【実施例】
【0012】
図1を参照しながら、本実施例に係る業務支援システムの構成について説明する。
図1は、本実施例に係る業務支援システム1の構成を示す図である。業務支援システム1は、プラントに関する業務を支援する。プラントに関する業務には、例えば、プラントの試運転、運転、点検、修理等が含まれる。業務支援システム1は、業務支援装置10a及び10bと、サーバ20とを含む。
【0013】
サーバ20は、支援データ18を集中管理する。支援データ18は、プラントに関する業務を支援するためのデータであり、手順書に関するデータ、報告書に関するデータ等を含む。報告書に関するデータは、実績データとして、例えば、同じタイプのプラントでの業務を行う作業者に参照されることがある。支援データ18の全体又はその一部は、業務支援装置10a及び10bへ転送され、記憶される。支援データ18を記憶した業務支援装置10a及び10bは、それぞれ、業務が行われるプラントへ持ち込まれる。
【0014】
業務支援装置10aは、プラント3aに持ち込まれ、プラント3aでの業務を支援する。具体的には、業務支援装置10aは、プラント3aで業務を行う作業者の操作に従って、支援データ18を表示したり、支援データ18を更新したりする。業務支援装置10bは、プラント3bに持ち込まれ、プラント3bでの業務を支援する。具体的には、業務支援装置10bは、プラント3bで業務を行う作業者の操作に従って、支援データ18を表示したり、支援データ18を更新したりする。
【0015】
プラント3aでは、業務支援装置10aは、ネットワーク2を介してサーバ20と通信することが可能である。このため、業務支援装置10aは、業務支援装置10aの支援データ18の更新部分を抽出した変更データ31aを、ネットワーク2を介してサーバ20へ送信することができる。さらに、サーバ20は、サーバ20の支援データ18の更新部分を抽出した変更データ31cを、ネットワーク2を介して業務支援装置10aへ送信することができる。
【0016】
このようなやりとりにより、業務支援装置10a及びサーバ20は、それぞれの支援データ18を最新に保つ。その結果、業務支援装置10aは、プラント3aで業務を行う作業者に、業務に関する最新の情報を提供することができる。さらに、業務支援装置10aは、サーバ20を介して、プラント3aでの業務の実績に関する情報を他のプラントの作業者に提供することができる。
【0017】
プラント3bでは、業務支援装置10bは、通信環境又はセキュリティ上の理由のために、サーバ20と通信することができない。このため、業務支援装置10bは、業務支援装置10bの支援データ18の更新部分を抽出した変更データ31bを記憶媒体32bに記録し、記憶媒体32bは、プラント3bに比較的近いプラント3aへ送られる。プラント3aの業務支援装置10aは、変更データ31a及び31cを記憶媒体32aに記録し、記憶媒体32aは、プラント3bへ送られる。さらに、業務支援装置10aは、記憶媒体32bから読み出した変更データ31bを、ネットワーク2を介して、サーバ20へ送信する。
【0018】
このような媒体を介したやりとりにより、業務支援装置10aと業務支援装置10bの間で、それぞれの支援データ18の更新部分が相手方の支援データ18へ反映される。さらに、業務支援装置10aによって中継される間接的なやりとりにより、業務支援装置10bとサーバ20の間でも、支援データ18の更新部分が相手方の支援データ18に反映される。
【0019】
このように、ネットワーク又は記憶媒体を介して変更データ31a〜31cをやりとりすることにより、ネットワークに接続できない環境にある装置がシステムに含まれる場合でも、それぞれの装置の支援データ18の内容をより新しい内容に更新することができる。さらに、変更データ31a〜31cは、同じ形式で作成される。このため、変更データ31a〜31cは、どのように送信されるか否かに関わりなく、同じロジックによって生成及び反映を行うことができる。
【0020】
以下の説明では、業務支援装置10a及び10bを、いずれであるかを特定することなく、業務支援装置10と総称することがある。以下の説明では、変更データ31a、31b及び31cを、いずれであるかを特定することなく、変更データ31と総称することがある。以下の説明では、記憶媒体32a及び32bを、いずれであるかを特定することなく、記憶媒体32と総称することがある。記憶媒体32には、例えば、メモリカード等の半導体記憶媒体、CD、DVD等の光ディスク等が含まれるが、これらに限定されない。
【0021】
図1に示した構成は例であり、業務支援装置10及びサーバ20の数は
図1に示した数に限定されない。
図1では、業務支援装置10間で変更データ31をやりとりするために記憶媒体32を用いたが、記憶媒体32は、業務支援装置10とサーバ20で変更データ31をやりとりするために用いられてもよい。
図1では、業務支援装置10bは、業務支援装置10aとの間で変更データ31をやりとりしているが、業務支援装置10bは、サーバ20と通信可能な環境へ移動した後に、ネットワーク2を介して、サーバ20との間で変更データ31をやりとりしてもよい。
【0022】
図2を参照しながら、支援データ18を用いた業務支援の例について説明する。
図2は、支援データ18を用いた業務支援における表示画面の例を示す図である。
図2に示す画面SC1では、支援データ18に登録されているプラントの一覧が表示される。画面SC1の一覧の中からプラントが選択されると、画面SC2が表示される。画面SC2では、選択されたプラントで行われる業務の一覧が表示される。
【0023】
画面SC2の一覧の中から業務が選択されると、画面SC3が表示される。画面SC3では、選択された業務に対応する手順書が表示される。表示される手順書の内容は、選択されたプラント及び業務が同じタイプであれば、同じである。画面SC3には、選択された業務に関連する文書を参照又は編集するためのリンクが含まれる。
図2に示す画面SC3には、日報を参照又は編集するためのリンクLN1と、報告書を参照又は編集するためのリンクLN2とが含まれている。
【0024】
画面SC3において、リンクLN2が選択されると、報告書を参照又は編集するための画面SC4が表示される。表示される報告書の内容は、初期状態においては、選択されたプラント及び業務が同じタイプであれば、同じである。しかしながら、報告書の内容は、作業者による編集を通じて、行われた業務の結果が反映され、変化する。
【0025】
図3から
図13Dを参照しながら、
図1に示した業務支援装置10a及び10bの構成について説明する。業務支援装置10a及び10bは同様の構成を有するため、以下では、業務支援装置10aを例に用いて、構成について説明する。
【0026】
図3は、業務支援装置10aの構成を示すブロック図である。
図3に示すように、業務支援装置10aは、表示部11と、入力部12と、通信部13と、媒体読取部14と、制御部15と、記憶部16とを備える。
【0027】
表示部11は、液晶ディスプレイ(LED)や有機ELディスプレイ(OELD)等の表示装置を有し、制御部15から送信される制御信号に基づいて、文字や図形等の各種情報を表示する。入力部12は、キーボード等の入力装置を有し、作業者が入力装置に対して行う操作に対応する信号を制御部15へ出力する。通信部13は、所定の通信プロトコルに基づいて、他の装置との間での情報の送受信を制御する。媒体読取部14は、CD、DVD、メモリカード等の非一過的(non−transitory)な記憶媒体からプログラムやデータを読み取る。
【0028】
制御部15は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)151と、記憶手段であるメモリ152とを備え、これらのハードウェア資源を用いてプログラムを実行することによって各種の機能を実現する。具体的には、制御部15は、記憶部16に記憶されているプログラムを読み出してメモリ152に展開し、メモリ152に展開されたプログラムに含まれる命令をCPU151に実行させる。そして、制御部15は、CPU151による命令の実行結果に応じて、メモリ152および記憶部16に対してデータの読み書きを行ったり、通信部13等の動作を制御したりする。
【0029】
記憶部16は、磁気記憶装置や半導体記憶装置等の不揮発性を有する記憶装置からなり、各種のプログラムおよびデータを記憶する。記憶部16に記憶されるプログラムには、業務支援プログラム17が含まれる。記憶部16に記憶されるデータには、プラント一覧情報18aと、業務一覧情報18bと、業務情報18cと、共通文書情報18dと、共通文書変更情報18eと、旧共通文書情報18fと、個別文書情報18gと、個別文書変更情報18hと、旧個別文書情報18iと、個別文書18jとが含まれる。これらのデータは、
図1に示した支援データ18に相当する。
【0030】
業務支援プログラム17は、業務支援のための各種機能を提供する。業務支援プログラム17は、表示処理部17aと、更新処理部17bと、同期処理部17cと含む。表示処理部17aは、支援データ18に基づいて、
図2に示した画面SC1から画面SC4等の画面を表示部11に表示する機能を提供する。更新処理部17bは、表示された画面に対する入力に応じて支援データ18を更新する機能を提供する。同期処理部17cは、支援データ18の更新部分を変更データ31として抽出する機能と、他の装置から送信された変更データ31を支援データ18に反映させる機能とを提供する。
【0031】
プラント一覧情報18aには、業務が行われるプラントの一覧が登録される。
図4は、プラント一覧情報18aの例を示す図である。
図4に示す例において、プラント一覧情報18aは、プラントID、プラント名といった項目を有し、プラント毎にデータが登録される。プラントIDの項目には、プラントを識別するためのIDが格納される。プラント名の項目には、プラントの名称が格納される。
【0032】
業務一覧情報18bには、行われる業務の一覧が登録される。
図5は、業務一覧情報18bの例を示す図である。
図5に示す例において、業務一覧情報18bは、業務ID、業務名といった項目を有し、業務毎にデータが登録される。業務IDの項目には、業務を識別するためのIDが格納される。業務名の項目には、業務の名称が格納される。
【0033】
業務情報18cには、どのプラントにおいて、どの業務が行われるかを示す情報が格納される。さらに、業務情報18cでは、プラントと業務の組み合わせに対して、そのプラントで行われるその業務で用いられる文書を示す情報が対応付けられる。
図6は、業務情報18cの例を示す図である。
図6に示す例において、業務情報18cは、プラントID、業務ID、共通文書ID、個別文書IDといった項目を有し、プラントと業務の組み合わせ毎にデータが格納される。
【0034】
プラントIDの項目には、プラントを識別するためのIDが格納される。業務IDの項目には、プラントにおいて行われる業務を識別するためのIDが格納される。共通文書IDの項目には、同じタイプのプラントで行われる同じタイプの業務において共通に用いられる文書のIDが格納される。共通文書IDの項目に格納されるIDに対応する文書は、例えば、
図2に示した画面SC3に表示される手順書に相当する。
【0035】
個別文書IDの項目には、同じタイプのプラントで行われる同じタイプの業務において個別に用いられる文書のIDが格納される。個別に用いられるとは、初期状態では同じ内容であっても、業務の結果を反映することによって内容が独自のものに変化することを意味する。個別文書IDの項目に格納されるIDに対応する文書は、例えば、
図2に示した画面SC4に表示される報告書に相当する。個別文書IDの項目は、複数のIDを格納できるように構成され、それぞれのIDは、
図2に示す画面SC3に表示されるリンクLN1及びLN2のような、共通文書IDの項目に格納されるIDに対応する文書を表示する画面内のリンクと対応付けられる。
【0036】
以下の説明では、共通文書IDの項目に格納されるIDに対応する文書を共通文書と呼ぶことがある。以下の説明では、個別文書IDの項目に格納されるIDに対応する文書を個別文書と呼ぶことがある。
【0037】
共通文書情報18dには、共通文書に関する情報が格納される。
図7は、共通文書情報18dの例を示す図である。
図7に示す例において、共通文書情報18dは、共通文書ID、コンテンツ、更新日時といった項目を有し、共通文書毎にデータが登録される。共通文書IDの項目には、共通文書を識別するためのIDが格納される。コンテンツの項目には、共通文書の内容が格納される。更新日時の項目には、共通文書が最後に更新された日時が格納される。
【0038】
共通文書変更情報18eには、共通文書が更新された場合に、更新後の共通文書に関する情報が格納される。
図8は、共通文書変更情報18eの例を示す図である。
図8に示す例において、共通文書変更情報18eは、共通文書変更ID、共通文書ID、コンテンツ、更新日時といった項目を有し、共通文書が更新される度にデータが格納される。共通文書変更IDの項目には、共通文書変更情報18eのデータを識別するためのIDが格納される。共通文書IDの項目には、更新された共通文書を識別するためのIDが格納される。コンテンツの項目には、更新後の共通文書の内容が格納される。更新日時の項目には、共通文書が更新された日時が格納される。
【0039】
旧共通文書情報18fには、共通文書が更新された場合に、更新前の共通文書に関する情報が格納される。
図9は、旧共通文書情報18fの例を示す図である。
図9に示す例において、旧共通文書情報18fは、共通文書変更ID、コンテンツといった項目を有し、共通文書が更新される度にデータが格納される。IDの項目には、旧共通文書情報18fのデータを識別するためのIDが格納される。旧共通文書情報18fの共通文書変更IDの項目の値は、共通文書変更情報18eの共通文書変更IDの項目の値と1対1で対応する。コンテンツの項目には、更新前の共通文書の内容が格納される。
【0040】
個別文書情報18gには、個別文書18jに関する情報が格納される。
図10は、個別文書情報18gの例を示す図である。
図10に示す例において、個別文書情報18gは、プラントID、業務ID、個別文書ID、ファイル名、更新日時といった項目を有し、個別文書18j毎にデータが登録される。プラントIDの項目には、プラントを識別するためのIDが格納される。業務IDの項目には、プラントで行われる業務を識別するためのIDが格納される。個別文書IDの項目には、個別文書18jを識別するためのIDが格納される。ファイル名の項目には、個別文書18jのファイル名が格納される。更新日時の項目には、個別文書18jが最後に更新された日時が格納される。
【0041】
個別文書変更情報18hには、個別文書18jが更新された場合に、更新後の個別文書に関する情報が格納される。なお、本実施形態においては、個別文書18jが更新される場合、元の個別文書18jを残して、更新後の内容を含む新たな個別文書18jが作成される。
図11は、個別文書変更情報18hの例を示す図である。
図11に示す例において、個別文書変更情報18hは、個別文書変更ID、プラントID、業務ID、個別文書ID、ファイル名、更新日時といった項目を有し、個別文書18jが更新される度にデータが格納される。個別文書変更IDの項目には、個別文書変更情報18hのデータを識別するためのIDが格納される。プラントIDの項目には、プラントを識別するためのIDが格納される。業務IDの項目には、プラントで行われる業務を識別するためのIDが格納される。個別文書IDの項目には、更新された個別文書18jを識別するためのIDが格納される。ファイル名の項目には、更新後の個別文書18j(更新時に新たに作成された個別文書18j)のファイル名が格納される。更新日時の項目には、個別文書18jが更新された日時が格納される。
【0042】
旧個別文書情報18iには、個別文書18jが更新された場合に、更新前の個別文書に関する情報が格納される。
図12は、旧個別文書情報18iの例を示す図である。
図12に示す例において、旧個別文書情報18iは、個別文書変更ID、旧ファイル名といった項目を有し、個別文書18jが更新される度にデータが格納される。IDの項目には、旧個別文書情報18iのデータを識別するためのIDが格納される。旧個別文書情報18iの個別文書変更IDの項目の値は、個別文書変更情報18hの個別文書変更IDの項目の値と1対1で対応する。旧ファイル名の項目には、更新前の個別文書18j(元の個別文書18j)のファイル名が格納される。
【0043】
図13Aから
図13Dは、個別文書18jの格納の仕方の例を示す図である。
図13Aから
図13Dに示すように、それぞれのプラントに対応するディレクトリ19aの配下に、プラントで行われるそれぞれの業務に対応するディレクトリ19bが作成される。そして、それぞれのディレクトリ19bの配下には、最新ファイルディレクトリ19cと、変更ファイルディレクトリ19dと、旧ファイルディレクトリ19eとが作成される。
【0044】
最新ファイルディレクトリ19cには、上位のプラント及び業務に対応する最新の個別文書18jが格納される。最新ファイルディレクトリ19cに格納される個別文書18jは、画面表示の際に用いられる。最新ファイルディレクトリ19cに格納される個別文書18jのファイル名は、個別文書情報18gに格納される。
【0045】
変更ファイルディレクトリ19dには、上位のプラント及び業務に対応する個別文書18jが更新された場合に、更新後の個別文書18jが格納される。変更ファイルディレクトリ19dに格納される個別文書18jのファイル名は、個別文書変更情報18hに格納される。旧ファイルディレクトリ19eには、上位のプラント及び業務に対応する個別文書18jが更新された場合に、更新前の個別文書18jが格納される。旧ファイルディレクトリ19eに格納される個別文書18jのファイル名は、旧個別文書情報18iに格納される。
【0046】
図13Aに示す例では、最新ファイルディレクトリ19cには、「D1−1−REV001」というファイル名の個別文書18jと、「D1−2−REV001」というファイル名の個別文書18jと、「D1−3−REV001」というファイル名の個別文書18jとが格納されている。変更ファイルディレクトリ19d及び旧ファイルディレクトリ19eは、空である。
【0047】
図13Bに示す例では、「D1−1−REV001」というファイル名の個別文書18jが更新され、「D1−1−REV002」というファイル名の個別文書18jが新たに作成されている。この場合、最新ファイルディレクトリ19cには、「D1−1−REV001」というファイル名の個別文書18jに代わって、「D1−1−REV002」というファイル名の個別文書18jが格納され、対応する個別文書情報18gのデータのファイル名の項目の値は、「D1−1−REV002」に更新される。さらに、更新後の「D1−1−REV002」というファイル名の個別文書18jが変更ファイルディレクトリ19dにも格納され、個別文書変更情報18hに追加されたデータのファイル名の項目に「D1−1−REV002」が格納される。さらに、更新前の「D1−1−REV001」というファイル名の個別文書18jが旧ファイルディレクトリ19eに格納され、旧個別文書情報18iに追加されたデータのファイル名の項目に「D1−1−REV001」が格納される。
【0048】
図13Cに示す例では、「D1−1−REV002」というファイル名の個別文書18jが更新され、「D1−1−REV003」というファイル名の個別文書18jが新たに作成されている。この場合、最新ファイルディレクトリ19cには、「D1−1−REV002」というファイル名の個別文書18jに代わって、「D1−1−REV003」というファイル名の個別文書18jが格納され、対応する個別文書情報18gのデータのファイル名の項目の値は、「D1−1−REV003」に更新される。さらに、更新後の「D1−1−REV003」というファイル名の個別文書18jが変更ファイルディレクトリ19dにも格納され、個別文書変更情報18hに追加されたデータのファイル名の項目に「D1−1−REV003」が格納される。さらに、更新前の「D1−1−REV002」というファイル名の個別文書18jが旧ファイルディレクトリ19eに格納され、旧個別文書情報18iに追加されたデータのファイル名の項目に「D1−1−REV002」が格納される。
【0049】
図13Dに示す例では、「D1−2−REV001」というファイル名の個別文書18jが更新され、「D1−2−REV002」というファイル名の個別文書18jが新たに作成されている。この場合、最新ファイルディレクトリ19cには、「D1−2−REV001」というファイル名の個別文書18jに代わって、「D1−2−REV002」というファイル名の個別文書18jが格納され、対応する個別文書情報18gのデータのファイル名の項目の値は、「D1−2−REV002」に更新される。さらに、更新後の「D1−2−REV002」というファイル名の個別文書18jが変更ファイルディレクトリ19dにも格納され、個別文書変更情報18hに追加されたデータのファイル名の項目に「D1−2−REV002」が格納される。さらに、更新前の「D1−2−REV001」というファイル名の個別文書18jが旧ファイルディレクトリ19eに格納され、旧個別文書情報18iに追加されたデータのファイル名の項目に「D1−2−REV001」が格納される。
【0050】
このように、業務支援装置10では、更新後の情報が、他の情報とは別に、共通文書変更情報18e、個別文書変更情報18h、及び変更ファイルディレクトリ19dに格納される。すなわち、支援データ18の更新された部分が、別個のデータ又はディレクトリに保存される。このため、支援データ18の更新部分を他の装置の支援データ18に反映させるために変更データ31を作成する場合に、共通文書変更情報18e、個別文書変更情報18h、及び変更ファイルディレクトリ19dから情報を抽出するだけで、変更データ31に含めるべき情報を容易に抽出することができる。
【0051】
図14を参照しながら、
図1に示したサーバ20の構成について説明する。
図14は、サーバ20の構成を示すブロック図である。
図14に示すように、サーバ20は、表示部11と、入力部12と、通信部13と、媒体読取部14と、制御部15と、記憶部16とを備える。このように、サーバ20は、運用のされ方はことなるものの、機能的には業務支援装置10と同様の構成を有する。
【0052】
図15を参照しながら、業務支援システム1で実行する全体の処理の一例を説明する。
図15は、業務支援システムの処理の例を示すフローチャートである。業務支援システム1は、個別文書及び共通文書の少なくとも一方の更新処理を実行する(ステップS11)。業務支援システム1は、更新処理が行われた後、更新処理を抽出する処理である変更データの作成処理を行う(ステップS12)。業務支援システム1は、変更データを作成した後、変更データの移動処理を行う(ステップS13)。変更データの移動処理とは、データのエクスポート及びインポート処理である。つまり、作成した変更データを反映させる対象の装置に移動させる処理を行う。業務支援システム1は、変更データを移動させた後、変更データを移動させた装置で、変更データの反映処理を行う(ステップS14)。以下、各処理について説明する。
【0053】
図16から
図19を参照しながら、業務支援装置10及びサーバ20が実行する処理の例について説明する。
図15から
図19に示す処理は、制御部15が業務支援プログラム17を実行することによって実現される。
【0054】
図16は、共通文書の更新処理の例を示すフローチャートである。共通文書が更新されると、制御部15は、共通文書変更情報18e及び旧共通文書情報18fの共通文書変更IDの項目に設定するIDを採番する(ステップS101)。そして、制御部15は、旧共通文書情報18fに新たなデータを追加して現在の共通文書の内容をそこに保存する(ステップS102)。さらに、制御部15は、共通文書変更情報18eに新たなデータを追加して変更後の共通文書の内容をそこに保存し(ステップS103)、共通文書情報18dの対応するデータに変更後の共通文書の内容を上書き保存する(ステップS104)。
【0055】
図17は、個別文書18jの更新処理の例を示すフローチャートである。個別文書18jが更新されると、制御部15は、個別文書変更情報18h及び旧個別文書情報18iの個別文書変更IDの項目に設定するIDを採番する(ステップS201)。そして、制御部15は、現在の個別文書18jのファイルを対応する旧ファイルディレクトリ19eへ移動し(ステップS202)、旧個別文書情報18iに新たなデータを追加して現在の個別文書18jのファイル名をそこに保存する(ステップS203)。さらに、制御部15は、変更後の個別文書18jのファイルを変更ファイルディレクトリ19dに保存し(ステップS204)、個別文書変更情報18hに新たなデータを追加して変更後の個別文書18jのファイル名をそこに保存する(ステップS205)。さらに、制御部15は、変更後の個別文書18jのファイルを最新ファイルディレクトリ19cにも保存し(ステップS206)、個別文書情報18gの対応するデータに変更後の個別文書18jのファイル名を上書き保存する(ステップS207)。
【0056】
図18は、変更データ31の作成処理の例を示すフローチャートである。変更データ31の作成要求を検出すると、制御部15は、共通文書変更情報18eに格納されているデータを所定の形式で出力する(ステップS301)。さらに、制御部15は、個別文書変更情報18hに格納されているデータを所定の形式で出力する(ステップS302)。さらに、制御部15は、各変更ファイルディレクトリ19d内のファイルを所定の形式で出力する(ステップS303)。こうして出力された情報は、変更データ31として、通信により、又は記憶媒体を介して、他の装置へ送られる。
【0057】
図18に示す共通文書変更情報18eに格納されているデータ、個別文書変更情報18hに格納されているデータ及び各変更ファイルディレクトリ19d内のファイルの全てを所定の形式で出力し、3種類のデータを含む変更データを作成し、他の装置へ送ったがこれに限定されない。業務支援システム1は、共通文書変更情報18eに格納されているデータ及び個別文書変更情報18hに格納されているデータを他の装置に送る。その後、業務支援システム1は、他の装置で反映させる必要がある特定し、その特定した情報に基づいて、対応する各変更ファイルディレクトリ19d内のファイルを所定の形式で出力し、他の装置に送ってもよい。
【0058】
変更データ31の作成処理において、制御部15は、抽出すべきプラント、抽出すべき業務、抽出すべき期間等についての抽出条件を受け付け、受け付けた抽出条件に応じて情報を抽出してもよい。変更データ31の作成処理において、制御部15は、二重抽出を避けるために、抽出した情報を共通文書変更情報18e、個別文書変更情報18h、及び変更ファイルディレクトリ19dから削除してもよいし、抽出した情報に何らかの変更を加えてもよい。
【0059】
図19は、変更データ31の反映処理の例を示すフローチャートである。変更データ31の反映要求を検出すると、制御部15は、変更データ31に含まれる共通文書変更情報18eのデータから未取得の1件分のデータを取得する(ステップS401)。共通文書変更情報18eの全てのデータを取得済みの場合、ステップS401でのデータの取得は失敗する。
【0060】
未取得の1件分のデータを取得できた場合、すなわち、共通文書変更情報18eの全てのデータを取得済みでなかった場合(ステップS402,No)、制御部15は、取得したデータを支援データ18に反映すべきかを判定する(ステップS403)。例えば、制御部15は、取得したデータの更新日付が支援データ18に格納されている対応するデータの更新日付よりも古い場合に、取得したデータを支援データ18に反映すべきではないと判定する。例えば、制御部15は、取得したデータを更新した作業者が十分な権限をもっていない場合に、取得したデータを支援データ18に反映すべきではないと判定する。例えば、制御部15は、取得したデータを表示部11に表示し、更新を許可する操作を入力部12が検出しない場合に、取得したデータを支援データ18に反映すべきではないと判定する。
【0061】
取得したデータを支援データ18に反映すべきであると判定した場合(ステップS404,Yes)、制御部15は、取得したデータに含まれる共通文書を更新後の共通文書として、
図16に示した共通文書の更新処理を実行する(ステップS405)。制御部15は、共通文書の更新処理を行った後、更新した共通文書変更情報を変更データから削除する。つまり、ステップS401で取得した1件分のデータを変更データから削除する。その後、制御部15は、ステップS401に戻る。取得したデータを支援データ18に反映すべきでないと判定した場合(ステップS404,No)、制御部15は、ステップS405を実行せずに、ステップS401に戻る。
【0062】
ステップS401で未取得の1件分のデータを取得できなかった場合、すなわち、共通文書変更情報18eの全てのデータを取得済みであった場合(ステップS402,Yes)、制御部15は、変更データ31に含まれる個別文書変更情報18hのデータから未取得の1件分のデータを取得する(ステップS407)。個別文書変更情報18hの全てのデータを取得済みの場合、ステップS407でのデータの取得は失敗する。
【0063】
未取得の1件分のデータを取得できた場合、すなわち、個別文書変更情報18hの全てのデータを取得済みでなかった場合(ステップS407,No)、制御部15は、取得したデータを支援データ18に反映すべきかを判定する(ステップS409)。例えば、制御部15は、取得したデータの更新日付が支援データ18に格納されている対応するデータの更新日付よりも古い場合に、取得したデータを支援データ18に反映すべきではないと判定する。例えば、制御部15は、取得したデータを更新した作業者が十分な権限をもっていない場合に、取得したデータを支援データ18に反映すべきではないと判定する。例えば、制御部15は、取得したデータを表示部11に表示し、更新を許可する操作を入力部12が検出しない場合に、取得したデータを支援データ18に反映すべきではないと判定する。
【0064】
取得したデータを支援データ18に反映すべきであると判定した場合(ステップS410,Yes)、制御部15は、取得したデータに対応する変更データ31内の個別文書18jを更新後の個別文書18jとして、
図17に示した個別文書の更新処理を実行する(ステップS411)。制御部15は、個別文書の更新処理を行った後、更新した個別文書変更情報を変更データから削除する。つまり、ステップS407で取得した1件分のデータを変更データから削除する。その後、制御部15は、ステップS407に戻る。取得したデータを支援データ18に反映すべきでないと判定した場合(ステップS410,No)、制御部15は、ステップS411を実行せずに、ステップS407に戻る。
【0065】
ステップS407で未取得の1件分のデータを取得できなかった場合、すなわち、個別文書変更情報18hの全てのデータを取得済みであった場合(ステップS407,Yes)、制御部15は、変更データ31の反映処理を終了する。
【0066】
図19に示した処理手順のステップS405及びステップS411では、新たな変更データ31が作成される。この変更データ31は、他の装置の支援データ18を更新するために用いられてもよい。変更データ31の反映処理で作成される変更データ31は、ステップS403及びステップS409の判定で支援データ18に反映すべきではないと判定されたデータを含まない。このため、新たな変更データ31は、データサイズが小さく、反映処理時に発生する負荷が小さくなる可能性がある。
【0067】
図19に示した処理では、更新処理を行うごとに更新処理を行った1件分のデータを変更データから削除したが、全ての更新処理を行ってから、変更データからデータを削除してもよい。
【0068】
上述してきたように、本実施例に係る業務支援システム1、業務支援装置10、及びサーバ20は、ネットワークに接続できない環境下にある業務支援装置10が業務支援システム1に含まれる場合でも、業務支援のための情報を効率よく更新することができる。
【0069】
なお、上記の実施例で示した本発明の態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更することができる。例えば、上記の実施例で示したプログラムは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと統合されていてもよい。