特許第6204811号(P6204811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6204811空気力学的支持支柱を備えた可変容積式燃焼器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204811
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】空気力学的支持支柱を備えた可変容積式燃焼器
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/10 20060101AFI20170914BHJP
   F23R 3/20 20060101ALI20170914BHJP
   F23R 3/22 20060101ALI20170914BHJP
   F23R 3/28 20060101ALI20170914BHJP
   F23R 3/30 20060101ALI20170914BHJP
   F23R 3/34 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   F23R3/10
   F23R3/20
   F23R3/22
   F23R3/28 B
   F23R3/28 D
   F23R3/30
   F23R3/34
【請求項の数】20
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-250680(P2013-250680)
(22)【出願日】2013年12月4日
(65)【公開番号】特開2014-153050(P2014-153050A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2016年11月30日
(31)【優先権主張番号】13/760,097
(32)【優先日】2013年2月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ヒース・マイケル・オステビー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・サーマン・スチュワート
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・エドワード・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ポール・キーナー
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0025283(US,A1)
【文献】 特開2010−169385(JP,A)
【文献】 特開2010−164297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 7/22
F23R 3/00
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジンとともに使用する燃焼器であって、
複数のマイクロミキサー燃料ノズルと、
燃料のフローを前記複数のマイクロミキサー燃料ノズルに提供するための燃料噴射システムと
を含み、
前記燃料噴射システムが、複数の支持支柱を含み、前記複数の支持支柱が、前記複数の燃料ノズルを支持し、その中を通して前記燃料のフローを提供し、
前記複数の支持支柱が、空気力学的に輪郭付けされた形状を含み、空気のフローを前記複数のマイクロミキサー燃料ノズルに均等に分配するようになっている、燃焼器。
【請求項2】
前記複数のマイクロミキサー燃料ノズルが、複数のマイクロミキサー燃料チューブおよび燃料プレートを含む、請求項1記載の燃焼器。
【請求項3】
前記複数の支持支柱が、エーロフォイル本体部を含む、請求項1記載の燃焼器。
【請求項4】
前記複数の支持支柱が、空気力学的な装着セクションを含む、請求項1記載の燃焼器。
【請求項5】
前記空気力学的な装着セクションが、第1の側壁部の上の第1の増強領域と、第2の側壁部の上の第2の増強領域とを含む、請求項4記載の燃焼器。
【請求項6】
前記第1の増強領域および前記第2の増強領域が、実質的に半割円錐状の形状を含む、請求項5記載の燃焼器。
【請求項7】
前記第1の増強領域および前記第2の増強領域が、上流端部から下流端部へ増加する深さを含む、請求項5記載の燃焼器。
【請求項8】
前記空気力学的な装着セクションが、その中に1つまたは複数の燃料ポートを含む、請求項4記載の燃焼器。
【請求項9】
前記複数の支持支柱が、前記1つまたは複数の燃料ポートに連通する1つまたは複数の燃料コアを含む、請求項8記載の燃焼器。
【請求項10】
前記空気力学的な装着セクションが、その中に1つまたは複数のボルト孔を含む、請求項4記載の燃焼器。
【請求項11】
前記空気力学的な装着セクションが、頂部切断型端部を含む、請求項4記載の燃焼器。
【請求項12】
前記複数のマイクロミキサー燃料ノズルと前記複数の支持支柱を接続する複数の空気力学的燃料フランジをさらに含む、請求項1記載の燃焼器。
【請求項13】
前記複数の空気力学的燃料フランジが、輪郭付けされた形状を含む、請求項12記載の燃焼器。
【請求項14】
前記複数のマイクロミキサー燃料ノズルを操縦するためのリニアアクチュエーターをさらに含む、請求項1記載の燃焼器。
【請求項15】
マイクロミキサー燃料ノズルとともに使用する支持支柱であって、
エーロフォイル本体部と、
前記エーロフォイル本体部の上に位置付けられた空気力学的な装着セクションと
を含み、
前記空気力学的な装着セクションが、第1の側壁部の上の第1の増強領域と、第2の側壁部の上の第2の増強領域とを含み、
前記空気力学的な装着セクションが、その中に1つまたは複数の燃料ポートを含む、支持支柱。
【請求項16】
前記第1の増強領域および前記第2の増強領域が、実質的に半割円錐状の形状を含む、請求項15記載の支持支柱。
【請求項17】
前記第1の増強領域および前記第2の増強領域が、上流端部から下流端部へ増加する深さを含む、請求項15記載の支持支柱。
【請求項18】
前記エーロフォイル本体部が、1つまたは複数の燃料ポートに連通する1つまたは複数の燃料コアを含む、請求項15記載の支持支柱。
【請求項19】
前記エーロフォイル本体部が、その中に1つまたは複数のボルト孔を含む、請求項15記載の支持支柱。
【請求項20】
ガスタービンエンジンの中の燃料のフローを提供する燃料マニホールドであって、
複数のマイクロミキサー燃料ノズルと、
前記複数の燃料ノズルを支持し、その中を通して前記燃料のフローを提供する、複数の支持支柱と
を含み、
前記複数の支持支柱が、その上に空気力学的な装着セクションを備えた空気力学的に輪郭付けされた形状を含む、燃料マニホールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願および結果として生じる特許は、概して、ガスタービンエンジンに関し、より詳細には、いくつかの空気力学的に形状付けされた支持支柱を使用して空気フローの破壊を限定する燃料噴射システムを備えた可変容積式燃焼器に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンの運転効率および全体的な出力は、一般的に、高温燃焼ガスストリームの温度が上昇するにつれて増加する。しかし、高い燃焼ガスストリーム温度は、より高いレベルの窒素酸化物および他のタイプの規制排出物を生成させる可能性がある。したがって、効率的な高温範囲でガスタービンエンジンを運転する利益と、一方で、窒素酸化物および他のタイプの規制排出物の排出量を、義務付けられたレベルの下に維持することも確実にする利益との間で、バランスを取ることが存在する。そのうえ、変化する負荷レベル、変化する周囲条件、および、多くの他のタイプの運転パラメーターも、全体的なガスタービン効率および排出物に重大な影響を及ぼす可能性がある。
【0003】
窒素酸化物などをより低い排出レベルにすることが、燃焼の前に燃料ストリームと空気ストリームの良好な混合を提供することによって、促進されることが可能である。そのような事前混合は、燃焼温度勾配および窒素酸化物の排出量を減少させる傾向がある。そのような良好な混合を提供する1つの方法は、いくつかのマイクロミキサー燃料ノズルを備えた燃焼器の使用によるものである。一般的に述べられるように、マイクロミキサー燃料ノズルは、燃焼の前に、プレナム内のいくつかのマイクロミキサーチューブの中で、少量の燃料と空気を混合する。
【0004】
現在のマイクロミキサー燃焼器およびマイクロミキサー燃料ノズルの設計は、改善された燃焼性能を提供するが、特定のタイプの運転条件でのマイクロミキサー燃料ノズルのための操作性ウィンドウ(operability window)は、少なくとも部分的にダイナミクスおよび排出物との関係によって画定されることが可能である。具体的には、特定の内部コンポーネントの運転周波数が結合し、高周波数または低周波数のダイナミクスフィールド(dynamics field)を作り出すようになっていることが可能である。そのようなダイナミクスフィールドは、燃焼器コンポーネントおよび下流のタービンコンポーネントの物理的特性に悪影響を及ぼす可能性がある。そういったことを考えれば、現在の燃焼器設計は、燃料または空気のフローをステージングし、ダイナミクスフィールドの形成を防止することによって、そのような運転条件を回避しようと試みることが可能である。大部分の条件が、排出物、燃焼性などの観点から、典型的な運転制限の範囲外に設計を置くことが可能であるとしても、ステージングは、安定した燃焼の局所ゾーンを作り出そうとする。しかし、そのようなステージングは、時間集約的なキャリブレーションを必要とする可能性があり、また、最適なレベルよりも低い運転を必要とする可能性がある。
【0005】
したがって、改善されたマイクロミキサー燃焼器設計に対する要求が存在する。そのような改善されたマイクロミキサー燃焼器設計は、その中での燃料および空気のフローの良好な混合を促進し、より高い温度および効率で作動するが、より低い全体的な排出物およびより低いダイナミクスで作動するようになっていることが可能である。そのうえ、そのような改善されたマイクロミキサー燃焼器設計は、全体的なシステムの複雑さおよびコストを大幅に増加させることなく、これらの目的を達成することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0198856号明細書
【発明の概要】
【0007】
本出願および結果として生じる特許は、ガスタービンエンジンとともに使用する燃焼器を提供する。燃焼器は、いくつかのマイクロミキサー燃料ノズルと、燃料のフローをマイクロミキサー燃料ノズルに提供するための燃料噴射システムとを含むことが可能である。燃料噴射システムは、いくつかの支持支柱を含み、いくつかの支持支柱が、燃料ノズルを支持し、その中を通して燃料のフローを提供することが可能である。支持支柱は、空気力学的に輪郭付けされた形状を含み、空気のフローをマイクロミキサー燃料ノズルに均等に分配するようになっていることが可能である。
【0008】
本出願および結果として生じる特許は、マイクロミキサー燃料ノズルとともに使用する支持支柱をさらに提供する。支持支柱が、エーロフォイル本体部と、エーロフォイル本体部の上に位置付けられた空気力学的な装着セクションとを含むことが可能である。空気力学的な装着セクションが、第1の側壁部の上の第1の増強領域と、第2の側壁部の上の第2の増強領域とを含むことが可能であり、1つまたは複数の燃料ポートが、その中に延在している。
【0009】
本出願および結果として生じる特許は、ガスタービンエンジンの中の燃料のフローを提供する燃料マニホールドをさらに提供する。燃料マニホールドが、いくつかのマイクロミキサー燃料ノズルと、燃料ノズルを支持し、その中を通して燃料のフローを提供する、いくつかの支持支柱とを含むことが可能である。支持支柱が、その上に位置付けられた空気力学的な装着セクションを備えた空気力学的に輪郭付けされた形状を含むことが可能である。
【0010】
これらの特徴および他の特徴、ならびに、本出願および結果として生じる特許の改善例が、いくつかの図面および添付の特許請求の範囲を併用して以下の詳細な説明を検討すると、当業者に明らかになることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】圧縮機、燃焼器、およびタービンを示す、ガスタービンエンジンの概略図である。
図2図1のガスタービンエンジンとともに使用されることが可能な燃焼器の概略図である。
図3図2の燃焼器とともに使用されることが可能なマイクロミキサー燃料ノズルの一部分の概略図である。
図4】本明細書で説明される可能性があるマイクロミキサー燃焼器の概略図である。
図5図4のマイクロミキサー燃焼器の例の斜視図である。
図6図5のマイクロミキサー燃焼器の側断面図である。
図7】いくつかの空気力学的支持支柱を備えた、図5のマイクロミキサー燃焼器の燃料噴射システムの一部分の斜視図である。
図8】空気力学的支持支柱を備えた、図5のマイクロミキサー燃焼器の燃料噴射システムのさらなる側断面図である。
図9】空気力学的支持支柱のうちの1つの、上流からの平面図である。
図10】頂部が切断される前の空気力学的支持支柱の側方平面図である。
図11】頂部が切断された後の空気力学的支持支柱の側方平面図である。
図12】材料増強の後の空気力学的支持支柱の側方平面図である。
図13】空気力学的支持支柱の斜視図である。
図14】空気力学的支持支柱の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで図面を参照すると、図面において、同様の数字は、いくつかの図面を通して同様のエレメントを参照しており、図1は、本明細書で使用される可能性があるガスタービンエンジン10の概略図を示している。ガスタービンエンジン10は、圧縮機15を含むことが可能である。圧縮機15は、空気20の流入フローを圧縮する。圧縮機15は、空気20の圧縮フローを燃焼器25に送達する。燃焼器25は、空気20の圧縮フローを燃料30の加圧フローと混合し、混合物を点火し、燃焼ガス35のフローを作り出す。単一の燃焼器25だけが示されているが、ガスタービンエンジン10は、任意の数の燃焼器25を含むことが可能である。次いで、燃焼ガス35のフローは、タービン40に送達される。燃焼ガス35のフローは、タービン40を駆動し、機械的仕事を生成させるようになっている。タービン40の中で生成された機械的仕事が、シャフト45を介して圧縮機15を駆動し、発電機などのような外部負荷50を駆動する。
【0013】
ガスタービンエンジン10は、天然ガス、液体燃料、様々なタイプの合成ガス、および/または、他のタイプの燃料、ならびに、それらの組み合わせを使用することが可能である。ガスタービンエンジン10は、それに限定されないが、7シリーズまたは9シリーズの高負荷ガスタービンエンジンなどのようなものを含む、Schenectady、New YorkのGeneral Electric Companyによって提供されるいくつかの異なるガスタービンエンジンのうちの任意の1つであることが可能である。ガスタービンエンジン10は、様々な構成を有することが可能であり、他のタイプのコンポーネントを使用することが可能である。また、他のタイプのガスタービンエンジンも、本明細書で使用されることが可能である。また、複数のガスタービンエンジン、他のタイプのタービン、および、他のタイプの発電機器も、本明細書で一緒に使用されることが可能である。
【0014】
図2は、上述されているガスタービンエンジン10などとともに使用され得るような燃焼器25の例の概略図を示している。燃焼器25は、ヘッドエンドにおける端部カバー52から、タービン40の周りの後方端部におけるトランジションピース54へ、延在することが可能である。いくつかの燃料ノズル56が、端部カバー52の周りに位置付けられることが可能である。ライナー58が、燃料ノズル56からトランジションピース54に向かって延在することが可能であり、その中に燃焼ゾーン60を画定することが可能である。ライナー58が、フロースリーブ62によって取り囲まれていることが可能である。ライナー58およびフロースリーブ62は、それらの間に、圧縮機15またはその他からの空気20のフローのための流路64を画定することが可能である。任意の数の燃焼器25が、カニュラー型(can−annular)の配列などで、本明細書で使用されることが可能である。本明細書で説明されている燃焼器25は、単に、例示の目的のためのものである。他のコンポーネントおよび他の構成を備えた燃焼器が、本明細書で使用されることが可能である。
【0015】
図3は、燃焼器25などとともに使用されることが可能なマイクロミキサー燃料ノズル66の一部分を示している。マイクロミキサー燃料ノズル66は、燃料チューブ70の周りに位置付けられたいくつかのマイクロミキサーチューブ68を含むことが可能である。マイクロミキサーチューブ68は、一般的に、実質的に均一な直径を有することが可能であり、環状の同心円状の列に配置されることが可能である。任意の数のマイクロミキサーチューブ68が、任意のサイズ、形状、または構成で、本明細書で使用されることが可能である。マイクロミキサーチューブ68は、燃料プレート72を介した燃料チューブ70からの燃料30のフローと、流路64を介した圧縮機15からの空気20のフローとに連通することが可能である。少量の燃料30のフローと、少量の空気20のフローとが、それぞれのマイクロミキサーチューブ68内で混合することが可能である。混合させられた燃料−空気ストリームが、燃焼ゾーン60での燃焼のために下流に流れることが可能であり、かつ、上述のようにタービン40の中で使用される。他のコンポーネントおよび他の構成が、本明細書で使用されることが可能である。
【0016】
図4は、本明細書で説明されうるとおりの燃焼器100の例を示している。燃焼器100は、任意の数のマイクロミキサー燃料ノズル120などがその中に位置付けられたマイクロミキサー燃焼器110であることが可能である。マイクロミキサー燃料ノズル120は、上述のものと同様であることが可能である。マイクロミキサー燃料ノズル120は、扇形形状、円形形状であることが可能であり、かつ/または、任意のサイズ、形状、もしくは構成を有することが可能である。同様に、マイクロミキサーノズル120は、その中に任意の数のマイクロミキサーチューブを任意の構成で含むことが可能である。マイクロミキサー燃料ノズル120は、共通の燃料チューブ125に連通していることが可能である。共通の燃料チューブ125は、その中に1つまたは複数の燃料回路を担持することが可能である。したがって、複数の燃料回路が、マイクロミキサー燃料ノズル120のステージングを可能にすることができる。マイクロミキサー燃料ノズル120は、キャップアッセンブリ130内に、または、同様の構造体内に装着されることが可能である。キャップアッセンブリ130は、任意のサイズ、形状、または構成を有することが可能である。キャップアッセンブリ130は、従来型のシール135などによって取り囲まれていることが可能である。
【0017】
上述されているものと同様に、燃焼器100は、そのヘッドエンド150における端部カバー140から延在することが可能である。ライナー160が、マイクロミキサー燃料ノズル120をその中に備えたキャップアッセンブリ130およびシール135を取り囲むことが可能である。ライナー160は、キャップアッセンブリ130の下流に燃焼ゾーン170を画定することが可能である。ライナー160は、ケース180によって取り囲まれていることが可能である。ライナー160、ケース180、およびフロースリーブ(図示せず)が、それらの間に、圧縮機15またはその他からの空気20のフローのための流路190を画定することが可能である。ライナー160、燃焼ゾーン170、ケース180、および流路190は、任意のサイズ、形状、または構成を有することが可能である。任意の数の燃焼器100が、カニュラー型の配列などで、本明細書で使用されることが可能である。また、他のコンポーネントおよび他の構成も、本明細書で使用されることが可能である。
【0018】
また、燃焼器100は、可変容積式燃焼器195であることが可能である。したがって、可変容積式燃焼器195は、リニアアクチュエーター200を含むことが可能である。リニアアクチュエーター200は、端部カバー140の周りに、および、その外側に位置付けられることが可能である。リニアアクチュエーター200は、従来型の設計のものであることが可能であり、かつ、線形運動または軸線方向運動を提供することが可能である。リニアアクチュエーター200は、機械式に、電気機械式に、圧電式に、空気圧式に、流体圧式に、および/または、それらの組み合わせで作動させられることが可能である。例として、リニアアクチュエーター200は、油圧シリンダー、ラックアンドピニオン式のシステム、ボールねじ、手動クランク、または、制御された軸線方向運動を提供することが可能な任意のタイプのデバイスを含むことが可能である。リニアアクチュエーター200は、システムフィードバックなどに基づく動的動作のために、全体的なガスタービン制御装置に連通していることが可能である。
【0019】
リニアアクチュエーター200は、駆動ロッド210などを介して、共通の燃料チューブ125に連通していることが可能である。駆動ロッド210は、任意のサイズ、形状、または構成を有することが可能である。共通の燃料チューブ125は、駆動ロッド210の周りに位置付けられることが可能であり、それとともに移動するようになっている。したがって、リニアアクチュエーター200、駆動ロッド210、および、共通の燃料チューブ125は、その中にマイクロミキサーノズル120を備えたキャップアッセンブリ130を軸線方向に操縦し、ライナー160の長さに沿って、任意の適切な位置にすることが可能である。共通の燃料チューブ125内の複数の燃料回路が、燃料ノズルステージングを可能にすることができる。また、他のコンポーネントおよび他の構成も、本明細書で使用されることが可能である。
【0020】
使用時に、リニアアクチュエーター200は、キャップアッセンブリ130を操縦して、ライナー160の容積に対して、ヘッドエンド150の容積を変化させるようになっていることが可能である。したがって、マイクロミキサー燃料ノズル120をライナー160に沿って伸張または後退させることによって、ライナー容積(および燃焼ゾーン170の容積)は、減少または増加させられることが可能である。そのうえ、キャップアッセンブリ130は、全体的なシステムの圧力降下を変化させることなく、操縦されることが可能である。典型的な燃焼器システムは、全体的な圧力降下を変化させることが可能である。しかし、そのような圧力降下は、一般的に、その中のコンポーネントの冷却に対して影響を及ぼす。そのうえ、圧力降下の変動が、燃焼ダイナミックスを制御することに困難を生じさせる可能性がある。
【0021】
上流および下流の容積を変化させることは、結果として、全体的な反応滞留時間を変化させることをもたらし、したがって、窒素酸化物、一酸化炭素、および他のタイプの排出物の全体的な排出レベルを変化させることをもたらすことが可能である。一般的に述べられるように、反応滞留時間は、ライナー容積に直接的に相関があり、したがって、本明細書では、所与の運転モードに関する排出要求を満たすように調節されることが可能である。そのうえ、ヘッドエンドおよびライナー容積が変化すると、全体的な音響挙動が変化することが可能であるという点で、滞留時間を変化させることは、ターンダウンおよび燃焼器ダイナミクスに影響を及ぼすことも可能である。
【0022】
例えば、一般的に、ベース負荷において低い窒素酸化物レベルを確実にするために、短い滞留時間が要求される可能性がある。反対に、低負荷条件において一酸化炭素レベルを低減させるために、より長い滞留時間が要求される可能性がある。したがって、本明細書で説明されている燃焼器100は、全体的なシステム圧力降下の変動のない調整可能な燃焼器として、最適化された排出物およびダイナミクス軽減を提供する。具体的には、本明細書では、燃焼器100は、容積を能動的に変化させる能力を提供し、燃料ステージングに影響を及ぼすことなく最小の動的応答を提供するように燃焼器100を調整するようになっている。
【0023】
本明細書で説明されているリニアアクチュエーター200は、キャップアッセンブリ130の中のマイクロミキサー燃料ノズル120をグループとして操縦するように示されているが、複数のリニアアクチュエーター200が使用され、マイクロミキサー燃料ノズル120を個別に操縦し、ノズルステージングを提供するようになっていることも可能である。この例では、個別のマイクロミキサー燃料ノズル120は、それら同士の間に、および、キャップアッセンブリ130に対して、追加的なシーリングを提供することが可能である。また、回転移動も、本明細書で使用されることが可能である。そのうえ、マイクロミキサーでない燃料ノズルも、本明細書で使用されることが可能であり、かつ/または、マイクロミキサーでない燃料ノズル、および、マイクロミキサー燃料ノズルが、本明細書で一緒に使用されることも可能である。他のタイプの軸線方向移動デバイスも、本明細書で使用されることが可能である。他のコンポーネントおよび他の構成が、本明細書で使用されることが可能である。
【0024】
図5および図6は、燃焼器100などとともに使用されることが可能なプレノズル燃料噴射システム220の例を示している。燃料ノズル120のそれぞれが、プレノズル燃料噴射システム220の上に装着されることが可能である。プレノズル燃料噴射システム220は、燃料ノズルマニホールド230を含むことが可能である。燃料ノズルマニホールド230は、共通の燃料チューブ125に連通していることが可能であり、かつ、上述のように駆動ロッド210を介して操縦可能であり得る。燃料ノズルマニホールド230は、任意のサイズ、形状、または構成を有することが可能である。
【0025】
プレノズル燃料噴射システム220の燃料ノズルマニホールド230は、中央ハブ240を含むことが可能である。中央ハブ240は、任意のサイズ、形状、または構成を有することが可能である。中央ハブ240は、その中にいくつかの異なるフローを収容することが可能である。プレノズル燃料噴射システム220の燃料ノズルマニホールド230は、中央ハブ240から延在するいくつかの支持支柱250を含むことが可能である。任意の数の支持支柱250が、使用されることが可能である。支持支柱250は、任意のサイズ、形状、または構成が、本明細書で使用されることが可能であるが、実質的に空気力学的に輪郭付けされた形状255を有することが可能である。具体的には、支持支柱250のそれぞれは、上流端部260、下流端部270、第1の側壁部280、および、第2の側壁部290を含むことが可能である。支持支柱250は、中央ハブ240からキャップアッセンブリ130へ半径方向に延在することが可能である。それぞれの支持支柱250は、燃料ノズル120のうちの1つまたは複数に連通しており、そこに燃料30のフローを提供するようになっていることが可能である。燃料ノズル120が、支持支柱250のそれぞれの下流端部270から軸線方向に延在することが可能である。他のコンポーネントおよび他の構成が、本明細書で使用されることが可能である。
【0026】
使用時に、プレノズル燃料噴射システム220の支持支柱250は、燃料ノズル120を構造的に支持し、一方、そこへ燃料30のフローを送達する。支持支柱250が、空気20の均一なフローを、燃料ノズル120の混合チューブ68に提供する。また、支持支柱250が、プレノズルフローを提供することが可能である。プレノズルフローが、空気20のヘッドエンドフローと混合し、希薄な十分に混合した燃料/空気混合物を提供するようになっている。したがって、プレノズル燃料噴射システム220は、良好な燃料/空気の混合を促進し、全体的な排出性能を向上させるようになっている。そのうえ、プレノズルフローは、燃料ステージングのための追加的な回路も提供する。この回路は、燃焼ダイナミックスの振幅および/または周波数を低減させるように調節されることが可能である。したがって、プレノズル燃料噴射システム220は、大幅なハードウェアのコストを追加することなく、全体的な燃焼性能を向上させる。
【0027】
図7図9に示されているように、支持支柱250のそれぞれが、空気力学的燃料フランジ480を介して、燃料ノズル120のうちの1つに連通していることが可能である。また、空気力学的燃料フランジ480は、空気力学的に輪郭付けされた形状490を有することが可能である。輪郭付けされた形状490は、支持支柱250の下流で直径が減少することが可能である。空気力学的燃料フランジ480の輪郭付けされた形状490は、支持支柱250の輪郭付けされた形状255を補完することが可能である。空気力学的燃料フランジ480は、他のサイズ、形状、および構成を有することが可能である。
【0028】
上述のように、支持支柱250は、空気力学的に輪郭付けされた形状255を有することが可能である。示されているように、この空気力学的に輪郭付けされた形状255は、エーロフォイル状の本体部650を含むことが可能である。エーロフォイル本体部650は、中央ハブ240からキャップアッセンブリ130へ延在することが可能である。また、支持支柱250の空気力学的に輪郭付けされた形状255は、空気力学的な装着セクション660を含むことが可能である。空気力学的な装着セクション660は、空気力学的燃料フランジ500および燃料ノズル120を収容することが可能である。空気力学的な装着セクション660は、第1の側壁部280の上の第1の増強領域670と、第2の側壁部290の上の第2の増強領域680とを含むことが可能である。増強領域670、680は、実質的に滑らかな曲線を備えた実質的に半割円錐状の形状690を有することが可能である。増強領域670、680は、上流端部260から下流端部270へ深さが増加する。空気力学的な装着セクション660は、他のサイズ、形状、および構成を有することが可能である。
【0029】
エーロフォイル本体部650の下流端部270の周りの空気力学的な装着セクション660は、それを通って延在する1つまたは複数の燃料ポート700を有することが可能である。同様に、下流端部270は、いくつかのボルト孔710も有することが可能である。ボルト孔710によって、空気力学的燃料フランジ500および燃料ノズル120をその上に装着することが可能になる。したがって、支持支柱250の空気力学的な装着セクション660が、支持支柱250から空気力学的燃料フランジ480へ、そして燃料ノズル120へ滑らかで空気力学的な移行部を提供する。
【0030】
図10図13は、その上に空気力学的な装着セクション660を備えた支持支柱250の創作物の例を示している。図10に示されているように、支持支柱250は、均一なエーロフォイル形状720で始まることが可能である。次いで、図11に示されているように、下流端部270は、頂部が切断され、結果として頂部切断型端部725を生じさせるようになっていることが可能である。具体的には、下流端部270は、空気フローのウェイクを最小化しながら、その上に空気力学的燃料フランジ480をボルト留めするのに十分な付けランドエリアを結果として生じさせる値において、頂部が切断されていることが可能である。図12に示されているように、所定の量の追加的な材料730が、空気力学的な装着セクション660の増強領域670、680を作り出すために追加されることが可能である。増強領域670、680は、実質的に半割円錐状の形状690を提供する。空気力学的な装着セクション660、燃料ポート700、およびボルト孔710を備えた、完成した支持支柱250の例が、図13に示されている。また、他のコンポーネントおよび他の構成も、本明細書で使用されることが可能である。
【0031】
図14に示されているように、支持支柱250は、その中を通って延在するいくつかの燃料コア740を有することが可能である。それぞれの燃料コア740は、燃料ポート700に連通していることが可能である。複数の燃料コア740は、例えば、主流、プレノズルフローなどとともに使用されることが可能である。したがって、燃料30のフローが、中央ハブ240から、支持支柱250の燃料コア740を通って、および、燃料ノズル120を通って流れる。また、複数のボルト孔710が、使用されることも可能である。他のコンポーネントおよび他の構成が、本明細書で使用されることが可能である。
【0032】
燃料ノズル120の上流の流路の中にある任意の構造体が、燃料ノズル120への空気20のフローの中に不均衡配分を生じさせる可能性がある。このことは、マイクロミキサー燃料ノズル120の使用に関して、とりわけ当てはまる。何故なら、それぞれの混合チューブ68が、最適性能のために、同じ量の燃料および空気を必要とするからである。空気20のフローの任意の不均衡配分は、チューブ68のうちのいくつかの中の混合物をより希薄にし、一方、他のチューブ68の中の混合物は、より濃くなる可能性がある。したがって、空気力学的燃料フランジ480および支持支柱250の使用は、フローの方向において支持支柱およびフランジの断面積を減少させるようにそれらのプロファイルを輪郭付けすることによって、そのような上流構造体の影響を最小化することを助ける。フランジ480の輪郭付けされた形状490は、支持支柱250の輪郭付けされた形状255を補完する。また、輪郭付けされた形状は、それを通過するときにフローを真っ直ぐにすることを助け、再循環ゾーンの創作物を最小限にするようになっている。
【0033】
したがって、空気力学的燃料フランジ480および支持支柱250は、ノズル120への空気分配の変動を最小化することによって、全体的な排出物を最小化することが可能である。また、空気力学的燃料フランジ480および支持支柱250は、燃料漏れに起因するノズル保炎の機会を最小化することによって、ロバスト設計も提供する。同様に、支持支柱250は、燃料ノズル120への装着および燃料送達のために、必要な支持構造体を提供する。支持支柱250は、空気力学的な装着セクション660とともに、輪郭付けされた空気力学的形状255を使用し、空気20のフローが外側表面に付着したままでいることを確実にし、均一な空気入口プロファイルを燃料ノズル120に提供するようになっている。支持支柱250は、鋳造の代わりに機械加工されるか、または、直接的な金属レーザー焼結によって製作されることが可能である。他のタイプの建設技術が、本明細書で使用されることが可能である。燃料ノズル120は、同様の態様で、支持支柱250から除去されることが可能である。
【0034】
前述のものは、単に、本出願および結果として生じる特許の特定の実施形態に関するということが明らかであろう。本明細書で、いくつかの変形例および修正例が、以下の特許請求の範囲およびその均等物によって規定されているような本発明の全体的な精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって作られることが可能である。
【符号の説明】
【0035】
10 ガスタービンエンジン
15 圧縮機
20 空気
25 燃焼器
30 燃料
35 燃焼ガス
40 タービン
45 シャフト
50 負荷
52 端部カバー
54 トランジションピース
56 燃料ノズル
58 ライナー
60 燃焼ゾーン
62 フロースリーブ
64 流路
66 マイクロミキサー燃料ノズル
68 混合チューブ
70 燃料チューブ
72 燃料プレート
100 燃焼器
110 マイクロミキサー燃焼器
120 燃料ノズル
125 燃料チューブ
130 キャップアッセンブリ
135 シール
140 端部カバー
150 ヘッドエンド
160 ライナー
170 燃焼ゾーン
180 ケース
190 流路
195 可変容積式燃焼器
200 リニアアクチュエーター
210 駆動ロッド
220 プレノズル燃料噴射システム
230 燃料マニホールド
240 中央ハブ
250 支持支柱
255 輪郭付けされた形状
260 上流端部
270 下流端部
280 第1の側壁部
290 第2の側壁部
300 燃料噴射孔
310 プレノズルフロー
320 入れ子になった燃料マニホールドシステム
330 入れ子になった燃料マニホールド
340 燃料回路接続部
350 入れ子になった燃料供給回路
360 第1の入れ子になった燃料供給回路
370 第2の入れ子になった燃料供給回路
380 第3の入れ子になった燃料供給回路
390 燃料供給シール
400 フレキシブルホース
410 進入ポート
420 支持構造体
430 片持ち梁式の形状
440 シーリングフランジ
450 ロッド開口部
460 シール
480 空気力学的燃料フランジ
490 輪郭付けされた形状
500 空気力学的燃料フランジ
510 平坦な形状
520 円錐状ライナーサポート
530 フロースリーブ
540 流路
550 円錐状本体部
560 ライナーフランジ
570 円周方向溝部
580 フロースリーブフランジ
590 半径方向リップ
600 保持ピン開口部
610 保持ピン
620 窓部
630 フィルタースクリーン
650 エーロフォイル本体部
660 空気力学的な装着セクション
670 第1の増強領域
680 第2の増強領域
690 半割円錐状の形状
700 燃料ポート
710 ボルト孔
720 均一なエーロフォイル形状
725 頂部が切断されている部分
730 追加的な材料
740 燃料コア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14