(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204880
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】ミクロトームにおける試料の移送装置
(51)【国際特許分類】
G01N 1/06 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
G01N1/06 Z
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-131428(P2014-131428)
(22)【出願日】2014年6月26日
(65)【公開番号】特開2015-21967(P2015-21967A)
(43)【公開日】2015年2月2日
【審査請求日】2017年5月26日
(31)【優先権主張番号】10 2013 213 955.1
(32)【優先日】2013年7月16日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】10 2013 219 171.5
(32)【優先日】2013年9月24日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500113648
【氏名又は名称】ライカ ビオズュステムス ヌスロッホ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】レーネ ビュットナー
【審査官】
素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−066264(JP,A)
【文献】
特開2009−145345(JP,A)
【文献】
特開2007−212386(JP,A)
【文献】
特開2008−076250(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0113440(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミクロトームにおける試料(310)の移送装置(100)であって、
移送アーム(112)と、
移送アーム(112)上に揺動可能に取り付けられ、移送経路上にある試料(310)を取り込む第1の位置と、前記移送経路上にある試料(310)を取り込まない第2の位置と、を取ることができる、取込要素(114)と、
位置決め要素と、前記位置決め要素を受容するために互いに並置延在する二つのトラック(131,132)を具備するゲート(130)と、を有する取込要素の位置決め機構と、
を備え、
前記位置決め要素が前記二つのトラックのうち第1のトラック(131)内を移動するとき、前記取込要素は第1の位置に位置決めされ、
前記位置決め要素が前記二つのトラックのうち第2のトラック(132)内を移動するとき、前記取込要素は第2の位置に位置決めされ、
前記ゲート(130)は、前記二つのトラック(131,132)を互いに連通させる少なくとも一つの切替領域(133)を有する、
移送装置(100)。
【請求項2】
前記位置決め要素は、前記二つのトラック(131,132)によって受容されるペグ(122)を有し、前記位置決め機構は、前記ペグ(122)を前記取込要素(114)に結合させる変位プレート(120)を有する、請求項1記載の移送装置(100)。
【請求項3】
前記ゲート(130)は、前記少なくとも一つの切替領域(133)に配された少なくとも一つのワンウェイスイッチ(134,135)であって、一方向への前記位置決め要素の経路では、当該ワンウェイスイッチが前記位置決め要素を前記二つのトラックの一方から前記二つのトラックの他方へ案内し、他方向への前記位置決め要素の経路では、当該ワンウェイスイッチが前記位置決め要素を前記二つのトラックの一方から前記二つのトラックの他方へ案内しないよう構成された少なくとも一つのワンウェイスイッチ(134,135)を有する、請求項1記載の移送装置(100)。
【請求項4】
前記少なくとも一つのワンウェイスイッチ(134,135)は、枢支点(135a)で枢動可能に取り付けられるスプリング付きタブ(135b)を有する、請求項3記載の移送装置(100)。
【請求項5】
前記少なくとも一つのワンウェイスイッチは、二つの互いに反対方向への通過を可能とするワンウェイスイッチ(134,135)を有する請求項3記載の移送装置(100)。
【請求項6】
前記少なくとも一つの前記切替領域(133)は、第1の反転点(136)を有し、前記位置決め要素は移動されて、前記位置決め要素の運動方向が前記第1の反転点(136)で逆転するとき、前記第1の反転点(136)から出発して、前記二つのトラックのうち前記第1のトラック(131)に入る、請求項1記載の移送装置(100)。
【請求項7】
前記少なくとも一つの前記切替領域(133)は、第2の反転点(137)を有し、前記位置決め要素は移動されて、前記位置決め要素の運動方向が前記第2の反転点(137)で逆転するとき、前記第2の反転点(137)から出発して、前記二つのトラックのうち前記第2のトラック(132)に入る、請求項6記載の移送装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はミクロトームにおける試料の移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ミクロトームにおける試料(パラフィンに埋設された組織を有するカセット)の移送装置がDE 10 2008 046 395 A1に開示されている。移送装置は、試料を貯蔵装置から、試料を加工、特に、スライスできる位置にある試料ホルダに移送する。移送装置は、このため、駆動機構と、駆動機構に連結されて試料を貯蔵装置から試料ホルダに押し出すことができる押し出し機構と、を有している。試料が既に試料ホルダにある場合には、試料は、試料ホルダから貯蔵装置に対向する側に押し出される。試料は、そこで手動でピックアップする必要があり、ミクロトーム刃の近くのため、傷害を負うリスクが明らかにある。また、別の貯蔵装置をそこに配置する必要がある。これには、かなりの収容スペースを必要とし、全体構成がかなり複雑化してしまう。
【0003】
EP 2 301 665 A1には、レーザスキャン装置用の試料スライド移送機構が開示され、試料スライドは、貯蔵位置と試料ステージの間を、揺動フラップを有するプッシャーにより、往復動することができる。特に、フラップは、試料スライドを取り込み又は試料に沿って試料上方を移動するため、軸周りに傾斜することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】DE 10 2008 046 395 A1
【特許文献2】EP 2 301 665 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
試料を、簡素で頑健な方法によって、試料ホルダから貯蔵装置に返却することができる、移送装置が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1の要件を有するミクロトームにおける試料の移送装置を提供する。即ち、第1の視点において、ミクロトームにおける試料の移送装置が提供され、この移送装置は、レールに沿って長軸方向に可動に取り付けられる移送アームと、移送アーム上に揺動可能に取り付けられ、移送経路上にある試料を取り込む第1の位置と、前記移送経路上にある試料を取り込まない第2の位置と、を取ることができる、取込要素と、位置決め要素と、前記位置決め要素のために互いに並置延在する二つのトラックを具備するゲートと、を有する取込要素の位置決め機構と、を備え、前記位置決め要素が前記二つのトラックのうち第1のトラック内を移動するとき、前記取込み要素は第1の位置に強制的に位置決めされ、前記位置決め要素が前記二つのトラックのうち第2のトラック内を移動するとき、前記取込み要素は第2の位置に強制的に位置決めされ、前記ゲートは、並置延在する前記二つのトラックを互いに連通させる少なくとも一つの切替領域を有する。
なお、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
有利な実施形態は、従属項又は後続の開示の特徴的要件である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一視点によれば、試料を、簡素で頑健な方法によって、試料ホルダから貯蔵装置に返却することができる、
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、以下の形態を含むことができる。
(形態1)第1の視点のとおり。
(形態2)前記位置決め要素は、前記二つのトラックを連通させるためのペグと、前記ペグを前記取込要素に結合させる変位プレートを有する、ことが好ましい。
(形態3)前記少なくとも一つの切替領域は、一方向への経路では、前記位置決め要素を一方の前記トラックから他方の前記トラックへ案内し、他方向への経路では、前記位置決め要素を一方の前記トラックから他方の前記トラックへ案内しない、少なくとも一つのワンウェイスイッチを有する、ことが好ましい。
(形態4)前記少なくとも一つのワンウェイスイッチは、枢支点で枢動可能に取り付けられるスプリング付きタブを有する、ことが好ましい。
(形態5)前記少なくとも一つの前記切替領域は、二つの、特に、互いに反対方向への通過を可能とするワンウェイスイッチを有することが好ましい。
(形態6)前記少なくとも一つの前記切替領域は、第1の反転点を有し、前記位置決め要素は強制的に移動されて、前記位置決め要素の運動方向が前記第1の反転点で逆転するとき、前記第1の反転点から出発して、前記二つのトラックのうち前記第1のトラックに入る、ことが好ましい。
(形態7)前記少なくとも一つの前記切替領域は、第2の反転点を有し、前記位置決め要素は強制的に移動されて、前記位置決め要素の運動方向が前記第2の反転点で逆転するとき、前記第2の反転点から出発して、前記二つのトラックのうち前記第2のトラックに入る、ことが好ましい。
【0009】
本発明による移送装置は、ミクロトーム内で、試料を、高い信頼性で自動的に往復動させることができる。試料の取込要素は、移送アーム上で一方向に往復動可能であり、二つの異なる位置、すなわち、移送経路上で試料を取り込む第1の位置と、試料を移送経路上の試料を取り込む第2の位置をとることができる。移送装置は、移送アームの運動シーケンスに従動して、取込要素が第1又は第2位置を取ることができるよう構成される。結果として、貯蔵装置に対向して配置される試料ホルダの側で、必要な収容スペースは減少し、既に加工された試料は自動的に貯蔵装置に戻され、これによって、ミクロトーム刃で怪我をするリスクは排除される。
【0010】
これによって、取込要素は、第1の位置で試料を取り込むことができ、第2の位置で試料に沿って試料上方を移動すること(即ち干渉回避すること)ができる。
【0011】
取込要素の位置決め機構は、例えば、ゲート又はスライド路(ないし側溝状(slideways))であり、互いに並置して延在し(extendary next to one another)、取込要素の位置決め要素用である、二つのトラックを有し;取込要素は、位置決め要素が二つのトラックのうち第1のトラックに移動したときには、強制的に又は自動的に第1の位置に位置決めされ、位置決め要素が二つのトラックのうち第2のトラックに移動したときには、強制的に第2の位置に存在する。この種の駆動ガイドシステムは、特に頑健で信頼性が高い。取込要素の位置は、モータ、スプリング、適用可能である脆弱なそれらの類似物に依存しない。
【0012】
位置変更は、位置決め要素が、各トラックの端部で少なくとも一つの切替領域内の特定の反転点に到達する毎に、有効に自動的に実行される。これは、好ましくは、切替領域が、一方向の経路では位置決め要素を一方のトラックから他方のトラックに案内し、他方向の経路では位置決め要素を一方のトラックから他方のトラックに案内しない少なくとも一つのワンウェイスイッチを有することによって達成される。このように取込要素の二位置の内の他の位置への遷移を制御することができ、このための駆動源を別途設ける必要がない。代わりに、移送アームを駆動する駆動システムが、取込要素を他位置へ移動させるために有用である。移送アームを対応する反転点で簡単に戻せるからである。
【0013】
各切替領域は、好ましくは、二つの互いに反対方向に作動するワンウェイスイッチを有し、これによって、両方向でトラック変更が可能となる。よって、二つの反転点が(各反転点は、二つのトラックのまさに一つに関連する)、各切替領域に存在する。第1の反転点に到達されたとき、これに伴って、位置決め要素は、移動方向を反転した後、第1のトラックに連行される。第2の反転点に到達されたとき、これに伴って、位置決め要素は、移動方向を反転した後、第2のトラックに案内される。制御されたトラック変更は、第1および第2の反転点のいずれかに到達されたときに発生する。取込要素は、移送アームの運動シーケンスに従動して、第1又は第2の位置を取ることができる。このように制御された取込要素は、各切替領域で二位置のうち所望の一つの位置を取ることができる。
【0014】
本発明によれば、移送アームを移送運動させる一つの駆動システム(好ましくはステッピングモータ)によって、移送アームの往復動と、取込要素の複数の位置間での切り替えという、両運動を提供する。
【0015】
本発明のさらなる利点および実施形態は、詳細な説明および添付図面から明らかになるであろう。
【0016】
上述した特徴および下記に説明する特徴は、開示される各組み合わせのみに使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、他の組み合わせや単独で使用することができることは明らかである。
【0017】
本発明を、具体的な実施例に基づいて図面に模式的に示し、以下、図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の好ましい実施例に係る移送装置の外観斜視図であり、併せて、貯蔵装置と試料を受ける試料ホルダを示す。
【
図3】上方から、
図1の移送装置を上方からみた部分図である。
【実施例】
【0019】
図1〜3は、相互に関係し、図示は重複し、同一の要素には同一の参照符号が付与されている。なお、図示の都合上、全要素が常に全図面に図示されているわけではない。
【0020】
図1は、ミクロトームの貯蔵装置200および試料ホルダ300を備える本発明の移送装置100の好ましい実施例を示す斜視図である。カセット311化されて保持され、パラフィン312に埋められた試料310が、試料ホルダ300内に保持されている。
図1は、ミクロトームの既存部品の外観を示している。ナイフ(不図示)は、試料ホルダ300の下方に配置され、組織313を含むパラフィン312を薄くスライスする機能を提供する。
【0021】
移送装置100は運動領域の上方に設けられる。汚染のリスクがこれによって減少され、コンパクトなシステムは、スライス作業の間、作業領域を清浄な状態に保全することができる。ここでは、平行して複数の作業を行うことも可能である。モジュラ設計も、また有利な構成である。運動領域の下方に位置するシステムによれば、例えば、モジュールの再装備ではアセンブリのための追加が要求されるが、ここで図示された解決手段によれば、ハウジングを分解する必要さえもなく、容易に上方からアセンブルされ又は分解される。
【0022】
移送装置100自体は、
図2に図示され、試料310を貯蔵装置200から試料ホルダ300へ、又逆に移送することができる。このため、それは、電気的駆動システム110を有し、ここでは、ステッピングモータ110が使用されている。ステッピングモータ110は、レール113に沿ってX方向に(即ち、長軸方向に)可動に取り付けられた移送アーム112に固定的に接続されたベルト111を駆動する。移送アーム112上には、揺動可能な取込要素114が配置され、
図1および2に示した第1の位置ではX方向の動きの途中で試料310を取り込み、下方に揺動した第2の位置(不図示)ではX方向の動きの途中で試料310を取り込まず、試料310上方を通過する。
【0023】
移送装置100は、移送アーム112が切替領域内の特定の反転点に到達することによって、位置変更、すなわち、取込要素の第1の位置から第2の位置への切り換え又はその逆の切り換えが自動的に実行されるよう構成されている。これが、詳細に
図3に図示されている。
【0024】
上述したように、取込要素114は、移送アーム112に揺動可能(pivotally)に取り付けられ、揺動は、変位プレート120の直線変位におおよそ従動する。このため、取込要素114は、移送アーム112に枢軸121を介して揺動可能に取り付けられている。取込要素114は、スプリング121aにより、第1の位置(外側に揺動した位置)に向かって常時付勢されている。この位置において、試料は、取込要素114の下部によって、枢軸121の下方で、取り込まれる。
【0025】
変位プレート120は、移送アーム112に取り付けられ、
図3中に両端矢線で示すように、
図3の平面内で直線的に変位することができ、枢軸121の上方で取込要素114の上部を付勢することができる。変位プレート120が取込要素114に向かって変位していくと、最終的には、取込要素114の上部を付勢し、この結果、取込要素114は、スプリング121aの弾性力に抗して、枢軸121周りに、内側へ向かって揺動する。変位プレート120がレール113側へ後退されると、スプリング121aは、取込要素114を第1の位置に戻るよう揺動させる。
【0026】
変位プレート120が、
図3に示した位置(レール113側位置)にあるとき、取込要素114は第1の位置(外側に揺動した位置)にある。
図3の変位プレート120が取込要素114側に変位されたとき、取込要素114は第2の位置(内側に揺動した位置)に向かって又はそれを超えて揺動する。
【0027】
変位プレート120の変位は、ゲート130の第1のトラック(走行路)131又は第2のトラック132内を走行可能なペグ122(かけ金)を介して、達成される。ゲート130は、両端に、トラック131,132の間でペグのトラックを変更するために使用される二つの切替領域133を有している。ゲート130、ペグ122(スライドブロックのように案内される)、および変位プレート120は、取込要素の位置決め機構の構成要素である。
【0028】
各切替領域は、二つのワンウェイスイッチ134,135を有し、各ワンウェイスイッチ134,135は、ペグ122を一方向には通過させ、他(反対)方向にはトラック変更させる。ここで、ワンウェイスイッチ135は、枢支点135aに揺動可能に取り付けられ、ゲートの外壁から常時付勢される(ワンウェイスイッチ135の両端を外壁に向かって常時付勢する)スプリング付きタブ135bを有している。ペグ122が枢支点135aと外壁の間を通過するように、この休止位置から、外壁から離間するタブ135bのみ動かす。
【0029】
図3の右側に図示した切替領域133を参照すると、この結果、二つの反転点136,137が存在し、第1の反転点136で、ペグ122は、反転点136から
図3左側への変位によって、第1のトラック131内に位置される。これに対して、第2の反転点137で、ペグ122は、反転点137から
図3左側への変位によって、第2のトラック132内に位置される。同様の複数の反転点136,137が、左側の切替領域133にも設けられている。同様に、反転点136は第1のトラック131に関連し、反転点137は第2のトラック132に関連している。
【0030】
図3を参照すると、試料を貯蔵装置200から試料ホルダ300に移送するため、移送アーム112は、まず、左側の反転点136に向かって動かされる(すなわち、ペグ122は反転点136に位置決めされる)。右側への反転走行時には、これに伴って、ペグ122は、トラック131に向かって強制的に案内される。これに伴って、取込要素114は外側に揺動して、試料を貯蔵装置200から取り出して試料ホルダ300に装填する。試料が試料ホルダ300に到達すると、移送アーム112の動きは停止される。それは、試料の加工を邪魔しないよう、左側へ通常戻されることができる。貯蔵装置200のマガジン(スライドプロジェクタのようなもの)は、取込要素114が新たに開放されたマガジンスペースを通過する邪魔にならない限り、改良しなくてもよい。或いはまた、マガジンを、取込要素の移動経路外(
図1の後部)に退避させることもできる。
【0031】
加工した試料を試料ホルダ300から貯蔵装置200に戻す場合、移送アーム112は、まず、左側の反転点137に向かって動く(すなわち、ペグ122が、反転点137上に位置される)。左側への走行により、反転点137には、いずれにしても反転点136よりも先に到達する。つまり、上部ワンウェイスイッチ135は、ペグ122がトラック131に位置するならば、ペグ122をトラック132に向かって案内するためである。これによって、取込要素114は内側に揺動される。
【0032】
続いての右側への運動時、ペグ122はトラック132に留まり、これによって、取込要素114は内側へ揺動した状態を維持し、試料ホルダ300内の試料上方を試料に沿って動くことができる。次に、移送アーム112は右側の反転点136へ移動される。左側への戻り走行時、これに伴って、ペグ122はトラック131に向かって案内され、取込要素114は外側に揺動して、試料を試料ホルダ300から貯蔵装置200に戻す。試料が貯蔵装置200に到達すると、移送アーム112の動きは停止される。
【0033】
貯蔵装置200による試料の取り込みを行わないで、さらに左側への移動を継続するため、マガジンは、取込要素114又は移送アーム112の走行経路外に退避することができ、又は、移送アーム112の左側への再移動に従って、取込要素114を内側に揺動させるよう、移送アーム112は右側の反転点137に戻ることができる。
【0034】
別の試料を、取込要素の走行経路に、例えば、マガジンを対応する位置に配置することによって、置くこともでき、この試料を試料ホルダに移送することができる。
【0035】
上述した構成によれば、移送アーム112の移送運動と、これによる取込要素114のX方向の移送運動と、同時に、取込要素114の内側および外側への揺動とが、ひとつの駆動システム110を用いて実現することができる。この結果、内側に向かって揺動した状態の取込要素114は、試料ホルダ300を回避することができ、次に、外側への揺動後、特に戻り運動の途中で、試料を貯蔵装置に戻すことができる。
【0036】
本発明の他の形態、特徴及び視点は本発明の全開示において明らかになるだろうし、本
発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が上述の変更に含まれる。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0037】
100 移送装置
200 貯蔵装置
300 試料ホルダ
310 試料
311 カセット
312 パラフィン
313 組織
110 電気的駆動システム、ステッピングモータ
111 ベルト
112 移送アーム
113 レール
114 取込要素
120 変位プレート
121 枢軸
121a スプリング
122 ペグ
130 ゲート
131 第1のトラック
132 第2のトラック
133 切替領域
134,135 ワンウェイスイッチ
135a 枢支点
135b スプリング付きタブ
136,137 反転点