【文献】
「食品添加物基礎講座(その12)味に関わる食品添加物(2)」、アサマ化成株式会社、2010年6月25日、[2017年2月6日検索]、インターネット<URL: http://www.asama-chemical.co.jp/TENKAB/YUKAWA12.HTM>
【文献】
J. Appl. Glycosci. (2015) Vol.62, pp.7-13
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、難消化性グルカンを飲料に配合した際に、後に残るえぐ味が生じることが、本発明者らにより明らかになった。飲料にえぐ味が生じてしまうと、飲料自身の風味が変化してしまうため好ましくない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、飲料に難消化性グルカンを配合した際に生じるえぐ味が改善された飲料、当該飲料の製造方法及びえぐ味を改善する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、難消化性グルカンと、酸味料と、を含む飲料を提供する。本発明の飲料は、酸味料を含むことによって、飲料に難消化性グルカンを配合した際に生じるえぐ味が改善される。
【0008】
上記酸味料は、リン酸、乳酸、リンゴ酸及びクエン酸からなる群から選択される少なくとも一種であってもよく、リン酸、乳酸及びリンゴ酸からなる群から選択される少なくとも一種であってもよい。これらの酸味料であれば、飲料に難消化性グルカンを配合した際に生じるえぐ味を更に改善することができる。
【0009】
上記酸味料の含有量は、酸味度で10〜4000ppmであってもよい。酸味料の含有量が当該範囲にあるとき、飲料に難消化性グルカンを配合した際に生じるえぐ味を更に改善することができるとともに、舌触り及び喉越しといったスムース感も一層優れたものとなる。
【0010】
上記難消化性グルカンの含有量は、飲料100質量%あたり、0.1〜7質量%であってもよい。難消化性グルカンが当該範囲にあるとき、酸味料によって、飲料に難消化性グルカンを配合した際に生じるえぐ味を十分に改善することができる。
【0011】
上記飲料はノンアルコール飲料であってもよい。これにより、飲料の舌触り及び喉越しといったスムース感が一層優れたものとなる。
【0012】
上記飲料は、ミネラルを更に含んでもよく、ミネラルはカルシウムイオン又はナトリウムイオンであってもよい。本発明の飲料がミネラルを含むことによって、飲料のえぐ味の改善及び良好なスムース感は維持されるとともに、飲料の複雑味を増加させられる傾向にある。
【0013】
上記ミネラルの含有量は、飲料全体に対して、5〜1000ppmであってもよい。ミネラルの含有量が当該範囲にあるとき、飲料の複雑味が一層優れたものとなる。
【0014】
上記飲料は、ビールテイスト飲料であってもよい。
【0015】
本発明はまた、難消化性グルカンと、酸味料とを配合する配合工程を含む、飲料の製造方法を提供する。
【0016】
本発明はまた、難消化性グルカンを含む飲料のえぐ味を改善する方法であって、飲料に、難消化性グルカンと、酸味料と、を配合するステップを含む、方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、飲料に難消化性グルカンを配合した際に生じるえぐ味が改善された飲料、当該飲料の製造方法及びえぐ味を改善する方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0019】
(飲料)
本実施形態の飲料は、難消化性グルカンと、酸味料と、を含む。
【0020】
本明細書において、「難消化性グルカン」とは、澱粉分解物を主な原料として活性炭を触媒に糖を加熱重合させる方法によって得られる難消化性糖質を意味する。このようにして得られた「難消化性グルカン」は、α−1,6結合主体で、α結合とβ結合が混在した分子構造と推定される。本明細書における「難消化性グルカン」には、上記方法により得られるものと同等のものも含まれる。この際、原料には、グルコース以外の単糖又はこれらの単糖を含むオリゴ糖等が含まれていてもよい。このような難消化性グルカンとしては、例えば、フィットファイバー#80(登録商標、日本食品化工株式会社製)等が挙げられる。
【0021】
難消化性グルカンの含有量は、飲料100質量%あたり、0.1〜10質量%であってもよく、0.1〜7質量%であってもよく、0.1〜5質量%であってもよく、0.5〜3質量%であってもよく、1.0〜2質量%であってもよい。また、難消化性グルカンの含有量は、飲料100質量%あたり、0.1質量%以上であってもよく、0.5質量%以上であってもよく、1.0%質量%以上であってもよい。また、難消化性グルカンの含有量は、飲料100質量%あたり、10質量%以下でもよく、7質量%以下であってもよく、5質量%以下であってもよく、3質量%以下であってもよく、2質量%以下であってもよい。難消化性グルカンの含有量が上記範囲内であれば、酸味料によって、飲料のえぐ味を十分に改善することができる。本明細書において、「えぐ味」とは飲料を飲んだ際に後に残るえぐ味(収斂味)を指す。難消化性グルカンの含有量は、日本食品分析センター「栄養表示のための成分分析のポイント(2007年10月20日発行)」第76〜78頁に記載された方法に基づいて測定することができる。
【0022】
酸味料としては、例えば、リン酸、乳酸、DL−リンゴ酸、クエン酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウムが挙げられる。酸味料としては、中でも、リン酸、乳酸、リンゴ酸及びクエン酸からなる群から選択される少なくとも一種であってもよい。また、飲料のスムース感をより一層優れたものにする点から、酸味料は、乳酸又はリンゴ酸であってもよい。酸味料は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本明細書において、「スムース感」とは飲料を飲んだ際の舌触り、喉越し等を総合した感触を指す。
【0023】
これらの酸味料は、それぞれ酸味の特徴があるものの、その酸味度は相互に換算が可能であるとされている。一例を挙げて説明すると、例えば、クエン酸の酸味度を100とした場合における乳酸の酸味度は120、リンゴ酸の酸味度は125、酒石酸の酸味度は130、フマル酸の酸味度は180、コハク酸の酸味度は115、酢酸の酸味度は100、リン酸の酸味度は200であるとされている。本明細書において、「酸味度」とは、飲料中に含まれる酸の濃度(質量/体積%)を示す値を指す。
【0024】
酸味料の含有量は、酸味度で10〜4000ppmであってもよく、24〜3600ppmであってもよく、24〜2400ppmであってもよく、60〜1200ppmであってもよく、120〜1200ppmであってもよく、240〜800ppmであってもよく、360〜800ppmであってもよい。また、酸味料の含有量は、酸味度で10ppm以上であってもよく、24ppm以上であってもよく、60ppm以上であってもよく、120ppm以上であってもよく、240ppm以上であってもよく、360ppm以上であってもよい。また、酸味料の含有量は、酸味度で4000ppm以下であってもよく、3600ppm以下であってもよく、2400ppm以下であってもよく、1200ppm以下であってもよく、800ppm以下であってもよい。飲料が2種以上の酸味料を含む際には、それぞれの酸味料について、酸味度を算出し、その総和が上記範囲であればよい。酸味料の含有量が上記範囲内であれば、飲料のえぐ味を更に改善することができ、また、飲料のスムース感を一層優れたものにすることができる。
【0025】
酸味料の含有量は、以下の手法により測定することができる。酸味料として有機酸を用いた際には、例えば、分析カラムとしてShodex RSpak KC−811を用いたHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で測定することができる。酸味料として無機酸を用いた際には、例えば、イオンクロマトグラフィーによる陰イオン分析で測定することができる。
【0026】
本実施形態の飲料は、蒸留アルコールを含んでもよい。蒸留アルコールとしては、焼酎、ブランデー、ウォッカ、ウイスキー等の各種スピリッツ、原料用アルコール等が挙げられる。蒸留アルコールは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本明細書において「スピリッツ」とは、蒸留酒であるスピリッツを指し、酒税法上のスピリッツとは異なる場合もある。
【0027】
蒸留アルコールの含有量は、アルコール度数(体積/体積%)で60%以下であってもよく、10%以下であってもよく、5%以下であってもよく、3%以下であってもよい。アルコール度数が少ないほど、本実施形態の飲料のスムース感に優れることから、本実施形態の飲料はノンアルコール飲料であってもよい。本明細書において、「ノンアルコール飲料」とは、アルコール度数で1%未満のものを指し、アルコール度数が0.00%のものも含まれる。
【0028】
本実施形態の飲料は、ミネラルを含んでもよい。ミネラルとしては、例えば、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン等が挙げられる。本実施形態の飲料がミネラルを含むことで、飲料の複雑味が増加する傾向にある。ミネラルは、飲料の複雑味がより一層優れたものとなる点から、カルシウムイオン又はナトリウムイオンであってもよく、カルシウムイオンであってもよい。ミネラルは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。飲料中にミネラルを含有させるには、これらの塩類を用いればよく、例えば、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム等が挙げられる。本明細書において、「複雑味」とは様々な味が重なって相乗的にかもし出される味を指す。
【0029】
ミネラルの含有量は、飲料全体に対して、5〜1000ppmであってもよく、10〜500ppmであってもよく、10〜300ppmであってもよく、10〜100ppmであってもよく、20〜60ppmであってもよい。また、ミネラルの含有量は、飲料全体に対して、5ppm以上であってもよく、10ppm以上であってもよく、20ppm以上であってもよい。また、ミネラルの含有量は、飲料全体に対して、1000ppm以下であってもよく、500ppm以下であってもよく、300ppm以下であってもよく100ppm以下であってもよく、60ppm以下であってもよい。ミネラルの含有量は、上記ミネラルのイオン濃度である。上記含有量は質量%で言い換えることもできる。例えば、ミネラルの含有量が飲料全体に対して、5〜1000ppmの場合、飲料100質量%あたり、0.0005質量%〜0.1質量%となる。ミネラルの含有量が上記範囲内であれば、飲料のえぐ味の改善及び良好なスムース感を維持しつつ、飲料の複雑味を一層優れたものにすることができる。
【0030】
本実施形態の飲料においては、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、苦味料、塩類等(以下、これらを単に添加剤ということがある。)を配合することもできる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素を用いることができる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲン、デンプンを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、アセスルファムK、スクラロース、アスパルテームを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールを用いることができる。また、苦味料としては、例えば、イソ−α酸、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップを用いることができる。塩類としては、例えば、上記ミネラル以外の塩類を用いることができる。
【0031】
本実施形態の飲料においては、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で、レモン、梅等の各種果汁及び各種果汁フレーバーを配合することもできる。各種果汁は、例えば、ストレート果汁、濃縮果汁、濃縮還元果汁、果汁エキス等、といった従来公知の形態で配合すればよい。
【0032】
本実施形態の飲料においては、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で、麦汁を配合して、ビールテイスト飲料としてもよい。麦汁は、各種麦芽又は各種麦芽エキスを水と混合することにより調製すればよい。また、麦芽以外の原料として、大麦及び/又は小麦等(例えば、大麦、小麦、豆類、米類、いも類、とうもろこし及びその他の穀物からなる群より選択される1種以上)を使用することもできる。本明細書において、「ビールテイスト飲料」とは、ビール様(風)飲料とも称され、ビールのような味わいを奏する、つまり、ビールを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料をいう。ビールテイスト飲料には、アルコール度数が1%未満であるもの(これにはアルコール度数0.00%のものも含まれる。)と、アルコール度数が1%以上のものと、がある。
【0033】
本実施形態の飲料は、非発泡性であってもよいし、発泡性であってもよい。ここで、本実施形態における非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm
2)未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm
2)以上であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.235MPa(2.4kg/cm
2)程度としてもよい。これよりもガス圧が高くなると炭酸の刺激が強くなり過ぎてしまう傾向にある。
【0034】
本実施形態の飲料は、特に限定されるものではなく、例えば、炭酸飲料を含む清涼飲料水、果実又は野菜汁入り飲料、アルコール飲料、ノンアルコール飲料が挙げられる。
【0035】
アルコール飲料は、本実施形態の飲料に蒸留アルコールを添加したものであってもよく、発酵工程を介してアルコールを含むものとなったものであってもよい。
【0036】
本実施形態の飲料は容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器であってもよい。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等であってもよい。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器であってもよい。
【0037】
本実施形態の飲料は、難消化性グルカン及び酸味料を含んでいるため、難消化性グルカンを飲料に配合した際に生じるえぐ味が改善されている。そのため、本実施形態の飲料は、えぐ味がなく、味に厚みのある飲料となる。
【0038】
(飲料の製造方法)
本実施形態の飲料の製造方法は、難消化性グルカンと、酸味料とを配合する配合工程を含む。配合工程で配合する難消化性グルカン及び酸味料の量は、適宜設定することができ、例えば、上記記載の範囲になるように配合してもよい。
【0039】
配合工程は、飲料の製造工程中のいずれかの段階で行えばよい。例えば、飲料の原料を混合する混合タンクに配合することができる。当該混合タンクには、難消化性グルカン及び酸味料の配合前、配合と同時及び配合後のいずれかのタイミングで、所定量の水、アルコール、ミネラル、各種添加剤等を配合することができる。これらの配合の有無及び配合量は、適宜設定することができる。
【0040】
以下、飲料の製造方法の一例を説明する。製造方法は、水、蒸留アルコール、ミネラル、各種添加剤、果汁等が投入された混合タンクに、難消化性グルカンと、酸味料とを好適な量で配合する配合工程と、配合工程において各成分が混合した混合液をろ過するろ過工程と、ろ過工程でろ過したろ過液を殺菌する第一の殺菌工程と、第一の殺菌工程で殺菌した殺菌済みのろ過液をビン、缶、ペットボトル等の容器に充填する充填工程と、充填工程で容器に充填されたろ過液を容器ごと殺菌する第二の殺菌工程と、を含む。
【0041】
配合工程は、各成分がよく混ざるよう、撹拌機等により撹拌しながら混合してもよい。また、ろ過工程は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。第一の殺菌工程は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行ってもよく、同様の処理を行うことができるのであれば、これに限定されることなく適用可能である。充填工程は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填してもよい。第二の殺菌工程は、所定の温度及び所定の時間でろ過液を容器ごと加熱することにより行うことができる。第一殺菌工程及び第二の殺菌工程を行わない無殺菌充填を行うことも可能である。また、発泡性の飲料とする場合は、例えば、第一の殺菌工程と充填工程の間でカーボネーションを行うとよい。
【0042】
(難消化性グルカンを含む飲料のえぐ味を改善する方法)
本実施形態の方法は、難消化性グルカンを含む飲料のえぐ味を改善する方法であって、飲料に、難消化性グルカンと、酸味料と、を配合することを含む。本実施形態の方法は、難消化性グルカンを含む飲料のえぐ味を改善する方法であって、難消化性グルカンと、酸味料と、を含む飲料を調製することを含む方法と、捉えることもできる。
【0043】
本実施形態の方法において、飲料に対して、難消化性グルカン及び酸味料を配合する順番は適宜設定することができ、難消化性グルカン又は酸味料を配合した後、もう一方の成分を加えてもよく、難消化性グルカン及び酸味料を同時に配合してもよい。
【0044】
本実施形態の方法によれば、飲料に難消化性グルカン及び酸味料を配合することにより、難消化性グルカンを飲料に配合した際に生じるえぐ味を改善することができる。そのため、本実施形態の方法を用いて調製された飲料は、えぐ味がなく、味に厚みのある飲料となる。
【実施例】
【0045】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0046】
以下の参考例及び実施例において、えぐ味、スムース感、複雑味の評価は、熟練した4名のパネルにより5段階で評価した。評価結果は、各パネルによる評価の平均値を示す。
えぐ味とは、飲料を飲んだ際に後に残るえぐ味(収斂味)を指す。えぐ味の評価は、1が最もえぐ味が少なく、5が最もえぐ味を感じるものとした。
スムース感とは、飲料を飲んだ際の舌触り、喉越し等を総合した感触を指す。スムース感の評価は、1が最もスムース感が少なく、5が最もスムース感を感じるものとした。
複雑味とは、様々な味が重なって相乗的にかもし出される味を指す。複雑味の評価は、1が最も複雑味が少なく、5が最も複雑味を感じるものとした。
【0047】
[参考例:難消化性グルカンにより生じるえぐ味評価]
炭酸水に対し、難消化性グルカン(フィットファイバー#80、日本食品化工株式会社製)を表1に示す濃度となるように配合し、飲料サンプル1〜5を調製した。これらの飲料サンプルについて、えぐ味を評価した結果を表1に示す。飲料サンプル1〜5において、難消化性グルカンの含有量が多いほど、えぐ味が感じられた。
【0048】
【表1】
【0049】
[実施例1:乳酸配合によるえぐ味及びスムース感の評価(1)]
炭酸水に対し、難消化性グルカンを1.5質量%、及び乳酸を表2に示す含有量となるように配合し、飲料サンプル6〜11を調製した。乳酸のppmは酸味度である。これらの飲料サンプルについて、えぐ味及びスムース感を評価した結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
乳酸を配合していない飲料サンプル4と比べて、乳酸を配合した飲料サンプル6〜11は、えぐ味が改善されるだけでなく、スムース感にも優れるものだった。このことから、飲料に乳酸を配合することで、飲料に難消化性グルカンを配合したとき生じるえぐ味を改善することができ、更に飲料のスムース感を良好にできることが示された。なお、難消化性グルカンの代わりに難消化性デキストリンを含む飲料サンプルを調製した際には、えぐ味はあまり感じられなかった。また、難消化性デキストリンを含む飲料サンプルに乳酸を200ppmとなるように配合したとしても味の変化は感じられなかった。
【0052】
[実施例2:乳酸配合によるえぐ味及びスムース感の評価(2)]
炭酸水に対し、乳酸を酸味度で200ppm、及び難消化性グルカンを表3に示す濃度となるように配合し、飲料サンプル12〜14を調製した。これらの飲料サンプルについて、えぐ味及びスムース感を評価した結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】
表3から、飲料サンプル中の難消化性グルカンの含有量を増加させたとしても、乳酸を配合することにより、十分にえぐ味を改善できることが示された。
【0055】
[実施例3:各種酸味料の検討]
炭酸水に対し、難消化性グルカンを1.5質量%、及び各種酸味料(リン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸)を同じ酸味度となる量で配合し、飲料サンプル15〜17を調製した。これらの飲料サンプルについて、えぐ味及びスムース感を評価した結果を表4に示す。
【0056】
【表4】
【0057】
表4から、酸味料として乳酸だけでなく、リン酸、リンゴ酸及びクエン酸を用いた場合であっても、えぐ味を改善することができ、更に飲料のスムース感を良好にできることが示された。また、酸味料として、乳酸、リン酸及びリンゴ酸を用いた際に、よりえぐ味を改善し、スムース感を良好にできた。
【0058】
[実施例4:アルコール配合によるえぐ味及びスムース感の評価]
難消化性グルカンを1.5質量%、及び蒸留アルコールをアルコール度数が3%又は5%となるように配合して、麦芽使用比率25%以下の発泡性飲料を調製し、飲料サンプル18及び19とした。これらの飲料サンプルについて、えぐ味及びスムース感を評価した結果を表5に示す。
【0059】
【表5】
【0060】
表5から、アルコールを含んでいる飲料サンプル18及び19であっても、乳酸を含まない飲料サンプル4に比べ、えぐ味を改善することができ、飲料のスムース感を良好にできることが示された。表5から、アルコールの有無はえぐ味改善効果に影響を与えないが、スムース感はアルコールを含まない方が良好であることが示された。
【0061】
[実施例5:ミネラル配合によるえぐ味、スムース感及び複雑味の評価]
炭酸水に対し、乳酸を酸味度で200ppm、難消化性グルカンを1.5質量%、及び塩化カルシウムを表6に示すカルシウムイオン濃度となるように配合し、飲料サンプル20〜25を調製した。これらの飲料サンプルについて、えぐ味、スムース感及び複雑味を評価した結果を表6に示す。
【0062】
【表6】
【0063】
表6から、乳酸及び難消化性グルカンを含む飲料に対し、ミネラルとしてカルシウムイオンを配合すると、ミネラルを含まない飲料サンプル8に比べ、えぐ味の改善効果及び良好なスムース感は維持される一方で、飲料の複雑味が増加することが示された。
【0064】
[実施例6:ミネラルの検討]
炭酸水に対し、乳酸を酸味度で200ppm、難消化性グルカンを1.5質量%、塩化ナトリウムをナトリウムイオン濃度で50ppmとなるように配合し、飲料サンプル26を調製した。この飲料サンプルについて、えぐ味、スムース感及び複雑味を評価した結果を表7に示す。
【0065】
【表7】
【0066】
表7から、ミネラルとしてナトリウムイオンを配合すると、ミネラルを含まない飲料サンプル8に比べ、えぐ味の改善効果及び良好なスムース感は維持される一方で、複雑味が増すことが示された。また、飲料サンプル23及び26を比較すると、カルシウムイオンを配合した際に、飲料の複雑味がより増加することが示された。