(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作受付手段は、前記ユーザを撮像した画像から当該ユーザの動作を検出し、当該動作が所定の動作に適合する場合に、前記印字出力を指示する操作として受け付ける請求項2に記載の情報処理装置。
前記印字制御手段は、前記顔認証手段が特定した識別情報に対応するレシート情報が複数存在する場合に、これらのレシート情報の中から印字対象を前記ユーザに選択させ、選択されたレシート情報を、前記印字部から印字出力させる請求項1〜3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本実施形態に係るチェックアウトシステムの概略構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態のチェックアウトシステム1は、複数台のPOS端末10と、プリンタ装置20とを備える。POS端末10の各々とプリンタ装置20とは、無線又は有線のネットワークN1を介して接続される。ネットワークN1は、例えばLAN(Local Area Network)等である。
【0008】
以下、チェックアウトシステム1を構成する各装置について説明する。
【0009】
POS端末10は、商品の会計に係る商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置である。本実施形態では、POS端末10は、タブレット端末等の携帯端末であり、店舗内の店員により携帯される。なお、各店員と当該店員が携帯するPOS端末10との組み合わせは、予め定められているものとする。
【0010】
図2は、POS端末10の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、POS端末10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、通信I/F14と、操作部15と、表示部16と、スキャナ部17と、記憶部18とを備える。また、POS端末10は、RTC(Real Time Clock)等の計時装置を備える(図示せず)。
【0011】
ROM12は、CPU11が実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAM13は、CPU11が各種プログラムを実行する際に、一時的にデータやプログラムを記憶する。CPU11は、ROM12や記憶部18に格納された各種プログラムをRAM13に展開して実行することにより、後述する各機能部を実現させる。
【0012】
通信I/F14は、ネットワークN1に接続可能な通信インタフェースである。POS端末10は、通信I/F14を介して、ネットワークN1に接続された装置と通信を行う。
【0013】
操作部15は、操作ボタンやポインティングデバイス等の入力装置である。操作部15は、操作を受け付けると、その操作内容をCPU11に出力する。
【0014】
表示部16は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスである。表示部16は、CPU11の制御の下、取引内容等の各種情報を表示する。また、表示部16は、タッチパネル構成としてもよい。この場合、タッチパネルは、操作部15として機能する。
【0015】
スキャナ部17は、商品に付されたバーコード等のコードシンボルを読み取る読取装置である。スキャナ部17は、商品に付されたコードシンボルを読み取り、そのコードシンボルに含まれた商品IDをCPU11に出力する。ここで、商品IDは、例えばJANコード等の各商品を識別するための商品識別子である。なお、スキャナ部17は、タブレット端末等に一般的に備えられるCCDやCMOS等の撮像装置を用いて構成してもよい。この場合、撮像装置は、コードシンボルのデコードを行うプログラムと協働することで、スキャナ部17として機能する。
【0016】
記憶部18は、HDD(hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶媒体を備えた記憶装置である。記憶部18は、POS端末10の動作に係る各種プログラムや各種データを記憶する。例えば、記憶部18は、各商品に関する商品情報を、当該商品を識別する商品IDと対応付けて登録した商品マスタを記憶する。係る商品情報は、対応する商品の商品名や単価等を含む。
【0017】
また、記憶部18は、自己のPOS端末10を他のPOS端末10と識別するための識別情報を記憶する。ここで、識別情報は、例えばPOS端末10に予め割り当てられた固有の機器ID、製造番号、IPアドレス等を用いることができる。また、自己のPOS端末10を操作する店員の識別情報を記憶する構成としてもよい。この場合、識別情報は、例えば自己のPOS端末10を操作する店員の氏名や、店員管理用に予め割り当てられた固有の店員ID等を用いることができる。
【0018】
なお、本実施形態では、POS端末10の各々が商品マスタを保持する形態としたが、これに限らないものとする。例えば、外部装置が保持する商品マスタを、各POS端末10が参照する形態としてもよい。
【0019】
また、POS端末10のCPU11は、ROM12や記憶部18に記憶されたプログラムを実行することで、会計処理部111と、通信制御部112と、表示制御部113とを機能部として備える。
【0020】
会計処理部111は、客が買い上げた商品の登録や会計(精算)に係る処理を行う。具体的に会計処理部111は、スキャナ部17により取得された商品IDに基づき、当該商品IDに対応する商品情報を商品マスタから読み出す。会計処理部111は、商品情報に含まれる単価や、操作部15を介して入力される販売個数等から商品の販売価格を算出する。
【0021】
会計処理部111は、商品の支払いが完了すると、それら商品の商品IDや販売価格等を、図示しない売上マスタファイル等に記録することで売上登録を行う。また、会計処理部111は、その取引の内訳を示すレシート情報を生成する。ここで、レシート情報は、客が買い上げた各商品の商品名や販売個数、客が支払った代金等を含む。また、レシート情報は、その取引を識別する取引ID、取引が行われた日時を示す日時情報等を含む。
【0022】
通信制御部112は、通信I/F14を用いることで、プリンタ装置20との間で各種情報の授受を行う。具体的に、通信制御部112は、取引が完了すると、その取引で会計処理部111が生成したレシート情報と、記憶部18に記憶された識別情報とを対応付け、プリンタ装置20に送信する。また、通信制御部112は、プリンタ装置20から送信される後述する出力待ち情報を受信する。
【0023】
表示制御部113は、表示部16を制御することで、当該表示部16の表示画面に各種の情報を表示させる。具体的に、表示制御部113は、上述した会計処理に係る操作画面を表示部16に表示させる。また、表示制御部113は、商品マスタから読み出された商品情報を表示部16に表示させる。また、表示制御部113は、プリンタ装置20から送信された後述する出力待ち情報を表示部16に表示させる。
【0024】
次に、プリンタ装置20について説明する。プリンタ装置20は、レシートの印字を行うプリンタ装置である。本実施形態において、プリンタ装置20は、情報処理装置として機能する。
【0025】
図3は、プリンタ装置20の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、プリンタ装置20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、通信I/F24と、操作部25と、表示部26と、印字部27と、撮像部28と、記憶部29とを備える。また、プリンタ装置20は、RTC等の計時装置を備える(図示せず)。
【0026】
ROM22は、CPU21が実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAM23は、CPU21が各種プログラムを実行する際に、一時的にデータやプログラムを記憶する。CPU21は、ROM22や記憶部29に格納された各種プログラムをRAM23に展開して実行することにより、後述する機能部を実現させる。
【0027】
通信I/F24は、ネットワークN1に接続可能な通信インタフェースである。プリンタ装置20は、通信I/F24を介して、ネットワークN1に接続された装置と通信を行う。
【0028】
操作部25は、操作ボタン等の入力装置である。操作部25は、操作を受け付けると、その操作内容をCPU21に出力する。
【0029】
表示部26は、LCD等の表示デバイスである。表示部26は、CPU21の制御の下、各種の情報を表示する。また、表示部26は、タッチパネル構成としてもよい。この場合、タッチパネルは、操作部25として機能する。
【0030】
印字部27は、サーマルプリンタやドットインパクトプリンタ等の印字ユニットである。印字部27は、CPU21の制御の下、所定の用紙にレシート情報を印字することで、レシートを出力する。
【0031】
撮像部28は、CCDやCMOS等の撮像素子を備えた撮像装置である。本実施形態において、撮像部28は、プリンタ装置20に接近した客、具体的にはプリンタ装置20を操作する客の顔を略正面から撮像することが可能な位置に設けられる。撮像部28は、CPU21の制御の下、自装置を操作する客の顔を撮像する。なお、撮像部28は、プリンタ装置20と一体的に設ける形態としてもよいし、プリンタ装置20に外付けする形態としてもよい。
【0032】
記憶部29は、HDDやSSD等の記憶装置である。記憶部29は、CPU21が実行する各種プログラムや各種データを記憶する。また、記憶部29は、POS端末10を携帯する店員(以下、ユーザともいう)の顔情報を格納したユーザ管理テーブル291を予め記憶する。
【0033】
図4は、ユーザ管理テーブル291のデータ構成の一例を示す図である。
図4に示すように、ユーザ管理テーブル291には、各ユーザの顔情報と、当該ユーザが携帯するPOS端末10の識別情報とが対応付けて格納されている。ここで、顔情報は、各ユーザの顔を撮像した画像(顔画像)そのものであってもよいし、顔の特徴をパラメータ化した情報であってもよい。
【0034】
また、記憶部29は、POS端末10から送信されたレシート情報及び顔情報を格納するためのレシート管理テーブル292を記憶する。
【0035】
図5は、レシート管理テーブル292のデータ構成の一例を示す図である。
図5に示すように、レシート管理テーブル292は、識別情報とレシート情報とを対応付けて格納するためのエリアを有する。
【0036】
また、プリンタ装置20のCPU21は、ROM22や記憶部29に記憶されたプログラムを実行することで、通信制御部211と、レシート管理部212と、顔情報取得部213と、顔認証部214と、操作受付部215と、印字制御部216と、報知処理部217とを機能部として備える。
【0037】
通信制御部211は、通信I/F24を用いることで、POS端末10の各々との間で各種情報の授受を行う。具体的に、通信制御部211は、POS端末10から送信される識別情報及びレシート情報の組を受信(取得)する。また、通信制御部211は、報知処理部217から送信が指示された後述する出力待ち情報を、POS端末10に送信する。
【0038】
レシート管理部212は、レシート管理テーブル292の管理を行う機能部である。レシート管理部212は、通信制御部211が、レシート情報及び識別情報を受信すると、そのレシート情報及び識別情報をレシート管理テーブル292に格納する。また、レシート管理部212は、印字制御部216の制御により、印字が完了したレシート情報と識別情報との組を、レシート管理テーブル292から削除する。
【0039】
顔情報取得部213は、撮像部28を制御することで、当該撮像部28が撮像した客の顔画像を顔情報として取得する。また、顔情報取得部213は、画像中から顔の特徴(目、鼻、口等)を検出する機能を備えてもよい。当該機能を備える顔情報取得部213は、撮像部28が撮像した画像の中から顔の特徴を検出した場合に、当該画像(顔画像)を顔情報として取得する。なお、顔情報取得部213が顔情報を取得するタイミングは特に問わないものとする。本実施形態では、操作受付部215が印字指示を受け付けた場合に、顔情報の取得を開始するものとするが、これに限らず、印字指示の受け付けに先駆けて顔情報を取得する構成としてもよい。
【0040】
顔認証部214は、顔情報取得部213が取得した顔情報と、ユーザ管理テーブル291に格納された顔情報とを比較することで、撮像部28が撮像したユーザの識別情報(POS端末10)を特定する。具体的に、顔認証部214は、公知の顔認証技術を用いることで、ユーザ管理テーブル291に格納された顔情報の中から、撮像部28が撮像したユーザの顔情報を特定する。なお、顔認証部214は、ユーザ管理テーブル291から特定することができない場合、特定不可を印字制御部216や報知処理部217に通知するものとする。
【0041】
操作受付部215は、操作部25等を介して行われた指示内容を受け付ける。具体的に、操作受付部215は、操作部25を介してレシートの印字指示を受け付けると、その指示内容を印字制御部216に通知する。
【0042】
また、操作受付部215は、撮像部28が撮像した画像からユーザの動作を検出し、当該動作が所定の動作に適合した場合に、当該動作をジェスチャー操作として受け付ける。例えば、操作受付部215は、撮像部28が撮像した画像から手を振る動作を検出した場合に、レシートの印字を指示するジェスチャー操作として受け付け、その指示内容を印字制御部216に通知する。なお、ユーザ動作の検出方法については、公知の技術を用いるものとする。
【0043】
また、操作受付部215が受け付ける操作は、上記例に限らないものとする。例えば、操作受付部215は、顔情報取得部213で顔情報が取得されたことを、レシートの印字指示として受け付けてもよい。
【0044】
印字制御部216は、操作受付部215がレシートの出力指示を受け付けると、印字部27を制御することでレシートを出力させる。具体的に、印字制御部216は、顔認証部214が特定した識別情報に対応するレシート情報をレシート管理テーブル292から読み出す。そして、印字制御部216は、読み出したレシート情報を印字部27に印字させることで、当該レシート情報に対応するレシートを出力させる。
【0045】
なお、印字制御部216は、顔認証部214が特定した識別情報に対し、複数のレシート情報がレシート管理テーブル292に格納されている場合、例えば以下に示す何れかの対応を行うものとする。第1の対応として、印字制御部216は、レシート管理テーブル292に先に格納されたレシート情報から順次印字させる。また、第2の対応として、印字制御部216は、印字の対象となるレシート情報を選択させるための選択画面(図示せず)を表示部26に表示させる。そして、印字制御部216は、操作部25等を介して、印字対象のレシート情報が選択されると、当該レシート情報を印字させる。
【0046】
報知処理部217は、各種の報知を行う機能部である。報知処理部217は、レシート管理テーブル292に格納されたレシート情報の状態をPOS端末10に通知する。具体的に、報知処理部217は、レシート管理テーブル292が更新される毎に、レシート管理テーブル292に格納された識別情報及びレシート情報の一覧を、出力待ち情報として生成する。そして、報知処理部217は、通信制御部211と協働することで、生成した出力待ち情報をPOS端末10の各々に提供する。ここで、出力待ち情報は、識別情報毎に生成してもよく、この場合、生成した出力待ち情報は、その識別情報に対応するPOS端末10宛に提供するものとする。また、レシート管理テーブル292が空の場合には、報知処理部217は、出力待ち情報を生成しないものとする。
【0047】
また、報知処理部217は、撮像部28で撮像されたユーザのレシート情報がレシート管理テーブル292に存在しない場合、その旨を示すエラーの報知を行う。具体的に、報知処理部217は、レシートの出力指示が行われた後、顔認証部214から特定不可が通知されると、レシート情報が存在しないと判定する。なお、エラーの報知方法は特に問わないものとする。例えば、報知処理部217は、表示部26にエラーメッセージ等を表示してもよい。また、報知処理部217は、インジケータランプや、スピーカー等の音声出力装置を用いてエラーを報知してもよい。
【0048】
また、報知処理部217は、印字部27で印字が行われている間に、他のユーザの顔認証が顔認証部214で行われると、当該他のユーザに対し待機を促す報知を行う。具体的に、報知処理部217は、印字部27で印字中のレシート情報に対応付けられた識別情報以外の他の識別情報が顔認証部214で特定されると、その特定された他の識別情報を無効化する。そして、報知処理部217は、他のユーザに対し待機を促す報知を行う。
【0049】
これにより、プリンタ装置20では、複数のユーザのレシートが混在して印字されてしまうことを防ぐことができるため、レシート印字に係る利便性を向上させることができる。なお、待機を促す報知の報知方法は特に問わないものとする。例えば、報知処理部217は、表示部26に待機を促すメッセージ等を表示してもよい。また、報知処理部217は、スピーカー等の音声出力装置を用いて待機を促す報知を行ってもよい。
【0050】
以下、チェックアウトシステム1の動作について説明する。
【0051】
まず、
図6を参照して、POS端末10及びプリンタ装置20が行う会計処理について説明する。
図6は、POS端末10及びプリンタ装置20が行う会計処理の一例を示すフローチャートである。
【0052】
POS端末10の会計処理部111は、スキャナ部17を介して読み取られる商品IDに基づき会計処理を開始する(ステップS11)。続いて、会計処理部111は、操作部15を介した操作等により、一取引の完了が指示されたか否かを判定する(ステップS12)。ここで、一取引の完了が指示されない場合、会計処理部111は、会計処理を継続し、完了が指示されるまで待機する(ステップS12;No)。一取引の完了が指示されたと判定すると(ステップS12;Yes)、会計処理部111は、その取引の内訳を示したレシート情報を生成する(ステップS13)。次いで、通信制御部112は、記憶部18に記憶された識別情報と、ステップS13で生成されたレシート情報とを対応付け、プリンタ装置20に送信する(ステップS14)。
【0053】
一方、プリンタ装置20の通信制御部211は、POS端末10から識別情報とレシート情報との組が送信されるまで待機する(ステップS21;No)。POS端末10から識別情報とレシート情報との組が送信されると、通信制御部211は、その識別情報とレシート情報との組を受信する(ステップS21;Yes)。
【0054】
続いて、レシート管理部212は、ステップS21で受信された識別情報とレシート情報との組を、レシート管理テーブル292に格納し(ステップS22)、本処理を終了する。
【0055】
上記の処理により、プリンタ装置20は、POS端末10の各々で取引が行われる毎に、当該POS端末10の識別情報とその取引のレシート情報とを対応付け、レシート管理テーブル292に格納する。
【0056】
次に、
図7、
図8を参照して、POS端末10及びプリンタ装置20が行う出力待ち報知処理について説明する。
図7は、POS端末10及びプリンタ装置20が行う出力待ち報知処理の一例を示すフローチャートである。
【0057】
プリンタ装置20の報知処理部217は、レシート管理テーブル292の状態を監視し、レシート管理テーブル292が更新されるまで待機する(ステップS31;No)。レシート管理テーブル292が更新されたと判定すると(ステップS31;Yes)、報知処理部217は、更新後のレシート管理テーブル292の状態が空か否かを判定する(ステップS32)。ここで、レシート管理テーブル292が空と判定した場合(ステップS32;Yes)、報知処理部217は、ステップS31に処理を戻す。
【0058】
また、レシート管理テーブル292が空でないと判定した場合(ステップS32;No)、報知処理部217は、レシート管理テーブル292に格納された識別情報及びレシート情報の一覧を、出力待ち情報として生成する(ステップS33)。続いて、報知処理部217は、通信制御部211と協働することで、生成した出力待ち情報をPOS端末10に送信(提供)し(ステップS34)、ステップS31に処理を戻す。
【0059】
一方、POS端末10の通信制御部112は、プリンタ装置20から出力待ち情報が提供されるまで待機する(ステップS41;No)。プリンタ装置20から出力待ち情報が提供されると、通信制御部112は、その出力待ち情報を受信する(ステップS41;Yes)。
【0060】
続いて、表示制御部113は、ステップS41で受信された出力待ち情報を表示部16に表示させ(ステップS42)、本処理を終了する。
【0061】
図8は、POS端末10の表示部16に表示された出力待ち情報Q1の一例を模式的に示す図である。この出力待ち情報Q1では、識別情報“ID1”、“ID2”、“ID3”の各ユーザ(POS端末10)について、それぞれ一つのレシート情報が出力待ちにある状態を示している。なお、出力待ち情報Q1の表示形態は、
図8の例に限定されないものとする。例えば、
図8では、出力待ち状態にあるレシート情報として、当該レシート情報の取引ID(D001、D002、D003)をリスト表示したが、これに限らないものとする。また、
図8では、自端末以外の他のPOS端末10に係るレシート情報もリスト表示したが、自端末の識別情報に関係するレシート情報のみをリスト表示する構成としてもよい。
【0062】
また、表示制御部113は、自端末の識別情報を含む出力待ち情報を受信した場合に、上記した
図8に示す画面を表示してもよい。この場合、表示制御部113は、出力待ちのレシート情報がある旨を表示部16に一旦表示し、所定の操作に応じて、
図8に示す画面を表示する2段階の表示構成としてもよい。
【0063】
上記の処理により、POS端末10は、レシート管理テーブル292に格納されたレシート情報の状態、つまり出力待ちのレシート情報の状態を表示部16に表示する。これにより、POS端末10のユーザは、プリンタ装置20で印字の待機状態にあるレシート情報を容易に確認することができるため、レシート印字に係る利便性を向上させることができる。
【0064】
次に、
図9を参照して、プリンタ装置20が行うレシート出力処理について説明する。
図9は、プリンタ装置20が行うレシート出力処理の一例を示すフローチャートである。
【0065】
まず、プリンタ装置20の操作受付部215は、レシートの出力指示を受け付けるまで待機する(ステップS51;No)。ここで、操作受付部215が、レシートの出力指示を受け付けると(ステップS51;Yes)、ステップS52に移行する。
【0066】
続くステップS52において、顔情報取得部213は、撮像部28を制御することで、当該撮像部28が撮像したユーザの顔画像を顔情報として取得する(ステップS52)。続いて、顔認証部214は、ステップS52で取得された顔情報と、ユーザ管理テーブル291に格納された顔情報とを比較することで、撮像部28が撮像したユーザの顔認証を行う(ステップS53)。
【0067】
続いて、顔認証部214は、ステップS53の顔認証により、識別情報を特定できたか否かを判定する(ステップS54)。ここで、識別情報を特定できない場合(ステップS54;No)、顔認証部214は、報知処理部217に特定不可を通知する。次いで、報知処理部217は、顔認証部214から通知される特定不可に応じてエラーを報知し(ステップS55)、ステップS51の処理に戻る。
【0068】
また、ステップS54において、顔認証部214が識別情報を特定した場合には(ステップS54;Yes)、ステップS56に移行する。ステップS56において、印字制御部216は、特定された識別情報に対応付けられたレシート情報を、レシート管理テーブル292から取得する(ステップS56)。次いで、印字制御部216は、取得したレシート情報を印字部27に出力することでレシートの印字を開始させる(ステップS57)。
【0069】
レシートの印字が完了すると、レシート管理部212は、その印字の対象となった識別情報とレシート情報との組をレシート管理テーブル292から削除する(ステップS58)。そして、レシート管理部212は、ステップS51に処理を戻す。なお、印字部27での印字中に他のユーザの顔認証が行われた場合には、報知処理部217は、当該他のユーザに対し待機を促す報知を行うものとする。
【0070】
上記の処理により、プリンタ装置20は、顔認証が成功した店員のレシートを印字出力する。これにより、POS端末10で会計処理(取引)を済ませた店員は、プリンタ装置20で所定の操作を行うことにより、その取引内容を印字したレシートを出力することができる。
【0071】
以上のように、本実施形態では、POS端末10のユーザ自身がプリンタ装置20を操作することで、そのPOS端末10で行われた取引のレシートを出力することができる。これにより、プリンタ装置20で出力を行う店員は、複数のPOS端末10から印字が指示された場合であっても、どのPOS端末10から指示されたレシートか容易に識別することができる。したがって、本実施形態のチェックアウトシステム1を用いることで、レシートの出力を効率的に行うことができる。
【0072】
また、本実施形態では、ユーザの顔情報を用いて当該ユーザの認証(特定)を行うため、カード媒体等の認証のための用具を必要とせず、認証に係る負荷を軽減することができる。さらに、本実施形態では、ジェスチャー操作等の簡易な操作により、レシートの出力を指示することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0073】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加、組合せ等を行うことができる。また、上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0074】
例えば、上記実施形態では、プリンタ装置20を情報処理装置としたが、プリンタ装置20から印字部27を除外した装置を情報処理装置としてもよい。この場合、情報処理装置は、外付けされた印字部27の制御を行うことで、レシートの印字を行うものとする。
【0075】
また、上記実施形態では、POS端末10の各々で生成されたレシート情報を、プリンタ装置20が管理する構成としたが、これに限らず、POS端末10の各々が管理する構成としてもよい。この構成を採用する場合、プリンタ装置20の印字制御部216は、顔認証部214が特定した識別情報に対応するPOS端末10からレシート情報を取得し、レシートの印字を行うものとする。
【0076】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。更に、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らないものとする。例えば、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードすることで、記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0077】
また、上記各実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由で提供又は配布する構成としてもよい。