(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「側」、「端」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。
【0019】
(第1実施形態)
図1から
図3Bは本発明の第1実施形態に係る送風装置の一例である除湿機1を示す。
図4は除湿機1の概念的な断面図である。
図5は除湿機1のシステム図である。
【0020】
(全体構成)
図1及び
図2を参照すると、除湿機1は、円柱形状の外観を有し、本体100と、本体100の上部に配置されたヘッド部600と、本体100の下部に配置された貯水部700とを備える。除湿機1は、本体100の吸込口112から吸引した外部(例えば除湿対象の室内)の空気(処理空気)を、本体100内で除湿ロータ200による水分吸着により除湿(処理)する。除湿された処理空気は、ヘッド部600の吹出口642から外部へ吐出される。除湿ロータ200に吸着された水分は、本体100内の閉経路を循環する空気(再生空気)により回収され、貯水部700の貯水タンク720内に貯留される。
【0021】
ヘッド部600は、
図1において本体100の軸線Lを中心として回転可能な送風部640を備える。送風部640は、
図1に示す基準位置を起点として、規制部材680回りを略±180度の範囲で、
図1において周方向Aに往復(首振り)回転できる。送風部640の吹出口642には可動式のルーバー660が配置されている。ルーバー660は、
図1において上下方向Bの設定範囲で揺動できる。
【0022】
図4及び
図5に示すように、除湿機1は、破線で示す処理空気が流れる経路(処理空気経路)2と、実線で示す再生空気が流れる経路(再生空気経路)3とを備える。除湿ロータ200は、処理空気経路2及び再生空気経路3に跨がって配置されている。除湿機1は、除湿ロータ200の一面側(吸込口112側)に、再生空気及び除湿ロータ200を加熱するヒータ(加熱手段)250を備える。また、除湿機1は、除湿ロータ200の一面側に配置された主熱交換器(第1熱交換器)300と、除湿ロータ200の他面側に配置された副熱交換器(第2熱交換器)350とを備える。さらに、除湿機1は、処理空気を吸引及び吐出するための処理空気ファン(第1送風手段)400と、再生空気を循環させるための再生空気ファン(第2送風手段)450とを備える。
【0023】
図1から
図3Bに示すように、本体100は、除湿ロータ200、ヒータ250、主熱交換器300、副熱交換器350、処理空気ファン400、及び再生空気ファン450を含む部品を配置するベース101を備える。ベース101は、下端に位置する平面視円形状の基部102と、基部102から矩形状をなすように立設した立壁部103とを備える。ベース101の外周部は、半円筒状である樹脂製の外装パネル110A,110Bにより覆われている。外装パネル110A,110Bは、内面側に金属製の補強パネル111A,111Bを備える。一方の外装パネル110Aには、室内の空気を取り入れるための吸込口112が設けられている。吸込口112は、上下方向に延びる多数条のスリットからなる。なお、吸込口112の内面側には、図示しないフィルタが外装パネル110Aに沿って着脱可能に配置されている。
【0024】
(処理空気経路)
図4及び
図5に示すように、処理空気経路2は、吸込口112から吹出口642までを接続している。処理空気経路2には、吸込口112から吹出口642に向けて処理空気が流れる方向に沿って順に、主熱交換器300、除湿ロータ200、副熱交換器350、及び処理空気ファン400が配置されている。
【0025】
図5に最も明瞭に示すように、処理空気経路2は、第1から第5の部分2a〜2eを備える。第1部分2aは、吸込口112から主熱交換器300までを接続している。
図4に示すように、第1部分2aは、吸込口112と主熱交換器300との間に形成された空間からなる。第2部分2bは、主熱交換器300から除湿ロータ200までを接続している。
図4に示すように、第2部分2bは、主熱交換器300と除湿ロータ200との間に形成された空間からなる。第3部分2cは、除湿ロータ200から副熱交換器350までを接続している。
図4に示すように、第3部分2cは、除湿ロータ200と副熱交換器350との間に形成された空間からなる。第4部分2dは、副熱交換器350から処理空気ファン400までを接続している。
図4に示すように、第4部分2dは、副熱交換器350と処理空気ファン400の吸込口112との間に形成された空間からなる。第5部分2eは、処理空気ファン400の吐出口から吹出口642までを接続している。
図4に示すように、第5部分2eは、処理空気ファン400のファンケース410の送出部411、及びヘッド部600の送風案内部641を備える。
【0026】
処理空気ファン400が駆動されると、吸込口112から処理空気が吸い込まれる。処理空気は、主熱交換器300で昇温された後、除湿ロータ200を通過する際に除湿される。ついで、副熱交換器350で更に昇温された後、処理空気ファン400のファンケース410内に流入する。その後、ファンケース410の送出部411から上向きに送出され、ヘッド部600の吹出口642から室内へ吐出される。
【0027】
(再生空気経路)
図4及び
図5に示すように、再生空気経路3には、ヒータ250を起点として再生空気が流れる方向に従って順に、除湿ロータ200、副熱交換器350、主熱交換器300、及び再生空気ファン450が配置されている。
【0028】
図5に最も明瞭に示すように、再生空気経路3は、第1から第5の部分3a〜3eを備える。第1部分3aは、再生空気ファン450の吐出口からヒータ250までを接続している。
図3A,B及び
図4に示すように、第1部分3aは、再生空気ファン450のファンケース460とヒータ250のヒータケース260の間のダクト部462を備える。第2部分3bは、ヒータ250から除湿ロータ200までを接続している。
図4に示すように、第2部分3bは、ヒータケース260中のヒータ250と除湿ロータ200との間に形成された空間(隙間)からなる。第3部分3cは、除湿ロータ200から副熱交換器350までを接続している。
図4に示すように、第3部分3cは、副熱交換器350の上部ヘッダ370の内部空間からなる。第4部分3dは、副熱交換器350から主熱交換器300までを接続している。
図3A,B及び
図4に示すように、第4部分3dは、副熱交換器350の下部ヘッダ380、ダクト部材500、及び主熱交換器300の上部ヘッダ320を備える。第5部分3eは、主熱交換器300から再生空気ファン450までを接続している。
図3B及び
図4に示すように、第5部分3eは、主熱交換器300の下部ヘッダ330と再生空気ファン450のファンケース460の間のダクト部461を備える。
【0029】
再生空気ファン450が駆動されると、再生空気ファン450から送出された再生空気は、ヒータ250で加熱される。ついで、再生空気は、除湿ロータ200を通過する際に、除湿ロータ200が吸着した水分を回収(吸着)した後、副熱交換器350で冷却される。ついで、ダクト部材500を通って主熱交換器300に流入し、再び冷却される。その後、再生空気は、再生空気ファン450に戻り、再びヒータ250へ送出される。なお、熱交換器300,350で再生空気が冷却されることにより凝縮した水は、貯水タンク720に貯留される。
【0030】
(ヘッド部の詳細)
図4及び
図6A,Bに示すように、ヘッド部600は、本体100の上端に固定されたヘッドベース(固定基部)610と、ヘッドベース610に回転可能に配置された送風部(回転部)640と、送風部640をヘッドベース610との間に挟み込んで配置する規制部材(閉塞部材)680とを備える。
【0031】
図6Aから
図7に示すように、ヘッドベース610は、金属製のベース本体620と、樹脂製のベースカバー630とを備え、これらがネジ止めにより固定されている。ベース本体620は、軸線L側に位置する実質的な中央に本体100の送出部411に連通する連通口621を備える。
図6Bに最も明瞭に示すように、連通口621の下部には、送出部411の外側に嵌合する嵌合部622が設けられている。ベースカバー630は、連通口621に連通する連通口631を備える。ベースカバー630には、連通口631の内周部(近傍)から上向きに突出するボス(固定部)632が設けられている。ボス632は、軸線Lに沿って上向きに延びるとともに、軸線Lを中心として周方向に所定間隔をあけて4個設けられている。
【0032】
図6Bに最も明瞭に示すように、ヘッドベース610の下面側には、送風部640を回転させるステッピングモータ(送風部駆動手段)623が配置されている。ステッピングモータ623の出力軸には第1ギア624が配置されている。ヘッドベース610には、第1ギア624の径方向外側に位置するように挿通部が設けられ、この挿通部に第1ギア624に噛合された第2ギア625が回転可能に配置されている。第2ギア625の回転軸には、挿通部を通してヘッドベース610の上面側に位置するように第3ギア626が配置されている。
【0033】
図6Aから
図7に示すように、送風部640は、ヘッドベース610上に載置された送風部本体650と、送風部本体650を覆う外装カバー670とを備え、これらがネジ止めにより固定されている。
図6Bに最も明瞭に示すように、送風部本体650は、平面視円環状である。送風部本体650の底面側には、ヘッドベース610上で第3ギア626に噛み合うギア部653が一体に設けられている。送風部640は、ステッピングモータ623の駆動により、ギア624〜626を介してギア部653が回転され、
図1に示す本体100の軸線Lを中心として回転される。
【0034】
図6Aから
図7に示すように、送風部本体650は、ボス632を取り囲む流入部651と、流入部651の両端から径方向外向きに延びる吹出部652とを備える。これら流入部651及び吹出部652により、平面視U字形状の送風案内部641が形成されている。流入部651は、上端に開口651aを有する半円筒状であり、下端には連通口621,631に連通する連通口654が設けられている。連通口654は、本体100の軸線Lを中心とした同心円形状であり、内部にボス632が上向きに突出するように挿通される。送風部640の外側面に位置する吹出部652の外側端は吹出口642であり、この吹出口642に可動式のルーバー660が配置されている。ルーバー660は、4枚の羽根板661A〜661Dを備える。
図6Aに最も明瞭に示すように、羽根板661A〜661Dは、送風部本体650に配置したステッピングモータ(ルーバー駆動手段)665の駆動により、同期して上下方向Bに回動する。
【0035】
外装カバー670は、円筒状の外周壁670aと、外周壁670aの上面を覆う上壁670bとを備える。外装カバー670の上壁670bには、連通口654の上部に位置する同心円形状の第1開口部671が設けられている。また、外装カバー670には、ルーバー660を含む吹出口642を露出させる第2開口部672が、外周壁670aから上壁670bにかけて形成されている。
【0036】
図6Aから
図7に示すように、規制部材680は、ヘッドベース610に送風部640を配置し、送風部640の第1開口部671内に位置するボス632にネジ止めすることにより固定されている。規制部材680の配置により、流入部651の開口651aが塞がれて送風案内部641が画定されている。また、規制部材680の配置により、外装カバー670の第1開口部671が塞がれ、ヘッドベース610から送風部640が脱落することを防止している。規制部材680は、上端開口の収容ケース681と、収容ケース681を閉塞するカバー685とを備える。収容ケース681は、円盤状の底壁682aから突出する半円筒状の外周壁682bを備える。底壁682aには、ボス632に対応するネジ止め部683が設けられている。
図7に示すように、収容ケース681の内部には、操作基板690が配置されている。カバー685には、操作基板690のスイッチに対応する入力部が形成されている。
【0037】
(送風部駆動手段の原点補正)
送風部640を回転させるステッピングモータ623は、出力軸を正転方向及び逆転方向に回転可能な駆動手段である。除湿機1は、位置センサ(例えばマイクロスイッチ)のような別部品を用いることなく、送風部640を回転させるステッピングモータ623の基準位置P
R(
図10A参照)を補正できるようにしている。
【0038】
詳しくは、ヘッド部600は、ヘッドベース610に対する送風部640の回転を補正位置(予め設定した回転角度位置)P
A1で規制(停止)する規制部601を備える。また、除湿機1は、ステッピングモータ623による送風部640の回転角度の原点を補正する原点補正処理(第2の処理)を実行するマイコン(駆動手段制御部)800を備える。原点補正処理は、除湿ロータ200、ヒータ250、及びファン400,450の駆動による各運転モード(第1の処理)の運転開始時と、実行中の予め設定した時間(時期)毎に行われる。
【0039】
図8Aから
図9に示すように、規制部601は、送風部本体650の流入部651に形成した第1及び第2突出部(当接部)655A,655Bと、規制部材680の収容ケース681に形成した第1及び第2受部(当接受部)684A,684Bを備える。
【0040】
突出部655A,655Bは、流入部651の径方向に対向する位置から内向きに突出するように設けられている。
図8Aを参照すると、第1突出部655Aは流入部651の上縁側に設けられている。
図8Bを参照すると、第2突出部655Bは、第1突出部655Aよりも流入部651の下縁側に設けられている。各突出部655A,655Bは、軸線Lに沿って延びる枠板656aと、枠板656aの上下端に連続した一対の補強枠板656b,656bとを備える。補強枠板656b,656bは、枠板656aから水平方向に突出するとともに、吹出口642に対して逆向きに突出するように設けられている。
【0041】
受部684A,684Bは、収容ケース681の外周壁682bの平面視で径方向に対向する位置から外向きに突出するように設けられている。
図8Aを参照すると、第1受部684Aは収容ケース681の上端に設けられている。
図8Bを参照すると、第2受部684Bは収容ケース681の下端に設けられている。
図9に最も明瞭に示すように、第1受部684Aは、第2突出部655Bの上方に位置するとともに、第1突出部655Aと同一高さに位置する。第2受部684Bは、第1突出部655Aの下方に位置するとともに、第2突出部655Bと同一高さに位置する。これにより、送風部640が回転すると、第1受部684Aには、第2突出部655Bが干渉することなく、第1突出部655Aだけが当接する。第2受部684Bには、第1突出部655Aが干渉することなく、第2突出部655Bだけが当接する。また、各受部684A,684Bは、一対の補強枠板656b,656b間に挿入可能な全高で形成されている。これにより、各受部684A,684Bには、各突出部655A,655Bの枠板656aだけが当接する。これにより、送風部640が回転可能な角度範囲を広くしている。
【0042】
送風部640は、
図10A,Bに示すように、規制部601により回転可能な第1角度範囲が設定されている。詳しくは、
図11A,Bに示すように、突出部655A,655Bを受部684A,684Bの一端側に当接させた回転角度位置P
A1から、
図12A,Bに示すように、突出部655A,655Bを受部684A,684Bの他端側に当接させた回転角度位置P
A2までが、送風部640が回転可能な第1角度範囲である。
図10A,Bに示すように、送風部640を回転させる際の基準位置P
Rは、第1角度範囲の中間点に設定され、左右両方向にバランスよく空気を吐出できるようにしている。
【0043】
図13に示すように、マイコン800は、本体100に配置されており、ベース101に配置された除湿ロータ200、ヒータ250、及びファン400,450を制御するとともに、ヘッド部600に配置された送風部640、及びルーバー660を制御する。マイコン800には、制御対象である除湿ロータ200を駆動する電動モータ201、ヒータ250、一対のファン400,450を駆動する1個の両軸モータ550、送風部640を駆動するステッピングモータ623、及びルーバー660を駆動するステッピングモータ665が接続されている。
【0044】
また、マイコン800には、湿度センサ801、フォトインタラプタ802、第1温度センサ803、第2温度センサ804、及び磁気センサ805が接続されている。湿度センサ801は、吸込口112から吸い込んだ処理空気の湿度を検出する湿度検出手段であり、
図4に示す吸込口112と主熱交換器300との間に配置されている。フォトインタラプタ802は、電動モータ201の故障(除湿ロータ200のロック)を検出するロータロック検出手段であり、
図4に示す除湿ロータ200の周囲に配置されている。第1温度センサ803は、除湿ロータ200の過加熱を検出するロータ温度検出手段であり、
図4に示す副熱交換器350の上部ヘッダ370内に検出部が配置されている。第2温度センサ804は、ヒータ250の過加熱を検出するヒータ温度検出手段であり、
図4に示すヒータケース260内に検出部が配置されている。磁気センサ805は、貯水タンク720の満水を検出する水位検出手段であり、貯水部700に配置され、
図4に示す貯水タンク720内のフロート730に配置した磁石の磁力を検出する。
【0045】
また、マイコン800には、電源の入/切、及び実行するモードの選択及び設定の変更を行う操作パネル810が接続されている。操作パネル810はヘッド部600のカバー685に配置されている。操作パネル810の中央には電源スイッチ(第1入力部)811が配置されている。電源スイッチ811の周囲には、動作させるモードを選択する選択スイッチ(第2入力部)812A〜812Cが配置されている。選択スイッチ812Aは、操作の度に、ヒータ250を動作させた乾燥モード(手動除湿処理)と、ヒータ250の動作を停止した送風モードとが切り換えられる。選択スイッチ812Bは、ヒータ250の出力が自動調整されるエコモード(自動除湿処理)に切り換える。選択スイッチ812Cは、処理空気ファン400の風量を抑えた夜干しモード(自動除湿処理)に切り換える。
【0046】
選択スイッチ812A〜812Cの周囲には、動作させる設定を変更する設定スイッチ(第3入力部)813A〜813Dが配置されている。設定スイッチ813Aは、処理空気ファン400の風量を設定変更する。設定スイッチ813Bは、動作時間(タイマー)を設定変更する。これらの設定スイッチ813A,813Bは、乾燥モード及び送風モードだけで使用可能である。設定スイッチ813Cは、送風部640の回転角度(送風範囲)を設定変更する。設定スイッチ813Dは、ルーバー660の回動範囲を設定変更する。これらの設定スイッチ813C,813Dは、全てのモードで使用可能である。
【0047】
図13の表示部814A〜814Dに示すように、送風部640は、4種の回転角度範囲と、回転させない停止とを選択できる。表示部814Aは、
図10A,Bに示す基準位置P
Rを起点として周方向に±175.0度(合計で350度)の回転角度とした全角モードである。表示部814Bは、基準位置P
Rを起点として周方向に±90.0度(合計で180度)の回転角度とした広角モードである。表示部814Cは、基準位置P
Rを起点として周方向に±45.0度(合計で90度)の回転角度とした中角モードである。表示部814Dは、基準位置P
Rを起点として周方向に±22.5度(合計で45度)とした狭角モードである。設定スイッチ813Cの操作により、全ての表示部814A〜814Dが点灯しない無選択とすることにより、送風部640の回転を停止し、特定の方向に空気を吐出させることができる。全角モードは、規制部601によって規制された第1角度範囲と同一の第2角度範囲である。全角モードでは、吹出口642の周方向の横幅を考慮すると、実質的に除湿機1の全周囲(360度)へ空気を吹き出すことができる。広角モード、中角モード、及び狭角モードは、第1角度範囲より狭い第2角度範囲である。即ち、除湿機1を動作させる各モード(第1の処理)では、送風部640が第1角度範囲より狭い第2角度範囲で連続的に回転される。
【0048】
駆動手段制御部としてのマイコン800は、送風部640の回転角度をステッピングモータ623への通電時間Tにより制御している。規制部601で規制された第1角度範囲で送風部640を回転させる場合、ステッピングモータ623を駆動させる必要がある時間はT1である。そのため、
図12A,Bに示すように、突出部655A,655Bを受部684A,684Bに当接させた状態から、ステッピングモータ623を設定角度に相当するT1/2時間駆動させた中間位置を、送風部640を周方向Aに往復回転させる基準位置P
Rとする。マイコン800は、ステッピングモータ623に対する通電(駆動)時間T1〜T4により、送風部640の回転角度を制御する。なお、原点補正処理の実行直後は、基準位置P
Rを起点として動作が再開されるため、ステッピングモータ623に対する通電時間は、通常の通電時間T1〜T4の半分(T1/2〜T4/2)とする。
【0049】
また、マイコン800による原点補正処理は、設定された角度の回転に必要な駆動時間T1〜T4を越えてステッピングモータ623に通電する。詳しくは、設定された回転角度に基づいた現状の回転位置から、突出部655A,655Bが受部684A,684Bに当接し、回転部640の回転が規制されるまでの予定角度を越えて回転するように、ステッピングモータ623に通電する。これにより、突出部655A,655Bを受部684A,684Bに当接させ、ステッピングモータ623を更に動作(空転)させる。そして、この回転規制時の回転角度位置(通電を停止した停止位置)を、回転部640の回転角度の原点とする補正を行う。
【0050】
例えば、
図14に示すように、マイコン800は、回転角度範囲が全角モードに設定されている場合、正転方向及び逆転方向の駆動時間T1を40秒とする。回転角度範囲が広角モードに設定されている場合、正転方向及び逆転方向の駆動時間T2を20秒とする。回転角度範囲が中角モードに設定されている場合、正転方向及び逆転方向の駆動時間T3を10秒とする。回転角度範囲が狭角モードに設定されている場合、正転方向及び逆転方向の駆動時間T4を6秒とする。なお、各モードの駆動開始時は、各駆動時間T1〜T4の半分の時間とする。
【0051】
原点補正処理を実行する設定時間(補正タイミング)Ttは、各運転モードの運転開始時を含む30分毎とする。これにより、運転停止状態及び運転中に加わった外的要因により、基準位置P
Rに誤差が生じた状態で動作が開始されることを防止している。また、ステッピングモータ623に通電する補正用駆動時間Tr1は、第1角度範囲の駆動時間Tより長い41秒とし、ステッピングモータ623を正転方向に回転させる。これにより、いずれのモードに設定されていても、また、外的要因による送風部640の回転角度位置の誤差がどの様な状態であっても、確実に突出部655A,655Bを受部684A,684Bに当接させ、原点(基準位置P
R)を1回で補正できる。さらに、補正位置P
A1からの基準復帰駆動時間Tr2は、第1角度範囲を回転させる際に要する駆動時間T1の半分のT1/2とし、逆転方向に回転させる。これにより、第1受部684Aに対して第1突出部655Aが径方向に対向し、第2受部684Bに対して第2突出部655Bが径方向に対向する基準位置P
Rを起点として、送風部640を正転方向及び逆転方向に制御できる。
【0052】
次に、マイコン800による送風部640の制御について説明する。
【0053】
操作パネル810の操作により所定のモードが実行されると、マイコン800は、設定された運転モードの処理と並行して
図15に示す送風部制御を実行する。この送風部制御は、各運転モードが終了するまで継続され、各運転モードの終了と同時に終了する。
【0054】
図15に示すように、マイコン800は、まず、ステップS1で、ステッピングモータ623を補正用駆動時間Tr1正転方向に回転させる原点補正処理を実行する。ついで、ステップS2で、ステッピングモータ623を基準復帰駆動時間Tr2逆転方向に回転させる基準位置復帰処理を実行する。
【0055】
ついで、ステップS3で、原点補正タイマTtをリセットしてスタートした後、ステップS4で、回転部640の回転角度の設定を読み込む。その後、ステップS5で、設定された回転角度に応じた駆動時間T1〜T4、基準位置P
Rを起点としてステッピングモータ623を正転方向及び逆転方向に連続的に首振り回転させる通電処理を実行する。
【0056】
ステップS5の通電処理は、ステップS6の原点補正タイマTtが経過するまで継続される。即ち、ステップS6で原点補正タイマTtが経過していない場合にはステップS4に戻り、送風部640の回転角度の設定変更の有無を判断する。また、ステップS6で原点補正タイマTtが経過した場合にはステップS1に戻り、ステッピングモータ623の原点補正処理を実行する。
【0057】
このように、本発明の除湿機1は、各運転モード(第1の処理)の実行中にステッピングモータ623の原点を所定時間毎に補正するため、外的要因により送風部640の回転角度位置に誤差が生じた場合でも、自動的に送風部640の回転角度範囲を一定に維持できる。また、送風部640を規制部601で停止させ、ステッピングモータ623を空転させて停止した位置を原点とするため、位置センサのような別部品を使用することなく、位置認識及び位置復帰を行うことができる。よって、制御プログラムが複雑になることを防止できるとともに、コストダウンを図ることができる。
【0058】
また、原点補正処理の実行後に、逆向きに所定時間(175度)回転させた基準位置P
Rを起点として、送風部640を正転方向及び逆転方向に制御するため、各運転モードで送風部640が回転される最大角度範囲(第1角度範囲)の中心を起点とし、両方向にバランスよく空気を吐出できる。また、送風部640を補正位置P
A1で停止させる規制部601は、流入部651に設けた突出部655A,655Bと、規制部材680に設けた受部684A,684Bとからなるため、簡素な構成で確実に送風部640の回転を規制し、原点を補正できる。
【0059】
(第2実施形態)
図16及び
図17は、第2実施形態の除湿機1の送風部駆動手段であるマイコン800による送風部640の制御を示す。この第2実施形態では、基準位置P
Rを起点として送風部640を正転方向及び逆転方向に回転させることが可能な第1角度範囲を2以上に区画(本実施形態では6区画)する。そして、原点補正処理の実行時には、各運転モードでの直前の送風部640の回転方向と同一方向に送風部640を回転させる。また、各運転モードで設定された第2角度範囲に基づいて、その予定回転位置から、近い側の規制部601(補正位置P
A1,P
A2)までの予定角度を越えて送風部640を回転させる。ここで、予定回転位置とは、外的負荷が加わることなく、原点に誤差が生じていない状態で、設定された第2角度範囲で回転された場合に、送風部640の回転が停止(反転)する位置である。また、近い側の規制部601までとは、予定回転位置から規制部601までの角度が狭い側である。
【0060】
詳しくは、
図16に示すように、基準位置P
Rから第1の回転角度位置P
A1までの角度範囲を、周方向に等間隔で第1から第3の領域R1〜R3に区画している。また、基準位置P
Rから第2の回転角度位置P
A2までの角度範囲を、周方向に等間隔で第4から第6の領域R4〜R6に区画している。
【0061】
通常の運転モードの実行時にマイコン800は、
図14に示す第1実施形態と同様に、回転角度範囲が全角モードに設定されている場合、ステッピングモータ623の駆動時間T1を40秒とし、正転方向及び逆転方向に回転させる。回転角度範囲が広角モードに設定されている場合、ステッピングモータ623の駆動時間T2を20秒とし、正転方向及び逆転方向に回転させる。回転角度範囲が中角モードに設定されている場合、ステッピングモータ623の駆動時間T3を10秒とし、正転方向及び逆転方向に回転させる。回転角度範囲が狭角モードに設定されている場合、ステッピングモータ623の駆動時間T4を6秒とし、正転方向及び逆転方向に回転させる。
【0062】
原点に誤差が生じていないことを前提とし、通常の運転モードで送風部640の回転角度範囲が全角モードに設定されている場合、送風部640の吹出口642の中心は、正転方向に回転されていた場合には領域R3内で停止する。即ち、領域R3内に第3の予定回転位置が設定されている。一方、逆転方向に回転されていた場合には、送風部640の吹出口642の中心が領域R6内で停止する。即ち、領域R6内に第6の予定回転位置が設定されている。回転角度範囲が広角モードに設定されている場合、送風部640の吹出口642の中心は、正転方向に回転されていた場合には領域R2内で停止する。即ち、領域R2内に第2の予定回転位置が設定されている。一方、逆転方向に回転されていた場合には、送風部640の吹出口642の中心が領域R5内で停止する。即ち、領域R5内に第5の予定回転位置が設定されている。回転角度範囲が中角モードに設定されている場合、送風部640の吹出口642の中心は、正転方向に回転されていた場合には領域R1内で停止する。即ち、領域R1内に第1の予定回転位置が設定されている。一方、逆転方向に回転されていた場合には、送風部640の吹出口642の中心が領域R4内で停止する。即ち、領域R4内に第4の予定回転位置が設定されている。回転角度範囲が狭角モードに設定されている場合、送風部640の吹出口642の中心は、正転方向に回転されていた場合には領域R1内で停止する。即ち、領域R1内に第1’の予定回転位置が設定されている。一方、逆転方向に回転されていた場合には、送風部640の吹出口642の中心が領域R4内で停止する。即ち、領域R4内に第4’の予定回転位置が設定されている。
【0063】
図17に示すように、原点補正処理では、直前に送風部640が正転方向に回転され、予定回転位置が第1領域R1に位置する場合、正転方向に回転させ、補正用駆動時間Tr1を21秒とする。直前に送風部640が正転方向に回転され、予定回転位置が第2領域R2に位置する場合、正転方向に回転させ、補正用駆動時間Tr1を14秒とする。直前に送風部640が正転方向に回転され、予定回転位置が第3領域R3に位置する場合、正転方向に回転させ、補正用駆動時間Tr1を7秒とする。直前に送風部640が逆転方向に回転され、予定回転位置が第4領域R4に位置する場合、逆転方向に回転させ、補正用駆動時間Tr1を21秒とする。直前に送風部640が逆転方向に回転され、予定回転位置が第5領域R5に位置する場合、逆転方向に回転させ、補正用駆動時間Tr1を14秒とする。直前に送風部640が逆転方向に回転され、予定回転位置が第6領域R6に位置する場合、逆転方向に回転させ、補正用駆動時間Tr1を7秒とする。
【0064】
このようにした第2実施形態の除湿機1の送風部640は、第1実施形態と同様に、各運転モードの実行中にステッピングモータ623の原点を所定時間毎に補正するため、外的要因により送風部640の回転角度位置に誤差が生じた場合でも、自動的に送風部640の回転角度範囲を一定に維持できる。また、第2実施形態の原点補正処理では、直前の送風部640の回転方向と同一方向に回転させるため、補正用駆動時間Tr1を大幅に短縮できる。よって、原点補正処理の実行により、送風部640が補正位置P
A1,P
A2で停止した状態を短くすることができる。その結果、ユーザに違和感を与えることを軽減できる。なお、外的要因による送風部640の回転角度位置の誤差が領域R1〜R6の角度範囲を超える場合、1回の原点補正処理では原点復帰できないが、所定時間毎に原点補正処理が実行されるため、確実に原点を補正できる。
【0065】
なお、本発明の送風装置は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0066】
例えば、前記実施形態では、通常の運転モードで送風部640を回転させる角度範囲は、正転方向に回転させて規制部601に当接する位置から、逆転方向に回転させて規制部601に当接する位置までの第1の角度範囲としたが、この第1の角度範囲以下であればよい。即ち、送風部640を正転方向に回転させて規制部601に当接する位置から、送風部640を逆転方向に回転させて規制部601に当接しない位置までであってもよい。
【0067】
また、前記実施形態では、除湿機1の運転開始時を起点として原点補正処理を所定時間毎に実行したが、実行する設定時間は、ユーザの操作により設定できるようにしてもよいうえ、使用環境に応じて予め設定した計算式(プログラム)で設定されるようにしてもよい。また、現在時刻を設定可能として設定時間(時刻)毎に実行するようにしてもよい。また、設定回数中の1回等、定期的に実行するようにしてもよい。即ち、原点補正処理を実行する設定時期は、同じ周期に限られない。また、例えば出力軸の回転数等を検出できる機能を備えたモータ(駆動手段)を用いる等によって、送風部640の回転角度の制御を駆動手段を駆動させる通電時間以外でも実現できる。
【0068】
また、第1実施形態の原点補正処理では、送風部640を正転方向に回転させて回転角度位置P
A1で原点を補正するようにしたが、逆転方向に回転させて回転角度位置P
A2で原点を補正してもよいうえ、正転方向及び逆転方向の両方で原点を補正してもよい。
【0069】
また、第2実施形態では、回転角度範囲を第1領域R1から第6領域R6に区画して、回転方向及び補正用駆動時間を設定したが、領域を区画しない構成でも実現できる。例えば、第2回転角度範囲が45度に設定されている場合、その回転角度に基づいた予定回転位置は、基準位置P
Rから正転方向及び逆転方向のそれぞれ22.5度の位置になる。そして、原点補正処理の実行時に、直前の送風部640の回転方向が正転方向の場合、予定回転位置(基準位置P
Rから正転方向に22.5度の位置)から近い側の規制部601までの予定角度(65度)を越えて送風部640を正転方向に回転させればよい。
【0070】
また、規制部601は、送風部640に形成した突出部(当接部)655A,655Bと、規制部材680に形成した受部(当接受部)684A,684Bの二対で構成したが、いずれか一方の一対で構成してもよいうえ、ヘッドベース610に対する送風部640の回転を物理的に停止できる構成であれば、希望に応じて変更が可能である。
【0071】
本実施形態の除湿機1は、例えば室内を乾燥させることを目的とした室内空気を除湿対象とする他、衣類の乾燥を目的とした衣類の水分を除湿対象とするものや、これらの両方の目的を達成するものが含まれる。また、本発明の特徴である送風部640の原点補正処理は、除湿機1に限らず、空気を取り込んで処理を加えて吐出する加湿器、空気調和機、サーキュレータ、冷風機、温風機に適用しても同様の作用及び効果を得ることができる。さらに、空気を取り込んで加圧以外の処理を加えることなく吐出する扇風機に適用しても同様の作用及び効果を得ることができる。