【文献】
Qualcomm Incorporated,Multi-carrier operation for LAA[online],3GPP TSG-RAN WG1#82 R1-153875,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_82/Docs/R1-153875.zip>,2015年 8月15日
【文献】
Intel Corporation,On the dynamic power sharing among multiple LAA SCells for DL-only transmission[online],3GPP TSG-RAN WG1#82 R1-154087,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_82/Docs/R1-154087.zip>,2015年 8月15日
【文献】
Samsung,CCA threshold and transmission power for LAA[online],3GPP TSG-RAN WG1#82 R1-154139,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_82/Docs/R1-154139.zip>,2015年 8月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記RRM測定のための信号は、ディスカバリ参照信号(DRS)、同期信号(PSS/SSS)、セル固有参照信号(CRS)、及び、チャネル状態情報参照信号(CSI−RS)の内、少なくともDRSを含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の無線基地局。
リスニングを適用する複数のコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)を用いてユーザ端末と通信する無線基地局の無線通信方法であって、
各CCのリスニング結果に基づいて各CCのDL信号の送信を制御する工程と、
各CCにおいてDL信号を送信する工程と、を有し、
前記制御する工程は、リスニング後の各サブフレームで、送信を行うCC数に基づいて電力の割当てを制御し、前記電力の割当てに基づく、RRM(Radio Resource Management)測定のための信号の電力情報を上位レイヤでシグナリングし、前記電力の割当てに基づく、データ信号の電力情報をL1レイヤでシグナリングすることを特徴とする無線通信方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
アンライセンスバンドでは、他事業者のLTE、Wi−Fi(登録商標)またはその他のシステムと共存するため、干渉制御機能が必要とされる。同一周波数での干渉制御機能として、Wi−Fiでは、CCA(Clear Channel Assessment)に基づくLBT(Listen Before Talk)と呼ばれる機能が実装されている。日本や欧州などにおいてはLBT機能が5GHz帯アンライセンスバンドで運用されるWi−Fiなどのシステムにおいて必須と規定されている。
【0013】
このため、アンライセンスバンドでLTE/LTE−Aを運用するシステム(例えば、LAAシステム)においても、信号の送信前にリスニングを適用することにより同一周波数内における干渉制御を行うことが検討されている。リスニングが設定されるキャリアでは、複数のシステムにおける無線基地局やユーザ端末が、同一周波数帯域を共有利用することが想定される。
【0014】
リスニングの適用により、LAAとWi−Fiとの間の干渉、LAAシステム間の干渉などを回避することができる。また、LAAシステムを運用するオペレータ毎に、接続可能なユーザ端末の制御を独立して行う場合であっても、リスニングによりそれぞれの制御内容を把握することなく干渉を低減することができる。
【0015】
ここで、リスニングとは、ある送信ポイント(例えば、無線基地局、ユーザ端末など)が信号の送信を行う前に、他の送信ポイントなどから所定レベル(例えば、所定電力)を超える信号が送信されているか否かを検出/測定する動作を指す。また、無線基地局及び/又はユーザ端末が行うリスニングは、LBT、CCA、キャリアセンスなどとも呼ばれる。このようなリスニングは、使用する周波数帯域に設定可能なCCごとに行うことができる。
【0016】
例えば、LTEシステムでLBTを適用する場合、送信ポイント(LTE−U基地局及び/又はユーザ端末)は、アンライセンスバンドにおいてUL(Uplink)信号及び/又はDL(DownLink)信号を送信する前にリスニング(LBT、CCA)を行う。そして、他システム(例えば、Wi−Fi)や別のLAAの送信ポイントからの信号を検出しなかった場合、アンライセンスバンドで通信を実施する構成とすることができる。
【0017】
送信ポイントは、LBTで測定した受信電力が所定の閾値以下である場合は、チャネルは空き状態(LBT−idle)であると判断し送信を行う。「チャネルが空き状態である」とは、言い換えると、特定のシステムによってチャネルが占有されていないことをいい、チャネルがアイドルである、チャネルがクリアである、チャネルがフリーである、などともいう。
【0018】
一方で、送信ポイントは、LBTで測定した受信電力が所定の閾値を超える場合、チャネルはビジー状態(LBT−busy)であると判断し、送信を制限する。例えば、リスニングの結果、LBT−busyであると判断した場合には、(1)DFS(Dynamic Frequency Selection)により別キャリアに遷移する、(2)送信電力制御(TPC)を行う、(3)送信を行わない(送信停止、又は待機)、などの処理が実施される。LBT−busyの場合、当該チャネルは、改めてLBTを行いチャネルが空き状態であることが確認できた後に初めて利用可能となる。なお、LBTによるチャネルの空き状態/ビジー状態の判定方法は、これに限られない。
【0019】
例えば、アンライセンスバンドのキャリア(周波数と称してもよい)を用いて通信を行うユーザ端末が、当該アンライセンスバンドのキャリアで通信を行っている他のエンティティ(他のユーザ端末等)を検出した場合、当該キャリアでの送信が禁止される場合を想定する。この場合、当該ユーザ端末は、送信タイミングよりも所定期間前のタイミングでLBTを実行する。LBTを実行するユーザ端末は、送信タイミングよりも所定期間前のタイミングで対象となるキャリアの帯域全体をサーチし、他の装置(無線基地局、LAA−UE、Wi−Fi装置等)が当該キャリアの帯域において通信しているか否かを確認する。通信していないことが確認された場合に限って、当該キャリアを用いて送信を行う。
【0020】
他方、一部の帯域でも他の装置が使用中であることを検出した場合、すなわち、他の装置からの当該帯域に係る信号の受信電力がしきい値を超過していることを検出した場合、当該ユーザ端末は自らの送信を中止する。ここで、LBT期間中の受信信号電力が所定のしきい値より高い場合、チャネルはビジー状態(LBT−busy)とみなされる。LBT期間中の受信信号電力が所定のしきい値より低い場合、チャネルはアイドル状態(LBT−idle)とみなされる。
【0021】
図1は、LBTにおける無線フレーム構成の一例を示す図である。
図1Aは、FBEの無線フレーム構成の一例を示している。FBEの場合、LBT時間(LBT duration)及びLBT周期は固定であり、所定のシンボル数(例えば、1〜3シンボル)及び周期(例えば、1ms毎)でLBTが行われる。一方、
図1Bは、LBEの無線フレーム構成の一例を示している。LBEの場合、LBT時間は固定されない。例えば、所定の条件を満たすまでLBTシンボルが継続されてもよい。具体的には、LBT−idleが観測されるまで、無線基地局はLBTを継続して実施してもよい。
【0022】
無線基地局が実施するDL送信用のリスニング(DL−LBT)結果がLBT−idleである場合、無線基地局に対して所定期間の間はLBTを省略した信号送信を許容することができる(
図2参照)。
図2は、DL−LBT後の送信に設定されるバースト期間の一例を示す図である。リスニングを適用するセルにおいて、リスニング後(LBT−idleの場合)にLBTを実施せずに送信できる期間を、バースト期間(バースト送信期間、バースト長、最大バースト長、最大許容バースト長、Maximum burst length)とも呼ぶ。また、このようなバースト期間のデータ送信をバースト送信ともいう。このため、バースト送信とは、1回のリスニングの許容結果に応じて送信する、時間的に連続した送信のかたまりであるといえる。
【0023】
また、無線基地局は、DL送信用のリスニング結果がLBT−idleである場合、アンライセンスバンドにおける送信に用いるCCの数を決定する。バースト期間中、決定されたCC数でデータの送信が行われる。
【0024】
ところで、Rel.13 LTEにおいては、LAAにおけるチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)測定(Measurement)及び報告(Reporting)の方法が検討されている。チャネル状態情報の測定及び報告においては、ユーザ端末(UE)は、無線基地局(eNB)から送信される、チャネル状態情報(測定用)参照信号(例えば、CSI−RS:Channel State Information-Reference Signal、CRS(Cell specific Reference Signal)等)を測定することにより、無線基地局からユーザ端末に向かって送信される信号の経路上のチャネル状態を測定する。また、ユーザ端末は、測定したチャネル状態情報参照信号に基づくチャネル状態測定結果を無線基地局に報告する。具体的には、無線基地局から送信されたチャネル状態情報測定用参照信号をユーザ端末が受信し、ユーザ端末は、無線基地局から指定された周期的(Periodic)または非周期的(Aperiodic)な報告によりチャネル状態情報(CSI)を無線基地局に通知する。これにより、無線基地局は、無線基地局とユーザ端末との間の経路上のチャネル状態情報を取得することが可能となる。無線基地局は、取得したチャネル状態情報に基づいて、ユーザ端末に対して送信する下りリンクデータ(DLデータ)の送信を制御する。
【0025】
Rel.13 LTEにおいてLAAセルは、セカンダリーセル(SCell:Secondary Cell)として用いられることが想定される。ここで、SCellを適用したLAAセルにおけるCSI測定では、無線基地局はCSI測定用の参照信号(例えばCSI−RS)をLBTに基づいてユーザ端末に送信する。つまり、無線基地局は、LBTを行った後でなければCSI測定用の参照信号を送信できない。また、ユーザ端末からの非周期CSI(Aperiodic CSI)の報告では、ライセンスキャリア又はLAAを適用したSCell(LAA SCell)が用いられる。
【0026】
リスニングを適用するセルにおけるCSI測定用のRSの送信方法として、他のデータの送信にCSI測定用のRSを含めて送信することが考えられる。例えば、(A)DLデータ(例えば、PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)にCSI−RSを多重したバースト送信(Data burst including RS for CSI measurement)を用いること、(B)DL DRS(Discovery Reference Signal)にCSI−RSを多重したバースト送信(DL DRS burst including RS for CSI measurement)を用いること等が考えられる。
【0027】
図3には、LBTを適用したCSI測定用RSの送信方法の一例が示される。
図3には、無線基地局からユーザ端末に対して送信される信号が、時系列順に記載されている。以下に示す図中のA、Bは上述したCSI−RSの送信方法(A)、(B)と対応する。また、DMTCは、Discovery用のMTC(Measurement Timing Configuration)を示し、DMTCで指定される範囲内で、無線基地局からCSI測定用のRSを含むDL DRSが送信され、ユーザ端末は、当該範囲内でCSI測定用のRSを含むDL DRSを受信する。また、ユーザ端末は、無線基地局により設定された情報等に基づいてCSIの測定を行い、無線基地局からの指示に基づいて、周期的又は非周期的な報告を行っている。
【0028】
無線基地局は、上述した(A)により、DLデータに含まれるCSI測定用のRSをユーザ端末に送信し、ユーザ端末から送信されるCSIによりチャネル状態を推定することができる。また、無線基地局は、(B)により、DL DRSに含まれるCSI測定用のRSをユーザ端末に送信し、ユーザ端末から送信されるCSIによりチャネル状態を推定することもできる。
【0029】
なお、LAAにおけるRRM測定のための信号は、検出測定信号、ディスカバリ参照信号(DRS:Discovery Reference Signal)、ディスカバリ信号(DS:Discovery Signal)、LAA DRS、LAA DSなどと呼ばれてもよい。また、アンライセンスバンドのSCellは、例えばLAA SCellと呼ばれてもよい。DRSは、Rel.12 DRSと同様に、既存システム(例えば、LTE Rel.10−12)における同期信号(PSS(Primary Synchronization Signal)/SSS(Secondary Synchronization Signal))とCRS(Cell-specific Reference Signal)との組み合わせ、又は既存システムにおける同期信号(PSS/SSS)とCRSとCSI−RS(Channel State Information Reference Signal)との組み合わせなどで構成することが考えられる。
【0030】
一方、上述のように、アンライセンスバンドを用いて複数のCCを一体としたCAが実施される場合、送信に用いられるコンポーネントキャリアの数にかかわらず、全アンライセンスバンドの最大送信電力が規定されている。このため、アンライセンスバンドで使用されるCCの各電力を一定にすること、例えば、アンライセンスバンドで使用可能な最大CC数で、上記最大送信電力(最大電力リソース)を割った電力を、1CCあたりの送信電力(電力リソース)として定めることが考えられる。ただし、このような手法では、上記リスニングの結果、バースト送信に使用されるCC数がアンライセンスバンドで使用可能な最大CC数よりも少ない場合、使用されない電力リソースが発生する。
【0031】
このため、各バースト送信で、最大送信電力を送信に使用されるCC全てに割り当てる(分配する)ような、動的な電力割り当て(dynamic maximum power allocation)が考えられる。このような手法は、言い換えると、各バースト送信で、CCに割り当てられる送信電力を変更するものであるとも言える。ただし、このような手法を実現する場合には、各CCの送信電力の変動(Power Fluctuation)に注意する必要がある。例えば、下りリンクの参照信号として、CRS、CSI−RS、DL DRS、復調用に利用されるユーザ固有参照信号(DM−RS:Demodulation Reference Signal)などが含まれ、このような参照信号は、Radio Resource Management測定(RRM測定)、CSI測定、復調処理などに使用される。上記手法において、異なるバースト期間でCCの送信電力が変動する場合、CCで送信される参照信号にもその変動が反映されるため、RRM測定結果、CSI測定結果、復調処理に好ましくない影響を与えることが考えられる。
【0032】
例えば、ユーザ端末に対するセルカバレッジの観点から考えると、ユーザ端末におけるRRM測定結果の変動は、ユーザ端末が自身がどのカバレッジ内に位置しているのか正確に読み取れないことを引き起こす。
図4は、CCの送信電力の変動ごとにユーザ端末UEが検出するセルカバレッジ内の位置を示している。ユーザ端末UEは、最初はセルカバレッジC2内に自身が位置していると判断したものの、CCの送信電力の変動後、自信がセルカバレッジC1内に位置していると判断する。さらに、次のCCの送信電力の変動後、セルカバレッジC3内に位置していると判断する。ユーザ端末UEは、自身の位置するセルカバレッジが変更する度に、接続先の変更を要求するリクエストを発行したり、イベントの報告を行うことになる。また、ユーザ端末UEでは適切な復調処理を行うことができなかったり、接続先の無線基地局では下りリンク信号の送信に適用するリンクアダプテーションをより適切なものにすることができない可能性が考えられる。
【0033】
そこで、本願発明者らは、所定の信号(例えば、少なくとも、RRM測定にかかわるDRS)については一定の送信電力を割り当てる一方で、他の信号については異なる電力割り当てを行うことを見出した。一定の送信電力が割り当てられる参照信号としては、RRM測定/CSI測定に用いられる参照信号(DRS、PSS/SSS,CRS/CSI−RS)を対象としてもよく、RRM測定に用いられるDRSのみを対象としてもよい。このような所定の参照信号以外の信号に対しては、動的な電力割り当て(Dynamic Power Allocation)を適用する。また、このような手法の実現にあたって、L1シグナリングやUEの測定動作(CSI測定)について新たなアプローチが提供される。無線基地局においては、リンクアダプテーションに先立って、CSIの再計算処理が提供される。
【0034】
これにより、アンライセンスバンドにおけるCCに動的な送信電力の割り当てが可能になるとともに、測定処理や復調処理が適切に実行されるため、LAAの無線基地局がアンライセンスバンドの複数のコンポーネントキャリアを用いて送信を行う場合、予め定められた送信電力を効率的に運用することができる。
【0035】
以下に、本実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態では、リスニングが設定されるキャリアをアンライセンスバンドとして説明するが、これに限られない。本実施の形態は、リスニングが設定される周波数キャリア(又は、セル)であれば、ライセンスバンド又はアンライセンスバンドに関わらず適用することができる。
【0036】
また、以下の説明では、無線基地局のDL送信のリスニングを例に挙げて説明するが、これに限らない。本実施の形態は、リスニングを適用する送信ポイント(例えば、ユーザ端末)であれば適用することができる。例えば、以下の説明における無線基地局をユーザ端末に置き換えることができる。また、以下の説明では、LTE/LTE−Aシステムにおいてリスニングを適用する場合について説明するが、本実施の形態はこれに限られない。信号送信前にリスニングを適用し、リスニング結果にしたがって信号を送信する場合であれば適用可能である。
【0037】
また、ユーザ端末が無線基地局に対する報告は、Aperiodic reportingであってもよいし、Periodic reportingであってもよい。また、無線基地局からの指示に基づいてユーザ端末から無線基地局に対してチャネル状態を報告するようにしてもよい。
【0038】
(第1の態様)
次に、本実施の形態に係る第1の態様を説明する。この態様では、RRM測定/CSI測定用の参照信号の電力が準静的に固定されるとともに、PDSCHを介して送られるデータ信号の電力が動的に変更される。
【0039】
RRM測定/CSI測定用の参照信号を所定信号として、この所定信号の送信電力を準静的に固定(semi-statically fixed)する。具体的には、アンライセンスバンドで使用されるCCごとに、RRM測定/CSI測定用の参照信号に割り当てられる(分配される)電力が定められている。このため、アンライセンスバンドで使用されるCCの数によって、各CCにおける参照信号の電力が変動することが防止される。なお、このような参照信号としては、DRSと、DRSに含まれない参照信号(PSS/SSS、CRS、CSI−RS)とが該当する。参照信号の電力は、無線基地局よりからユーザ端末に対して、例えば、上位レイヤシグナリングで通知することができる。各CCの参照信号の電力は、等しくなるように設定しても、異なるように設定してもよい。
【0040】
一方、データの送信に関連する信号に割り当てられる(分配される)電力は、使用されるCCの数にしたがって、バースト送信間で動的に変更することができる。例えば、PDSCH、(E)PDCCH、DMRSを割り当て対象の信号とすることができる。リスニングにより使用されるCC数が確定した後、上述のように使用されるCCの参照信号の電力が割り当てられる。アンライセンスバンドで規定された最大電力から、参照信号に割り当てられた電力を差し引いた残りの電力が、データの送信に割り当てられる(分配される)。
【0041】
ここで、
図5、
図6を参照して具体的な電力割り当てについて説明する。
図5は、バースト送信に使用されるCCにおいて、参照信号とデータ信号とがいずれもCCの間で均等に電力が割り当てられる場合を説明するための図であり、
図6は、参照信号とデータ信号に割り当てられる電力が、CC間で異なる場合(特定のCCについて、多くの電力を割り当てる場合)を説明するための図である。
【0042】
図5において、左側のブロックは、予めアンライセンスバンドに割り当てられた(規定された)電力(最大送信電力)を示している(例えば、1サブフレーム分)。リスニングによって、アンライセンスバンドで使用可能な最大CC数(N)が決定された場合、
図5の中心部に示されるように、CC1−CCNのN個のCCでバースト送信が行われる(1サブフレーム)。その際、各CCの参照信号には、予め定められた電力が割り当てられている(ハッチング部)。また、CC間で、参照信号に割り当てられる電力は等しく設定されている。
【0043】
この後、リスニングによってCC数が2(CC1とCC2)に決定された場合、
図5の右側のブロック(1サブフレーム)に示されるように、N個のCCによるバースト送信時に各CCの参照信号に割り当てられた電力と同じ電力がCC1とCC2の参照信号に割り当てられる(ハッチング部)。さらにアンライセンスバンドに予め割り当てられた最大送信電力から、CC1とCC2の参照信号に割り当てられた電力を差し引いた残りの電力が、CC1とCC2とのデータ信号に割り当てられる。なお、
図5に示される例では、CC1とCC2とのデータ信号に割り当てられる電力は等しく設定(決定)されている。このような電力割り当てにしたがって、無線基地局からユーザ端末に向かってバースト送信が行われる。
【0044】
図5においては、各CCにおける参照信号の電力割り当てや、データ信号に対する電力割り当てが等しくなるように設定されている。しかしながら、例えば、複数のCC間で、これらの割り当てが異なるように設定してもよい。具体的には、
図6に示されるように、特定のCC(CC2)についてのみ、他のCCに比べて多く電力を割り当てるように設定してもよい。このような割り当ては、CC2で重要なデータを送信する場合などに適用することが考えられる。なお、
図5、
図6は、データ送信を想定した電力割り当て(電力配分)を示しているため、ハッチング部はDRSに含まれない参照信号を示している。DRSが周期的なタイミングで送信され、データと多重される場合には、DRSについてあらかじめ決められた送信電力(所定の電力)が確保された後、総送信電力からのこの送信電力を差し引いた残りの送信電力が、DRSに含まれない参照信号と、データ信号とに割り当てられる(配分される)。
【0045】
<L1シグナリング>
次に、この第1の態様におけるL1シグナリングについて説明する。上述したように、第1の態様では、データ信号の電力が動的に変更される(バースト送信ごとに変更される可能性がある)。ユーザ端末では、DL信号の復調処理を行うにあたって、変更されたデータ信号の電力を知る必要がある。例えば、CRSベースのPDSCHの復調処理が行われる場合(16QAMや64QAMなどの変調方式で変調された信号を復調する場合)、各シンボルを識別・復号するための増幅情報(Amplitude information)がユーザ端末で必要となる。したがって、このような情報をデータ信号の電力割り当ての変更に応じて、ユーザ端末に即座に通知する必要がある。
【0046】
ユーザ端末には、パワーオフセット(CRSとPDSCHとの電力の差)がL1シグナリングで通知されてもよい。例えば、CRSがマッピングされないシンボルのPDSCHとCRSの電力比であるP
AとCRSがマッピングされるシンボルのPDSCHとCRSの電力比であるP
Bとの少なくとも一方をユーザ端末に通知してもよい。また、L1シグナリングは、Pcell(DCI)で行われても、Scell(DCI又はInitial Signaling)で行われてもよい。
【0047】
<CSI測定>
次に、この第1の態様におけるCSI測定について説明する。上述のように、第1の態様では、DRSに割り当てられる電力が固定されるため、DRSに基づいたRRM測定に変動は起こらない。同様に、CRS/CSI−RSに割り当てられる電力も固定されるため、CSIのチャネル部については変動が起こらない。ただし、データ信号の実際の送信電力が反映されていないため、無線基地局において、リンクアダプテーションをより適切なものにできない可能性がある。このため、無線基地局では、データ信号の送信電力に基づいて、チャネル部に対するCSIを調整又は再計算する。
【0048】
また、この第1の態様の電力割り当ては、ユーザ端末のアクセスする無線基地局だけではなく、周辺セルを構成する無線基地局にも適用されることが考えられる。この場合、周辺セルにおいても、バースト送信ごとに使用されるCC数が変わり、CCごとに割り当てられる電力が変更されるため、周辺セルからの干渉も変化することが考えられる。すなわち、CSIの干渉部が変動する。
【0049】
このため、ユーザ端末は、各バースト送信内で(各サブフレームで)干渉を測定し、複数のバースト送信にまたがって平均化された測定値を測定することなく、測定結果を示すCSI報告を行う。言い換えれば、ユーザ端末は、バースト送信間で平均化されていない測定値を単発(1ショット)で無線基地局に報告する。
【0050】
以上のように、第1の態様によれば、RRM測定/CSI測定用の参照信号の電力が準静的に固定されるとともに、PDSCHを介して送られるデータ信号の電力が動的に変更されるため、LAAの無線基地局がアンライセンスバンドの複数のコンポーネントキャリアを用いて送信を行う場合、予め定められた送信電力を効率的に運用することができる。
【0051】
(第2の態様)
次に、本実施の形態に係る第2の態様を説明する。この態様では、上記第1の態様と同様に、RRM測定/CSI測定用の参照信号の電力が準静的に固定されるとともに、PDSCHを介して送られるデータ信号の電力が動的に変更される。ただし、リスニングの結果によって決定されるCC数にかかわらず、別のCC上でのDRS送信の可能性を考慮し、バースト送信に使用されないCCの参照信号用にも電力を確保している。
【0052】
所定信号として用いられるRRM測定/CSI測定用の参照信号については、上記第1の態様と同様であるため説明は省略する。データの送信に関連する信号は、使用されるCCの数にしたがって、バースト送信間で動的に変更される。例えば、PDSCH、(E)PDCCH、DMRSを割り当て対象の信号とすることができる。リスニングにより使用されるCC数が確定した後、上述のように使用されるCCの参照信号の電力が割り当てられる。さらに、この第2の態様では、バースト送信に使用されないCCの参照信号分についても、電力が確保される。アンライセンスバンドで規定された最大電力から、これらの参照信号に設定された電力を差し引いた残りの電力が、データの送信に割り当てられる。
【0053】
ここで、
図7、
図8を参照して具体的な電力割り当てについて説明する。
図7は、アンライセンスバンドで使用可能な全てのCCにおいて、参照信号に等しく電力を割り当てるとともに、バースト送信に使用されるCCのデータ信号対して、電力を等しく割り当てる場合を説明するための図であり、
図8は、特定のCCについて、他のCCに割り当てられる電力よりも多くの電力を割り当てる場合を説明するための図である。
【0054】
図7の左側及び中央部のブロック(1サブフレーム)は、上述した
図5と同様であるため説明は省略する。リスニングによってCC数が2(CC1とCC2)に決定された場合、
図7の右側のブロック(1サブフレーム)に示されるように、N個のCCによるバースト送信時に各CCの参照信号に割り当てられた電力と同じ電力がCC1とCC2の参照信号に割り当てられる(左斜めハッチング部)。さらに、CC1とCC2とを除いた他のCCに対する参照信号用(DRS)に、所定の電力が確保されている(右斜めハッチング部)。最大送信電力から、CC1、CC2の参照信号に割り当てられた電力(左斜めハッチング部)と、CC1とCC2とを除いた他のCCに割り当てられた電力(右斜めハッチング部)とを差し引いた残りの電力が、CC1とCC2とのデータ信号に割り当てられる。なお、
図7に示される例では、CC1とCC2とのデータ信号に割り当てられる電力は等しく設定されている。このような電力割り当てにしたがって、無線基地局からユーザ端末に向かってバースト送信が行われる。
【0055】
図7においては、各CCにおける参照信号の電力割り当てや、データ信号に対する電力割り当てが等しくなるように設定されている。しかしながら、例えば、複数のCC間で、これらの割り当てが異なるように設定してもよい。具体的には、
図8に示されるように、特定のCC(CC2)についてのみ、他のCCに比べて多く電力を割り当てるように設定してもよい。このような割り当ては、CC2で重要なデータを送信する場合などに適用することが考えられる。なお、
図7、
図8は、データ送信を想定した電力割り当て(電力配分)を示しているため、左斜めハッチング部はDRSに含まれない参照信号を示している。DRSが周期的なタイミングで送信され、データと多重される場合には、最大CC数(N)のDRS用にあらかじめ決められた送信電力(所定の電力)が確保された後、総送信電力からのこの送信電力を差し引いた残りの送信電力が、バースト送信に用いられるCC用の、DRSに含まれない参照信号と、データ信号とに割り当てられる(配分される)。
【0056】
この第2の態様においては、上記<L1シグナリング>、<CSI測定>についても第1の態様と同様となるため説明は省略する。以上、この第2の態様によれば、RRM測定/CSI測定用の参照信号の電力が準静的に固定されるとともに、PDSCHを介して送られるデータ信号の電力が動的に変更されるため、LAAの無線基地局がアンライセンスバンドの複数のコンポーネントキャリアを用いて送信を行う場合、予め定められた送信電力を効率的に運用することができる。さらに、他CCでのDRS送信のために、バースト送信に使用されていないCCの参照信号用に電力を確保することができる。
【0057】
(第3の態様)
次に、本実施の形態に係る第3の態様を説明する。この態様では、RRM測定に用いられるDRSの電力のみが準静的に固定されるとともに、PDSCHを介して送られるデータ信号やDRSに含まれない参照信号の電力が動的に変更される。
【0058】
予め定められた電力が割り当てられる所定信号として、RRM測定用のDRSが用いられる。このため、アンライセンスバンドで使用されるCCの数によって、各CCにおけるDRSの電力の変動を防止することができる。DRSに割り当てられる電力は、無線基地局からユーザ端末に対して、例えば、上位レイヤシグナリングで通知することができる。各CCのDRSの電力は、等しくなるように設定しても、異なるように設定してもよい。
【0059】
一方、データの送信に関連する信号や、DRSに含まれない参照信号(PSS/SSS、CRS、CSI−RS)は、使用されるCCの数にしたがって、バースト送信間で動的に変更することができる。データ送信に関連する信号としては、PDSCH、(E)PDCCH、DMRSを割り当て対象の信号とすることができる。リスニングにより使用されるCC数が確定した後、上述のように使用されるCCの所定信号の電力が割り当てられる。アンライセンスバンドで規定された最大電力から、DRSに設定された電力を差し引いた残りの電力が、データ信号やDRSに含まれない参照信号の送信に割り当てられる。
【0060】
ここで、
図9、
図10を参照して具体的な電力割り当てについて説明する。
図9は、バースト送信に使用されるCCにおいて、データ信号とDRSに含まれない参照信号がCC間で均等になるように電力が割り当てられる場合を説明するための図であり、
図10は、データ信号とDRSに含まれない参照信号に割り当てられる電力が、CC間で異なる場合(特定のCCについて、多くの電力を割り当てる場合)を説明するための図である。
【0061】
図9において、左側のブロックは、予めアンライセンスバンドに割り当てられた電力(最大送信電力)を示している。リスニングによって、アンライセンスバンドで使用可能な最大CC数(N)が設定された場合、
図9の中心部に示されるように、CC1−CCNのN個のCCに対して最大送信電力が割り当てられ、バースト送信が行われる。同図では、CC間で、DRSに含まれない参照信号に割り当てられる電力や、データ信号に割り当てられる電力がCC間で等しくなるように設定されている。
【0062】
この後、リスニングによってCC数が2(CC1とCC2)に決定された場合、最大送信電力が、CC1とCC2とのデータ信号及び、DRSに含まれない参照信号に割り当てられる(
図9、右側のブロック)。なお、
図9に示される例では、CC1とCC2との間で、データ信号に割り当てられる電力は等しく設定されている。また、CC1とCC2との間で、DRSに含まれない参照信号に割り当てられる電力も等しく設定されている。このような電力割り当てにしたがって、無線基地局からユーザ端末に向かってバースト送信が行われる。
【0063】
図9においては、CC間で、DRSに含まれない参照信号に割り当てられる電力、及び、データ信号に割り当てられる電力が等しくなるように設定されている。しかしながら、例えば、複数のCC間で、これらの割り当てが異なるように設定してもよい。具体的には、
図10に示されるように、特定のCC(CC2)についてのみ、他のCCに比べて多く電力を割り当てるように設定してもよい。このような割り当ては、CC2で重要なデータを送信する場合などに適用することが考えられる。なお、
図9、
図10は、データ送信を想定した電力割り当て(電力配分)を示しているため、ハッチング部はDRSに含まれない参照信号を示している。DRSが周期的なタイミングで送信され、データと多重される場合には、DRSについてあらかじめ決められた送信電力(所定の電力)が確保された後、総送信電力からのこの送信電力を差し引いた残りの送信電力が、DRSに含まれない参照信号と、データ信号とに割り当てられる(配分される)。
【0064】
<L1シグナリング>
次に、この第3の態様におけるL1シグナリングについて説明する。上述したようにこの第3の態様では、データ信号やDRSに含まれない参照信号の電力が動的に変更される(バースト送信ごとに変更される可能性がある)。ユーザ端末では、復調処理を行うにあたって、増幅情報を知る必要がある。例えば、CRSベースのPDSCHの復調処理が行われる場合(16QAMや64QAMなどの変調方式で変調された信号を復調する場合)、各シンボルを識別、復号するための増幅情報(Amplitude information)がユーザ端末で必要となる。したがって、このような情報をデータ信号の電力割り当ての変更にリンクして、即座にユーザ端末に通知する必要がある。
【0065】
ユーザ端末には、パワーオフセット(CRSとPDSCHとの電力の差)がL1シグナリングで通知されてもよい。例えば、CRSがマッピングされないシンボルのPDSCHとCRSの電力比であるP
Aと、CRSがマッピングされるシンボルのPDSCHとCRSの電力比であるP
Bと、セル固有の参照信号電力情報であるreferenceSignalPowerとの少なくとも1つをユーザ端末に通知してもよい。また、L1シグナリングは、Pcell(DCI)で行われても、Scell(DCI又はInitial Signaling)で行われてもよい。
【0066】
<CSI測定>
次に、この第3の態様におけるCSI測定について説明する。上述のように、第3の態様では、DRSに割り当てられる電力が固定されるため、DRSに基づいたRRM測定に変動は起こらない。その一方で、CRSやCSI−RSに割り当てられる電力は変動するため、CSI測定結果が変動することが考えられる。このため、ユーザ端末は、各バースト送信内で(もしくは、単一の測定リソースのみで)、チャネル部及び干渉部双方の測定を行い、複数のバースト送信にまたがって(又は複数のリソースにまたがって)平均化された測定値を測定することなく、測定結果を示すCSI報告を行う。言い換えれば、ユーザ端末は、平均化されていない測定値(チャネル(信号)部及び干渉部双方の測定値)を単発(1ショット)で無線基地局に報告する。
【0067】
以上のように、第3の態様によれば、RRM測定のためのDRSの電力が準静的に固定されるとともに、PDSCHを介して送られるデータ信号やDRSに含まれない参照信号の電力が動的に変更されるため、LAAの無線基地局がアンライセンスバンドの複数のコンポーネントキャリアを用いて送信を行う場合、予め定められた送信電力を効率的に運用することができる。
【0068】
(第4の態様)
次に、本実施の形態に係る第4の態様を説明する。この態様では、上記第3の態様と同様に、RRM測定のためのDRSの電力が準静的に固定されるとともに、PDSCHを介して送られるデータ信号やRSに含まれない参照信号の電力が動的に変更される。ただし、リスニングの結果によって決定されるCC数にかかわらず、別のCC上でのDRS送信の可能性を考慮し、バースト送信に使用されないCCの参照信号用にも電力を確保している。
【0069】
所定信号として用いられるDRSについては、上記第3の態様と同様であるため説明は省略する。リスニングにより使用されるCC数が確定した後、使用されるCCのDRSの電力が割り当てられる。さらに、この第4の態様では、使用されないCCのDRSと、DRSに含まれない参照信号とについても、電力が確保される。アンライセンスバンドで規定された最大電力から、これらの参照信号に設定された電力を差し引いた残りの電力が、データの送信と、使用されるCCのDRSに含まれない参照信号とに割り当てられる。なお、ポテンシャルDRS送信のために、使用されないCCのDRSのみに電力を確保するようにしてもよい。
【0070】
ここで、
図11、
図12を参照して具体的な電力割り当てについて説明する。
図11は、アンライセンスバンドで使用可能な全てのCCにおいて、データ信号とDRSに含まれない参照信号がCC間で均等になるように電力が割り当てられる場合を説明するための図であり、
図12は、データ信号とDRSに含まれない参照信号に割り当てられる電力が、CC間で異なる場合(特定のCCについて、多くの電力を割り当てる場合)を説明するための図である。
【0071】
図11の左側及び中央部のブロックは、上述した
図9と同様であるため説明は省略する。リスニングによってCC数が2(CC1とCC2)に決定された場合、CC1とCC2とを除いた他のCCに対する参照信号用(DRS)に、所定の電力が確保されている(右斜めハッチング部)。最大送信電力からCC1とCC2とを除いた他のCCに対する参照信号用(DRS)に割り当てられた電力を際引いた残りの電力が、CC1とCC2の参照信号(DRSに含まれない参照信号)とデータ信号とに割り当てられる(分配される)。なお、
図11に示される例では、CC1とCC2との間で、データ信号に割り当てられる電力は等しく設定されている。また、CC1とCC2との間で、DRSに含まれない参照信号に割り当てられる電力は等しく設定されている。このような電力割り当てにしたがって、無線基地局からユーザ端末に向かってバースト送信が行われる。
【0072】
図11においては、CC間で、DRSに含まれない参照信号に割り当てられる電力、及び、データ信号に割り当てられる電力が等しくなるように設定されている。しかしながら、例えば、複数のCC間で、これらの割り当てが異なるように設定してもよい。具体的には、
図12に示されるように、CC2についてのみ、他のCCに比べて多く電力を割り当てるように設定してもよい。このような割り当ては、CC2で重要なデータを送信する場合などに適用することが考えられる。なお、
図11、
図12は、データ送信を想定した電力割り当て(電力配分)を示しているため、左斜めハッチング部はDRSに含まれない参照信号を示している。DRSが周期的なタイミングで送信され、データと多重される場合には、最大CC数(N)のDRS用にあらかじめ決められた送信電力(所定の電力)が確保された後、総送信電力からのこの送信電力を差し引いた残りの送信電力が、バースト送信に用いられるCC用の、DRSに含まれない参照信号と、データ信号とに割り当てられる(配分される)。
【0073】
この第4の態様においては、上記<L1シグナリング>、<CSI測定>についても第3の態様と同様となるため説明は省略する。以上、この第4の態様によれば、RRM測定のためのDRSの電力が準静的に固定されるとともに、PDSCHを介して送られるデータ信号やDRSに含まれない参照信号の電力が動的に変更されるため、LAAの無線基地局がアンライセンスバンドの複数のコンポーネントキャリアを用いて送信を行う場合、予め定められた送信電力を効率的に運用することができる。さらに、ポテンシャルDRS送信のために、バースト送信に使用されていないCCに電力を確保することができる。
【0074】
次に、本実施の形態におけるリスニングのキャリアセンスについて説明する。本実施の形態において(上記第1−第4の態様)において、リスニングのキャリアセンスの閾値(CCA閾値)を制御することが考えられる。CCA閾値を最大送信電力(P
H)に関連付けて制御することができる。例えば、CCA閾値は以下の式に基づいて決定される。
【0075】
CCA閾値 = −73 dBm/MHz
+ (23 dBm−P
H)/(1 MHz)
【0076】
このようなCCA閾値では、最大送信電力が低いときには、CCA閾値が高くなり、干渉制御機能がゆるく設定される。これは、最大送信電力が低いため、周囲に影響を与えることが少ないと考えられるためである。一方、最大送信電力が高いときは、CCA閾値が低くなり、干渉制御機能が厳しく設定される。これは、最大送信電力が高いため、周囲に影響を与える可能性が高くなると考えられるためである。このようなCCA閾値の運用にあたって以下の2つの制御が考えられる。
【0077】
(制御1)
CCA閾値をデータ送信(PDSCH送信)とDRSのバースト送信において、共通にする。この場合、CCA閾値をDRSの固定電力に基づいて決定しても、(リスニング)直前のバースト送信における最大送信電力に基づいて決定してもよい。
【0078】
(制御2)
CCA閾値をデータ送信(PDSCH送信)とDRSのバースト送信とで異なるように設定する。例えば、DRS用のCCA閾値はDRSの固定電力に基づいて決定され、PDSCH用のCCA閾値は、(リスニング)直前のバースト送信における最大送信電力に基づいて決定される。
【0079】
(無線通信システムの構成)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本発明の実施形態に係る無線通信方法が適用される。なお、上記の各実施の態様に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用してもよい。
【0080】
図13は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。なお、
図13に示される無線通信システムは、例えば、LTEシステム、SUPER 3G、LTE−Aシステムなどが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、複数のコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC:Dual Connectivity)を適用することができる。また、複数のCCには、ライセンスバンドを利用するライセンスバンドCCと、アンライセンスバンドを利用するアンライセンスバンドCCが含まれる。なお、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4G、5G、FRA(Future Radio Access)などと呼ばれても良い。
【0081】
図13に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12(12a−12c)と、を備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。
【0082】
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、少なくとも2CC(セル)を用いてCAを適用することができ、6個以上のCCを利用することも可能である。
【0083】
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
【0084】
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
【0085】
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでよい。
【0086】
無線通信システムにおいては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られない。
【0087】
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、所定のSIB(System Information Block)が伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)などが伝送される。
【0088】
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQの送達確認信号(ACK/NACK)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどを伝送するために用いられてもよい。
【0089】
また、下りリンクの参照信号として、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態測定用参照信号(CSI−RS:Channel State Information-Reference Signal)、復調用に利用されるユーザ固有参照信号(DM−RS:Demodulation Reference Signal)などを含む。
【0090】
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認信号(HARQ-ACK)などが伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブル(RAプリアンブル)が伝送される。
【0091】
<無線基地局>
図14は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。なお、送受信部103は、送信部及び受信部で構成される。
【0092】
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0093】
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御等のRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理等の送信処理が行われて各送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、各送受信部103に転送される。
【0094】
各送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。
【0095】
一方、上り信号については、各送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部102で増幅される。各送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
【0096】
例えば、送受信部(送信部)103は、後述の制御部の電力割り当てに基づいて、ディスカバリ参照信号(DRS)、同期信号(PSS/SSS)、セル固有参照信号(CRS)、チャネル状態情報参照信号(CSI−RS)、及び、データ信号を送信することができる。また、送受信部103は、CSI−RSに対応するチャネル状態情報(CSI)、DRSに対応するRRM測定結果を受信する。また、送受信部103は、DL信号を送信する前に実施されるDL−LBT結果がLBT−idleの場合に、アンライセンスバンドでDL信号を送信することができる。なお、送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。
【0097】
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0098】
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、光ファイバ、X2インターフェース)を介して隣接無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
【0099】
図15は、本実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、
図15では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
図15に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を備えている。
【0100】
制御部(スケジューラ)301は、PDSCHで送信される下りデータ、PDCCH及び/又はEPDCCHで伝送される下り制御情報のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、システム情報、DRS、同期信号(CSS/SSS)、ページング情報、CRS、CSI−RS等のスケジューリングの制御も行う。
【0101】
制御部301は、上り参照信号、PUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される上り制御信号、PRACHで送信されるランダムアクセスプリアンブル等のスケジューリングを制御する。また、制御部301は、各CCのリスニング結果に基づいて各CCの下りリンク(DL)信号の送信を制御する。この際、制御部301は、リスニング後の各サブフレームで、送信を行うCC数に基づいて電力の割当てを制御する。また、制御部301は、L1シグナリングで、各シンボルを識別・復号するための増幅情報として、変更されたデータ信号の電力を通知するように制御する。
【0102】
制御部301は、サブフレームで送信を行うCCにおいて、所定の信号に所定の電力を割り当てたり(
図5、
図6、
図9、
図10)、送信を行うCC数にかかわらず、前記サブフレームにおいて、リスニングを適用する複数のCCの所定の信号に所定の電力を割り当てたりする(
図7、
図8、
図11、
図12)ことができる。また、サブフレームにおいて送信を行うCCの内、第1CCの所定の信号に割り当てられる電力と、第2CCの所定の信号に割り当てられる電力とが異なるように電力の割り当てを行ってもよい(
図6、
図8、
図10、
図12)。このような所定の信号に対する電力の割り当てを行うとともに、制御部301は、リスニングを適用する複数のCCの全体に規定された総送信電力をサブフレームで送信を行うCCに配分し、総送信電力でDL信号を送信するように制御を行う。また、所定の信号は、ディスカバリ参照信号(DRS)、同期信号(PSS/SSS)、セル固有参照信号(CRS)、及び、チャネル状態情報参照信号(CSI−RS)の内、少なくともDRSを含む。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
【0103】
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号を生成して、マッピング部303に出力する。例えば、送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号の割り当て情報を通知するDLアサインメント及び上り信号の割り当て情報を通知するULグラントを生成する。また、送信信号生成部302は、アンライセンスバンドで送信するDL信号にUL送信用のLBTに関する情報を含めることができる。また、送信信号生成部302は、ULグラントにUL−LBTの適用有無に関する情報を含めることができる。なお、送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
【0104】
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。なお、マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
【0105】
受信信号処理部304は、ユーザ端末から送信されるUL信号(例えば、送達確認信号(HARQ−ACK)、PUSCHで送信されたデータ信号等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。処理結果は、制御部301に出力される。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。
【0106】
測定部305は、受信した信号を用いて受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(RSRQ(Reference Signal Received Quality))やチャネル状態(CSI)などについて測定することができる。また、測定部305は、アンライセンスバンドにおけるDL信号の送信前に行うリスニングにおいて、他システム等から送信される信号の受信電力を測定することができる。測定部305で測定した結果は、制御部301に出力される。制御部301は測定部305の測定結果(リスニング結果)に基づいて、DL信号の送信を制御することができる。
【0107】
また、測定部305は、制御部301により前記所定の信号以外の信号に割り当てられた電力にしたがって、ユーザ端末から通知されるチャネル状態情報(CSI)報告を調整することもできる。例えば、測定部305は、データ信号の電力に基づいて、CSIのチャネル部を調整又は再計算する。
【0108】
測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0109】
<ユーザ端末>
図16は、本実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信部203は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0110】
複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、それぞれアンプ部202で増幅される。各送受信部203はアンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。
【0111】
送受信部203は、無線基地局10から送信された、DRS、同期信号(CSS/SSS)、CRS、CSI−RS、データ信号などを受信することができる。また、送受信部(受信部)203は、無線基地局10から上位レイヤシグナリングを介して送信される各種のパラメータ情報等を受信することができる。また、送受信部203は、L1シグナリングにより、各シンボルを識別・復号するための増幅情報として、変更されたデータ信号の電力を取得する(受信する)。
【0112】
また、送受信部203は、無線基地局10から受信したCSI−RSに基づいて、CSIを無線基地局10に対して送信したり、DRSに基づいて、RRM測定結果を無線基地局10に送信したりすることができる。なお、送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。
【0113】
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
【0114】
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
【0115】
図17は、本実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、
図17においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
図17に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を備えている。
【0116】
制御部401は、送信信号生成部402、マッピング部403及び受信信号処理部404の制御を行うことができる。例えば、制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(PDCCH/EPDCCHで送信された信号)及び下りデータ信号(PDSCHで送信された信号)を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御情報(ULグラント)や、下りデータに対する再送制御の要否を判定した結果等に基づいて、上り制御信号(例えば、HARQ−ACK等)や上りデータの生成/送信(UL送信)を制御する。また、制御部401は、リスニング(UL LBT)結果に基づいてUL信号の送信を制御する。
【0117】
制御部401は、無線基地局10から送信されたCSI−RSに基づいて、CSIを測定し、無線基地局10に対してチャネル情報を報告するように制御する。制御部401は、DL信号の復調処理を行うにあたって、各シンボルを識別・復号するための増幅情報として通知されるデータ信号の電力(パワーオフセット)を用いる。
【0118】
なお、制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
【0119】
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号を生成して、マッピング部403に出力する。例えば、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、DL信号に対応する送達確認信号(HARQ−ACK)やチャネル状態情報(CSI)等の上り制御信号を生成する。
【0120】
また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
【0121】
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号(上り制御信号及び/又は上りデータ)を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
【0122】
受信信号処理部404は、DL信号(例えば、無線基地局からPDCCH/EPDCCHで送信される下り制御信号、PDSCHで送信される下りデータ信号等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号等)を行う。受信信号処理部404は、無線基地局10から受信した情報を、制御部401、測定部405に出力する。なお、受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
【0123】
また、測定部405は、無線基地局10が送信したチャネル状態情報測定用参照信号を用いてチャネル状態について測定する。また、測定部405は、受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(RSRQ(Reference Signal Received Quality))やチャネル状態などについて測定してもよい。また、測定部405は、アンライセンスバンドにおけるUL信号の送信前に行うリスニングにおいて、他システム等から送信される信号の受信電力を測定することができる。測定部405で測定した結果は、制御部401に出力される。制御部401は測定部405の測定結果(リスニング結果)に基づいて、UL信号の送信を制御することができる。
【0124】
測定部405は、例えば、上記第1の態様では、各バースト送信内で(各サブフレームで)干渉を測定し、複数のバースト送信にまたがって平均化された測定値を測定することなく、測定結果を示すCSI報告を無線基地局に送信する。例えば、上記第3の態様では、測定部405は、各バースト送信内で(もしくは、単一の測定リソースのみで)、チャネル部及び干渉部双方の測定を行い、複数のバースト送信にまたがって(又は複数のリソースにまたがって)平均化された測定値を測定することなく、測定結果を示すCSI報告を行う。
【0125】
測定部405は、DRSに基づいて、RRM測定結果を求め、これを無線基地局に送信することができる。測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0126】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0127】
例えば、無線基地局10やユーザ端末20の各機能の一部又は全ては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを用いて実現されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、プロセッサ(CPU:Central Processing Unit)と、ネットワーク接続用の通信インターフェースと、メモリと、プログラムを保持したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、を含むコンピュータ装置によって実現されてもよい。つまり、本発明の一実施形態に係る無線基地局、ユーザ端末などは、本発明に係る無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
【0128】
ここで、プロセッサやメモリなどは情報を通信するためのバスで接続される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、CD−ROM(Compact Disc−ROM)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、入力キーなどの入力装置や、ディスプレイなどの出力装置を含んでいてもよい。
【0129】
無線基地局10及びユーザ端末20の機能構成は、上述のハードウェアによって実現されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実現されてもよいし、両者の組み合わせによって実現されてもよい。プロセッサは、オペレーティングシステムを動作させてユーザ端末の全体を制御する。また、プロセッサは、記憶媒体からプログラム、ソフトウェアモジュールやデータをメモリに読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。
【0130】
ここで、当該プログラムは、上記の各実施形態で説明した各動作を、コンピュータに実行させるプログラムであれば良い。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリに格納され、プロセッサで動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0131】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0132】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
【0133】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
【0134】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0135】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
【0136】
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0137】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0138】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0139】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。