(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記延伸工程においては、前記複合体の一部を前記弾性フィラメントと共に破り、分断された該弾性フィラメントに融着した前記不織布と共に該弾性フィラメントを収縮させ、周縁に該不織布の構成繊維が縺れた開孔を形成し、
前記均し工程においては、前記開孔の周縁の縺れた前記構成繊維を、前記ロールを用いて均し、該開孔を該構成繊維で覆い隠す請求項1に記載の伸縮シートの製造方法。
前記均し工程にて用いる前記凹凸のあるロールは、その凸部が回転軸方向および周方向の少なくとも何れか一方において、ランダムパターンで配されている請求項1〜3の何れか1項に記載の伸縮シートの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明を、その好ましい実施態様に基づき図面を参照しながら説明する。
先ず、本発明の伸縮シートの製造方法で製造される伸縮シートの一実施形態について、
図1〜
図2を参照しながら説明する。
図1,
図2は、伸縮シートの非伸長状態、すなわち外力が加わっていない自然状態(弛緩状態)を示したものである。本実施形態の伸縮シート10は、対向配置された第1不織布11及び第2不織布12の間に挟持固定され、かつ互いに交差せず一方向に配列して延びる複数本の弾性フィラメント13,13,13・・・を具備している。
【0012】
伸縮シート10は、長手方向X及びこれと直交する幅方向Yを有している。本実施形態の伸縮シート10においては、伸縮シート10の長手方向Xが、第1不織布11及び第2不織布12の構成繊維の主な配向方向を見て、該繊維の配向方向に沿うMD方向に一致しており、伸縮シート10の幅方向Yが、MD方向に直交するCD方向に一致している。また、MD方向(X方向)は、伸縮シート10を製造するときの方向でもある。
【0013】
弾性フィラメントの「弾性」は、弾性フィラメント13を伸縮シート10から取り出した状態において、弾性を有することを意味する。ここで「弾性を有する」とは、伸ばすことができ、かつ元の長さの1.3倍の長さに伸ばした状態(元の長さの1.3倍の長さになる)から力を解放したときに、元の長さの1.1倍以下の長さまで戻る性質を言う。
【0014】
本実施形態の伸縮シート10では、第1不織布11及び第2不織布12は、同形・同大の2枚の別の不織布から形成されている。尚、第1不織布11及び第2不織布12を、1枚の不織布を折り畳んだり、1枚の不織布を部分的に重ねたりして形成してもよい。伸縮シート10の2枚の不織布11,12は同一の材質のものでもよく、あるいは異なる材質のものでもよい。また、本実施形態の伸縮シート10では、弾性フィラメント13を挟持固定するように不織布で挟んでいるが、不織布の片面に弾性フィラメント13を固定する形態でもよい。
【0015】
両不織布11,12間に挟持固定された複数本の弾性フィラメント13は、一方向に長く形成されている。弾性フィラメント13は、長手方向Xに延びて配されており、幅方向Yに間隔を置いて複数本配されている。該間隔は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.5mm以上5mm以下であることが更に好ましい。各弾性フィラメント13の平均直径は、10μm以上500μm以下であることが好ましく、50μm以上300μm以下であることが更に好ましい。ここで、弾性フィラメント13の平均直径とは、伸縮シート10を平面視した際の直径である。尚、幅方向Yにおいて隣り合う弾性フィラメント13どうしの間の距離は同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。
【0016】
本実施形態の伸縮シート10においては、複数本の弾性フィラメント13の内の一部の弾性フィラメント13は、分断されている。詳述すると、複数本の弾性フィラメント13の内のランダムに選ばれた一部の弾性フィラメント13が、分断されている。弾性フィラメント13の分断箇所13cは、本実施形態の伸縮シート10においては、
図1に示すように、特に後述する稜線部15に由来する低坪量部分に、非規則的に配されている。
【0017】
伸縮シート10は、弾性フィラメント13の延びる方向である長手方向Xに沿って伸縮可能になっている。一方、幅方向Yに関しては、伸縮シート10は実質的に非伸縮である。伸縮シート10の伸縮性は、弾性フィラメント13の伸縮性に起因して発現する。一方、不織布11,12が伸縮性を有していることは,本発明において必須のものではないが、弾性フィラメント13の伸縮性を阻害しないようにする観点から、不織布11,12は伸長性を有していることが好ましい。
【0018】
伸縮シート10においては、
図1に示すように、頂部14t及び谷部14vが、弾性フィラメント13の延びる方向と直交する方向、すなわち幅方向Yに延びて形成されている。長手方向Xに沿ってみたとき、頂部14t及び谷部14vは等ピッチで形成されている。頂部14tのピッチとは、長手方向Xにおいて隣り合う頂部14tの頂点間の距離である。また谷部14vのピッチとは、長手方向Xにおいて隣り合う谷部14vの底点間の距離である。
尚、頂部14t及び谷部14vが異なるピッチに形成されていてもよい。
【0019】
図2には、本実施形態の伸縮シート10における弾性フィラメント13の延びる方向に沿う縦断面図が示されている。
図2は、自然状態(非伸長状態、弛緩状態)における伸縮シート10の縦断面図である。自然状態においては、伸縮シート10は、頂部14t及び谷部14vが交互に配列した波形形状になっている。頂部14tと谷部14vとは稜線部15を介して連なっている。頂部14t及び谷部14vの厚みに対して、稜線部15の厚みは若干小さくなっている。そのため、稜線部15は、頂部14t及び谷部14vよりも光を透過させやすくなっている。従って、伸縮シート10には、特に伸長状態において、光を透過させやすい稜線部15と、それよりも光を透過させにくい頂部14t及び谷部14vとに起因する横縞模様が現れる。
【0020】
図2に示すように、伸縮シート10においては、頂部14t及び谷部14vに由来する高坪量部分と、光を透過させやすい稜線部15に由来する低坪量部分とを有し、該高坪量部分及び該低坪量部分が、長手方向Xに、交互に配列している。各該高坪量部分及び各該低坪量部分は、幅方向Yにそれぞれ帯状に延びている。尚、高坪量部分については、頂部14tに由来する伸縮シート10の上方に隆起しているものと、谷部14vに由来する伸縮シート10の下方に隆起しているものとが、長手方向Xに交互に配置されている。
【0021】
伸縮シート10全体の厚みは、0.2mm以上2.0mm以下、特に0.6mm以上1.6mm以下であることが好ましい。また、頂部14t及び谷部14vに由来する高坪量部分の厚みは、0.5mm以上1.5mm以下、特に0.5mm以上1.0mm以下であることが好ましい。稜線部15に由来する低坪量部分の厚みは、0.05mm以上0.5mm以下、特に0.1mm以上0.4mm以下であることが好ましい。厚みの測定は、伸縮シート10を、20±2℃、65±5%RHの環境下に無荷重にて、2日以上放置した後、次の方法にて求める。先ず伸縮シート10を1.5倍に伸長方向へ伸ばした状態にて、0.5cN/cm
2の荷重にて平板間に挟む。その断面をマイクロスコープにより50〜200倍の倍率で観察し、各視野において厚みをそれぞれ求める。そして求めた測定結果を平均し、平均値をそれぞれの厚みとする。
【0022】
本実施形態の伸縮シート10においては、弾性フィラメント13(分断されていない弾性フィラメント13、及び分断された後の弾性フィラメント13)は、伸長歪が無い状態で配されている。詳述すると、本実施形態の伸縮シート10は、後述する製造方法に従って製造されており、弾性フィラメント13は、その構成樹脂が溶融又は軟化した状態で延伸され、第1不織布11及び第2不織布12と、弾性フィラメント13が溶融状態のうちに接合されて形成されている。これにより、弾性フィラメント13は、十分細化したフィラメントとなり、伸縮シート10の外観が良くなる。また、弾性フィラメント13が第1不織布11及び第2不織布12と貼り合わせた後において、常温になった弾性フィラメント13は縮もうとする力を示さず、弾性フィラメント13は非伸長状態で第1不織布11及び第2不織布12に接合させたことと同じ状態になる。即ち、弾性フィラメント13は、伸縮シート10に伸長歪が無い状態で配されるようになる。尚、弾性フィラメント13の伸長歪が無い状態は、後述する製造方法における延伸工程の後においても続いている。
【0023】
伸縮シート10は、
図1に示すように、上述した弾性フィラメント13の分断箇所13cにおいては、分断された部分の弾性フィラメント13に融着した第1不織布11及び第2不織布12と共に該弾性フィラメント13が収縮した状態となっている。本実施形態の伸縮シート10においては、第1不織布11側の表面では、弾性フィラメント13の分断箇所13cが、第1不織布11を構成する繊維で覆い隠されている。そして、第2不織布12側の表面では、弾性フィラメント13の分断箇所13cにて第2不織布12を構成する繊維121が縺れて、外方に向かって立っている。
【0024】
伸縮シート10を構成する第1及び第2不織布11,12としては、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布、エアレイド不織布、レジンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、湿式不織布などの公知の不織布を特に制限なく用いることができる。各不織布11,12は、その坪量がそれぞれ独立に4g/m
2以上30g/m
2以下であることが好ましく、6g/m
2以上20g/m
2以下であることが更に好ましい。
【0025】
各不織布11,12を構成する繊維としては、例えばポリエチレンやポリプロピレンやポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレンやポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、アクリル等のアクリロニトリル系樹脂、メタクリル樹脂等から構成される繊維が挙げられる。あるいは、これらの樹脂の2種以上のブレンド物から繊維を構成したり、これらの樹脂を2種以上組み合わせた複合繊維(芯鞘型繊維やサイド・バイ・サイド型繊維)を用いることもできる。また、コットン、パルプ等の天然繊維を用いることもできる。また、各不織布11,12を構成する繊維は、静電気防止剤、潤滑剤、親水化剤、繊維着色剤等の少量の添加物を付与した繊維であってもよい。
【0026】
各不織布11,12には、上述した樹脂からなる繊維に加えて、熱可塑性エラストマー等の樹脂から構成される弾性繊維を用いてもよい。
【0027】
各不織布11,12の最大伸度は、搬送性の観点から、150%以下であることが好ましく、20%以上100%以下であることが更に好ましく、60%以上85%以下であることが特に好ましい。ここで各不織布11,12の最大伸度は、以下のようにして測定する。
【0028】
<各不織布11,12の最大伸度の測定法>
先ず、不織布から、MD方向(X方向)に200mm、CD方向(Y方向)に50mmの大きさの矩形の試験片を切り出す。そして切り出された試験片を引張り試験機(島津製作所製オートグラフAG-1kNIS)に装着する。チャック間距離は150mmとする。試験片をMD方向(X方向)へ300mm/分の速度で伸長させ、そのときの荷重を測定する。不織布の最大伸度は、測定された最大点荷重での試験片の長さを(T2)mmとし、もとの試験片の長さを(T1)mmとしたときに、(T2−T1)×100/T1(%)で求められる。
【0029】
伸縮シート10を構成する弾性フィラメント13としては、天然ゴム、或いは熱可塑性エラストマーの樹脂材料からなる繊維等が挙げられる。熱可塑性エラストマーの樹脂材料としては、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン)、SEBS(スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン)、SEPS(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン)等のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー(エチレン系のα-オレフィンエラストマー、エチレン・ブテン・オクテン等を共重合したプロピレン系エラストマー)、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーが挙げられる。弾性フィラメント13は単成分系のものでもよく、あるいは芯鞘型やサイド・バイ・サイド型の多成分系のものでもよい。
【0030】
次に、本実施形態の伸縮シート10の好適な製造方法を、
図3〜
図7を参照しながら説明する。本実施態様の製造方法は、(i)紡糸ノズル211から紡出された溶融状態の多数の弾性フィラメント13を所定速度で引き取って延伸しつつ、弾性フィラメント13の固化前に、弾性フィラメント13が互いに交差せず一方向に配列するように複数の弾性フィラメント13を不織布11,12に融着させ複合体1を形成する複合体形成工程と、(ii)形成された複合体1を、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って延伸処理して複合体1に伸縮性を付与する延伸工程と、(iii)伸縮性の付与された複合体1の片面を微細な凹凸のあるロール41を用いて擦り、該複合体1の片面を均す均し工程とを有する。
図3には、これらの工程を行うための製造装置100が示されている。
【0031】
図3に示す製造装置100は、複合体形成部20と、延伸部30と、均し部40とに大別される。複合体形成部20は、装置100の機械方向MDの上流側に位置する。延伸部30は、複合体形成部20よりも装置100の機械方向MDの下流側に位置する。
【0032】
複合体形成部20は、
図3に示すように、紡糸ヘッド21と、ニップロール22とを備えている。製造装置100においては、更に、紡糸ヘッド21がダイの一例である紡糸ノズル211を有する。また、ニップロール22が主ロール221と、副ロール222とを有している。
【0033】
延伸部30は、
図3に示すように、一対の歯溝ロール31,32と、一対の歯溝ロール31,32の機械方向MDの上流側に一対のニップロール33,34と、一対の歯溝ロール31,32の機械方向MDの下流側に一対のニップロール35,36を備えている。
【0034】
均し部4は、
図3に示すように、周面に複数個の凸部411を有する凸ローラ41を備えている。凸ローラ41は、アルミニウム合金又は鉄鋼等の金属性の円筒形状のものである。凸ローラ41は、その回転軸に駆動手段(図示せず)からの駆動力が伝達されることによって回転する。凸ローラ41の回転速度は、製造装置の備える制御部(不図示)により制御されている。
【0035】
本実施態様においては、複合体形成工程にて、製造装置100の複合体形成部20を用い、紡糸ノズル211から紡出された溶融状態の多数の弾性フィラメント13をニップロール22により所定速度で引き取って延伸する。それに伴ってニップロール22を用いて、該弾性フィラメント13の固化前に、該弾性フィラメント13が互いに交差せず一方向に配列するように該複数の弾性フィラメント13を第1不織布11及び第2不織布12の間に融着させ複合体1を形成する。
【0036】
複合体形成工程について詳述する。紡糸ノズル211の設けられた紡糸ヘッド21は、押出機に接続されている。該押出機によって熱可塑性エラストマー等の樹脂材料が溶融混練され、紡糸ヘッド21に供給される。紡糸ヘッド21には、多数の紡糸ノズル211が直線状に一列に配置されている。紡糸ノズル211は、第1及び第2の不織布11,12の幅方向に沿って配置されている。隣り合う紡糸ノズル211の間隔は、目的とする複合体10における弾性フィラメント13の間隔に相当する。
【0037】
紡糸ノズル211から紡出された溶融状態の弾性フィラメント13は、原反から互いに同速度で繰り出された第1及び第2不織布11,12と合流し、両不織布11,12間に挟持されて所定速度で引き取られる。弾性フィラメント13の引き取り速度は、両不織布11,12の繰り出し速度と一致している。弾性フィラメント13の引き取り速度は、該弾性フィラメント13の直径及び延伸倍率に影響を及ぼす。即ち、紡出された弾性フィラメント13が、第1及び第2不織布11,12と合流するまでの間、該弾性フィラメント13は延伸されて延伸方向に分子が配向する。また直径が小さくなる。延伸によって弾性フィラメント13に生じる張力は、該弾性フィラメント13を両不織布11,12と貼り合わせるときの風や静電気に起因する該弾性フィラメント13の乱れを防止する。それによって弾性フィラメント13どうしを交差させずに一方向へ配列させることができる。
【0038】
弾性フィラメント13は、その固化前の融着可能な状態で第1及び第2不織布11,12と合流する。その結果、弾性フィラメント13は、第1及び第2不織布11,12に挟持された状態で、これらの不織布11,12に融着する。
【0039】
弾性フィラメント13と不織布11,12とを接合させるときの弾性フィラメント13の温度は、不織布11,12との融着を確実にするために、用いる熱可塑性エラストマーの樹脂材料の融点以上であることが好ましく、具体的には、100℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上である。
【0040】
弾性フィラメント13と不織布11,12との接合時には、弾性フィラメント13は実質的に非伸長状態(外力を取り除いたときに縮まない状態)である。弾性フィラメント13が固化することにより、後述する延伸工程前においては、弾性フィラメント13が実質的に非伸長状態となる。このように、弾性フィラメント13が非伸長状態で不織布11,12に接合されるため、後述する延伸加工を施して得られる伸縮性を有する伸縮シート10は、伸長による緩和(クリープ)が起こらず、伸縮性が低下し難くなる。
【0041】
次いで、複合体形成工程においては、弾性フィラメント13が第1及び第2不織布11,12に挟持された状態のものを、ニップロール22を用いてニップ圧を高くして複合体1を形成する。ニップロール22の有する主ロール221及び副ロール222は、その周面が平滑であり、例えば金属やゴムから構成されている。副ロール222は、その軸線が主ロール221の軸線と平行になるように配置されている。
【0042】
ここで、「ニップ圧」とは、主ロール221と副ロール222とによって、弾性フィラメント13が第1及び第2不織布11,12に挟持された状態のものが挟圧されることにより、該挟持された状態のものに作用する圧力のことである。ニップ圧は、挟圧力(主ロール221に副ロール222を押付けようとする力)、ロール間のクリアランス、ロールの表面硬さ、ロールの表面形状等により調整することが可能である。特に、挟圧力とロール間のクリアランスによって調整され、挟圧力が大きいほど、また、ロール間のクリアランスが狭いほど、ニップ圧は大きくなる。この中で、挟圧力は、上記観点から、線圧で表して、2N/cm以上200N/cm以下であることが好ましく、4N/cm以上150N/cm以下であることが更に好ましく、10N/cm以上100N/cm以下であることがことさら好ましい。挟圧力は、例えば主ロールと副ロールにクリアランスを設けるために設置されたクリアランス設定装置に設置されるロードセルによって測定される。
【0043】
主ロール221及び2本の副ロール222の表面温度は、風合いの良好な複合体1が得られる観点から、10℃以上50℃以下に温度調節することが好ましく、15℃以上40℃以下に温度調節することが更に好ましい。
【0044】
以上のようにして、弾性フィラメント13と不織布11,12とが貼り合わされてなる複合体1が得られる。複合体1は、後述する一対のニップロール33,34で引っ張られることで主ロール221の周面から剥離される。
【0045】
次いで、本実施態様においては、延伸工程にて、製造装置100の延伸部30を用い、形成された複合体1を、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って一対の歯溝ロール31,32で延伸処理して弾性フィラメント13に伸縮性を発現させて該複合体1に伸縮性を付与する。また、本実施態様においては、延伸工程にて、複合体1の一部を弾性フィラメント13と共に破り、分断された弾性フィラメント13に融着した不織布11,12と共に該弾性フィラメント13を収縮させ、周縁に該不織布11,12の構成繊維111,121が縺れた開孔16を形成する。このようにして、本実施態様の延伸工程においては、開孔16を有し伸縮性を有する伸縮シート10fを形成する。
【0046】
一対の歯溝ロール31,32は、互いに噛み合う歯溝が周方向に交互に形成されている。即ち、
図3に示すように、歯溝ロール31,32の回転軸と、歯311,321が延びる方向とが、それぞれ平行になるように、歯311,321が歯溝ロール31,32の周面に設けられている。また、歯溝ロール31の歯311と歯311の間及び歯溝ロール32の歯321と歯321の間が溝になっている。歯溝ロール31,32における噛み合い部分では、互いの歯溝ロールの歯が互いの溝に噛み合うように設けられている。
【0047】
図4に示すように、歯溝ロール31,32が互いに噛み合った際に、隣接する歯溝ロール31の歯311と歯溝ロール32の歯321との平均隙間L(歯溝ロールの回転方向に対して歯の前側の隙間L1と後側の隙間L2の平均値)が10mm以下であり、4mm以下であることが好ましい。ここで、平均隙間L(mm)は、歯溝ロール31,32が互いに噛み合った際において、互いに対向する歯311の内面と歯321の内面との間隔である。
【0048】
また、
図4に示すように、歯溝ロール31,32が互いに噛み合った際に、隣接する歯溝ロール31の歯311と歯溝ロール32の歯321との噛み合い深さDが、1mm以上10mm以下であることが好ましい。
【0049】
延伸工程においては、延伸倍率が、4倍以上10倍以下であることが好ましい。延伸倍率は、上述した歯溝ロール31の歯311と歯溝ロール32の歯321との平均隙間L(mm)と、噛み合い深さD(mm)、およびニップロール33、34の周速V1(m/min)と歯溝ロール31、32の周速下V2(m/min)とにより、下記の式(2)で求められる。
【0051】
延伸工程においては、複合体形成工程において製造された複合体1を、金属やゴムから構成された周面が平滑な一対のニップロール33,34を用いて、引っ張り、主ロール221の周面から剥離する。そして、一対のニップロール33,34の周速と歯溝ロール31,32の周速とを調整しながら歯溝ロール31,32間に搬送し、複合体1を、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って一対の歯溝ロール31,32で延伸処理して複合体1に伸縮性を付与して伸縮シート10fを形成する。伸縮性を付与すると共に、延伸工程においては、歯溝ロール31,32を用いて、複合体1の一部を弾性フィラメント13と共に破る。このように破られた部分においては、弾性フィラメント13が分断され、弾性フィラメント13の分断箇所13cが形成される。また、該破られた部分においては、
図5に示すように、分断された弾性フィラメント13に融着した不織布11,12が該弾性フィラメント13と共に収縮し、周縁に該不織布11,12の構成繊維111,121が縺れた開孔16が形成されるようになる。
【0052】
以上のようにして、開孔16を有し伸縮性を有する伸縮シート10fが得られる。伸縮シート10fは、金属やゴムから構成された周面が平滑な一対のニップロール35,36を用いて、引っ張り、一対の歯溝ロール31,32から引き出される。尚、一対のニップロール35,36の周速と一対の歯溝ロール31,32の周速を調整することにより、伸縮シート10fに更に張力を付与することもできる。
【0053】
次いで、本実施態様においては、均し工程にて、製造装置100の均し部40を用い、引き出された伸縮シートfの第1不織布11側の片面を微細な凹凸のあるロール41を用いて擦り、伸縮シート10fの片面を均す。また、本実施態様においては、均し工程にて、開孔16の周縁の縺れた構成繊維111を、ロール41を用いて均し、開孔16を構成繊維111で覆い隠す(
図6参照)。このようにして、本実施態様の均し工程においては、弾性フィラメント13の分断箇所13cにて、開孔16が構成繊維111で覆い隠された伸縮性を有する伸縮シート10を形成する。
【0054】
凸ローラ41は、凸部411と凹部412からなる凹凸形状を凸ローラ41の回転軸方向(CD方向)および周方向に測定したときに、少なくとも何れか一方において、規則的な繰返しパターンで表せない、ランダムパターンから構成される凹凸形状を有する。前記ランダムパターンの一例を示すと、
図7に示すような粗さ曲線で表される。前記粗さ曲線の走査方向をX軸とし、振幅方向をY軸とし、粗さ曲線をY=f(X)と表したとき、ランダムパターンとは前記粗さ曲線Y=f(X)を周波数解析したときに、周期関数の組合せとして表せないことを意味する。
なお、前記粗さ曲線は、接触式の粗さ計「SURFTEST SJ-210(株式会社ミツトヨ製)」を用いて測定した。
【0055】
凸ローラ41は、十分に均された伸縮シート10を形成する観点から、下記式(1)で求められる加工距離が、200mm以上であることが好ましく、400mm以上であることが更に好ましく、800mm以上であることが殊更好ましい。そして10000mm以下であることが好ましく、5000mm以下であることが更に好ましく、2000mm以下であることが殊更好ましい。具体的には、200mm以上10000mm以下であることが好ましく、400mm以上5000mm以下であることが更に好ましく、800mm以上2000mm以下であることが殊更好ましい。
尚、下記式(1)で求められる加工距離は、
図8に示すように、凸ローラ41と伸縮シート10fとが接している距離を意味する。また、Rで示す凸ローラ41のローラ径は、凸ローラ41の周面での直径である。
【数3】
【0056】
本実施態様の均し工程においては、凸ローラ41の凸部411が凸ローラ41の周方向にランダムパターンであることによって、高さの異なる凸部が伸縮シート10fにランダムな深さで入り込み伸縮シート10f中の構成繊維を引っかくことになり、伸縮シート10f中の厚み方向のランダムな位置で伸縮シート10f中の構成繊維を引っかき、その一部を破断する。それと共に、開孔16周縁に縺れて外方に向かって立っている第1不織布11を構成する繊維111を均して、繊維111で開孔16を覆い隠す(
図6参照)。このように、伸縮シート10f中の厚み方向のランダムな位置で伸縮シート10f中の構成繊維を引っかくことで、伸縮シート10fの厚み方向において、ランダムに伸縮シート10f中の束なった構成繊維がほぐされタッチ感が大きく向上する。それと共に、開孔16が更に構成繊維111で覆い隠され目立ち難くなり外観の良好な伸縮シート10が得られる。さらに前記ランダムパターンは、凸ローラ41の凸部411が凸ローラ41の回転軸方向にもランダムである場合には、伸縮シート10fのX方向(幅方向)に、より均一に肌触りを向上し、更に開孔16が目立ち難くなるというメリットもある。尚、伸縮シート10の分断箇所13cにおいては、
図1,
図6に示すように、第1不織布11側の片面は均されており、第2不織布12側の片面は、第2不織布12を構成する繊維121が縺れて、外方に向かって立った状態のままになっている。
【0057】
本実施態様の均し加工においては、伸縮シート10fに張力をかけた状態で行うことが好ましい。具体的には、均し加工時に伸縮シート10fにかかる張力は、1N/m以上であることが好ましく、5N/m以上であることがより好ましく、8N/m以上であることがさらに好ましい。また、100N/m以下であることが好ましく、90N/m以下であることがより好ましく、75N/m以下であることがさらに好ましい。
【0058】
以上のように製造された伸縮シート10は、延伸工程にて、限度まで延伸されているので伸縮特性に更に優れている。また、均し工程にて、均されているので、肌触りが非常に良好となる。また、均し工程にて、均され、開孔16が第1不織布11の構成繊維111で覆われて隠されているので、見栄えも良好である。このような伸縮シート10を、本実施態様の伸縮シートの製造方法によって、連続的に製造することができる。また、本実施態様の伸縮シートの製造方法によれば、均し工程を施すので、不織布11,12として、一般的な汎用の不織布を用いることができ、製造コストを抑えることができる。
【0059】
このように製造された伸縮シート10は、使い捨ておむつや生理用ナプキンを始めとする各種吸収性物品の各部の構成材料として好適に用いられる。例えば、吸収体よりも肌側に位置する液透過性のシート(表面シート、サブレイヤー等を含む)や、使い捨ておむつの外面を構成するシート、胴回り部やウエスト部、脚周り部等に弾性伸縮性を付与するためのシート等が挙げられる。また、ナプキンのウイングを形成するシート等として用いることができる。また、それ以外の部位であっても、伸縮性を付与したい部位等に用いることができる。またこの用途以外に、医療用使い捨て衣類、清掃シート、眼帯、マスク、包帯等の各種の用途にも好適に用いられる。伸縮シート10の坪量は、その具体的な用途に応じて適切に調整でき、例えば吸収性物品の構成材料として用いる場合には、坪量15〜40g/m
2程度にすることが好ましい。尚、伸縮シート10の使用に際しては、開孔16が隠された第1不織布11側を、肌対向面側にして用いれば、肌触りに関して問題なく使用することができる。
【0060】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば上述した伸縮シート10の製造方法に用いられる製造装置100においては、複合体形成部20、伸縮付与部30、及び均し部40を連続的に行っているが、断続的に行ってもよい。
【0061】
また、上述した製造装置100においては、複合体形成部20のニップロール22が、1本の主ロール221及び副ロール222を有し、1段階のニップロールを形成しているが、2本以上の副ロールからなる、多段階のニップロールでも良い。
【0062】
また、上述した製造装置100においては、均し部40の凸ローラ41を、伸縮シート10の第1不織布11側にのみ配置しているが、伸縮シート10の第2不織布12側にのみ配置してもよく、伸縮シート10の第1及び第2不織布11,12側の両方に配置してもよい。このように凸ローラ41を、伸縮シート10の第1及び第2不織布11,12側の両方に配置すれば、製造された伸縮シート10の分断箇所13cにおいては、第1及び第2不織布11,12側の両面が均され、開孔16が第1及び第2不織布11,12を構成する繊維111,121で覆われ更に隠されており、見栄えが更に良好となる。
【0063】
また、上述した製造装置100においては、第1不織布11及び第2不織布12の間に、一方向に延びる複数本の弾性フィラメント13,13,13・・・を挟持固定しているが、第1不織布11又は第2不織布12の一方の表面に、複数本の弾性フィラメント13,13,13・・・を融着固定するようにしてもよい。
【0064】
上述した実施形態に関し、さらに以下の伸縮シートを開示する。
【0065】
<1>
紡糸ノズルから紡出された溶融状態の多数の弾性フィラメントを所定速度で引き取って延伸しつつ、該弾性フィラメントの固化前に、該弾性フィラメントが互いに交差せず一方向に配列するように複数の該弾性フィラメントを不織布に融着させ複合体を形成する複合体形成工程と、
形成された複合体を、前記弾性フィラメントの延びる方向に沿って延伸処理して該複合体に伸縮性を付与する延伸工程と、
伸縮性の付与された複合体の片面を微細な凹凸のあるロールを用いて擦り、該複合体の片面を均す均し工程とを有する伸縮シートの製造方法。
【0066】
<2>
前記延伸工程においては、前記複合体の一部を前記弾性フィラメントと共に破り、分断された該弾性フィラメントに融着した前記不織布と共に該弾性フィラメントを収縮させ、周縁に該不織布の構成繊維が縺れた開孔を形成し、
前記均し工程においては、前記開孔の周縁の縺れた前記構成繊維を、前記ロールを用いて均し、該開孔を該構成繊維で覆い隠す前記<1>に記載の伸縮シートの製造方法。
<3>
前記複合体形成工程にて用いる前記不織布は、その最大伸度が150%以下である前記<1>又は<2>に記載の伸縮シートの製造方法。
<4>
前記複合体形成工程にて用いる前記不織布の最大伸度は、20%以上100%以下、好ましくは60%以上85%以下である前記<1>〜<3>の何れか1に記載の伸縮シートの製造方法。
<5>
前記複合体形成工程における、前記弾性フィラメントが前記不織布に挟持された状態のものを、ニップロールを用いて挟圧して前記複合体を形成するときの挟圧力は、線圧で表して2N/cm以上200N/cm以下であることが好ましく、4N/cm以上150N/cm以下であることが更に好ましく、10N/cm以上100N/cm以下であることがことさら好ましい前記<1>〜<4>の何れか1に記載の伸縮シートの製造方法。
<6>
前記複合体形成工程における、前記弾性フィラメントが前記不織布に挟持された状態のものを挟圧して前記複合体を形成するときに用いるニップロールは主ロール及び副ロールを有し、
前記主ロール及び前記副ロールの表面温度は、10℃以上50℃以下に、好ましくは15℃以上40℃以下に温度調節する前記<1>〜<5>の何れか1に記載の伸縮シートの製造方法。
<7>
前記延伸工程における延伸処理は、一対の歯溝ロールを用いて行われ、
一対の前記歯溝ロールが互いに噛み合った際に、隣接する第1の歯溝ロールの歯と第2の歯溝ロールの歯との噛み合い深さDが、1mm以上10mm以下である前記<1>〜<6>の何れか1に記載の伸縮シートの製造方法。
<8>
前記延伸工程においては、延伸倍率が、4倍以上10倍以下である前記<1>〜<7>の何れか1に記載の伸縮シートの製造方法。
<9>
前記複合体形成工程における、前記弾性フィラメントが前記不織布に挟持された状態のものを挟圧して前記複合体を形成するときに用いるニップロールが、2本以上の副ロールからなる、多段階のニップロールである前記<1>〜<8>の何れか1に記載の伸縮シートの製造方法。
<10>
前記均し工程にて用いる前記凹凸のあるロールは、その凸部が回転軸方向および周方向の少なくとも何れか一方において、ランダムパターンで配されている前記<1>〜<9>の何れか1に記載の伸縮シートの製造方法。
<11>
前記均し工程にて用いる前記凹凸のあるロールは、下記式(1)で求められる加工距離が200mm以上である前記<1>〜<10>の何れか1に記載の伸縮シートの製造方法。
【数4】
<12>
前記加工距離が、200mm以上、好ましくは400mm以上、更に好ましくは800mm以上であり、そして10000mm以下、好ましくは5000mm以下、更に好ましくは2000mm以下である前記<11>に記載の伸縮シートの製造方法。
<13>
前記均し加工時に伸縮シート10fにかかる張力が、1N/m以上であることが好ましく、5N/m以上であることがより好ましく、8N/m以上であることがさらに好ましく、100N/m以下であることが好ましく、90N/m以下であることがより好ましく、75N/m以下であることがさらに好ましい、前記<1>〜<12>の何れか1に記載の伸縮シートの製造方法。
【0067】
<14>
前記<1>〜<13>の何れか1に記載の伸縮シートの製造方法で得られた伸縮シート。
<15>
前記伸縮シートは弾性フィラメントを具備し、
前記弾性フィラメントは、長手方向Xに延びて配されており、幅方向Yに間隔を置いて複数本配されており、
前記間隔は、0.1mm以上10mm以下、好ましくは0.5mm以上5mm以下である前記<14>に記載の伸縮シート。
<16>
前記伸縮シートは弾性フィラメントを具備し、
前記弾性フィラメントの平均直径は、10μm以上500μm以下、好ましくは50μm以上300μm以下である前記<14>又は<15>に記載の伸縮シート。
<17>
前記伸縮シートの坪量は、15〜40g/m
2程度である前記<14>〜<16>の何れか1に記載の伸縮シート。
【実施例】
【0068】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例によって何ら制限されるものではない。
【0069】
[実施例1]
図3に示す製造装置100を用いて
図1に示す伸縮シートを製造した。第1不織布及び第2不織布としては、ポリプロピレン樹脂(22μm;100%)からなる坪量18g/m
2のスパンボンド不織布を用いた。また上述した方法で測定した第1不織布及び第2不織布の最大伸度は、それぞれ78%であった。弾性フィラメントとしては、SEPS樹脂を用いた。弾性フィラメントは、平均直径が120μm、厚み方向直径が92μm、間隔(ピッチ)が1mmであった。また複合体形成工程後に得られた複合体の坪量は46g/m
2であった。また、延伸工程で用いる歯溝ロールに関しては、隣接する歯溝ロールの歯どうしの平均隙間Lは0.8mm、上述した方法で求められる延伸倍率が7倍であった。更に、均し工程で用いられるロールは、凸部が周方向にランダムパターンで配され、上記式(1)で求められる加工距離が864mmであった。このような製造条件で伸縮性を有する実施例1の伸縮シートを製造した。
【0070】
[実施例2]
均し工程で用いられるロールに関して、加工距離を236mmに変更する以外は、実施例1と同様にして実施例2の伸縮シートを製造した。
【0071】
[実施例3]
第1の不織布と第2の不織布を変更する以外は、実施例1と同様にして実施例3の伸縮シートを製造した。
[比較例1]
均し工程で用いられるロールに関して、凹凸のあるロールを用いず、周面が平滑なロールに変更する以外は、実施例1と同様にして比較例1の伸縮シートを製造した。
【0072】
〔性能評価〕
実施例1〜3、比較例1の伸縮シートに関し、下記表1に示す各項目を測定・評価した。「伸長性」、「外観(見栄え)」、「肌触り」は、それぞれ以下の方法で評価した。
【0073】
<MD方向 最大伸度の測定法>
伸縮シートを、その伸縮方向(MD方向)へ200mm、それと直交するCD方向へ50mmの大きさで切り出し矩形の試験片を得た。そして切り出された試験片を引張り試験機(島津製作所製オートグラフAG-1kNIS)に装着する。チャック間距離は150mmとする。試験片をMD方向(X方向)へ300mm/分の速度で伸長させ、そのときの荷重を測定し、測定された最大点荷重点における伸度を最大伸度とした。
【0074】
<外観(見栄え)の評価>
モニター5人に、伸縮シートの外観(見栄え)の評価を行った。各モニターの評価に応じて、下記の点数を付け、モニター5人の平均点(小数点以下を四捨五入)を肌触りの評価点とした。
5点:外観(見栄え)が良い。
4点:外観(見栄え)がやや良い。
3点:普通。
2点:外観(見栄え)がやや悪い。
1点:外観(見栄え)が悪い。
【0075】
<肌触りの評価>
モニター5人に、伸縮シートが見えない暗箱内で、該伸縮シートの肌触りの評価を行った。各モニターの評価に応じて、下記の点数を付け、モニター5人の平均点(小数点以下を四捨五入)を肌触りの評価点とした。
5点:肌触りが良い。
4点:肌触りがやや良い。
3点:普通。
2点:肌触りがやや悪い。
1点:肌触りが悪い。
【0076】
【表1】
【0077】
表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜3及び比較例1の伸縮シートは、何れも伸長性が良好であった。実施例1〜3の伸縮シートは、比較例1の伸縮シートに比べ、外観(見栄え)、肌触りが良好なシートであった。