【実施例1】
【0034】
図1は、本発明である気化装置入り口側に汚れ防止機能を備えた光散乱式ダスト濃度計の一実施形態の模式図である。測定原理は、煙道6内において、白濁排気ガスの流れの上流側に気化装置2を配置し、ミスト10を気化させ、気化装置2の下流に計測光4aを照射し、光散乱強度でダスト濃度を測定する方式である。なお、
図1中の左白抜き矢印は、白濁排気ガスの流れの方向であり、
図1右側が白濁排気ガスの上流、左側が下流である。
【0035】
図1に示すように、本発明の実施の形態の一例である気化装置入り口側に汚れ防止機能を備えた光散乱式ダスト濃度計1dは、気化装置2と、光照射器4及び散乱光検出器5とそれらを収納する第二容器2mを含む光学ユニット9と、演算装置12と、さらにエアー送風のための各種エアーブロ機構を備えてなる。そして、白濁排気ガスの上流から下流の流れに対して、気化装置2、光照射器4及び散乱光検出器5の光学ユニット9の順で煙道6内に配置される。
【0036】
これにより、煙道6から外に白濁排気ガスを引き出すサンプリング管を設けることなく、白濁排気ガスの流れが低速(2m/sec以下)であっても、ミスト10影響を受けることなく、煙道6内が露点以下となってダスト11(小○)とミスト10(大○)、ミスト吸着ダスト10a(二重○)が共存する白濁排気ガス中のダスト11の濃度を測定することができる。勿論、白濁排気ガスの流れが高速(10m/sec程度)の場合にも測定可能である。即ち、本発明は、白濁排気ガスの全流速対応型である。
【0037】
気化装置2は、第一容器2aと、内筒2bと、シースヒータ3cと、蓋2rと、間欠エアーブロ機構13とからなる。なお、気化装置として、従来の瞬間加熱器3も利用できる。つまり、従来の光散乱式ダスト濃度計1の白濁排気ガスの取り込み口側に、間欠エアーブロ2iを適用すれば、従来の光散乱式ダスト濃度計1でも、白濁排気ガスの入り口側の汚れを防止することができる。
【0038】
第一容器2aは、内部に左右側面に開口した貫通孔を有し、煙道6に穿孔された穴から煙道6の内部に挿入され、固定される。第一容器2aの白濁排気ガスの取り入れ口側である貫通孔の内側の縁は内側がより多く切り取られた傾斜2fとなっている。内部には、内筒2b及びシースヒータ3cが内蔵され、底面が蓋2rで封止されるとともに、蓋2rで煙道6に係止され、蓋2rと煙道6の気密性が保持される。
【0039】
また、第一容器2aの、白濁排気ガスの取り入れ口側の側壁内部には、間欠エアーを通す第一流路2dが穿設され、前記縁の半円部分の傾斜2fに多数穿設されたエアー放出穴2eに連通し、間欠エアーでエアーブロ2iを噴出させる。
【0040】
エアーブロ2iにより、白濁排気ガスの取り入れ口側の貫通孔に凝縮したミスト10を乾燥する。前記貫通孔の内側を傾斜2fにすることで、ミスト10及びエアーブロ2iは第一容器2aから外側に流れていく。これにより、第一容器2aの白濁排気ガスの取り入れ口側に、ミスト10が凝集したドレンの貯溜がなくなる。
【0041】
さらに、第一容器2aの白濁排気ガスの出口側の側壁内部には、常時エアーを通す第二流路2gが穿設され、白濁排気ガスの出口側の側壁の端に沿って穿設されたエアー放出口2hに連通し、白濁排気ガスの流れの下流方向にエアーを噴出させ、気化装置2を経てミスト10が気化した状態を維持した領域(気流)と、気化装置2を経ない白濁排気ガスとを分断、隔離して、散乱光検出域8にミスト10の混入を防ぎ、ミスト10の影響なく散乱光4bを検出するためのエアーカーテン2kを形成する。
【0042】
エアー放出口2hは、
図1(A)に示すように、第一容器2aの端に沿うUの字型で、端は第二容器2mまで到達し、通路2cを囲むように、複数の孔が点在しても、1つの開口が線条に穿設されていてもよい。即ち、エアーカーテン2kは、第二容器2mの上に隔離空間を形成するものである。
【0043】
エアーカーテン2kにより、白濁排気ガスの流れが低速であっても、散乱光検出域8に非測定対象の白濁排気ガスのミスト10、ミスト吸着ダスト10aが混入を防止し、ミスト10の影響を受けることなく、ダスト濃度に基づく、散乱光4bを検出することができる。
【0044】
なお、エアーカーテン2kを採用するまでに、散乱光検出域8を白濁排気ガスから分断、隔離するため、金属性の筒を気化装置2の下流に延設した上で、光学ユニット9でダスト濃度を試みたが、計測光4aがカバーに反射し、散乱光検出器5に乱反射として検出され、測定値が変動した。そこで、カバーに代えて、常時エアーを気化装置2から下流に向け流すことで、エアーカーテン2kを形成し、気化領域を白濁排気ガスから分断、隔離することに成功した。エアーカーテン2kであれば、白濁排気ガスの混入がなく、計測光4aの反射もなく、正確なダスト濃度を散乱光4bで検出することができる。
【0045】
内筒2bは、煙道6内で、他の白濁排気ガスと分離して測定対象白濁排気ガスを通す通路2cを備える金属製の筒で、第一容器2aの左右の開口に一致するように第一容器2aの内部に固定される。内筒2bの外周には、シースヒータ3cが巻き付けられている。内筒2b通路2c内で、ミスト10はシースヒータ3cの熱で気化される。気化したミスト10はダスト11から分離され、しばらくの間、ダスト11へのミスト10の再吸着は起こらない。
【0046】
気化装置2の白濁排気ガスの流れの直下流では、エアーカーテン2kの分断、隔離作用により非熱域の白濁排気ガスに含まれるミスト10の混入がなく、さらに気化ミストの凝集によるダスト11への再吸着はなく、ミスト10が気化して分離した状態のダスト11のみが存在する領域が維持される。
【0047】
シースヒータ3cは、内筒2bの外周に巻かれ、通電端子3dが第一容器2a(蓋2r)の外に位置する。シースヒータ3cの外側は、隔壁2sで覆われ、白濁排気ガスとの接触を防ぐとともに、熱効率を向上させる。シースヒータ3cの温度を測定、制御するため、内筒2bと隔壁2sとの間に、熱電対3eを配置する。
【0048】
間欠エアーブロ機構13は、エアー供給元(図示せず)と、前記エアー供給元と第一流路2dを連絡する配管13aと、配管13aに設けられた電磁バルブ13bとからなる。電磁バルブ13bは、タイマー或いは演算装置12の記録部に格納されたプログラムに従って演算装置のCPUで開閉制御される。例えば、電磁バルブ13bを、CPUの指令で、15分に1回開き、10秒間エアーブロ2iして、ミスト10の凝縮を吹き飛ばし又は乾燥させ、ダスト11の気化装置2の白濁排気ガスの取り込み口側部分への付着を防止する。
【0049】
エアーブロ2iは、ダスト検出値に影響を及ぼすため、CPUが、エアーブロ2iのタイミングに連動して、エアーブロ2i直前のダスト11の検出値を記録装置に記録し、表示部に、エアーブロ2i中の測定濃度として表示し、連続指示への影響を無くす。
【0050】
光学ユニット9は、第一容器2aの下流に位置する第二容器2mと、光照射器4と、散乱光検出器5と、エアーブロ機構14とからなる。
【0051】
第二容器2mは、内部に、光照射器4及び散乱光検出器5を収納し、白濁排気ガスの流れに対し、気化装置2の下流に位置する。ここでは、第一容器2aに接続して形成され、第一容器2aと共通の蓋2rで封止されている。光照射器4及び散乱光検出器5は、ブロック2nで第二容器2m内に固定される。第二容器2mとブロック2nとの間にはパッキン2pを介在させ、気密性を保つ。
【0052】
また、ブロック2nと、光照射器4及び散乱光検出器5の間には、エアーカーテン2k内に連通する第三流路2qが形成され、常時エアーが流れ、投光部及び受光部にミスト10の凝縮によるドレンの貯溜、ドレンへのダスト11が付着、蓄積を防止する。
【0053】
光照射器4は、白濁排気ガスの流れに対する気化装置2の下流のエアーカーテン2k内でダスト11のみが存在する領域の一部に(散乱光検出域8(
図1中交差エリア))に、ダスト濃度の測定の基礎となる散乱光4bを検出するための計測光4aを拡散光として照射する。その際、一定波長で同期検波した計測光4aを照射するとよい。
【0054】
散乱光検出器5は、計測光4aが気化装置2を経てミスト10が除去されたダスト11に反射することにより散乱した散乱光4bを検出する。
【0055】
なお、散乱光検出域8には、気化装置2を経ていない白濁排気ガス領域が隣接するが、エアーカーテン2kで遮断され混合されることがない上、一定波長で同期検波した計測光4aを照射すれば、散乱光検出域8のダスト11で散乱した散乱光4bと、気化装置2経ていない白濁排気ガス中のミスト10、ミスト吸着ダスト10aで散乱した散乱光とが、異なる波長の散乱光になるため散乱光検出器5により識別できる。
【0056】
また、気化装置2を経ていない、隣接又は混入した白濁排気ガスから、散乱光検出域8から発生する散乱光4bと同波長の散乱光が生成されたとしても極めて低量であること、さらに散乱光検出域8の光強度が極めて強いことから前記白濁排気ガスからの散乱光の光量は無視できる。
【0057】
エアーブロ機構14は、エアー供給元(図示せず)と、前記エアー供給元と第二流路2g及び第三流路2qを連絡する配管14aと、配管14aに設けられた電磁バルブ14bとからなる。エアー供給元は、エアータンク、或いは吸引ポンプなどである。第二流路2g及び第三流路2qには、常時エアーが流されるため、電磁バルブ14bは通常開放されている。メンテナンスなど必要なときに、励磁して電磁バルブ14bは閉められる。
【0058】
演算装置12は、散乱光4bがダスト濃度と比例関係にあることに基づいて、散乱光4bの光強度からダスト濃度を演算する装置である。例えば、予めダスト濃度と光量と比例関係の検量線を作成しておけば、検出した散乱光4bの光量に対するダスト濃度を前記検量線から求めることができる。なお、演算装置12と散乱光検出器5は一体としてもよい。ここでは、光ファイバー5aを介して、演算装置12が散乱光強度シグナルを受光する方式とした。