特許第6204926号(P6204926)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204926
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】チャネル推定のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/06 20060101AFI20170914BHJP
   H04B 7/0413 20170101ALI20170914BHJP
   H04B 7/024 20170101ALI20170914BHJP
【FI】
   H04B7/06 986
   H04B7/0413 200
   H04B7/024
【請求項の数】20
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-555528(P2014-555528)
(86)(22)【出願日】2013年1月31日
(65)【公表番号】特表2015-513238(P2015-513238A)
(43)【公表日】2015年4月30日
(86)【国際出願番号】SE2013050081
(87)【国際公開番号】WO2013115718
(87)【国際公開日】20130808
【審査請求日】2016年1月8日
(31)【優先権主張番号】61/594,566
(32)【優先日】2012年2月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/422,298
(32)【優先日】2012年3月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】ソルレンティーノ, ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】イェングレン, ジョージ
【審査官】 和平 悠希
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/097758(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/017973(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/083417(WO,A2)
【文献】 特表2010−522499(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/088403(WO,A1)
【文献】 Samsung,Remaining issues on quasi co-location between CSI-RS, CRS and DMRS,3GPP TSG-RAN WG1#70b R1-124558,2012年10月12日,pp.1-5,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70b/Docs/R1-124558.zip
【文献】 Ericsson, ST-Ericsson,Discussion on quasi co-located antennas,3GPP TSG-RAN WG4♯63 R4-122702,2012年 5月25日,pp.1-7,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_63/Docs/R4-122702.zip
【文献】 Ericsson,Draft LS response on antenna ports co-location,3GPP TSG-RAN WG1#68b R1-121796,2012年 3月30日,pp.1-2,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_68b/Docs/R1-121796.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/06
H04B 7/024
H04B 7/0413
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線装置におけるチャネル推定のための方法であって、
ンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有するという表示を得るステップ(1010)と、
ットに含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有する第1のアンテナポートから受けられる第1の基準信号に少なくとも基づいて、共有されたチャネル特性のうちの1つ以上を推定するステップ(1020)と、
ットに含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有する第2のアンテナポートから受けられる第2の基準信号に基づいてチャネル推定を行うステップ(1030)であって、第2の基準信号に基づいたチャネル推定が少なくとも共有されたチャネル特性のうちの推定された1つ以上のチャネル特性を使用して行れるステップ(1030)と
を備える方法。
【請求項2】
共有されたチャネル特性のうちの1つ以上の推定は、前記第2の基準信号と、セットに含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有するそれぞれのアンテナポートから受けられる1つ以上の更なる基準信号とに基づいて合同で行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の更なる基準信号が第1の基準信号を備える請求項2に記載の方法。
【請求項4】
チャネル推定を行う前記ステップは、
定されたチャネル特性に基づいて推定フィルタを生成するステップと、
ャネル推定値を得るために前記推定フィルタを前記第2の基準信号に適用するステップと
を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
第2のチャネル推定値を得るために、セットに含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有するアンテナポートから受けられる少なくとも1つの他の基準信号に対して前記推定フィルタを適用するステップを更に備える請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記表示は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットがコロケートされると見なされ得ることを示す、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
表示を得る前記ステップ(1010)は、ネットワークノードからメッセージを受けるステップを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記表示は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有している1つ以上のリソースブロックグループを更に示し、示されたリソースブロックグループ全体に前記推定するステップ(1020)を行う、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記表示は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有している時間間隔を更に示し、示された時間間隔の間に前記推定するステップ(1020)を行う、請求項7または請求項8に記載の方法。
【請求項10】
表示を得る前記ステップ(1010)は、規則に基づいてアンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットを決定するステップを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
直交カバー符号を使用して多重化された符号である基準信号を有するアンテナポートを同じセットの一部であると見なし、直交カバー符号を使用して多重化された符号ではない基準信号を有するアンテナポートを異なるセットの一部であると見なす、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記チャネル特性は、信号対雑音比、遅延拡散、ドップラー拡散、受信されるタイミング、有意なチャネルタップの数のうちの1つ以上である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ネットワークノードにおける方法であって、
ンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットがチャネル特性の限られたセットを共有するという表示をネットワークノードによって得るステップ(910,1110)と、
ンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットがチャネル特性の前記限られたセットを共有するという表示を、前記ネットワークノードにより扱われる少なくとも1つの無線装置へ前記ネットワークノードによって送信するステップであって、前記少なくとも1つの無線装置が受信した表示を使用して、
(i) 前記アンテナポートのセット内のアンテナポートから受信した基準信号、または、
(ii) 前記アンテナポートタイプのセットに対応するタイプを有するアンテナポートから受信した基準信号
に基づいて、チャネル特性の前記限られたセットのうちの1つ以上のチャネル特性を合同で推定する、ステップ(1130)と
を備える方法。
【請求項14】
表示を得る前記ステップ(910,1110)は、直交カバー符号を使用して多重化された符号である基準信号を送信するアンテナポートが同じセットの一部であることを決定するステップを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記表示は、システム情報、RRCメッセージ、または、ダウンリンク制御情報に含めて送信される、請求項13または請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記表示は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有している1つ以上のリソースブロックグループを更に示し、前記ネットワークノードは、セット内のアンテナポートまたはセット内に含まれるタイプを有するアンテナポートのうちの少なくとも2つに対応する信号を、同じ送信ポイントのセットから、示されたリソースブロックグループ全体に送信する(920,1120)、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記表示は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットがチャネル特性の限られたセットを共有している時間間隔を更に示し、前記ネットワークノードは、セット内のアンテナポートまたはセット内に含まれるタイプを有するアンテナポートのうちの少なくとも2つに対応する信号を、同じ送信ポイントのセットから、示された時間間隔の間に送信する(920,1120)、請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記アンテナポートタイプは、ポートにより送信される基準信号のタイプに対応するとともに、DMRS、CSI−RS、CRSのうちの1つ以上を備える、請求項13から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
チャネル推定を行うための無線装置(1600)であって、無線回路(1610)と処理回路(1620)とを備え、前記処理回路(1620)がチャネル解析器(1640)とチャネル推定器(1650)とを更に備えており、
記処理回路(1620)は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有するという表示を得るように構成されており、
記チャネル解析器(1640)は、セットに含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有する第1のアンテナポートから送信される第1の基準信号に少なくとも基づいて、共有されたチャネル特性のうちの1つ以上を推定するように構成されており、前記第1の基準信号は前記無線回路(1610)を介して受けられ、
記チャネル推定器(1650)は、セットに含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有する第2のアンテナポートから送信される第2の基準信号に基づいてチャネル推定を行うように構成されており、前記第2の基準信号に基づくチャネル推定は、少なくとも共有されたチャネル特性のうちの推定された1つ以上のチャネル特性を使用して行れ、前記第2の基準信号は前記無線回路(1610)を介して受けられる、
無線装置(1600)。
【請求項20】
無線回路(1510)と処理回路(1520)とを備えるネットワークノードであって、前記処理回路(1520)が、
ンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットがチャネル特性の限られたセットを共有するという表示を得、
少なくとも2つのアンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットの表示を、前記無線回路を経由して前記ネットワークノードにより扱われる少なくとも1つの無線装置であって、受信した表示を使用して、
(i) 前記アンテナポートのセット内のアンテナポートから受信した基準信号、または、
(ii) 前記アンテナポートタイプのセットに対応するタイプを有するアンテナポートから受信した基準信号
に基づいて、チャネル特性の前記限られたセットのうちの1つ以上のチャネル特性を合同で推定する、少なくとも1つの無線装置へ送信する
ように構成されている、ネットワークノード(1500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良されたチャネル推定のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、汎用移動通信システム(UMTS)およびロングタームエボリューション(LTE)の標準化に関与する。LTEに関する3GPP作業は、発展型ユニバーサル地上波アクセスネットワーク(E−UTRAN)とも称される。LTEは、ダウンリンクおよびアップリンクの両方で高いデータ転送速度に達することができる高速パケットベース通信を実現するための技術であり、UMTSに対して次世代移動通信システムであると見なされる。高いデータ転送速度をサポートするため、LTEは、20MHzのシステム帯域幅またはキャリアアグリゲーションが使用されるときには最大で100Hzのシステム帯域幅を可能にする。LTEは、異なる周波数帯域で動作することもでき、また、少なくとも周波数分割複信(FDD)モードおよび時分割複信(RDD)モードで動作することもできる。
【0003】
LTEは、ダウンリンクにおいて直交周波数分割多重(OFDM)を使用するとともに、アップリンクにおいて離散フーリエ変換拡散(DFT−拡散)OFDMを使用する。基本的なLTE物理リソースは、図1に示されるように時間周波数グリッドと見なすことができ、この場合、各リソース要素は、(特定のアンテナポートにおける)1つのOFDMシンボル区間中の1つのサブキャリアに対応する。アンテナポートごとに1つのリソースグリッドが存在する。
【0004】
アンテナポートは、アンテナポート固有の基準信号によって規定される「仮想」アンテナである。アンテナポートは、アンテナポートにおけるシンボルがチャネル全体に伝えられるチャネルを、同じアンテナポートにおける他のシンボルがチャネル全体に伝えられるチャネルから推測できるように、規定される。アンテナポートに対応する信号は、場合により、地理的に分布されてもよい幾つかの物理アンテナによって送信されてもよい。言い換えると、アンテナポートは、1または複数の送信ポイントから送信されてもよい。逆に、1つの送信ポイントは、1または複数のアンテナポートを送信してもよい。以下において、アンテナポートは、置き換え可能に「RSポート」と称される。
【0005】
時間領域において、LTEダウンリンク送信は、10msの無線フレームへと編成され、各無線フレームは、図2に示されるように1msの同じ大きさのサブフレーム10個から成る。1つのサブフレームは、それぞれが0.5msの持続時間を有する2つのスロットへ分けられる。
【0006】
LTEにおけるリソース割り当てがリソースブロックに関して記載されており、この場合、リソースブロックは、時間領域の1つのスロットと、周波数領域の12個の隣接する15kHzサブキャリアとに対応する。2つの時間的に連続するリソースブロックは、スケジューリングが作用する時間間隔に対応するリソースブロック対を表わす。
【0007】
LTEにおける送信は、各サブフレームにおいて動的にスケジューリングされる。基地局は、物理ダウンリンク制御情報(物理ダウンリンク制御チャネル、PDCCH、および、エンハンスドPDCCH、ePDCCH)によってダウンリンク割り当て/アップリンクグラントを特定のUEへ送信する。PDCCHは、各サブフレームにおける第1のOFDMシンボルで送信されるとともに、システム帯域幅のほぼ全体に及ぶ。PDCCHにより運ばれるダウンリンク割り当てをデコードしたUEは、サブフレーム内のいずれのリソース要素がUEに仕向けられたデータを含むのかを知っている。同様に、UEは、アップリンクグラントを受けると、いずれの時間/周波数リソースでそれが送信すべきかを知っている。LTEダウンリンクにおいて、データは、物理ダウンリンク共有データリンク(PDSCH)によって運ばれ、また、アップリンクでは、対応するリンクが物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)と称される。
【0008】
受信データの復調は、基準信号(RS)を使用して行なわれる無線チャネルの推定を必要とする。基準信号は一群の基準シンボルを備え、また、これらの基準シンボルおよびそれらの時間−周波数グリッド内における位置は、受信器に知られている。LTEでは、セル固有の基準信号(CRS)が全てのダウンリンクサブフレームで送信される。これらの基準信号は、ダウンリンクチャネル推定を支援することに加えて、UEによって行なわれる測定、例えば移動性測定のためにも使用される。リリース10の時点で、LTEは、PDSCHの復調のためのチャネル推定を支援することに仕向けられたUE固有のRS、および、UEからのチャネル状態情報(CSI)フィードバックの目的でチャネルを測定するためのRSもサポートする。後者はCSI−RSと称される。CSI−RSは、全てのサブフレームで送信されるとは限らず、一般に、復調のために使用されるRSよりも時間および周波数がまばらである。CSI−RS送信は、RRC設定周期性パラメータおよびRRC設定サブフレームオフセットにしたがって、5番目、10番目、20番目、40番目、または、80番目ごとに起こってもよい。
【0009】
図3は、物理制御・データチャネルおよび基準信号のマッピングがダウンリンクサブフレーム内のリソース要素でどのように行なわれ得るのかを示す。この例において、PDCCHは、3つの想定し得るOFDMシンボルからの第1のOFDMシンボルを占め、したがって、この特定のケースでは、データのマッピングが既に第2のOFDMシンボルで始まり得る。CRSはセル内の全てのUEに共通であるため、CRSの送信を特定のUEのニーズに適合するように容易に適応させることができない。これは、各UEがPDSCHの一部として図3のデータ領域内に配置されたそれ自体のRSを有するUE固有のRSとは対照的である。
【0010】
接続モードで動作するUEは、チャネル状態情報(CSI)を報告するように、例えば適したランクインジケータ(RI)、1つ以上のプレコーディングマトリクスインデックス(PMI)、および、チャネル品質インジケータ(CQI)を報告するように基地局により求められてもよい。明示的チャネルフィードバックおよび干渉共分散フィードバックを含む他のタイプのCSIも考えられる。CSIフィードバックは、送信のためのサブフレームおよびRBを決定すること、いずれの送信スキーム/プリコーダを使用すべきかを含むスケジューリングにおいて基地局を支援するとともに、送信に適したユーザビットレートの情報(リンク適応)も与える。リソースブロック対内のいずれのリソース要素がUE固有のRSおよびCSI−RSによって潜在的に占められ得るのかについての詳細な例示が図4に示される。CSI−RSは、2つの連続するREで、2アンテナポート〜2アンテナポートを超える長さの直交カバー符号を利用する。図示のように、多くの異なるCSI−RSパターンが利用できる。2つのCSI−RSアンテナポートのケースに関して、我々は、1つのサブフレーム内に20個の異なるパターンが存在することを理解できる。パターンの対応する数は、4個および8個のCSI−RSアンテナポートにおいてそれぞれ10個および5個である。TDDにおいては、幾つかの更なるCSI−RSパターンを利用できる。
【0011】
ヘテロジニアスネットワーク動作のためのサポートの向上は、3GPP LTEリリース10の現行の仕様の一部であり、また、リリース11のための新たな特徴との関連で更なる改良が論じられる。ヘテロジニアスネットワークでは、サイズが異なる重複するカバレッジエリアのセルの混合が展開される。そのような展開の1つの例が図5に示され、この場合、マクロセルのカバレッジエリア内でピコセルが展開される。ヘテロジニアスネットワーク内のポイントとも称される低電力ノードの他の例は、ホーム基地局およびリレーである。マクロカバレッジエリア内でピコ基地局などの低電力ノードを展開する目的は、セル分割ゲインを用いてシステム能力を高めること、および、非常に高速のデータアクセスの広域経験をネットワーク全体にわたってユーザに与えることである。ヘテロジニアス展開は、トラフィックホットスポット、すなわち、例えばピコセルにより扱われるユーザ密度が高い小さい地理的領域をカバーするために特に有効であり、また、ヘテロジニアス展開は、より密度が高いマクロネットワークへの別の展開に相当する。
【0012】
ネットワークを展開する伝統的な方法は、異なる送信/受信ポイントに別個のセルを形成させることである。すなわち、1つのポイントから送信されるあるいは1つのポイントで受信される信号は、他の隣接するポイントのために使用されるセル−idとは異なるセル−idと関連付けられる。一般に、各ポイントは、放送信号(PBCH)および同期信号(PSS,SSS)のためのそれ自体の固有の信号を送信する。
【0013】
各ポイントごとに1つのセル−idを有する前述した伝統的な方策は、多くの低電力(ピコ)ポイントが高電力マクロポイントのカバレッジエリア内に配置されるヘテロジニアス展開に関して図6に描かれる。同様の原理が伝統的なマクロセルラー展開に適用され、この場合、全てのポイントは、同様の出力を有するとともに、ヘテロジニアス展開に関して当てはまるものよりも規則的な態様で配置され得る。
【0014】
伝統的な展開方策に代わる手段は、代わりに、高電力マクロポイントのカバレッジにより輪郭付けられる地理的領域内の全てのUEが同じセル−idと関連付けられる信号を用いて扱われるようにすることである。言い換えると、UE観点からは、受信信号が単一のセルからくるように見える。これが図7に示される。なお、1つのマクロポイントのみが示されるが、他のマクロポイントは、一般に、それらがマクロサイトの他のセクタに対応する同じサイトでコロケートされなければ、異なるセル−id(異なるセルに対応する)を使用する。幾つかのコロケートされたマクロポイントの後者のケースでは、同じセル−idが、コロケートされたマクロポイントと、マクロポイントのカバレッジエリアの結合に対応するピコポイントとにわたって共有されてもよい。同期信号、BCH信号、および、制御信号は全てが高電力ポイントから送信され、その間に、UE固有のRSに依存する共有データ送信(PDSCH)を使用することによってデータを低電力ポイントからもUEへ送信できる。そのような手法は、UE固有のRSに基づいてPDSCHを受信できるという利点をそれらのUEに関して有する。PDSCHにおけるCRSのみをサポートするUE(FDDのための全てのリリース8/9UEを少なくとも含む可能性が高い)は、高電力ポイントからの送信を受け入れなければならず、したがって、更なる低電力ポイントの展開からのダウンリンクにおいて利益を得ない。
【0015】
単一セル−id手法は、同じセルに関連付けられるポイント間の高速バックホール通信が存在する状況に適合される。典型的なケースは、1つ以上のセクタをマクロレベルで扱い且つ同じセル−idを共有する他のポイントの役目を果たすリモートラジオユニット(RRU)への高速ファイバ接続を有する基地局である。これらのRRUは、1つ以上のアンテナをそれぞれが伴う低電力ポイントに相当し得る。他の例は、全てのポイントが同様の電力クラスを有し、単一のポイントが他のポイントよりも重要性を有さない場合である。このとき、基地局は、全てのRRUからの信号を同様の態様で扱う。
【0016】
伝統的な手法と比較した共有セル手法の明確な利点は、セル間で一般に関与するハンドオーバー手続きがマクロベースでのみ引き起こされれば済むという点である。他の重要な利点は、CRSを全てのポイントから送信する必要がないため、CRSからの干渉が大幅に減少されるという点である。また、ポイント間の調整およびスケジューリングにおける柔軟性も非常に大きい。
【0017】
ポイントの概念は、協調マルチポイント(CoMP)のための技術に関連して著しく使用される。本開示において、ポイント(「送信ポイント」および/または「受信ポイント」とも称される)は、本質的に同じ地理的領域を同様の態様でカバーするアンテナのセットに対応する。したがって、1つのポイントは、1つのサイトにおけるセクタのうちの1つに対応し得るが、それは、全てが同様の地理的領域をカバーするようになっている1つ以上のアンテナを有する1つのサイトにも対応し得る。しばしば、異なるポイントが異なるサイトに相当する。アンテナは、それらが地理的に十分に分離されるおよび/または十分に異なる方向に向くアンテナダイヤグラムを有するときには異なるポイントに対応する。
【0018】
CoMPのための技術は、スケジューリングの観点から1つのポイントが互いにほぼ独立に動作される従来のセルラーシステムとは対照的に、異なるポイント間のスケジューリングまたは送信/受信に依存性を導入することを伴う。DL CoMPの1つの基本的な特性は、異なる地理的場所から異なる信号および/またはチャネルを送信できる可能性である。LTEシステムの設計をガイドする原理のうちの1つは、UEに対するネットワークの透過性である。言い換えると、UEは、他のUEまたはネットワーク展開のスケジューリング割り当ての特定の知識を伴うことなくその意図されるチャネルを復調してデコードできなければならない。
【0019】
例えば、異なるCSI−RSパターンが異なる送信ポイントに属するポートから送信されてもよい。そのようなパターンに基づくフィードバックは、例えば、ポイント選択のため、および/または、プレコーディング重みおよびCoMPスケジューリングの最適化のために利用されてもよい。あるいは、複数のポイントのための合同空間情報を含む集合フィードバックを生成するために、同じCSI−RSパターンが異なる送信ポイントによって合同で送信されてもよい。いずれにせよ、UEは、一般に、各アンテナポートが送信される地理的場所を認識しない。
【0020】
CRSは、一般に、ポイントの静的なセットから送信される。それにもかかわらず、特定の展開においては、異なる地理的場所から異なるCRSポートを送信することができる。この技術の1つの用途は分散展開においてであり、この場合、同じノードに属する送信アンテナがコロケートされない態様で展開される。
【0021】
DMRSまたはUE固有のRSは、データチャネルおよび場合により特定の制御チャネル(ePDCCH)の復調のために使用される。データは、他の情報とは異なるポイントから送信されてもよい(例えば制御信号送信)。これは、UE固有のRSの使用の背後にある主要なドライバのうちの1つであり、該ドライバは、送信の特性の多くを知らなければならないことからUEを解放し、したがって、柔軟な送信方式をネットワーク側から使用できるようにする。これは(UEに対する)送信透過性とも称される。しかしながら、問題は、幾つかの状況においてUE固有のRSの推定精度が十分でない場合があるという点である。また、特にCoMPおよび/または分散展開の場合に、特定のUEのためのDMRSが地理的に分離されたポートから送信される場合がある。
【0022】
当該技術分野においては、チャネル推定を向上させるための機構の必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
幾つかの実施形態の目的は、特にCoMPシナリオにおけるチャネル推定の向上のための機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
幾つかの実施形態は、無線装置におけるチャネル推定のための方法を提供する。この方法によれば、無線装置は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有するという表示を得る。その後、装置は、共有されたチャネル特性のうちの1つ以上を推定する。推定は、セットに含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有する第1のアンテナポートから受けられる第1の基準信号に少なくとも基づく。また、無線装置は、セットに含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有する第2のアンテナポートから受けられる第2の基準信号に基づいてチャネル推定を行う。チャネル推定は、少なくとも推定されたチャネル特性を使用して行なわれる。
【0025】
特定の実施形態において、無線装置は、表示を含むメッセージをネットワークノードから受ける。他の実施形態では、セットが規則に基づいて決定される。
【0026】
したがって、幾つかの実施形態において、無線装置は、特定のアンテナポートのコロケーションを想定することにより、他のアンテナポートのための推定において、1つのアンテナポートのための推定されたチャネル特性を使用することができる。特定の例において、装置は、2つ以上のアンテナポートに基づいて合同推定を行ってもよく、それにより、推定精度が向上する。他の例において、装置は、1つのポートのための推定された特性をセット内の他のポートに適用してもよく、それにより、高速推定プロセスをもたらすことができる。
【0027】
幾つかの実施形態は、ネットワークノードにおける方法を提供する。方法は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有するという表示を得ることを含む。このとき、ネットワークは、セット内のアンテナポートまたはセット内に含まれるタイプを有するアンテナポートのうちの少なくとも2つに対応する信号を同じ送信ポイントのセットから送信する。
【0028】
したがって、幾つかの実施形態において、ネットワークノードは、特定のアンテナポートがコロケートされるようにすることにより、無線装置が向上されたチャネル推定を行うことができるようにする。
【0029】
幾つかの実施形態は、チャネル推定を行うための無線装置を提供する。装置は無線回路と処理回路とを備える。処理回路は、チャネル解析器とチャネル推定器とを更に備える。処理回路は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有するという表示を得るように構成される。チャネル解析器は、セットに含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有する第1のアンテナポートから送信される第1の基準信号に少なくとも基づいて共有されたチャネル特性のうちの1つ以上を推定するように構成され、第1の基準信号は無線回路を介して受けられる。チャネル推定器は、セットに含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有する第2のアンテナポートから送信される第2の基準信号に基づいてチャネル推定を行うように構成され、チャネル推定は、少なくとも推定されたチャネル特性を使用して行なわれ、また、第2の基準信号は無線回路を介して受けられる。
【0030】
幾つかの実施形態は、無線回路と処理回路とを備えるネットワークノードを提供する。処理回路は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有するという表示を得るように構成される。また、処理回路は、無線回路を介して、セット内のアンテナポートまたはセットに含まれるタイプを有するアンテナポートのうちの少なくとも2つを、同じ送信ポイントから送信するように更に構成される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】LTEダウンリンク物理リソースを示す概略図である。
図2】LTE時間領域構造を示す概略図である。
図3】LTEダウンリンクサブフレームを示す概略図である。
図4】想定し得る基準信号パターンを示す概略図である。
図5】マクロセルおよびピコセルの展開の一例を示す概略図である。
図6】ヘテロジニアス展開の一例を示す概略図である。
図7】ヘテロジニアス展開の他の例を示す概略図である。
図8】無線通信システムを例示する概略図である。
図9】ネットワークノードにおける方法例を示すフローチャートである。
図10】無線装置における方法例を示すフローチャートである。
図11】ネットワークノードにおける方法例を示すフローチャートである。
図12】無線装置における方法例を示すフローチャートである。
図13】ネットワークノードにおける方法例を示すフローチャートである。
図14】ネットワークの一例を示す概略図である。
図15】ネットワークノードの一例を示すブロック図である。
図16】無線装置の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
前述したように、基準信号は、地理的に分離されたポートから送信されてもよい。RSポートの地理的な分離は、各ポートからUEへと向かう瞬間チャネル係数が一般的に異なることを意味する。また、異なるポートおよびRSタイプのためのチャネルの統計的特性でさえかなり異なる場合がある。そのような統計的特性の例としては、各ポートにおけるSNR、遅延拡散、ドップラー拡散、受信タイミング(すなわち、最初の有意なチャネルタップのタイミング)、および、有意なチャネルタップの数が挙げられる。LTEにおいては、アンテナポートに対応するチャネルの特性について、他のアンテナポートのチャネルの特性に基づいて何も想定することができない。これは、実際には、送信透過性を維持する重要な部分である。
【0033】
先の所見に基づき、UEは、それぞれのRSごとに対象の各RSポートに関して独立した推定を行う必要がある。これは、特定のRSポートに関して不適切なチャネル推定品質をもたらし、それにより、望ましくないリンクおよびシステム性能劣化を引き起こす場合がある。推定精度にも間接的に影響を及ぼす関連する問題は、特にCoMPシナリオにおいてUEがDMRSポートの他のRSポートとのコロケーションを想定できないことである。
【0034】
本明細書中に開示される幾つかの実施形態は、チャネル推定器実施がグループ内の異なるRSポートおよび/またはRSタイプにおいて共通のチャネル特性を利用できるようにするために、RSポートグループ分けに関する選択された情報をUEに与える。情報は、例えば、特定のアンテナポートに対応するチャネル推定値を形成するためにいずれの基準信号が互いに組み合わせて使用されると想定され得るのかの信号送信を含む。同様であるが別の言い方をすると、いずれのアンテナポートが、対象のアンテナポートのためのシンボルがチャネル全体に伝えられるチャネルの特性を推測するために利用され得るチャネルを有すると想定され得るか。すなわち、UEには、幾つかのアンテナポートにおける基準信号を使用して他のアンテナポートのためのチャネルのチャネル推定を支援できることを想定し得るという信号が送信されてもよい。
【0035】
そのような相互依存性を示すチャネルを有するアンテナポートは、グループを形成すると言われ得る。実際に、この想定により、UEは、チャネルの少なくとも幾つかの統計的特性が異なるアンテナポートにわたって類似していることを想定できる。そのような情報により、UEは、チャネル特性を合同で推定できるとともに、対応するチャネル推定値における推定精度を高めることができる。したがって、特定の実施形態は、チャネル推定が適用できるときに合同チャネルパラメータを可能にすることによって、チャネル推定の向上を可能にする。
【0036】
ネットワークは、一般に、例えばCRS、DMRS、CSI−RSを含む基準信号の異なるタイプに基づいて様々な信号および/またはチャネルの受信を支援するためにUEを構成する。場合により、RSは、例えばリンク適応およびスケジューリングのためにUEによってネットワークへ報告されるべき伝搬パラメータおよび好ましい送信特性の推定のために利用されてもよい。
【0037】
ここで、一般には各アンテナポートから各UE受信ポートまでのチャネルは実質的に1つしか存在しないにもかかわらず、幾つかの統計的特性および伝搬パラメータは、異なるアンテナポートが同じポイントから生じるか否かに応じて、異なるアンテナポート間で共通または類似な場合があることが観察される。そのような特性としては、例えば、各ポートにおけるSNRレベル、遅延拡散、ドップラー拡散、受信タイミング(すなわち、最初の有意なチャネルタップのタイミング)、および、有意なチャネルタップの数が挙げられる。
【0038】
一般に、チャネル推定アルゴリズムは3ステップ作業を行う。第1のステップは、チャネルの統計的特性のうちの幾つかの推定から成る。第2のステップは、そのようなパラメータに基づいて推定フィルタを生成することから成る。第3のステップは、チャネル推定値を得るために推定フィルタを受信信号に適用することから成る。フィルタは、時間領域または周波数領域で同等に適用されてもよい。幾つかのチャネル推定器実施は、前述した3つのステップ方法に基づかなくてもよいが、依然として同じ原理を利用する。
【0039】
無論、第1のステップにおけるフィルタパラメータの正確な推定は、チャネル推定の向上をもたらす。UEが単一のサブフレームにわたる1つのRSポートに関するチャネルの観察からそのようなフィルタパラメータを得ることが原理的にしばしば可能であるにもかかわらず、通常は、UEは、類似の統計的特性を共有する異なるアンテナポート(すなわち、異なるRS送信)と関連付けられる測定値を組み合わせることによってフィルタパラメータ推定精度を向上させることができる。ここで、ネットワークは、一般に、アンテナポートが物理的ポイントに対してどのようにマッピングされるかについてのその知識に基づいて、いずれのRSポートが類似の特性を有するチャネルと関連付けられるのかを認識し、一方、UEは、先験的に、ネットワーク透過性原理によりそのような情報を認識しないことが観察される。
【0040】
幾つかの実施形態は、UEにおけるチャネル推定の向上を可能にするために、ダウンリンク信号送信において情報を含むことを備える。より具体的には、ネットワークからUEへの信号送信は、特定のアンテナポートで信号を復調する際にいずれの基準信号および/またはアンテナポートおよび/またはRSタイプが一緒に使用されるとUEによって想定され得るのかについての情報、すなわち、いずれのアンテナポートが類似のチャネル特性を共有すると想定され得るのかについての情報を含む。その後、UEは、そのような情報を利用して、類似の特性を有するチャネルのうちの少なくとも一部に関して合同チャネル推定または部分的合同チャネル推定を行ってもよい。
【0041】
しばしば、同じポイントから送信されるRSに関連付けられるチャネルは、類似の統計的特性および伝搬特徴を共有する。したがって、1つの例において、ネットワークは、共通のポイントから送信されるRSの少なくともサブセットを信号送信によってUEへ知らせてもよい。
【0042】
類似のチャネル特性と関連付けられるRSポートのUEへの信号送信は、異なる方法で規定されてもよい。1つの例において、ネットワークは、半静的なRRC信号送信において、類似の特性を共有するRSポートおよびRSタイプの少なくとも一部のためのインデックスを含む。同じインデックスと関連付けられるRSポートは、類似のチャネル特性と関連付けられるとUEによって想定される。
【0043】
他の例では、RSポートの特定のサブセットが同じチャネルに関連付けられるかどうかを信号で送るべく信号送信フラグが使用される。
【0044】
他の例では、特定のRSタイプ(例えば、CRS、DMRS、CSI−RS)が他のチャネルタイプの一部の類似のチャネル特性を共有すると想定され得るかどうかを信号で送るべく更なるビットが与えられてもよい。1つの例において、フラグは、DMRSポートおよび/またはCSI−RSポートの少なくとも一部のために与えられる。そのようなフラグが使用可能である場合、UEは、全ての対応するRSポートがCRSと類似のチャネル特性を共有すると想定する。
【0045】
更なる例において、RSポートのサブセットごとに2つのフラグが与えられ、そのようなフラグの一方は、全ての関連するポートが類似のチャネル特性を共有することを示し、他方のフラグは、関連するポートがCRSポートの少なくとも一部と類似のチャネル特性を共有することを示す。
【0046】
少なくとも部分的に依存するアンテナポートの信号送信グループ分けの柔軟性は変化可能であり、また、1つの実施形態において、その柔軟性は、異なるタイプのアンテナポート間の信号送信依存関係に基づいてもよい。例えば、CRSが送信されるアンテナポートにおけるチャネルは、UE固有のRS(例えばDMRS)を送信するアンテナポートにおけるチャネルの特性を推測するために使用されてもよい。あるいは、CSI−RSは、UE固有のRSを伝えるアンテナポートのためのチャネルの推定を支援するために利用されてもよい。
【0047】
あるいは、前述した例の全ての信号送信は、スケジューリング割り当てによって、例えばDCIフォーマットによって動的に伝えられてもよい。そのような場合、PDCCHは、RRC信号送信(もしあれば)によって示されるRS特性に基づいてデコードされるべきであり、また、一方、スケジューリンググラントによって示される更なるRS特性は、PDSCH復調のために利用される。動的な信号送信は、特定の送信でDMRS/UE特有のRSチャネル推定を支援して動的なポイント選択のための効率的なサポートを与える際にいずれのCSI−RSリソース(または、CRSがいずれのセルと関連付けられるのかを特定するための情報を含むCRS)が使用できるとUEによって想定され得るのかを信号送信することさえも含むことができる。
【0048】
また、先の例は、更なる柔軟性のために組み合わされてもよい。
【0049】
更なる例において、ネットワークは、RS特性のグループ分けをチャネル特性のサブセットおよび他の基準に基づいて行ってもよい。
【0050】
1つの可能性は、直交符号(例えば、OCC)の使用によって直交にされるRSポートが常に類似のチャネル特性を共有することを規定することである。そのような想定は、先験的に静的に規定されてもよく、あるいは、ネットワークによって半静的な態様で信号送信されてもよい。
【0051】
他の例において、ネットワークは、そのようなRSポートが同じ極性を有するコロケートされたアンテナと関連付けられるときにRSポートのサブセットが類似の伝搬特性を共有することをUEに信号送信する。
【0052】
更なる例において、ネットワークは、チャネル特性の限られたセット(例えば、タイミングおよび/またはドップラーおよび/または遅延拡散および/またはSNR)がRSポートのサブセットによって共有されることをUEへ信号送信する。前述した信号送信手続きの一部は、チャネル特性のいずれのセットが示されたRSポートに共通であるとUEによって想定されるべきかの規定に加えて利用されてもよい。
【0053】
この開示の文脈の中で、用語「共有チャネル特性」、「共有チャネルパラメータ」または「共有伝搬パラメータ」は、1つのアンテナポートに対応するチャネルのための伝搬パラメータ、すなわちチャネル特性の値が、他のアンテナポートに対応するチャネルのための同じパラメータの値と同じであるあるいは類似であることを意味する。この場合、「類似」とは、許容誤差のマージンと見なされてもよい所定量未満だけ値が異なることを意味する。したがって、共有特性は十分に同じあるいは類似であるため、これらの共有特性は、許容できる精度を伴う任意のチャネルのためのチャネル推定のために使用されてもよい。別の言い方をすれば、共有特性は、対応するRSポートのための共通の特性としてそれらを合同で推定することにより推定の向上を可能にするように十分に類似である。
【0054】
更なる例では、信号送信オーバーヘッドを減らすために、同じタイプの特定のRSポートに関してRSポートのグループ分けが先験的に規定される。これにより、UEは、専用の信号送信を必要とすることなく、そのようなグループ分けのために共通のチャネル特性を利用できる。前述の信号送信技術の一部も使用される場合には、それぞれのポートごとに個別にチャネル特性を信号送信するのではなく、RSポートの先験的に規定されたグループ間のチャネル特性共通性を信号送信することができる。そのようなハードコードされた依存性は、実際には、対応するポートがネットワークにより同じポイントから送信されることを命じる。
【0055】
また、幾つかの実施形態は、同期信号(例えば、SSSおよび/またはPSS)と幾つかのRSポートとの間の先験的なタイミング関係を規定する可能性を含み、それにより、UEは、同期信号からRSタイミングを推測できる。したがって、UEは、同期信号およびRSポートのためのタイミング推定を関連するタイミングと結びつけることができる。タイミング関係は、例えば、所定のタイミング差範囲および/またはオフセットに関して表わされてもよい。
【0056】
図8は、本発明の様々な実施形態が実施されてもよい無線通信システム800を示す。3つのネットワークノード820,850,870が示される。ネットワークノード820は2つの送信ポイント830,840を制御する。同様に、ネットワークノード850は1つの送信ポイント860を制御し、また、ネットワークノード870は送信ポイント880,890を制御する。以下では、説明のため、限定目的ではなく、通信システム800がLTEシステムであると想定され、また、ネットワークノード820,850,870がeNodeBであると想定される。送信ポイントは、eNodeBの別個のアンテナ、例えば
セクタアンテナに対応してもよく、また、これらの送信ポイントは、それぞれのeNodeBに接続されるリモートラジオユニット(RRU)であってもよい。図示の送信ポイントの数は、限定的であると解釈されるべきでない。言うまでもなく、一般的に言えば、各ネットワークノードは、ネットワークノードと物理的にコロケートされてもよいあるいは地理的に分布されてもよい1つ以上の送信ポイントを制御してもよい。また、この例は、異なる送信ポイントが異なるネットワークノードにより制御されていることを示すが、他の想定し得るシナリオは、1つの単一のネットワークノードが幾つかのあるいは更には全ての送信ポイント830,840,860,880,890を制御することである。図8に示されるシナリオでは、ネットワークノード820,850,870の一部または全てが送信および受信の想定し得る調整のために情報をやりとりできるように例えば転送ネットワークによって接続されることが想定される。
【0057】
通信システム800は2つの無線装置810,812を更に備える。本開示の文脈の中で、用語「無線装置」は、基地局などのネットワークノードと通信できるあるいは無線信号を送信するおよび/または受信することによって他の無線装置と通信できる任意のタイプの無線ノードを包含する。したがって、用語「無線装置」は、ユーザ機器、携帯端末、機械同士の通信のための固定または移動通信装置、一体型または埋め込み型無線カード、外部から差し込まれる無線カード、ドングルなどを包含するが、これらに限定されない。無線装置は、ネットワークノード、例えば基地局であってもよい。
【0058】
ここで、図8および図9のフローチャートを参照して、幾つかの実施形態に係るネットワークノードにおける方法について説明する。方法は、ネットワークノード820,850または870のうちの1つにおいて実行されてもよい。
【0059】
この開示の全体にわたって、2つのアンテナポートがコロケートされるあるいはコロケートされると想定され得ることが述べられるときは常に、このことは、一般的な意味で、第1のアンテナポートにおけるシンボルを伝送するチャネルの以下のチャネルパラメータ、すなわち、伝搬特性、つまり、
・遅延拡散
・ドップラー拡散
・信号対雑音比
・フレーム同期
のうちの少なくとも1つを、他のアンテナにおける他のシンボルを伝送するチャネルから推測できることを意味する。特定の例として、アンテナポートのセットは、それらの対応する信号が同じ送信ポイントのセットから送信される場合にコロケートされ、この場合、セットは1つ以上のポイントを備えてもよい。なお、この文脈において、アンテナポートに対応する信号(例えば、RS)は、複数のポイントから分散態様で送信されてもよい。2つのそのような分散アンテナポートは、対応する信号がポイントの同じセットから送信される場合にコロケートされると考えられる。例えば、図8を参照すると、CSI−RS19はポイント830,840から送信され、また、CSI−RS20も830,840から送信される。したがって、CSI−RS19,20がコロケートされる。別の言い方をすると、2つのアンテナポートは、それらの対応する基準信号が同じ「視点」に対してマッピングされる場合にコロケートされると考えられてもよい。この場合、視点は、1つ以上のポイントの組み合わせとして規定される。
【0060】
本方法によれば、ネットワークノードは、アンテナポートのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有するという表示を得る910。言うまでもなく、これは、セット内のアンテナポートのそれぞれに対応するチャネルが少なくとも1つのチャネル特性、すなわち伝搬パラメータを共有するということを言う単なる簡単明瞭な言い方にすぎない。前記表示が異なる方法で得られてもよい。1つの変形例では、ネットワークノードが規則に基づいてセットを決定する。他の変形例において、ネットワークノードは、他のネットワークノードから、または、記憶領域、例えばメモリまたはデータベースから表示を得る。記憶領域は、ネットワークノードの内部であってもよく、あるいは、ネットワークに接続されてもよい。
【0061】
特定の例として、ネットワークノードは、CRS0とCRS2とが、および、CRS1と3とがコロケートされるべきであるという表示を得る。したがって、CRS0とCRS2とが1つのセットを形成し、また、CRS1とCRS3とが他のセットを形成する。これは、ポイント830からCRS0を送信し且つポイント840からCRS1を送信するネットワークノード820によって図8に示される。したがって、この特定のグループ分けは、2つの送信アンテナのための分散アンテナ展開と適合する。また、2つの送信アンテナが使用されるときには交差偏波アンテナがしばしば使用されるため、ポート0,1のための独立したチャネル推定を実施することが有益な場合があることが気付かされる。しかしながら、2つのアンテナにおける性能が懸案事項であれば、同様に、ポートCRS0およびCRS1と、ポートCRS2およびCRS3とをグループ分けできる。これは、分散CRS展開を4アンテナケースに制限する。
【0062】
他の特定の例において、表示を得ることは、直交カバー符号を使用して多重化される符号である基準信号を送信するアンテナポートが同じセットの一部であることを決定することを含む。例えば、CSI−RSの想定し得るグループ分けは(15,16)(17,18)(19,20)(21,22)であり、また、DMRSの想定し得るグループ分けは(7,8)(9,10)(11,13)(12,14)または(7,8,11,13)(9,10,12,14)である。
【0063】
想定し得るCSI−RSグループ分けのうちの1つがネットワークノード820によって図8に示される。OCCによって同じアンテナポートから分けられるアンテナポートに対応する信号を送信する利点は、信号が同じドップラーを有するという点である。OCCは高いドップラーで非効果的であり、また、直交性が破壊される。我々がOCCによって高いドップラーポートと低いドップラーポートとに分ける場合には、全ての遅いポートが速いポートによって干渉される。逆に、OCC多重ポートがドップラーによってグループ化される場合には、対を成す遅いポートが直交性を保ち、一方、互いに相互に干渉する速いポートだけが直交性を失う。
【0064】
この実施形態の変形例において、表示は、個々のアンテナポートではなく、アンテナポートタイプに基づく。すなわち、ステップ910において、ネットワークノードは、アンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有するという表示を得る。アンテナポートタイプは、ポートによって送信される基準信号のタイプに対応する。アンテナポートタイプの幾つかの例は、DMRS、CSI−RS、または、CRSである。特定の例として、ネットワークノードは、CRSポートおよびDMRSポートがコロケートされるべきであるという表示、すなわち、全てのCRSポートおよびDMRSポートが同じ送信ポイントまたはポイントのセットから送信されるべきであるという表示を得る。他の例として、ネットワークノードは、タイプDMRSのポートがコロケートされるべきであるという表示、すなわち、DMRSを送信しているアンテナポートがコロケートされるべきであるという表示を得る。随意的に、表示が装置固有のものであってもよい。例えば、ネットワークノードは、特定の装置のためのCRSポートおよびDMRSポートがコロケートされるべきであるという表示を得てもよい。この選択肢は、単一の送信ポイント890から無線装置810へと方向付けられるCRS0およびDMRS9−10を送信するとともに送信ポイント880から無線装置812へと方向付けられるCRS1およびDMRS11−12を送信するネットワークノード870によって図8に示される。
【0065】
この実施形態で適用されてもよい更なるグループ分けの例が以下の表1に示される。
表1:所定のコロケーション規則の例
【0066】
その後、ネットワークノードは、セット内のアンテナポートのうちの少なくとも2つに対応する信号を同じ1または複数の送信ポイントから送信する920。幾つかのアンテナポートのための信号を同じ1または複数のポイントから送信することによって、ネットワークノードは、先の定義にしたがってアンテナポートがコロケートされるようにする。これにより、無線装置、例えば装置810または812は、共有チャネル特性の合同推定を行うことができる。あるいは、限られた処理能力を有するUEは、アンテナポートのうちの1つ以上に対応する信号に関してチャネル特性を推定するとともに、そのような特性を利用して、他のコロケートされたアンテナポートに対応するチャネルを推定してもよい。
【0067】
この文脈において、アンテナポートに対応する信号は、アンテナポート固有の基準信号、および、アンテナポートで送信される対応するデータを備える。
【0068】
ここで、図8および図10のフローチャートを参照して、幾つかの実施形態に係る無線装置におけるチャネル推定のための方法について説明する。方法は、無線装置810または812のうちの一方において実施されてもよい。
【0069】
方法によれば、無線装置は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有するという表示を得る1010。表示が異なる方法で得られてもよい。1つの変形例において、無線装置は、規則に基づいてセットを決定する。他の変形例において、無線装置は、内部記憶領域、例えばメモリまたはデータベースから表示を得る。
【0070】
表示は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットがコロケートされると見なされ得ることを示してもよい。前述したように、このことは、遅延拡散、ドップラー拡散、信号対雑音比、および、フレーム同期の特性のうちの少なくとも1つが共有されることを意味する。特定の変形例において、表示は、これらの全ての特性が共有されることを示してもよい。幾つかの特性のみが共有される場合、無線装置は、いずれの特性が共有されるのかについての表示をネットワークノードから更に得てもよい。あるいは、無線装置は、特定の特性が共有されることを想定するべく予め構成され得る。
【0071】
特定の例において、直交カバー符号を使用して多重化された符号である基準信号を有するアンテナポートは、同じセットの一部であると見なされ、また、直交カバー符号を使用して多重化された符号ではない基準信号を有するアンテナポートは、異なるセットの一部であると見なされる。
【0072】
ポートグループ分けの他の例は、図9に関連して前述したポートグループ分けに対応する。特に、表示が内部記憶から得られる規則に基づくときには、無線装置を扱う1または複数のネットワークノードが、同じ規則にしたがって、実際に、コロケートされると想定されるポートを同じポイントから送信することが示唆される。これは、1または複数の規則を標準規格へとエンコードすることによって確保されてもよい。
【0073】
その後、無線装置は、セットに含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有する第1のアンテナポートから受けられる第1の基準信号に基づいて、また、セットに含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有する第2のアンテナポートから受けられる第2の基準信号に基づいて、共有チャネル特性のうちの1つ以上を合同で推定する1020。随意的に、合同推定は、セット内の1または複数のアンテナポートタイプに対応する3つ以上の基準信号に基づいてもよい。推定されるべきチャネル特性は、信号対雑音比、遅延拡散、ドップラー拡散、受信タイミング、および、有意なチャネルタップの数のうちの1つ以上であってもよい。
【0074】
共有された特性を推定した後、無線装置は、第2の基準信号に基づいてチャネル推定を行う1030。チャネル推定は、少なくとも推定されたチャネル特性を使用して行なわれる。特定の実施形態において、チャネル推定を行うステップは、推定されたチャネル特性に基づいて推定フィルタを生成すること、および、チャネル推定値を得るために推定フィルタを第2の基準信号に適用することを含む。随意的に、無線装置は、第2のチャネル推定値を得るために、セット内に含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有するアンテナポートから受けられる少なくとも1つの他の基準信号に対して推定フィルタを適用してもよい。
【0075】
ここで、図8および図11のフローチャートを参照して、幾つかの実施形態に係るネットワークノードにおける方法について説明する。方法は、ネットワークノード820,850または870のうちの1つで実行されてもよい。
【0076】
方法によれば、ネットワークノードは、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有するという表示を得る1110。このステップは先の910に対応し、また、同じ変形例が適用される。
【0077】
その後、ネットワークノードは、セット内のアンテナポートまたはアンテナポートタイプのうちの少なくとも2つに対応する信号を1または複数の同じ送信ポイントから送信する1120。このステップは先の920に対応し、また、同じ変形例が適用される。
【0078】
その後、ネットワークノードは、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットの表示をアンテナノードによって扱われる少なくとも1つの無線装置、例えば無線装置810または820に対して送信する1130。表示は、システム情報、RRCメッセージ、あるいは、ダウンリンク制御情報に含めて送信されてもよい。
【0079】
変形例において、表示は、1つ以上のリソースブロックグループ(RBG)を更に示してもよく、該リソースブロックグループにわたってアンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有する。リソースブロックグループ(RBG)は、必ずしも互いに隣接するとは限らない連続する物理リソースブロックのセットから成る。一般に、RBGは、システム帯域幅に応じて1〜4個のリソースブロックを備えてもよい。ネットワークノードは、それぞれのRBGごとに異なるプリコーダを適用してもよく、このことは、異なるチャネル特性が各RBGごとに存在し得ることを意味する。それぞれのリソースブロックグループごとに異なる送信ポイントが使用されてもよい。
【0080】
特定の例として、ネットワークノードは、特定のDMRSポートがサブフレームにおけるRBGの所定のセットに関しておよび所定の無線装置に関して同じチャネル特性を共有することを無線装置に示してもよい。
【0081】
他の例として、ネットワークノードは、RBGのセットがアンテナポートまたはアンテナポートタイプの所定のセットと類似するチャネル特性を共有することを無線装置に示す。
【0082】
他の変形例では、表示が時間間隔を更に示し、この時間間隔中にアンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有する。ネットワークノードは、示された時間間隔中に、セット内のアンテナポートまたはセット内に含まれるタイプを有するアンテナポートのうちの少なくとも2つに対応する信号を送信ポートの同じセットから送信する1120。時間間隔は、例えば、サブフレームの数として示されてもよい。これにより、無線装置は、対応する推定されたチャネルを時間平均化できる。時間間隔が示されなければ、ネットワークノードは、所定の時間にわたってあるいは新たな表示が送られるまで、セット内のアンテナポートを同じ送信ポイントのセットから送信してもよい。この変形例は、ポートが類似のチャネル特性を共有するRBGのセットの信号送信と併せて使用されてもよい。
【0083】
他の変形例において、ネットワークノードは、1つ以上のアンテナポートと1つ以上の同期信号、例えばSSSおよび/またはPSSとの間のタイミング関係の更なる表示を送信する。これにより、無線装置は、同期信号からRSタイミングを推測できるとともに、前述したように合同タイミング推定を行うことができる。タイミング関係は、例えば所定のタイミング差範囲および/またはオフセットに関して示されてもよい。
【0084】
更なる他の変形例において、表示は、広帯域フィードバック(例えば、PUCCH1−1またはPUCCH2−1またはPUCCH3−1における広帯域PMI)を報告するように装置を設定するメッセージの形態で与えられる。これは、UE固有のDMRSポートがPDSCH帯域幅全体にわたってコロケートされることを無線装置に示す。あるいは、最初の表示は、DMRSがコロケートされることを示してもよい。その後、ネットワークノードは、帯域幅フィードバックを報告するように装置を設定し、また、このことは、コロケーションが帯域幅全体にわたって適用されることを示す。
【0085】
ここで、図8および図10のフローチャートを参照して、幾つかの実施形態に係る無線装置におけるチャネル推定のための方法について説明する。
【0086】
該方法によれば、無線装置がネットワークノードからメッセージを受け1010、該メッセージは、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有するという表示を備える。表示は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットがコロケートされると見なされ得ること、すなわち、全てのチャネル特性が共有されることを示してもよい。
【0087】
その後、無線装置は、前述したように、共有されたチャネル特性のうちの1つ以上を合同推定する1020。
【0088】
共有された特性を推定した後、無線装置は、前述した方法と同じ方法で、第2の基準信号に基づいてチャネル推定を行う1030。
【0089】
変形例において、表示は、1つ以上のリソースブロックグループ(RBG)を更に示し、該リソースブロックグループにわたってアンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有する。特定の例として、無線装置は、特定のDMRSポートがサブフレームにおけるRBGの所定のセットに関して同じチャネル特性を共有するという表示を受けてもよい。その後、ステップ1020において、無線装置は、RBGの所定のセットにわたって共有された特性を推定する。無線装置は、残りのRBGにわたって、チャネル特性の個々の推定を行う。
【0090】
他の例として、ネットワークノードは、RBGのセットがアンテナポートまたはアンテナポートタイプの所定のセットと類似するチャネル特性を共有することを無線装置に示す。
【0091】
他の変形例では、表示が時間間隔を更に示し、この時間間隔中にアンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有する。その後、チャネル推定器は、対応するチャネル推定値を時間平均化してもよい。時間間隔は、例えば、サブフレームの数として示されてもよい。時間間隔が示されなければ、無線装置は、所定の時間中にあるいは新たな表示が受けられるまでチャネル特性が共有されると想定してもよい。この変形例は、ポートが類似のチャネル特性を共有するRBGのセットの表示を受けることと併せて使用されてもよい。
【0092】
他の変形例において、無線装置は、1つ以上のアンテナポートと1つ以上の同期信号、例えばSSSおよび/またはPSSとの間のタイミング関係の更なる表示を受ける。無線装置は、同期信号からRSタイミングを推測でき、また、ステップ1020において、無線装置は、前述したように合同タイミング推定も行う。
【0093】
更なる他の変形例において、表示は、広帯域フィードバック(例えば、PUCCH1−1またはPUCCH2−1またはPUCCH3−1における広帯域PMI)を報告するように装置を設定するメッセージの形態で受けられる。これは、UE固有のDMRSポートがPDSCH帯域幅全体にわたってコロケートされることを無線装置に示す。あるいは、無線装置は、DMRSがコロケートされるという最初の表示を得る(この表示は、前述した方法のうちのいずれかで得られてもよい)。その後、無線装置は、帯域幅フィードバックを報告するように装置を設定するメッセージを受け、また、これは、コロケーションが帯域幅全体にわたって適用されることを無線装置に示す。
【0094】
図9図11に関連して説明される実施形態では、無線装置が、合同推定を適用すること、すなわち、合同推定値を形成するために組み合わされる幾つかの基準信号に基づいて測定を行うことが想定されてきた。これは、精度の向上をもたらす。しかしながら、他の可能性は、1つの基準信号に基づいて共有された特性を推定し、その後、他の基準信号に基づいてチャネル推定を行うときに推定された特性を適用することである。これは、少ない測定を行えば済むため、性能の向上をもたらし得る。
【0095】
幾つかの実施形態によれば、チャネル推定を行うための無線装置、例えばUEにおける方法が提供される。この方法が図12に示される。
【0096】
無線装置は、基準信号(RS)ポートのセットが少なくとも1つのチャネル特性またはチャネルパラメータを共有することを示す情報を得る。
【0097】
変形例において、無線装置は、基準信号ポートのセットを示す情報をネットワークノード、例えばeNBなどの基地局から受ける。セットがインデックスと関連付けられてもよく、また、このとき、情報は、1つ以上のRSポートがインデックスと関連付けられるという表示を含んでもよい。情報を表わす様々な他の方法が可能であり、また、これについては以下で説明する。情報は、RRCメッセージまたはDCIフォーマットで構成されてもよい。
【0098】
他の変形例において、無線装置は、規則または予め決められたマッピングに基づいて少なくとも1つのチャネル特性を共有するRSポートのセットを決定する。例えば、無線装置は、直交符号を使用して互いに符号分割多重化されるRSポートが同じチャネル特性を共有することを想定してもよい。
【0099】
その後、無線装置は、セット内のポートに対応する基準信号に関して共有されたチャネル特性の合同推定を行う。
【0100】
基準信号のセットは、同等に、基準信号のグループと称されてもよい。
【0101】
幾つかの実施形態によれば、ネットワークノード、例えばeNBなどの基地局における方法が提供される。この方法が図13に示される。
【0102】
ネットワークノードは、少なくとも1つのチャネル特性またはチャネルパラメータを共有する基準信号(RS)ポートのセットを決定する。1つの例において、ネットワークノードは、同じ送信ポイントまたは送信ポイントのセットから送信されるRSポートが同じセットの一部であることを決定する。セットを決定する他の方法が可能であり、これについては後述する。
【0103】
その後、ネットワークノードは、RSポートのセットを示す情報を無線装置に送信し、それにより、無線装置は、セット内のポートに対応するRSに関して合同チャネル推定を行うことができる。セットがインデックスと関連付けられてもよく、また、このとき、情報は、1つ以上のRSポートがインデックスと関連付けられるという表示を含んでもよい。情報を表わす様々な他の方法が可能であり、また、これについては以下で説明する。情報は、RRCメッセージまたはDCIフォーマットで構成されてもよい。
【0104】
説明した解決策は、任意の適した通信標準規格をサポートするとともに任意の適した構成要素を使用する任意の適切なタイプの遠隔通信システムで実施されてもよいが、説明した解決策の特定の実施形態は、図8に示されるネットワークまたは図14に示されるネットワークなどのダウンリンクCoMPを使用するLTEネットワークで実施されてもよい。
【0105】
ネットワークの例は、無線装置間または無線装置と他の通信装置(ランドライン電話など)との間の通信をサポートするのに適した任意の更なる要素を更に含んでもよい。図示の無線装置は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の適した組み合わせを含む通信装置に相当してもよいが、特定の実施形態において、この無線装置は、図16によって更に詳しく示される一例の無線装置1600などの装置に相当してもよい。同様に、図示のネットワークノードは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の適した組み合わせを含むネットワークノードに相当してもよいが、特定の実施形態において、これらのネットワークノードは、図15によって更に詳しく示される一例のネットワークノード1500などの装置に相当してもよい。
【0106】
図16に示されるように、一例の無線装置1600は、処理回路1620、メモリ1630、無線回路1610、および、少なくとも1つのアンテナを含む。無線回路は、RF回路とベースバンド処理回路(図示せず)とを備えてもよい。特定の実施形態において、モバイル通信装置または他の形態の無線装置によって与えられるような前述した機能性のうちの一部または全部は、図16に示されるメモリ1630などのコンピュータ可読媒体に記憶された命令を実行する処理回路1620によって与えられてもよい。無線装置1600の別の実施形態は、図16に示される構成要素の他に、前述した機能性のいずれかおよび/または前述した解決策をサポートするために必要な任意の機能性を含む無線装置の機能性の特定の態様を与えることに関与してもよい更なる構成要素を含んでもよい。
【0107】
更に図16を参照すると、幾つかの実施形態は、チャネル推定を行うための無線装置1600を提供する。装置は、無線回路1610と処理回路1620とを備える。処理回路1620は、チャネル解析器1640とチャネル推定器1650とを更に備える。
【0108】
処理回路1620は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有するという表示を得るように構成される。幾つかの変形例において、処理回路1620は、無線回路1610を介してメッセージを受けることによって表示を得るように構成される。他の変形例において、処理回路1620は、規則に基づいてアンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットを決定するように構成される。
【0109】
チャネル解析器1640は、セットに含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有する第1のアンテナポートから送信される第1の基準信号に少なくとも基づいて共有されたチャネル特性のうちの1つ以上を推定するように構成され、この場合、第1の基準信号は無線回路1610を介して受信される。チャネル推定器1650は、セットに含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有する第2のアンテナポートから送信される第2の基準信号に少なくとも基づいてチャネル推定を行うように構成され、この場合、チャネル推定は、少なくとも推定されたチャネル特性を使用して行なわれ、また、第2の基準信号は無線回路1610を介して受信される。
【0110】
幾つかの変形例において、チャネル解析器1640は、第2の基準信号と、セットに含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有するそれぞれのアンテナポートから受信される1つ以上の更なる基準信号とに基づいて、共有されたチャネル特性のうちの1つ以上の合同推定を行うように構成される。1つ以上の更なる基準信号は、第1の基準信号を備えてもよい。
【0111】
特定の実施形態において、チャネル推定器1650は、推定されたチャネル特性に基づいて推定フィルタを生成するとともに、チャネル推定値を得るために推定フィルタを第2の基準信号に適用するように構成される。チャネル推定器1650は、第2のチャネル推定値を得るために、セットに含まれるあるいはセット内のタイプのうちの1つに対応するタイプを有するアンテナポートから受信される少なくとも1つの他の基準信号に対して推定フィルタを適用するように更に構成されてもよい。
【0112】
特定の実施形態において、処理回路1620は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性をグループ全体に共有する1つ以上のリソースブロックグループの表示を受けるとともに、リソースブロックグループの示されたセットにわたって1つ以上のチャネル特性を推定するように更に構成される。
【0113】
特定の実施形態において、処理回路1620は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性をその間にわたって共有する時間間隔の表示を受けるとともに、示された時間間隔中に場合により時間平均化により1つ以上のチャネル特性を推定するように更に構成される。
【0114】
図15に示されるように、一例のネットワークノード1500は、処理回路1520、メモリ1530、無線回路1510、および、少なくとも1つのアンテナを含む。処理回路1520は、RF回路とベースバンド処理回路(図示せず)とを備えてもよい。特定の実施形態において、移動基地局、基地局コントローラ、リレーノード、NodeB、エンハンスドNodeB、および/または、任意の他のタイプの移動体通信ノードによって与えられるような前述した機能性のうちの一部または全部は、図15示されるメモリ1530などのコンピュータ可読媒体に記憶された命令を実行する処理回路1520によって与えられてもよい。ネットワークノード1500の別の実施形態は、先に特定された任意の機能性および/または前述した解決策をサポートするために必要な任意の機能性を含む更なる機能性を与えることに関与する更なる構成要素を含んでもよい。
【0115】
もう一度図15のブロック図を参照すると、幾つかの実施形態は、無線回路1510と処理回路1520とを備えるネットワークノード1500を提供する。処理回路1520は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性を共有するという表示を得るように構成される。幾つかの変形例において、処理回路1520は、直交カバー符号を使用して多重化される符号である基準信号を送信するアンテナポートが同じセットの一部であることを決定することによって表示を得るように構成される。アンテナポートタイプは、ポートによって送信される基準信号のタイプに対応するとともに、DMRS、CSI−RS、CRSのうちの1つ以上を備える。
【0116】
処理回路は、セット内のアンテナポートまたはセット内に含まれるタイプを有するアンテナポートのうちの少なくとも2つを同じ送信ポイントから無線回路1510を介して送信するように更に構成される。
【0117】
1つの変形例において、処理回路1520は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットの表示を無線回路1510を介してネットワークノードにより扱われる少なくとも1つの無線装置へ送信するように構成される。処理回路1520は、システム情報、RRCメッセージ、またはダウンリンク制御情報に含めて表示を送信するように構成されてもよい。
【0118】
幾つかの変形例において、表示は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットがグループ全体に少なくとも1つのチャネル特性を共有する1つ以上のリソースブロックグループを更に示す。このとき、処理回路1520は、セット内のアンテナポートまたはセット内に含まれるタイプを有するアンテナポートのうちの少なくとも2つに対応する信号を、無線回路1510を介して、同じ送信ポイントのセットから、示されるリソースブロックグループにわたって送信するように構成される。
【0119】
幾つかの変形例において、表示は、アンテナポートのセットまたはアンテナポートタイプのセットが少なくとも1つのチャネル特性をその間にわたって共有する時間間隔を更に示し、また、処理回路1520は、セット内のアンテナポートまたはセット内に含まれるタイプを有するアンテナポートのうちの少なくとも2つに対応する信号を、無線回路1510を介して、同じ送信ポイントのセットから、示される時間間隔中に送信するように構成される。
【0120】
前述した実施形態の変更例および他の変形例は、前述の説明および関連する図面で与えられる教示の利点を有する当業者には想起可能である。したがって、実施形態が開示される特定の例に限定されるべきでなく、また、変更例または他の変形例がこの開示の範囲内に含まれるように意図されることは言うまでもない。本明細書中で特定の用語が使用される場合があるが、これらの用語は、一般的な説明的意味でのみ使用され、限定を目的とするものではない。
【0121】
特に、本明細書中に開示される様々な例がユーザ機器(UE)に言及するが、これは限定として解釈されるべきではない。方法および概念が一般に無線装置に適用されるのが分かる。また、本明細書中のどこの例で「ネットワーク」により行なわれる動作に言及しようとも、多くの実施において、そのような動作は、ネットワークノード、特にeNBなどの基地局により行なわれる。
【0122】
この開示の全体にわたって、ネットワーク内のノードまたはポイントは、しばしば、特定のタイプ、例えば「マクロ」または「ピコ」と称される。別段に明示的に述べられなければ、これは、ネットワーク内のノード/ポイントの役割の絶対的定量として解釈されるべきでなく、むしろ、異なるノード/ポイントの互いに対する役割を論じる都合の良い方法として解釈されるべきである。したがって、マクロおよびピコに関する議論は、例えば、マクロとフェムトとの間の相互作用に適用できるのが適当である。
【0123】
なお、本明細書中では、開示される概念を例示するために3GPP LTEからの専門用語を使用してきたが、これは、この開示の範囲を前述したシステムのみに限定すると見なされるべきでない。WCDMA、WiMax、UMB、および、GSMを含む他の無線システムもこの開示内で取り上げられた考えを利用することにより利益を得ることができる。
【0124】
本明細書中で使用される用語「備える」または「備えている」は、非限定的として解釈されるように、すなわち、「少なくとも〜から成る」を意味するように意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16