特許第6204770号(P6204770)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204770
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】車両用ハザード装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/00 20060101AFI20170914BHJP
   B60Q 1/48 20060101ALI20170914BHJP
   B60Q 1/50 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   B60Q1/00 G
   B60Q1/48
   B60Q1/50 Z
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-194823(P2013-194823)
(22)【出願日】2013年9月20日
(65)【公開番号】特開2015-58852(P2015-58852A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2016年1月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】特許業務法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】坂柳 徳之
【審査官】 河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−251574(JP,A)
【文献】 特開2000−301932(JP,A)
【文献】 特開2003−016878(JP,A)
【文献】 特開2012−071687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00
B60H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ本体と、前記スイッチ本体に対して押圧可能に設けられ、搭乗者の押圧操作によってハザードランプの点滅操作を行うスイッチヘッドとを備えた車両用ハザード装置において、
前記スイッチ本体には、前記押圧操作を促すハザードマークが表示され、
前記ハザードランプを点灯又は消灯させるときに前記押圧操作が行われる前記スイッチヘッドには、前記ハザードマークを投影可能なハザード表示部と、前記ハザードランプと関係しない情報を表示可能な情報表示部とが設けられていることを特徴とする車両用ハザード装置。
【請求項2】
前記スイッチヘッドは、前記スイッチ本体の上部に位置し、水平に延びる枢軸によって前記スイッチ本体に対して揺動可能に設けられ、
前記ハザード表示部は、前記情報表示部よりも前記枢軸から離れている請求項1記載の車両用ハザード装置。
【請求項3】
前記情報は時刻である請求項1又は2記載の車両用ハザード装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用ハザード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図2に従来の車両用ハザード装置が開示されている。この車両用ハザード装置は、スイッチ本体と、スイッチヘッドとを備えている。スイッチヘッドは、スイッチ本体に対して押圧可能に設けられ、搭乗者の押圧操作によってハザードランプの点滅操作を行う。この車両用ハザード装置では、スイッチヘッドにハザードマークとインジケータとが表示されている。ハザードマークは、搭乗者にハザードランプの点灯又は消灯のための押圧操作を促している。また、インジケータは、ハザードランプの点灯状態を表示している。
【0003】
搭乗者は、例えば、自己が乗車している車両を駐車させようとするとき、スイッチヘッドをスイッチ本体に対して押圧操作する。これにより、ハザードランプが点灯する。また、そのハザードランプの点灯状態をインジケータが表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−280008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、一般的に、従来の車両用ハザード装置は、スイッチヘッドの押圧操作を行える面積がさほど大きくない。上記従来の車両用ハザード装置においても、スイッチヘッドは、ハザードマークの他、単に小さなインジケータが設けられているだけであり、スイッチヘッドの押圧操作を行える面積が大きくない。このため、搭乗者がハザードランプを点灯させる押圧操作を行う際、押圧操作を行い難い場合がある。
【0006】
一方、スイッチヘッドの面積を大きくすれば、搭乗者はそのスイッチヘッドを押圧操作し易くなるが、それだけでは車室のインスツルメントパネルに過剰に大きなスイッチヘッドが設けられることとなり、インスツルメントパネルの使用価値が減殺されてしまう。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、インスツルメントパネルの使用価値を向上させつつ、操作性を向上させることができる車両用ハザード装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の車両用ハザード装置は、スイッチ本体と、前記スイッチ本体に対して押圧可能に設けられ、搭乗者の押圧操作によってハザードランプの点滅操作を行うスイッチヘッドとを備えた車両用ハザード装置において、
前記スイッチ本体には、前記押圧操作を促すハザードマークが表示され、
前記ハザードランプを点灯又は消灯させるときに前記押圧操作が行われる前記スイッチヘッドには、前記ハザードマークを投影可能なハザード表示部と、前記ハザードランプと関係しない情報を表示可能な情報表示部とが設けられていることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
本発明の車両用ハザード装置では、ハザード表示部及び情報表示部がスイッチヘッドに設けられているため、スイッチヘッドの押圧操作を行える面積を大きくすることが可能である。このため、搭乗者がハザードランプを点灯又は消灯させる押圧操作を行い易い。
【0010】
また、情報表示部の分だけスイッチヘッドの面積が大きくなっているため、インスツルメントパネルの使用価値を損なうこともない。
【0011】
したがって、本発明の車両用ハザード装置では、インスツルメントパネルの使用価値を向上させつつ、操作性を向上させることができる。
【0012】
本発明の車両用ハザード装置において、情報としては、時刻、警告情報(ガソリン残量、バッテリ残量、シートベルト着用及び機器の故障等)、スピード、カーナビゲーション、バックモニタ、テレビ、天候及びカレンダ等、種々のものを採用することが可能である。
【0013】
スイッチヘッドは、スイッチ本体の上部に位置し、水平に延びる枢軸によってスイッチ本体に対して揺動可能に設けられ得る。ハザード表示部は、情報表示部よりも枢軸から離れていることが好ましい(請求項2)。この場合、搭乗者が枢軸から離れたハザード表示部を押圧しやすいため、搭乗者に押圧操作を行うよう促し易い。
【0014】
情報は時刻であることが好ましい(請求項3)。この場合、搭乗者に時刻情報を提供することが可能である。時刻としては、現在時刻及び到着予想時刻等、種々のものを採用することが可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の車両用ハザード装置では、インスツルメントパネルの使用価値を向上させつつ、操作性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例の車両用ハザード装置を用いたインスツルメントパネルの正面図である。
図2】実施例の車両用ハザード装置に係り、スイッチヘッドが揺動している状態を示す斜視図である。
図3】実施例の車両用ハザード装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1に示すように、実施例の車両用ハザード装置3は、車室内で左右に延在しているインスツルメントパネル1の中央部に搭載されている。すなわち、インスツルメントパネル1には、中央部に搭載されたカーナビゲーション2aと、カーナビゲーション2aの両側に搭載されている左右一対のセンターレジスタ2bと、カーナビゲーション2aの真下に搭載されている車両用ハザード装置3とを有している。
【0019】
車両用ハザード装置3は、図示しないハザードランプに接続されている。この車両用ハザード装置3は、図2及び図3に示すように、スイッチ本体5と、スイッチヘッド6とを備えている。
【0020】
スイッチ本体5には、搭乗者に押圧操作を促す三角形状のハザードマーク5aが表示されている。
【0021】
スイッチヘッド6には、図2に示すように、スイッチ本体5の上部に位置し、左右に水平方向に延びる枢軸X1が設定されている。スイッチヘッド6は、枢軸X1によってスイッチ本体5に対して揺動可能に設けられている。言い換えれば、スイッチヘッド6は、搭乗者の押圧操作によってスイッチ本体5に対して枢軸X1を中心として押圧可能である。
【0022】
スイッチヘッド6は、図2及び図3に示すように、ハザードマーク5aを投影可能なハザード表示部6aと、ハザードランプと関係しない情報である現在時刻を表示可能な情報表示部6bとを有している。情報表示部6bはスイッチヘッド6の上方に位置している。ハザード表示部6aは、枢軸X1から離れた位置であるスイッチヘッド6の下方、すなわち、情報表示部6bの真下に位置している。
【0023】
スイッチヘッド6の左側には、情報表示部6bに表示される現在時刻の時間を調節することが可能な「H」が表示されたスイッチ6cと、その現在時刻の分を調節することが可能な「M」が表示されたスイッチ6dと、その現在時刻をリセットするための「00:00」が表示されたスイッチ6eとが設けられている。スイッチ6cはスイッチヘッド6の上方に位置している。スイッチ6eはスイッチヘッド6の下方に位置している。スイッチ6dはスイッチ6cとスイッチ6eとの間に位置している。
【0024】
以上のように構成された車両用ハザード装置3では、搭乗者は、例えば、自己が乗車している車両を駐車させようとするとき、スイッチヘッド6をスイッチ本体5に対して押圧操作する。これにより、ハザードランプが点灯する。そして、搭乗者がハザードランプの点灯が必要ないと考えれば、スイッチヘッド6をスイッチ本体5に対して再度押圧操作する。これにより、ハザードランプが消灯する。
【0025】
この際、この車両用ハザード装置3では、ハザード表示部6a及び情報表示部6bがスイッチヘッド6に設けられているため、スイッチヘッド6の押圧操作を行える面積が大きくなっている。また、ハザード表示部6aは、枢軸X1から離れた位置であるスイッチヘッド6の下方、すなわち、情報表示部6bの真下に位置しているため、搭乗者に押圧操作を行うよう促している。このため、搭乗者がハザードランプを点灯又は消灯させる押圧操作を行い易い。
【0026】
また、この車両用ハザード装置3では、スイッチヘッド6によって搭乗者に現在時刻を提供しているため、インスツルメントパネル1の使用価値が向上している。
【0027】
したがって、この車両用ハザード装置3では、インスツルメントパネル1の使用価値を向上させつつ、操作性を向上させることができる。
【0028】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は車両に利用可能である。
【符号の説明】
【0030】
3…車両用ハザード装置
5…スイッチ本体
5a…ハザードマーク
6…スイッチヘッド
6a…ハザード表示部
6b…情報表示部
X1…枢軸
図1
図2
図3