特許第6204722号(P6204722)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エス・ケー・ジーの特許一覧

<>
  • 特許6204722-照明器具 図000002
  • 特許6204722-照明器具 図000003
  • 特許6204722-照明器具 図000004
  • 特許6204722-照明器具 図000005
  • 特許6204722-照明器具 図000006
  • 特許6204722-照明器具 図000007
  • 特許6204722-照明器具 図000008
  • 特許6204722-照明器具 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204722
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20170914BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20170914BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170914BHJP
【FI】
   F21S8/04 100
   F21S8/04 410
   F21S2/00 433
   F21S2/00 435
   F21S2/00 432
   F21Y115:10
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-141093(P2013-141093)
(22)【出願日】2013年7月4日
(65)【公開番号】特開2015-15152(P2015-15152A)
(43)【公開日】2015年1月22日
【審査請求日】2016年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000127857
【氏名又は名称】株式会社エス・ケー・ジー
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100158067
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 基
(72)【発明者】
【氏名】橋本 敏憲
【審査官】 丸山 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−287478(JP,A)
【文献】 特開2012−253030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00, 8/04
F21V 8/00
G09F 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に凸状に湾曲する第1湾曲部と、下方に凸状に湾曲し、前記第1湾曲部よりも曲率が大きく形成され、かつ前記第1湾曲部の下方に接続して又は一体に配置される前記第1湾曲部の幅の半分以下の幅に形成される第2湾曲部と、を有する導光板と、
前記第1湾曲部の第1端部及び前記第2湾曲部の第2端部の一方又は両方に配置される光源と、を備え、
前記導光板は、前記第1端部から入射された前記光源からの光を主として第1湾曲部の上方側主面から出射するとともに下方側主面から出射し、
前記第2端部から入射された前記光源の光を主として前記第2湾曲部の下方側主面から前記第1湾曲部の下方側主面よりも広い範囲に出射することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記導光板の第1湾曲部の下方側主面及び第2湾曲部の上方側主面に拡散ドットが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記導光板の第1湾曲部又は第2湾曲部のいずれか又は両方の主面に拡散ドットが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記第2湾曲部は、透光性を有し、前記第1湾曲部から出射された光を下方へ透過可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の第1の照明器具と、請求項1から4のいずれか1項に記載の第2の照明器具とが対称となるように配置されていることを特徴とする照明ユニット。
【請求項6】
前記第1の照明器具と、前記第2の照明器具が隣接して配置されていることを特徴とする請求項5に記載の照明ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、湾曲した形状を有する導光板を種々提案している(特許文献1、特許文献2等)。このような湾曲した形状を有する導光板は、点発光であるLEDを面発光する照明器具として有効な発明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】意匠登録第1386342号公報
【特許文献2】意匠登録第1378489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような湾曲した導光板を使用した照明器具において、天井側に向かって出射する光によって間接照明としての機能を有する主面と、床面側に出射する光によって直接照明としての機能を有する主面とを有する照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の主目的を達成するために、以下の手段を採った。
【0006】
本発明にかかる照明器具は、
上方に凸状に湾曲する第1湾曲部と、下方に凸状に湾曲し、前記第1湾曲部よりも曲率が大きく形成され、かつ前記第1湾曲部の下方に接続して又は一体に配置される前記第1湾曲部の幅の半分以下の幅に形成される第2湾曲部と、を有する導光板と、
前記第1湾曲部の第1端部及び前記第2湾曲部の第2端部の一方又は両方に配置される光源と、を備え、
前記導光板は、前記第1端部から入射された前記光源からの光を主として第1湾曲部の上方側主面から出射するとともに下方側主面から出射し、
前記第2端部から入射された前記光源の光を主として前記第2湾曲部の下方側主面から前記第1湾曲部の下方側主面よりも広い範囲に出射することを特徴とする。
【0007】
本発明にかかる照明器具は、導光板が第1湾曲部及び第2湾曲部の2つの曲面領域を有していて、それぞれ第1湾曲部及び第2湾曲部から出射する光によって上方及び下方の両方を照らすことができる。本照明器具を室内で使用した場合には、第1湾曲部は中央が上方側に向かって凸状に湾曲した形態を有しているため、第1湾曲部の上方側主面から天井に向かって光が出射される。そのため、天井を介した間接照明によって床面側へ光が出射する。天井が直接光によって明るくなると、部屋全体が明るく見えるという効果がある。一方、第2湾曲部は、中央が下方側に凸状に湾曲した形態を有しているため、第2湾曲部の下方側主面から床面に向かって光が出射される。そのため、照明器具からの直接照明によって床面が照らされる。このように、本発明にかかる照明器具によれば、一つの照明器具の一枚の導光板によって、上方への光と下方への光と両方に出射することができるため、間接照明と直接照明との両方の効果を有する照明器具とすることができる。この際に第1湾曲部は比較的曲率が小さく、面積も大きいので上方側主面から出射した光は、比較的広い範囲の天井に照射され、広い範囲を間接照明で照らすことができる。第2湾曲部は、第1湾曲部と比較して曲率が大きく面積も小さいため、室内の下方の広い領域を照らすことになる。
【0008】
本発明にかかる照明器具において、前記導光板の第1湾曲部の下方側主面及び第2湾曲部の上方側主面に拡散ドットが設けられていることを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、光源からの光を第1湾曲部の上方側主面及び第2湾曲部の下方側主面から出射させることができる。
【0009】
本発明にかかる照明器具において、前記導光板の第1湾曲部又は第2湾曲部のいずれか又は両方の主面に拡散ドットが設けられていることを特徴とするものであってもよい。例えば、第1湾曲部の両側の主面に拡散ドットを設けることにより、上方側(天井側)への光に加えて、下方側も積極的に光を出射させることが可能になる。このように構成することで、曲率の大きい第2湾曲部の光のみでは直射光として弱い場合に第1湾曲部からの光を追加することができる。このように、両側の主面に拡散ドットを設けることによって、拡散ドットの大きさ、数量及び面積等を調整することで、上方側への光と下方側への光の強さを調整することができる。
【0010】
また、本発明にかかる照明器具において、前記第2湾曲部は、透光性を有し、第1湾曲部から出射された光を下方へ透過可能であることを特徴とするものであってもよい。これにより、第2湾曲部が第1湾曲部の下方に配置されていても、第1湾曲部の光の一部が第2湾曲部を介して対象物に照射させることができる。また、第2湾曲部からも光が出射されるので、第1湾曲部の光と第2湾曲部の光とが一部重なり合うため、それぞれの光を一体的に視認させることができる。また、第2湾曲部が影になることが防止される。
【0011】
さらに、本発明にかかる照明ユニットは、前述した照明器具を2つ組み合わせて作製される。この際に各々の照明器具(第1の照明器具と第2の照明器具)が対称となるように配置されていることを特徴とする。本発明にかかる照明器具によれば、上方への光と下方への光と両方に出射することができる導光板の大きさが2倍となるため、光が照射される範囲が2倍となり、より広い面積を照射することができる間接照明と直接照明との両方の効果を有する照明器具とすることができる。
【0012】
また、本発明にかかる照明器具において、前記第1の照明器具と前記第2の照明器具が隣接して配置されていることを特徴とする。かかる構成を採用することによって、第1照明ユニットと第2照明ユニットとの間に暗い領域が発生する可能性を低減することができる。また、左右対称となるため、バランスがよく美観性に優れた照明器具とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、第1実施形態にかかる照明器具100の上方側から見た斜視図である。
図2図2は、第1実施形態にかかる照明器具100の断面図である。
図3図3は、第1実施形態にかかる照明器具100の下方側から見た分解斜視図である。
図4図4は、第1実施形態にかかる照明器具100の一部拡大断面図である。
図5図5は、第1実施形態にかかる照明器具100の拡散ドット39の形態を示す模式図である。
図6図6は、第1実施形態にかかる照明器具100の一部拡大断面図である。
図7図7は、第1実施形態にかかる照明器具100の光の出射状態を示す模式図である。
図8図8は、第2実施形態にかかる照明器具200の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明にかかる照明器具100の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、図1に示すように、「前後」とは、湾曲している端部から反対側の端部への方向をいい、「左右」とは、導光板30の幅方向をいう。
【0015】
(第1実施形態)
第1実施形態にかかる照明器具100が主として図1図3に示されている。図1は、第1実施形態にかかる照明器具100の上方側から見た斜視図である。図2は、第1実施形態にかかる照明器具100の断面図である。図3は、第1実施形態にかかる照明器具100を下方から視た分解斜視図である。第1実施形態にかかる照明器具100は、図1図3に示すように、主として、導光板30と光源部材50とを備えている。
【0016】
導光板30は、光が内部を通過可能な透明な樹脂で作製されており、例えば、メチルメタクリレートやエチルメタクリレート等のメタクリル樹脂の他、メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル製樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン等の種々の素材を用いることができる。高透過性を有する素材であれば特に限定するものではない。導光板30の厚さは、3.0mm〜10.0mm程度のものが主として使用されるが、これに限定されるものではない。本実施形態においては厚さが8.0mmの高透過性を有するメタクリル樹脂を使用している。
【0017】
導光板30は、図2に示すように、Aの領域からなる第1湾曲部31と、Bの領域からなる第2湾曲部32とを有する。第1湾曲部31と第2湾曲部32は一体物として作製されている。
【0018】
第1湾曲部31は、中央部が上方に向かって凸状に湾曲し、両側が中央よりも下方に配置される略柱状曲面の一部のような形状を有する。図3に示すように、第1湾曲部31の端部のうち前後方向に直線状に形成される第1端部31aには、光源部材50が取り付けられる。第1端部31aの反対側は第2湾曲部32とつながっている。第1湾曲部31の曲率は、一定の曲率で作成してもよいし、第1端部31aから第2湾曲部32との境界に向かって、例えば対数螺旋形状の一部のように徐々に大きな曲率となるように形成してもよい。また、逆に、徐々に小さな曲率となるように形成してもよい。第1湾曲部31の上方側主面31b(凸面側)及び下方側主面31c(凹側面)には、図4に示すように、後述する拡散ドット39が形成されており、導入された光を拡散し、主としてそれぞれ下方側主面31c(凹面側)及び上方側主面31b(凸面側)から出射する機能を有する。なお、上方側主面31bと下方側主面31cとに設けられる拡散ドット39は、同一形状でなくてもよいし、同一の数でなくてもよい。例えば、下方側主面31cに形成された拡散ドット39は、上方側主面31bに形成された拡散ドット39よりも多く形成してもよいし、その逆であってもよい。
【0019】
第2湾曲部32は、図2に示すように、中央部が下方に向かって凸状湾曲し、両側が中央よりも上方へ配置される略柱状曲面の一部のような形状を有する。図3に示すように、第2湾曲部32の端部のうち、前後方向に直線に形成される第2端部32aには、光源部材50が 取り付けられる。第2端部32aの反対側は、図3に示すように、第1湾曲部31とつながっている。第2湾曲部32は、第1湾曲部31の下方に配置されている。第2湾曲部32の曲率は、第1湾曲部31よりも大きい曲率を有しているため、第2湾曲部32は第1湾曲部31よりも曲率半径が小さい湾曲面を有することになる。そのため、第2湾曲部32は、第1湾曲部31の下方側であって、かつ第1湾曲部31の左右方向の幅の内側に配置されることになる。なお、第2湾曲部32の曲率は、一定の曲率で作製してもよいし、第2端部32aから第1湾曲部31との境界に向かって、例えば対数螺旋形状の一部のように徐々に大きな曲率となるように形成してもよい。また、逆に、徐々に小さな曲率となるように形成してもよい。第2湾曲部32の上方側主面32b(凹面側)には、図2に示すように、後述する拡散ドット39が形成されており、導入された光を拡散し、主として下方側主面32c(凸面側)から出射する機能を有する。なお、第2湾曲部32の下方側主面32cに拡散ドット39を設けてもよい。両方に拡散ドット39を設けることで、下方側へ出射する光をより明るくすることができる。また、第2湾曲部32の下方側主面32cに形成された拡散ドット39は、上方側主面32bに形成された拡散ドット39よりも多く形成してもよいし、その逆であってもよい。
【0020】
導光板30は、図2及び図4に示すように、主面に複数の拡散ドット39が形成されている。この拡散ドット39によって、第1端部31a又は第2端部32aから入射された光が拡散されて、主としてそれぞれ前述したように主としてそれぞれの主面31b、31c及び32cから出射する。拡散ドット39は、主として凹部に形成される。凹部の形状は特に限定するものではなく、図5に示すように、四角錐形状(図5A)、円錐形状(図5B)、三角錐形状(図5C)、四角錐作業台形状(図5D)、半円球形状(図5E)等種々の穴の形態を選択することができる。また拡散ドット39の作製方法としては、特に限定するものではなく、超音波加工、加熱加工、レーザー加工、切削加工等種々の加工方法を採用することができる。四角錐型の拡散ドット39を超音波加工によって作製する場合には、先端面に拡散ドット39を反転させた形状を有する加工ドットが縦横に複数マトリクス状に配置されている超音波加工ホーンを、導光板30に対して垂直に押圧することによって、加工ドットの形状が反映された形状の四角錐型の拡散ドット39を形成することができる。本実施形態においては、拡散ドット39は、略四角錐形状に凹む凹部からなり、四角錐底面に相当する位置が導光板30の上方側主面31b、32bに位置するように設けられている。なお、個々の拡散ドット39の大きさは、同じであっても異なっていても良い。例えば、光源部材50から遠ざかるにつれて、四角錐型の拡散ドット39の各辺を徐々に長くしたり、四角錐型の拡散ドット39の深さを徐々に深くしたりしても良い。こうすれば、光源部材50から近く光が強い位置では拡散される光量が小さくなり、光源部材50から遠ざかるにつれて拡散される光量が大きくなるため、主面に到達する光の光量を均等に近づけることができる。また、より強く光を出射したい部分のみに大きい拡散ドット39を形成したりしてもよいし、一部のみが異なる外観を呈するように、一部のみ異なる形状の拡散ドット39を形成してもよい。本実施形態では拡散ドット39の各辺の長さが約0.6mm、深さが約0.4mmであり、隣り合う四角錐型の拡散ドット39間のピッチが2.0mmに形成されている。もちろん、これに限定するものではなく、適宜好適なサイズを選択することができる。好ましくは、四角錐型の拡散ドット39の各辺の長さは、0.2mm〜1.5mmで選択するとよい。また、四角錐型の拡散ドット39の深さは、0.4mm〜0.8mmで選択するとよい。また、隣り合う四角錐型の拡散ドット39間のピッチについても特に限定するものではなく、例えば、1.5mm〜8.0mmのピッチの間から適宜選択することができる。好ましくは、1.5mm〜3.0mmのピッチに作製するとよい。なお、拡散ドット39の形状としては、凹状に凹んだ凹部に限らず、凸状の膨らんだ拡散凸部(図5F)であってもよい。拡散凸部としては、例えば、スクリーン印刷やシルク印刷等によって、盛り上がるように形成したものが挙げられる。
【0021】
また、図3に示すように、導光板30の前後側端面30dには、反射部材60を設けてもよい。反射部材60を設けることによって、前後側端面30dから出射した光を導光板30内に再導入して効率よく各主面31c、32c及び31bから光を導出することができる。
【0022】
光源部材50は、図6に示すように、導光板30に光を出射する複数の発光ダイオード(以下「LED」という。)からなる光源51と、光源51が取り付けられる基板52と、この光源51が取り付けられた基板52を保持する基板保持部材54と、これらを固定するボルト55及びナット56、を備えている。
【0023】
光源51に使用されるLEDは、平面発光型、側面発光型、砲弾型等いずれのタイプであってもよい。好ましくは、平面発光型を使用するとよい。LEDの光の色は、限定するものではなく、例えば、白色、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色又は紫色のいずれかの色若しくはそれらの色の組み合わせ等であってもよい。また、LEDは、演色性、色味、輝度を自由に変更可能に形成してもよい。複数の光源51は等間隔で直線状に基板52に配置される。
【0024】
基板保持部材54は、図6に示すように、略U字形状の断面を有する長柄形状の金属製の部材である。この基板保持部材54には、基板52が略U字形状の溝の底面に図示しない両面テープ等で貼着される。
【0025】
光源部材50は、導光板30の第1端部31a及び第2端部32aのそれぞれに光源51が対向するように基板保持部材54を取付けられ、それぞれ光源51の光を第1端部31a及び第2端部32aから導入する。なお、基板保持部材54の端部には、図3に示すように、端部から光が漏れないようにカバー57を設けてもよい。
【0026】
以上のように作製された本実施形態にかかる照明器具100は、図1に示すように、吊り下げ用の紐や鎖等80によって、例えば天井等に吊り下げられて使用される。本実施形態にかかる照明器具100は、図7に示すように、第1湾曲部31の上方側主面31bから天井方向へ出射し、間接照明として使用される。一方、第1湾曲部31の下方側主面31cから出射される光は、床面側へ出射し直接照明として使用され、第2湾曲部32の光とともに床面を照射する。この際に第2湾曲部は全体が透明な導光板で作製されているので、第2湾曲部32の影が第1湾曲部31の光によって形成されることが防止される。他方、第2湾曲部32の下方側主面32cが曲率の高い凸面であるので、第2湾曲部の下方側主面32cから出射する光は、照明器具100の下方の周囲を広く直接照らす直接照明として使用される。このように、第1湾曲部31は、天井による間接照明及び直接照明として機能し、第2湾曲部32は主として直接照明として機能する。このように本実施形態にかかる照明によれば、1枚の導光板によって直接照明と間接照明の両方を有する照明器具100を提供することができる。
【0027】
また、第2湾曲部32の第2端部32aに配置された光源部材50は、第1湾曲部31の下方に配置されているが、第2湾曲部32は透明な素材で作製されているので、第2湾曲部32から出射する光に加えて、第1湾曲部31から到達した光も第2湾曲部32を通過して下方を照らすことになるので、より明るい光を出射することができる。さらに、例えば、直下と周囲とで別々の照明装置を使用した場合には、光の輝度や色の相違によって、それぞれの異なる2つの光で照らされているように視認される場合がある。しかし、本発明は、第2湾曲部32は、第1湾曲部31の下方に配置されており、それぞれ光が照射する範囲が重なるため、別々の光として認識されることが低減され、あくまで一体の光として視認され易くなる。
【0028】
また、第1実施形態にかかる照明器具100によれば、この場合に、第1湾曲部31の曲率と第2湾曲部32の曲率を選択することによって、外観上のイメージを大きく損なうことなく、光の照射する範囲及び光の方向等が異なる照明器具を提供することができる。
【0029】
(第2実施形態)
第2実施形態にかかる照明ユニット200が主として図8に示されている。図8は、第2実施形態にかかる照明ユニット200を示す斜視図である。第2実施形態にかかる照明ユニット200は、第1実施形態にかかる照明器具100が2つ対称となるように連結されているものである。その他の点は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0030】
かかる構成を採用することによって、第1実施形態と同様に、第1湾曲部31の上方側主面31bから天井方向へ出射し、間接照明として使用され、第1湾曲部31の下方側主面31cから出射される光は、床面側へ出射し直接照明として使用される。第2湾曲部32の下方主面32cは、照明器具100の下方の周囲を広く直接照らす直接照明として使用される。それぞれ第1湾曲部31及び第2湾曲部32が2つ存在するので、より広い範囲を明るく照らすことができると同時に、左右対称の光を対象物に当てることができる。
【0031】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0032】
上述した実施の形態では、導光板30は透過性を有するメタクリル樹脂製の板であるものとしたが、可視光を拡散可能な微粒子状の拡散剤を添加したものを使用して拡散機能を有する導光板としてもよい。また、可視光や紫外域の光を出射することによって蛍光を発する蛍光剤を塗布又は添加した樹脂板を用いても構わない。
【0033】
上述した実施の形態では、導光板30の主面に複数の拡散ドット39を備えるものとしたが溝であってもよい。この場合も、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0034】
上述した実施形態では、第2湾曲部においては、上方側主面32bのみに拡散ドット39を設けたが、すべての両側主面に拡散ドット39を設けてもよい。これにより、上方側に出射する光を補助することができる。
【0035】
上述した実施の形態では、第1湾曲部31と第2湾曲部32は、一体に成形された導光板30を使用したが、第1湾曲部31と第2湾曲部32はそれぞれ別体に作製しておいて、例えば接着剤等で接着してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
上述した実施の形態で示すように、照明器具として利用することができる。
【符号の説明】
【0037】
30…導光板、31…第1湾曲部、31a…第1端部、31b…上方側主面、
31c…下方側主面、32…第2湾曲部、32a…第2端部、32b…上方側主面、
32c…下方側主面、39…拡散ドット、50…光源部材、51…光源、52…基板、
54…基板保持部材、55…ボルト、56…ナット、57…カバー、60…反射部材、
70…導光板、100…照明器具、200…照明ユニット


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8