特許第6204725号(P6204725)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本写真印刷株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6204725-タッチセンサ及びディスプレイ装置 図000002
  • 特許6204725-タッチセンサ及びディスプレイ装置 図000003
  • 特許6204725-タッチセンサ及びディスプレイ装置 図000004
  • 特許6204725-タッチセンサ及びディスプレイ装置 図000005
  • 特許6204725-タッチセンサ及びディスプレイ装置 図000006
  • 特許6204725-タッチセンサ及びディスプレイ装置 図000007
  • 特許6204725-タッチセンサ及びディスプレイ装置 図000008
  • 特許6204725-タッチセンサ及びディスプレイ装置 図000009
  • 特許6204725-タッチセンサ及びディスプレイ装置 図000010
  • 特許6204725-タッチセンサ及びディスプレイ装置 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204725
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】タッチセンサ及びディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20170914BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   G06F3/041 430
   G06F3/044 Z
   G06F3/041 450
   G06F3/041 490
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-142362(P2013-142362)
(22)【出願日】2013年7月8日
(65)【公開番号】特開2015-14976(P2015-14976A)
(43)【公開日】2015年1月22日
【審査請求日】2016年4月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231361
【氏名又は名称】日本写真印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149216
【弁理士】
【氏名又は名称】浅津 治司
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100121120
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 尚
(72)【発明者】
【氏名】高山 久弥
【審査官】 菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/073964(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/099691(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/052335(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/086596(WO,A1)
【文献】 特開2013−041566(JP,A)
【文献】 特開2013−080425(JP,A)
【文献】 特開2011−186717(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0266273(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0306771(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像から出る光を通過させるための窓部及び前記窓部の周囲にある遮光性の額縁部を有する窓形成部材と、
前記窓形成部材と重ねられる透明な基体シート、前記額縁部から前記窓部の一部にまではみ出した部分に対向する前記基体シートの配線領域に遮光性の導電性材料で形成されている引回しパターン、及び前記配線領域の内側にある前記基体シートのセンサ領域に透明の導電性材料で形成されている透明電極パターンを有するフィルムセンサ部材と、
前記引回しパターンよりも前記窓形成部材の側に配置され、前記窓部から入射して前記引回しパターンで前記窓部に向かって反射される光を遮光する偏光特性を持つ偏光部材と
を備える、タッチセンサ。
【請求項2】
前記偏光部材は、
前記窓形成部材の側に配置され、直線偏光を通過させる直線偏光フィルムと、
前記直線偏光フィルムに対して前記引回しパターンの側に配置され、4分の1波長の位相ずれを発生させるλ/4位相差フィルムと
を含む、
請求項1に記載のタッチセンサ。
【請求項3】
前記基体シートは、前記窓形成部材の側に配置されている一方主面と前記一方主面の反対側に配置されている他方主面とを有する前記λ/4位相差フィルムからなり、
前記引回しパターンは、前記λ/4位相差フィルムの前記他方主面に形成されている、
請求項2に記載のタッチセンサ。
【請求項4】
前記基体シートは、前記窓形成部材の側に配置されている一方主面と前記一方主面の反対側に配置されている他方主面とを有する光学等方性フィルムからなり、
前記引回しパターンは、前記光学等方性フィルムの前記他方主面に形成されている、
請求項1又は請求項2に記載のタッチセンサ。
【請求項5】
前記フィルムセンサ部材は、前記基体シートの前記配線領域が前記額縁部に対向する額縁対向領域と前記窓部に対向する窓部対向領域とを有し、前記引回しパターンの少なくとも一部が前記窓部対向領域の配線幅が前記額縁対向領域の配線幅以上になるようにパターニングされているか又は前記引回しパターンの間にダミーパターンが配置されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載のタッチセンサ。
【請求項6】
光を通過させるための窓部及び前記窓部の周囲にある遮光性の額縁部を有する窓形成部材と、
前記窓形成部材と重ねられる透明な基体シート、前記額縁部から前記窓部の一部にまではみ出した部分に対向する前記基体シートの配線領域に遮光性の導電性材料で形成されている引回しパターン、及び前記配線領域の内側にある前記基体シートのセンサ領域に透明の導電性材料で形成されている透明電極パターンを有するフィルムセンサ部材と、
前記引回しパターンよりも前記窓形成部材の側に配置され、前記窓部から入射して前記引回しパターンで前記窓部に向かって反射される光を遮光する偏光特性を持つ第1偏光部材と、
前記フィルムセンサ部材に対して前記窓形成部材の反対側に配置されている液晶パネルと、
前記液晶パネルと前記第1偏光部材との間に配置され、前記液晶パネルから出射される光が前記第1偏光部材を通過するように前記液晶パネルから出射される光を偏光する第2偏光部材と
を備える、ディスプレイ装置。
【請求項7】
光を通過させるための窓部及び前記窓部の周囲にある遮光性の額縁部を有する窓形成部材と、
前記窓形成部材と重ねられる基体シート、前記額縁部から前記窓部の一部にまではみ出した部分に対向する前記基体シートの配線領域に遮光性の導電性材料で形成されている引回しパターン、及び前記配線領域の内側にある前記基体シートのセンサ領域に透明の導電性材料で形成されている透明電極パターンを有するフィルムセンサ部材と、
前記引回しパターンよりも前記窓形成部材の側に配置され、前記窓部から入射して前記引回しパターンで前記窓部に向かって反射される光を遮光する偏光特性を持つ偏光部材と、
前記フィルムセンサ部材に対して前記窓形成部材の反対側に配置され、非偏光光を使って表示する表示パネルと
を備え、
前記基体シートは、4分の1波長の位相ずれを発生させるλ/4位相差フィルム又は光学等方性フィルムからなる、ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサ及びディスプレイ装置、特に液晶パネルなどの表示パネルとともに用いられるタッチセンサ及び液晶パネルなどの表示パネルを備えるディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶パネルなどの表示パネルとタッチセンサとを重ねられているタッチスクリーン或いはタッチパネルなどと呼ばれる入力装置が知られている。このようなタッチスクリーンでは、表示パネルによって映し出される画像の上に指などを置くことで画像を確認しながら入力することができる。例えば、特許文献1(特開2011−81810号公報)には、液晶パネルを備える静電容量式のタッチパネルが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−81810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、タッチスクリーンなどの入力装置では、液晶パネルなどの表示パネルとタッチセンサとを収納して保護するために、表示パネルやタッチセンサの周囲がフレーム部材で囲まれている。フレーム部材などが表示パネルやタッチセンサなどの上に覆いかぶさるため、表示パネルの全体の面積に対して画像を表示できる面積の方が小さくなる。そのため、このような入力装置においては、装置を小型化したいという要求から、画像が表示される表示画面(窓部)を広げる一方で表示画面の周囲の額縁部を狭くすることが求められることがある。
しかし、タッチセンサには、センシングのための信号を伝達するための配線が必要になり、画像が表示される窓部の周囲の額縁部と重なる領域を使って配線がなされることから額縁部を狭くする上での障害になっている。
【0005】
本発明の課題は、タッチセンサ及びディスプレイ装置において、画像の表示に用いられる窓部の周囲に配置され、画像の表示に用いることのできない額縁部を狭くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係るタッチセンサは、画像から出る光を通過させるための窓部及び窓部の周囲にある遮光性の額縁部を有する窓形成部材と、窓形成部材と重ねられる透明な基体シート、額縁部から窓部の一部にまではみ出した部分に対向する基体シートの配線領域に遮光性の導電性材料で形成されている引回しパターン、及び配線領域の内側にある基体シートのセンサ領域に透明の導電性材料で形成されている透明電極パターンを有するフィルムセンサ部材と、引回しパターンよりも窓形成部材の側に配置され、窓部から入射して引回しパターンで窓部に向かって反射される光を遮光する偏光特性を持つ偏光部材とを備える、ものである。
【0007】
このように構成されたタッチセンサでは、窓部の一部にまではみ出した部分に引回しパターンが形成されているため、このはみ出した部分の幅と窓形成部材の額縁部の幅とを使って引回しパターンを形成できるので、窓形成部材の額縁部の幅を狭くすることができる。その一方で、従来から窓部の周囲には画像表示に用いられない領域があったことからこの領域までは引回しパターンがはみ出しても画像表示領域を狭めなくても済むため、画像表示領域を従来と同じに保つときは、タッチセンサを小型化することができる。そして、窓部の一部にまで引回しパターンがはみ出しても、偏光部材によって引回しパターンの反射光が遮光され、引回しパターンがはみ出したことによって見栄えが悪くなるのを防ぐことができる。
【0008】
偏光部材は、窓形成部材の側に配置され、直線偏光を通過させる直線偏光フィルムと、直線偏光フィルムに対して引回しパターンの側に配置され、4分の1波長の位相ずれを発生させるλ/4位相差フィルムとを含むものであってもよい。このように構成されることにより、引回しパターンで反射された光が再びλ/4位相差フィルムを通過すると、引回しパターンでの反射光は、直線偏光フィルムに到達したときには直線偏光フィルムで遮光される向きの直線偏光になって遮光される。
【0009】
基体シートは、窓形成部材の側に配置されている一方主面と一方主面の反対側に配置されている他方主面とを有するλ/4位相差フィルムからなり、引回しパターンは、λ/4位相差フィルムの他方主面に形成されていてもよい。このように構成されることにより、基体シートを他方主面側に通過して引回しパターンで反射した光は、再び基体シートを通過することで直線偏光フィルムに到達したときには直線偏光フィルムで遮光される向きの直線偏光になって遮光される。
【0010】
基体シートは、窓形成部材の側に配置されている一方主面と一方主面の反対側に配置されている他方主面とを有する光学等方性フィルムからなり、引回しパターンは、光学等方性フィルムの他方主面に形成されていてもよい。このように構成されることにより、引回しパターンで反射される光の位相が基体シートを通過することによってずれを生じないため、基体シートの他方主面に引回しパターンが形成されても偏光部材による遮光を十分に発揮させることができる。
【0011】
フィルムセンサ部材は、基体シートの配線領域が額縁部に対向する額縁対向領域と窓部に対向する窓部対向領域とを有し、引回しパターンの少なくとも一部が窓部対向領域の配線幅が額縁対向領域の配線幅以上になるようにパターニングされているか又は前記引回しパターンの間にダミーパターンが配置されていてもよい。このように構成されることにより、窓部対向領域にはみ出して引回しパターン又はダミーパターンの形成されている部分の占有面積を大きくして引回しパターンの間隙を小さくすることにより、窓部対向領域にはみ出した引回しパターンを目立たなくすることができる。
【0012】
本発明の一見地に係るディスプレイ装置は、光を通過させるための窓部及び窓部の周囲にある遮光性の額縁部を有する窓形成部材と、窓形成部材と重ねられる透明な基体シート、額縁部から窓部の一部にまではみ出した部分に対向する基体シートの配線領域に遮光性の導電性材料で形成されている引回しパターン、及び配線領域の内側にある基体シートのセンサ領域に透明の導電性材料で形成されている透明電極パターンを有するフィルムセンサ部材と、引回しパターンよりも窓形成部材の側に配置され、窓部から入射して引回しパターンで窓部に向かって反射される光を遮光する偏光特性を持つ第1偏光部材と、フィルムセンサ部材に対して窓形成部材の反対側に配置されている液晶パネルと、液晶パネルと第1偏光部材との間に配置され、液晶パネルから出射される光が第1偏光部材を通過するように液晶パネルから出射される光を偏光する第2偏光部材とを備える、ものである。
このように構成されたディスプレイ装置では、第1偏光部材によって引回しパターンの反射光が遮光され、引回しパターンがはみ出したことによって見栄えが悪くなるのを防ぐことができる。その一方で、液晶パネルから出射される光が第1偏光部材によって遮光されるのを第2偏光部材で防ぐことができ、液晶パネルを用いても窓部の一部にまではみ出した部分に引回しパターンを形成して窓形成部材の額縁部の幅を狭くし、ディスプレイ装置の小型化を図ることができる。
【0013】
本発明の他の見地に係るディスプレイ装置は、光を通過させるための窓部及び窓部の周囲にある遮光性の額縁部を有する窓形成部材と、窓形成部材と重ねられる基体シート、額縁部から窓部の一部にまではみ出した部分に対向する基体シートの配線領域に遮光性の導電性材料で形成されている引回しパターン、及び配線領域の内側にある基体シートのセンサ領域に透明の導電性材料で形成されている透明電極パターンを有するフィルムセンサ部材と、引回しパターンよりも窓形成部材の側に配置され、窓部から入射して引回しパターンで窓部に向かって反射される光を遮光する偏光特性を持つ偏光部材と、フィルムセンサ部材に対して窓形成部材の反対側に配置され、非偏光光を使って表示する表示パネルとを備え、基体シートは、4分の1波長の位相ずれを発生させるλ/4位相差フィルム又は光学等方性フィルムからなる、ものである。
このように構成されたディスプレイ装置では、偏光部材によって引回しパターンの反射光が遮光され、引回しパターンがはみ出したことによって見栄えが悪くなるのを防ぐことができる。その一方で、表示パネルから出射される非偏光光が基体シートで悪影響を受けることはなく、非偏光光を出す表示パネルを用いても窓部の一部にまではみ出した部分に引回しパターンを形成して窓形成部材の額縁部の幅を狭くし、ディスプレイ装置の小型化を図ることができる。それと同時に、表示パネルの上に形成されるパターンでの反射光を偏光部材によって遮光することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、窓部の一部にまではみ出した部分に対向する配線領域に引回しパターンを形成することで、画像の表示に用いられる窓部の周囲に配置され、画像の表示に用いることのできない額縁部を狭くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係るディスプレイ装置の構成の概要を示す分解斜視図。
図2】フィルムセンサ部材のパターンを説明するための平面図。
図3】加飾層とフィルムセンサ部材のパターンとの関係を説明するための平面図。
図4】フィルムセンサ部材のパターンを説明するための底面図。
図5】フィルムセンサ部材の構成を説明するための模式的な断面図。
図6】(a)従来のフィルムセンサ部材の構成を説明するための模式的な断面図、(b)図6(a)と比較される第1実施形態のフィルムセンサ部材の模式的な断面図。
図7】第2実施形態に係るディスプレイ装置の構成の概要を示す分解断面図。
図8】第3実施形態に係るディスプレイ装置の構成の概要を示す分解断面図。
図9】第4実施形態に係るディスプレイ装置の構成の概要を示す分解断面図。
図10】変形例2に係るディスプレイ装置の構成の概要を示す分解断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
(1)ディスプレイ装置の構成の概要
図1は本発明の第1実施形態に係るディスプレイ装置の構成の概要を示す分解斜視図である。図1に示されているディスプレイ装置10は、フレーム部材20とカバーガラス30とフィルムセンサ部材40と偏光部材50と液晶パネル60とを備えている。なお、通常、ディスプレイ装置10は、フレーム部材20と嵌合されて筐体を構成する裏蓋(図示せず)など他の部材を備えるが、ここでは主に発明の説明に必要な構成部材を記載している。
フレーム部材20の内部にカバーガラス30と偏光部材50とフィルムセンサ部材40と液晶パネル60が順に図1に示されているように嵌め込まれる。この第1実施形態において、タッチセンサ15の構成部材には、少なくともカバーガラス30と偏光部材50とフィルムセンサ部材40が含まれる。
【0017】
(2)各部の構成
(2−1)フレーム部材20
フレーム部材20は、光を通過させるために長方形状に開口されている開口部21と、上部に形成されて開口部21の周囲を取り巻く環状の周縁部22と、周縁部22から下に延びる周壁23とを有している。フレーム部材20は、通常、金属や樹脂などの光を通さない材質で形成される。
【0018】
(2−2)カバーガラス30
カバーガラス30は、内部の構造を保護するための長方形の板ガラス32を含んでおり、開口部21よりも少し大きい形状を有している。カバーガラス30は、周壁23の内壁よりも小さいので周壁23の内部に嵌り込む。通常ガラスは光学等方性を有するため、板ガラス32には例えばソーダガラスなど一般に多用されている材質のものを用いて差し支えない。
カバーガラス30の周囲には、枠状の加飾層31が形成されている。この枠状の加飾層31は、例えばスクリーン印刷によって形成されており、意匠印刷部と言い換えることもできる。この加飾層31は、加飾層31の下から入射する光を遮断する機能を持っている。このような加飾層31は、例えば、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂及びアルキド樹脂などから選択される樹脂をバインダとして、適切な色の顔料又は染料を着色剤として含有する着色インキを用いて形成される。
【0019】
(2−3)フィルムセンサ部材40
フィルムセンサ部材40は、主に、基体シート41と透明導電膜42と遮光性導電膜43と防錆機能層44からなる(図5参照)。
基体シート41は、単層のλ/4位相差フィルムからなる透明なシートである。λ/4位相差フィルムを得るには、例えば、光弾性定数が70×10−12Pa−1以下である高分子フィルムを一軸延伸する(又は逐次或いは同時に二軸延伸する)ことにより、高分子フィルム自身をλ/4位相差フィルムとする方法や、光弾性定数が70×10−12Pa−1以下である高分子フィルム上に化合物の層(例えば高分子液晶からなる層)を設けて化合物の層と高分子フィルムとを組み合わせてλ/4位相差フィルムとする方法がある。λ/4位相差フィルムは、透過する光に対してλ/4の位相差を与えることのできる透明なフィルムである。理想的には、λ/4の位相差を与えるとは、可視光線領域の全ての波長に対して、λ/4の位相差を与えるという意味になると考えられる。しかしここでλ/4の位相差を与えるとは、所望の波長、例えば波長550nmの光にλ/4の位相差を与えるという意味であり、他の波長の光に対しては実用上問題のない範囲で波長550nm(所望の波長)の光に与えられる位相差からずれることも許容する。そして、波長550nmにおける基体シート41のリタデーション値(Δnd:屈折率差×フィルム厚さ)は、125〜150nmであることが好ましく、131〜145nmであることがより好ましい。
図2には、フレキシブル配線基板70が取り付けられたフィルムセンサ部材40の平面状態が模式的に示されている。図2に示されているように、基体シート41には、センサ領域Ar1と配線領域Ar2とがある。センサ領域Ar1には透明導電膜42による透明電極パターンP1が配置されており、センサ領域Ar1にユーザの指が作用すると、ユーザによる入力の有無と入力位置とが透明導電膜42を使って検出される。配線領域Ar2には透明導電膜42と遮光性導電膜43とによる引回しパターンP2及び端子パターンP3が配置されており、フィルムセンサ部材40は端子パターンP3を介してフレキシブル配線基板70に接続される。これらセンサ領域Ar1と配線領域Ar2の境界が境界線B1になる。
次に、図1図3とを比較しながら、加飾層31とセンサ領域Ar1及び配線領域Ar2との位置関係を説明する。この第1実施形態においては、加飾層31の形成されている領域が額縁部に対応し、加飾層31の最内周の内側が窓部に対応する。加飾層31の最内周をフィルムセンサ部材40に投影したものが、境界線B2になる。従って、境界線B2の内側にある図1の領域Ar3が窓部に対向する領域であり、境界線B2の外側にある図1の領域Ar4が額縁部に対向する領域である。図1を見ると分かるように、窓部に対向する領域Ar3にまで配線領域Ar2に属する引回しパターンP2がはみ出して形成されている。図3には、カバーガラス30の下にフィルムセンサ部材40を重ねて、カバーガラス30の上からフィルムセンサ部材40を見た状態が示されている。図3を見ると、加飾層31の最内周よりも引回しパターンP2がはみ出している様子がよく分かる。言い換えると、透明電極パターンP1と引回しパターンP2の境界が窓部の中に入り込んでいることになる。このように引回しパターンP2が額縁部に対向する領域Ar4から窓部に対向する領域Ar4の一部にまではみ出した部分に配置されていることについての効果などについては後ほど詳細に説明する。
【0020】
透明導電膜42は、例えばインジウムスズ酸化物、亜鉛酸化物などの金属酸化物などの透明で導電性を有する材料で形成できる。金属酸化物で透明導電膜42を形成するときには、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法及び鍍金法などを用いることができる。透明導電膜42は、例えば厚みが数十nmから数百nm程度である。透明導電膜42は、光線透過率が80%以上であることが好ましく、表面抵抗値が数mΩから数百Ωの範囲内の所定の値を示すことが好ましい。
遮光性導電膜43は、例えば、導電率が高くかつ遮光性のある単一金属又は合金からなる金属膜や化合物からなる導電層で形成できる。遮光性導電膜43を形成するための好ましい金属としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、銀及び錫が挙げられる。特に銅箔からなる厚み20nm〜1000nmの金属膜は、導電性及び遮光性に優れている。透明導電膜42と遮光性導電膜43は、例えば、第1エッチング液で両方がエッチングされるが、第2エッチング液では遮光性導電膜43のみがエッチングされるような材料構成にすると製造が容易になる。銅箔を遮光性導電膜43として用いるときは、例えば、塩化第二鉄を第1エッチング液として用いて銅箔と共に透明導電膜42をエッチングし、酸性雰囲気下で過酸化水素水を用いて銅箔のみをエッチングして透明導電膜42がエッチングされずに残るようにすることができる。このように用いる場合の銅箔の厚みは,例えば30nm以上であり、好ましくは100nm〜500nmである。銅箔を用いた遮光性導電膜43を100nm以上の厚みに設定することで高い導電性が得られ、500nm以下に設定することで取り扱いやすくかつ加工性に優れたものが得られる。
図4には、フィルムセンサ部材40の下面の回路パターンが示されている。フィルムセンサ部材40の表側の透明電極パターンP1が例えばX方向電極とすると、下面側の透明電極パターンP4はY方向電極になる。これら透明電極パターンP1,P4は、互いに直交する方向に延びており、両者を一つの平面に重ねると格子を形作るように配置されている。そのため、ユーザの指等がカバーガラス30に触れると、その指等の近傍の透明電極パターンP1,P4との間でそれぞれコンデンサが形成される。このコンデンサの形成によって、XY座標上の指等の近傍の透明電極パターンP1,P4の静電容量が増大する。タッチセンサの位置検出部(図示せず)は、静電容量の変化した或いは静電容量の増大した透明電極パターンP1,P4を特定することで、指等が触れられているXY座標上のポイントを特定する。
【0021】
ところで、図4に示されているように、下面にも、引回しパターンP5及び端子パターンP6が設けられている。引回しパターンP5及び端子パターンP6と引回しパターン2及び端子パターンP3との位置関係については後ほど詳しく説明する。
図5には、タッチセンサ15の断面が模式的に示されている。基体シート41の上(カバーガラス30の側)には、透明電極パターンP1を構成している透明導電膜42が形成され、透明導電膜42の上に透明導電膜42とともに引回しパターン2を構成している遮光性導電膜43が形成されている。そして、基体シート41の上面側のほぼ全体に防錆機能層44が形成され、透明導電膜42及び遮光性導電膜43のうち端子パターンP3を除く部分が防錆機能層44で覆われている。また、基体シート41の下(液晶パネル60の側)には、透明電極パターンP4を構成している透明導電膜42が形成され、透明導電膜42の下に透明導電膜42とともに引回しパターン5を構成している遮光性導電膜43が形成されている。そして、基体シート41の下面側のほぼ全体に防錆機能層44が形成され、透明導電膜42及び遮光性導電膜43のうち端子パターンP6を除く部分が防錆機能層44で覆われている。なお、図5において、領域Ar5が窓部の配置領域に対応し、領域Ar6が額縁部の配置領域に対応している。
透光性の防錆機能層44は、基体シート41の上面及び下面の全面にそれぞれ形成される。透光性の防錆機能層44の材料としては、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系などの熱硬化性樹脂や、ウレタンアクリレート系、シアノアクリレート系などの紫外線硬化型樹脂が挙げられる。防錆機能層44は、グラビア、スクリーン、オフセットなどの汎用の印刷法のほか、各種コーターによる方法、塗装、ディッピングなどの方法により形成することができる。また、透明電極パターンP1,P4および引回しパターンP2,P5を防錆機能層44で被覆するときは、透明電極パターンP1,P4および引回しパターンP2,P5の上面のみではなく、端子パターンP3,P6の周辺部分を除いて、側面をも覆うことが好ましい。
【0022】
(2−4)偏光部材50
偏光部材50は、図5に示されているように、直線偏光フィルム51とλ/4位相差フィルム52とを、カバーガラス30の側から順に重ねて構成されている。λ/4位相差フィルム52には、例えば上述の基体シート41と同様のλ/4位相差フィルムを用いることができる。直線偏光フィルム51には、例えば、ポリビニルアルコールに、ヨウ素又は染料などの二色性色素を添加して延伸し、表裏両面にトリアセチルセルロースのようなセルロース系の保護膜を被覆した可撓性のある偏光フィルムを用いることができる。そのような直線偏光フィルム51としては、例えば、日東電工株式会社製の「HEG1425DU」が挙げられる。
【0023】
(2−5)液晶パネル60
液晶パネル60では液晶を使って表示が行われるため、液晶パネル60からカバーガラス30の方に向けて出射される光は直線偏光である。そのため、λ/4位相差フィルムで構成されている基体シート41と偏光部材50のλ/4位相差フィルム52を透過することで、直線偏光のまま直線偏光フィルム51に入射する。このとき、直線偏光の振動方向が直線偏光フィルム51を通過する方向にあわせてあれば、液晶パネル60から出射された光は偏光部材50を通過することができる。
【0024】
(3)狭額縁化の説明
図6(a)は、従来の引回しパターンの配置を説明するための模式的な断面図であり、図6(b)は、図5のタッチセンサ15の引回しパターンの配置を説明するための模式的な断面図である。図6(a)及び図6(b)においては、基体シートの上に形成されている引回しパターンを説明するため、基体シートの下に形成されている引回しパターンや透明電極パターンや防錆機能層などの説明に用いられない構成は、図示が省略されている。以下の説明では、ユーザがカバーガラス30の上方からカバーガラス30の下方にある液晶パネル60を見ている状態を想定している。
まず、液晶パネル60には、液晶画像が表示されるディスプレイ表示部61と、ディスプレイ表示部61の周囲に形成されているディスプレイ遮光部62がある。例えば、液晶によって表示される画像のコントラストを上げるために、ディスプレイ表示部61からはバックライトなどによって光がカバーガラス30の方に向かって放射されている。ディスプレイ遮光部62は、液晶パネル60から放射される光のうちの周縁部からの光が漏れないように遮光されている部分である。
ディスプレイ装置10は、カバーガラス30から液晶パネル60までの厚みが薄いことから、液晶パネル60の上面に対して垂直方向から少しずれた斜め方向に光が出ても、引回しパターンの配置位置による影響が垂直方向に出る光とほぼ同じになるとみなすことができる。そこで、以下においては、説明を分かりやすくするために液晶パネル60の上面に対して垂直に放射される光LL1について行う。
また、従来のディスプレイ装置100も、ディスプレイ装置10と同じ液晶パネル60を備え、ディスプレイ表示部61の大きさも同じものとして説明する。
ディスプレイ表示部61とディスプレイ遮光部62の境界線bb1の光がユーザに見えるようにするために、境界線bb1の内側には遮光するような部材は配置されない。境界線bb1の近傍の遮光性の部材の配置位置と境界線bb1との間には、部材の大きさのばらつきなどを考慮して、境界線bb1の外側にマージンMM1が設けられる。
【0025】
そこで、ディスプレイ装置10では、境界線bb1と引回しパターンP2の最内周位置との間にマージンMM1が設けられる。一方、従来のディスプレイ装置100では、境界線bb1と加飾層131の最内周位置との間にマージンMM1が設けられる。つまり、境界線bb1の外側に設けるマージンMM1が同じであれば、ディスプレイ装置10の引回しパターンP2の最内周位置を従来のディスプレイ装置100の加飾層131の最内周位置つまり境界線bb2のところまで内側に寄せて配置できるということである。
次に、従来のディスプレイ装置100においては、引回しパターンP102が加飾層131の外側に配置されており、引回しパターンP102の最内周位置と境界線bb2との間にマージンMM2が設けられる。それに対し、ディスプレイ装置10においては、加飾層31が引回しパターンP2の外側に配置されており、加飾層31の最内周位置と境界線bb2との間にマージンMM2が設けられる。
本願のディスプレイ装置10に従来のディスプレイ装置100と同じようなセンサ機能を持たせることを考えると、ディスプレイ装置10,100の引回しパターンP2,P102の配線に必要な配線領域幅L1はほぼ同じになる。そのため、ディスプレイ装置10の引回しパターンP2の最外周位置とディスプレイ装置100の最外周位置とを比較すると引回しパターンP2の方が内側にあってその差ΔLは、マージンMM2とほぼ同じになる。基体シート41,141の両側に引回しパターンP2,P102が配置されるとすると、ディスプレイ装置10の基体シート41の長さL2は従来のディスプレイ装置100の基体シート141の長さL3よりもマージンMM2の2倍の長さだけ短く設計すること(L3−L2=MM2×2)が可能になる。その結果、カバーガラス30,130の大きさと基体シート41,141の大きさとの間に同じ大きさのマージンMM3を持たせるとすると、ディスプレイ装置10のカバーガラス30の大きさが従来のディスプレイ装置100のカバーガラス130の大きさよりもMM2×2だけ小さくすることができ、ディスプレイ装置10が従来のディスプレイ装置100よりも小型化できる。
【0026】
(4)引回しパターンの遮光
上述のように、ディスプレイ装置10が従来のディスプレイ装置100よりも小型化できる反面、引回しパターン1が窓部、つまり加飾層31の最内周位置よりも内側にはみ出してしまう。そのため、引回しパターン1には、外部からカバーガラス30の窓部を透過して入射する光が当たってしまう。
このようにカバーガラス30の外部から引回しパターンP2に入射する光LL2(図5参照)は、まず、直線偏光フィルム51を通過して直線偏光になり、次にλ/4位相差フィルム52を通過して円偏光になる。次に、引回しパターンP2で反射された円偏光は、再びλ/4位相差フィルム52を通過して直線偏光になる。再びλ/4位相差フィルム52を通過した直線偏光の振動方向が、直線偏光フィルム51を通過する光の振動方向に対して直交する向きになっているため、再びλ/4位相差フィルム52を通過した直線偏光は、直線偏光フィルム51で遮光されてカバーガラス30の方には出射されない。そのため、加飾層31を黒くしておけば、引回しパターンP2が存在する部分も黒くなるので、加飾層31と引回しパターンP2の境界が目立たなくなる。
このような引回しパターンP2の遮光によって引回しパターンP2のはみ出し部分を目立たなくするための工夫がなされている。つまり、図1に示されているように、引回しパターンP2は、窓部に対向している領域Ar3にはみ出し部分P2aの配線幅が、額縁部に対向している領域Ar4にある部分P2bの配線幅以上の太さになるように形成されている。また、透明電極パターンP1又は端子パターンP3に接続されていないダミーパターンDPが窓部に対向している領域Ar3に形成されている。ダミーパターンDPの構造は、引回しパターンP2と同様である。それにより、窓部に対向している領域Ar3における遮光性のパターンの隙間を小さくしている。引回しパターンP2同士の隙間又はダミーパターンDPと引回しパターンP2との間の隙間は、隙間を目立たせないために、40μm以下が好ましい。
【0027】
<第2実施形態>
(5)ディスプレイ装置の構成の概要
次に、本発明の第2実施形態に係るディスプレイ装置の構成について、図7を用いて説明する。図7に示されている第2実施形態のディスプレイ装置10Aは、第1実施形態のディスプレイ装置10と異なり、例えば有機エレクトロルミネッセンス(以下有機ELという)などの自然光を使った表示パネル60Aを備えている。ディスプレイ装置10Aは、液晶パネル60に代えて表示パネル60Aを備えるために、第1実施形態のディスプレイ装置10に比べてλ/4位相差フィルムの数が一つ少なくなっている。なお、この第2実施形態において、タッチセンサ15Aの構成部材には、少なくともカバーガラス30と偏光部材50Aとフィルムセンサ部材40Aが含まれる。
すなわち、第2実施形態のディスプレイ装置10Aは、上から順に配置されている、カバーガラス30、直線偏光フィルムで構成されている偏光部材50A、フィルムセンサ部材40A及び表示パネル60Aを備えている。これらのうち、カバーガラス30については、ディスプレイ装置10,10Aとも同じであるため、カバーガラス30についての説明を省略する。なお、図7と後述の図8及び図9において、領域Ar5が窓部の配置領域に対応し、領域Ar6が額縁部の配置領域に対応している。
ディスプレイ装置10Aの偏光部材50Aは、ディスプレイ装置10の偏光部材50を構成している直線偏光フィルム51とλ/4位相差フィルム52からλ/4位相差フィルム52を除いたものと同じになる。
表示パネル60Aから出射される光が自然光(非偏光光)は、液晶パネル60から出射される偏光光とは異なり、λ/4位相差フィルムである基体シート41Aを通過しても円偏光にはならないので、基体シート41Aの前後のいずれかにλ/4位相差フィルムを設ける必要がない。
【0028】
第2実施形態のフィルムセンサ部材40Aにおいては、第1実施形態のフィルムセンサ部材40の基体シート41の上面の引回しパターンP2及び下面の引回しパターンP5と同様に基体シート41Aの上面の引回しパターンP2A及び下面の引回しパターンP5Aを有している。第2実施形態のフィルムセンサ部材40Aは、フィルムセンサ部材40とは異なり、下面側の引回しパターンP5Aが窓部の領域Ar5の一部にまではみ出している構成になっている。一方、フィルムセンサ部材40Aの上面の引回しパターンP2Aは額縁部の領域Ar6に対向する領域内に収まるように配置されている。第2実施形態のフィルムセンサ部材40Aと第1実施形態のフィルムセンサ部材40とは例えば上下を反転させれば同じような構成になる。つまり、上下いずれの引回しパターンをはみ出させて配線するかの違いだけで、それ以外は第2実施形態のフィルムセンサ部材40Aと第1実施形態のフィルムセンサ部材40とは同じ構成にすることができる。
基体シート41Aの下面側の引回しパターンP5Aがはみ出しているが、このはみ出した部分にカバーガラス30の側から入射する光は、直線偏光フィルムからなる偏光部材50Aとλ/4位相差フィルムである基体シート41Aを通過するので、偏光部材50Aと基体シート41Aとによって遮光される。
【0029】
<第3実施形態>
(6)ディスプレイ装置の構成の概要
次に、本発明の第3実施形態に係るディスプレイ装置の構成について、図8を用いて説明する。図8に示されている第3実施形態のディスプレイ装置10Bは、第2実施形態のディスプレイ装置10Aと同様に、有機ELなどの自然光を使った表示パネル60Aを備えている。第3実施形態のディスプレイ装置10Bは、偏光部材50Aに代えて第1実施形態のディスプレイ装置10と同様の偏光部材50を備えている。そのために、第3実施形態のディスプレイ装置10Bは、基体シート41Bが第2実施形態の基体シート41と異なっている。なお、この第3実施形態において、タッチセンサ15Bの構成部材には、少なくともカバーガラス30と偏光部材50とフィルムセンサ部材40Bが含まれる。
すなわち、第3実施形態のディスプレイ装置10Bは、上から順に配置されている、カバーガラス30、偏光部材50、フィルムセンサ部材40B及び表示パネル60Aを備えている。これらのうち、カバーガラス30及び表示パネル60Aについては、ディスプレイ装置10A,10Bがともに同じであり、偏光部材50については、ディスプレイ装置10,10Bがともに同じであるため、それらについての説明を省略する。
【0030】
第3実施形態のフィルムセンサ部材40Bは、第2実施形態のフィルムセンサ部材40Aとは異なり、基体シート41Bが光学等方性フィルムで形成されている。フィルムセンサ部材40Bのうちのそれ以外の構成は、フィルムセンサ部材40Aと同様である。光学等方性フィルムとしては、例えばリタデーション値が30nm以下のポリカーボネート系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリルサルフォン等のポリサルフォン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルローストリアセテート等のアセテート系樹脂、ポリアリレート系樹脂等のフィルムが挙げられる。これらの材質で構成される基体シート41Bは、例えば厚さが10〜200μmになる。
第3実施形態のフィルムセンサ部材40Bにおいては、第1実施形態のフィルムセンサ部材40の基体シート41の上面の引回しパターンP2及び下面の引回しパターンP5と同様に基体シート41Bの上面の引回しパターンP2B及び下面の引回しパターンP5Bを有している。そして、第3実施形態のフィルムセンサ部材40Bにおいて窓部の領域Ar5にはみ出しているのは、第1実施形態のフィルムセンサ部材40と同様に、基体シート41Bの上面に形成されている引回しパターンP2Bである。第1実施形態のディスプレイ装置10と同様に第3実施形態のディスプレイ装置10Bにおいても、引回しパターンP2Bのうちのはみ出している部分での反射光が偏光部材50で遮光される。そして、第3実施形態のフィルムセンサ部材40Bでは、基体シート41Bが光学等方性フィルムであるから、表示パネル60Aから出射された自然光が基体シート41Bと偏光部材50とを透過しても偏光に起因する不具合は発生しない。
【0031】
<第4実施形態>
(7)ディスプレイ装置の構成の概要
次に、本発明の第4実施形態に係るディスプレイ装置の構成について、図9を用いて説明する。図9に示されている第4実施形態のディスプレイ装置10Cは、第2実施形態のディスプレイ装置10Aと同様に、有機ELなどの自然光を使った表示パネル60Aを備えている。第4実施形態のディスプレイ装置10Cは、第2実施形態のディスプレイ装置10Aの偏光部材50Aに代えて第1実施形態のディスプレイ装置10と同様の偏光部材50を備えている。そのために、第4実施形態のディスプレイ装置10Cは、基体シート41Cが第2実施形態の基体シート41と異なっている。なお、この第4実施形態において、タッチセンサ15Cの構成部材には、少なくともカバーガラス30と偏光部材50とフィルムセンサ部材40Cが含まれる。
すなわち、第4実施形態のディスプレイ装置10Cは、上から順に配置されている、カバーガラス30、偏光部材50、フィルムセンサ部材40C及び表示パネル60Aを備えている。これらのうち、カバーガラス30及び表示パネル60Aについては、ディスプレイ装置10A,10Cがともに同じであり、偏光部材50については、ディスプレイ装置10,10Cがともに同じであるため、それらについての説明を省略する。
【0032】
第4実施形態のフィルムセンサ部材40Cは、第2実施形態のフィルムセンサ部材40Aとは異なり、基体シート41Cが光学等方性フィルムで形成されている。第4実施形態のフィルムセンサ部材40Cにおいては、第2実施形態のフィルムセンサ部材40Aの基体シート41Aの上面の引回しパターンP2A及び下面の引回しパターンP5Aと同様に基体シート41Cの上面の引回しパターンP2C及び下面の引回しパターンP5Cを有している。そして、第4実施形態のフィルムセンサ部材40Cにおいては、第2実施形態のフィルムセンサ部材40Aと同様に、窓部の領域Ar5にはみ出しているのは基体シート41Cの下面に形成されている引回しパターンP5Cである。第1実施形態のディスプレイ装置10と同様に第4実施形態のディスプレイ装置10Cにおいても、引回しパターンP5Cのうちのはみ出している部分での反射光が偏光部材50で遮光される。このように偏光部材50による遮光が可能な理由は、反射光が、光学等方性フィルムからなる基体シート41Cで偏光を受けずに透過するからである。
【0033】
(8)特徴
(8−1)
上述の第1実施形態乃至第4実施形態においては、領域Ar6にカバーガラス30(窓形成部材の例)の加飾層31が形成され、加飾層31が遮光性の額縁部として機能している。加飾層31の内側の領域Ar5を画像から出る光が通過し、カバーガラス30の領域Ar5が窓部として機能している。基体シート41の配線領域Ar2は、加飾層31から領域Ar5の一部にまではみ出した部分に対向している。フィルムセンサ部材40,40A,40B,40Cは、このような配線領域Ar2に、引回しパターンP2,P5A,P2B,P5Cを有している。領域Ar5の一部にまではみ出した部分に引回しパターンP2,P5A,P2B,P5Cが形成されているため、このはみ出した部分の幅と加飾層31の幅とを使って引回しパターンP2,P5A,P2B,P5Cを形成できるので、加飾層31の幅を狭くすることができる。
図6(a)に示されているように、従来から窓部の周囲には画像表示に用いられない加飾層131があったことからこの領域までは引回しパターンP2,P5A,P2B,P5Cがはみ出しても画像表示領域を狭めなくても済むため、画像表示領域を従来と同じに保つときは、タッチセンサを小型化することができる。
そして、領域Ar5の一部にまで引回しパターンP2,P5A,P2B,P5Cがはみ出しても、偏光部材50,50Aによって引回しパターンP2,P5A,P2B,P5Cの反射光が遮光されて黒くなる。一般に、加飾層31は黒色であり、またディスプレイ遮光部62も遮光により黒くなり、加飾層31とディスプレイ遮光部62と引回しパターンP2,P5A,P2B,P5Cのはみ出し部分とが同じ黒色になるため、引回しパターンP2,P5A,P2B,P5Cがはみ出したことによって見栄えが悪くなるのを防ぐことができる。
第1実施形態、第3実施形態及び第4実施形態の偏光部材50は、カバーガラス30の側に配置され、直線偏光を通過させる直線偏光フィルム51と、直線偏光フィルム51に対して引回しパターンP2,P2B,P5Cの側に配置され、4分の1波長の位相ずれを発生させるλ/4位相差フィルムとを含むものである。この場合、引回しパターンP2,P2B,P5Cで反射された光が再びλ/4位相差フィルム52を通過すると、引回しパターンP2,P2B,P5Cでの反射光は、直線偏光フィルム51に到達したときには直線偏光フィルム51で遮光される向きの直線偏光になって遮光される。
【0034】
(8−2)
第2実施形態の基体シート41Aは、カバーガラス30の側に配置されている上面(一方主面の例)と上面の反対側に配置されている下面(他方主面の例)とを有するλ/4位相差フィルムからなっている。引回しパターンP5Aは、λ/4位相差フィルムからなる基体シート41Aの下面に形成されていている。そのため、この基体シート41Aを下面側に通過して引回しパターンP5Aで反射した光は、再び基体シート41Aを通過することで直線偏光フィルム51に到達したときには直線偏光フィルム51で遮光される向きの直線偏光になって遮光される。
【0035】
(8−3)
第4実施形態の基体シート41Cは、カバーガラス30の側に配置されている上面(一方主面の例)と上面の反対側に配置されている下面(他方主面の例)とを有する光学等方性フィルムからなるっている。引回しパターンP5Cは、光学等方性フィルムからなる基体シート41Cの下面に形成されている。この引回しパターンP5Cで反射される光の位相が基体シート41Cを通過することによって位相にずれを生じないため、基体シート41Cの下面に引回しパターンP5Cが形成されても偏光部材50による遮光を十分に発揮させることができる。
【0036】
(8−4)
第1実施形態のフィルムセンサ部材40において説明したように、基体シート41の配線領域Ar2が額縁部に対向する額縁対向領域Ar2aと窓部に対向する窓部対向領域Ar2bとを有している(図2参照)。引回しパターンP2の少なくとも一部が窓部対向領域Ar2bの配線幅が額縁対向領域Ar2aの配線幅以上なるようにパターニングされていている。このように構成されることにより、窓部対向領域にはみ出して引回しパターンP2の形成されている部分の占有面積を大きくして引回しパターンP2の間隙を小さくすることにより、窓部対向領域Ar2bにはみ出した引回しパターンP2を目立たなくすることができる。同様のことは、図1に示されているダミーパターンDPを窓部対向領域Ar2bにはみ出した引回しパターンP2の間に配置することによっても行うことができる。
【0037】
(8−5)
第1実施形態に係るディスプレイ装置10では、偏光部材50(第1偏光部材の例)によって引回しパターンP2の反射光が遮光され、引回しパターンP2が窓部対向領域Ar2bにはみ出したことによって見栄えが悪くなるのを防ぐことができる。その一方で、液晶パネル60から出射される光が偏光部材50によって遮光されるのを基体シート41(第2偏光部材の例)で防ぐことができ、液晶パネル60を用いても窓部の一部にまではみ出した部分に引回しパターンP2を形成してカバーガラス30の加飾層31の幅を狭くし、ディスプレイ装置10の小型化を図ることができる。なお、第1実施形態では、基体シート41が第2偏光部材の機能を兼ねているので薄くできるので好ましい。しかし、基体シートを光学等方性フィルムで構成して、λ/4位相差フィルムを別に設けることもできる。
【0038】
(8−6)
第2実施形態乃至第4実施形態に係るディスプレイ装置10A,10B,10Cでは、偏光部材50,50Aによって引回しパターンP5A,P2B,P5Cの反射光が遮光され、引回しパターンP5A,P2B,P5Cが領域Ar5にはみ出したことによって見栄えが悪くなるのを防ぐことができる。その一方で、表示パネル60Aから出射される非偏光光が基体シート41A,41B,41Cで悪影響を受けることはなく、非偏光光を出す表示パネル60を用いても窓部(領域Ar5)の一部にまではみ出した部分に引回しパターンP5A,P2B,P5Cを形成して加飾層31の幅を狭くし、ディスプレイ装置10A,10B,10Cの小型化を図ることができる。それと同時に、表示パネル60の上に形成されるパターンでの反射光を偏光部材50又は偏光部材50Aと基体シート41Aによって遮光することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0039】
(9)変形例
(9−1)変形例1
上記第1実施形態乃至第4実施形態では、加飾層31の最内周を額縁部の最内周としたが、フレーム部材20の周縁部22の最内周を額縁部の最内周とすることもできる。この場合には、フレーム部材20が窓形成部材になる。このように、窓形成部材は、カバーガラス30に限られるものではない。
【0040】
(9−2)変形例2
上記第1実施形態では、液晶パネル60を用いる場合に、基体シート41の上面の引回しパターンP2を窓部対向領域Ar2bにはみ出させる場合について説明したが、図10に示されているディスプレイ装置10Dのように、基体シート41Dの下面側の引回しパターンP5Dをはみ出させるように構成することもできる。
図10に示されている基体シート41Dは光学等方性フィルムで構成されている。そして、偏光部材50Dは、カバーガラス30とフィルムセンサ部材40Dとの間に、第1実施形態と同様に直線偏光フィルム51とλ/4位相差フィルム52を備えるだけでなく、液晶パネル60とフィルムセンサ部材40Dとの間にλ/4位相差フィルム53を備えている。このように構成されると、基体シート41Dの下面側の引回しパターンP5Dだけでなく、上面側の引回しパターンP2Dも窓部に対向する領域Ar5にはみ出させることができる。なお、この変形例2において、タッチセンサ15Dの構成部材には、少なくともカバーガラス30と偏光部材50Dとフィルムセンサ部材40Dが含まれる。
【0041】
(9−3)変形例3
上記各実施形態では、両面に引回しパターンP2〜P2C,P4〜P4Cが形成されている場合について説明したが、基体シートの片面のみに引回しパターンが形成されている場合にも本願発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
10,10A,10B,10C,10D ディスプレイ装置
15,15A,15B,15C,15D タッチセンサ
20 フレーム部材
30 カバーガラス
40,40A,40B,40C,40D フィルムセンサ部材
50,50A,50D 偏光部材
60 液晶パネル
60A 表示パネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10