(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(3R,4Rおよび3S,4S)−1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
8−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピロリジン−3−カルボン酸;
(3R,4Rおよび3S,4S)−1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)ピペリジン−4−オール;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸;
シス−4−[(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)アミノ]シクロヘキサンカルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;
[1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−イル]酢酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−カルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−4−フルオロピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フルオロピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)ピペリジン−4−オール;
[1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)アゼチジン−3−イル]酢酸;
1−[1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−6−(ジメチルカルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル]ピペリジン−4−カルボン酸;
1−[1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−6−(ヒドロキシメチル)−1H−インダゾール−3−イル]ピペリジン−4−カルボン酸;
1−(4−クロロ−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−メチル−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−シクロブチルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;
(3R,4Sおよび3S,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
(3R,4Rおよび3S,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
8−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸;
(1R,5S)−9−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−エチルピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸;
(3S,4Rまたは3R,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸;
(3R,4Sまたは3S,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸;
(3S,4Rまたは3R,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸;
(3R,4Sまたは3S,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸;
(3R,4Rおよび3S,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸;
(3R,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
(3S,4Rまたは3R,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
(3R,4Sまたは3S,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−オキソピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;
(S)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(2−メチルピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;
(S)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3−メトキシピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;
(R)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3−メトキシピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸、
および前記化合物の薬学的に許容されるその塩
から選択される、化合物。
前記疾患または症状が、多発性硬化症、炎症性腸疾患、クローン病、強直性脊椎炎、乾癬、関節リウマチ、喘息、変形性関節症、川崎病、橋本甲状腺炎または粘膜リーシュマニア症である、請求項18に記載の医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[式中、
aは、結合であるかまたは結合が存在せず;
zは、1、2または3であり;
Xは、CH
2、C(O)、CHR
bであり;
Yは、CHまたはNまたはCR
aであり;
n=0、1、2、3または4であり;
A
4は、CR
4またはNであり;
A
5は、CR
5またはNであり;
A
6は、CR
6またはNであり;
A
7は、CR
7またはNであり;
ただし、1または2個を超えるA
4−A
7は、Nとはなり得ず;
R
aは、(C
1−4)アルキルであり;
R
bは、(C
1−4)アルキルであり;
R
1は、
(i)(C
3−12)カルボシクリル;または
(ii)4から12員ヘテロシクリル、
であって、(i)および(ii)は、どちらも1、2、3、4または5個のR
8で置換されていてもよく:
R
2は、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシル、ハロ(C
1−4)アルキル、ヒドロキシカルボニル(C
1−10)アルキル、(C
1−10)アルキルスルホキシアミノカルボニルまたはカルバモイルであり;
R
3は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、(C1−3)アルキルC(O)O−、フェニル、(C
1−4)アルキル、オキソまたは(C
1−4)アルコキシであり、ここで、(C
1−4)アルキルおよび(C
1−4)アルコキシは1個以上のハロゲンで置換されていてもよく;
zが3である場合、aは結合が存在しないことを表し、そして2個のR
3基は、zが3である場合に形成されるピペリジニル環のN原子に隣接する2個の炭素に結合し、2個のR
3基が一緒になってピペリジニル環と共に2−または3−炭素架橋を形成するように、アザビシクロ[3.2.1]オクタニルまたはアザビシクロ[3.3.1]ノナニル環を形成してもよく;
R
4、R
5、R
6およびR
7は、独立して、H、ハロゲン、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、(C
1−3)アルコキシ、(C
1−4)アルキル、((C
0−10)アルキル)アミノカルボニル、(ジ)(C
1−6)アルキルアミノカルボニルまたはアミノ(C
1−4)アルキルであり、ここで、(C
1−3)アルコキシ、(C
1−4)アルキル、(C
0−10)アルキル)アミノカルボニル、(ジ)(C
1−6)アルキルアミノカルボニルおよびアミノ(C
1−4)アルキルは、1個以上のハロゲン、ヒドロキシルもしくは(C
1−3)アルコキシで置換されていてもよいか;または式:
【化2】
【0015】
[式中、mは1、2、3もしくは4である]を有する、(C
1−10)アルキル、ハロゲン、アミノ、シアノ、ヒドロキシ、(C
1−3)アルコキシの1つ以上で置換されていてもよい基、であり;
R
8は、ハロゲン、シアノ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、H
2NC(O)−、(C
1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C
1−6)アルキルアミノカルボニル、(C
1−4)アルキル、(C
3−7)シクロアルキル、(C
3−5)ヘテロシクロアルキルまたは(C
1−3)アルコキシであり、ここで、(C
1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C
1−6)アルキルアミノカルボニル、(C
1−4)アルキルおよび(C
1−3)アルコキシは、1、2または3個のハロゲンで置換されていてもよい]
に従う化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0016】
式Iを有する化合物の1番目の実施形態では、式Ia:
【化3】
Ia
【0017】
を有する化合物およびその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0018】
式Iを有する化合物の2番目の実施形態では、式Ib:
【化4】
【0019】
を有する化合物およびその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
【0020】
2番目の実施形態の1番目のサブセットでは、YがNである化合物である。
【0021】
2番目の実施形態の2番目のサブセットでは、式Ic:
【化5】
【0022】
を有する化合物およびその医薬的に許容される塩または溶媒和物である。
【0023】
1番目の実施形態の1番目のサブセットでは、式Id:
【化6】
【0024】
[式中、xは、1、2、3、4または5である]
を有する化合物およびその医薬的に許容される塩または溶媒和物である。
【0025】
式Idを有する化合物のサブセットでは、式Ie:
【化7】
【0026】
を有する化合物およびその医薬的に許容される塩または溶媒和物である。
【0027】
式Ieを有する化合物のサブセットでは、式If:
【化8】
【0028】
を有する化合物およびその医薬的に許容される塩または溶媒和物である。
【0029】
式Ifを有する化合物のサブセットでは、式Ig:
【化9】
【0030】
を有する化合物およびその医薬的に許容される塩または溶媒和物である。
【0031】
1番目の実施形態の2番目のサブセットでは、A
4、A
5、A
6、A
7が、(i)CR
4、CR
5、CR
6、CR
7;(ii)N、CR
5、CR
6、CR
7;(iii)CR
4、N、CR
6、CR
7;(iv)CR
4、CR
5、N、CR
7;(v)CR
4、CR
5、CR
6、N;(vi)N、N、CR
6,CR
7;(vii)CR
4、N、N、CR
7;(viii)CR
4、CR
5、N、N;(ix)N、CR
5、N、CR
7;(x)CR
4、N、CR
6、N;および(xi)N、CR
5、CR
6、Nから成る群より選択される化合物である。
【0032】
1番目の実施形態の3番目のサブセットでは、A
4、A
5、A
6、A
7が、(i)CR
4、CR
5、CR
6、CR
7、または(ii)N、CR
5、CR
6、CR
7であり;そして、YがNである化合物である。
【0033】
1番目の実施形態の4番目のサブセットでは、R
1が、(i)(C
3−7)シクロアルキルまたは(C
3−5)ヘテロシクロアルキル[どちらも1個以上のR
8で置換されていてもよく、ここで、R
8は、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、H
2NC(O)−、(C
1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C
1−6)アルキルアミノカルボニル、(C
1−4)アルキルもしくは(C
1−3)アルコキシから選択され、ここで、(C
1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C
1−6)アルキルアミノカルボニル、(C
1−4)アルキルおよび(C
1−3)アルコキシは、1個以上のハロゲンで置換されていてもよい];(ii)(C
2−9)ヘテロアリール[1個以上のR
8で置換されていてもよく、ここで、R
8は、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、H
2NC(O)−、(C
1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C
1−6)アルキルアミノカルボニル、(C
1−4)アルキルもしくは(C
1−3)アルコキシから選択され、ここで(C
1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C
1−6)アルキルアミノカルボニル、(C
1−4)アルキルおよび(C
1−3)アルコキシは、1個以上のハロゲンで置換されていてもよい];または、(iii)(C
6−14)アリール[1個以上のR
8で置換されていてもよく、ここでR
8は、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、H
2NC(O)−、(C
1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C
1−6)アルキルアミノカルボニル、(C
1−4)アルキルもしくは(C
1−3)アルコキシから選択され、ここで、(C
1−3)アルコキシカルボニル、(ジ)(C
1−6)アルキルアミノカルボニル、(C
1−4)アルキルもしくは(C
1−3)アルコキシは、1個以上のハロゲンで置換されていてもよい]である化合物である。
【0034】
1番目の実施形態の5番目のサブセットでは、R
1が、(C
2−9)ヘテロアリール、または(ii)(C
6−14)アリールであって、1、2、3、4もしくは5個のR
8で置換されていてもよい、化合物である。さらなるサブセットでは、R
8は、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、(C
1−3)アルコキシカルボニル、(C
1−4)アルキル、(C
1−3)アルコキシから選択され、ここで、(C
1−3)アルコキシカルボニル、(C
1−4)アルキルおよび(C
1−3)アルコキシは、1個以上のハロゲンで置換されていてもよい。
【0035】
1番目の実施形態の6番目のサブセットでは、R
1は、1、2、3、4または5個のR
8で置換されていてもよい、(C
6−14)アリールである。さらなるサブセットでは、R
8は、ハロゲン、シアノ、(C
1−3)アルコキシカルボニル、(C
1−4)アルキルまたは(C
1−3)アルコキシから選択され、ここで(C
1−3)アルコキシカルボニル、(C
1−4)アルキルおよび(C
1−3)アルコキシは、1、2または3個のハロゲンで置換されていてもよい。
【0036】
1番目の実施形態の7番目のサブセットでは、R
1は、各々が1個以上のR
8で置換されていてもよい、フェニル、ナフチル、ピリジニル、キノリニル、ベンゾオキサジアゾリル、チオフェニル、イソオキサゾリルまたはベンゾチオフェニルである。さらなるサブセットでは、R
8は、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、(C
1−3)アルコキシカルボニル、(C
1−4)アルキルまたは(C
1−3)アルコキシから選択され、ここで、(C
1−3)アルコキシカルボニル、(C
1−4)アルキルおよび(C
1−3)アルコキシは、1個以上のハロゲンで置換されていてもよい。
【0037】
1番目の実施形態の8番目のサブセットでは、R
1は、1、2または3個のR
8で置換されていてもよい、フェニルである。さらなるサブセットでは、R
8は、ハロゲン、アミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、(C
1−3)アルコキシカルボニル、(C
1−4)アルキルまたは(C
1−3)アルコキシから選択され、ここで、(C
1−3)アルコキシカルボニル、(C
1−4)アルキルおよび(C
1−3)アルコキシは、1個以上のハロゲンで置換されていてもよい。
【0038】
1番目の実施形態の9番目のサブセットでは、R
2はC(O)OHである。
【0039】
式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、IfおよびIgの化合物のさらなる実施形態は、R
4、R
5、R
6およびR
7の1つが水素以外である化合物である。
【0040】
本発明はまた、A
1からA
4、R
1からR
8、Y、m、n、Xおよびzについてのすべての特定の定義ならびに上記で定義された本発明の様々な態様におけるすべての置換基が、式Iの化合物の定義内の任意の組合せで存在する化合物に関する。
【0041】
本発明の化合物の非限定的な例には以下が含まれる:
(3R,4Rおよび3S,4S)−1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
8−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピロリジン−3−カルボン酸;
(3R,4Rおよび3S,4S)−1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)ピペリジン−4−オール;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸;
シス−4−[(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)アミノ]シクロヘキサンカルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;
[1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−イル]酢酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−カルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−4−フルオロピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−3−フルオロピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)ピペリジン−4−オール;
[1−(1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)アゼチジン−3−イル]酢酸;
1−[1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−6−(ジメチルカルバモイル)−1H−インダゾール−3−イル]ピペリジン−4−カルボン酸;
1−[1−{[2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−6−(ヒドロキシメチル)−1H−インダゾール−3−イル]ピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピロリジン−3−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−メチル−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−シクロブチルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;
(3R,4Sおよび3S,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
(3R,4Rおよび3S,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
8−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸;
(1R,5S)−9−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−エチルピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸;
(3S,4Rまたは3R,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸;
(3R,4Sまたは3S,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸;
(3S,4Rまたは3R,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸;
(3R,4Sまたは3S,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸;
(3R,4Rおよび3S,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸;
(3R,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
(3S,4Rまたは3R,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
(3R,4Sまたは3S,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−オキソピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−メチルピペリジン−4−カルボン酸;
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;
(S)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(2−メチルピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;
(S)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3−メトキシピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸;ならびに
(R)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3−メトキシピロリジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸。
【0042】
本明細書で用いられる用語はその通常の意味を有し、このような用語の意味は、その各々の存在で独立している。それにもかかわらず、別途記載されている場合を除き、以下の定義が、本明細書および特許請求の範囲を通じて適用される。化学名、一般名および化学構造は、同じ構造を表すために交換可能に使用され得る。ある化合物が化学構造と化学名の両方を用いて言及され、化学構造と化学名との間に不明確さが存在する場合は、構造が優先する。これらの定義は、特に指示されない限り、用語が単独で使用されるか他の用語と組み合わせて使用されるかに関わらず適用される。したがって、「アルキル」の定義は、「アルキル」ならびに「ヒドロキシアルキル」、「フルオロアルキル」、「アルコキシ」等の「アルキル」部分に適用される。
【0043】
本明細書で使用される場合および本開示全体を通して、以下の用語は、特に指示されない限り、以下の意味を有すると理解される:
「アルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、その水素原子のうちの1個が指定数の炭素原子を有する結合で置き換えられている脂肪族炭化水素基を指す。種々の実施形態において、アルキル基は、例えば1から6個の炭素原子(C
1−C
6アルキル)または1から3個の炭素原子(C
1−C
3アルキル)を含む。アルキル基の非限定的な例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシルおよびネオヘキシルが含まれる。1つの実施形態では、アルキル基は直鎖状である。別の実施形態では、アルキル基は分枝状である。
【0044】
特に指定されない限り、「アルキル」は、指定数の炭素原子を有する、すべての異性体を含む分枝鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含し;例えば「C
1−6アルキル」(または「C
1−C
6アルキル」)は、ヘキシルアルキルおよびペンチルアルキル異性体、ならびにn−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびt−ブチル、n−プロピルおよびイソプロピル、エチルおよびメチルのすべてを含む。「アルキレン」は、指定数の炭素を有し、2つの末端鎖結合部を有する、すべての異性体を含む分枝鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を指し;例えば、「A−C
4アルキレン−B」という用語は、例えばA−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−B、A−CH
2−CH
2−CH(CH
3)−CH
2−B、A−CH
2−CH(CH
2CH
3)−B、A−CH
2−C(CH
3)(CH
3)−B等を表す。「アルコキシ」は、酸素架橋によって連結された指示数の炭素原子の直鎖または分枝アルキル基を表し;例えば「C
1−C
6アルコキシ」には、−OCH
3、−OCH
2CH
3、−OCH(CH
3)
2、−O(CH
2)
5CH
3等が含まれる。
【0045】
単に「置換されていない」とだけまたは「置換されている」とだけで別の具体的な注記がない限り、アルキル基は、置換されていないかまたは各炭素原子上で1から3個の、ハロ、C
1−C
20アルキル、CF
3、NH
2、N(C
1−C
6アルキル)
2、NO
2、オキソ、CN、N
3、−OH、−O(C
1−C
6アルキル)、C
3−C
10シクロアルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、(C
0−C
6アルキル)S(O)
0−2−、(C
0−C
6アルキル)S(O)
0−2(C
0−C
6アルキル)−、(C
0−C
6アルキル)C(O)NH−、H
2N−C(NH)−、H
2N−C(O)(NH)−、−O(C
1−C
6アルキル)CF
3、(C
0−C
6アルキル)C(O)−、(C
0−C
6アルキル)OC(O)−、(C
0−C
6アルキル)O(C
1−C
6アルキル)−、(C
0−C
6アルキル)C(O)
1−2(C
0−C
6アルキル)−、(C
0−C
6アルキル)OC(O)NH−、−NH(C
1−C
6アルキル)NHC(O)NH(C
1−C
6アルキル)、NHC(O)OC
1−C
6アルキル、−NH(C
1−C
6アルキル)NHSO
2(C
1−C
6アルキル)、−(C
0−C
6アルキル)NHSO
2(C
1−C
6アルキル)、アリール、アラルキル、複素環、ヘテロシクリルアルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ複素環、ハロ−ヘテロシクリルアルキル、シアノ−アリール、シアノ−アラルキル、シアノ複素環およびシアノ−ヘテロシクリルアルキルで置換されている。
【0046】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有し、指定数の炭素原子を有する直鎖または分枝炭素鎖を意味する。アルケニルの例には、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2,4−ヘキサジエニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0047】
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有し、指定数の炭素原子を有する直鎖または分枝炭素鎖を意味する。アルキニルの例には、エチニル、プロパルギル、1−プロピニル、2−ブチニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0048】
本明細書で使用される「炭素環」という用語(および「炭素環式」または「カルボシクリル」などのその変化形)は、特に指示されない限り、(i)C
3からC
8単環式飽和もしくは不飽和環、または(ii)C
7からC
12二環式飽和もしくは不飽和環系を指す。(ii)における各々の環は、他方の環に、結合によって連結されているかまたは縮合して(スピロ縮合を含む)おり、各環は飽和または不飽和である。炭素環は、安定な化合物をもたらす任意の炭素原子で分子の残りの部分に連結されていてもよい。
【0049】
飽和炭素環は、環系全体(単環式または多環式)が飽和である炭素環のサブセットを構成する。飽和単環式炭素環は、シクロアルキル環、例えばシクロプロピル、シクロブチル等と称される。縮合二環式炭素環は、C
7からC
10二環式環系において各々の環が飽和または不飽和であり、2個の隣接する炭素原子(またはスピロ縮合の場合は1個の炭素原子)が環系内の環の各々によって共有されている、炭素環のさらなるサブセットである。飽和二環式炭素環は、両方の環が飽和であるものである。不飽和二環式炭素環は、一方の環が不飽和であり、他方が不飽和または飽和であるものである。特に注記のない限り、炭素環は、置換されていないか、または、C
1−6アルキル、C
1−6アルケニル、C
1−6アルキニル、アリール、ハロゲン、NH
2もしくはOHで置換されている。縮合二環式不飽和炭素環の1つのサブセットは、一方の環がベンゼン環であり、他方の環が飽和または不飽和であって、安定な化合物をもたらす任意の炭素原子によって連結されている二環炭素環である。このサブセットの代表的な例には以下が含まれる:
【化10】
【0050】
芳香族炭素環は、炭素環の別のサブセットを構成する。「アリール」という用語は、芳香族単環式炭素環、および多環系内の個々の炭素環が縮合しているかまたは単結合によって互いに連結されている多環式炭素環系を指す。適切なアリール基には、フェニル、ナフチルおよびビフェニルが含まれる。
【0051】
「シクロアルキル」という用語は、指定された総数の環炭素原子を有する環状アルカン、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを意味する。
【0052】
「複素環」という用語(および「複素環式」または「ヘテロシクリル」などのその変化形)は、広く、(i)安定な4から8員飽和もしくは不飽和単環式環、または、(ii)安定な7から12員二環式環系を指し、ここで(ii)における各々の環は、他方の環に、結合によって連結されているかまたは縮合して(スピロ縮合を含む)おり、各環は飽和または不飽和であり、単環式環または二環式環系は、N、OおよびSから選択される1個以上のヘテロ原子(例えば1から6個のヘテロ原子、または1から4個のヘテロ原子)を含み、残りは炭素原子であり(単環式環は、典型的には少なくとも1個の炭素原子を含み、環系は、典型的には少なくとも2個の炭素原子を含む);そしてここで、窒素および硫黄ヘテロ原子の任意の1個以上は酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子の任意の1個以上は四級化されていてもよい。特に指定されない限り、複素環式環は、任意のヘテロ原子または炭素原子で結合されていてよいが、ただし結合によって安定な構造が生成されることを条件とする。特に指定されない限り、複素環式環が置換基を有する場合、置換基は、ヘテロ原子または炭素原子に関わらず、環内の任意の原子に結合していてよいが、ただし安定な化学構造がもたらされることを条件とすることが理解される。
【0053】
飽和複素環は、複素環の1つのサブセットを構成し;すなわち、「飽和複素環」という用語は、一般に、環系全体(単環式または多環式に関わらず)が飽和である上記で定義された複素環を指す。「飽和複素環式環」という用語は、炭素原子とN、OおよびSから選択される1個以上のヘテロ原子から成る、4から8員飽和単環式環または安定な7から12員二環式環系を指す。代表的な例には、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,4−ジオキサニル、1,4−チオキサニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフリル(またはテトラヒドロフラニル)、テトラヒドロチエニルおよびテトラヒドロチオピラニルが含まれる。
【0054】
ヘテロ芳香族は複素環の別のサブセットを構成し;すなわち「ヘテロ芳香族」(あるいは「ヘテロアリール」)という用語は、一般に、環系全体(単環式または多環式に関わらず)が芳香族環系である上記で定義された複素環を指す。「ヘテロ芳香環」という用語は、炭素原子とN、OおよびSから選択される1個以上のヘテロ原子から成る、5もしくは6員単環式芳香環または7から12員二環式芳香環を指す。少なくとも1個の窒素原子を含む置換ヘテロアリール環(例えばピリジン)の場合、このような置換はN−オキシド形成をもたらすものであってよい。単環式ヘテロ芳香環の代表的な例には、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル(またはチオフェニル)、チアゾリル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルおよびチアジアゾリルが含まれる。二環式ヘテロ芳香環の例には、ベンゾトリアゾリル、インドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、イソインドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、ピラゾロ[3,4−b]ピリジン、イミダゾ[2,1−b](1,3)チアゾール(すなわち
【化11】
【0055】
6−(1−ピロリル)−3−ピリジル、4−(1−ピロリル)フェニル、4−(ピリド−3−イル)フェニル、4−(ピリド−4−イル)フェニルおよびベンゾチオフェニル(すなわち
【化12】
【0057】
複素環の別のサブセットは、一方または両方の環が不飽和である不飽和複素環(ただし環系全体は芳香族でない)である。不飽和複素環の代表的な例には、ジヒドロフラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロイミダゾリル、インドリニル、イソインドリニル、クロマニル、イソクロマニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロナフチリジニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,4−ベンゾオキサジニル、1,3−ベンゾオキサゾリニル、2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−ジオキシニル(すなわち
【化13】
【0058】
およびベンゾ−1,3−ジオキソリル(すなわち
【化14】
【0059】
が含まれる。本明細書中、特定の状況では、
【化15】
【0060】
は、別途、2個の隣接する炭素原子上に連結されたメチレンジオキシを置換基として有するフェニルと称される。また、クロモンおよびクマリンなどの基も含まれる。
【0061】
単に「置換されていない」とだけまたは「置換されている」とだけで別の具体的な注記がない限り、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリール(フェニルを含む)およびヘテロアリール基は、置換されていないかまたは置換されている(「置換されていてもよい」とも称される)。置換基が具体的に示されていない限り、置換されているまたは置換されていてもよいシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール(フェニルを含み、単独の置換基としてまたはアリールオキシおよびアラルキルなどの置換基の一部として)、ヘテロアリール(単独の置換基としてまたはヘテロアリールオキシおよびヘテロアラルキルなどの置換基の一部として)についての置換基は、ハロゲン(またはハロ)、1から5個のフッ素で置換されていてもよいC
1−C
6アルキル、NH
2、N(C
1−C
6アルキル)
2、NO
2、オキソ、CN、N
3、−OH、1から5個のフッ素で置換されていてもよい−O(C
1−C
6アルキル)、C
3−C
10シクロアルキル、(C
3−7)シクロアルキル、(C
3−5)ヘテロシクロアルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、(C
0−C
6アルキル)S(O)
0−2−、アリール−S(O)
0−2−、(C
0−C
6アルキル)S(O)
0−2(C
0−C
6アルキレン)−、(C
0−C
6アルキル)C(O)NH−、H
2N−C(NH)−、(C
0−C
6アルキル)C(O)−、(C
0−C
6アルキル)OC(O)−、(C
0−C
6アルキル)O(C
1−C
6アルキレン)−、(C
0−C
6アルキル)C(O)
1−2(C
0−C
6アルキレン)−、(C
0−C
6アルキル)
2NC(O)−、(C
0−C
6アルキル)OC(O)NH−、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ−ヘテロアリール、ハロ−ヘテロアラルキル、シアノ−アリール、シアノ−アラルキル、シアノ−ヘテロアリールおよびシアノ−ヘテロアラルキルから独立して選択される1から3個の基である。
【0062】
「ハロゲン」(または「ハロ」)という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素(あるいはフルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)およびヨード(I)と称される)を指す。
【0063】
「ハロアルキル」という用語は、指定数の炭素原子を有し、1個から全部の水素原子がハロゲン原子で置き換えられたアルキルを意味する。例えば、CF
3である。
【0064】
「アラルキル」および「ヘテロアラルキル」という用語は、C
1からC
4アルキレンによって分子の残りの部分に連結されたアリール/ヘテロアリールを指す。
【0065】
「C
0」という用語は、「C
0−6アルキレン」などの表現において用いられる場合は、直接共有結合を意味し;または「C
0−6アルキル」などの表現において用いられる場合は、水素を意味する。同様に、基内の特定数の原子の存在を定義する整数がゼロである場合、これは、隣接する原子が結合によって直接連結されていること;例えば構造
【化16】
【0066】
[式中、sは、ゼロ、1または2に等しい整数である]において、sがゼロである場合、構造が
【化17】
【0067】
であることを意味するか;または指示されている原子が存在しないことを意味し、例えば−S(O)
0−は−S−を意味する。
【0068】
反対の明示がない限り、「不飽和」環は、部分不飽和環または完全不飽和環である。例えば、「不飽和単環式C
6炭素環」は、シクロヘキセン、シクロヘキサジエンおよびベンゼンを指す。
【0069】
反対の明示がない限り、本明細書で引用されるすべての範囲は両端を含む。例えば、「1から4個のヘテロ原子」を含むと表される複素環は、複素環が1、2、3または4個のヘテロ原子を含み得ることを意味する。
【0070】
任意の可変部分が本発明の化合物を表示するおよび説明する任意の構成要素中または任意の式中に2回以上存在する場合、各々の存在時のその定義は他のあらゆる存在時のその定義から独立している。また、置換基および/または可変部分の組合せは、そのような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。反復される語を有する用語を含む可変部分、例えば(CRiRj)
rの定義に関して、rが整数2であり、Riが定義された可変部分であり、およびRjが定義された可変部分である場合、Riの値は、これが存在する各々の場合に異なっていてもよく、Rjの値は、これが存在する各々の場合に異なっていてもよい。例えば、RiおよびRjが、メチル、エチル、プロピルおよびブチルから成る群より独立して選択される場合、(CRiRj)
2は、
【化18】
【0072】
上記で使用される(C
1−6)アルキルという用語は、1から6個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを意味する。(C
1−4)アルキルが好ましい。
【0073】
(C
1−5)アルキルという用語は、1から5個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルおよびn−ペンチルを意味する。
【0074】
本明細書で使用される(C
1−4)アルキルという用語は、1から4個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキル基を意味し、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルである。
【0075】
(C
1−3)アルコキシという用語は、1から3個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味し、アルキル部分は分枝または非分枝状である。
【0076】
(C
1−3)アルコキシカルボニルという用語は、アルコキシ部分に1から3個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基を意味し、アルコキシ部分は、先に定義されたのと同じ意味を有する。
【0077】
(ジ)(C
1−6)アルキルアミノカルボニルという用語は、アミノ基が独立してアルキル基で一置換または二置換されており、アルキル基が、1から6個の炭素原子を含み、先に定義されたのと同じ意味を有する、アルキルアミノカルボニル基を意味する。好ましいアルキル基は(C
1−4)アルキルである。
【0078】
(C
3−7)シクロアルキルという用語は、3から7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを意味する。5から6個の炭素原子が好ましい。
【0079】
(C
3−5)ヘテロシクロアルキルという用語は、3から5個の炭素原子を有し、N、Oおよび/またはSから選択される1から3個のヘテロ原子を含む、実現可能な場合は窒素または炭素原子を介して連結されていてもよいヘテロシクロアルキル基を意味する。好ましいヘテロ原子数は1または2個である。最も好ましい数は1個である。好ましいヘテロ原子はNまたはOである。ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニルおよびピロリジニルが最も好ましい。
【0082】
のようなヘテロシクロカルボニル基を意味し、各々は、1個以上の(C
1−10)アルキル、ハロゲン、アミノ、シアノ、ヒドロキシおよび(C
1−3)アルコキシで置換されていてもよい。
【0083】
(C
2−9)ヘテロアリールという用語は、イミダゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、チオフェニルまたはフリル、ピラゾリル、イソオキサゾリルまたはキノリルのような、2から9個の炭素原子、および、N、OおよびSから選択される1から3個のヘテロ原子を有する芳香族基を意味する。好ましいヘテロ原子数は1または2個である。好ましいヘテロアリール基は、ピラゾリル、チオフェニル、イソオキサゾリル、ピリジルおよびキノリルである。(C
2−5)ヘテロアリール基は、実現可能な場合は炭素原子または窒素を介して連結されていてもよい。
【0084】
(C
6−14)アリールという用語は、6から14個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基、例えばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、アントラシルを意味する。(C
6−10)アリール基がより好ましい。最も好ましい芳香族炭化水素基はフェニルである。
【0085】
本明細書で使用される場合、「X
a−X
b」という用語は、「X
a−b」という用語と同じ意味を有するものとし、ここでXは任意の原子であり、そして、aとbは任意の整数である。例えば、「C
1−C
4」は「C
1−4」と同じ意味を有するものとする。加えて、一般的に官能基に言及する場合、「A
x」は「AX」と同じ意味を有し、交換可能であるものとし、ここで「A」は任意の原子であり、および「x」または「X」は任意の整数である。例えば、「R
1」は「R1」と同じ意味を有し、交換可能であるものとする。
【0086】
多価官能基に関する上記の定義において、結合点は最後の基である。例えば、(C
1−3)アルコキシカルボニルという用語は、例えば
【化21】
【0087】
を指し、(C1−4)アルキルカルボニルオキシという用語は、例えば
【化22】
【0089】
「置換されている」という用語は、指定された1個または複数の原子上の1個以上の水素が指示された基から選択されたもので置き換えられていることを意味するが、ただし、存在している状況下での指定原子の通常の原子価を超えないこと、および置換が安定な化合物をもたらすことを条件とする。置換基および/または可変部分の組合せは、そのような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。「安定な化合物」または「安定な構造」は、反応混合物から有用な度合の純度まで単離に耐えることができ、および有効な治療薬に製剤化できるのに充分なほど堅固である化合物または構造と定義される。したがって、置換基および/または可変部分に言及する場合の「1つ以上」という用語は、指定された1個または複数の原子上の1個以上の水素が指示された基から選択されたもので置き換えられていることを意味するが、ただし、存在している状況下での指定原子の通常の原子価を超えないこと、および置換が安定な化合物をもたらすことを条件とする。
【0090】
「置換されていてもよい」という用語は、指定された基、ラジカルまたは部分による置換が指定された基上で行われていてもよくまたは行われていなくてもよいことを意味する。
【0091】
置換基の定義において、前記置換基の「アルキル基の全部」が置換されていてもよいと指示されている場合、これはアルコキシ基のアルキル部分も包含する。
【0092】
「塩」、「溶媒和物」、「エステル」、「プロドラッグ」等の用語の使用は、本発明の化合物のエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ化合物またはプロドラッグの塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグにも等しく適用されることが意図されている。
【0093】
本明細書で使用される「有効量」という用語は、RORγT媒介性疾患または障害に罹患している被験者に投与した場合、所望の治療効果、改善効果、阻害効果または予防効果を生じさせるのに有効な、式(I)の化合物および/または付加的な治療薬、あるいはその組成物の量を指す。本発明の併用療法では、有効量として個々の各薬剤または全体としての組合せに言及することができ、ここで、投与されるすべての薬剤の量が一緒になって有効であるが、組合せの成分薬剤が個別には有効量で存在しないことがあり得る。
【0094】
「被験者」は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物である。1つの実施形態では、被験者はヒトである。別の実施形態では、被験者はチンパンジーである。
【0095】
本明細書における本文、スキーム、実施例および表中の原子価を満たしていない炭素ならびにヘテロ原子は、原子価を満たすのに充分な数の水素原子を有するものとすることに留意すべきである。
【0096】
本発明の化合物は、化合物のプロドラッグ、水和物または溶媒和物を包含する。
【0097】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体
式Iの化合物は、不斉中心またはキラル中心を含んでよく、したがって種々の立体異性体として存在し得る。式(I)の化合物のすべての立体異性体ならびにラセミ混合物を含むその混合物が、本発明の一部を構成することが意図されている。加えて、本発明は、すべての幾何異性体および位置異性体を包含する。例えば、式(I)の化合物が二重結合または縮合環を組み込んでいる場合、シス型とトランス型の両方ならびに混合物が本発明の範囲内に包含される。
【0098】
本明細書で述べる化合物は不斉中心を含んでもよく、したがってエナンチオマーとして存在し得る。本発明による化合物が2つ以上の不斉中心を有する場合、化合物はさらにジアステレオマーとして存在し得る。本発明は、実質的に純粋な分割されたエナンチオマー、そのラセミ混合物ならびにジアステレオマー混合物などのすべての可能な立体異性体を含む。上記式Iは、特定の位置に明確な立体化学を伴わずに示している。本発明は、式Iのすべての立体異性体およびその医薬的に許容される塩を含む。エナンチオマーのジアステレオマー対は、例えば適切な溶媒からの分別結晶によって分離することができ、このようにして得られたエナンチオマーの対は、従来の手段によって、例えば分割剤としての光学活性な酸もしくは塩基の使用によってまたはキラルHPLCカラムで、個々の立体異性体に分離し得る。さらに、一般式Iの化合物の任意のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、公知の立体配置の光学的に純粋な出発物質または試薬を用いた立体特異的合成によって入手し得る。
【0099】
本明細書で述べる化合物がオレフィン二重結合を含む場合、特に指定されない限り、そのような二重結合はE幾何異性体とZ幾何異性体の両方を含むことが意図されている。
【0100】
本明細書で述べる化合物の一部は、水素の結合点が異なって存在し得る。そのような化合物は互変異性体と称される。例えば、カルボニル−CH
2C(O)−基(ケト型)を含む化合物は、互変異性を受けて、ヒドロキシル−CH=C(OH)−基(エノール型)を形成し得る。ケト型とエノール型の両方が、個別にならびにその混合物として本発明の範囲内に含まれる。
【0101】
ジアステレオマー混合物は、それらの物理化学的相違に基づき当業者に周知の方法によって、例えばクロマトグラフィおよび/または分別結晶によって個々のジアステレオマーに分離することができる。エナンチオマーは、エナンチオマー混合物を適切な光学活性化合物(例えばキラルアルコールまたはモッシャー酸塩化物などのキラル補助剤)との反応によってジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離して、個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに変換(例えば加水分解)することによって分離できる。また、式(I)の化合物の一部はアトロプ異性体(例えば置換ビアリール)であってもよく、本発明の一部とみなされる。エナンチオマーはまた、キラルHPLCカラムの使用によって分離することもできる。
【0102】
式Iの化合物は種々の互変異性体として存在することも可能であり、すべてのそのような形態は本発明の範囲内に包含される。また、例えば、化合物のすべてのケト−エノール型およびイミン−エナミン型が本発明に含まれる。
【0103】
本発明の化合物(化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグならびにプロドラッグの塩、溶媒和物およびエステルのものを含む)のすべての立体異性体(例えば幾何異性体、光学異性体等)、例えば様々な置換基上の不斉炭素が原因で存在し得るもの、例えばエナンチオマー形態(これは不斉炭素がない場合でも存在し得る)、回転異性体、アトロプ異性体およびジアステレオマー形態は、位置異性体と同様に、本発明の範囲内で企図される。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、実質的に他の異性体を含まなくてもよく、または、例えばラセミ化合物としてまたはすべての他の立体異性体もしくは他の選択された立体異性体と混合されていてもよい。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsによって定義されるSまたはR立体配置を有し得る。
【0104】
塩
「医薬的に許容される塩」という用語は、医薬的に許容される非毒性の塩基または酸から調製される塩を指す。本発明の化合物が酸性である場合、その対応する塩は、無機塩基および有機塩基を含む医薬的に許容される非毒性の塩基から好都合に調製することができる。そのような無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(第二および第一)、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(第二および第一)、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の塩が含まれる。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩が好ましい。医薬的に許容される非毒性の有機塩基から調製される塩は、天然の供給源と合成供給源の両方から誘導される第一級、第二級および第三級アミンの塩を含む。塩が形成され得る医薬的に許容される非毒性の有機塩基には、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等が含まれる。
【0105】
本発明の化合物が塩基性である場合、その対応する塩は、医薬的に許容される非毒性の無機酸および有機酸から好都合に調製することができる。そのような酸には、例えば酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコ酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸が好ましい。
【0106】
式Iの化合物は、同じく本発明の範囲内である塩を形成することができる。本明細書における式Iの化合物への言及は、特に指示されない限り、その塩への言及も含むことが理解される。
【0107】
医薬的に許容される塩という用語は、医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わずにヒトおよび下等動物の組織と接触して使用するのに適しており、妥当な利益/危険度比に釣り合っている。医薬的に許容される塩は当分野において周知である。これらは、本発明の化合物の最終的な単離および精製の間に入手し得るか、または遊離塩基の官能基を、適切な鉱酸、例えば塩酸、リン酸もしくは硫酸と、または有機酸、例えばアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、グリコール酸、コハク酸、プロピオン酸、酢酸、メタンスルホン酸等と別々に反応させることによって別途に入手し得る。酸の官能基を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アンモニウム(例えばジエチルアミン)または水酸化リチウムのような有機または無機塩基と反応させてもよい。
【0108】
溶媒和物
本発明は、式Iの化合物の溶媒和物をその範囲内に含む。本明細書で使用される場合、「溶媒和物」という用語は、溶質(すなわち式Iの化合物)またはその医薬的に許容される塩と、溶質の生物学的活性を妨げない溶媒によって形成される可変的な化学量論の複合体を指す。溶媒の例には、水、エタノールおよび酢酸が含まれるが、これらに限定されない。溶媒が水である場合、その溶媒和物は水和物として公知であり;水和物には、半水和物、一水和物、セスキ水和物、二水和物および三水和物が含まれ、これらに限定されない。
【0109】
本発明の化合物は、水和物または溶媒和物を形成していてもよい。荷電した化合物は、水を用いて凍結乾燥した場合に水和種を形成するか、または適切な有機溶媒との溶液中で濃縮した場合に溶媒和種を形成することが当業者に公知である。本発明の1つ以上の化合物は、溶媒和されていない形態で存在してもよく、及び、水、エタノール等のような医薬的に許容される溶媒との溶媒和形態で存在してもよく、本発明は、溶媒和形態と溶媒和されていない形態の両方を包含することが意図されている。「溶媒和物」はまた、本発明の化合物と1個以上の溶媒分子との物理的会合も意味し得る。この物理的会合は、様々な度合のイオン結合および水素結合を含む共有結合を伴う。特定の場合には、溶媒和物は、例えば1個以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子中に組み込まれている場合、単離が可能である。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例には、エタノラート、メタノラート等が含まれる。「水和物」は、溶媒分子がH
2Oである溶媒和物である。
【0110】
プロドラッグ
本発明は、本発明の化合物のプロドラッグの使用をその範囲内に含む。一般に、そのようなプロドラッグは、インビボで必要な化合物に容易に変換可能な本発明の化合物の機能性誘導体である。したがって、本発明の治療の方法において、「投与する」という用語は、記述される様々な症状を式Iの化合物でまたは式Iの化合物でなくてもよいが患者への投与後にインビボで式Iの化合物に変換される化合物で治療することを包含する。適切なプロドラッグ誘導体の選択および調製のための従来の手順は、例えば「Design of Prodrugs」,ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985に記載されている。
【0111】
「プロドラッグ」という用語は、インビボで変換されて式Iの化合物または式Iの化合物の医薬的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を生じる化合物(例えば薬物前駆体)を意味する。変換は、様々な機構によって(例えば代謝または化学的工程によって)、例えば血液中での加水分解を介して起こり得る。プロドラッグおよびプロドラッグの使用についての考察は、T.Higuchi and W.Stella,「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」,Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series,1987;およびin Bioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987によって提供される。
【0112】
同位体
一般式Iの化合物において、原子はそれらの天然の同位体存在率を示してもよく、または原子の1個以上は、同じ原子番号を有するが、自然界で主として見出される原子質量もしくは質量数とは異なる原子質量もしくは質量数を有する特定の同位体が人工的に富化されていてもよい。本発明は、一般式Iの化合物のすべての適切な同位体変形物を包含することが意図されている。例えば、水素(H)の種々の同位体には、プロチウム(
1H)および重水素(
2H)が含まれる。プロチウムは自然界で見出される主たる水素同位体である。重水素への富化は、特定の治療上の利点、例えばインビボ半減期の延長もしくは投薬必要量の減少をもたらし得るか、または生物学的試料の特性付けのための標準物質として有用な化合物を提供し得る。一般式Iの範囲内の同位体富化化合物は、当業者に周知の従来技術によってまたは適切な同位体富化試薬および/もしくは中間体を使用して本明細書中のスキームおよび実施例で述べる工程と同様の工程によって、過度の実験を伴わずに調製することができる。
【0113】
有用性
本発明の化合物は、レチノイン酸受容体関連オーファン受容体γt(RORγT)と共調節タンパク質との相互作用を変化させ、それによりRORγTを介した転写活性に拮抗し、それ自体、RORγTの阻害が望ましい疾患および症状、例えば自己免疫疾患および障害ならびに炎症性疾患および障害の治療において有用である。
【0114】
したがって、本発明の別の実施形態は、被験者においてRORγTによって媒介される疾患または症状を治療するための方法であって、被験者においてRORγTによって媒介される疾患または症状を治療するのに有効な量の、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、IfもしくはIgを有する化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を被験者に投与することを含む方法を提供する。
【0115】
本発明による化合物は、治療法において使用することができる。
【0116】
本発明のさらなる態様は、RORγT媒介性疾患またはRORγT媒介性症状の治療のための本発明による化合物またはその医薬的に許容される塩の使用にある。
【0117】
本発明の別の態様は、自己免疫疾患、特にTh17細胞およびTh17の代表的サイトカインを発現する非Th17細胞が著明な役割を果たす疾患の治療のための、一般式Iを有する化合物またはその医薬的に許容される塩の使用にある。これらには、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、クローン病、強直性脊椎炎および多発性硬化症の治療が含まれるが、これらに限定されない。
【0118】
別の態様では、一般式Iを有する化合物またはその医薬的に許容される塩は、Th17細胞および/またはTh17の代表的サイトカインを発現する非Th17細胞が著明な役割を果たす炎症性疾患、例えば、限定されないが、呼吸器系疾患、変形性関節症および喘息の治療のために使用することができる。また、一般式Iを有する化合物またはその医薬的に許容される塩は、Th17細胞および/またはTh17の代表的サイトカインを発現する非Th17細胞が著明な役割を果たす感染症、例えば、限定されないが、粘膜リーシュマニア症の治療のために使用することができる。
【0119】
一般式Iを有する化合物またはその医薬的に許容される塩は、Th17細胞および/またはTh17の代表的サイトカインを発現する非Th17細胞が著明な役割を果たす他の疾患、例えば、限定されないが、川崎病および橋本甲状腺炎の治療のためにも使用することができる。
【0120】
1つの態様では、疾患または症状は、自己免疫疾患または炎症性疾患である。疾患または症状には、多発性硬化症、炎症性腸疾患、クローン病、乾癬、関節リウマチ、喘息、変形性関節症、川崎病、橋本甲状腺炎または粘膜リーシュマニア症が含まれるが、これらに限定されない。
【0121】
別の態様では、本発明による化合物は、多発性硬化症、炎症性腸疾患、クローン病、乾癬、関節リウマチ、喘息、変形性関節症、川崎病、橋本甲状腺炎および粘膜リーシュマニア症を治療するまたは予防するための療法において使用することができる。
【0122】
別の態様では、本発明による化合物は、乾癬を治療するまたは予防するために使用することができる。
【0123】
さらに別の態様では、本発明による化合物は、炎症性腸疾患を治療するために使用することができる。
【0124】
本発明のこの態様は、RORγTによって媒介される疾患または症状の治療のための薬剤の製造における式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、IfもしくはIgの化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用をさらに含む。
【0125】
投与経路/用量
本発明の化合物は、有効成分化合物と温血動物の体内の作用部位との接触を生じさせる任意の手段によって、本発明による病状、疾患および疾病の治療または予防のために投与することができる。例えば、投与は、経口、経皮を含む局所、経眼、口腔内、鼻内、吸入、膣内、経直腸、槽内および非経口投与であり得る。本明細書で使用される「非経口」は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内注射または注入、胸骨内および腹腔内を含む投与形式を指す。本開示の目的では、温血動物は、ホメオスタシス機構を有する動物界の成員であり、哺乳動物および鳥類が含まれる。
【0126】
化合物は、個別の治療薬としてまたは治療薬と組み合わせて、医薬品と共に使用するために利用可能な任意の従来の手段によって投与することができる。これらは単独で投与することができるが、一般に、選ばれた投与経路および標準的な医薬慣例に基づいて選択される医薬担体と共に投与される。
【0127】
投与される用量は、受容者の年齢、健康状態および体重、疾患の程度、もしあれば併用治療の種類、治療の頻度ならびに所望される効果の性質に依存する。通常、有効成分化合物の1日用量は、約1.0から2000ミリグラム/日である。通常、1回以上の適用で10から500ミリグラム/日が所望の結果を得るために有効である。これらの用量は、上述した病状、疾患および疾病、例えば自己免疫疾患および障害ならびに炎症性疾患および障害の治療および予防のための有効量である。
【0128】
組成物は、例えば、すべて投与のための単位剤形で、経口、舌下、皮下、静脈内、筋肉内、経鼻、局所または経直腸投与等に適するものを含む。
【0129】
経口投与に関しては、有効成分は、個別単位、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤等として提供され得る。非経口投与については、本発明の医薬組成物は、単位用量容器または反復用量容器中で、例えば所定量の注射用液剤が、例えば密封バイアルおよびアンプル中で提供されてもよく、また使用前に滅菌液体担体、例えば水を添加するだけでよい凍結乾燥状態で保存されてもよい。
【0130】
このような医薬的に許容される補助剤と混合して、例えば標準的な参考文献、Gennaro,A.R.et al.,Remington:The Science and Practice of Pharmacy(20th Edition.,Lippincott Williams & Wilkins,2000、特にPart 5:Pharmaceutical Manufacturing参照)に記載されているように、活性薬剤を、丸剤、錠剤などの固体剤形に圧縮してもよく、またはカプセル剤もしくは坐剤に加工してもよい。医薬的に許容される液体により、活性薬剤を液剤、懸濁剤、乳剤の形態でまたはスプレー、例えば鼻スプレーとして、流体組成物、例えば注射用調製物として適用することができる。
【0131】
固体剤形を作製するために、従来の添加剤、例えば充填剤、着色剤、高分子結合剤等の使用が意図される。一般に、活性化合物の機能を妨げない任意の医薬的に許容される添加剤が使用できる。本発明の活性薬剤と共に固体組成物として投与することができる適切な担体には、ラクトース、デンプン、セルロース誘導体等またはそれらの混合物が含まれ、適切な量で使用される。非経口投与については、医薬的に許容される分散剤および/または湿潤剤、例えばプロピレングリコールまたはブチレングリコールを含有する、水性懸濁液、等張生理食塩水および滅菌注射用溶液を使用し得る。
【0132】
医薬組成物
本発明の別の態様は、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物および1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物を提供する。「賦形剤」および「担体」という用語は交換可能に使用され得る。医薬組成物におけるような「組成物」という用語は、有効成分(1つまたは複数)および担体を形成する不活性成分(1つまたは複数)(医薬的に許容される賦形剤)を含有する生成物、ならびに成分の任意の2つ以上の組合せ、錯化もしくは凝集から、または成分の1つ以上の解離から、または成分の1つ以上の他の種類の反応もしくは相互作用から、直接または間接的に生じる任意の生成物を包含することが意図されている。したがって、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物、付加的な有効成分(1つまたは複数)および医薬的に許容される賦形剤を混合することによって作製される任意の組成物を包含する。
【0133】
本発明の医薬組成物は、有効成分として式Iによって表される化合物(またはその薬学的に許容される塩)、医薬的に許容される担体を含有し、他の治療用成分または佐剤を含んでいてもよい。組成物には、経口、経直腸、局所ならびに非経口(例えば皮下、筋肉内および静脈内)投与に適する組成物が含まれるが、所与の症例における最も適切な経路は、特定の宿主、ならびに有効成分が投与される対象の性質および症状の重症度に依存する。医薬組成物は、単位剤形で好都合に提供され得、製薬技術分野で周知の方法のいずれかによって調製され得る。
【0134】
有効成分は、固体剤形、例えばカプセル剤、錠剤、トローチ剤、糖衣錠、顆粒剤および散剤として、または液体剤形、例えばエリキシル剤、シロップ剤、乳剤、分散剤および懸濁剤として経口投与することができる。有効成分はまた、滅菌液体剤形、例えば分散剤、懸濁剤または液剤として非経口投与することもできる。他の剤形も、有効成分を投与するために、局所投与には軟膏、クリーム、液滴剤、経皮パッチもしくは粉末として、眼投与には眼科用溶液もしくは懸濁液形成、すなわち点眼薬として、吸入もしくは鼻内投与にはエアロゾルスプレーもしくは粉末組成物として、または経直腸もしくは経膣投与にはクリーム、軟膏、スプレーもしくは坐剤として使用することができる。
【0135】
ゼラチンカプセルは、有効成分および粉末担体、例えば、ラクトース、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸等を含有する。同様の希釈剤を、圧縮錠剤を作製するために使用できる。錠剤およびカプセルは、どちらも数時間にわたって薬剤の持続的な放出を提供する持続放出製品として製造することができる。圧縮錠剤は、不快な味を隠し、錠剤を大気から保護するために糖被覆もしくはフィルム被覆することができ、または胃腸管内での選択的崩壊のために腸溶被覆することができる。
【0136】
経口投与用の液体剤形は、患者の受容性を高めるための着色剤および着香剤を含有し得る。
【0137】
一般に、水、適切な油、生理食塩水、水性デキストロース(グルコース)および関連糖溶液、ならびにグリコール、例えばプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールは、非経口液剤のための適切な担体である。非経口投与用の液剤は、好ましくは有効成分の水溶性の塩、適切な安定剤、および必要な場合は緩衝物質を含有する。抗酸化剤、例えば重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸は、単独でまたは組み合わせて、適切な安定剤となる。また、クエン酸およびその塩ならびにEDTAナトリウムも使用される。加えて、非経口液剤は、防腐剤、例えば塩化ベンザルコニウム、メチルパラベンまたはプロピルパラベンおよびクロロブタノールを含有し得る。
【0138】
適切な医薬担体は、この分野における標準的な参照テキストである、Remington’s Pharmaceutical Sciences,A.Osolに記載されている。
【0139】
吸入による投与のために、本発明の化合物は、加圧パックまたはネブライザからのエアロゾルスプレーの形態で好都合に送達され得る。化合物はまた、製剤化され得る粉末として送達されてもよく、粉末組成物は吹送粉末吸入装置を用いて吸入され得る。吸入のための好ましい送達システムは、定量吸入(MDI)エアロゾルであり、これは、フルオロカーボンまたは炭化水素などの適切な噴射剤中の式Iの化合物の懸濁剤または液剤として製剤化され得る。
【0140】
眼投与に関しては、眼科用調製物は、適切な眼科用ビヒクル中の式Iの化合物の適切な重量パーセントの溶液または懸濁液を用いて、化合物が角膜および眼の内部領域に浸透することを可能にするのに充分な時間、化合物が眼表面と接触して維持されるように製剤化され得る。
【0141】
本発明の化合物の投与のための有用な医薬剤形には、硬および軟ゼラチンカプセル剤、錠剤、非経口注射剤ならびに経口懸濁剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0142】
多数の単位カプセル剤は、標準的なツーピース硬ゼラチンカプセルに、各々、粉末有効成分100ミリグラム、ラクトース150ミリグラム、セルロース50ミリグラムおよびステアリン酸マグネシウム6ミリグラムを充填することによって調製される。
【0143】
ダイズ油、綿実油またはオリーブ油などの可消化油中の有効成分の混合物を調製し、容積移送式真空ポンプによってゼラチンに注入して、有効成分100ミリグラムを含有する軟ゼラチンカプセル剤を形成する。このカプセル剤を洗浄し、乾燥する。
【0144】
多数の錠剤は、投薬単位が、有効成分100ミリグラム、コロイド状二酸化ケイ素0.2ミリグラム、ステアリン酸マグネシウム5ミリグラム、微結晶セルロース275ミリグラム、デンプン11ミリグラムおよびラクトース98.8ミリグラムとなるように、従来の手順によって調製される。口当たりのよさを高めるまたは吸収を遅延させるために、適切な被覆を施してもよい。
【0145】
注射による投与に適する非経口組成物は、10容量%のプロピレングリコール中で1.5重量%の有効成分を撹拌することによって調製される。液剤は、注射用蒸留水で定量にし、滅菌する。
【0146】
水性懸濁剤は、各々、5ミリリットルが微粉化有効成分100ミリグラム、カルボキシメチルセルロースナトリウム100ミリグラム、安息香酸ナトリウム5ミリグラム、ソルビトール溶液U.S.P.、1.0グラムおよびバニリン0.025ミリリットルを含有するように、経口投与用に調製される。
【0147】
本発明の化合物を段階的にまたは別の治療薬と併用して投与する場合、一般に同じ剤形を使用することができる。薬物を物理的に組み合わせて投与する場合、剤形および投与経路は、組み合わせる薬物の適合性に応じて選択すべきである。したがって、同時投与という用語は、2つの薬剤の同時または連続的な投与、あるいは2つの活性成分の固定用量の組合せとしての投与を包含すると理解される。
【0148】
本発明はまた、一般式Iを有する化合物またはその医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される補助剤、及び場合により他の治療薬と混合して含有する医薬組成物に関する。補助剤は、組成物のその他の成分と適合性であり、その受容者に対して有害でないという意味で「許容され」なければならない。
【0149】
本発明は、前述したような医薬組成物に適する包装材料と組み合わせた医薬組成物をさらに含み、前記包装材料は、上述した使用のための組成物の使用に関する指示書を含む。
【0150】
有効成分またはその医薬組成物の正確な用量および投与レジメは、特定の化合物、投与経路ならびに薬剤を投与される個々の被験者の年齢および症状によって異なり得る。
【0151】
一般に、非経口投与は、より吸収に依存する他の投与方法よりも低い用量しか必要としない。しかしながら、ヒトについての用量は、好ましくは0.0001から100mg/kg体重を含む。所望用量は、1回用量としてまたは1日を通して適切な間隔で投与される多回分割用量として提供され得る。用量ならびに投与レジメは、雌性受容者と雄性受容者の間で異なり得る。
【0152】
併用療法
本発明の化合物ならびにその塩および溶媒和物、ならびにその生理学的に機能性の誘導体は、不適切なIL−17経路の活性に関連する疾患および症状の治療のために、単独でまたは他の治療薬と組み合わせて使用し得る。本発明による併用療法は、したがって、少なくとも1つの式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはその生理学的に機能性の誘導体の投与、および少なくとも1つの他の医薬活性薬剤の使用を含む。式(I)の化合物(1つまたは複数)およびその他の医薬活性薬剤(1つまたは複数)は、一緒にまたは別々に投与してよく、別々に投与する場合、これは同時にまたは任意の順序で連続的に行い得る。式(I)の化合物(1つまたは複数)および他の医薬活性薬剤(1つまたは複数)の量ならびに相対的な投与のタイミングは、所望の併用治療効果が達成されるように選択される。炎症性疾患および自己免疫疾患、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、強直性脊椎炎、SLE、ブドウ膜炎、アトピー性皮膚炎、COPD、喘息およびアレルギー性鼻炎の治療のために、式(I)の化合物を1つ以上の他の活性薬剤、例えば:(1)TNF−α阻害薬;(2)非選択的COX−I/COX−2阻害薬;(3)COX−2阻害薬;(4)炎症性疾患および自己免疫疾患の治療のための他の薬剤、例えばグルココルチコイド、メトトレキサート、レフルノミド、スルファサラジン、アザチオプリン、シクロスポリン、タクロリムス、ペニシラミン、ブシラミン、アクタリット、ミゾリビン、ロベンザリット、シクレソニド、ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミン、アウロチオマレート、オーラノフィンまたは非経口もしくは経口金剤、シクロホスファミド、リンホスタット−B、BAFF/APRIL阻害薬およびCTLA−4−Igまたはそのミメティック;(5)ロイコトリエン生合成阻害薬、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害薬または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)拮抗薬;(6)LTD4受容体拮抗薬;(7)PDE4阻害薬;(8)抗ヒスタミンHI受容体拮抗薬;(9)α1−およびα2−アドレナリン受容体作動薬;(10)抗コリン作動薬;(11)β−アドレナリン受容体作動薬;(12)インスリン様増殖因子I型(IGF−1)ミメティック;(13)糖質コルチコステロイド;(14)キナーゼ阻害薬、例えばヤヌスキナーゼ阻害薬(JAK1および/またはJAK2および/またはJAK3および/またはTYK2)、p38 MAPKおよびIKK2;(15)B細胞標的化生物学的製剤、例えばリツキシマブ;(16)選択的共刺激調節剤、例えばアバタセプト;(17)インターロイキン阻害薬、例えばIL−1阻害薬アナキンラ、IL−6阻害薬トシリズマブ、およびIL12/IL−23阻害薬ウステキヌマブと併用してもよい。また、炎症性疾患および自己免疫疾患の治療のために、抗IL17抗体と併用して、相加的/相乗的応答を得ることもできる。
【0153】
適切な場合は、他の治療成分(1つまたは複数)を、治療成分の活性および/または安定性および/または物理的特性、例えば溶解度を最適化するために、塩の形態で、例えばアルカリ金属もしくはアミン塩として、または酸付加塩もしくはプロドラッグとして、またはエステル、例えば低級アルキルエステルとして、または溶媒和物、例えば水和物として使用してもよいことは当業者に明白である。また、適切な場合は、治療成分を光学的に純粋な形態で使用してもよいことも明らかである。
【0154】
上記で言及された組合せは、医薬組成物の形態での使用のために好都合に提供され得、したがって、上記で定義された組合せを医薬的に許容される希釈剤または担体と一緒に含む医薬組成物は、本発明のさらなる態様である。これらの組合せは、呼吸器系疾患において特に興味深く、吸入送達または鼻内送達用に好都合に適合される。
【0155】
このような組合せの個々の化合物は、別々の医薬組成物または複合医薬組成物中で連続的にまたは同時に投与され得る。好ましくは、個々の化合物は、複合医薬組成物中で同時に投与される。公知の治療薬の適切な用量は当業者に容易に認識される。
【0156】
したがって、本発明の医薬組成物は、式I、Ia、Ib、Ic、Id、Ie、IfまたはIgの化合物に加えて少なくとも1つの付加的な治療活性薬剤も含有するものを包含する。
【0157】
本発明は、1つ以上の他の薬物と組み合わせた式Iの化合物をさらに含む。
【0158】
合成方法
本発明の化合物を調製するための方法を、以下のスキームおよび実施例において例示する。他の合成プロトコルは、本開示を考慮して当業者には容易に明らかである。実施例は式Iの化合物の調製を例示するものであり、それ自体、本明細書に添付される特許請求の範囲に明記される本発明を限定するものとみなされるべきではない。特に指示されない限り、すべての可変部分は先に定義されたとおりである。
【0159】
式Iのすべての最終生成物は、NMRおよび/またはLCMSによって分析した。中間体は、NMRおよび/またはTLCおよび/またはLCMSによって分析した。大部分の化合物は、逆相HPLC、シリカゲルでのMPLC、再結晶化および/またはスイッシュ(溶媒中に懸濁し、次いで固体をろ過する)によって精製した。反応の経過を薄層クロマトグラフィ(TLC)および/またはLCMSおよび/またはNMRによって追跡し、反応時間は例示のためにのみ示している。
【0160】
本明細書で用いる略語は以下のとおりである:EtOAc:酢酸エチル;PE:石油エーテル;EA:酢酸エチル;DCM:ジクロロメタン;AcOH:酢酸;DMAC:N,N−ジメチルアセトアミド;DMAP:4−ジメチルアミノピリジン;TEA:トリエチルアミン;TFA:トリフルオロ酢酸;MeOH:メタノール;bippyphos:5−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−1’,3’,5’−トリフェニル−1,4’−ビ−1H−ピラゾール;Pd
2(dba)
3:トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)。
【0161】
スキーム1は、式Iの化合物の調製のための一般的方法を例示する。ハロゲン化物Aから出発し、塩基の存在下にカルボン酸または酸塩化物でN−アシル化して、化合物Bを形成した。ハロゲン化物Bを適切な塩基および/または適切な金属触媒の存在下で適切な第一級または第二級アミンと反応させ、所望生成物を直接得た。エステル部分を含む基質に関しては、エステル加水分解の付加的な段階によって最終化合物Iを得た。
【化23】
【0162】
スキーム2は、式Iの化合物の調製のための選択的な経路を例示する。ハロゲン化物Aから出発し、最初にTHP保護して、次いでN−アリール化し、中間体Dを形成した。THPを除去し、様々なアシル化基の速やかな導入を可能にする極めて有用な中間体を得た。最終的な加水分解によって最終生成物Iを得た。
【化24】
【0163】
スキーム3は、A
6位置にアミド部分を含む式Iの化合物の調製のための一般的方法を例示する。ハロゲン化物Aから出発し、アシル化、次いでN−アリール化により、中間体Cを得た。その後、加水分解、アミドカップリングおよび脱保護により、最終生成物Iの形成に至った。
【化25】
【0164】
以下の表は、本発明の中間体の合成において用いられる化学材料および本発明の実施例の合成において使用できる化学材料についての商業的供給源および以前に開示された合成経路を列挙する。このリストは、いかなる意味でも網羅的、排他的または限定的であることを意図されない。
【表1】
【0168】
中間体
実施例i−1
(3−ブロモ−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−1−イル)(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノンの調製
【化26】
【0169】
段階1.(3−ブロモ−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−1−イル)(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノン(i−1)の調製
フラスコに、3−ブロモ−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン(i−1a)(3.2g、16.2mmol)、2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド2(3.9g、16.2mmol)、DMAP(1.97g、16.2mmol)およびDCM(60mL)を添加し、次いでTEA(3.26g、32.4mmol)を緩やかに添加した。反応混合物を40℃で3時間撹拌した。混合物をH
2Oで希釈し、有機層を分離した。水層をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機物をH
2O、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥して、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(石油/EtOAc、5/1)によって精製し、表題化合物3.0g(46%)を得た。LCMS(ESI)C
14H
6BrClF
3N
3O[M+H]
+の計算値:406、実測値:406。
【0170】
実施例i−2
(3−ブロモ−4−フルオロ−1H−インダゾール−1−イル)(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノンの調製
【化27】
【0171】
段階1.3−ブロモ−4−フルオロ−1H−インダゾール(i−2b)の調製。
【0172】
室温で、4−フルオロ−1H−インダゾール(i−2a)(5g、36.8mmol)の2M水酸化ナトリウム溶液(100ml)中の懸濁液に、臭素(5.8g、36.8mmol)の2M水酸化ナトリウム溶液(60ml)中の溶液を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物に重亜硫酸ナトリウム水溶液(10%、100mL)を添加した。溶液を酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層を、H
2O(3×100mL)およびブライン(2×150mL)で洗浄した。溶液を無水Na
2SO
4で乾燥し、蒸発させた。生成物5.47gを得た。収率69%。LCMS(ESI)C
7H
4BrFN
2[M+H]
+の計算値:215、実測値:215。
【0173】
段階2.(3−ブロモ−4−フルオロ−1H−インダゾール−1−イル)(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノン(i−2)の調製。
【0174】
フラスコに、3−ブロモ−4−フルオロ−1H−インダゾールi−2b(3.2g、14.9mmol)、2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(5.43g、22.35mmol)、DMAP(1.82g、14.9mmol)、TEA(3.02g、29.8mmol)を添加し、混合物を40℃で3時間撹拌した。混合物をH
2Oで希釈し、有機層を分離した。水層をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機物を、H
2O、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥して、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(石油/EtOAc、5/1)によって精製し、表題化合物2.8g(45%)を得た。LCMS(ESI)C
15H
6BrClF
4N
2O[M+H]
+の計算値:421、実測値:421。
【0175】
実施例i−3
(3R,4R)および(3S,4S)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸の調製
【化28】
【0176】
段階1.(3R,4R)および(3S,4S)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸(i−3)の調製
(3R,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸(i−3a)(350mg、1.44mmol)のDCM(5mL)中の溶液にTFA(1ml)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。次に混合物を蒸発させ、化合物2のTFA塩520mgを得た。LCMS(ESI):C
7H
13NO
2[M+H]
+の計算値:144、実測値:144。
【0177】
実施例i−4
メチル3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレートの調製
【化29】
【0178】
段階1.メチル1−ベンジル−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレート(i−4b)の調製
エチル1−ベンジル−3−オキソピペリジン−4−カルボキシレート(i−4a)(1.0g、3.36mmol)、ZnCl
2(0.46g、3.36mmol)およびNaBH
4(0.13g、3.36mmol)のMeOH(20mL)中の混合物を、70℃で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をH
2O(50mL)で希釈した。水層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥して、濃縮し、所望生成物を淡黄色の油として得た。LCMS(ESI)C
14H
19NO
3[M+H]
+の計算値:250、実測値:250。
【0179】
段階2.メチル3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレート(i−4)の調製
メチル1−ベンジル−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレート(i−4b)(0.5g、2.01mmol)、Pd/C(10%、50mg)のMeOH(20mL)中の混合物を、H
2バルーン圧下に室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、所望生成物を淡黄色の油として得た。LCMS(ESI)C
7H
13NO
3[M+H]
+の計算値:160、実測値:160。
【0180】
実施例i−5
エチル3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレートの調製
【化30】
【0181】
エチル1−ベンジル−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレート(0.52g、1.98mmol、シス異性体とトランス異性体の混合物)のエタノール(10ml)中の溶液を含むフラスコに、炭素担持水酸化パラジウム(0.07g、0.1mmol)を添加した。混合物を、水素バルーンを用いて室温で14時間撹拌し、セライトでろ過して、EtOAcで洗浄した。ろ液を濃縮し、NMRは不完全な脱ベンジル化を示した。この物質をさらに精製することのなく次の段階に使用した。
【0182】
実施例i−6
エチル2−((3R,4Rおよび3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−イル)−2−オキソアセテート、およびエチル2−((3S,4Rおよび3R,4S)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−イル)−2−オキソアセテートの調製
【化31】
【0183】
段階1.(シス)−エチル1−ベンジル−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(i−6aa)および(トランス)−エチル1−ベンジル−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(i−6ab)の調製
0℃で、KOtBu(2.49g、22.2mmol)のTHF(50ml)中の懸濁液に、エチル1−ベンジル−3−オキソ−4−ピペリジンカルボキシレートヒドロクロリド(3.0g、10.1mmol)を少しずつ添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次に0℃に冷却した。MeIを滴下した。混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をEtOH(25ml)で希釈し、0℃に冷却して、次いでNaBH
4(0.42g、11.1mmol)を少しずつ添加した。添加後、混合物をさらに1時間撹拌し続け、その後飽和NH
4Clを含むビーカーに緩やかに注ぎ入れた。混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機物を分離し、ブラインで洗浄して、MgSO
4で乾燥し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(10−50%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、純粋なシスおよびトランス異性体を得た:i−6aaシス異性体、下のスポット、220mg;i−6abトランス異性体、上のスポット、540mg;LCMS(ESI)C
16H
23NO
3[M+H]
+の計算値:278、実測値:278。
【0184】
段階2.エチル2−((3R,4Rおよび3S,4S)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−イル)−2−オキソアセテート(i−6a)、およびエチル2−((3S,4Rおよび3R,4S)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−イル)−2−オキソアセテート(i−6b)の調製
(シス)−エチル1−ベンジル−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(i−6aa)(200mg、0.72mmol)をEtOH(2.4ml)中に含むフラスコに、炭素担持水酸化パラジウム(50.6mg、0.072mmol)を添加した。混合物を、H
2バルーンを用いて室温で14時間水素化した。TLCは出発物質が残っていないことを示した。混合物をセライトでろ過し、濃縮して、粗生成物(i−6a)を得、これをさらに精製することなく次の段階に使用した。
【0185】
対応するトランス異性体i−6bを、本開示を考慮して有機化学の当業者によって達成され得るように、同様に調製して、次の段階に直接使用した。
【0186】
実施例i−7
(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−yl)メタノンの調製
【化32】
【0187】
段階1.4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール(i−7a)の調製
4−フルオロ−1H−インダゾール(24g、180mmol)のDMF300mL中の溶液に、二ヨウ素(56g、216mmol)および水酸化カリウム(40g、720mmol)を0℃で添加した。生じた混合物を室温に温め、5時間撹拌した。反応混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム(200mL)で緩やかにクエンチングし、EA(500mL×3)で抽出して、合わせた有機層を洗浄し、乾燥して、濃縮した。残留物を再結晶化によって精製し、表題化合物(30g、収率:65%)を得た。LCMS(ESI)C
7H
4FIN
2[M+H]
+の計算値:263、実測値:263。
【0188】
段階2.(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)メタノン(i−7)の調製
0℃で、NaH(106mg、2.64mmol、無機物中60%)の無水THF(30mL)中の懸濁液に、4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール(i−7a)(460mg、1.76mmol)を添加した。これを0℃で1時間撹拌した後、2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(510mg、2.11mmol)を滴下した。混合物を15℃で2時間撹拌した。生じた混合物を水(10mL)でクエンチングし、減圧下で濃縮してTHFを除去した。残留物を酢酸エチル(100mL)と水(100mL)に分配した。水溶液を酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥して、減圧下で濃縮し、粗生成物i−7(800mg、粗物質)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)C
15H
6ClF
4IN
2O[M+H]
+の計算値:469、実測値:469。
【0189】
実施例i−8
(4−クロロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノン
【化33】
【0190】
フラスコに、4−クロロ−3−ヨード−1H−インダゾール(1g、3.59mmol)、2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(1.05g、4.31mmol)、DMAP(0.44g、3.6mmol)、DCM(7.2mL)およびEt
3N(0.75ml、5.4mmol)を緩やかに添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回逆抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥して、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン0−50%)によって精製し、所望生成物を無色固体(1.5g、86%)として得た。LCMS(ESI)C
15H
6Cl
2F
3IN
2O[M+H]
+の計算値:484.8、実測値:484.8。
【0191】
実施例i−9
2−クロロ−6−シクロプロピル安息香酸の調製
【化34】
【0192】
段階1.メチル2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾエート(i−9a)の調製
メチル2−ブロモ−6−クロロベンゾエート(1.0g、4.0mmol)、シクロプロピルボロン酸(516mg、6.0mmol)、Pd(OAc)
2(90mg、0.4mmol)、Cy
3P(224mg、0.8mmol)およびK
3PO
4(2.5g、12.0mmol)を、トルエン(20ml)およびH
2O(2.5ml)中で混合した。混合物を、N
2雰囲気下、100℃で14時間撹拌した。混合物を冷却し、水(50mL)に注ぎ入れた。混合物をEtOAc(50ml)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(石油/EtOAc 15/1)によって精製し、表題化合物0.6g(71%)を得た。LCMS(ESI)C
11H
11ClO
2[M+H]
+の計算値:211、実測値:211。
【0193】
段階2.2−クロロ−6−シクロプロピル安息香酸(i−9)の調製
NaOH(380mg、9.5mmol)を、メチル2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾエート(i−9a)(200mg、0.95mmol)のEtOH(15ml)およびH
2O(6ml)中の溶液に添加した。生じた溶液を80℃で一晩撹拌した。混合物を冷却し、希釈したHClでpH=2−3に酸性化した。次に混合物をEtOAc(50ml)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮して、表題化合物160mg(86%)を得た。LCMS(ESI)C
10H
9ClO
2[M+H]
+の計算値:197、実測値:197。
【0194】
実施例i−10
(2−クロロ−6−シクロプロピルフェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)メタノンの調製
【化35】
【0195】
段階1.2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイルクロリド(i−10b)の調製
2−クロロ−6−シクロプロピル安息香酸(i−10a)(1g、7.19mmol)のDCM50mL中の溶液に、二塩化オキサリル(13mL)を0℃で滴下し、次に混合物を25℃で12時間撹拌した。混合物を蒸発乾固させた。次に残留物を減圧下で蒸留し、表題化合物12g(86%)を黄色の油として得た。LCMS(ESI)C
10H
8Cl
2O[M+H]
+の計算値:215、実測値:215。
【0196】
段階2.(2−クロロ−6−シクロプロピルフェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)メタノン(i−10)の調製
4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール(1.14g、4.65mmol)のTHF20mL中の懸濁液に、NaH(279mg、6.9mmol)を0℃で滴下した。混合物を0℃で30分間撹拌した。2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイルクロリド(i−10b)(1g、4.65mmol)の無水THF(20mL)中の溶液を、混合物に滴下した。混合物を25℃でさらに30分間撹拌した。次に反応混合物を飽和NH
4Cl溶液によってクエンチングし、水(100mL)で希釈して、EtOAc(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥して、蒸発乾固させた。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(PE:EtOAc=5:1)によって精製し、表題化合物1.7g(86%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)C
17H
11ClFIN
2O[M+H]
+の計算値:441、実測値:441。
【0197】
実施例i−11
2−クロロ−6−シクロブチル安息香酸の調製
【化36】
【0198】
段階1.メチル2−クロロ−6−シクロブチルベンゾエート(i−11b)の調製
メチル2−ブロモ−6−クロロベンゾエート(i−11a)(750mg、3mmol)、(PPh
3)
4Pd(345mg、0.3mmol)およびシクロブチル亜鉛ブロミド(THF中12ml、6mmol)の混合物を、N
2保護下で混合した。混合物をN
2下に70℃で12時間撹拌した。混合物をEtOAcと水で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥して、ろ過し、濃縮して、クロマトグラフィ(PE:EtOAc=50:1)で精製し、表題化合物350mg(LCMSにおいて61%、多少のPPh
3を含む)を得た。LCMS(ESI)C
12H
13ClO
2[M+H]
+の計算値:225、実測値:225。
【0199】
段階2.2−クロロ−6−シクロブチル安息香酸(i−11)の調製
メチル2−クロロ−6−シクロブチルベンゾエート(i−11b)(350mg、1mmol)のEtOH(2ml)中の溶液に、KOH(H
2O中2M、1.5ml、3mmol)を添加した。混合物を100℃で12時間撹拌し、3N HClで酸性化して、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥して、ろ過し、濃縮した。分取HPLC(ACN:H
2O)で精製し、表題化合物125mgを得た。LCMS(ESI)C
11H
11ClO
2[M+H]
+の計算値:211、実測値:211。
【0200】
実施例i−12
(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−フルオロ−3−ブロモ−1H−インダゾール−1−イル)メタノンの調製
【化37】
【0201】
バイアルに、3−ブロモ−4−フルオロ−1H−インダゾール(i−12a)(400mg、1.860mmol)、TEA(389μl、2.79mmol)、DMAP(45.5mg、0.372mmol)、DCM(3.7ml)および2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(542mg、2.23mmol)を添加し、生じた溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回逆抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥して、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン10−75%)によって精製し、所望生成物を黄色固体(326mg、88%)として得た。LCMS(ESI)C
15H
6BrClF
4N
2O[M+H]
+の計算値:420.9、実測値:420.9。
【0202】
実施例i−13
メチル2−メチルピペリジン−4−カルボキシレートの調製
【化38】
【0203】
メチル2−クロロ−6−メチルイソニコチネート(i−13a)(4.4g、23.7mmol)のAcOH(50mL)中の溶液に、Pt/C(4g、Pt 5重量%)をアルゴン下で添加した。懸濁液を減圧下で脱気し、H
2で数回パージした。混合物をH
2雰囲気下に(50psi)70℃で一晩撹拌した。ろ過し、減圧下で濃縮した後、H
2O 20mLを混合物に添加し、混合物をNa
2CO
3水溶液でpH=7に調整して、DCM(30mL×3)で抽出した。合わせた有機物を減圧下で濃縮し、表題化合物の粗生成物(3g、収率:80%)を得て、これをさらに精製することなく次の段階に使用した。LCMS(ESI)C
8H
15NO
2[M+H]
+の計算値:158、実測値:158。
【0204】
実施例i−14
3−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル)−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸
【化39】
【0205】
段階1.メチル1H−インダゾール−6−カルボキシレート(i−14b)の調製
メチル3−アミノ−4−メチルベンゾエート(i−14a)(5.0g、30.2mmol)をAcOH(140mL)に溶解した。水(3.5mL)中の亜硝酸ナトリウム(2.1g、30.2mmol)を、氷冷下、室温で出発物質の溶液に滴下した。氷浴を取り除き、混合物を一晩撹拌した。溶媒の半分を蒸発させ、混合物を水(80mL)で希釈して、EtOAc(3×30mL)で抽出した。集めた有機層を水およびブライン(2×200mL)で洗浄し、乾燥して、蒸発させ、表題化合物(4.4g)、収率83%を得た。LCMS(ESI):C
9H
8N
2O
2[M+H]
+の計算値:177、実測値:177。
【0206】
段階2.メチル3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(i−14c)の調製。
【0207】
メチル1H−インダゾール−6−カルボキシレート(i−14b)(5.0g、28.3mmol)を無水DMAc(50mL)に溶解した。ヨウ素(14.4g、56.7mmol)および水酸化カリウム(6.3g、113.5mmol)を氷冷下に室温で少しずつ添加した。氷浴を取り除き、混合物を室温で1時間撹拌し、その後、Na
2S
2O
3(飽和水溶液、100mL)で緩やかにクエンチングして、水(50mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機層を蒸発させ、n−ヘキサンで粉砕した。沈殿した物質をろ過し、乾燥して、表題化合物を褐色固体(5.3g)として収率62%で得た。LCMS(ESI):C
9H
7IN
2O
2[M+H]
+の計算値:303、実測値:303。
【0208】
段階3.メチル1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(i−14d)の調製。
【0209】
250mLの丸底フラスコに、メチル3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(i−14c)(11.7g、38.7mmol)、2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(9.1g、38.7mmol)、DMAP(4.72g、38.7mmol)およびCH
2Cl
2(30mL)を添加した。室温で3分間撹拌した後、TEA(11.2mL、77mmol)を緩やかに添加した。反応混合物を室温で14時間撹拌した。混合物を水30mLに注ぎ入れ、DCMで抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで連続的に洗浄した。反応によって生じた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して、減圧で濃縮し、黄色固体を得た。残留物を50/1から10/1の石油エーテル/EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィによって精製し、表題化合物(16.5g、収率84%)を得た。LCMS(ESI):C
17H
9ClF
3IN
2O
3[M+H]+の計算値:509、実測値:509。
【0210】
段階4.メチル3−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル)−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(i−14e)
フラスコに、メチル1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−3−ヨード−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(i−14d)(500mg、0.983mmol)、tert−ブチルピペリジン−4−カルボキシレート(273mg、1.475mmol)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジ−I−プロポキシ−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチルフェニル)]パラジウム(II)、メチル−t−ブチルエーテル(80mg、0.098mmol)、炭酸セシウム(641mg、1.966mmol)およびジオキサン(4915μl)を添加した。バイアルに蓋をし、80℃で一晩加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈して、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回逆抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥して、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン10−75%)によって精製し、所望生成物を黄色固体(48mg、47%)として得た。LCMS(ESI)C
27H
27ClF
3N
3O
5[M+H]
+の計算値:566、実測値:566。
【0211】
段階5.3−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル)−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸(i−14)
バイアルに、メチル3−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル)−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(i−14e)(175mg、0.309mmol)、水酸化リチウム(74.0mg、3.09mmol)、THF(1546μl)および水(1546μl)を添加し、この溶液を一晩撹拌した。反応物を2N HClで酸性化し、次に酢酸エチルで2回洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥して、ろ過し、濃縮して、所望生成物(171mg、100%)を得た。LCMS(ESI)C
26H
25ClF
3N
3O
5[M+H]
+の計算値:552、実測値:552。
【0212】
実施例i−15
4−フルオロ−3−ヨード−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾールの調製
【化40】
【0213】
4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール(10g、38.1mmol)のTHF150mL中の溶液に、DHP(11.5g、122.4mmol)およびPTSA(776mg、4mmol)を添加した。反応混合物を6時間加熱還流し、冷却して、水に緩やかに注ぎ入れた。混合物をEtOAc(300mL×3)で抽出し、抽出物をブラインで洗浄して、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を、PE:EA=50:1から5:1で溶出するシリカゲルクロマトグラフィによって精製し、表題化合物(7g、54%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)C
12H
12FIN
2O[M+H]
+の計算値:347、実測値:347。
【0214】
実施例i−16
エチルトランス−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−1−(4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボキシレートの調製
【化41】
【0215】
段階1.エチル1−ベンジル−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレート(i−16b)の調製
熱電対を備えた500mlの三つ口フラスコ中、エチル1−ベンジル−3−オキソピペリジン−4−カルボキシレートHCl塩(20.0g、67.2mmol)のMeOH(200ml)中の溶液を0℃に冷却し、次いで水素化ホウ素ナトリウム(7.62g、201mmol)を、過剰なガス発生を回避しながら、75分間にわたって少しずつ添加した。添加後、混合物を室温で2時間半撹拌した。混合物を0℃に冷却し、H
2O 200mlを滴下してクエンチングし、EtOAcで抽出した。合わせた有機物を、水、次いでブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥して、ろ過し、減圧下で濃縮して、エチル1−ベンジル−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレートを得た。LCMS(ESI)C
15H
21NO
3[M+H]
+の計算値:264、実測値:264。
【0216】
段階2.エチルトランス−1−ベンジル−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)ピペリジン−4−カルボキシレート(i−16c)の調製
エチル1−ベンジル−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレート(16.95g、63.5mmol)およびイミダゾール(13.15g、193mmol)のDMF(85ml)中の溶液を0℃に冷却し、TBDPS−Cl(15ml、58.4mmol)を充填して、室温で64時間半撹拌した。混合物を水100mlで緩やかにクエンチングし、MTBE(2×)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥して、ろ過し、減圧下でSiO
2上に濃縮して、フラッシュクロマトグラフィ(Silicycle 40g、0−15%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、エチルトランス−1−ベンジル−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)ピペリジン−4−カルボキシレートを得た。LCMS(ESI)C
31H
39NO
3Si[M+H]
+の計算値:502、実測値:502。
【0217】
段階3.エチルトランス−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)ピペリジン−4−カルボキシレート(i−16d)の調製
エチルトランス−1−ベンジル−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)ピペリジン−4−カルボキシレート(10.257g、20.44mmol)およびAcOH(5.85ml、102mmol)のエタノール(50ml)中の溶液を排気し、窒素(3×)を戻し充填して、Pd−C(2.08g、1.955mmol)を充填し、排気して、水素(3×)を戻し充填し、水素のバルーン下に室温で14時間撹拌した。溶液をセライトでろ過し、DCMで溶出した。ろ液を減圧下で濃縮し、次にEtOAc 100ml中に溶解した。飽和NaHCO
3水溶液200mlと共に激しく撹拌し、層を分離した。合わせた有機物を飽和NaHCO
3水溶液、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、エチルトランス−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)ピペリジン−4−カルボキシレートを得た。LCMS(ESI)C
24H
33NO
3Si[M+H]
+の計算値:412、実測値:412。
【0218】
段階4.エチルトランス−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−1−(4−フルオロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボキシレート(i−16e)の調製
4−フルオロ−3−ヨード−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(5.00g、14.45mmol)、エチルトランス−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)ピペリジン−4−カルボキシレート(7.96g、17.6mmol)、Cs
2CO
3(14.1g、43mmol)およびブッフバルトRuPhos第一世代プレ触媒(953mg、1.17mmol)のジオキサン(35ml)中の混合物をN
2でスパージし、密封して、80℃で20時間加熱した。混合物をセライトでろ過し、EtOAcで溶出した。有機物を減圧下でSiO
2上に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィ(10−40%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、エチルトランス−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−1−(4−フルオロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボキシレートを得た。LCMS(ESI)C
36H
44FN
3O
4Si[M+H]
+の計算値:630、実測値:630。
【0219】
段階5.エチルトランス−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−1−(4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボキシレート(i−16)の調製
添加漏斗および熱電対を備えた250mlの三つ口RBF中、エチルトランス−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−1−(4−フルオロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボキシレート(8.0g、12.8mmol)のDCM(56ml)およびメタノール(16ml)中の溶液を、〜5℃の内部温度に冷却し、次に濃塩酸(10.5ml、128mmol)を滴下した。溶液を冷浴から取り出し、室温で51時間撹拌して、次に水で希釈し(温度は〜30℃に上昇した)、層分離が起こった。DCMで抽出した後、合わせた有機物を飽和NaHCO
3水溶液、次いでブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥して、ろ過し、減圧下で濃縮して、フラッシュクロマトグラフィ(10−50%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、エチルトランス−3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−1−(4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボキシレートを得た。LCMS(ESI)C
31H
36FN
3O
3Si[M+H]
+の計算値:546、実測値:546。
1H NMR(600MHz,CDCL3)δ 7.63(4H,dd,J=14.4,6.8Hz),7.33(6H,m),7.07(1H,d,J=8.5Hz),6.60(1H,dd,J=10.8,7.9Hz),4.27(1H,m),3.98(2H,m),3.75(1H,dd,J=12.0,3.8Hz),3.69(1H,d,J=12.4Hz),2.99(1H,m),2.89(1H,m),2.63(1H,dt,J=11.8,4.1Hz),2.04(1H,d,J=10.9Hz),1.91(1H,m),1.16(3H,m),0.97(9H,s)。
【0220】
化合物の調製のための方法
実施例1A
(3R,4Rおよび3S,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチルベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸(1A)の調製
【化42】
【0221】
段階1.(3R,4Rおよび3S,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸(1A)の調製
(3−ブロモ−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−1−イル)(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノン(A−1)(200mg、0.5mmol)および(3R,4Rおよび3S,4S)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸2(107mg、0.75mmol)のDMF(10mL)中の溶液にK
2CO
3(207mg、1.5mmol)を添加し、混合物をマイクロ波によって100℃で2時間撹拌した。次に混合物を水に注ぎ入れ、EA(2×40ml)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(CH
3CN/H
2O)によって精製し、表題化合物60mg(26%)を得た。LCMS(ESI):C
21H
18ClF
3N
4O
3[M+H]
+の計算値:467、実測値:467;
1H NMR(400MHz,CDCL3)δ 8.83−8.81(1H,d),8.68−8.66(1H,d),7.70−7.67(2H,m),7.58−7.54(1H,t),7.52−7.48(1H,m),4.44−4.40(2H,m),3.37−3.33(1H,m),3.18−3.12(1H,m),2.76−2.71(1H,m),2.37(1H,s),2.04−1.97(1H,m),1.83−1.77(1H,m),1.01−0.97(3H,m)。
【0222】
実施例1B
8−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸(1B)の調製
【化43】
【0223】
段階1.メチル8−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシレート(B−2)の調製
(3−ブロモ−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−1−イル)(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノン(B−1)(200mg、0.50mmol)、3−(メトキシカルボニル)−8−アゾニア−ビシクロ[3.2.1]オクタンクロリド2(0.15g、0.75mmol)およびCs
2CO
3(0.65g、2.0mmol)の混合物を、DMF(5mL)中に懸濁した。反応混合物をマイクロ波反応器中で150℃にて5時間加熱した。生じた混合物をH
2O(50mL)で希釈した。2M HCl溶液を添加してpHを〜3に調整し、水層を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥して、濃縮し、粗生成物B−2を黄色の油として得た。LCMS(ESI)C
23H
20ClF
3N
4O
3[M+H]
+の計算値:493、実測値:493。
【0224】
段階2.8−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸(2B)の調製
メチル8−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−3−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシレート(B−2)(100mg、0.20mmol)およびLiOH・H
2O(42mg、1.0mmol)のTHF(4mL)およびH
2O(2mL)中の混合物を、室温で14時間撹拌した。反応混合物をH
2O(20mL)で希釈し、2M HClでpH〜3に酸性化して、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥して、濃縮した。残留物を分取HPLC(CH
3CN/H
2O)で精製し、所望生成物2Bを白色固体として得た。LCMS(ESI)C
22H
18ClF
3N
4O
3[M+H]
+の計算値:479、実測値:479;
1HNMR(400MHz,MeOD)δ 8.77(1H,d,J=8.4Hz),8.72(1H,d,J=4.4Hz),7.80−7.83(2H,m),7.69−7.73(1H,m),7.63−7.67(1H,m),4.93(2H,s),2.87−2.94(1H,m),2.05−2.08(2H,m),1.95−2.02(1H,m),1.82−1.89(3H,m),1.66−1.69(2H,m)。
【0225】
実施例1C
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピロリジン−3−カルボン酸(1C)の調製
【化44】
【0226】
bippyphos(10mg、0.019mmol)のtert−アミルアルコール(0.8ml)中の溶液に、Pd
2(dba)
3(10mg、0.0095mmol)および水1滴を添加し、均一な反応混合物を維持した。混合物を15分間撹拌し、次いで(3−ブロモ−4−フルオロ−1H−インダゾール−1−イル)(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノン(40mg、0.095mmol)、ピロリジン−3−カルボン酸(14mg、0.117mmol)およびCs
2CO
3(93mg、0.284mmol)を添加した。混合物をN
2でパージし、次に100℃で12時間加熱した。混合物をH
2Oで希釈し、有機層を分離した。水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機物を無水Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。残留物を分取TLC(石油/EtOAc、2/1)によって精製し、表題化合物17mg(40%)を得た。LCMS(ESI)C
20H
14ClF
4N
3O
3[M+H]
+の計算値:456、実測値:456。
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.44(1H,d,J=8.0Hz),7.64−7.67(2H,m),7.51−7.60(2H,m),7.04−7.09(1H,m),3.56−3.75(4H,m),3.17−3.20(1H,m),2.24−2.30(2H,m)。
【0227】
表1に示す以下の実施例は、スキームA、スキームBおよびスキームC中の実施例1A、実施例1Bおよび実施例1Cについて記載したのと同様の手順に従って調製し、前記手順は本開示を考慮して有機合成の当業者によって達成され得る。
【表2】
【0231】
実施例2A
1−(
4−クロロ−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)
−1H−インダゾール−3−イル)
ピペリジン−4−カルボン酸(2A)の調製
【化45】
【0232】
段階1.メチル1−(4−クロロ−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボキシレート(D−1)の調製
フラスコに、(4−クロロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノン(100mg、0.206mmol)、メチルピペリジン−4−カルボキシレート(55.7μl、0.412mmol)、ヨウ化銅(I)(7.85mg、0.041mmol)、DL−プロリン(9.49mg、0.082mmol)、炭酸カリウム(85mg、0.619mmol)およびN−メチル−2−ピロリジノン(1031μl)を添加し、バイアルに蓋をして、マイクロ波中、140℃で30分間加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈して、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回逆抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥して、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン10−75%)によって精製し、所望生成物を無色の固体(9mg、9%)として得た。LCMS(ESI)C
22H
18Cl
2F
3N
3O
3[M+H]
+の計算値:500、実測値:500。
【0233】
段階2.1−(
4−クロロー(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)
−1H−インダゾール−3−イル)
ピペリジン−4−カルボン酸(2A)の調製
フラスコに、メチル1−(4−クロロ−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボキシレート(D−1)(9mg、0.018mmol)、水酸化リチウム(2.154mg、0.090mmol)、水(180μl)、テトラヒドロフラン(180μl)を添加し、バイアルを室温で2時間撹拌した。反応物を2N HClで酸性化し、濃縮した。残留物を分取HPLC(アセトニトリル/水+0.10%TFA 50−95%)によって精製し、所望生成物を無色の固体(5mg、57%)として得た。LCMS(ESI)C
21H
16Cl
2F
3N
3O
3[M+H]
+の計算値:486、実測値:486。1H NMR(600MHz,DMSO)δ 12.20(s,1H),8.39(d,J=7.5Hz,1H),8.00−7.86(m,2H),7.77(t,J=7.3Hz,1H),7.68(t,J=7.1Hz,1H),7.56(d,J=7.6Hz,1H),3.41(d,J=10.6Hz,2H),2.68(d,J=8.8Hz,2H),2.38(bs,1H),1.82(d,J=11.1Hz,2H),1.72−1.56(m,2H)。
【0234】
表2に示す以下の実施例は、実施例2Aについて記載したのと同じ手順を用いて作製し、前記手順は本開示を考慮して有機合成の当業者によって達成され得る。
【表3】
【0235】
実施例3A
1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸(3A)の調製
【化46】
【0236】
段階1.メチル1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボキシレート(E−1)の調製
バイアルに、(2−クロロ−6−シクロプロピルフェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)メタノン(98mg、0.222mmol)、メチルピペリジン−4−カルボキシレート(60.1μl、0.445mmol)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジ−I−プロポキシ−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチルフェニル)]パラジウム(II)、メチル−t−ブチルエーテル付加物(18.17mg、0.022mmol)、炭酸セシウム(145mg、0.445mmol)およびジオキサン(1112μl)を添加した。バイアルに蓋をし、80℃で一晩加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈して、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回逆抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥して、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン10−75%)によって精製し、所望生成物を無色の固体(48mg、47%)として得た。LCMS(ESI)C
24H
23ClFN
3O
3[M+H]
+の計算値:456、実測値:456。
【0237】
段階2.1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸(3A)の調製
バイアルに、メチル1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボキシレート(E−1)(45mg、0.099mmol)、水酸化リチウム(11.82mg、0.494mmol)、THF(494μl)および水(494μl)を添加し、反応物を室温で2時間撹拌した。反応物を2N HClで酸性化し、濃縮した。残留物を分取HPLC(アセトニトリル/水+0.10%TFA 50−95%)によって精製し、所望生成物を無色の固体(16mg、37%)として得た。LCMS(ESI)C
23H
21ClFN
3O
3[M+H]
+の計算値:442、実測値:442。1H NMR(600MHz,DMSO)δ 8.31(d,J=7.9Hz,1H),7.69(d,J=5.1Hz,1H),7.46−7.31(m,2H),7.31−7.23(m,1H),7.00(d,J=7.6Hz,1H),3.6−3.4(m,2H),2.85−2.75(m,2H),2.4−2.3(m,1H),1.81(bs,2H),1.71−1.47(m,3H),0.85−0.75(m,1H),0.75−0.62(m,2H),0.57(bs,1H)。
【0238】
表3に示す以下の実施例は、実施例3Aについて記載したのと同じ手順を用いて作製し、前記手順は本開示を考慮して有機合成の当業者によって達成され得る。
【表4】
【0239】
実施例4Aおよび4B
(3R,4Sおよび3S,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸4A(ラセミ体、トランス)、および(3R,4Rおよび3S,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸4B(ラセミ体、シス)の調製
【化47】
【0240】
段階1.(3R,4Sおよび3S,4R)−メチル1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(F−1a、ラセミ体、トランス)、および(3R,4Rおよび3S,4S)−メチル1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(F−1b、ラセミ体、シス)の調製
バイアルに、(3−ブロモ−4−フルオロ−1H−インダゾール−1−イル)(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノン(227mg、0.54mmol)、メチル3−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(127mg、0.81mmol)、クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジ−I−プロポキシ−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチルフェニル)]パラジウム(II)、メチル−t−ブチルエーテル(88mg、0.11mmol)およびジオキサン(1.8ml)を添加し、溶液をアルゴンで5分間パージした。次に炭酸セシウム(525mg、1.61mmol)を反応物に添加し、生じた溶液に蓋をして、80℃で一晩撹拌した。混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈して、炭酸水素ナトリウム水溶液で2回およびブラインで1回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回逆抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥して、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン10−75%)によって精製し、異性体のシス/トランス混合物を無色の固体として得た。さらに精製して、2つの所望生成物(ピーク1、トランス、21mg)(ピーク2、シス、34mg)を得た。LCMS(ESI)C
23H
20ClF
4N
3O
3[M+H]
+の計算値:498、実測値:498。
【0241】
段階2.(3R,4Sおよび3S,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸(4A、ラセミ体、トランス)の調製
バイアルに、(3R,4Sおよび3S,4R)−メチル1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(F−1a)(21mg、ラセミ体、トランス、0.042mmol)、THF(422μl)、水(422μl)および水酸化リチウム(5.05mg、0.211mmol)を添加し、生じた混合物を室温で2日間にわたって撹拌した。残留物をメタノールで希釈し、分取HPLC(アセトニトリル/水+0.10%TFA 60−95%)によって精製して、所望生成物を無色の固体(10.5mg、51%)として得た。LCMS(ESI)C
22H
18ClF
4N
3O
3[M+H]
+の計算値:484、実測値:484。1H NMR(600MHz,DMSO)δ 8.25(d,J=8.3Hz,1H),7.93(d,J=8.2Hz,1H),7.88(d,J=8.0Hz,1H),7.8−7.75(m,2H),7.31(dd,J=8.2,11.0Hz,1H),3.59−3.45(m,2H),2.74(t,J=12.4Hz,1H),2.45−2.4(m,1H),2.09−1.95(m,1H),1.87−1.72(m,2H),1.63−1.51(m,1H),0.8−0.7(m,3H)。
【0242】
段階3.(3R,4Rおよび3S,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−メチルピペリジン−4−カルボン酸(4B、ラセミ体、シス)の調製
シス異性体を、同様に対応するエステル(F−1b)から加水分解によって調製し、これは、本開示を考慮して有機合成の当業者によって達成され得る。LCMS(ESI)C
22H
18ClF
4N
3O
3[M+H]
+の計算値:484、実測値:484。1H NMR(600MHz,DMSO)δ 8.25(d,J=8.3Hz,1H),7.94(d,J=8.2Hz,1H),7.88(d,J=7.9Hz,1H),7.79−7.69(m,2H),7.31(dd,J=8.1,11.1Hz,1H),3.54−3.48(m,1H),3.48−3.40(m,1H),2.99−2.89(m,1H),2.79−2.64(m,1H),2.60−2.51(m,1H),2.27−2.15(m,1H),1.79−1.68(m,1H),1.63−1.52(m,1H),0.87−0.8(m,3H)。
【0243】
実施例5A
8−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸(5A)
【化48】
【0244】
段階1.メチル8−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシレート
ジオキサン(1.0mL)に溶解した(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)メタノン(35mg、0.075mmol)を含むバイアルに、(メチル8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシレート(25.3mg、0.149mmol)、ブッフバルトRuPhosインドリンプレ触媒(5.44mg、0.0075mmol)および炭酸セシウム(75mg、0.224mmol)を添加した。反応混合物を90℃に加熱しながら一晩撹拌した。反応物を室温に冷却し、THF(1mL)で希釈して、ろ過し、黄色の溶液を収集して、これをさらに精製することなく段階2に進めた。LCMS(ESI)C
24H
21ClF
4N
3O
3[M+H]+の計算値:510、実測値:510。
【0245】
段階2.8−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸の調製
段階1からの溶液としてメチル8−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシレート(G−1)を含むバイアルに、1N水酸化リチウム溶液を添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。DMSO(1.0mL)を添加して粗試料を溶解し、この物質をマストリガー分取HPLC(CH
3CN/H
2O)によって精製して、表題化合物13.2mg(35%)を得た。LCMS(ESI)C
23H
19ClF
4N
3O
3[M+H]+の計算値:496、実測値:496。1H NMR(600MHz,DMSO)d 8.23(d,J=8.3Hz,1H),7.92(d,J=8.1Hz,1H),7.87(d,J=8.0Hz,1H),7.74(m,2H),7.31(m,1H),4.10(s,2H),2.58(m,1H),1.68(m,8H)。
【0246】
表4に示す以下の実施例は、実施例5Aについて記載したのと同じ手順を用いて作製し、前記手順は本開示を考慮して有機合成の当業者によって達成され得る。
【表5】
【0247】
実施例6Aおよび6B
(3S,4Rまたは3R,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸(6A)、および(3R,4Sまたは3S,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸(6B)の調製
【化49】
【0248】
段階1.(3S,4Rおよび3R,4S)−エチル3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボキシレート(H−1)の調製
フラスコに、(3S,4Rおよび3R,4S)−エチル3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−1−(4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボキシレート(200mg、0.366mmol)、DIPEA(256μl、1.466mmol)、DMAP(22.39mg、0.183mmol)、DCM(1222μl)、および2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイルクロリド(158mg、0.733mmol)を添加し、生じた溶液を室温で一晩撹拌した。次に反応物を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン0−65%)によって精製して、所望生成物を無色の固体(167mg、62%)として得た。LCMS(ESI)C
41H
43ClFN
3O
4Si[M+H]
+の計算値:724、実測値:724。
【0249】
段階2.(3S,4Rまたは3R,4S)−エチル1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレート(H−2a)、および(3R,4Sまたは3S,4R)−エチル1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレート(H−2b)の調製
バイアルに、(3S,4Rおよび3R,4S)−エチル3−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボキシレート(H−1)(165mg、0.228mmol)、THF(2278μl)およびTBAF(456μl、0.456mmol)を添加し、溶液を、50℃で2時間加熱した。反応物を冷却し、飽和塩化アンモニウムで希釈した。混合物を酢酸エチルで希釈し、塩化アンモニウム水溶液で1回およびブラインで1回洗浄した。水層を酢酸エチルで1回逆抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥して、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン10−75%)によって精製し、所望生成物を得て、これをキラル分離によって分離し、2つの別々のエナンチオマーを得た。ピーク1−(19.6mg、17%)、ピーク2−(19mg、17%)。LCMS(ESI)C
25H
25ClFN
3O
4[M+H]
+の計算値:486、実測値:486。
【0250】
段階3:(3S,4Rまたは3R,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸(6A)の調製
フラスコに、(3S,4Rまたは3R,4S)−エチル1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレート(H−2a)(19.6mg、0.040mmol)、水酸化リチウム(9.7mg、0.40mmol)、THF(538μl)および水(269μl)を添加し、溶液を室温で2時間撹拌した。反応物を2N HClで酸性化し、次に酢酸エチルで2回洗浄した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過して、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物を分取HPLC(アセトニトリル/水+0.10%TFA 50−95%)によって精製し、所望生成物を無色の固体(10.7mg、57%)として得た。LCMS(ESI)C
23H
21ClFN
3O
4[M+H]
+の計算値:458、実測値:458。
1H NMR(600MHz,DMSO)δ 8.31(d,J=8.3,1H),7.70(m,1H),7.37(t,J=7.9Hz,1H),7.33(d,J=8.0Hz,1H),7.31−7.25(m,1H),7.01(d,J=7.6Hz,1H),3.7−3.6(m,2H),3.58−3.45(m,1H),2.67(t,J=12.6Hz,1H),2.6−2.5(m,1H),2.24−2.13(m,1H),1.87−1.76(m,1H),1.7−1.5(m,2H),0.84−0.74(m,1H),0.72−0.63(m,2H),0.62−0.52(m,1H)。
【0251】
段階4:3R,4Sまたは(3S,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸(6B)の調製:
他のエナンチオマーエステル(H−2b)を、本開示を考慮して有機合成の当業者によって達成され得るように、加水分解し、精製して、所望の最終生成物を得た。LCMS(ESI)C
23H
21ClFN
3O
4[M+H]
+の計算値:458、実測値:458。
【0252】
表5に示す以下の実施例は、スキームH中の実施例6Aおよび6Bについて記載したのと同様の手順に従って調製し、前記手順は本開示を考慮して有機合成の当業者によって達成され得る。
【表6】
【0253】
実施例7A
(3R,4Rおよび3S,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸(7A)の調製
【化50】
【0254】
段階1.(3R,4Rおよび3S,4S)−エチル1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレート(I−1)の調製
フラスコに、(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)メタノン(500mg、1.1mmol)、エチル3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレート(314mg、1.8mmol、シス/トランス異性体の混合物、比率〜1.5:1)、DMF(5.3ml)、ヨウ化銅(I)(31mg、0.16mmol)、Cs
2CO
3(869mg、2.67mmol)および2−イソブチリルシクロヘキサノン(54mg、0.32mmol)を添加した。混合物を5分間脱気し、密封して、90℃で12時間加熱した。混合物を冷却し、EtOAcとH
2Oで希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(10−70%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、シス異性体とトランス異性体の混合物を得て、これを分取TLC(5%EtOAc/DCM)によって再精製し、所望のシス異性体(より極性が低い)を主生成物として、少量のトランス異性体(より極性が高い)副生成物と共に得た。LCMS(ESI)C
23H
19ClF
4N
3O
4[M+H]
+の計算値:514、実測値:514。NMR(600MHz,CDCl3)δ 8.39(d,J=8.4,1H),7.67(t,J=7.2Hz,2H),7.53−7.61(m,4H),7.06−7.09(dd,J=10.2,8.4Hz,1H),4.28(brs,1H),4.18(q,J=7.2Hz,2H),3.74−3.87(m,2H),2.99−3.10(m,2H),2.87(t,J=12.6Hz,1H),2.53−2.57(m,1H),2.17−2.23(m,1H),1.83−1.86(m,1H),1.28(t,J=12.6Hz,3H)。
【0255】
段階2.(3R,4Rおよび3S,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボン酸(7A)の調製
(3R,4Rおよび3S,4S)−エチル1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシピペリジン−4−カルボキシレート(I−1)(18mg、0.035mmol、シス異性体、ラセミ体)のTHF(1ml)/MeOH(0.5ml)中の溶液に、水酸化リチウム(0.175ml、0.175mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。TLCは完了を示した。混合物を2N HClでpH=3〜4に酸性化し、抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥し、濃縮して、分取HPLCによって精製し、所望生成物を得た。LCMS(ESI)C
21H
16ClF
4N
3O
4[M+H]
+の計算値:486、実測値:486。NMR(600MHz,DMSO)δ 12.07(brs,1H),8.25(d,J=8.4Hz,1H),7.92(t,J=7.8Hz,1H),7.87(t,J=7.2Hz,1H),7.69−7.77(m,2H),7.29(dd,J=10.8,8.4Hz,1H),4.74(brs,1H),4.05(s,1H),3.57−3.62(m,2H),2.93(d,J=12.6Hz,1H),2.71(t,J=12.0Hz,12H),1.94−1.99(m,1H),1.48−1.51(m,1H)。
【0256】
実施例8A
(3R,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボン酸(8A)の調製
【化51】
【0257】
段階1.(3R,4Rおよび3S,4S)−エチル1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(J−1)の調製
(2−クロロ−6−シクロプロピルフェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)メタノン(200mg、0.454mmol)、(3R,4Rおよび3S,4S)−エチル3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(110mg、0.590mmol)、Cs
2CO
3(444mg、1.362mmol)およびブッフバルトRuPhosプレ触媒(55.6mg、0.068mmol)のジオキサン(2.2ml)中の混合物を5分間脱気し、80℃で14時間加熱した。LCMSは、多少の未反応ヨウ化物と共に、生成物の形成を示した。混合物を室温に冷却し、EtOAcとH
2Oで希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄して、MgSO
4で乾燥し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(10−70%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、所望生成物を得た。LCMS(ESI)C
26H
27ClFN
3O
4[M+H]
+の計算値:500、実測値:500。NMR(600MHz,CD3OD)δ 8.36(d,J=8.4,1H),7.61−7.65(m,1H),7.33(t,J=8.4Hz,1H),7.26(dd,J=8.4.4.2Hz,1H),7.11−7.15(m,1H),7.02(dd,J=8.4,4.2Hz,1H),4.09−4.16(m,2H),3.70−3.72(m,1H),3.35−3.50(m,3H),3.15−3.21(m,3H),2.25−2.30(m,1H),1.73−1.79(m,1H),1.50−1.56(m,1H),1.19−1.25(m,6H),0.79−0.84(m,1H),0.66−0.75(m,2H),0.55−0.61(m,1H)。
【0258】
段階2.(3R,4Rおよび3S,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボン酸(8A)の調製
(3R,4Rおよび3S,4S)−エチル1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(32mg、0.064mmol)のジオキサン(2ml)中の溶液に、1M LiOH(1.28ml、1.280mmol)を添加した。混合物を80℃で4時間加熱し、冷却して、1N HClでpH=3−4に酸性化し、EtOAcで抽出して、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥して、濃縮し、最終生成物を得た。LCMS(ESI)C
24H
23ClFN
3O
4[M+H]
+の計算値:472、実測値:472。NMR(600MHz,CD3OD)δ 8.35(d,J=8.4Hz,1H),7.61(dd,J=12.6Hz,7.8Hz,1H),7.31(t,J=8.4Hz,1H),7.24(d,J=7.8Hz,1H),7.11(t,J=9.6Hz,1H),7.00(d,J=7.2Hz,1H),3.56−3.60(m,1H),3.38−3.41(m,1H),2.90−3.16(m,2H),2.19−2.24(m,1H),1.74−1.77(m,1H),1.39−1.47(m,1H),1.25(s,3H),0.78−0.87(m,1H),0.65−0.72(m,2H),0.54−0.57(m,1H)。
【0259】
実施例9Aおよび9B
(3S,4Rまたは3R,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボン酸(9A)、および(3R,4Sまたは3S,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボン酸(9B)の調製
【化52】
【0260】
段階1.(3S,4Rまたは3R,4S)−エチル1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(K−1a)、および(3R,4Sまたは3S,4R)−エチル1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(K−1b)の調製
(2−クロロ−6−シクロプロピルフェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)メタノン(400mg、0.908mmol)、(3S,4Rおよび3R,4S)−エチル3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(221mg、1.180mmol)、Cs
2CO
3(887mg、2.72mmol)ならびにブッフバルトRuPhosプレ触媒(111mg、0.136mmol)のジオキサン(4.5ml)中の混合物を、5分間脱気し、80℃で14時間加熱した。LCMSは、多少の未反応ヨウ化物と共に、生成物の形成を示した。混合物を室温に冷却し、EtOAcとH
2Oで希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄して、MgSO
4で乾燥し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(10−70%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、ラセミ生成物26mgを得た。この物質をキラル分離(カラム:Chiralcel OJ−H、21×250mm、CO
2中10%MeOH)によって分離し、2つのエナンチオマー:ピーク1(K−1a、5.24分)6mgおよびピーク2(K−1b、7.05分)7mgを得た。LCMS(ESI)C
26H
27ClFN
3O
4[M+H]
+の計算値:500、実測値:500。NMR(600MHz,CD3OD)δ 8.36(d,J=8.4Hz,1H),7.61−7.65(m,1H),7.34(t,J=8.4Hz,1H),7.25−7.28(m,1H),7.14(t,J=9.6Hz,1H),7.02(dd,J=8.4,3.6Hz)1H),4.10−4.16(m,2H),3.70−3.73(m,1H),3.36−3.50(m,3H),3.15−3.22(m,1H),2.24−2.30(m,1H),1.74−1.80(m,1H),1.49−1.57(m,1H),0.81−0.89(m,1H),0.67−0.77(m,2H),0.54−0.60(m,1H)。
【0261】
段階2.(3S,4Rまたは3R,4S)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボン酸(9A)の調製
(3S,4Rまたは3R,4S)−エチル1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(K−1a)(6mg、0.012mmol)のTHF(1ml)/MeOH(1.000ml)中の溶液に、LiOH(0.360ml、0.360mmol)を添加した。混合物を80℃で2時間加熱した。TLCは完了を示した。混合物を冷却し、1N HClでpH=3−4に酸性化して、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄して、MgSO
4で乾燥し、濃縮して、表題化合物の最終生成物を得た。LCMS(ESI)C
24H
23ClFN
3O
4[M+H]
+の計算値:472、実測値:472。
【0262】
段階3.(3R,4Sまたは3S,4R)−1−(1−(2−クロロ−6−シクロプロピルベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−4−カルボン酸(9B)。
【0263】
他方のエナンチオマーを、本開示を考慮して有機合成の当業者によって達成され得るように、エナンチオマーエステル(K−1b)から同様に調製した。LCMS(ESI)C
24H
23ClFN
3O
4[M+H]
+の計算値:472、実測値:472。
【0264】
実施例10A
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−オキソピペリジン−4−カルボン酸(10A)の調製
【化53】
【0265】
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸(75mg、0.156mmol)およびNaIO
4(60mg、0.309mmol)のMeCN(30mL)中の溶液に、N
2下、RuCl
3(66mg、0.39mmol)を添加し、混合物を20℃で3時間撹拌した。懸濁液をセライトのパッドでろ過し、EtOHで洗浄した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥し、濃縮した。粗生成物を分取TLC(PE:EA=5:1)によって精製し、表題生成物(15mg、収率:20%)を得た。LCMS(ESI)C
21H
14ClF
4N
3O
4[M+H]
+の計算値:484、実測値:484。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.29(1H,d,J=8.4Hz),7.50−7.64(4H,m),7.01(1H,t,J=9.2Hz),3.60−3.75(2H,m),2.95(1H,d,J=5.2Hz),2.74−2.85(2H,m),2.24(1H,d,J=13.2Hz),2.00−2.14(1H,m)。
【0266】
実施例11A
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−メチルピペリジン−4−カルボン酸(11A)の調製
【化54】
【0267】
段階1.メチル1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(M−1)の調製
メチル2−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(67mg、0.4mmol、シス/トランス異性体の混合物、ラセミ体)、(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル)(4−フルオロ−3−ヨード−1H−インダゾール−1−イル)メタノン(100mg、0.2mmol)、Cs
2CO
3(209mg、0.6mmol)のジオキサン(1mL)中の溶液に、N
2下、Pd−Ruphosプレ触媒(20mg)を添加した。混合物を90℃−100℃で一晩撹拌した。残留物を分取TLC(PE:EA=5:1)によって精製し、表題化合物(20mg、収率:19%、シス/トランス異性体の混合物、ラセミ体)を得た。LCMS(ESI)C
23H
20ClF
4N
3O
3[M+H]
+の計算値:498、実測値:498。
【0268】
段階2.1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−メチルピペリジン−4−カルボン酸(11A)の調製
メチル1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−4−フルオロ−1H−インダゾール−3−イル)−2−メチルピペリジン−4−カルボキシレート(M−1)(40mg、80μmol)のジオキサン(1mL)およびH
2O(0.5mL)中の溶液に、LiOH(8mg、0.3mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。H
2O(2mL)を添加した後、混合物をHCl(水溶液)でpH=1−2に調整し、EtOAc(10mL×3)で抽出した。有機層を減圧下で除去し、残留物を分取HPLC(水中アセトニトリル+0.75%トリフルオロ酢酸)によって精製して、表題化合物(30mg、収率:77%、シス/トランス異性体の混合物、ラセミ体)を白色固体として得た。LCMS(ESI)C
22H
18ClF
4N
3O
3[M+H]
+の計算値:484、実測値:484。
1H−NMR(400MHz
,MeOD)δ 8.24−8.35(1H,m),7.76−7.84(2H,m),7.65−7.73(2H,m),7.18(1H,dd,J=8.8,10.0Hz),3.74(1H,d,J=12.8Hz),3.23(1H,dd,J=3.52,6.26Hz),2.81−2.94(1H,m),2.45−2.50(1H,m),1.89−1.90(2H,m),1.61−1.82(2H,m),1.05−1.10(3H,m)。
【0269】
実施例12A
1−(1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−6−(3−メトキシアゼチジン−1−カルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)ピペリジン−4−カルボン酸(12A)の調製
【化55】
【0270】
バイアルに、3−(4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−1−イル)−1−(2−クロロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸(50mg、0.091mmol)、3−メトキシアゼチジンヒドロクロリド(16.79mg、0.136mmol)、HATU(51.7mg、0.136mmol)、DMF(906μl)およびDIPEA(63.3μl、0.362mmol)を添加し、反応物を室温で2時間撹拌した。次にTFA(174μl、2.265mmol)を溶液に滴下し、生じた溶液をさらに2時間撹拌した。次に反応物を濃縮し、残留物を分取HPLC(アセトニトリル/水+0.10%TFA 50−100%)によって精製して、所望生成物を無色の固体(19mg、37%)として得た。LCMS(ESI)C
26H
24ClF
3N
4O
5[M+H]
+の計算値:565、実測値:565。
1H NMR(600MHz,DMSO)δ 8.61(s,1H),8.09(d,J=8.4Hz,1H),7.93(d,J=8.1Hz,1H),7.87(d,J=7.9Hz,1H),7.75(t,J=8.1Hz,1H),7.64(d,J=8.3Hz,1H),4.45(bs,1H),4.30−4.19(m,2H),4.13(d,J=8.1Hz,1H),3.87(d,J=8.5Hz,1H),3.75(d,J=13.3Hz,2H),3.20(s,3H),2.92(t,J=12.2Hz,2H),2.45−2.35(m,1H),1.81(d,J=11.0Hz,2H),1.6−1.5(m,2H)。
【0271】
表6に示す以下の実施例は、スキームN中の実施例12Aについて記載したのと同様の手順に従って調製し、前記手順は本開示を考慮して有機合成の当業者によって達成され得る。
【表7】
【0272】
生物学的アッセイ
本発明の化合物はRORγT活性を阻害する。RORγT活性の活性化は、例えば生化学的TR−FRETアッセイを用いて測定することができる。そのようなアッセイでは、補因子由来ペプチドとヒトRORγT−リガンド結合ドメイン(LBD)との相互作用を測定することができる。TR−FRET技術は、補因子由来ペプチドの存在下で、リガンドとLBDとの相互作用に関する情報を与える高感度生化学的近接アッセイである(Zhou et al.,Methods 25:54−61,2001)。
【0273】
RORγTの新規アンタゴニストを同定するため、RORγTとそのコアクチベータペプチドSRC1_2との相互作用を用いるアッセイを開発した。このペプチドは、LXXLL(配列番号:1)(例えばNRボックス)モチーフとのその相互作用を通してRORγTへのコアクチベータの動員を模倣する(Xie et al.,J.Immunol.175:3800−09,2005;Kurebayashi et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.315:919−27,2004;Jin et al.,Mol.Endocrinology 24:923−29,2010)。RORγ−リガンド結合ドメインTR−FRETアッセイを、以下のプロトコルに従って実施した。
【0274】
HIS標識RORγ−LBDタンパク質を、バキュロウイルス発現系を使用してSF9細胞において発現させた。RORγ−LBDタンパク質をグルタチオンセファロースクロマトグラフィによって精製した。別途に、いかなる組換えタンパク質も発現しないSF9細胞を溶解し、溶解物を精製したRORγ−LBDに溶解物0.25μl(10,000 SF9細胞から)/nM精製タンパク質で添加した。次に混合物をアッセイ緩衝液(50mMトリス pH7.0、50mM KCl、1mM EDTA、0.1mM DTT)に希釈し、384ウェルのアッセイプレートにおいて3nMのRORγ−LBD最終濃度を得た。
【0275】
試験する化合物を、Echo 550液体ハンドラー(Labcyte,CA)により、Acoustic Droplet Ejection技術を用いてアッセイプレートに注入した。
【0276】
コアクチベータSRC1(ビオチン−CPSSHSSLTERHKILHRLLQEGSPS)(配列番号:2)由来のビオチニル化LXXLLペプチドの原液をアッセイ緩衝液中で調製し、各々のウェルに添加した(最終濃度100nM)。ユウロピウム標識抗HIS抗体(最終濃度1.25nM)およびAPC結合ストレプトアビジン(最終濃度8nM)の溶液も各ウェルに添加した。
【0277】
最終的なアッセイ混合物を4℃で一晩インキュベートし、蛍光シグナルをEnvisionプレートリーダーで測定した:(励起フィルター=340nm;APC発光=665nm;ユウロピウム発光=615nm;ダイクロイックミラー=D400/D630;遅延時間=100μs、積分時間=200μs)。試験化合物についてのIC50値を、665nmでの蛍光シグナルを615nmでの蛍光シグナルで除した商から算出した。
【0278】
生物学的データ
以下の表は、本発明に関して開示された生物学的データを一覧で示す:
【表8】