特許第6204738号(P6204738)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204738
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】制御バルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/32 20060101AFI20170914BHJP
   F16K 47/02 20060101ALI20170914BHJP
   F16K 15/06 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   F16K1/32 E
   F16K47/02 D
   F16K47/02 H
   F16K15/06
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-152577(P2013-152577)
(22)【出願日】2013年7月23日
(65)【公開番号】特開2015-21608(P2015-21608A)
(43)【公開日】2015年2月2日
【審査請求日】2016年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】KYB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(74)【代理人】
【識別番号】100137604
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 淳
(72)【発明者】
【氏名】中村 善也
【審査官】 北村 一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−147774(JP,U)
【文献】 特開2009−287609(JP,A)
【文献】 特開2010−090935(JP,A)
【文献】 特開平11−351148(JP,A)
【文献】 実開昭63−049066(JP,U)
【文献】 特開2007−292148(JP,A)
【文献】 実開平04−004575(JP,U)
【文献】 実開昭59−135151(JP,U)
【文献】 特開平11−013815(JP,A)
【文献】 特開昭50−054925(JP,A)
【文献】 実開平02−087178(JP,U)
【文献】 特開2015−021609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00− 1/54
F16K 15/00−15/20
F16K 17/00−17/168
F16K 47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流れを制御する制御バルブであって、
流体が通過するシート部と、
前記シート部に対して移動するポペット弁部と、
前記シート部と前記ポペット弁部との間に画成されるポペット流路と、
前記シート部を通過した流体が導かれる内周面を有するガイドシリンダ部と、
前記ガイドシリンダ部の内周面に摺接して前記ポペット弁部を支持するポペットガイド部と、
前記ガイドシリンダ部の内周面と前記ポペットガイド部の外周面の少なくとも一方に形成される整流スリットと、を備え
前記整流スリットの流路断面積は、前記ポペット流路の最大流路断面積より大きく形成されることを特徴とする制御バルブ。
【請求項2】
前記整流スリットは、前記ポペットガイド部の径方向の開口幅が前記ポペットガイド部の周方向の開口長より小さいことを特徴とする請求項1に記載の制御バルブ。
【請求項3】
前記整流スリットは、前記ポペットガイド部の軸方向の長さが前記シート部の最小開口径より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の制御バルブ。
【請求項4】
前記整流スリットは、複数形成され、前記ポペットガイド部の周方向について均等な間隔に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の制御バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流れを制御する制御バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
高圧燃料ガスの供給源から燃料ガスを取り出して燃料タンクに充填する燃料充填システムにおいて、燃料ガスが通路を高速で流れる場合に、通路に介装された逆止弁等の制御バルブから騒音が発生することがあった。
【0003】
この対処方法として、特許文献1には、弁体の内部にエアダンパを備え、エアダンパが付与する抵抗によって弁体の振動を抑える逆止弁が開示されている。
【0004】
特許文献2には、弁体の軸部に摺接するガイドリングを備え、ガイドリングが付与する摺動抵抗によって弁体の振動を抑える逆止弁が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−99340号公報
【特許文献2】特開2011−80571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の制御バルブにあっては、高圧、大流量のガスが高速で流れる場合に、弁体の下流側に渦流が生じ、ガス流自体から騒音が発生するという問題があった。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、制御バルブの騒音を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、流体の流れを制御する制御バルブであって、流体が通過するシート部と、シート部に対して移動するポペット弁部と、シート部とポペット弁部との間に画成されるポペット流路と、シート部を通過した流体が導かれる内周面を有するガイドシリンダ部と、ガイドシリンダ部の内周面に摺接してポペット弁部を支持するポペットガイド部と、ガイドシリンダ部の内周面とポペットガイド部の外周面の少なくとも一方に形成される整流スリットと、を備え、整流スリットの流路断面積は、ポペット流路の最大流路断面積より大きく形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、シート部とポペット弁部の間を通過するガスの流れに生じる渦流が整流スリットを通過することによって整流される。これにより、制御バルブの騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る制御バルブの断面図である。
図2A】本発明の第1実施形態に係る制御バルブの平面図である。
図2B】本発明の第1実施形態に係る制御バルブの側面図である。
図2C】本発明の第1実施形態に係る制御バルブの背面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る整流スリットの開口幅と制御バルブの騒音レベルの関係を示す特性図。
図4A】本発明の第2実施形態に係る制御バルブの平面図である。
図4B】本発明の第2実施形態に係る制御バルブの側面図である。
図4C】本発明の第2実施形態に係る制御バルブの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1に示す制御バルブ100は、供給源から供給される高圧の燃料ガス(以下ガスという)を燃料タンクに充填する燃料充填システムにおいて、燃料ガスの通路に介装される逆止弁として用いられる。
【0013】
制御バルブ100は、ガスを通過させる環状のシート部11を有するバルブハウジング10と、シート部11に対して移動するポペット弁部51を有するポペット50と、ポペット弁部51をシート部11に当接する閉弁方向に付勢するスプリング80と、を備える。
【0014】
制御バルブ100の開弁作動時には、供給源から導かれるガス圧力が高まるのに応じてポペット50がスプリング80に抗して図1の紙面上にて下方向に移動し、ポペット弁部51がシート部11から離れ、供給源からのガスが図中矢印で示すように流れる。
【0015】
制御バルブ100は、そのケーシングとして、円筒状のバルブハウジング10と、バルブハウジング10の開口端を塞ぐ円盤状のカバー20と、を備える。バルブハウジング10とカバー20の間にポペット50及びスプリング80が収容される。
【0016】
円筒状のバルブハウジング10の内側には、入口ポート13、シート部11、ガイドシリンダ部15の内周面16が、それぞれ中心軸Oを中心とする同心円筒面状に形成される。入口ポート13は、供給源からガスが導かれる入口流路29を画成する。シート部11は、ポペット弁部51との間で下流側にガスを導くポペット流路30を画成する。ガイドシリンダ部15の内周面16は、ポペット弁部51との間でポペット流路30の下流側でガスを導くポペット下流路31を画成する。
【0017】
円盤状のカバー20は、バルブハウジング10の内壁部17の開口端に嵌合して固定される。カバー20は、その中央部に開口するガイド穴25と、出口流路33を画成する複数の出口ポート23と、を有する。ガイド穴25は中心軸Oを中心とする円筒面状に形成される。各出口ポート23は、中心軸Oを中心とする円周上に均等な間隔に設けられる。
【0018】
ポペット50は、円錐状のポペット弁部51と、ポペット弁部51の下流側に連接して形成される円盤状のポペットガイド部55と、ポペットガイド部55の下流側に連接して形成される円柱状のロッド部69と、を有する。これらのポペット弁部51、ポペットガイド部55、ロッド部69は、中心軸Oを中心とする同心上に形成される。
【0019】
ポペット50は、ポペットガイド部55がバルブハウジング10のガイドシリンダ部15に摺動自在に挿入されるとともに、ロッド部69がカバー20のガイド穴25に摺動自在に挿入される。これにより、ポペット50は、バルブハウジング10に対して中心軸Oが延在するポペット50の軸方向に移動するように支持され、シート部11に対するポペット弁部51の同心度が確保される。
【0020】
コイル状のスプリング80は、ポペットガイド部55とカバー20との間に圧縮して介装され、ポペット50をバルブハウジング10のシート部11に押し付ける。こうしてポペットガイド部55は、スプリング80の付勢力を受ける機能をもつ。
【0021】
制御バルブ100は、これを通過するガスの流量を制御するため、シート部11とポペット弁部51との間に環状のポペット流路30を画成している。ポペット50が中心軸O方向に変位するのに伴って、ポペット流路30の流路断面積が増減し、ポペット流路30を通過するガスの流量が制御される。
【0022】
シート部11とポペット弁部51は、それぞれ縦断面が中心軸Oを中心とするテーパー状に形成され、上流側から下流側に向けて拡径するように形成される。
【0023】
図1に示す中心軸Oを含む縦断面図上において、シート部11は、ポペット弁部51より大きい角度で拡径するように形成される。入口ポート13に連接するシート部11の上流端には、環状のシート部上流端12が形成される。
【0024】
制御バルブ100の閉弁時には、ポペット弁部51がシート部上流端12に着座することにより、入口流路29とポペット流路30が閉塞される。
【0025】
制御バルブ100の開弁時には、ポペット弁部51がシート部11から離れることにより、供給源からのガスがポペット流路30に流れる。
【0026】
ところで、従来の制御バルブにおいて、高圧、大流量のガスが導かれる場合には、シート部とポペット弁部の間を通過する過程でガスの流速が上昇した後に下降するため、ガスの流れが乱れ、ポペット弁部の下流側に渦流を含む噴流が生じる。噴流から高周波の騒音が生じたり、渦流に起因してポペット弁部がシート部に繰り返し衝突して騒音が生じることがあった。
【0027】
この対処方法として、制御バルブ100にはポペットガイド部55の外周面59とガイドシリンダ部15の内周面16の間に渦流が生じることを抑える整流スリット32が溝状に形成される。
【0028】
ポペットガイド部55は、ポペット弁部51の下流端からポペット50の中心軸Oに直交して拡がる円盤状に形成される。ポペットガイド部55は、ガイドシリンダ部15に摺接する外周面59(図2参照)と、外周面59に開口する複数個の流路溝60と、を有する。流路溝60とガイドシリンダ部15の間には、扁平な流路断面形状を有する整流スリット32が複数画成される。
【0029】
図2A図2B図2Cに示すように、複数の整流スリット32は、ポペットガイド部55の周方向に均等な間隔に設けられる。これにより、整流スリット32に生じるガスの流体圧力がポペットガイド部55のまわりに均一に分布し、ポペットガイド部55のガイドシリンダ部15に対する摺動抵抗を低減することができる。
【0030】
流路溝60の溝底面61は、ポペットガイド部55の中心軸Oを中心としてガイドシリンダ部15と同心円筒面状に形成される。これにより、整流スリット32は、ポペットガイド部55の径方向の開口幅Wがポペットガイド部55の周方向について一定になる。
【0031】
流路溝60の溝側面62は、ポペット50の中心軸O方向に形成される。整流スリット32における周方向の開口長Sは、上流側から下流側にかけて一定であり、径方向の開口幅Wより大きい範囲で任意に設定される。
【0032】
整流スリット32は、周方向の開口長Sが任意に設定されることにより、要求される流路断面積が得られ、これを通過する流体の流れに与える抵抗が十分に低く抑えられる。なお、整流スリット32の流路断面積は、ポペット流路30の最大流路断面積より大きくなるように設定される。これにより、ポペット流路30を通過するガスの流れに対して、整流スリット32が付与する抵抗(圧力損失)は、ポペット流路30が付与する抵抗より小さく抑えられる。
【0033】
整流スリット32は、軸方向の長さLがシート部11の最小開口径D(図1参照)より長くなるように形成される。これにより、整流スリット32は十分な流路長さLを持つことによって、ガスがガイドシリンダ部15の内周面16と流路溝60の溝底面61に沿って流れる流路長さが確保され、ガスに渦流が生じることを抑制する整流作用が得られる。
【0034】
以下、制御バルブ100の作動について説明する。
【0035】
供給源から入口流路29に導かれる圧力が設定された開弁圧より低い状態では、ポペット弁部51がスプリング80の付勢力によってシート部11に当接し、入口流路29とポペット流路30の間を閉塞する。
【0036】
供給源から入口流路29に導かれる圧力が開弁圧を超えて上昇すると、ポペット弁部51がスプリング80の付勢力に抗してシート部11から離れ、入口流路29とポペット流路30が開通する。これにより、供給源からのガスが、図1中矢印で示すよう、入口流路29、ポペット流路30、ポペット下流路31、整流スリット32、出口流路33を通じて流れる。
【0037】
ポペット50の開度が小さく、ポペット流路30を流れるガスの流速が高い条件では、ポペット下流路31に渦流を含む噴流が生じる。
【0038】
ポペット下流路31に流入した噴流は、ポペット下流路31からガイドシリンダ部15と流路溝60の間に形成された整流スリット32を流れることによってその渦流が整流される。
【0039】
ポペット流路30の下流側に生じる渦流が整流スリット32にて整流されることにより、噴流から高周波の音が発生することを防止できる。また、渦流による圧力変動によってポペット50が振動することを抑えられ、ポペット弁部51がシート部11に繰り返し衝突して騒音を発生することを防止できる。
【0040】
図3は、整流スリット32の開口幅Wを変えて制御バルブ100の騒音レベルを測定した実験結果を示す特性図である。この特性図から整流スリット32の開口幅Wを、0.5mmより小さくしていくと、次第に騒音レベルが低下することがわかる。なお、図3の特性図において、最も左側に示す比較的に高い騒音レベルの測定値は、0.5mmの開口径を有するオリフィスを整流スリット32の代わりに介装した比較例である。
【0041】
上記実験結果に基づき、整流スリット32の開口幅Wは、0.5mm以下の範囲に収まることを条件として、流路溝60を形成する加工範囲内においてできるだけ小さい寸法に設定される。
【0042】
以上の第1実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
【0043】
〔1〕制御バルブ100は、流体が通過するシート部11と、シート部11に対して移動するポペット弁部51と、シート部11を通過した流体が導かれる内周面16を有するガイドシリンダ部15と、ガイドシリンダ部15の内周面16に摺接してポペット弁部51を支持するポペットガイド部55と、ポペットガイド部55の外周面59に形成される整流スリット32と、を備える。このため、シート部11とポペット弁部51の間を通過する流体の流れに生じる渦流が整流スリット32を通過することによって整流される。これにより、渦流に起因する制御バルブ100の騒音を低減することができる。
【0044】
〔2〕整流スリット32は、ポペットガイド部55の径方向の開口幅Wがポペットガイド部55の周方向の開口長Sより小さく形成される。このため、制御バルブ100は、径方向の開口幅Wを小さく設定することによって渦流を整流する作用が得られることと、周方向の開口長Sを大きく設定することによって流体の流れに与える抵抗を低くすることと、を両立できる。
【0045】
〔3〕整流スリット32では、ポペットガイド部55の軸方向の長さLがシート部11の最小開口径Dより大きくなるように形成される。このため、制御バルブ100では、整流スリット32を流れる流体が整流されるのに必要な流路長さが確保され、ポペット絞り流路30から下流側に流出する噴流に渦流が生じることを抑えられる。
【0046】
〔4〕整流スリット32は、複数形成され、ポペットガイド部55の周方向に均等な間隔に設けられる。このため、制御バルブ100では、各整流スリット32に生じる圧力がポペットガイド部55のまわり均一に分布し、ポペットガイド部55のガイドシリンダ部15に対する摺動抵抗を低減することができる。
【0047】
(第2実施形態)
次に、図4A図4B図4Cを参照して、本発明の第2実施形態を説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態の制御バルブと同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】
上記第1実施形態に係る制御バルブ100では、整流スリット32の周方向の開口長Sが上流側から下流側にかけて一定になるように形成されている。これに対して、第2実施形態に係る制御バルブでは、整流スリット35の周方向の開口長Sが上流側から下流側にかけて次第に大きくなるように形成される。
【0049】
流路溝70は、円筒面状の溝底面71と、溝底面71の両端に連接してポペットガイド部55の外周面59へと延びる一対の溝側面72と、を有する。
【0050】
流路溝70の溝側面72は、ポペットガイド部55の中心軸Oに対して傾斜するように形成される。整流スリット35は、ポペットガイド部55の周方向の開口長Sが軸O方向について変化する。これにより、整流スリット35のポペットガイド部55の中心軸Oに直交する流路断面積は、上流側から下流側にかけて次第に大きくなっている。
【0051】
以上の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に前記〔1〕〜〔4〕の作用効果を奏するとともに、以下に示す作用効果を奏する。
【0052】
〔5〕整流スリット35の流路断面積は、上流側から下流側にかけて次第に大きくなっている。このため、制御バルブでは、整流スリット35を流れる流体の圧力が次第に低下し、流体の流れを整流する効果が高められるとともに、ガスの流れに付与する抵抗を抑えられる。
【0053】
第2実施形態において、整流スリット35における周方向の開口長Sが上流側から下流側にかけて次第に大きくなるように設定したが、開口長Sを一定にし、整流スリット35における径方向の開口幅Wが上流側から下流側にかけて次第に大きくなるようにしてもよい。つまり、整流スリット35はポペットガイド部55の中心軸Oに直交する流路断面積が上流側から下流側にかけて次第に大きくなるように設定されればよい。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0055】
例えば、上記実施形態では、整流スリット32、35を画成する流路溝60、70がポペットガイド部55に形成されているが、これに限らず、整流スリットを画成する流路溝がガイドシリンダ部15に形成される構成としてもよい。
【0056】
さらに、上記実施形態の制御バルブ100は、燃料充填システムにおいて、燃料ガスの通路に介装される逆止弁として用いられるが、これに限らず、他の機械、設備において、高圧、大流量のガスが流れる回路に介装される逆止弁またはリリーフ弁として用いてもよい。また、制御バルブ100を流れる流体は、燃料ガスであったが、これに限らず、他の気体であってもよい。
【符号の説明】
【0057】
11 シート部
15 ガイドシリンダ部
16 内周面
32、35 整流スリット
51 ポペット弁部
55 ポペットガイド部
59 外周面
100 制御バルブ
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C