特許第6204987号(P6204987)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6204987
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】密封装置
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/3244 20160101AFI20170914BHJP
   F16J 15/3204 20160101ALI20170914BHJP
   F16J 15/3212 20160101ALI20170914BHJP
【FI】
   F16J15/3244
   F16J15/3204 201
   F16J15/3212
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-541546(P2015-541546)
(86)(22)【出願日】2014年10月3日
(86)【国際出願番号】JP2014076495
(87)【国際公開番号】WO2015053170
(87)【国際公開日】20150416
【審査請求日】2016年4月5日
(31)【優先権主張番号】特願2013-212658(P2013-212658)
(32)【優先日】2013年10月10日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100179970
【弁理士】
【氏名又は名称】桐山 大
(72)【発明者】
【氏名】百武 秀治
(72)【発明者】
【氏名】西村 智昭
(72)【発明者】
【氏名】松井 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 祐貴
【審査官】 竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3278349(JP,B2)
【文献】 特開2006−125454(JP,A)
【文献】 特開2000−179700(JP,A)
【文献】 特開平07−208611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J15/3204−15/3236
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールリップ摺動部の大気側側面に密封流体に対するポンピング作用を発揮する正方向ネジおよび逆方向ネジが円周上並べて設けられ、
前記正方向ネジおよび逆方向ネジはそれぞれ、ネジ高さがネジ全長に亙って等しく形成された平行ネジと、ネジ高さがリップ先端側から大気側へかけて徐々に大きくなる形状の舟底状ネジとの組み合わせよりなり、
前記正方向ネジおよび逆方向ネジの何れか一方または双方に、飛沫漏れ防止用のシール突起が設けられ、
前記シール突起は、前記舟底状ネジに連続するように設けられるとともに前記シール突起の高さ寸法が前記舟底状ネジの最大高さ寸法よりも小さく形成されていることを特徴とする密封装置。
【請求項2】
請求項1記載の密封装置において、
前記シール突起が前記平行ネジと前記舟底状ネジとの間に設けられることにより前記正方向ネジまたは逆方向ネジはクランク状に折れ曲がった形状とされていることを特徴とする密封装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密封装置に係り、更に詳しくは、シールリップの摺動部に流体ポンピング作用を発揮するネジを設けた密封装置に関する。本発明の密封装置は例えば、自動車関連の分野で用いられ、または汎用機械の分野などで用いられる。
【背景技術】
【0002】
従来から、オイル等の密封流体に対する密封性能を向上させるためにシールリップ摺動部の大気側側面に密封流体に対するポンピング作用を発揮するネジを設けた密封装置が知られており、回転軸等の相手摺動部材(以下、単に軸とも称する)が正逆両方向に回転するものである場合には図5に示すように、シールリップ51の摺動部の大気側側面52に両方向ネジ53が設けられている。
【0003】
この両方向ネジ53は、軸が正方向に回転するとき(矢印C)にポンピング作用によるシール機能を発揮する正方向ネジ54と、軸が逆方向に回転するときにポンピング作用によるシール機能を発揮する逆方向ネジ55とを1本ずつまたは数本ないし数十本毎に円周上交互に並べて配置したものであって、各ネジ54,55はその長手直角の断面形状(ネジ高さおよびネジ幅を含む)をネジ全長に亙って等しく形成した、いわゆる平行ネジとされている。
【0004】
上記先行技術は、各ネジ54,55のポンピング作用により優れた密封性能を発揮することが可能とされるが、上記したように各ネジ54,55が平行ネジとされているため、摺動による摩耗が進行すると、ポンピング作用が低下する問題がある。
【0005】
上記問題に対策するには、本発明に対する比較例として図6に示すように、正方向ネジ54および逆方向ネジ55をそれぞれ平行ネジではなく舟底状ネジとすることが考えられ、舟底状ネジはネジ高さがリップ先端56から大気側Bへかけて徐々に大きくなる形状を備えるため、摩耗が進行してもネジ高さが低くなりにくく、よってポンピング作用が低下しにくい。
【0006】
しかしながら、このように正方向ネジ54および逆方向ネジ55をそれぞれ舟底状ネジとする場合でも、ネジ54,55から密封流体が飛沫漏れすることがあり、このネジ54,55からの飛沫漏れを抑制するには別途の対策が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平1−312274号公報
【特許文献2】特許第3278349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は以上の点に鑑みて、シールリップの摺動部に流体ポンピング作用を発揮する正方向ネジおよび逆方向ネジを設けた密封装置において、ネジの摩耗が進行してもポンピング作用が低下しにくい特徴を備えるとともに、ネジからの飛沫漏れを抑制することができる密封装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による密封装置は、シールリップ摺動部の大気側側面に密封流体に対するポンピング作用を発揮する正方向ネジおよび逆方向ネジが円周上並べて設けられ、前記正方向ネジおよび逆方向ネジはそれぞれ、ネジ高さがネジ全長に亙って等しく形成された平行ネジと、ネジ高さがリップ先端側から大気側へかけて徐々に大きくなる形状の舟底状ネジとの組み合わせよりなり、前記正方向ネジおよび逆方向ネジの何れか一方または双方に、飛沫漏れ防止用のシール突起が設けられ、前記シール突起は、前記舟底状ネジに連続するように設けられるとともに前記シール突起の高さ寸法が前記舟底状ネジの最大高さ寸法よりも小さく形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2による密封装置は、上記した請求項1記載の密封装置において、前記シール突起が前記平行ネジと前記舟底状ネジとの間に設けられることにより前記正方向ネジまたは逆方向ネジはクランク状に折れ曲がった形状とされていることを特徴とする。
【0011】
上記構成を備える本発明の密封装置においては、正方向ネジおよび逆方向ネジがそれぞれ、そのネジ高さがリップ先端から大気側へかけて徐々に大きくなる形状を備えているため、上記舟底状ネジに相当し、よって摩耗が進行してもネジ高さが低くなりにくく、よってポンピング作用が低下しにくい。また、正方向ネジおよび逆方向ネジのいずれか一方または双方に飛沫漏れ防止用のシール突起が設けられているため、このシール突起が密封流体の飛沫漏れに対する堰として作用し、よって飛沫漏れ量を低減することが可能とされる。
【0012】
上記したように飛沫漏れ防止用のシール突起は正方向ネジおよび逆方向ネジのいずれか一方または双方に設けられるが、軸が正回転するのが常態である場合には、飛沫漏れ防止用のシール突起はこれを逆方向ネジに付随して設けるのが好適であり、この場合、シール突起は逆方向ネジから軸の正回転方向とは反対側へ向けて延設されることになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0014】
すなわち本発明においては以上説明したように、正方向ネジおよび逆方向ネジがそれぞれ、ネジ高さをリップ先端から大気側へかけて徐々に大きくした形状を備えるため、摩耗が進行してもネジ高さが低くなりにくく、ポンピング作用が低下しにくい。また、正方向ネジおよび逆方向ネジのいずれか一方または双方に飛沫漏れ防止用のシール突起が設けられているため、このシール突起が密封流体の飛沫漏れに対する堰として作用し、よって飛沫漏れ量を低減することが可能とされる。したがって本発明所期の目的どおり、ネジの摩耗が進行してもポンピング作用が低下しにくく、ネジからの飛沫漏れを抑制することもできる密封装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施例に係る密封装置の半裁断面図
図2図1の要部拡大図
図3】本発明の第2実施例に係る密封装置の要部正面図
図4】本発明の第3実施例に係る密封装置の要部断面図
図5】従来例に係る密封装置の半裁断面図
図6】比較例に係る密封装置の半裁断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明における上記請求項1記載の「正方向ネジおよび逆方向ネジが円周上並べて設けられ、」には、正方向ネジおよび逆方向ネジが円周上交互に設けられる場合が含まれる。また、本発明における上記請求項1記載の「正方向ネジおよび逆方向ネジが円周上並べて設けられ、」には、正方向ネジおよび逆方向ネジが円周上半周ずつ設けられる(正方向ネジが円周上半周に亙って設けられ、残る半周に逆方向ネジが設けられる)場合も含まれる。
【実施例】
【0017】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
第1実施例・・・
図1は、本発明の第1実施例に係る密封装置(オイルシール)1の半裁断面を示している。図2図1の要部を拡大して示している。当該実施例に係る密封装置1は、軸(相手部材、図示せず)が正逆両方向に回転するのに対応する両回転シールであって、以下のように構成されている。
【0018】
すなわち図1に示すように、金属環2に被着(加硫接着)されたゴム状弾性体3によって外周シール部4、端面被覆部5およびダストリップ(副リップ)6などとともに軸の周面に摺動可能に密接するシールリップ(主リップ)7が設けられており、このシールリップ7の先端摺動部に密封流体側側面(斜面)8および大気側側面(斜面)9が設けられている。符号10は、両側面8,9が交差するリップ先端で、尖端とされている。
【0019】
上記シールリップ7の両側面8,9のうちの大気側側面9に、軸が正方向に回転(正回転、矢印C)するときにポンピング作用によって密封流体を密封流体側Aへ押し戻すことによりシール機能を発揮する正方向ネジ(正ネジ部)11が設けられ、また、軸が逆方向に回転(逆回転)するときにポンピング作用によって密封流体を密封流体側Aへ押し戻すことによりシール機能を発揮する逆方向ネジ(逆ネジ部)21が設けられている。これらの正方向ネジ11および逆方向ネジ21は円周上半周ずつ設けられ、図では正方向ネジ11および逆方向ネジ21の切り替わり部分が示されている。
【0020】
図2に拡大して示すように、正方向ネジ11は螺旋状の突起よりなる。螺旋の向きはその大気側端部11aから密封流体側端部11bへかけて軸の正回転方向Cの前方へ向けて傾斜する向きとされている。またこの正方向ネジ11は、リップ先端10から始まる平行ネジ12およびこれに連続する舟底状ネジ13が1本に連続したものとされている。
【0021】
平行ネジ12はその長手直角の断面形状(ネジ高さおよびネジ幅を含む)がネジ全長に亙って等しく形成され、舟底状ネジ13はその長手直角の断面形状(ネジ高さおよびネジ幅を含む)がリップ先端10側(密封流体側A)から大気側Bへかけて徐々に大きくなる形状を備えている。舟底状ネジ13はその最小高さ寸法が平行ネジ12の高さ寸法と同じに設定されているので、舟底状ネジ13の最大高さ寸法は平行ネジ12の高さ寸法より大きく設定されている。平行ネジ12および舟底状ネジ13の長手直角の断面形状はそれぞれ三角形ないし略三角形とされている。
【0022】
一方、逆方向ネジ21はこれも螺旋状の突起よりなる。螺旋の向きはその大気側端部21aから密封流体側端部21bへかけて軸の正回転方向Cの後方へ向けて傾斜する向きとされている。またこの逆方向ネジ21は、リップ先端10から始まる平行ネジ22およびこれに連続する舟底状ネジ23が1本に連続したものとされている。
【0023】
平行ネジ22はその長手直角の断面形状(ネジ高さおよびネジ幅を含む)がネジ全長に亙って等しく形成され、舟底状ネジ23はその長手直角の断面形状(ネジ高さおよびネジ幅を含む)がリップ先端10側(密封流体側A)から大気側Bへかけて徐々に大きくなる形状を備えている。舟底状ネジ23はその最小高さ寸法が平行ネジ22の高さ寸法と同じに設定されているので、舟底状ネジ23の最大高さ寸法は平行ネジ22の高さ寸法より大きく設定されている。平行ネジ22および舟底状ネジ23の長手直角の断面形状はそれぞれ三角形ないし略三角形とされている。
【0024】
また、本発明にとくに特徴的な構成として、飛沫漏れ防止用のシール突起31が設けられ、当該実施例ではこのシール突起31が、逆方向ネジ21に付随して設けられ、逆方向ネジ21から軸の正回転方向Cとは反対側へ向けて延設されている。
【0025】
このシール突起31は、以下のように構成されている。
【0026】
シール突起31は、その基端部31aが逆方向ネジ21の舟底状ネジ23に連続しており、すなわち舟底状ネジ23の長手方向中途の部位に連続している。
【0027】
シール突起31は、螺旋状の突起よりなり、その螺旋の向きはその基端部31aから先端部31bへかけて軸の正回転方向Cの後方へ向けて傾斜する向きとされている。したがってシール突起31は、このシール突起31が連続する舟底状ネジ23ないし逆方向ネジ21と同じ向きに傾斜しており、但しリップ先端10に対する傾斜の角度は舟底状ネジ23ないし逆方向ネジ21より小さく設定されている。尚、シール突起31は当該密封装置1の円周方向に延設されても良く、また少々であれば螺旋の向きは先端部31bから基端部31aへかけて軸の正回転方向Cの前方へ向けて傾斜する向きであっても良い。
【0028】
シール突起31は、平行ネジ22と同様、その長手直角の断面形状(突起高さおよび突起幅を含む)が突起全長に亙って等しく形成されている。またその高さ寸法は舟底状ネジ23の高さ寸法(最大高さ寸法)より小さく形成され、平行ネジ22の高さ寸法および舟底状ネジ22の最小高さ寸法と同等ないし略同等に設定されている。またその長手直角の断面形状は三角形ないし略三角形とされている。
【0029】
シール突起31の高さ寸法を舟底状ネジ23の高さ寸法(最大高さ寸法)より小さく形成した理由は、舟底状ネジ23よりも高さ寸法を大きくすると、軸表面に舟底状ネジ23が接触せず、よってポンプ機能が発揮されないためである。したがってシール突起31の高さ寸法を舟底状ネジ23の高さ寸法(最大高さ寸法)より小さく形成することにより、軸表面に舟底状ネジ23を接触させることができ、よって舟底状ネジ23にポンプ機能を発揮させることができる。
【0030】
また、シール突起31の高さ寸法を平行ネジ22の高さ寸法と同等ないし略同等に設定した理由は、平行ネジ22よりも高さ寸法を大きくすると、軸表面に平行ネジ22が接触せず、ポンプ機能が発揮されないためであり、反対に、平行ネジ22よりも高さ寸法を小さくすると、平行ネジ22のポンプ機能は阻害されないが、シール突起31による飛沫漏れ抑制の効果が小さくなるためである。したがってシール突起31の高さ寸法を平行ネジ22の高さ寸法と同等ないし略同等に設定することにより、軸表面に平行ネジ22を接触させることができ、よって平行ネジ22にポンプ機能を発揮させることができ、併せて、シール突起31による飛沫漏れ抑制の効果を実現することができる。
【0031】
シール突起31は、逆方向ネジ21の1本当たり、2本が互いに平行に設けられている。但しその本数は1本または3本以上の複数であっても良い。
【0032】
上記構成の密封装置1は例えば、ハウジングの軸孔内周に装着され、前記軸孔に挿通した軸の周面にシールリップ7が摺動自在に密接することにより機内の密封流体が機外へ漏洩しないようこれをシールするものであって、上記したように軸が正逆両方向に回転するのに対応して両回転シールとされ、上記構成により以下の作用効果を発揮する点に特徴を有している。
【0033】
すなわち上記構成を備える密封装置1においては、正方向ネジ11および逆方向ネジ21がそれぞれ、そのネジ高さをリップ先端10から大気側Bへかけて徐々に大きくする形状の舟底状ネジ13,23を備えているため、軸との摺動に伴う摩耗が進行してもネジ高さが低くなりにくく、よってポンピング作用が低下しにくい。
【0034】
また、逆方向ネジ21に付随して逆方向ネジ21から軸の正回転方向Cとは反対側へ向けてシール突起31が延設されているため、このシール突起31が密封流体の飛沫漏れに対する堰として作用し、よって飛沫漏れ量を低減することが可能とされている。密封流体の飛沫は例えば、軸の正回転時、ポンピング作用を奏する正方向ネジ11によりリップ先端10の方へ押し戻される流体の一部が遠心力等により大気側Bへ飛散することにより生じるものであって(矢印D)、これを受ける位置にシール突起31が設けられているため、飛沫漏れが発生するのを有効に抑制することが可能とされる。また、シール突起31は堰として作用するため、大気側Bからダスト等が侵入するのを抑制する効果も期待される。
【0035】
尚、上記実施例では、シール突起31が軸の正回転時に堰として作用するようシール突起31が逆方向ネジ21に付随して逆方向ネジ21から軸の正回転方向Cと反対側へ向けて延設されているが、軸の逆回転時に堰として作用させる場合には、シール突起31を正方向ネジ11に付随して正方向ネジ11から軸の正回転方向Cへ向けて延設するように設けても良い。また、軸の両方向回転にそれぞれ対応するよう、逆方向ネジ21に付随して逆方向ネジ21から軸の正回転方向Cと反対側へ向けて延設されるシール突起31と、正方向ネジ11に付随して正方向ネジ11から軸の正回転方向Cへ向けて延設されるシール突起31とを双方共に設けるようにしても良い。
【0036】
また、上記実施例では、シール突起31が逆方向ネジ21または正方向ネジ11から枝分かれ状に設けられているが、シール突起31を逆方向ネジ21または正方向ネジ11の長手方向中途の部位へ組み込むようにして設けることも考えられる。
【0037】
第2実施例・・・
図3はその一例として、シール突起31が逆方向ネジ21の長手方向中途の部位へ組み込むようにして設けられ、すなわち逆方向ネジ21における平行ネジ22と舟底状ネジ23との間にシール突起31が設けられている。
【0038】
第3実施例・・・
また、図4はその一例として、シール突起31が逆方向ネジ21の長手方向中途の部位へ組み込むようにして設けられ、すなわち逆方向ネジ21における平行ネジ22と舟底状ネジ23との間にシール突起31が設けられている。また同時に、シール突起31が正方向ネジ11の長手方向中途の部位へ組み込むようにして設けられ、すなわち正方向ネジ11における平行ネジ12と舟底状ネジ13との間にシール突起31が設けられている。
【0039】
上記第2、第3実施例によると、上記第1実施例と同じ作用効果を発揮するほか、各ネジ11,21がクランク状に折り曲がった形状とされるため、ネジ1本当たりの円周方向スペースが小さくなる。したがってこの分、多くのネジを円周上に並べることができるため、ネジによるポンピング作用ならびにシール機能を高めることができる。また、上記したようにシール突起31が堰として作用するため、この堰により、大気側Bからダスト等が侵入するのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 密封装置
2 金属環
3 ゴム状弾性体
4 外周シール部
5 端面被覆部
6 ダストリップ
7 シールリップ
8 密封流体側側面
9 大気側側面
10 リップ先端
11 正方向ネジ
11a,21a 大気側端部
11b,21b 密封流体側端部
12,22 平行ネジ
13,23 舟底状ネジ
21 逆方向ネジ
31 シール突起
31a 基端部
31b 先端部
A 密封流体側
B 大気側
図1
図2
図3
図4
図5
図6