特許第6204847号(P6204847)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204847
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】モータのアース線接続構造
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/22 20060101AFI20170914BHJP
   H02K 5/02 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   H02K5/22
   H02K5/02
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-25928(P2014-25928)
(22)【出願日】2014年2月13日
(65)【公開番号】特開2015-154576(P2015-154576A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000180025
【氏名又は名称】山洋電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100102576
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100108394
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100101063
【弁理士】
【氏名又は名称】松丸 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100114546
【弁理士】
【氏名又は名称】頭師 教文
(74)【代理人】
【識別番号】100153903
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100162330
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 幹規
(72)【発明者】
【氏名】宮下 利仁
(72)【発明者】
【氏名】堀内 学
【審査官】 三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−107549(JP,U)
【文献】 実開昭56−030562(JP,U)
【文献】 特開昭60−230384(JP,A)
【文献】 実開昭60−138343(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0020886(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/22
H02K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有するフレームと、
前記フレームの軸方向一端面に一体的に形成され、導電性を有するフランジと、
前記フランジのフランジ面を外方へ突出するように形成された突出部と、
前記フランジの前記突出部に形成された貫通孔と、
拡径された頭部から突出したソルダーカップを有する導電ピンと、
を備え、
前記突出部の前記貫通孔内に前記導電ピンの一部を圧入固定し、該導電ピンの前記ソルダーカップ内にアース線の先端露出部を挿入して接合することを特徴とするモータのアース線接続構造。
【請求項2】
前記導電ピンは、前記ソルダーカップの基端部に前記圧入部を有し、
前記突出部の前記貫通孔内に、前記導電ピンの前記圧入部が前記フレーム側から圧入固定されることを特徴とする請求項1に記載のモータのアース線接続構造。
【請求項3】
前記導電ピンは、前記頭部を介して前記ソルダーカップと反対側に前記圧入部を有し、
前記突出部の前記貫通孔内に、前記導電ピンの前記圧入部が前記フレームと反対側から圧入されることを特徴とする請求項1に記載のモータのアース線接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータのアース線接続構造に係り、特にフレーム(ヨーク)のアース線接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
モータのアース線接続構造には、作業が容易であるという作業性と、確実にアース接続できるという信頼性が求められる。また、アース抵抗を小さくすることも、重要である。
【0003】
従来、モータのアース線接続構造としては、たとえば、アース線用コネクタピンにバネ作用を有する導電性の突起を設け、導電性のブラケットに押圧接触固定したモータのアース接続装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
さらに、ボルト先端を固定子鉄心の凹部に係合させ、このボルトでラグ板をフレーム外周に固定しながら、フレームと固定子鉄心の空転防止と簡易なアース構造を兼ね備えたモータが開示されている(特許文献2参照)。
【0005】
そして、アース端子の先端部の先端をヨークの開口端面に押圧させた状態で接触させるモータのアース構造が開示されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−245094号公報
【特許文献2】特開2004−320935号公報
【特許文献3】特開2005−354795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来のアース線接続構造において、径方向サイズが大きいモータの場合は、アース線接続部が動力線結線部と近接していても、アース線接続の作業性および信頼性を確保することができる。
【0008】
しかし、径方向サイズの小さいモータの場合は、作業性および信頼性を確保するために、動力線結線部から距離を隔ててアース線を接続しなければならなかった。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、特に径方向サイズが小さいモータにおいて、アース線接続の作業性が良く、信頼性を確保することができ、アース抵抗の小さいアース線接続構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係るアース線接続構造は、フレーム、フランジ、貫通孔および導電ピンを備える。
【0011】
フレームは、導電性を有する。フランジは、上記フレームの軸方向一端面に一体的に形成され、導電性を有する。突出部は、フランジのフランジ面を外方へ突出するように形成される。貫通孔は、上記フランジの上記突出部に形成される。導電ピンは、拡径された頭部から突出したソルダーカップを有する。
【0012】
上記突出部の上記貫通孔内に上記導電ピンの一部を圧入固定し、該導電ピンの上記ソルダーカップ内にアース線の先端露出部を挿入して接合する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るアース線接続構造は、フランジの突出部に形成された貫通孔内に、導電ピンの一部を圧入固定する。さらに、導電ピンのソルダーカップ内に、アース線の先端露出部が挿入されて、接合される。したがって、本発明に係るアース線接続構造は、アース線接続の作業性が良い。
【0014】
また、ソルダーカップ内にアース線の先端露出部を挿入して接合するので、アース線接続の信頼性を確保することができる。
【0015】
さらに、フレーム、フランジおよび導電ピンは導電性を有するので、アース抵抗の小さいアース線接続構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態におけるフランジ一体型フレームの斜視図である。
図2】第1実施形態における導電ピンの斜視図である。
図3】第1実施形態に係るアース線接続構造の接続状態の斜視図である。
図4】第2実施形態における導電ピンの斜視図である。
図5】第2実施形態に係るアース線接続構造の接続状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、第1および第2実施形態に係るアース線接続構造について説明する。
【0018】
第1および第2実施形態に係るアース線接続構造は、フランジの突出部に開口された貫通孔内に、導電ピンの一部が圧入固定される。さらに、導電ピンのソルダーカップ内にアース線の先端露出部が挿入され、接合される。したがって、第1および第2実施形態によれば、アース線接続の作業性が良く、信頼性を確保することができ、アース抵抗の小さいアース線接続構造を実現することができるようになる。
【0019】
〔第1実施形態〕
[アース線接続構造の構成]
まず、図1から図5を参照して、第1実施形態に係るアース線接続構造の構成について説明する。図1は第1実施形態におけるフランジ一体型フレームの斜視図である。図2は第1実施形態における導電ピンの斜視図である。図3は第1実施形態に係るアース線接続構造の接続状態の斜視図である。
【0020】
第1実施形態に係るアース線接続構造は、特に、径方向サイズが小さいモータに好適である。モータは、フレーム内に、ステータとロータを備える。
【0021】
図1に示すように、フレーム1は円筒体状の金属部材である。フレーム1内には、ステータおよびロータを収容するための円柱状の空間が区画されている。
【0022】
フレーム1はヨークとして機能する。したがって、フレーム1は、磁力線を閉じて、電磁誘導効果を最大にする機能を有する。またフレーム1は、モータの周辺機器が電磁誘導による磁界の影響を受けるのを防止する機能も有する。
【0023】
フレーム1の軸方向の一端面には、概ね矩形状のフランジ2が一体的に形成されている。フランジ2は、フレーム1の外径から径方向外方へ張り出している。
【0024】
フレーム1およびフランジ2は、導電性を有する材料により構成されている。フレーム1およびフランジ2の構成材料としては、たとえば、珪素鋼板等の軟磁性体、アルミニウムおよびアルミニウム合金等が用いられるが、例示の材料に限定されない。
【0025】
フランジ2の四隅には、取付孔21が開口されている。また、フランジ2の一部には、フランジ面を延出するように、外方へ突き出した突出部22が形成されている。本実施形態では、フランジ2の上部に突出部22が形成されている。突出部22には、導電ピン3を圧入するための貫通孔23が開口されている(図2参照)。
【0026】
図2に示すように、導電ピン3は、拡径された円板状の頭部31を有している。頭部31の一方の平面には、当該頭部から軸方向に突出したソルダーカップ32が形成されている。
【0027】
ソルダーカップ32は、円筒体状の部材であって、先端の開口部33が斜めに面取り加工されている。ソルダーカップ32の開口部33内には、アース線6の先端露出部61が挿入される(図3参照)。
【0028】
導電ピン3のソルダーカップ32の基部には、圧入部34が形成されている。圧入部34は、フランジ2の突出部22に開口された貫通孔23内へ当該導電ピン3を圧入するための部位である。
【0029】
したがって、圧入部34の外径は、ソルダーカップ32の外径よりも拡径されている。また、圧入部34の外径は、フランジ2の突出部22に開口された貫通孔23の内径よりも若干大きく設定されている。
【0030】
導電ピン3の構成材料としては、たとえば、アルミニウムや銅等の導電性を有する材料が採用されるが、例示の材料に限定されない。
【0031】
図3に示すように、フレーム1のフランジ2側は、ブラケット4に取り付けられる。ブラケット4の一区画壁(本実施形態では、上部区画壁)には、開口部41が開口されている。当該開口部41から動力線結線コネクタ42が突出している。動力線結線コネクタ42には、たとえば、三相交流の動力線5が結線されている。
【0032】
フランジ2の突出部22は、ブラケット4の区画壁よりも外方へ突出している。当該突出部22の貫通孔23内に、導電ピン3がフレーム1側から挿入される。導電ピン3のソルダーカップ32の基部には拡径された圧入部34が形成されているので、当該導電ピン3は突出部22の貫通孔23内に圧入固定される。導電ピン3は、ソルダーカップ32の面取りされた開口部33を上方へ向けて圧入固定される。
【0033】
導電ピン3が突出部22の貫通孔23内に圧入固定された状態において、導電ピン3のソルダーカップ32は、ブラケット4側に露出している。ソルダーカップ32の面取り加工された開口部33は、上方へ向いている。当該ソルダーカップ32の開口部33内に、アース線6の露出先端部61を挿入する。そして、ソルダーカップ32にアース線6の露出先端部61が半田付けなどで接合されることにより、当該アース線6が電気的に接続される。
【0034】
[アース線接続構造の構成]
次に、図1から図3を参照して、第1実施形態に係るアース線接続構造の作用について説明する。
【0035】
本実施形態に係るアース線接続構造は、導電ピン3の拡径された頭部231から突出したソルダーカップ232の基部に、圧入部34が突設されている。すなわち、導電ピン3において、頭部31の一方の平面側にソルダーカップ32および圧入部34が存在する。ソルダーカップ32の開口部33は、斜めに面取り加工されている。
【0036】
フランジ2の突出部22に開口された貫通孔23内に、導電ピン3の圧入部34がフレーム1側から挿入される。圧入部34の外径は、突出部22の貫通孔23の内径よりも若干大きく形成されている。したがって、圧入部34は、突出部22の貫通孔23内に圧入固定される。
【0037】
突出部22の貫通孔23内に導電ピン3の圧入部34がフレーム1側から圧入固定された状態において、ソルダーカップ32はブラケット4側に露出している。
【0038】
ソルダーカップ32の面取り加工された開口部33は、上方へ向いている。当該ソルダーカップ32の開口部33内に、アース線6の露出先端部61を挿入する。そして、ソルダーカップ32にアース線6の露出先端部61が半田付けなどで接合されることにより、当該アース線6が電気的に接続される。
【0039】
本実施形態に係るアース線接続構造によれば、フランジ2の突出部22に開口された貫通孔23内に、導電ピン3の圧入部34を圧入固定する。そして、導電ピン3のソルダーカップ32の開口部33にアース線6の先端露出部61を挿入して半田付けする。したがって、第1実施形態に係るアース線接続構造は、アース線接続の作業性が良い。
【0040】
また、ソルダーカップ32の開口部33内にアース線6の先端露出部61を挿入して半田付けするので、アース線接続の信頼性を確保することができる。
【0041】
さらに、フレーム1、フランジ2および導電ピン3は良好な導電性を有するので、アース抵抗の小さいアース線接続構造を実現することができる。
【0042】
〔第2実施形態〕
次に、図4および図5を参照して、第2実施形態に係るアース線接続構造について説明する。図4は第2実施形態における導電ピンの斜視図である。図5は第2実施形態に係るアース線接続構造の接続状態の斜視図である。なお、図4および図5において、第1実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付している。
【0043】
第2実施形態に係るアース線接続構造は、導電ピン203の構造が異なっている点以外は、第1実施形態と同様に構成されている。
【0044】
第2実施形態の導電ピン203は、円板状の頭部231を介して、ソルダーカップ232と反対側に、圧入部234が突設されている。すなわち、導電ピン203において、ソルダーカップ232は頭部231の一方の平面側に存在し、圧入部234は頭部231の他方の平面側に存在する。
【0045】
ソルダーカップ232の開口部233は、第1実施形態と同様に、斜めに面取り加工されている。
【0046】
フランジ2の突出部22に開口された貫通孔23内に、導電ピン203の圧入部234がフレーム1と反対側、(ブラケット4側)から挿入される。圧入部234の外径は、導電ピン3は突出部22の貫通孔23の内径よりも若干大きく形成されている。したがって、圧入部234は、突出部22の貫通孔23内に圧入固定される。
【0047】
導電ピン203の頭部231は、圧入部234およびソルダーカップ232よりも径が拡大されている。当該頭部231を介して、圧入部234と反対側には、ソルダーカップ232が形成されている。すなわち、突出部22の貫通孔23内に導電ピン203の圧入部234がブラケット4側から圧入固定された状態において、ソルダーカップ232はブラケット4側に露出している。
【0048】
ソルダーカップ232の面取り加工された開口部233は、上方へ向いている。当該ソルダーカップ232の開口部233内に、アース線6の露出先端部61を挿入する。そして、ソルダーカップ232にアース線6の露出先端部61が半田付けなどで接合されることにより、当該アース線6が電気的に接続される。
【0049】
第2実施形態に係るアース線接続構造は、基本的に第1実施形態に係るアース線接続構造と同様の作用効果を奏する。特に、第2実施形態に係るアース線接続構造によれば、導電ピン203は、頭部231を介して、ソルダーカップ232と反対側に圧入部234を有する。そして、フランジ2の突出部22に開口された貫通孔23内に、当該導電ピン203の圧入部234がフレーム1と反対側(ブラケット4側)から圧入される。したがって、アース線6の接続作業を全てブラケット4側で行うことができるという有利な効果を奏するものである。
【0050】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態とは異なる種々の態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 フレーム、
2 フランジ、
3、203 導電ピン、
6 アース線、
22 突出部、
23 貫通孔、
31、231 頭部、
32、232 ソルダーカップ、
33、233 開口部、
34、234 圧入部、
61 先端露出部。
図1
図2
図3
図4
図5