特許第6204774号(P6204774)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204774
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】南京錠
(51)【国際特許分類】
   E05B 67/10 20060101AFI20170914BHJP
   E05B 67/22 20060101ALI20170914BHJP
   E05B 35/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   E05B67/10
   E05B67/22
   E05B35/00 B
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-199694(P2013-199694)
(22)【出願日】2013年9月26日
(65)【公開番号】特開2015-63874(P2015-63874A)
(43)【公開日】2015年4月9日
【審査請求日】2016年9月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】501200011
【氏名又は名称】シャーロック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081547
【弁理士】
【氏名又は名称】亀川 義示
(72)【発明者】
【氏名】國井 大
【審査官】 村田 泰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−308310(JP,A)
【文献】 特開昭63−147074(JP,A)
【文献】 特表2001−526337(JP,A)
【文献】 実開昭57−044869(JP,U)
【文献】 米国特許第05146770(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャックルの基端部を受け入れる基端受孔とシャックルの先端部を受け入れる先端受孔を有するケース内に、カード式錠ユニットを組み込んだ錠本体を脱着可能に挿入し、該錠本体に上記基端受孔と先端受孔に対向するボール収納孔を形成し、該ボール収納孔内に外方に移動したとき上記シャックル基端部及びシャックル先端部に形成した係合凹部に係合し内方に移動したとき該係合凹部から抜け出すようボールを転動可能に収納し、上記ボール間に上記ボールを外方に押圧する突出カム面とボールが内方に移動することを許容する引込カム面を有するロックプレートを移動可能に設け、上記カード式錠ユニットに適正なキーカードが差し込まれた際移動するスライダに上記ロックプレートを連結し、上記ボールがロックプレートの引込カム面にあるとき該ボールの側面が当接してボールが外方に移動されないよう上記シャックルの基端部に当接面を設けたことを特徴とする南京錠。
【請求項2】
上記ロックプレートの上記引込カム面と突出カム面は、カード式錠ユニットのスライダが押し込まれてロックプレートが上昇すると引込カム面がボールに対向し、スライダが引き戻されてロックプレートが降下すると突出カム面がボールに対向してボールを外方に押圧するようロックプレートの移動方向に沿って連続して設けられている請求項1に記載の南京錠。
【請求項3】
上記ケースに係止部を形成し、上記錠本体に該係止部に係合可能な係止爪を一端に設けたラッチ杆を移動可能に設け、錠本体をケースに挿入した際上記係止爪が上記係止部に係合するよう上記ラッチ杆を付勢し、ラッチ杆の他端に上記シャックルの当接面に対向するストッパー面を設け、上記シャックルに該シャックルが開錠位置に移動した際上記ストッパー面を受け入れる受け面を形成し、上記シャックルが開錠位置に移動したとき上記係止爪をケースの係止部から離れる方向に上記ラッチ杆を移動可能なラッチ操作片を上記錠本体に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の南京錠。
【請求項4】
上記ラッチ操作片は錠本体に枢着したベルクランクであり、一端の部片はラッチ杆の切欠き部に係合し、他端の部片は錠本体の底部に沿って延び、錠本体には該他端の部片に対向して孔が設けられている請求項3に記載の南京錠。
【請求項5】
上記錠本体はケースに挿入したとき内方ばねにより脱出方向に付勢されている請求項1に記載の南京錠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーカードを用いて開閉できるようにした南京錠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
南京錠に用いる錠装置としては、キー操作で錠シリンダーを回動させてシャックルに係合するボール等のロック部材を出没させる錠(例えば特許文献1参照)が広く知られており、キーカードで操作するカード錠式の南京錠も提案されている
(例えば特許文献2参照)。キーカードを用いる南京錠は、ケース内にカード錠式ユニットが設けられている。特許文献2に詳述されているように、カード式錠ユニットは、内部にコードカードをセットしておき、このコードカードに対応する適正なキーカードをユニットに差し込んだ際、内部に設けられているピンによるシャーラインが形成されてスライダが移動可能になり、このスライダに従動するロック部材がシャックルから外れることにより、開錠させることができる。また、上記キーカードは、開錠状態からキーカードを引っ張ってスライダをもとの位置に復帰させると、ユニットから取り出すことが可能になり、この間にロック部材がシャックルに係合して施錠状態となる。
【0003】
特許文献2に記載の南京錠の場合、適正なキーカードを挿入してスライダ(作動体)を上昇させると、スライダに連結した作動板が上昇し、作動板の先端に形成した斜面状のカム面とロック部材(閂)のカム面の作用によりロック部材が横方向に移動する。その結果、シャックルの先端側面に形成した係合凹部(切欠部)からロック部材の先端部が抜き出され、シャックルの先端をケースの受孔から引き出すことにより、シャックルが自由になって開錠状態になる。シャックルの先端を受孔に押し込み、キーカードを引っ張ると、スライダを介して作動板が降下し、ロック部材はばねに押されて上記受孔方向に突出し、ロック部材の先端がシャックルの係合凹部に係合して施錠状態になるとともにスライダがもとの位置に復帰するので、キーカードをユニットから取り出すことができる。しかし、特許文献2に示されている上記南京錠は、シャックルを開錠位置に引き出したとき、シャックルの先端が抜け出した後の上記受孔の空間にロック部材(閂)の先端部が対向している。したがって、このロック部材(閂)の先端部は、シャックルが施錠位置に戻らなくても受孔内に突出可能である。そのため、シャックルが開錠位置にある場合でも、ロック部材を移動させてスライダをもとに位置に戻すことにより上記キーカードをユニットから取り出すことが可能である。そのような事態が生じると、施錠していないのに、キーカードが手許にあるという事実から、あたかも施錠したという誤認を生じるおそれがあり、安全性に乏しい
【0004】
また、上記特許文献2に記載の南京錠において、コードカードを交換するためカード式錠ユニットは、シャックルが開錠位置にあるとき、工具を用いてケースから取り出せるよう止具で固定されている。しかし、この止具は小さな六角穴付き止ビスであり、ユニットを固定する際やユニットを取り出す際、その都度六角レンチ等の専用の工具で止ビスを回転させる必要があるから、取り付け、取り外しが面倒である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2911119号公報(段落0004、0005、図11)
【特許文献2】特開2004−308310号公報(特許請求の範囲、段落0024、0026、図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の解決課題は、カード式錠ユニットを用いてキーカードにより施錠、開錠する形式の南京錠において、施錠、開錠の際に誤作動が生じないようにするとともにコードカードを交換するときに容易に上記ユニットをケースから脱着できるようにした南京錠を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、シャックルの基端部を受け入れる基端受孔とシャックルの先端部を受け入れる先端受孔を有するケース内に、カード式錠ユニットを組み込んだ錠本体を脱着可能に挿入し、該錠本体に上記基端受孔と先端受孔に対向するボール収納孔を形成し、該ボール収納孔内に外方に移動したとき上記シャックル基端部及びシャックル先端部に形成した係合凹部に係合し内方に移動したとき該係合凹部から抜け出すようボールを転動可能に収納し、上記ボール間に上記ボールを外方に押圧する突出カム面とボールが内方に移動することを許容する引込カム面を有するロックプレートを移動可能に設け、上記カード式錠ユニットに適正なキーカードが差し込まれた際移動するスライダに上記ロックプレートを連結し、上記ボールがロックプレートの引込カム面にあるとき該ボールが当接して外方に移動されないよう上記シャックルの基端部に当接面を設けたことを特徴とする南京錠が提供され、上記課題が解決される。上記ロックプレートのカム面はカード式錠ユニットの下方からキーカードを挿入してスライダを押し込んだ際上昇して上記引込カム面がボールに対向し、キーカードを下方に引っ張りスライダが引き戻されたとき降下して上記突出カム面がボールに対向してボールを外方に押圧するよう上記引込カム面と突出カム面がロックプレートの移動方向に沿って連続して設けられている。
【0008】
本発明によれば、上記ケースに係止部を形成し、上記錠本体に該係止部に係合可能な係止爪を一端に設けたラッチ杆を移動可能に設け、錠本体をケースに挿入した際上記係止爪が上記係止部に係合するよう該ラッチ杆を付勢し、ラッチ杆の他端に上記シャックルの当接面に対向するストッパー面を設け、該シャックルにシャックルが開錠位置に移動した際上記ストッパー面を受け入れる受け面を形成し、上記シャックルが開錠位置に移動したとき上記係止爪をケースの係止部から離れる方向に上記ラッチ杆を移動可能なラッチ操作片を上記錠本体に設けたことを特徴とする上記南京錠が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上記のように構成され、シャックルの基端部を受け入れる基端受孔とシャックルの先端部を受け入れる先端受孔を有するケース内に、カード式錠ユニットを組み込んだ錠本体を脱着可能に挿入し、該錠本体に上記基端受孔と先端受孔に対向するボール収納孔を形成し、該ボール収納孔内に外方に移動したとき上記シャックル基端部及びシャックル先端部に形成した係合凹部に係合し内方に移動したとき該係合凹部から抜け出すようボールを転動可能に収納し、上記ボール間に上記ボールを外方に押圧する突出カム面とボールが内方に移動することを許容する引込カム面を有するロックプレートを移動可能に設け、上記カード式錠ユニットに適正なキーカードが差し込まれた際移動するスライダに上記ロックプレートを連結し、上記ボールがロックプレートの引込カム面にあるとき該ボールが当接して外方に移動されないよう上記シャックルの基端部に当接面を設けたから、適正なキーカードをユニットに挿入して押し込むと、スライダを介してロックプレートが移動し、ロックプレートの引込カム面がボールに対向し、ボールをシャックルの係合凹部から脱出させることができ、シャックルをケースから引き出して開錠することができる。一方、開錠状態からシャックルをケースの受孔に押し込み、キーカードを引っ張ってスライダを介してロックプレートをもとの位置に復帰させると、ロックプレートの突出カム面によりボールは外方に押し出されシャックルの係合凹部に係合し、シャックルを施錠することができる。
【0010】
本発明の南京錠では、上記開錠状態において、ボールは、側面がシャックルの基端部に形成した当接面に当たっているので、外方に移動することができない。そのため、開錠状態で上記キーカードをユニットから引き出そうとしても、上記ロックプレートの突出カム面の端部がボールに当たり、ロックプレート及び該ロックプレートに連結したスライダを移動させることができないから、キーカードをユニットから取り出すことができない。したがって、シャックルが開錠位置にあるのに、キーカードを取り出して施錠したと誤解させるようなおそれがない。
【0011】
また、上記ケースに係止部を形成し、該係止部に係合可能な係止爪を一端に設けたラッチ杆を上記錠本体に設け、錠本体をケースに挿入した際上記係止爪が上記係止部に係合するよう上記ラッチ杆を付勢し、ラッチ杆の他端に上記シャックルの当接面に対向するストッパー面を設け、上記シャックルが開錠位置に移動した際上記ストッパー面を受け入れる受け面をシャックルに形成し、該シャックルが開錠位置に移動したとき上記係止爪をケースの係止部から離れる方向に上記ラッチ杆を移動可能なラッチ操作片を上記錠本体に設けると、錠本体をケースに挿入するだけで、錠本体の係止爪がケースの係止部に係合して錠本体を簡単にケース内に保持させることができる。そして、コードカードを交換する場合は、開錠状態のときラッチ操作片を操作すると、ラッチ杆はストッパー面がシャックルの受け面に対向して移動可能であるから、係止爪が係止部から外れ、錠本体をケースから取り出し、ユニット内に差し込んだコードカードを交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施例を示す斜視図。
図2】一部を断面した分解斜視図。
図3】カード式錠ユニットのボール、ピン、ばね等の内部機構を省略した断面図。
図4】施錠状態の説明図。
図5】開錠状態の説明図。
図6】ラッチ杆部分を示す説明図。
図7】錠本体をケースに挿入するときの説明図。
図8】ラッチ操作片を回動させた状態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1図3は本発明の一実施例を示し、本発明の南京錠は、図2に示すように、下面が開放された略箱型のケース1と、該ケース内に脱着可能に挿入される錠本体2を具備している。ケース1には、基端部4が先端部5よりも長い略U字状のシャックル3が出没可能に設けられ、該シャックル3の基端部4を受け入れる基端受孔6と、シャックル3の先端部5を受け入れる先端受孔7が形成されている。該シャックルの基端部4の端部、図において下端にはストッパーリング8が設けられており、該ストッパーリング8がケース1に設けたブラケット9に当たる位置まで引き出すことができるよう該ブラケット9の孔10に挿通している。なお、シャックル3を引き出し方向にばねで付勢してもよい(図示略)。
【0014】
図2に示すように、上記シャックル3の基端部4及び先端部5の内側面には、シャックル4の外径の一部を凹ませた係合凹部11がそれぞれ設けられている。基端部4の係合凹部11の下端側にはシャックルの外径と同じ外径の当接面12が形成され、さらに該当接面12よりも下端側には当接面部分の外径より小径の受け面13が設けられている。
【0015】
上記錠本体2は、上記ケース1にほぼ内接する形状に形成され、内部にカード式錠ユニット14が組み込まれている。上記カード式錠ユニット14は、例えば特許文献2に記載されているように公知の構成であるから、その構造についての説明は詳述しないが、該ユニットは、キーカード15の挿入口を錠本体の底部側に有し、該挿入口と反対側の内方の図において上方の挿入口からコードカード15aを挿入してユニット内にコードカード15aをセットする。そして、コードカードに対応する適正なキーカードが挿入されたとき、ユニット内のスライダ16が移動可能となり、さらにキーカード15を押し込むことにより、該スライダ16は、図に示す実施例では上方に移動する。キーカード15を抜き出す方向に引っ張ると、スライダ16は図に示す実施例では下方に移動して元の位置に戻り、さらに引っ張るとユニット14からキーカード15を取り出すことができる。
【0016】
図4図5を参照し、上記錠本体2には、上記ケースの基端受孔6と先端受孔7にそれぞれ対向するよう図において横方向に延びるボール収納孔17が形成されている。このボール収納孔17にはボール18が転動可能に収納され、該ボール18は外方に移動したとき、上記シャックル3の基端部4と先端部5に形成した係合凹部11にそれぞれ係合する。上記外方に移動した位置から内方にボール18が移動すると、ボール18が該係合凹部11から抜け出す。なお、該ボール18の一側面は上記各受孔6、7に臨んでいるが、ボール収納孔17の開口端を少し縮径等することにより脱落しないように保持されている。
【0017】
上記ボール18間には、ボールの移動方向と交差する方向に、図においては上下方向に移動可能にロックプレート19が設けられている。該ロックプレート19は、ボール18を外方に押圧する突出カム面20と、ボール18が内方に移動することを許容する引込カム面21が、ロックプレート19の移動方向に沿って、図に示す実施例では上下方向に曲面を介して連続して設けられている。このロックプレート19は上記ユニット14のスライダ16に連結されており、スライダ16とともに上下に移動する。なお、上記引込カム面21の深さは、シャックルが開錠位置にあって該引込カム面21にボール18が入り込んでいるときは、ロックプレート19を下方に移動して突出カム面20によりボール18を外方に押し出そうとしてもボール18の側面がシャックル3の当接面12に当たってボール18がその位置に停止し、シャックルが施錠位置にあってボール18がシャックル3の係合凹部11に対向しているときは、突出カム面20により押し出されて外方に移動し係合凹部11にボール18が係合するような深さである。
【0018】
上記の構成により、適正なキーカード15を挿入してユニット14のスライダ16を介してロックプレート19を上方に移動させると、図5に示すように、引込カム面21にボール18が対応して該ボール18は内方に移動し、係合凹部11から抜け出し、シャックル3は自由になってケース1から引き出すことができ、開錠する。また、開錠状態からシャックル3をケース1内に押し戻し、キーカード15を引っ張ってスライダ16を下降させると、図4に示すように、ロックプレート19の突出カム面20によりボール18は外方に押し出され、シャックル3の係合凹部11に係合し、施錠される。
【0019】
上記のように、開錠位置にシャックル3があるとき、シャックル3をケース1内に押し戻さないでキーカード15を引き抜こうとすると、スライダ16に連結しているロックプレート19の突出カム面20がボール18に当たるが、該ボール18の側面がシャックル3の当接面12に当たっているからボールは外方に移動しない(図参照)。したがって、スライダ16をもと位置に復帰させることができないため、キーカード15をユニットから取り出すことはできない。このように、確実にシャックル3をケース1内に押し戻して施錠状態にしなければキーカードを抜き出すことができないので、施錠したと誤解するような誤動作を防止することができる。
【0020】
上記ケース1の内部には、図2に示すように、係止部22が設けられている。錠本体2には、図6において、横方向に移動可能にラッチ杆23が設けられており、該ラッチ杆23の一端には上記係止部22に係合可能で傾斜面24を有する係止爪25が形成されている。該ラッチ杆23の長さは、係止爪25が係止部22に係合している状態では、他端に設けたストッパー面26が施錠位置にある上記シャックル3の上記当接面12に対向し、かつ上記シャックル3が開錠位置にあるときは、該ストッパー面26がシャックル3の受け面13に入り込んで上記係止爪25が係止部22から離脱する方向にラッチ杆23を移動させることができる長さである。このラッチ杆23は、錠本体2をケース1に挿入する際、上記傾斜面24に案内されて上記係止爪25が係止部22に係合する方向に、ばね27で付勢されている。また、錠本体2の上面には、内方ばね28を設けてあり、該内方ばね28は錠本体2をケース1に挿入した際、ケースの頂部内面に当たって圧縮され、錠本体を取り出す際の押出力を蓄積する。
【0021】
上記錠本体2には、上記シャックル3が開錠位置に移動したとき、上記係止爪25が係止部22から離れる方向にラッチ杆23を移動させるラッチ操作片29が設けられている。図に示すラッチ操作片29は、中心部を錠本体2に枢着30した略ベルクランク状に形成され、一方の部片31の先端がラッチ杆23の切欠き部32に係合し、他方の部片33は錠本体2の底部に沿って延びている。該錠本体2の底部には上記部片33に対向して孔34を設けてある。シャックル3が開錠位置にあるとき、該孔34に棒状の適宜の部材(図示略)を差し込んで上記部片33を押し上げるとラッチ操作片29は回動し、ラッチ杆23は後退して係止爪25を係止部22から外すことができる。
【0022】
上記のようにラッチ杆23はばね27で付勢されているので、図7に示すように、錠本体2をケース1に押し込むと、傾斜面24に案内されて係止爪25はパチンと係止部22に係合して簡単に錠本体2をケース1内に保持することができる。また、開錠状態のとき、図8に示すように、適宜の棒状部材を孔34から差し込んでラッチ操作片29を回動させると、ラッチ杆23が移動して係止爪25が外れ、内方ばね28の押出力により錠本体2はケース1から押し出される。
【符号の説明】
【0023】
1 ケース
2 錠本体
3 シャックル
11 係合凹部
12 当接面
13 受け面
14 カード式錠ユニット
15 キーカード
18 ボール
19 ロックプレート
20 突出カム面
21 引込カム面
22 係止部
23 ラッチ杆
25 係止爪
29 ラッチ操作片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8