特許第6204888号(P6204888)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アマダの特許一覧

<>
  • 特許6204888-金型交換補助装置及びその方法 図000002
  • 特許6204888-金型交換補助装置及びその方法 図000003
  • 特許6204888-金型交換補助装置及びその方法 図000004
  • 特許6204888-金型交換補助装置及びその方法 図000005
  • 特許6204888-金型交換補助装置及びその方法 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204888
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】金型交換補助装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 5/02 20060101AFI20170914BHJP
【FI】
   B21D5/02 G
   B21D5/02 F
   B21D5/02 P
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-168130(P2014-168130)
(22)【出願日】2014年8月21日
(65)【公開番号】特開2016-43373(P2016-43373A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2016年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】上杉 悟
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−065060(JP,A)
【文献】 特開2006−289455(JP,A)
【文献】 特開平11−221630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 5/01− 5/04
B21D 37/00−37/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲げ加工機の金型の交換を補助するための金型交換補助装置において、
前記金型に関する情報を含む所定の情報を入力する入力手段と、
前記所定の情報に基づいて、前記金型の形状を示す投影情報を生成する生成手段と、
前記投影情報に基づいて、前記金型の取り付け位置に前記金型の形状を示す画像を投影する少なくとも1つの投影機と、を備え、
前記所定の情報は、前記金型を取り付けるダイホルダーに関する情報を含み、
前記生成手段は、前記ダイホルダーに関する情報に基づいて、前記ダイホルダーを示す投影情報を生成し、
前記投影機は、前記ダイホルダーを示す投影情報に基づいて、前記ダイホルダーの形状を示す画像を投影する
ことを特徴とする金型交換補助装置。
【請求項2】
曲げ加工機の金型の交換を補助するための金型交換補助装置において、
前記金型に関する情報を含む所定の情報を入力する入力手段と、
前記所定の情報に基づいて、前記金型の形状を示す投影情報を生成する生成手段と、
前記投影情報に基づいて、前記金型の取り付け位置に前記金型の形状を示す画像を投影する少なくとも1つの投影機と、を備え、
前記金型に関する情報は、前記金型を識別するための金型IDを含み、
前記生成手段は、前記金型IDに基づいて、前記金型IDを示す投影情報を生成し、
前記投影機は、前記金型IDを示す投影情報に基づいて、前記金型IDを投影する
ことを特徴とする金型交換補助装置。
【請求項3】
曲げ加工機の金型の交換を補助するための金型交換補助装置において、
前記金型に関する情報を含む所定の情報を入力する入力手段と、
前記所定の情報に基づいて、前記金型の形状を示す投影情報を生成する生成手段と、
前記投影情報に基づいて、前記曲げ加工機に前記金型の形状を示す画像を投影する少なくとも1つの投影機と、を備え、
前記金型に関する情報は、前記金型を識別するための金型IDを含み、
前記生成手段は、前記金型IDに基づいて、前記金型IDを示す投影情報を生成し、
前記投影機は、前記金型IDを示す投影情報に基づいて、前記金型IDを投影する
ことを特徴とする金型交換補助装置。
【請求項4】
曲げ加工機の金型の交換を補助するための金型交換補助装置において、
前記金型に関する情報を含む所定の情報を入力する入力手段と、
前記所定の情報に基づいて、前記金型の形状を示す投影情報を生成する生成手段と、
前記投影情報に基づいて、実際に取り付けられる金型に重なるように作成された前記金型の形状を示す画像を、前記曲げ加工機に投影する少なくとも1つの投影機と、
を備え、
前記金型に関する情報は、前記金型を識別するための金型IDを含み、
前記生成手段は、前記金型IDに基づいて、前記金型IDを示す投影情報を生成し、
前記投影機は、前記金型IDを示す投影情報に基づいて、前記金型IDを投影する
ことを特徴とする金型交換補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲げ加工機の金型の交換を補助するための金型交換補助装置及びその方法に関し、特に取り付ける金型を投影して、取付け金型と位置を教示する金型交換補助装置及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、曲げ加工機(プレスブレーキ等)では、金型(パンチとダイ等)を取り付け、ワークの加工を行う。そして、金型を取り付ける際はバックゲージで金型の位置を教える方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−007274号公報
【特許文献2】特開2006−007275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金型の取付け位置の指示をするバックゲージと取り付け金型位置には距離があり、作業者はバックゲージを目視しながら正確な位置に取り付けることが難しい。また、設定された金型と異なる金型を取り付けてしまった場合、気がつきにくいという問題があった。
【0005】
本発明は、作業者に対して金型の取り付けを行うときに設定された情報を投影することにより、作業者が間違いなく簡単に金型の取り付けを行うことができるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の問題を解決するために、曲げ加工機の金型の交換を補助するための金型交換補助装置において、
前記金型に関する情報を含む所定の情報を入力する入力手段と、
前記所定の情報に基づいて、前記金型の形状を示す投影情報を生成する生成手段と、
前記投影情報に基づいて、前記金型の取り付け位置に前記金型の形状を示す画像を投影する少なくとも1つの投影機と、を備え、
前記所定の情報は、前記金型を取り付けるダイホルダーに関する情報を含み、
前記生成手段は、前記ダイホルダーに関する情報に基づいて、前記ダイホルダーを示す投影情報を生成し、
前記投影機は、前記ダイホルダーを示す投影情報に基づいて、前記ダイホルダーの形状を示す画像を投影する
ことを特徴とするものである。
【0007】
また、曲げ加工機の金型の交換を補助するための金型交換補助装置において、
前記金型に関する情報を含む所定の情報を入力する入力手段と、
前記所定の情報に基づいて、前記金型の形状を示す投影情報を生成する生成手段と、
前記投影情報に基づいて、前記金型の取り付け位置に前記金型の形状を示す画像を投影する少なくとも1つの投影機と、を備え、
前記金型に関する情報は、前記金型を識別するための金型IDを含み、
前記生成手段は、前記金型IDに基づいて、前記金型IDを示す投影情報を生成し、
前記投影機は、前記金型IDを示す投影情報に基づいて、前記金型IDを投影する
ことを特徴とするものである。
【0008】
また、曲げ加工機の金型の交換を補助するための金型交換補助装置において、
前記金型に関する情報を含む所定の情報を入力する入力手段と、
前記所定の情報に基づいて、前記金型の形状を示す投影情報を生成する生成手段と、
前記投影情報に基づいて、前記曲げ加工機に前記金型の形状を示す画像を投影する少なくとも1つの投影機と、を備え、
前記金型に関する情報は、前記金型を識別するための金型IDを含み、
前記生成手段は、前記金型IDに基づいて、前記金型IDを示す投影情報を生成し、
前記投影機は、前記金型IDを示す投影情報に基づいて、前記金型IDを投影する
ことを特徴とするものである。
【0009】
また、曲げ加工機の金型の交換を補助するための金型交換補助装置において、
前記金型に関する情報を含む所定の情報を入力する入力手段と、
前記所定の情報に基づいて、前記金型の形状を示す投影情報を生成する生成手段と、
前記投影情報に基づいて、実際に取り付けられる金型に重なるように作成された前記金型の形状を示す画像を、前記曲げ加工機に投影する少なくとも1つの投影機と、
を備え、
前記金型に関する情報は、前記金型を識別するための金型IDを含み、
前記生成手段は、前記金型IDに基づいて、前記金型IDを示す投影情報を生成し、
前記投影機は、前記金型IDを示す投影情報に基づいて、前記金型IDを投影する
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
投影機を用いて金型情報の画像を機械へ投影することで、見た目にわかりやすく金型情報(金型の大きさ、取付位置等)を確認することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明を実施した金型交換補助装置の概略を示す概略図である。
図2図1に示した金型交換補助装置の動作を示すフローチャートである。
図3】投影の例を説明する説明図である。
図4】投影の例を説明する説明図である。
図5】投影の例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照し、金型交換補助装置(金型交換補助システム)Sを説明する。図1(a)は、金型交換補助装置の側面図、図1(b)は、金型交換補助装置の正面図である。
【0013】
曲げ加工機1の金型交換を補助する金型交換補助装置Sでは、入力デバイス9(入力手段)から所定の情報を読み込んで投影情報を生成する曲げ加工機制御装置8(生成手段)と、投影情報を投影する複数の投影機10〜13を備える。投影機10〜13は、投影情報に基づき、金型の形状を金型の取り付け位置に投影する。
【0014】
曲げ加工機制御装置8は、コンピュータからなり、ROMおよびRAMが接続されたCPUを有しており、CPUには、さらに、内部メモリ、外部メモリ(記憶手段)等が接続されている。
【0015】
曲げ加工機1はサイドフレーム2、3を備えている。サイドフレーム2にはシリンダ4が備えられ、サイドフレーム3には、シリンダ5が備えられている。
【0016】
一方、曲げ加工機1は上部フレーム6を有している。そして、サイドフレーム2、サイドフレーム3には、下部テーブル7Lと上部テーブル7Uが備えられている。上部テーブル7Uはシリンダ4、5の作用により上下可動に構成されている。
【0017】
なお、図1(b)に示すように、本実施形態の曲げ加工機1のオープンハイトはOHで示され、テーブル高さはTHで示されている。
【0018】
上部テーブル7Uには、複数のパンチP(P1、P2、P3)が設置されており、下部テーブル7Lには複数のダイD(D1、D2、D3)が設置されており、パンチPとダイDの協働によりワークWに対して曲げ加工を行うように構成されている。
【0019】
そして、複数の投影機10〜13は、ダイD1、D2、D3、パンチP1、P2、P3等の形状を曲げ加工機1の金型の取り付け位置に投影するように設置されている。投影機10〜13は、機械(曲げ加工機1)、もしくは機械の周囲に複数存在し、作業者が影となって画像が投影できなくなる死角を減らすように設置される。この実施形態では、ダイDおよびパンチPの前側の下方の中央に第1の投影機10が設けられ、ダイDおよびパンチPの前側上方の上部フレーム6の左右に第2および第3の投影機11、12が設けられ、ダイDおよびパンチPの後側の上方に第4の投影機13が設けられている。
【0020】
さらに、投影情報はダイホルダー14(図3参照)の情報を含み、投影機10〜13がダイホルダー14の形状を所定位置に投影する。また、投影情報は金型を識別するための金型IDを含み、投影機10〜13が金型IDを投影する。
【0021】
図2を参照して曲げ加工機制御装置8の制御の動作を説明する。
【0022】
ステップS01では、プログラムデータより所定の情報の取得を行う。具体的には、金型ID(金型を識別するためのもの)、金型の長さ、幅、高さ、ダイホルダーの長さ、幅、高さ、などの金型に係る情報を入力デバイス9より取得する。
【0023】
ステップS02では、機械データ(曲げ加工機1の機械データ)の読み込みを行う。具体的には、テーブル長、オープンハイトOP、下部テーブルの高さTH、幅TWなどの情報を取得する。
【0024】
ステップS03では、下部テーブル7Lへの投影情報の作成を行う。すなわち、読み込んだ機械データと、金型の情報(下型ダイ高さDH、下型ダイ幅DW、厚さ等)から下部テーブル7Lに投影する投影情報を作成する。
【0025】
ステップS03の投影情報作成の詳細について、ステップS04〜S07として以下に説明する。
【0026】
ステップS04では、読み込んだ機械データから下部テーブル7Lの情報(幅TW、長さ、高さTH)を取り出す。
【0027】
ステップS05では、下部テーブル7Lに設置する金型情報から、下部テーブル7L上のどの位置に何が(ホルダー、金型、レール)取り付けられるのか計算し、画像を作成する。
【0028】
ステップS06では、読み込んだ金型情報で、上記で設定された状態の上に載せる金型があれば載せた状態の画像を作成し、別の画像として保存する。
【0029】
ステップS07では、設定された金型情報が全て画像として作成されるまで同じことを繰り返す。以上で上側からのダイ金型Dの投影情報が作成される。
【0030】
ステップS08では、正面からの投影情報の作成を行う。読み込んだ機械データと金型の情報から正面からの投影情報を作成する。
【0031】
ステップS08の投影情報作成の詳細について、ステップS09〜S11として以下に説明する。
【0032】
ステップS09では、下部テーブル7Lに対して、読み込んだ金型情報から下部テーブル7Lに載せるホルダー、ダイDなどを下から順番にテーブルとの位置関係を合わせながら作成する。
【0033】
ステップS10では、上部テーブル7Uに対して、上部テーブル7Uに取り付ける中間板やクランプ装置、パンチPなどの位置を合わせながら作成する。
【0034】
ステップS11では、下部テーブル7L、上部テーブル7Uの画像を合わせて正面からからの投影情報を作成する。
【0035】
ステップS12では、投影情報の補正を行う。機械と投影機との位置関係から投影する情報を補正し、実際の機械に合う形の投影情報を作成する。すなわち、その画像をそのまま投影すると、台形にゆがんでしまうので、機械と投影機の位置関係から投影画像を補正して、機械に投影する。また、投影画像が複数ある場合は作業者によって切り替えることができる。
【0036】
上述のように、入力デバイス9で得た情報に基づき、板厚、曲げ角度などの曲げ条件から自動で金型が設定される。設定された金型情報を元に投影画像が作成され、実際に取り付けられる金型に重なるように、作成された画像が投影される。
【0037】
作業者は投影された画像を元に金型を機械に取り付けていく。取り付けの際に、設定画面と金型を見比べる必要がなくなるために作業性が向上する。また、位置がずれている状態や、取り付けた金型が設定されている金型と違うことにも気がつきやすい。すなわち、正面から投影したとき、高さも投影されるので見たときに設定されている金型と違うことに気がつきやすい。
【0038】
また、ID投影することで形状だけで判断しにくいものも気がつくことができ、下部テーブルに投影したとき、ダイDの設置位置、長さが間違っていることも見てわかる。
【0039】
図3を参照する。この場合、ダイD(D1、D2、D3)の配置位置を曲げ加工機1の上側から投影したものであり、下部テーブル7Lに設けられたダイホルダー14と、ダイホルダー14に設けられたダイD(D1、D2、D3)とが切り替可能に表示される。
【0040】
ここでは、ダイDの投影から、ダイD2のCK1部分において投影画像と実物の金型が異なることがわかり、ダイD3のCK3部分において金型の大きさが違っていることがわかる。なお、ダイD1は適正な金型が適正な位置に配置されていることがわかる。
【0041】
図4を参照する。この場合、ダイホルダー14の投影画像を正面から見たものであり、CK3部分で示したように投影されたダイホルダーと実物のダイホルダー14は高さが違っていることがわかる。
【0042】
図5を参照する。この場合、ダイD、パンチPの配置位置を正面から投影したものであり、下部テーブル7Lに設けられたダイホルダー14と、ダイホルダー14に設けられたダイD(D1、D2、D3)とが表示され、さらに、パンチP(P1、P2、P3)が表示されている。ここでは、ダイD1のCK4部分と、ダイD2のCK5部分と、ダイD3のCK6部分と、パンチP1のCK7部分と、パンチP2のCK8部分と、パンチP3のCK9部分との投影画像と実物とが以下のように異なることがわかる。
【0043】
すなわち、CK4部分では高さが違うことがわかる。CK5部分では高さ幅共に違うことがわかる。CK6部分では取り付位置が違うことがわかる。CK7部分では高さが違うことがわかる(実物は短い)。CK8部分では高さが違うことがわかる(実物は長い)。CK9部分では金型IDが違うことがわかる。
【0044】
このように、作業者は、自分の取り付けた金型が機械で設定されたものと同じものであるかどうかを設定した画面と実物を見比べることなく確認できる。さらに、金型長さだけでなく、金型高さ、金型IDなどで判断できるようになる。よって作業者が設定された金型と同じ金型を間違いのなく簡単に取り付けを行うことができるという効果を奏する。
【0045】
この発明は前述の発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。
【符号の説明】
【0046】
1 金型交換補助装置
2 サイドフレーム
3 サイドフレーム
4 シリンダ
5 シリンダ
6 上部フレーム
7L 下部テーブル
7U 上部テーブル
8 曲げ加工機制御装置
9 入力デバイス
10 投影機
11 投影機
12 投影機
13 投影機
図1
図2
図3
図4
図5