特許第6204836号(P6204836)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204836
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20170914BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   G07G1/01 301C
   G07G1/00 311D
   G07G1/00 331Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-4393(P2014-4393)
(22)【出願日】2014年1月14日
(65)【公開番号】特開2015-133005(P2015-133005A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年4月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 泰弘
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−134478(JP,A)
【文献】 特開2002−236977(JP,A)
【文献】 特開2013−125551(JP,A)
【文献】 特開2007−292894(JP,A)
【文献】 特開2011−018130(JP,A)
【文献】 特開平02−307196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00−1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
客とオペレータとが対面する対面カウンタに配置される薄型の扁平形状に形成されている筐体と、
前記筐体の上面に積層された表示部と、
前記表示部上に位置するRFID(Radio Frequency Identification)タグと通信するアンテナ部と、
前記アンテナ部を用いて前記RFIDタグとの通信を制御する通信制御部と、
前記通信制御部が前記RFIDタグから読み取ったメッセージを、前記アンテナ部が当該RFIDタグを読み取った位置に対応付けて、前記対面カウンタの客側に向けて前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部により前記表示部に表示された画面の配置または当該画面の大きさを変更する操作を受け付ける操作部と、
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項2】
非接触カードリーダライタ部をさらに備え、
前記表示制御部は、電子マネーによる決済が行われる場合に、前記操作部の変更操作に関わらず、前記非接触カードリーダライタ部の位置に対応して電子決済用カードをかざす位置を示す画面を表示させる、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記表示部は、機密性を有した情報を入力する機密情報画面を表示し、
前記機密情報画面には、視野角を限定する手段を備える、
請求項1または2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記筐体は、商品を識別する情報を読み取る読取部をさらに備えた、
請求項1ないしのいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POS(Point Of Sales)端末に代表される商品販売データ処理装置として、商品のバーコードを読み取るスキャナ、店員側に向く表示器、キーボード等の操作部等を備え、商品や商品籠を載置するカウンタ面を有するチェックアウトカウンタに設置されるものが知られている。
【0003】
また、キーボードおよび表示器をカウンタ面に配置するとともに、金銭箱およびプリンタを店員側のカウンタ正面に配置して商品販売データ処理装置をチェックアウトカウンタと一体化させることで、上面を平面化する技術が開示されている。このようにすることで、オペレータと客との対面性が向上し、客とオペレータとの間での金銭授受や商品の受け渡し等を広い範囲で自由に行うことができるので、商品販売処理の迅速化が可能となっている。
【0004】
このような、商品販売データ処理装置は、表示器に表示された同一の画面をオペレータと客とで見ていた。しかし、オペレータと客とは、対面にいるため同一の画面では見づらくなってしまっていた。
【0005】
一方、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置おいては、タッチパネルディスプレイを用いて直感的に操作することが可能であり、使用者が自由に画面配置などを変更することで見やすい画面を表示させている。そこで、商品販売データ処理装置においても画面表示の自由度において改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、オペレータと客との対面性の向上を図りつつ、画面表示の自由度の向上を図ることができる商品販売データ処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の商品販売データ処理装置は、筐体と、表示部と、アンテナ部と、通信制御部と、表示制御部と、操作部と、を有する。前記筐体は、客とオペレータとが対面する対面カウンタに配置される薄型の扁平形状に形成されている。前記表示部は、前記筐体の上面に積層される。前記アンテナ部は、前記表示部上に位置するRFID(Radio Frequency Identification)タグと通信する。前記通信制御部は、前記アンテナ部を用いて前記RFIDタグとの通信を制御する。前記表示制御部は、前記通信制御部が前記RFIDタグから読み取ったメッセージを、前記アンテナ部が当該RFIDタグを読み取った位置に対応付けて、前記対面カウンタの客側に向けて前記表示部に表示させる。前記操作部は、前記表示制御部により前記表示部に表示された画面の配置または当該画面の大きさを変更する操作を入力する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るPOS端末を含む商品販売ユニットをオペレータ側から見た斜視図である。
図2図2は、商品販売ユニットを客側から見た斜視図である。
図3図3は、商品販売ユニットをオペレータ側斜め上方から見た斜視図である。
図4図4は、商品が置かれた商品販売ユニットをオペレータ側斜め上方から見た斜視図である。
図5図5は、客側表示画面を拡大しオペレータ表示画面を縮小した場合の商品販売ユニットをオペレータ側斜め上方から見た斜視図である。
図6図6は、客側表示画面をオペレータ側に移動した場合の商品販売ユニットをオペレータ側斜め上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る商品販売データ処理装置であるPOS(Point Of Sales)端末について説明を行う。ここで、図1は実施形態に係るPOS端末1を含む商品販売ユニット2をオペレータ側から見た斜視図、図2は商品販売ユニット2を客側から見た斜視図、図3は商品販売ユニット2をオペレータ側斜め上方から見た斜視図である。
【0010】
商品販売ユニット2は、コンビニエンスストア,薬局,書店などの対面カウンタの店舗で用いられるものであって、キャッシャと称されるオペレータが操作してチェックアウト業務を行う有人チェックアウト式のシステムである。図1ないし図3に示すように、商品販売ユニット2は、チェックアウトカウンタ10(カウンタ)と、商品販売データ処理装置の一例としてのPOS端末1と、を備えている。
【0011】
POS端末1は、制御部40と、操作部50と、を備えている。POS端末1の操作部50は、チェックアウトカウンタ10のカウンタ面を構成する天板11上に設置される。このようなチェックアウトカウンタ10のオペレータ側には、最上段棚板14と、上段棚板15と、中段棚板16と、下段棚板17と、を備える棚部12が設けられている。最上段棚板14には、ドロワ20とプリンタ30とが設置される。また、上段棚板15には、POS端末1の操作部50が設置される。中段棚板16と、下段棚板17とには、商品販売に使用する備品が置かれる。備品とは、例えば、買物袋や、箸や、予備のレシート用紙などである。また、チェックアウトカウンタ10のカウンタ面を構成する天板11は、買物籠や商品などの物品が載置されるカウンタとしても使用される。
【0012】
ドロワ20は、硬貨及び紙幣を収納し、POS端末1から開放動作の制御を受ける。ドロワ20は、オペレータ側に設けられた開口から出没するように構成され、閉状態ではチェックアウトカウンタ10内に収納され、開状態ではオペレータ側に突出する。このドロワ20が引き出された開状態においてオペレータ側から金銭の出し入れ作業を行う。ドロワ20は、金銭が収納される上面開口の箱であり、各種の紙幣や硬貨が整理して収納される。通常、大きな額の紙幣から少額の紙幣、さらに額の大きな硬貨から少額の硬貨の順に、右から左に区分けして並べられている。
【0013】
なお、本実施形態においては、最上段棚板14にドロワ20を備えるようにしたが、これに限るものではない。例えば、ドロワ20に代えて、貨幣入出金装置(硬貨入出金装置及び紙幣入出金装置)を備えるようにしても良い。
【0014】
プリンタ30は、レシートや領収書の印字に用いられるレシートプリンタである。プリンタ30は、オペレータ側から見てドロワ20の左隣に、レシート排出口30aが形成されている。レシート排出口30aは、チェックアウト業務の完了時にプリントされるレシートの発行口である。
【0015】
次に、POS端末1について詳述する。
【0016】
POS端末1の操作部50は、薄型の扁平矩形形状に形成されている筐体100に、表示部101と、スキャナ102と、非接触カードリーダライタ103と、タッチパネル104と、RFID(Radio Frequency Identification)リーダライタ106とを備えている。
【0017】
スキャナ102は、CCD(Charge Coupled Device Image Sensor)撮像素子等のエリアイメージセンサと、このエリアイメージセンサの撮像領域に光を照射する複数のLED(Light Emitting Diode)発光素子と、を備えている。読取部であるスキャナ102は、商品に付されているバーコードにかざされた場合に商品を識別する識別情報を読み取る。POS端末1は、読み取った識別情報に対応する商品の商品分類、商品名、単価等の売上登録に係る情報を、売上マスタファイル(不図示)等に記録して売上登録を行う。
【0018】
また、本実施形態に係るPOS端末1は、RFIDリーダライタ106を有している。よって、RFIDリーダライタ106と通信するRFIDタグ(不図示)に記憶された識別情報を用いて売上登録を行ってもよい。
【0019】
RFIDリーダライタ106は、筐体100の内部に設置されている。RFIDリーダライタ106は、通信制御部(不図示)と、アンテナ部(不図示)とを備えている。通信制御部は、RFIDタグとの通信を制御する。アンテナ部は、RFIDタグと通信するためのアンテナである。RFIDリーダライタ106のアンテナ部は、筐体100の上面の何処にRFIDタグをかざされた場合であっても通信が可能な態様で設けられている。よって、RFIDリーダライタ106は、RFIDタグをPOS端末1にかざすことによりRFIDタグをライトまたはリードすることが可能となる。
【0020】
RFIDタグは、アンテナ部と、ICチップ部とを備えている。アンテナ部は、RFIDリーダライタ106と通信するためのアンテナである。ICチップ部は、内部に記憶媒体を有している。記憶媒体は、商品を識別する識別情報を含む商品情報を記憶している。商品情報とは、商品名称や商品価格などである。
【0021】
上述の構成においてPOS端末1は、RFIDリーダライタ106を用いてRFIDタグに記憶された商品に関する情報を読み出すことで、商品に関する情報に基づく情報を表示させることが可能である。ここで、図4は、商品Aが置かれた商品販売ユニット2をオペレータ側斜め上方から見た斜視図である。図4は、商品AとしてチーズがPOS端末1に置かれ、メッセージMとして商品Aの商品名称としてチーズ、商品Aの価格として200円を表示している状態を示している。商品AがPOS端末1に置かれたことにより、POS端末1は、RFIDリーダライタ106を用いてRFIDタグに記憶されている商品に関する情報を読み取る。そして、POS端末1は、読み取った商品に関する情報をメッセージMとして表示させる。
【0022】
また、POS端末1は、POS端末1に置かれた商品Aに付されたRFIDタグから読み取った商品名称と、価格と、合計金額とを有する合計メッセージM2を客側表示画面101bに表示させる。これにより、POS端末1に置かれた全ての商品の合計金額を把握することが可能となる。なお、合計メッセージM2は、客側表示画面101b以外の表示領域に表示されてもよい。
【0023】
また、メッセージMは、商品名称や価格以外であってもよい。例えば、商品Aのキャンペーン情報や、商品Aの成分情報や、商品Aの特徴やなどであってもよい。さらに具体的には、「現在30円割引中」や「塩分30パーセントカット」や「素材の食感を活かしました」などのメッセージであってもよい。この場合には、商品に関する情報として、対応するメッセージを記憶させればよい。
【0024】
非接触カードリーダライタ103は、非接触ICカード(不図示)と無線通信を確立し、非接触ICカードに対して情報を読み書きする。非接触ICカードは、一例として現金と等価な価値を有する電子マネーを記憶保存することが可能である。
【0025】
表示部101は、筐体100の上面全体を覆うように筐体100に積層されて設けられており、有機EL(Electro-Luminescence)や液晶などの技術を利用したディスプレイで構成されている。表示部101は、制御部40に設置された各種演算処理を実行し各部を制御するCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)(いずれも不図示)とによって画面表示が制御される。そして、表示部101上には、タッチパネル104が積層されて設けられており、各種操作を入力する。さらに、タッチパネル104は、表示部101に表示された各種画面の配置または大きさを変更する操作を入力することが可能である。これにより、制御部40は、入力された変更操作に応じて画面の配置または大きさを変更して表示部101に表示させる。
【0026】
表示部101は、商品販売に用いる情報を有する各種画面を表示する。例えば、表示部101は、オペレータ表示画面101aと、客側表示画面101bと、電子マネー表示画面101cと、機密情報表示画面101dと、を表示する。
【0027】
オペレータ表示画面101aは、オペレータ用に画像を表示するエリアであり、商品販売登録処理に関する情報を表示する。また、オペレータ表示画面101aは、入力操作に用いられる数字キーや締めキーなどの各種キーを備えるキーボードも表示する。
【0028】
客側表示画面101bは、客用に画像を表示するエリアであり、商品販売に関する情報を表示する。商品販売に関する情報とは、例えば、キャンペーン情報や、割引情報や、セール情報や、メッセージ情報などである。また、客側表示画面101bは、商品販売登録処理に関する情報として合計金額、単品価格や商品名を表示する。
【0029】
電子マネー表示画面101cは、非接触カードリーダライタ103上に設けられており、電子マネー決済に関する情報を表示する。これにより、客は、電子マネー表示画面101cの表示内容に従って電子マネー表示画面101cに非接触ICカードをかざすことで、容易に電子マネーによる決済を行なうことができる。電子マネー表示画面101cは、電子マネーによる決済を行なう場合に表示される画面である。すなわち、電子マネー表示画面101cは、電子マネーによる決済を行わない場合には表示されない。これにより、電子マネー表示画面101cが表示されていない場合には、他の画面を表示できることから非接触カードリーダライタ103上の表示領域を有効活用することが可能となる。なお、電子マネー表示画面101cは、タッチパネル104からの変更操作に関わらず、非接触カードリーダライタ103の位置に対応して表示される。
【0030】
機密情報表示画面101dは、機密性を有した情報を入力する画面を表示する。そのため、機密情報表示画面101dは、視野角が限定する手段を備えることにより、他者の覗き込みを防止している領域である。機密情報表示画面101dは、例えば、覗き込み防止シートを積層することで視野角を限定することで他者からの覗き込みを防止している。覗き込み防止シートとは、繊細なルーバー構造を持つフィルムであり、光の方向を限定することによって覗き込みを防止する。
【0031】
そして、機密情報表示画面101dは、例えば、クレジットカードの暗証番号を入力する画面である。機密情報表示画面101dは、入力表示領域(不図示)と、テンキー表示領域(不図示)とを備えている。機密情報表示画面101dには、タッチパネル104が積層されて設けられていることからテンキー表示領域から、暗証番号を入力することが可能となる。その際、機密情報表示画面101dは、覗き込み防止シートなどにより視野角が限定されていることから、他者からの覗き込みを防止し機密性を保持することが可能である。なお、機密情報表示画面101dは、覗き込みを防止する半透明のフィルタ(画像)を表示することにより覗き込みを防止してもよい。
【0032】
また、上述のオペレータ表示画面101aと、客側表示画面101bとは、タッチ操作により表示部101の何処にでも移動させることが可能となっている。さらに、オペレータ表示画面101aと、客側表示画面101bとは、タッチ操作により拡大や縮小など画面サイズを自在に変更することが可能となっている。なお、機密情報表示画面101dは、覗き込みを防止する半透明のフィルタ(画像)を表示する手段により覗き込みを防止している場合に、画像の配置または大きさを変更することが可能である。
【0033】
ここで、図5は、客側表示画面101bを拡大しオペレータ表示画面101aを縮小した場合の商品販売ユニット2をオペレータ側斜め上方から見た斜視図である。図5は、オペレータ表示画面101aが縮小され、客側表示画面101bが拡大された状態を示している。オペレータ表示画面101aと、客側表示画面101bとの画面サイズを自在に変更可能としたことで、オペレータは、作業に適した画面サイズでオペレーションを行うことが可能となる。具体的には、例えば、商品販売に関する情報を表示する場合には、客側表示画面101bは大きいことが望ましい。そこで、オペレータは、客側表示画面101bを拡大して、大きな客側表示画面101bを客に提示しながら販売促進活動を行う。
【0034】
そして、図6は、客側表示画面101bをオペレータ側に移動した場合の商品販売ユニット2をオペレータ側斜め上方から見た斜視図である。図6は、客側表示画面101bがオペレータ側に移動された状態を示している。オペレータ表示画面101aと、客側表示画面101bとを移動可能としたことで、オペレータは、作業に適した画面配置でオペレーションを行うことが可能となる。具体的には、例えば、図6に示すように、客側表示画面101bをオペレータ側に移動することにより、客側に何も表示されていない空間が生じる。よって、この空間に商品Aを置くことが可能となり、RFIDタグが付された商品Aの場合には、上述のように商品Aの商品名称と、商品Aの価格とを表示させることが可能となる。
【0035】
次に、実施形態に係るPOS端末1を用いた商品販売の流れについて説明を行う。
【0036】
商品販売の際に、客は、POS端末1が設置されたチェックアウトカウンタ10のオペレータ側から見て左側のカウンタ面に商品の入った商品籠を載置する。オペレータは、買物籠に入れられた商品を手に取り、商品に付されているバーコードをスキャナ102にかざして識別情報を読み取る。この際、POS端末1は、表示部101のオペレータ表示画面101aに商品販売登録処理に関する情報として合計金額、単品価格や商品名を表示する。
【0037】
また、POS端末1は、商品販売に関する情報として商品の割引情報やキャンペーン情報などを表示部101の客側表示画面101bに表示する。オペレータは、客側表示画面101bに表示された、商品販売に関する情報を用いて販売促進活動を実施する。その際、オペレータは、客側表示画面101bを拡大させる。販売促進活動とは、例えば、客側表示画面101bに表示された割引中の商品についての提案や、客側表示画面101bに表示された実施予定のキャンペーンについての告知などである。そして、POS端末1は薄型の扁平矩形形状に形成されおり、オペレータは、表示部101の客側表示画面101bを視認可能であることから、客側表示画面101bを指差しながら販売促進活動を行うことが可能となる。
【0038】
買物籠に入れられた全ての商品の識別情報の読み取りが終了すると、POS端末1は、表示部101のオペレータ表示画面101aおよび客側表示画面101bに合計金額を表示する。
【0039】
表示部101の客側表示画面101bを見て、客は、オペレータに金銭を支払う。オペレータは、金銭を受け取ると、オペレータ表示画面101aに表示されたキーボードを操作して決済処理を行う。POS端末1は、オペレータ表示画面101aに表示されたキーボードの締めキーの入力に応じてドロワ20を開放する。オペレータは、開いたドロワ20からオペレータ表示画面101aに表示された額のつり銭を集め、レシート排出口30aから出るレシートを受け取り、レシートとつり銭を客へ渡す。そして、オペレータは、支払われた金銭をドロワ20に収納する。なお、前述したRFIDリーダライタ106を用いて商品販売登録を行ってもよい。
【0040】
このように、実施形態に係るPOS端末1によれば、表示部101は、オペレータ表示画面101aと客側表示画面101bとを表示させる。そして、表示部101には、タッチパネル104が積層されておりタッチ操作により、オペレータ表示画面101aと客側表示画面101bとを拡大または縮小することが可能となっている。表示部101における操作の自由度の向上を図ることが可能となる。
【0041】
また、実施形態に係るPOS端末1によれば、オペレータ表示画面101aと客側表示画面101bとについて、画面サイズの変更または画面移動を行うことが可能であると説明している。しかし、画面サイズの変更または画面移動を行うことが可能な画面は、オペレータ表示画面101aと客側表示画面101bとに限らない。例えば、電子マネー表示画面101cについて、画面サイズの変更または画面移動させてもよい。この場合には、非接触カードリーダライタ103の対応範囲も、電子マネー表示画面101cに合せて拡大させればよい。
【0042】
また、実施形態に係るPOS端末1によれば、オペレータ表示画面101aと客側表示画面101bとについて、画面サイズの変更または画面移動を行うことが可能であると説明している。しかし、タッチパネルを介して入力される操作は、これに限らない。例えば、画面を回転させてもよい。これにより、例えば、オペレータ表示画面101aを回転させて客側に向けることにより、オペレータ表示画面101aを用いて客に説明することなどが可能となる。
【0043】
また、実施形態に係るPOS端末1によれば、RFIDタグに記憶されている商品に関する情報を用いてメッセージMを表示すると説明している。しかし、商品に関する情報は、商品販売登録に用いてもよい。この場合には、バーコードと同様に、RFIDタグの記憶媒体に商品を識別することが可能な識別情報を記憶させればよい。そして、識別情報を読み取った場合には、POS端末1は、識別情報を用いて商品登録を実行すればよい。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1 商品販売データ処理装置
100 筐体
101 表示部
101d 機密情報表示画面
102 スキャナ
103 非接触カードリーダライタ
104 タッチパネル
106 RFIDリーダライタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0046】
【特許文献1】特開平03−123991号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6