C,72Cの2つの部材が互いに連結されることにより構成される。ガイドレール部71C,72Cは、たとえば射出成形法等を使用して、エンジニアリングプラスチック等の樹脂から容易に作製できる。エンジニアリングプラスチックの具体的な材質としては、たとえばポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF−PET)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、およびシンジオタクチックポリスチレン(SPS)等が挙げられる。
【0064】
(ガイドレール部71C)
ガイドレール部71Cは、前板73、側壁75、後板77、取付部73V,73W,73X、および嵌込凹部75P,75Qを有している。側壁75の内側の面(側壁75の表面のうちの被施療者が位置する側の面)は平坦な形状を有し、側壁75の外側には複数の補強リブが設けられている(ガイドレール部91Cの側壁95を参照)。
【0065】
前板73および後板77は、側壁75に立設され、間隔を空けて互いに対向している。前板73および後板77は、これらの長手方向の途中において湾曲した部分を有している。前板73、側壁75および後板77の断面形状は略C字形状を呈しており、前板73、側壁75および後板77に囲まれた空間内に、施療機構60のガイドローラー63R,64Rが配置され、これらのガイドローラーは当該空間内で移動する。
【0066】
取付部73V,73W,73Xは、前板73に設けられ、前板73から前方側に向かってL字状に延びる形状を有している。取付部73V,73W,73Xは、背凭れ板17(
図3参照)を取り付けるための部位である。嵌込凹部75P,75Qは、側壁75の一部が内側に向かって凹むようにして形成されている(ガイドレール部91Cの嵌込凹部95P,95Qを参照)。
【0067】
嵌込凹部75Pの形状は、背面フレーム体80(詳細は後述する)のU字フレーム85の右端部の形状に対応している。嵌込凹部75Qは、背面フレーム体80のU字フレーム86の右端部の形状に対応している。嵌込凹部75P,75Qは、背面フレーム体80のU字フレーム85,86の各右端部をそれぞれ嵌め込むための部位である。側壁75の上端付近には、背面フレーム体80の連結フレーム84の右端部84Rが固定される。
【0068】
(ガイドレール部72C)
ガイドレール部72Cは、前板74、側壁76、後板78、取付部74Y、および嵌込凹部76R,76Sを有している。側壁76の内側の面(側壁76の表面のうちの被施療者が位置する側の面)は平坦な形状を有し、側壁76の外側には複数の補強リブが設けられている(ガイドレール部92Cの側壁96を参照)。
【0069】
前板74および後板78は、側壁76に立設され、間隔を空けて互いに対向している。前板74および後板78は、これらの長手方向の途中において湾曲した部分を有している。前板74、側壁76および後板78の断面形状は略C字形状を呈しており、前板74、側壁76および後板78に囲まれた空間内に、施療機構60のガイドローラー63R,64Rが配置され、これらのガイドローラーは当該空間内で移動する。
【0070】
取付部74Yは、前板74に設けられ、前板74から前方側に向かってL字状に延びる形状を有している。取付部74Yは、背凭れ板17(
図3参照)を取り付けるための部位である。嵌込凹部76R,76Sは、側壁76の一部が内側に向かって凹むようにして形成されている(ガイドレール部92Cの嵌込凹部96R,96Sを参照)。
【0071】
嵌込凹部76Rの形状は、背面フレーム体80(詳細は後述する)のリンクフレーム87Rの形状に対応している。嵌込凹部76Sは、背面フレーム体80のリンクフレーム88Rの形状に対応している。嵌込凹部76R,76Sは、背面フレーム体80のリンクフレーム87R,88Rをそれぞれ嵌め込むための部位である。
【0072】
椅子式マッサージ機が組み立てられたとき、ガイドレール部71C,72Cは背面フレーム体80によって一体化され、ガイドレール部71Cの下端とガイドレール部72Cの上端とが互いに連結される。当該連結によって、ガイドレール部71Cおよびガイドレール部72Cを含む右ガイドレール70が構成される(
図5参照)。取付部73X,74Yの表面は、面一の関係を有しており、取付部73V,73W,73X,74Yに背凭れ板17(
図3参照)が固定される。
【0073】
(左ガイドレール90)
左ガイドレール90(ガイドレール)も、ガイドレール部91C,92Cの2つの部材が互いに連結されることにより構成される。ガイドレール部91C,92Cも、たとえば射出成形法等を使用して、エンジニアリングプラスチック等の樹脂から容易に作製できる。
【0074】
(ガイドレール部91C)
ガイドレール部91Cは、前板93、側壁95、後板97、取付部93V,93W,93X、および嵌込凹部95P,95Qを有している。側壁95の内側の面(側壁95の表面のうちの被施療者が位置する側の面)は平坦な形状を有し、側壁95の外側には複数の補強リブが設けられている。
【0075】
前板93および後板97は、側壁95に立設され、間隔を空けて互いに対向している。前板93および後板97は、これらの長手方向の途中において湾曲した部分を有している。前板93、側壁95および後板97の断面形状は略C字形状を呈しており、前板93、側壁95および後板97に囲まれた空間内に、施療機構60のガイドローラー63L,64Lが配置され、これらのガイドローラーは当該空間内で移動する。
【0076】
取付部93V,93W,93Xは、前板93に設けられ、前板93から前方側に向かってL字状に延びる形状を有している。取付部93V,93W,93Xは、背凭れ板17(
図3参照)を取り付けるための部位である。嵌込凹部95P,95Qは、側壁95の一部が内側に向かって凹むようにして形成されている。
【0077】
嵌込凹部95Pの形状は、背面フレーム体80(詳細は後述する)のU字フレーム85の左端部85Lの形状に対応している。嵌込凹部95Qは、背面フレーム体80のU字フレーム86の左端部86Lの形状に対応している。嵌込凹部95P,95Qは、背面フレーム体80のU字フレーム85,86の左端部85L,86Lをそれぞれ嵌め込むための部位である。側壁95の上端付近には、背面フレーム体80の連結フレーム84の左端部84Lが固定される。
【0078】
(ガイドレール部92C)
ガイドレール部92Cは、前板94、側壁96、後板98、取付部94Y、および嵌込凹部96R,96Sを有している。側壁96の内側の面(側壁96の表面のうちの被施療者が位置する側の面)は平坦な形状を有し、側壁96の外側には複数の補強リブが設けられている。
【0079】
前板94および後板98は、側壁96に立設され、間隔を空けて互いに対向している。前板94および後板98は、これらの長手方向の途中において湾曲した部分を有している。前板94、側壁96および後板98の断面形状は略C字形状を呈しており、前板94、側壁96および後板98に囲まれた空間内に、施療機構60のガイドローラー63L,64Lが配置され、これらのガイドローラーは当該空間内で移動する。
【0080】
取付部94Yは、前板94に設けられ、前板94から前方側に向かってL字状に延びる形状を有している。取付部94Yは、背凭れ板17(
図3参照)を取り付けるための部位である。嵌込凹部96R,96Sは、側壁96の一部が内側に向かって凹むようにして形成されている。
【0081】
嵌込凹部96Rの形状は、背面フレーム体80(詳細は後述する)のリンクフレーム87Lの形状に対応している。嵌込凹部96Sは、背面フレーム体80のリンクフレーム88Lの形状に対応している。嵌込凹部96R,96Sは、背面フレーム体80のリンクフレーム87L,88Lをそれぞれ嵌め込むための部位である。
【0082】
椅子式マッサージ機が組み立てられたとき、ガイドレール部91C,92Cは背面フレーム体80によって一体化され、ガイドレール部91Cの下端とガイドレール部92Cの上端とが互いに連結される。当該連結によって、ガイドレール部91Cおよびガイドレール部92Cを含む左ガイドレール90が構成される(
図5参照)。取付部93X,94Yの表面は、面一の関係を有しており、取付部93V,93W,93X,94Yに背凭れ板17(
図3参照)が固定される。
【0083】
(背面フレーム体80)
背面フレーム体80は、縦フレーム81R,81L、ラックフレーム82R,82L、連結フレーム84、U字フレーム85,86、リンクフレーム87R,87L,88R,88L、およびU字フレーム89を有している。
【0084】
(縦フレーム81Rの側)
縦フレーム81Rは、直線状に延びる四角筒状の形状を有する(
図12参照)。椅子式マッサージ機が組み立てられたとき、縦フレーム81Rは、ガイドレール部71C,72Cの後板77,78の後ろ側に配置される。ラックフレーム82Rは、平板状の形状を有し、縦フレーム81Rの内側の面に取り付けられる。
【0085】
ラックフレーム82Rの前面側には、ラック歯82RJが設けられる。施療機構60のガイドローラー64Rの内側には、ピニオンローラー65Rが設けられる。ピニオンローラー65Rの周面にはピニオン歯が設けられており、このピニオン歯は、ラックフレーム82Rのラック歯82RJに噛合する。ラック歯82RJに噛合したピニオンローラー65Rが回転駆動されることで、施療機構60は施療子を昇降移動させることができる。昇降移動の際、施療機構60のガイドローラー63R,64Rは、前板73、側壁75および後板77により囲まれた空間内を移動する。
【0086】
(縦フレーム81Lの側)
縦フレーム81Lも、直線状に延びる四角筒状の形状を有する(
図12参照)。椅子式マッサージ機が組み立てられたとき、縦フレーム81Lは、ガイドレール部91C,92Cの後板97,98の後ろに配置される。ラックフレーム82Lは、平板状の形状を有し、縦フレーム81Lの内側の面に取り付けられる。
【0087】
ラックフレーム82Lの前面側には、ラック歯82LJが設けられる。施療機構60のガイドローラー64Lの内側には、ピニオンローラー65Lが設けられる。ピニオンローラー65Lの周面にはピニオン歯が設けられており、このピニオン歯は、ラックフレーム82Lのラック歯82LJに噛合する。ラック歯82LJに噛合したピニオンローラー65Lが回転駆動されることで、施療機構60は施療子を昇降移動させることができる。昇降移動の際、施療機構60のガイドローラー63L,64Lは、前板93、側壁95および後板97により囲まれた空間内を移動する。
【0088】
(U字フレーム85,86,89)
U字フレーム85は、縦フレーム81Rの上端と縦フレーム81Lの上端とを後側から連結している。U字フレーム86は、縦フレーム81Rの長手方向の途中部分と縦フレーム81Lの長手方向の途中部分とを後側から連結している。U字フレーム89は、縦フレーム81Rの下端と縦フレーム81Lの下端とを後側から連結している。
【0089】
U字フレーム85の右端部の形状は、ガイドレール部71Cの側壁75に設けられた嵌込凹部75Pの形状に対応している。この右端部は、嵌込凹部75Pに嵌め込まれる。ネジ等の締結手段により、側壁75の嵌込凹部75Pを構成している部分は、この右端部に固定される。同様に、U字フレーム85の左端部85Lの形状は、ガイドレール部91Cの側壁95に設けられた嵌込凹部95Pの形状に対応している。左端部85Lは、嵌込凹部95Pに嵌め込まれる。ネジ等の締結手段により、側壁95の嵌込凹部95Pを構成している部分は、左端部85Lに固定される。
【0090】
U字フレーム86の右端部の形状は、ガイドレール部71Cの側壁75に設けられた嵌込凹部75Qの形状に対応している。この右端部は、嵌込凹部75Qに嵌め込まれる。ネジ等の締結手段により、側壁75の嵌込凹部75Qを構成している部分は、この右端部に固定される。同様に、U字フレーム86の左端部86Lの形状は、ガイドレール部91Cの側壁95に設けられた嵌込凹部95Qの形状に対応している。左端部86Lは、嵌込凹部95Qに嵌め込まれる。ネジ等の締結手段により、側壁95の嵌込凹部95Qを構成している部分は、左端部86Lに固定される。
【0091】
(リンクフレーム87R,87L,88R,88L)
リンクフレーム87R,88Rは、縦フレーム81Rの外側に位置し、U字フレーム86の右端部86RとU字フレーム89の右端部89Rとの間に設けられる。リンクフレーム87R,88Rは、縦フレーム81Rから前方に向かって平行に延びるように設けられる。
【0092】
リンクフレーム87R,88Rの形状は、ガイドレール部72Cの側壁76に設けられた嵌込凹部76R,76Sの形状にそれぞれ対応している。リンクフレーム87R,88Rは、嵌込凹部76R,76Sにそれぞれ嵌め込まれる。ネジ等の締結手段により、側壁76の嵌込凹部76R,76Sを構成している部分は、リンクフレーム87R,88Rにそれぞれ固定される。
【0093】
リンクフレーム87L,88Lは、縦フレーム81Lの外側に位置し、U字フレーム86の左端部86LとU字フレーム89の左端部89Lとの間に設けられる。リンクフレーム87L,88Lは、縦フレーム81Lから前方に向かって平行に延びるように設けられる。
【0094】
リンクフレーム87L,88Lの形状は、ガイドレール部92Cの側壁96に設けられた嵌込凹部96R,96Sの形状にそれぞれ対応している。リンクフレーム87L,88Lは、嵌込凹部96R,96Sにそれぞれ嵌め込まれる。ネジ等の締結手段により、側壁96の嵌込凹部96R,96Sを構成している部分は、リンクフレーム87L,88Lにそれぞれ固定される。
【0095】
上述したとおり、リンクフレーム87R,87Lは、固定フレーム体30のリンクフレーム37R,37Lにそれぞれ回動可能に取り付けられる。固定フレーム体30は、リンクフレーム37R,37Lおよびリンクフレーム87R,87Lを介して、可動フレーム体40(背凭れ構造体50および施療機構60)を支持する。
【0096】
リンクフレーム88R,88Lは、可動フレーム体40(
図2参照)のスライドプレート46R,46L(
図6,
図7など参照)の後端にそれぞれ回動可能に取り付けられる。当該取付によって、リンクフレーム88R,88Lの前後動作とスライドプレート46R,46Lの前後動作とが連動する。
【0097】
(施療機構60)
上述のとおり、施療機構60は背凭れ板17(
図2,
図3参照)の後ろに配置される。施療機構60は、施療子61R(第1施療子)、施療子61L(第2施療子)、支持プレート62R,62L、ガイドローラー63R,63L,64R,64L、およびピニオンローラー65R,65Lを有している。
【0098】
施療子61R,61L(もみ玉)は、左右方向に間隔を空けて並び、支持プレート62R,62L等により支持されている。施療子61R,61Lは、モーターおよびギアを介して駆動されることによって、矢印AR61方向に往復移動することができる。施療子61R,61Lは、背凭れ板17(
図2,
図3参照)の長穴17Tの後ろに位置し、長穴17Tを通して前後方向に移動することができる。
【0099】
ガイドローラー63R,64Rは、施療機構60の右側に設けられ、ガイドローラー63L,64Lは、施療機構60の左側に設けられる。ガイドローラー63R,64Rは、前板73、側壁75および後板77に囲まれた空間内に配置され、施療子61R,61Lの昇降移動の際、ガイドローラー63R,64Rは、前板73、側壁75および後板77により囲まれた空間内を移動する。同様に、ガイドローラー63L,64Lは、前板93、側壁95および後板97に囲まれた空間内に配置され、施療子61R,61Lの昇降移動の際、ガイドローラー63L,64Lは、前板93、側壁95および後板97により囲まれた空間内を移動する。
【0100】
ピニオンローラー65Rは、ガイドローラー64Rの内側にガイドローラー64Rと同軸状に設けられる。ピニオンローラー65Rの周面にはピニオン歯が設けられており、このピニオン歯は、ラックフレーム82Rのラック歯82RJに噛合する。ピニオンローラー65Lは、ガイドローラー64Lの内側にガイドローラー64Lと同軸状に設けられる。ピニオンローラー65Lの周面にはピニオン歯が設けられており、このピニオン歯は、ラックフレーム82Lのラック歯82LJに噛合する。ラック歯82RJ,82LJにそれぞれ噛合したピニオンローラー65R,65Lがモーターおよびギアを介して回転駆動されることで、施療機構60は背凭れ部17Mの上下方向に沿って施療子61R,61Lを昇降移動させることができる。
【0101】
(開口部200)
図13は、座部10Mおよび背凭れ板17を示す斜視図である。
図13に示すように、椅子式マッサージ機100(
図1等参照)が組み立てられたとき、水平方向における座部10Mと背凭れ部17Mとの間には、開口部200が設けられる。具体的には、支持プレート42Pの凹部42J(
図6参照)およびクッション体42Qの凹部42K(
図6参照)は、背凭れ板17の支持具17Vに間隔を空けて対向し、この間隔に対応する部分に開口部200が形成される。
【0102】
施療子61R,61Lが右ガイドレール70および左ガイドレール90に沿って下降移動するとき、施療子61R,61Lは、上方から下方に向かって開口部200を通過することができる。施療子61R,61Lが右ガイドレール70および左ガイドレール90に沿って上昇移動するとき、施療子61R,61Lは、下方から上方に向かって開口部200を通過することができる。
【0103】
開口部200の前後方向における長さ(広さ)は、背凭れ部17Mの傾斜角度が変更されることに伴って変化するように構成されてもよいし、背凭れ部17Mの傾斜角度が変更されることに伴って変化しないように構成されてもよい。本実施の形態の椅子式マッサージ機100においては、背凭れ部17Mの傾斜角度に関係なく、施療子61R,61Lは常に開口部200を通過することが可能となっている。
【0104】
また、施療子61R,61Lが開口部200を完全に通過するという構成には限られない。施療子61R,61Lは、施療子61R,61Lのうちの少なくとも一部分が開口部200の内側に配置される(差し掛かる)ように下降移動してもよい。施療機構60は、施療子61R,61Lのうちの少なくとも一部分が座面10Sの高さ位置よりも低い位置に到達するように、開口部200の内側に施療子61R,61Lを下降移動させてもよい。
【0105】
図14および
図15を参照して、施療子61R,61Lは、上方から下方に向かって矢印ARに示すように開口部200内を通過する。施療機構60は、座面10Sの高さ位置よりも低い位置にまで施療子61R,61Lを到達させる。施療子61R,61Lは、座面10Sに着座している被施療者の身体のうちの開口部200の上に位置している部分(たとえば腰下、臀部、および大腿部など)を押し上げながら(突き上げながら)施療することが可能となる。施療子61R,61Lのうちの一部分のみが座面10Sの高さ位置よりも低い位置に配置された場合、施療子61R,61Lは、自身が配置されている位置を起点として、被施療者の身体を押し上げながら(突き上げながら)施療することが可能となる。
【0106】
本実施の形態の椅子式マッサージ機100は、冒頭で説明した特開2004−283266号公報(特許文献1)および特許第4879824号公報(特許文献2)に開示された構成とは異なり、簡素な構成にて被施療者の腰下から臀部に亘る部分を施療することができる。
【0107】
図16および
図17を参照して、上述のとおり、本実施の形態の座部10M(クッション体42Q)の延出部42R,42Lの下側の面には、傾斜面42Wが設けられている。傾斜面42Wは、後方側に向かうにつれて高さが高くなるように傾斜して形成されている。背凭れ部17Mが倒れる方向(
図17中の矢印DR3方向)に姿勢を変更したとき、座部10Mが背凭れ部17Mから離れる方向である前方向(
図17中の矢印DR2方向)に移動するだけでなく、傾斜面42Wの存在により、背凭れ部17Mの下端側の部位がクッション体42Qに接触することが防止されている。
【0108】
(第1変形例)
開口部200の大きさを拡大することは、被施療者の腰下から臀部(もしくは大腿部)に亘る部分をより広い範囲で施療することを可能とする。しかしながら、開口部200の大きさを拡大した場合、座部10Mのうちの被施療者を支持する部位が小さくなり、座部10Mは、被施療者を安定して支持することが難しくなる。このような場合、被施療者には、臀部の一部が下方に落ち込んだような不安定感を抱かせてしまうことにつながり易い。
【0109】
図18を参照して、第1変形例としての座部ユニット42Aと背凭れ部17Mとの間には、施療子61R,61Lを通過させるために必要な最小限の大きさを有する開口部200R,200Lが設けられている。具体的には、座部ユニット42Aは、上記の実施の形態(
図6参照)で例示した場合と同様に、支持プレート(
図6中の支持プレート42Pを参照)およびクッション体(
図6中のクッション体42Qを参照)を含む。
【0110】
クッション体は、クッション体の左右の端部から後方に向かって延出する一対の延出部42R,42Lと、クッション体の中央部分から後方に向かって延出する他の延出部42Fとを有している。延出部42Rと延出部42Fとの間には凹部42KRが設けられ、延出部42Lと延出部42Fとの間には凹部42KLが設けられている。これらの凹部は、図示しない支持プレートにも設けられている。
【0111】
延出部42Fは、座面に着座している被施療者の身体を支持する。施療子61R,61Lが座面の高さ位置よりも低い位置に位置しているとき、延出部42Fは、施療子61R,61Lの間に位置する。若しくは、施療子61R,61Lのうちの少なくとも一部分が座面の高さ位置よりも低い位置に位置しているとき、延出部42Fは、施療子61R,61Lの間に位置する。施療子61R,61Lは、開口部200R,200Lを効果的に利用することによって、座面に着座している被施療者の身体のうちの開口部200の上に位置している部分(たとえば腰下、臀部、および大腿部など)を押し上げながら(突き上げながら)施療することが可能となる。必要に応じて、一対の延出部42R,42Lを設けずに、クッション体が延出部42Fのみを有するという構成が採用されてもよい。
【0112】
(第2変形例)
図19を参照して、被施療者が不安定感を抱くことを抑制するために、帯状部材42G,42Yを用いてもよい。帯状部材42G,42Yは、たとえば布製の部材にて構成され、施療子61R,61Lの移動経路を空けつつ、開口部200に跨る(差しかかる)ようにT字状に設けられる。当該構成によっても、施療子61R,61Lは、座面に着座している被施療者の身体のうちの開口部200の上に位置している部分(たとえば腰下、臀部、および大腿部など)を押し上げながら(突き上げながら)施療することが可能となる。
【0113】
以上、本発明に基づいた実施の形態および各変形例について説明したが、今回開示された実施の形態および各変形例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。