特許第6204879号(P6204879)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6204879基板処理装置、治具、およびティーチング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204879
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】基板処理装置、治具、およびティーチング方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20170914BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20170914BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20170914BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   H01L21/304 648G
   H01L21/30 572B
   B05C5/00 101
   B05C11/00
   H01L21/304 643A
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-129792(P2014-129792)
(22)【出願日】2014年6月25日
(65)【公開番号】特開2016-9768(P2016-9768A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2016年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】上前 昭司
(72)【発明者】
【氏名】平田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】鶴身 良平
【審査官】 小堺 行彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−077245(JP,A)
【文献】 特開2006−237063(JP,A)
【文献】 特開2003−017451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B05C 5/00
B05C 11/00
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置であって、
台状のベース部を有し、基板を前記ベース部の上方で水平保持する基板保持手段と、
先端部から処理流体を吐出するノズルと、
制御信号を受信して、該制御信号に基づき水平方向に沿って前記ノズルを移動させるノズル移動手段と、
前記ノズルの変位量に係る情報が入力される入力部と、
前記入力部への入力情報に基づいて制御信号を発信して前記ノズル移動手段の動作を制御する動作制御手段と、
前記ベース部の周端部に対して着脱可能な治具と、
前記治具によって取得される撮像結果を基に、前記ノズルの変位量と前記制御信号の指示値とを対応させた動作規則を設定する設定手段と、
を備え、
前記治具は、
前記治具が前記周端部に装着された装着状態において水平方向を撮像方向とする撮像部と、
距離指標が描かれたスケール面を含み、前記ノズルの前記先端部を挿入可能な間隔を隔てて、前記スケール面と前記撮像部とが対向配置されるスケール部と、
を有し、
前記撮像部と前記スケール面との間に前記先端部が挿入され、前記スケール面に対して前記先端部が位置決めされた状態で、前記撮像部が前記先端部および前記スケール面を撮像することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記先端部が前記スケール面に接触することによって、前記スケール面に対して前記先端部が位置決めされることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の基板処理装置であって、
前記治具は、前記ベース部の上面の一部および側面の一部を含む特定領域と密着可能な係合部を有し、
前記装着状態とは、前記ベース部の前記特定領域と前記治具の前記係合部とが密着し、前記治具が前記ベース部に引っ掛かった状態であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の基板処理装置であって、
水平方向に伸びる棒状体であって、一方端部が前記ベース部の上面の中央部と結合され他方端部が前記治具と結合される結合部材、をさらに備え、
前記装着状態とは、前記結合部材を介して前記治具と前記ベース部とが連結された状態であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の基板処理装置であって、
前記ノズル移動手段による前記ノズルの移動軌跡のうちの特定の軌跡部位に略平行に前記スケール面が配置されるとともに、
前記特定の軌跡部位において、前記移動軌跡と略直交する方向を撮像方向として前記撮像部による撮像がなされることを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の基板処理装置であって、
水平方向における前記スケール面の長さは前記ノズルの前記先端部の水平方向の幅よりも長く、背景となる前記スケール面の広がりの範囲内に前記先端部の全幅が収まることによって、前記先端部の両側と前記スケール面とが前記撮像部によって一括して撮像可能であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の基板処理装置であって、
前記治具が、
前記撮像部の近傍に配置され、前記撮像部側から前記先端部と前記スケール面とを照明する照明部、
をさらに有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の基板処理装置であって、
前記動作規則においては、前記ノズルの変位量と前記ノズル移動手段に与える制御信号の指示値とが線形関係にあることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の基板処理装置であって、
前記先端部の移動軌跡は、前記基板保持手段に保持される基板の上方を水平方向に横切る軌跡であり、
前記基板保持手段によって保持される基板の周端と前記移動軌跡とが水平面視において交わる位置をそれぞれ第1周端位置、第2周端位置と呼ぶとき、
前記動作制御手段が前記ノズルを前記第1周端位置まで移動させるよう前記ノズル移動手段の動作を制御した状態で、前記撮像部による撮像が行われることを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の基板処理装置であって、
さらに、前記動作制御手段が前記ノズルを前記第2周端位置まで移動させるよう前記ノズル移動手段の動作を制御した状態で、前記撮像部による撮像が行われることを特徴とする基板処理装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の基板処理装置であって、
前記先端部は前記ノズルの吐出部であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項12】
請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の基板処理装置であって、
前記ノズルの吐出部に取付けられたアタッチメントをさらに備え、
前記先端部は、前記ノズルの吐出部に取り付けられた前記アタッチメントであることを特徴とする基板処理装置。
【請求項13】
ベース部を有し前記ベース部の上方で基板を水平保持する基板保持手段と、先端部から処理流体を吐出するノズルと、水平方向に沿って前記ノズルを移動させるノズル移動手段と、を備える基板処理装置において用いられる治具であって、
前記ベース部の周端部に対して着脱可能であり、
前記治具が前記周端部に装着された装着状態において水平方向を撮像方向とする撮像部と、
距離指標が描かれたスケール面を含み、前記先端部を挿入可能な間隔を隔てて、前記スケール面と前記撮像部とが対向配置されるスケール部と、
を有し、
前記撮像部と前記スケール面との間に前記先端部が挿入され、前記スケール面に対して前記先端部が位置決めされた状態で、前記撮像部が前記先端部および前記スケール面を撮像することを特徴とする治具。
【請求項14】
ノズルの変位量とノズル移動手段に与える制御信号の指示値とを対応させた動作規則に基づいて前記ノズルを移動させつつ前記ノズルの先端部から処理流体を吐出することで、基板保持手段のベース部の上方で水平保持される基板に処理を行う基板処理装置において、前記動作規則を設定するティーチング方法であって、
(a) 前記ノズルの変位量に係る情報を入力する入力工程と、
(b) 前記入力工程で入力された入力情報に基づいて前記制御信号を発信して前記ノズル移動手段の動作を制御するノズル移動工程と、
(c) 水平方向を撮像方向とする撮像部と、距離指標が描かれたスケール面を含み、前記先端部を挿入可能な間隔を隔てて、前記スケール面と前記撮像部とが対向配置されるスケール部と、を有する治具を移動して、
前記治具が前記ベース部の周端部に装着され、かつ、前記ノズル移動工程で移動された後の前記ノズルの前記先端部が前記撮像部と前記スケール面との間に挿入されるとともに前記治具の前記スケール面に対して位置決めされた状態とする治具移動工程と、
(d) 前記治具移動工程によって得られた状態で、前記撮像部によって前記先端部および前記スケール面を撮像する撮像工程と、
(e) 前記撮像工程で取得される撮像結果を基に前記動作規則を設定する設定工程と、
を備えることを特徴とするティーチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、治具、およびティーチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置の製造工程では、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板などの基板の表面に処理液による処理を施すために、基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置が用いられることがある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の基板処理装置は、基板をほぼ水平姿勢に保持しつつ回転させるためのスピンチャックと、スピンチャックに保持されている基板の主面に向けて処理液を吐出するためのノズルと、基板の中心を通る所定の軌道に沿ってノズルを移動させるノズル移動機構とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−77245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液処理では、ノズル移動機構によってノズルが基板の上方まで移動された後、停止状態にあるノズルから基板の表面の所定位置(たとえば回転中心)に向けて処理液が吐出される場合がある。この場合、ノズルが所期の位置からずれていると、基板の表面に処理液が均一に行き渡らず、その基板に処理むら(処理液の供給むら)を生じるおそれがある。
【0006】
また、液処理では、所定の移動軌跡上でノズルを予め定める範囲内で移動(スキャン)させながら、ノズルから基板に向けて処理液が吐出される場合がる。この場合、ノズルが予め定めるスキャン範囲から逸脱して移動すると、基板の表面に所望の液処理を実行することが困難となる。
【0007】
そのため、ノズルが収容される処理室内にノズルを組み付けた後は、ノズルの動作を制御する制御装置に対して、ティーチング作業が行われる。ティーチング作業では、ノズル(またはノズルを保持する部材)の機械上の原点位置(「以下、原点位置」という。)から軌跡上の所定の基準位置までの変位量と、基準位置までノズルを移動するためにノズル移動手段に与えられた指示値と、が制御装置に設定登録される。
【0008】
このようなティーチングは、通常、作業者の手作業によって行われる。一例として、ティーチングの際には、作業者は、上面に所定の基準位置が記された所定の治具基板を基板保持機構に保持させる。また、作業者は、リモコンなどを用いてノズル移動手段(例えば、ステッピングモータ)に指示値(例えば、パルス数)を与え、基板の上方に設定された軌跡に沿って少しずつノズルを動かす。そして、治具基板の上面に記された基準位置について、ノズルと各基準位置とを目視で合わせ込む。そして、ノズルが基準位置に合致するときの変位量(原点位置からの変位量)とノズル移動手段に与えられた指示値とが制御装置に登録される。
【0009】
ところが、手作業によるティーチングは、非常に面倒で手間のかかる作業であり、作業者によるばらつきが避けられない。
【0010】
そこで、この発明の目的は、ティーチングのための作業者による作業を軽減することができ、かつ、より正確なティーチングを実現することができる基板処理装置、治具、およびティーチング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様にかかる基板処理装置は、台状のベース部を有し、基板を前記ベース部の上方で水平保持する基板保持手段と、先端部から処理流体を吐出するノズルと、制御信号を受信して、該制御信号に基づき水平方向に沿って前記ノズルを移動させるノズル移動手段と、前記ノズルの変位量に係る情報が入力される入力部と、前記入力部への入力情報に基づいて制御信号を発信して前記ノズル移動手段の動作を制御する動作制御手段と、前記ベース部の周端部に対して着脱可能な治具と、前記治具によって取得される撮像結果を基に、前記ノズルの変位量と前記制御信号の指示値とを対応させた動作規則を設定する設定手段と、を備え、前記治具は、前記治具が前記周端部に装着された装着状態において水平方向を撮像方向とする撮像部と、距離指標が描かれたスケール面を含み、前記ノズルの前記先端部を挿入可能な間隔を隔てて、前記スケール面と前記撮像部とが対向配置されるスケール部と、を有し、前記撮像部と前記スケール面との間に前記先端部が挿入され、前記スケール面に対して前記先端部が位置決めされた状態で、前記撮像部が前記先端部および前記スケール面を撮像することを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の態様にかかる基板処理装置は、本発明の第1の態様にかかる基板処理装置であって、前記先端部が前記スケール面に接触することによって、前記スケール面に対して前記先端部が位置決めされることを特徴とする。
【0013】
本発明の第3の態様にかかる基板処理装置は、本発明の第1の態様または第2の態様にかかる基板処理装置であって、前記治具は、前記ベース部の上面の一部および側面の一部を含む特定領域と密着可能な係合部を有し、前記装着状態とは、前記ベース部の前記特定領域と前記治具の前記係合部とが密着し、前記治具が前記ベース部に引っ掛かった状態であることを特徴とする。
【0014】
本発明の第4の態様にかかる基板処理装置は、本発明の第1の態様または第2の態様にかかる基板処理装置であって、水平方向に伸びる棒状体であって、一方端部が前記ベース部の上面の中央部と結合され他方端部が前記治具と結合される結合部材、をさらに備え、前記装着状態とは、前記結合部材を介して前記治具と前記ベース部とが連結された状態であることを特徴とする。
【0015】
本発明の第5の態様にかかる基板処理装置は、本発明の第1の態様ないし第4の態様のいずれかにかかる基板処理装置であって、前記ノズル移動手段による前記ノズルの移動軌跡のうちの特定の軌跡部位に略平行に前記スケール面が配置されるとともに、前記特定の軌跡部位において、前記移動軌跡と略直交する方向を撮像方向として前記撮像部による撮像がなされることを特徴とする。
【0016】
本発明の第6の態様にかかる基板処理装置は、本発明の第1の態様ないし第5の態様のいずれかにかかる基板処理装置であって、水平方向における前記スケール面の長さは前記ノズルの前記先端部の水平方向の幅よりも長く、背景となる前記スケール面の広がりの範囲内に前記先端部の全幅が収まることによって、前記先端部の両側と前記スケール面とが前記撮像部によって一括して撮像可能であることを特徴とする。
【0017】
本発明の第7の態様にかかる基板処理装置は、本発明の第1の態様ないし第6の態様のいずれかにかかる基板処理装置であって、前記治具が、前記撮像部の近傍に配置され、前記撮像部側から前記先端部と前記スケール面とを照明する照明部、をさらに有することを特徴とする。
【0018】
本発明の第8の態様にかかる基板処理装置は、本発明の第1の態様ないし第7の態様のいずれかにかかる基板処理装置であって、前記動作規則においては、前記ノズルの変位量と前記ノズル移動手段に与える制御信号の指示値とが線形関係にあることを特徴とする。
【0019】
本発明の第9の態様にかかる基板処理装置は、本発明の第1の態様ないし第8の態様のいずれかにかかる基板処理装置であって、前記先端部の移動軌跡は、前記基板保持手段に保持される基板の上方を水平方向に横切る軌跡であり、前記基板保持手段によって保持される基板の周端と前記移動軌跡とが水平面視において交わる位置をそれぞれ第1周端位置、第2周端位置と呼ぶとき、前記動作制御手段が前記ノズルを前記第1周端位置まで移動させるよう前記ノズル移動手段の動作を制御した状態で、前記撮像部による撮像が行われることを特徴とする。
【0020】
本発明の第10の態様にかかる基板処理装置は、本発明の第9の態様にかかる基板処理装置であって、さらに、前記動作制御手段が前記ノズルを前記第2周端位置まで移動させるよう前記ノズル移動手段の動作を制御した状態で、前記撮像部による撮像が行われることを特徴とする。
【0021】
本発明の第11の態様にかかる基板処理装置は、本発明の第1の態様ないし第10の態様のいずれかにかかる基板処理装置であって、前記先端部は前記ノズルの吐出部であることを特徴とする。
【0022】
本発明の第12の態様にかかる基板処理装置は、本発明の第1の態様ないし第10の態様のいずれかにかかる基板処理装置であって、前記ノズルの吐出部に取付けられたアタッチメントをさらに備え、前記先端部は、前記ノズルの吐出部に取り付けられた前記アタッチメントであることを特徴とする。
【0023】
本発明の第13の態様にかかる治具は、ベース部を有し前記ベース部の上方で基板を水平保持する基板保持手段と、先端部から処理流体を吐出するノズルと、水平方向に沿って前記ノズルを移動させるノズル移動手段と、を備える基板処理装置において用いられる治具であって、前記ベース部の周端部に対して着脱可能であり、前記治具が前記周端部に装着された装着状態において水平方向を撮像方向とする撮像部と、距離指標が描かれたスケール面を含み、前記先端部を挿入可能な間隔を隔てて、前記スケール面と前記撮像部とが対向配置されるスケール部と、を有し、前記撮像部と前記スケール面との間に前記先端部が挿入され、前記スケール面に対して前記先端部が位置決めされた状態で、前記撮像部が前記先端部および前記スケール面を撮像することを特徴とする。
【0024】
本発明の第14の態様にかかるティーチング方法は、ノズルの変位量とノズル移動手段に与える制御信号の指示値とを対応させた動作規則に基づいて前記ノズルを移動させつつ前記ノズルの先端部から処理流体を吐出することで、基板保持手段のベース部の上方で水平保持される基板に処理を行う基板処理装置において、前記動作規則を設定するティーチング方法であって、(a) 前記ノズルの変位量に係る情報を入力する入力工程と、(b) 前記入力工程で入力された入力情報に基づいて前記制御信号を発信して前記ノズル移動手段の動作を制御するノズル移動工程と、(c) 水平方向を撮像方向とする撮像部と、距離指標が描かれたスケール面を含み、前記先端部を挿入可能な間隔を隔てて、前記スケール面と前記撮像部とが対向配置されるスケール部と、を有する治具を移動して、前記治具が前記ベース部の周端部に装着され、かつ、前記ノズル移動工程で移動された後の前記ノズルの前記先端部が前記撮像部と前記スケール面との間に挿入されるとともに前記治具の前記スケール面に対して位置決めされた状態とする治具移動工程と、(d) 前記治具移動工程によって得られた状態で、前記撮像部によって前記先端部および前記スケール面を撮像する撮像工程と、(e) 前記撮像工程で取得される撮像結果を基に前記動作規則を設定する設定工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明の第1の態様ないし第12の態様、および第14の態様では、治具が、ベース部の周端部に装着された装着状態において水平方向を撮像方向とする撮像部と、距離指標が描かれたスケール面を含みノズルの先端部を挿入可能な間隔を隔ててスケール面と撮像部とが対向配置されるスケール部と、を有する。撮像部とスケール面との間に先端部が挿入され、スケール面に対して先端部が位置決めされた状態で、撮像部が先端部およびスケール面を撮像する。そして、治具によって取得される撮像結果を基に、ノズルの変位量とノズル移動手段に与える制御信号の指示値とを対応させた動作規則を設定する。このように、ベース部、治具、およびノズル先端部のそれぞれが位置決めされた状態で、撮像部による撮像が行われる。このため、撮像結果を基に、ベース部から見たノズル先端部の位置情報を取得することができる。特に、撮像部を有する治具がベース部の周端部に装着されるので、ベース部の周端部付近でのノズル先端部の位置情報を取得することができる。
【0026】
治具によって取得される撮像結果を基に動作規則を設定する本発明の態様では、操作者の目視によって取得されるノズル先端部の位置情報を基に動作規則を設定する他の態様に比べて、ティーチングのための作業者による作業を軽減することができ、かつ、より正確なティーチングを実現することができる。
【0027】
また、ノズル先端部が水平方向を撮像方向とする撮像部によって撮像されるため、撮像によりノズル先端部の位置を正確に把握することができる。
【0028】
本発明の第13の態様は、本発明の第1の態様ないし第12の態様にかかる基板処理装置および第14の態様にかかるティーチング方法に好適な治具である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、基板処理装置1の構成を図解的に示す図である。
図2図2は、装着状態における基板処理装置1の側面図である。
図3図3は、装着状態における基板処理装置1の上面図である。
図4図4は、治具70の下面図である。
図5図5は、撮像部71によって撮像される画像の一例である。
図6図6は、ティーチング作業のフローの一例を示す図である。
図7図7は、動作規則の一例を示す図である。
図8図8は、吐出部31の軌跡14を模式的に表現する基板処理装置1の上面図である。
図9図9は、治具70の装着状態における基板処理装置1の上面図である。
図10図10は、撮像部71によって撮像される画像の一例である。
図11図11は、治具70の装着状態における基板処理装置1の上面図である。
図12図12は、撮像部71によって撮像される画像の一例である。
図13】動作規則の再設定作業を説明するグラフである。
図14図14は、スキャン液処理のフローの一例を示す図である。
図15図15は、装着状態における基板処理装置1Aの上面図である。
図16図16は、装着状態における基板処理装置1Bの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
<1 一実施形態>
<1.1 基板処理装置1の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1の構成を図解的に示す図である。この基板処理装置1は、基板(例えば、半導体ウエハ)の表面に対して処理液による処理を施すための枝葉型の装置である。
【0032】
基板処理装置1は、その処理室内に、ウエハWをほぼ水平に保持して回転するスピンチャック2と、スピンチャック2に保持されたウエハWの上面に処理液を吐出するためのノズル3とを備える。
【0033】
スピンチャック2(基板保持手段)は、チャック回転駆動機構4によって回転される回転軸5の上端に固定されている。スピンチャック2は、上面が平坦で略円板形状のスピンベース6(台状のベース部)と、スピンベース6の上面のうち周端部の複数箇所にほぼ等間隔で設けられウエハWをほぼ水平姿勢で挟持するための複数の挟持部材7とを備えている。複数の挟持部材7によってウエハWが挟持された状態でチャック回転駆動機構4によって回転軸5が回転されると、ウエハWは水平姿勢を保った状態でスピンベース6とともに回転軸5の中心軸線まわりに回転される。
【0034】
上記構成の他にも、スピンチャック2として、例えば、ウエハWの下面を真空吸着することによりウエハWを水平姿勢で保持することができる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
【0035】
ノズル3には、処理液供給源から処理液が供給される供給管8が接続されている。供給管8の途中部には、ノズル3からの処理液の吐出/吐出停止を切り換えるためのバルブ9が介装されている。処理液としては、ウエハWの表面に対する処理の内容に応じたものが用いられる。たとえば、ウエハWの表面からパーティクルを除去するための洗浄処理であれば、SC1(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水)などの薬液を含む洗浄液が用いられる。また、ウエハWの表面から酸化膜等をエッチングするための洗浄処理であれば、フッ酸やBHF(Bufferd HF)などの薬液を含む洗浄液が用いられる。また、レジスト剥離後のウエハWの表面にポリマーとなって残留しているレジスト残渣を除去するためのポリマー除去処理であれば、SPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水)やSC1(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水)などのポリマー除去液が用いられる。また、金属汚染物を除去する洗浄処理には、フッ酸やSC2(hydrochloric acid/hydrogen peroxide mixture:塩酸過酸化水素水)やSPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水)などの薬液が用いられる。
【0036】
ノズル3は、スピンチャック2の上方でほぼ水平に延びたアーム10の先端に取り付けられている。アーム10の基端の下面は、支持軸11の上端に固定されている。支持軸11は、スピンチャック2の側方でほぼ鉛直に延びている。支持軸11には、アーム10を揺動させるアーム揺動駆動機構としてのステッピングモータ12が結合されている。ステッピングモータ12には、ステッピングモータ12を駆動するためのドライバ回路22が接続されている。このように、ステッピングモータ12およびドライバ回路22によって、ノズル3を移動するノズル移動手段が構成される。
【0037】
ステッピングモータ12から支持軸11に回転駆動力を入力して、支持軸11を所定の角度範囲内で回動させることにより、スピンチャック2に保持されたウエハWの上方でアーム10を揺動させることができる。この揺動の過程で、アーム10は、ノズル3をスピンチャック2の側方のホームポジション23(図1に二点鎖線で図示)、およびスピンチャック2に保持されたウエハWの上方(図1に実線で図示)に配されうる。これにより、ノズル3は、ウエハWの表面上における処理液の吐出位置をスキャン(移動)される。ステッピングモータ12が駆動されることにより、ノズル3は、支持軸11上に中心を有する円弧形状をなす軌跡14に沿って移動する。
【0038】
基板処理装置1は、CPU、RAMおよびROMを含む構成の制御部20を備えている。制御部20には、チャック回転駆動機構4、処理液バルブ9などが制御対象として接続されている。
【0039】
また、制御部20は、ステッピングモータ12を制御するためのモータ制御部21を備えている。モータ制御部21(動作制御手段)は、ドライバ回路22に対して、ノズル3の変位量に応じたパルス信号(制御信号)を発信する。ドライバ回路22は、モータ制御部21から発信されたパルス信号を受信して、該パルス信号に応じた励磁信号をステッピングモータ12に付与する。
【0040】
モータ制御部21には、ノズルの変位量とステッピングモータ12に与える制御信号の指示値(パルス数)とを対応させた動作規則が登録される。動作規則は、上記変位量と上記指示値との関数で表現されてもよいし、上記変位量と上記指示値との少なくとも1対の対応関係を含むテーブルで表現されても良い。このような動作規則の設定作業をティーチング作業と称する。本実施形態では、該ティーチング作業によって、モータ制御部21に上記変位量と上記指示値との一次関数(図7に示す動作規則)が登録される場合について説明する。
【0041】
また、基板処理装置1は、マウス、キーボード、タッチパネル等を含む構成の入力部30を備えている。このため、装置の操作者は、ノズルの変位量に係る情報を入力することができる。上記情報は、上記制御信号の指示値(パルス数)を指定するパルス情報、または、ノズル3の変位量(ノズル位置)を指定する位置情報に大別することができる。
【0042】
入力部30への入力情報がパルス情報である場合には、モータ制御部21が、ドライバ回路22に対して該パルス数に応じた制御信号を出力し、ステッピングモータ12を回転させる。これにより、入力情報に応じたノズル3の移動動作が実現される。
【0043】
他方、入力部30への入力情報が位置情報である場合には、まず、モータ制御部21が、該位置情報と動作規則とに基づいてドライバ回路22に対して与えるべきパルス数を算出する。そして、モータ制御部21は、ドライバ回路22に対して該パルス数に応じた制御信号を出力し、ステッピングモータ12を回転させる。これにより、入力情報に応じたノズル3の移動動作が実現される。
【0044】
また、基板処理装置1は、ウエハWが保持されていない状態のスピンベース6に対して着脱可能な治具70を備えている。治具70は、ティーチング作業の際に用いる測定器である。図2は、治具70がスピンベース6の周端部に装着された状態における基板処理装置1の側面図である。図3は、治具70がスピンベース6の周端部に装着された状態における基板処理装置1の上面図である。図4は、治具70の下面図である。なお、図3においては、照明部73の構成が省略されて描かれている。また、図4においては、治具70の上面側に配される各構成が点線で表現されている。
【0045】
治具70は、治具70がスピンベース6の周端部に装着された装着状態において水平方向を撮像方向とする撮像部71と、9本の目盛線720が描かれたスケール面72Aを含むスケール部72と、撮像部71の近傍に配置され撮像部71側からノズル3の先端部(吐出部31)とスケール面72Aとを照明する照明部73と、これら各部を一体的に保持する本体部74と、を有する。
【0046】
また、治具70は、本体部74の平坦な下面74Aから下向きに突出する凸部75を有する。さらに、凸部75の側面の一部には、スピンベース6の側面の曲率半径と同一の曲率半径を有する円弧に沿った曲面75Aが含まれる。以下では、治具70のうち本体部74の下面74Aおよび凸部75の曲面75Aによって構成される部分を係合部と称する。
【0047】
上記の通り、スピンベース6の上面および本体部74の下面74Aはともに平坦であり、スピンベース6の側面の曲率半径と凸部75の曲面75Aの曲率半径とは同一であるので、係合部はスピンベース6の上面の一部および側面の一部を含む特定領域(肩部)と密着可能である。本実施形態において、治具70がスピンベース6の周端部に装着された装着状態とは、スピンベース6の特定領域と治具70の係合部とが密着し、治具70がスピンベース6に引っ掛かった状態を意味する。
【0048】
本実施形態では、治具70とスピンベース6とが機械的に固定されてはいないので、治具70の係合部とスピンベース6の周端部とを密着させた装着状態を維持しつつ、スピンベース6の周端部に沿って治具70を摺動することができる。このように治具70を摺動した場合であっても装着状態が維持される限り、後記する撮像部71による撮像によってスピンベース6の周端部から見たノズル3の変位量を検知することができる。
【0049】
本体部74は、吐出部31を挿入可能な間隔を隔てて撮像部71とスケール面72Aとが対向配置とされるよう、撮像部71およびスケール部72を保持する。
【0050】
後述するティーチング作業では、治具70がスピンベース6に装着された状態で、かつ、アーム10が揺動されることによって撮像部71とスケール面72Aとの間に吐出部31が挿入された状態(より具体的には、スケール面72Aに対して吐出部31が接触して位置決めされた状態)とされる。以下では、図2および図3に示す該状態を位置決め状態と称する。位置決め状態において撮像部による吐出部31およびスケール面72Aの撮像が行われると、撮像結果が制御部20に与えられる。そして、制御部20が該撮像結果を基に演算処理を行うことによって、吐出部31の位置情報が取得される。位置決め状態では治具70がスピンベース6の周端部に装着されているので、スピンベース6の周端部付近での吐出部31の位置情報が実測値として取得される。
【0051】
図5は、撮像部71によって撮像される画像の一例である。以下では、装着状態において、9本の目盛線720のうち中央に位置する目盛線721の位置とスピンベース6に保持されるウエハWの周端部の位置とが上面視で一致する場合について説明する。例えば、図5に示す例では、ノズル3の吐出部31の位置が、目盛線721の位置(ウエハWの周端部に相当する位置)より図示右側(アーム10の原点位置側)に距離D1だけずれていることになる。
【0052】
図5に示す例では、水平方向におけるスケール面72Aの長さは吐出部31の水平方向の幅よりも長く、背景となるスケール面72Aの広がりの範囲内に吐出部31の全幅が収まる。このため、吐出部31の両側とスケール面72Aとが撮像部71によって一括して撮像可能である。このように吐出部31の全幅をその背景としてのスケール面72Aとともに一括して撮像できるので、吐出部31の右端または左端だけを撮像する場合と比較して測定精度が高まる。
【0053】
また、上記の通り、治具70は吐出部31とスケール面72Aとを照明する照明部73を有する。このため、撮像部71による撮像が行われるタイミングで撮像される領域を照明することにより、室内光だけを照明光とする場合に比べて測定精度が高まる。
【0054】
<1.2 ティーチング作業>
<1.2.1 動作規則の設定>
図6は、ティーチング作業のフローの一例を示す図である。図7は、本実施形態における動作規則の一例を示す図である。図8は、ノズル3の吐出部31の軌跡14を模式的に表現する基板処理装置1の上面図である。
【0055】
図8に示すように、吐出部31の軌跡14は、スピンベース6に保持されるウエハWの上方を水平方向に横切る軌跡である。以下では、ノズル3を軌跡14に沿って位置P0から位置P3付近まで移動させる場合のティーチング作業の一例について説明する(図8)。ここで、位置P0とは、アーム10が原点位置に配される場合の吐出部31の位置である。また、位置P3(第1周端位置)とは、軌跡14上でスピンベース6に保持されるウエハWの周端部の直上に相当する2点のうち位置P0側の1点に対応する位置である。
【0056】
ティーチング作業においては、まず、装置の操作者が入力部30へパルス情報(すなわち、ステッピングモータ12におけるパルス数)を入力する(ステップST1:入力工程)。より具体的には、操作者は、ノズル3の吐出部31が位置P3の付近に配されるよう所定のパルス情報(図7に示すパルス数Xa)を入力する。ここで、パルス数とは、アーム10の原点位置(機械上の原点位置)を基準としたモータの回転量に相当する値である。
【0057】
モータ制御部21は、入力工程で入力された入力情報に基づいてドライバ回路22に対してパルス数に応じた制御信号を出力する。これにより、ステッピングモータ12が所定のパルス数に応じて回転されノズル3が移動される。その結果、ノズル3の吐出部31が位置P3の付近に配される(ステップST2:ノズル移動工程)。
【0058】
そして、操作者は、治具70をスピンベース6の周端部に装着し、該周端部に沿って摺動させる。そして、スケール面72Aとノズル3の吐出部31とが接触したタイミングで治具70の摺動を停止する。これにより、治具70が上述した位置決め状態とされる(ステップST3:治具移動工程)。
【0059】
治具移動工程によって得られた位置決め状態で、撮像部71が吐出部31およびスケール面72Aを撮像する(ステップST4:撮像工程)。この撮像結果は制御部20に与えられる。
【0060】
制御部20は、撮像工程で取得される撮像結果(図5)を基に演算処理を行うことによって、吐出部31の位置情報(後述する変位量Fa)を取得する。そして、制御部20は、ノズル3の変位量とステッピングモータ12に与える制御信号の指示値(パルス数)とを対応させた動作規則(図7)を設定する(ステップST5:設定工程)。
【0061】
以下、図8を参照しつつ、設定工程の詳細について説明する。
【0062】
アーム10の支持軸11およびスピンベース6は装置に固定されている。このため、位置P0から位置P1までの軌跡14に沿った吐出部31の変位量は常に一定である。ここで、位置P1とは、軌跡14上でスピンベース6の周端部の直上に相当する2点のうち位置P0側の1点に対応する位置である。また、スピンベース6の回転中心Cとスピンベース6に保持されるウエハWの回転中心Cとは一致している。このため、位置P1から位置P3までの軌跡14に沿った吐出部31の変位量は常に一定である。したがって、位置P0から位置P3までの軌跡14に沿った吐出部31の変位量も常に一定となる。
【0063】
また、撮像部71によって取得される撮像結果を基に、ノズル移動工程で移動された吐出部31の位置たる位置P2と、位置P3と、の距離を測定することができる。図5に示す例では、上述した通り、位置P2が位置P3より位置P0側に距離D1だけずれていることが測定される。制御部20は、この測定結果を基に、位置P3から位置P2までの軌跡14に沿った吐出部31の変位量を算出することができる。
【0064】
したがって、一定値たる位置P0から位置P3までの吐出部31の変位量と、測定によって算出可能な位置P3から位置P2までの吐出部31の変位量と、を基に、制御部20は位置P0から位置P2までの吐出部31の変位量(図7に示す変位量Fa)を算出することができる。
【0065】
制御部20(設定手段)は、入力部30より入力したパルス数Xaと、これにより変位した吐出部31の変位量Faと、の値の対を用いて動作規則(図7)を設定する。例えば、本実施形態のように動作規則が上記変位量と上記指示値との一次関数(図7)で表現される場合、(パルス数,ノズルの変位量)=(0,0),(Xa,Fa)の2点を通過する一次関数が動作規則として設定される。
【0066】
<1.2.2 動作規則の再設定>
以下では、動作規則を再設定する場合におけるティーチング作業の一例について説明する。該ティーチング作業は、治具70による撮像結果から得られる吐出部31の位置ずれ量に基づいて行われる。
【0067】
図9は、基板処理装置1の模式的な上面図である。図10は、図9に示す状態で吐出部31を撮像部71により撮像したときの撮像画面である。図9および図10に示す状態では、吐出部31はティーチング基準位置(例えば、ウエハWの第1周端位置P3の直上位置)に位置している。また、吐出部31は、治具70のスケール面72Aに対して目盛位置L1で接触している。
【0068】
図11は、基板処理装置1の模式的な上面図である。図12は、図11に示す状態で吐出部31を撮像部71により撮像したときの撮像画面である。図11および図12に示す状態では、吐出部31がティーチング基準位置(位置P3)からずれた位置P2に位置している。また、吐出部31は、治具70のスケール面72Aに対して目盛位置L1とは異なる目盛位置L2で接触している。
【0069】
図13は、動作規則を再設定する場合のティーチング作業における、目盛位置と、ノズルの変位量と、制御信号の指示値(パルス数)と、の対応関係を示す図である。図13の第一象限は、後述する動作規則r1、r2におけるノズルの変位量と制御信号の指示値(パルス数)との対応関係を示す。図13の第二象限は、治具70の撮像結果から得られる目盛位置とノズルの変位量との対応関係を示す。上記した位置決め状態で撮像が行われる限り、目盛位置とノズルの変位量との対応関係は一定である。
【0070】
モータ制御部21には、過去のティーチング作業によって取得された動作規則が基準動作規則r1として予め登録されている。上記過去のティーチング作業の際には、パルス数が0のときノズルの変位量が0であり、パルス数がXaのときノズルが位置P3まで変位されたものとする(図9図10)。これにより、基準動作規則r1は、(パルス数,ノズルの変位量)=(0,0),(Xa,P3)の2点を通過する一次関数として表現される(図13の第一象限を参照)。
【0071】
もちろん、この基準動作規則r1が有効な期間については動作規則の再設定を行う必要はない。しかしながら、何等かの原因によって、基準動作規則r1が有効ではなくなる事態(より具体的には、入力されたパルス数がXaにも関わらずノズルが位置P3からずれた位置に変位される事態)が生じうる。このように予め登録された動作規則の有効性が低下した場合には、再度のティーチング作業が行われ動作規則が再設定される。
【0072】
この再設定では、まず、操作者からパルス数Xaが入力される(ステップST1)。パルス数Xaは、基準動作規則r1の下でティーチング基準位置P3と対応付けられたパルス数である。
【0073】
これにより、ステッピングモータ12が駆動され、ノズル3が移動される(ステップST2)。基準動作規則r1が有効であれば、ステップST2により吐出部31がティーチング基準位置P3まで変位されるはずである。しかし、以下では、ステップST2により吐出部31がティーチング基準位置P3とは異なる位置P2(図11および図12で示されるノズル位置)に変位される場合について説明する。
【0074】
ノズル移動工程(ステップST2)の後は、治具移動工程(ステップST3)および撮像工程(ステップST4)が実行される。その結果、治具70は図11に示す態様で吐出部31と接触し、図12に示す撮像画像が取得される。
【0075】
設定工程(ステップST5)では、撮像工程で得られた目盛位置L2を図13の第二象限のグラフに適用することにより、目盛位置L2に対応する吐出部31の位置P2を取得する。次に、位置P2とパルス数Xaとに基づいて動作規則を再設定する。例えば、(パルス数、ノズルの変位量)=(0、0)、(Xa、P2)の2点を通過する一次関数が動作規則r2として再設定され(図13の第一象限を参照)、モータ制御部21に登録される。
【0076】
このティーチング作業後は、モータ制御部21が、入力される位置情報に対して動作規則r2を適用してパルス信号を生成することが可能となる。例えば、モータ制御部21に対して位置情報として位置P3が指定された場合は、モータ制御部21は当該位置P3を動作規則r2に適用して、従前のパルス数Xaとは異なるパルス数Xbを算出しドライバ回路22に対して付与する。
【0077】
<1.3 液処理>
図14は、スキャン液処理のフローの一例を示す図である。以下では、ノズル3の吐出部31を、位置P3とスピンベース6の回転中心Cの直上に相当する位置P4との間で往復スキャンさせつつ、スピンベース6にて保持回転されるウエハWに対して処理液を吐出する場合を例に挙げて説明する。
【0078】
まず、ノズル3がスピンチャック2の上方から退避したホームポジション23に配置された状態で、図示しない搬送ロボットによって、未処理のウエハWがスピンチャック2に渡される(ステップST11)。
【0079】
そして、装置の操作者が、種々の処理情報を入力部30に入力する(ステップST12)。該処理情報には、ウエハWの回転速度に係る情報、処理液の供給量に係る情報、吐出部31の変位量に係る情報、処理時間に係る情報、などが含まれる。
【0080】
ステップST12では、ウエハWの回転速度に係る情報として、例えば、所定の液処理回転速度で等速回転することが入力される。また、処理液の供給量に係る情報として、例えば、所定の供給量が入力される。さらに、吐出部31の変位量に係る情報として、例えば、スキャンされる吐出部31の位置情報として位置P3および位置P4の情報が入力される。モータ制御部21は、該位置情報とティーチング作業によって得られた上記動作規則とに基づいてドライバ回路22に対して与えるべきパルス数(具体的には、位置P3に相当するパルス数および位置P4に相当するパルス数)を算出する。そして、モータ制御部21は、ドライバ回路22に対して該パルス数に応じた制御信号を出力する。
【0081】
これにより、チャック回転駆動機構4が駆動されて、スピンチャック2に保持されたウエハWが所定の液処理回転速度で等速回転される(ステップST13)。また、モータ制御部21は、ステッピングモータ12を駆動してアーム10を揺動させ、回転状態にあるウエハWの回転中心Cの上方でノズル3を往復スキャンさせる(ステップST14)。その後、制御部20は、バルブ9を開いて、ノズル3の吐出部31から処理液を吐出する(ステップST15)。吐出部31からは鉛直下方に向けて吐出された処理液は、ウエハWの上面に着液した後、回転の遠心力によってウエハWの上面に沿って拡散する。
【0082】
本実施形態では、吐出部31の位置が位置P3と位置P4との間で往復移動されるので、ノズル3から吐出された処理液のウエハW上面における着液位置も周端位置から中央位置に至る範囲で変動する。これによって、回転するウエハWの上面の全範囲において処理液による処理が実行される。
【0083】
処理の開始から所定時間経過すると、制御部20は、バルブ9を閉じて、ノズル3への処理液の供給を停止する(ステップST16)。また、制御部20は、チャック回転駆動機構4の駆動を停止して、スピンチャック2に保持されたウエハWの回転を停止させる(ステップST17)。その後、制御部20は、ノズル3がスピンチャック2の上方から退避したホームポジションに配置されたタイミングで、ステッピングモータ12の駆動を停止させる(ステップST18)。これにより、液処理の完了したウエハWが図示しない搬送ロボットによって搬出される(ステップST19)。
【0084】
<1.4 効果>
治具70において撮像部71とスケール面72Aとが対向配置されている。また、スピンベース6に治具70が装着され、かつ、治具70のスケール面72Aに対して吐出部31が位置決めされた状態で、撮像部71による撮像が行われる。このため、撮像結果を基に、スピンベース6から見た吐出部31の位置情報を取得することができる。特に、撮像部71を有する治具70がスピンベース6の周端部に装着されるので、スピンベース6の周端部付近での吐出部31の位置情報を取得することができる。
【0085】
治具70によって取得される撮像結果(吐出部31の位置情報)を基に動作規則を設定する本態様では、操作者の目視によって取得される吐出部31の位置情報を基に動作規則を設定する他の態様に比べて、ティーチングのための作業者による作業を軽減することができ、かつ、より正確なティーチングを実現することができる。
【0086】
また、吐出部31が水平方向を撮像方向とする撮像部71によって撮像されるため、撮像により吐出部31の位置を正確に把握することができる。さらに、撮像方向が水平方向であるので、処理室の上下方向の内寸を小さくすることができる。
【0087】
また、本実施形態では、ノズル3の移動軌跡14のうちの特定の軌跡部位14Aに略平行にスケール面72Aが配置されるとともに、該軌跡部位14Aにおいて軌跡14と略直交する方向を撮像方向として撮像部71による撮像がなされる(図3)。ノズル3の移動制御においては移動軌跡14に沿った方向での制御位置誤差の測定が重要であるので、上記配置によってより精密に制御位置誤差を測定できる。
【0088】
<2 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0089】
図15は変形例に係る基板処理装置1Aにおいて治具70がスピンベース6に装着された装着状態を示す上面図である。
【0090】
基板処理装置1Aは、上記実施形態の基板処理装置1の各構成に加え、水平方向に伸びる棒状体の結合部材76をさらに備える。そして、ティーチング作業の際には、ネジ等の固定具77を用いて、結合部材76の一方端部がスピンベース6の上面の中央部と結合され、結合部材76の他方端部が治具70と結合される。この場合、装着状態とは、治具70の係合部とスピンベース6の特定領域とが密着し、かつ、結合部材76を介して治具70とスピンベース6とが連結された状態を意味する。
【0091】
該変形例にかかる態様では、治具70がスピンベース6から離脱し難く装着状態を安定的に維持することができる。該態様は、スピンベース6の上面視における中央部に所定の部材を備える基板処理装置で特に有効である。例えば、複数の挟持部材7に挟持されるウエハWの下面に処理液を供給するための下面処理液ノズルを上記中央部に備える基板処理装置では、ティーチングの際に該下面処理液ノズルに代えて結合部材76を結合することで該態様を実施することができる。
【0092】
図16は変形例に係る基板処理装置1Bにおいて治具70がスピンベース6に装着された装着状態を示す側面図である。
【0093】
基板処理装置1Bは、上記実施形態の基板処理装置1の各構成に加え、吐出部31に取付けられたアタッチメント78をさらに備える。そして、ティーチング作業の際には、アタッチメント78の先端部79がスケール面72Aに接触することによって、スケール面72Aに対してアタッチメント78およびアタッチメント78と一体とされるノズル3が位置決めされる。
【0094】
水平面視において吐出部31の径よりもアタッチメント78の先端部79の径が小さければ、該先端部79とスケール面72Aとを撮像した撮像結果を基にノズル3の位置をより高精度に把握することができる。
【0095】
また、基板処理装置が吐出部の径が異なる複数のノズルを有する場合には、各ノズルにアタッチメント78を取り付けて各ノズルのティーチング作業を行うことが有効である。これにより、アタッチメント78の先端部79およびスケール面72Aが撮像されるので、吐出部の径の差に依らずティーチング作業を行うことができる。図16に示す例では吐出部31を覆うキャップ形状のアタッチメントについて説明したが、この他にも種々のアタッチメントを採用しうる。
【0096】
また、上記実施形態では、動作規則が一次関数で表現される場合について説明したが、これに限られるものではなく、動作規則はノズル3の変位量とステッピングモータ12に与える制御信号の指示値(パルス数)との少なくとも1対の対応関係を含むテーブルで表現されても良い。この場合においても、ノズル3の変位量とステッピングモータ12に与える制御信号の指示値とが線形関係にあれば、少なくとも1回の治具70による撮像作業により動作規則を設定することができる。
【0097】
また、上記実施形態ではノズル3を位置P3(第1周端位置)と位置P4(中央位置)との間で往復スキャンさせる態様を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。別の例として、ノズル3を位置P3(第1周端位置)と位置P5(第2周端位置)とのとの間で往復スキャンさせる態様であっても構わない。ここで、位置P5とは、軌跡14上でスピンベース6に保持されるウエハWの周端部の直上に相当する2点のうち位置P3とは異なる方の位置である。さらに、別の例として、ノズル3をウエハW上方の所定位置まで移動させ、該所定位置で固定されたノズル3からウエハWに向けて処理液を供給する態様(処理中にノズル3をスキャンしない態様)であっても構わない。
【0098】
また、上記実施形態に係るティーチング作業ではノズル3を位置P3付近で撮像しその撮像結果に基づいて動作規則を設定する態様について説明したが、これに限られるものではない。例えば、位置P3(第1周端位置)と位置P5(第2周端位置)とで治具70の撮像部71における撮像を行うなど、複数箇所で撮像を行っても良い。また、ティーチング作業には、特定箇所での撮像結果を基に動作規則を設定した後(ステップST5の後)で再び該特定箇所にノズル3を移動させて撮像部71による撮像を行う確認工程を含んでも良い。
【0099】
また、上記実施形態では、治具70の撮像部71による撮像結果のみを用いてティーチング作業を行う態様について説明したが、これに限られるものではない。基板処理装置が治具70とは別に吐出部31の位置を把握するための他の撮像部(例えば、位置P4で吐出部31の撮像をする撮像部)を備え、撮像部71による撮像結果と上記他の撮像部による撮像結果とを用いてティーチング作業を行う態様でも構わない。
【0100】
また、上記実施形態では、スケール面72Aに9本の目盛線720が描かれる態様について説明したが、これに限られるものではない。スケール面72Aに描かれる距離指標として、目盛線以外にも、ドットや同心円など種々の距離指標を採用しうる。
【0101】
また、上記実施形態では、ノズル移動手段として、ステッピングモータ12を例に挙げて説明したが、他の種類のモータ(例えば、サーボモータなど)も採用しうる。
【0102】
また、ノズル3から処理液を吐出する態様には限られない。ノズル3から処理ガスを吐出させる態様、ノズル3から処理液と処理ガスとの混合流体を吐出させる態様など、ノズル3から処理流体を吐出する種々の態様を採用しうる。
【0103】
また、上記実施形態では、ノズル3の吐出部31をスケール面72Aに接触させることにより吐出部31を治具70上で位置決めしたが、吐出部31の位置決め方法はこれに限られない。例えば、治具70上にスケール部72に以外の位置決め部を設け、この位置決め部に吐出部31を接触させることにより吐出部31を治具70に位置決めさせてもよい。
【0104】
以上、実施形態およびその変形例に係る基板処理装置、治具、およびティーチング方法について説明したが、これらは本発明に好ましい実施形態の例であって、本発明の実施の範囲を限定するものではない。本発明は、その発明の範囲内において、各実施形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 基板処理装置
2 スピンチャック
3 ノズル
10 アーム
12 ステッピングモータ
14 軌跡
20 制御部
21 モータ制御部
23 ホームポジション
P1〜P5 位置
W ウエハ
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