特許第6205001号(P6205001)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6205001光電変換モジュール、及び、アクティブ光ケーブル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205001
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】光電変換モジュール、及び、アクティブ光ケーブル
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20170914BHJP
   G02B 6/43 20060101ALI20170914BHJP
   G02B 6/44 20060101ALI20170914BHJP
   H01S 5/022 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   G02B6/42
   G02B6/43
   G02B6/44 386
   H01S5/022
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-4966(P2016-4966)
(22)【出願日】2016年1月14日
(65)【公開番号】特開2017-125943(P2017-125943A)
(43)【公開日】2017年7月20日
【審査請求日】2016年9月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(74)【代理人】
【識別番号】100129296
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 博昭
(72)【発明者】
【氏名】瀧ヶ平 将人
(72)【発明者】
【氏名】山崎 圭介
【審査官】 岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/083812(WO,A1)
【文献】 特開平09−101435(JP,A)
【文献】 特開2010−237640(JP,A)
【文献】 実開昭63−094410(JP,U)
【文献】 特開2010−277060(JP,A)
【文献】 特開平07−077632(JP,A)
【文献】 特開昭57−198420(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0269288(US,A1)
【文献】 特開2010−197686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/26−6/27
6/30−6/34
6/42−6/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の受光または発光を行う受発光部を有する光電変換素子と、
前記光電変換素子に一方の端部が固定される光ファイバと、
前記光ファイバの前記一方の端部と前記光電変換素子とを固定すると共に、表面の所定領域で光を反射して前記光ファイバのコアと前記受発光部とを光学的に結合する光透過樹脂と、
を備え、
前記光ファイバの前記一方の端部におけるクラッドの外周面は、前記光電変換素子における前記受発光部の中心と重ならない位置において前記受発光部が露出する素子面に接触しており、
更に、前記光電変換素子が固定される基板と、
前記基板に前記光ファイバを固定する固定樹脂と、
を備え、
前記光透過樹脂は前記固定樹脂よりも軟質である
ことを特徴とする光電変換モジュール。
【請求項2】
光の受光または発光を行う受発光部を有する光電変換素子と、
前記光電変換素子に一方の端部が固定される光ファイバと、
前記光ファイバの前記一方の端部と前記光電変換素子とを固定すると共に、表面の所定領域で光を反射して前記光ファイバのコアと前記受発光部とを光学的に結合する光透過樹脂と、
を備え、
前記受発光部が複数とされると共に、前記光ファイバ及び前記光透過樹脂をそれぞれ複数備え、
複数の前記光ファイバは、被覆樹脂で纏められると共に、前記一方の端部においてクラッドが露出するよう前記被覆樹脂から所定の長さ口出しされ、
それぞれの前記光透過樹脂は、それぞれの前記光ファイバの前記一方の端部を前記光電変換素子に個別に固定すると共に、表面の所定領域で光を反射してそれぞれの前記光ファイバのコアとそれぞれの前記受発光部とを個別に光学的に結合し、
それぞれの前記光ファイバの前記一方の端部における前記クラッドの外周面は、前記受発光部の中心と重ならない位置において前記受発光部が露出する素子面に接触しており、
更に、前記光電変換素子が固定される基板と、
前記基板に前記被覆樹脂を固定する固定樹脂と、
を備え、
前記光透過樹脂は前記固定樹脂よりも軟質である
ことを特徴とする光電変換モジュール。
【請求項3】
前記光ファイバの端面と前記受発光部の中心位置との前記光ファイバの長手方向における距離が、前記素子面から前記コアの中心までの距離と等しくされる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換モジュール。
【請求項4】
前記光透過樹脂の前記光を反射する前記表面の所定領域は、前記受発光部に垂直な方向に対して40度以上50度以下の傾きとされる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光電変換モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い効率で光電変換を行う場合に好適な光電変換モジュール、及び、アクティブ光ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
光電変換モジュールとして、光エネルギーと電気エネルギーとの変換を行う光電変換素子と光ファイバとが互いに固定され、光電変換素子と光ファイバとの間で光が伝搬するものがある。この光電変換モジュールでは、光信号から電気信号に信号が変換されたり、電気信号から光信号に信号が変換されたりする。このような光電変換モジュールの例として、光ファイバがレーザーダイオード(LD:Laser Diode)に固定されレーザーダイオードから出射する光を光ファイバで伝搬するものや、光ファイバがフォトダイオード(PD:Photodiode)に固定され、光ファイバから出射する光がフォトダイオードで受光されるものを挙げることができる。
【0003】
下記特許文献1には、このような光モジュールが記載されている。下記特許文献1に記載の光モジュールは、光電変換素子である光半導体素子上に光ファイバが所定の間隔をあけて配置され、光半導体素子と光ファイバとの間に透明な樹脂が充填され、光ファイバが光半導体に固定されている。この透明な樹脂は、光半導体素子の受発光部と光ファイバの端面との間にも充填されると共に、光ファイバの長手方向及び受発光面に垂直な方向のそれぞれに対して傾斜する傾斜面を有している。この透明な樹脂は、当該傾斜面で光を反射し、光半導体素子の受発光部と光ファイバのコアとを光学的に結合する光結合部とされる。従って、光半導体素子の受発光部から出射する光は当該光結合部を介して光ファイバのコアに入射し、光ファイバのコアから出射する光は当該光結合部を介して光半導体素子の受発光部に入射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第WO2011/083812号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の光モジュールでは、光結合部が樹脂で形成されることにより、低コストで高効率な光伝送をすることができる。しかし、光の損失がより低減された光電変換モジュールが求められている。
【0006】
そこで、本発明は、光の損失が低減された光電変換モジュール、及び、アクティブ光ケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光電変換モジュールは、光の受光または発光を行う受発光部を有する光電変換素子と、前記光電変換素子に一方の端部が固定される光ファイバと、前記光ファイバの前記一方の端部と前記光電変換素子とを固定すると共に、表面の所定領域で光を反射して前記光ファイバのコアと前記受発光部とを光学的に結合する光透過樹脂と、を備え、前記光ファイバの前記一方の端部におけるクラッドの外周面は、前記光電変換素子における前記受発光部が露出する素子面に接触していることを特徴とするものである。
【0008】
このような光電変換モジュールによれば、光電変換素子に固定される光ファイバの一方の端部のクラッドの外周面が素子面に接触しているため、上記特許文献1のように光ファイバと光電変換素子とが離間している場合と比べて、光透過樹脂内において、光ファイバのコアと受発光部との間の光路の長さを短くすることができる。光電変換素子が発光素子である場合、発光素子から出射した光は広がりを持つため、光ファイバまでの光路長を短くすることで光の広がりを抑え、光ファイバのコアに結合する光量を増やすことができる。また、光ファイバから出射する光も同様に広がるため、光電変換素子が受光素子である場合、受光素子までの光路長を短くすることで光の広がりを抑えられ、受光素子に結合する光量を増やすことができる。つまり、光ファイバのコアと光電変換素子の受発光部とにおける光の結合損失を抑えることができる。従って、本発明の光電変換モジュールによれば、光の損失を低減することができる。
【0009】
また、上記のように光電変換素子に固定される光ファイバの一方の端部のクラッドの外周面が素子面に接触しているため、上記特許文献1に記載の光電変換モジュールのように光ファイバと光電変換素子とが離間している場合と比べて、光ファイバの端部が動きづらく、特に素子面に垂直な方向に光ファイバの端部が動くことが抑制される。光ファイバの端部が動くことは、光ファイバのコアと光電変換素子の受発光部とにおける光の結合損失の増加につながり易いという懸念がある。また、高温環境下では光透過樹脂の粘度が低下する傾向があるため光ファイバの端部の動きによる光の結合損失の増加が大きくなり易い。しかし、本発明の光電変換モジュールでは光ファイバの端部が上記のように動きづらいため、受発光面と光ファイバのコアとの光学的結合が安定し、コアと受発光部とにおける光の結合損失の増加を抑制することができる。
【0010】
また、上記のように光電変換素子に固定される光ファイバの一方の端部のクラッドの外周面が素子面に接触しているため、光電変換モジュールは、上記特許文献1に記載の光電変換モジュールように光ファイバと光電変換素子とが離間している場合と比べて、低背化を実現することができる。
【0011】
また、前記光ファイバの端面と前記受発光部の中心位置との前記光ファイバの長手方向における距離が、前記素子面から前記コアの中心までの距離と等しくされることが好ましい。
【0012】
このように光ファイバが光電変換素子に配置されることで、光透過樹脂内を伝搬する光の光路長を短くすることができ、光ファイバのコアと光電変換素子の受発光部とにおける光の結合損失をより低減することができる。
【0013】
また、前記光透過樹脂の前記光を反射する前記表面の所定領域は、前記受発光部に垂直な方向に対して40度以上50度以下の傾きとされることが好ましい。
【0014】
上記範囲の角度で光を反射してコアと受発光面とが光学的に結合する場合、上記範囲外の角度で光を反射してコアと受発光部とが光学的に結合する場合と比べ、光ファイバのコアと光電変換素子の受発光部とにおける光の結合損失を十分に低減できることが見出された。また、上記範囲の角度で光が反射される場合、光ファイバの先端の位置が長手方向にずれる場合であっても、コアと受発光部との光の結合損失が大きくなることを抑えることができることが見出された。従って、上記のような構成とされることで、光の損失をより低減することができる。
【0015】
また、前記受発光部は複数とされると共に、前記光ファイバ及び前記光透過樹脂をそれぞれ複数備え、複数の前記光ファイバは、被覆樹脂で纏められると共に、前記一方の端部において前記クラッドが露出するよう前記被覆樹脂から所定の長さ口出しされ、それぞれの前記光透過樹脂は、それぞれの前記光ファイバの前記一方の端部を前記光電変換素子に個別に固定すると共に、表面の所定領域で光を反射してそれぞれの前記光ファイバのコアとそれぞれの前記受発光部とを個別に光学的に結合し、それぞれの前記光ファイバの前記一方の端部におけるクラッドの外周面は、前記素子面に接触していることが好ましい。
【0016】
この光電変換モジュールでは、上記のように複数の光ファイバが纏められた多芯光ファイバが用いられる。このような多芯光ファイバが用いられる場合であっても、上記のように、それぞれの光ファイバが素子面に接触し、それぞれの光透過樹脂がそれぞれの光ファイバのコアと受発光面とを個別に光学的に接続する。従って、この光電変換モジュールでは、多芯光ファイバを用いつつ光の損失を低減することができる。また、この光電変換モジュールによれば、光ファイバの端部の動きが抑制されるため、コアと受発光部との光の結合損失の増加を抑制でき、また、低背化を実現することができる。なお、受発光部が複数とされる形態としては、複数の光電変換素子を備える形態と、光電変換素子が複数の受発光部を有する形態とを挙げることができる。
【0017】
また、本発明のアクティブ光ケーブルは、光を発光する発光部を有する発光素子と、光を受光する受光部を有する受光素子と、前記発光素子に一方の端部が固定され、前記受光素子に他方の端部が固定される光ファイバと、前記光ファイバの前記一方の端部と前記発光素子とを固定すると共に、表面の所定領域で光を反射して前記光ファイバのコアと前記発光部とを光学的に結合する第1光透過樹脂と、前記光ファイバの前記他方の端部と前記受光素子とを固定すると共に、表面の所定領域で光を反射して前記光ファイバのコアと前記受光部とを光学的に結合する第2光透過樹脂と、を備え、前記光ファイバの前記一方の端部におけるクラッドの外周面は、前記発光素子の前記発光部が露出する発光素子面に接触し、前記光ファイバの前記他方の端部におけるクラッドの外周面は、前記受光素子の前記受光部が露出する受光素子面に接触していることを特徴とするものである。
【0018】
このアクティブ光ケーブルは、発光素子と光ファイバと第1光透過樹脂とを有する上記の光電変換モジュールと、受光素子と光ファイバと第2光透過樹脂とを有する上記の光電変換モジュールを含んでいる。つまり、本アクティブ光ケーブルは、光の送信と受信を行う一組の上記光電変換モジュールを含んでいる。このようなアクティブ光ケーブルでは、それぞれの光電変換モジュールにおいて光の損失を低減することができるため、効率の良い光通信を行うことができる。また、このようなアクティブ光ケーブルは、それぞれの光電変換モジュールにおいて光ファイバの端部の動きが抑制され、コアと受発光部との光の結合損失の増加を抑制できるため、安定した光通信を行うことができる。また、このようなアクティブ光ケーブルは、それぞれの光電変換モジュールが、低背化を実現することができるため、小型化を実現することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、光の損失が低減された光電変換モジュール、及び、アクティブ光ケーブルが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態に係る光電変換モジュールを示す平面図である。
図2図1の光電変換モジュールの断面図である。
図3図2の光ファイバの端部及び光電変換素子の拡大図である。
図4】光ファイバのクラッドの外径Dと光ファイバの長手方向に沿った光ファイバの端面と受発光部の中心位置との距離Dとの比と、光ファイバと受発光部との間で生じる光の結合損失の増加量との関係を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態のアクティブ光ケーブルを示す平面図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る光電変換モジュールを示す平面図である。
図7】本発明の第2実施形態のアクティブ光ケーブルを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る光電変換モジュール、及び、アクティブ光ケーブルの好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
(第1実施形態)
<光電変換モジュール>
まず、本実施形態の光電変換モジュールについて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る光電変換モジュールを示す平面図であり、図2は、図1の光電変換モジュールの断面図である。
【0023】
図1図2に示すように、本実施形態の光電変換モジュール1は、基板10と、光電変換素子20と、光ファイバ30と、光透過樹脂41と、固定樹脂45とを主な構成として備える。
【0024】
基板10は、本実施形態ではプリント配線板であり、基板本体11と、基板本体11上に形成される端子12及びランド13,14とを備える。基板本体11は、ガラスエポキシやセラミック等の絶縁体から成る板状の部材である。また、端子12及びランド13,14は、銅めっき等の導電体から成り、ランド13は、光電変換素子20の信号用の端子と接続されるためのランドであり、ランド14は、光電変換素子20のグランド端子と接続されるためのランドであり、端子12は、外部の機器と接続される端子である。一方の端子12とランド13、及び他方の端子12とランド14とは、それぞれ図示しない配線や他の電子部品を介して互いに電気的に接続されている。
【0025】
基板10上には光電変換素子20が固定されている。光電変換素子20は、GaAs(ガリウムヒ素)等から成る基体にInGaP(インジウムガリウムリン)等から成る受発光部25が設けられる素子で光半導体素子と呼ばれる場合がある。光電変換素子20は、光信号から電気信号への変換を行う受光素子または電気信号から光信号への変換を行う発光素子とされる。光電変換素子20はこのように受光や発光を行うため、光電変換素子20の所定の面である素子面21からは受発光部25の受発光面26が露出している。受発光部25は光の受光または発光を行う。
【0026】
光電変換素子20が受光素子である例としては、フォトダイオード等を挙げることができ、この場合、受発光部25は受光部とされ、素子面21は受光素子面とされ、受光部は受光素子面から露出する。また、光電変換素子20が発光素子である例としては、レーザーダイオード等を挙げることができ、この場合、受発光部25は発光部とされ、素子面21は発光素子面とされ、発光部は発光素子面から露出する。
【0027】
なお、本実施形態では、光電変換素子20は1つの受発光部25を有している。また、光電変換素子20は、素子面21には信号用の端子23が形成されており、素子面21と反対側には図示せぬグランド端子が形成されている。端子23と基板10のランド13とは、ワイヤ配線15を介して電気的に接続され、図示せぬグランド端子と基板のランド14とが電気的に接続されている。ワイヤ配線15は、導電性の配線であり、例えば、金、アルミニウム、銅等の金属から成る。なお、本実施形態とは異なるが、グランド端子が素子面21に形成される場合もあり、この場合当該グランド端子と電気的に接続されるランドがランド13とは別に設けられ、当該グランド端子と当該ランドとがワイヤ配線等で電気的に接続される。
【0028】
また、光電変換素子20の素子面21上には、光ファイバ30が固定されている。光ファイバ30は、コア31と、コア31の外周面を囲むクラッド32とクラッド32の外周面を被覆する保護層33とを有する。コア31の屈折率はクラッド32の屈折率よりも高くされる。このような光ファイバとしては、コア31及びクラッド32が石英から形成される石英系光ファイバや、コア31及びクラッド32がプラスチックから形成されるプラスチック光ファイバや、コアが石英から形成されクラッドがプラスチックから形成されるポリマークラッド光ファイバ等を挙げることができる。なお、保護層33は、例えば光硬化樹脂等から形成される。
【0029】
光ファイバ30は、例えば、複数のモードの光を伝搬するマルチモードファイバとされる。クラッド32の外径は特に限定されないが、例えば125μmとされ、コア31の直径は、マルチモードファイバの場合、例えば50μmとされる。なお、光ファイバ30は、基本モードの光のみを伝搬するシングルモードファイバであっても良く、この場合、コア31の直径は、例えば10μmとされる。
【0030】
光ファイバ30は、光電変換素子20に固定される側の一方の端部において、保護層33からクラッド32が露出するように所定の長さ口出しされている。また、本実施形態では、光ファイバ30の端面は長手方向に垂直とされる。図2に示すようにこの長さを口出し長Lとすると、口出し長Lは、例えば、10μm以上15mm以下とされることが好ましく、1.5mm以上2.5mm以下とされることがより好ましい。クラッド32が口出しされた光ファイバ30の一方の端部は、クラッド32の外周面が光電変換素子20の素子面21に接するように光電変換素子20上に配置されている。また、光ファイバ30は、素子面21を平面視する場合に、光ファイバ30のコア31の中心軸が受発光部25の中心を通り、少なくとも受発光面26の中心が露出するように配置されている。
【0031】
光ファイバ30の一方の端部が光電変換素子20上に配置された状態において、光ファイバ30の保護層33は、固定樹脂45により基板10に固定されている。固定樹脂45は、硬質な樹脂であり、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂またはこれらを混合または合成した樹脂等の光硬化樹脂とされる。この固定樹脂45により、光ファイバ30の位置が動くことが抑制される。
【0032】
また、光電変換素子20上に配置された光ファイバ30の一方の端部は、光透過樹脂41で光電変換素子20に固定されている。光透過樹脂41は、光ファイバ30を伝搬する光を透過する樹脂から構成される。このような樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂またはこれらを混合または合成した樹脂等の光硬化樹脂を挙げることができる。
【0033】
なお、光透過樹脂41は、固定樹脂45よりも軟質であることが好ましい。仮に、光透過樹脂41が固定樹脂45よりも硬質である場合、光電変換モジュール1に振動等が加わり、固定樹脂が変形して光ファイバ30の端部が動くと、当該端部の動きによる応力が光電変換素子20にかかり、光電変換素子20に損傷を与える懸念がある。しかし、上記のように光透過樹脂41が固定樹脂45よりも軟質であれば、固定樹脂45が変形する場合に、当該変形により光ファイバ30の端部が動くことがあっても、光ファイバ30の端部の動きを光透過樹脂41が吸収することができ、光電変換素子20に損傷を与えることを抑制することができる。
【0034】
次に、光ファイバ30と受発光部25との位置関係や、光透過樹脂41の形状等について詳細に説明する。
【0035】
図3は、図2に示す光ファイバ30の端部及び光電変換素子20の拡大図である。図3において破線で光軸を示すように、光ファイバ30と受発光部25との間を伝搬する光は、光透過樹脂41の表面の所定領域42で反射して伝搬する。この光透過樹脂41の表面の所定領域42は、上記のように光を反射するよう、光ファイバ30の端面におけるコア31と所定の傾斜角度で対向し、かつ、受発光部25と所定の傾斜角度で対向する。従って、この光透過樹脂41の表面の所定領域42は反射部と理解することができる。
【0036】
また、光ファイバ30のクラッドの外径をDとすると、上記のようにクラッド32の外周面が素子面21に接触しているため、素子面21から光ファイバ30のコア31の中心までの距離はD/2となる。また、光ファイバ30の長手方向に沿った光ファイバ30の端面と受発光部25の中心位置との距離をDとする。この場合、本実施形態では、距離D/2と距離Dとが等しくされている。このように、距離D/2と距離Dとが等しくされているため、光透過樹脂41の表面の所定領域42で反射して光ファイバ30と受発光部25との間を伝搬する光の光路長を最小とすることができる。
【0037】
図4は、上記の外径Dと距離Dとの比と、光ファイバ30と受発光部25との間で生じる光の結合損失の増加量の関係を示す図である。ここで、受発光部25の受発光面26に垂直な方向に対する光を反射する上記所定領域42の角度をθとする。図4では、この角度θ毎に上記関係を示している。
【0038】
図4に示すように、角度θが45度の場合であって、D/Dが0.5の場合に光の結合損失が最も小さくなっている。D/Dが0.5ということは、光ファイバ30の端面と受発光部25の中心位置との光ファイバ30の長手方向における距離Dが、素子面21から光ファイバ30のコア31の中心までの距離D/2と等しいことを意味する。また、角度θが45度の場合であっても、光ファイバ30の端面の位置が光ファイバ30の長手方向に沿ってずれて、D/Dが0.5からずれると、光の結合損失が大きくなる。ただし、角度θが45度の場合にD/Dが0.5から0.1程度ずれる場合であっても、光の結合損失の増加量は1dB未満と十分に小さい。このD/Dが0.1程度ずれるということは、上記のようにクラッドの外径が125μmである場合に、20μm程度づれることになる。
【0039】
また、θが40度の場合、D/Dが約0.6において、光の結合損失が最も小さく、上記の角度θが45度でD/Dが0.5の場合における光の結合損失との違いは、概ね0.7dBである。ただし、D/Dが0.5であっても、D/Dが0.6の場合と光の結合損失は然程変わらない。また、D/Dが0.5から0.1程度ずれる場合であっても、光の結合損失の増加量は1dB未満であり、光の結合損失は十分に抑えられる。また、θが50度の場合、D/Dが約0.35において、光の結合損失が最も小さく、上記の角度θが45度でD/Dが0.5の場合における光の結合損失との違いは、概ね0.7dBである。ただし、D/Dが0.5であっても、D/Dが0.35の場合と光の結合損失は然程変わらない。また、D/Dが0.5から0.1程度ずれる場合であっても、光の結合損失の増加量は1dB未満であり、光の結合損失は十分に抑えられる。つまり、θが40度以上50度以下であれば、D/Dが0.5から0.1程度でずれる場合、すなわちD/Dが0.4〜0.6程度であれば、光の結合損失を十分に小さく抑えられる。一方、図4から明らかなように、θが35度や55度の場合には、上記の角度θが45度でD/Dが0.5の場合における光の結合損失よりも5dB近く増加している。
【0040】
なお、光透過樹脂41を形成する例としては、光ファイバ30の端部をクラッド32が光電変換素子20の素子面21上に配置された状態で、光透過樹脂41となる樹脂を滴下して硬化することが挙げられる。この際、滴下する樹脂の量や粘度等をコントロールすることで、θがコントロールされた光透過樹脂41を形成することができる。
【0041】
次に光電変換モジュール1の動作について説明する。
【0042】
光電変換モジュール1の光電変換素子20が発光素子の場合、光電変換モジュール1の端子12に入力する電気信号に基づき、光電変換素子20の端子23に電気信号が入力し、受発光部25から光が出射する。受発光部25から出射する光は、光透過樹脂41の表面の所定領域42で反射し、光ファイバ30のコア31に入射し、コア31を一方の端部がから他方の端部に向かって伝搬する。
【0043】
一方、光電変換モジュール1の光電変換素子20が受光素子の場合、光ファイバ30の一方の端部から光が出射すると、コア31から出射する光は、光透過樹脂41の表面の所定領域42で反射し、受発光部25で受光される。受発光部25で光が受光されると、光電変換素子20の端子23から電気信号が出力し、当該電気信号に基づく電気信号が光電変換モジュール1の端子12から出力する。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の光電変換モジュール1は、光ファイバ30の一方の端部におけるクラッド32の外周面が光電変換素子20における受発光部25が露出する素子面21に接触している。従って、光ファイバ30と光電変換素子20とが離間している場合と比べて、光透過樹脂41内における光ファイバ30のコア31と受発光部25との間の光路の長さを短くすることができる。従って、光ファイバ30のコア31と光電変換素子20の受発光部25とにおける光の結合損失を抑えることができるので、本実施形態の光電変換モジュール1によれば、光の損失を低減することができる。
【0045】
また、光ファイバ30の一方の端部におけるクラッド32の外周面が素子面21に接触しているため、光ファイバ30と光電変換素子20とが離間している場合と比べて、光ファイバ30の端部が動きづらく、特に素子面21に垂直な方向に光ファイバ30の端部が動くことが抑制される。光ファイバ30の端部が動くことは、コア31と受発光部25とにおける光の結合損失の増加につながり易く、特に素子面21に垂直な方向に光ファイバ30が動くことは光の結合損失がより増加する懸念がある。また、高温環境下では光透過樹脂の粘度が低下する傾向があるため光ファイバの端部の動きによる光の結合損失がより増加し易い。しかし、本実施形態の光電変換モジュール1では光ファイバ30の端部が上記のように動きづらいため、受発光面26と光ファイバ30のコア31との光学的結合が安定し、光の結合損失の増加を抑制することができる。
【0046】
また、光ファイバ30の一方の端部におけるクラッド32の外周面が光電変換素子20の素子面21に接触しているので、光電変換モジュール1は、光ファイバ30と光電変換素子20とが離間している場合と比べて、低背化を実現することができる。
【0047】
<アクティブ光ケーブル>
次に、本実施形態のアクティブ光ケーブルについて説明する。
【0048】
図5は、本実施形態のアクティブ光ケーブルを示す平面図である。図5に示すように、本実施形態のアクティブ光ケーブルAC1は光電変換モジュール1Aと光電変換モジュール1Bとを備える。これら光電変換モジュール1Aと光電変換モジュール1Bとは、共通の光ファイバ30を用いている。
【0049】
光電変換モジュール1Aは、上記の光電変換モジュール1の光電変換素子20が発光素子20Aとされるモジュールである。つまり、光電変換モジュール1Aは、発光モジュールとされる。
【0050】
発光素子20Aは、光電変換モジュール1の光電変換素子20の受発光部25に相当する発光部25Aを有し、光電変換モジュール1の素子面21は発光素子20Aの発光素子面21Aに対応する。光ファイバ30の一方の端部は、発光素子20Aに固定されている。具体的には、光ファイバ30の一方の端部が光電変換モジュール1の光ファイバ30の一方の端部と同様に口出しされている。そして、口出しされた一方の端部におけるクラッド32の外周面が発光素子20Aの発光素子面21Aに接触して、当該一方の端部は、光電変換モジュール1の光ファイバ30の一方の端部が光透過樹脂41により光電変換素子20に固定されるのと同様にして、光電変換モジュール1の光透過樹脂41と同様の構成とされる第1光透過樹脂41Aにより固定されている。
【0051】
また、光電変換モジュール1Bは、上記の光電変換モジュール1の光電変換素子20が受光素子20Bとされるモジュールである。つまり、光電変換モジュール1Bは、受光モジュールとされる。
【0052】
受光素子20Bは、光電変換モジュール1の光電変換素子20の受発光部25に相当する受光部25Bを有し、光電変換モジュール1の素子面21は受光素子20Bの受光素子面と21Bに対応する。光ファイバ30の他方の端部は、受光素子20Bに固定されている。具体的には、光ファイバ30の他方の端部が光電変換モジュール1の光ファイバ30の一方の端部と同様に口出しされている。そして、口出しされた他方の端部におけるクラッド32の外周面が受光素子20Bの受光素子面21Bに接触して、当該他方の端部は、光電変換モジュール1の光ファイバ30の一方の端部が光透過樹脂41により光電変換素子20に固定されるのと同様にして、光電変換モジュール1の光透過樹脂41と同様の構成とされる第2光透過樹脂41Bにより固定されている。
【0053】
上記構成のアクティブ光ケーブルAC1では、光電変換モジュール1Aの端子12に入力する電気信号に基づき、発光素子20Aの端子23に電気信号が入力し、発光部25Aから光が出射する。発光部25Aから出射する光は、第1光透過樹脂41Aの表面の所定領域で反射し、光ファイバ30のコア31に入射する。そして、光は光ファイバ30の一方の端部から他方の端部に向かってコア31を伝搬する。他方の端部におけるコア31から出射する光は、第2光透過樹脂41Bの表面の所定領域で反射し、受光部25Bで受光される。受光部25Bで光が受光されると、受光素子20Bの端子から電気信号が出力し、当該電気信号に基づく電気信号が光電変換モジュール1Bの端子12から出力する。
【0054】
以上説明したように、このようなアクティブ光ケーブルAC1では、それぞれの光電変換モジュール1A,1Bにおいて、光電変換モジュール1と同様に光の損失を低減することができる。従って、効率の良い光通信を行うことができる。また、このようなアクティブ光ケーブルAC1は、それぞれの光電変換モジュール1A,1Bにおいて光ファイバ30の端部の動きが、光電変換モジュール1と同様に抑制され、光ファイバ30のコア31と光電変換素子20の受発光部25とにおける光の結合損失の増加を抑制できるため、安定した光通信を行うことができる。また、このようなアクティブ光ケーブルAC1は、それぞれの光電変換モジュール1A,1Bが、光電変換モジュール1と同様に低背化を実現することができるため、小型化を実現することができる。
【0055】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について図6図7を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
【0056】
<光電変換モジュール>
図6は、本発明の第2実施形態に係る光電変換モジュールを示す平面図である。
【0057】
本実施形態の光電変換モジュール2は、第1実施形態の光電変換素子20の代わりに光電変換素子22が用いられ、第1実施形態の光ファイバ30の代わりに多芯光ファイバ35が用いられる点において、第1実施形態の光電変換モジュール1と異なる。
【0058】
光電変換素子22は、第1実施形態の受発光部25と同様の受発光部25を複数備え、受発光部25の数に基づいた数の端子23を備える点において第1実施形態の光電変換素子20と異なる。それぞれの端子23は、基板10に設けられる端子23の数に対応した数設けられるそれぞれのランド13とワイヤ配線15により電気的に接続される。なお、本実施形態の基板10には、ランド13に対応した数の端子12が設けられている。
【0059】
多芯光ファイバ35は、第1実施形態と同様の光ファイバ30を複数備え、複数の光ファイバ30は、平面状に並べられて被覆樹脂36で一体に纏められている。多芯光ファイバ35の一方の端部において、それぞれの光ファイバ30は、被覆樹脂36及び保護層33から第1実施形態の光ファイバ30と同様に口出しされている。この口出しの長さを口出し長とすると、口出し長は、例えば、10μm以上15mm以下とされることが好ましく、1.5mm以上2.5mm以下とされることがより好ましい。
【0060】
口出しされたそれぞれの光ファイバ30の一方の端部は、第1実施形態の光ファイバ30の一方の端部が光電変換素子20の素子面21上に配置されるのと同様にして、光電変換素子22の素子面21上に配置されている。配置されたそれぞれの光ファイバ30の一方の端部は、それぞれの受発光部25と一対一に対応しており、各光ファイバ30のそれぞれのコア31の中心線が、各受発光部25の中心と概ね重なるように位置される。
【0061】
光電変換素子22上にそれぞれの光ファイバ30の一方の端部が配置された状態で、それぞれの光ファイバ30の一方の端部は、第1実施形態の光ファイバ30の一方の端部が光透過樹脂41で固定されるのと同様にして、各光ファイバ30と一対一に配置され互いに離間する複数の光透過樹脂41により、光電変換素子22に固定されている。
【0062】
なお、多芯光ファイバ35は被覆樹脂36が固定樹脂45により基板10に固定されている。
【0063】
ところで、多芯光ファイバ35をファイバカッターで切断すると、それぞれの光ファイバ30の端面の位置が、ピーク・ツー・ピークで光ファイバ30の長手方向に20μm程度ずれる場合がある。ここで、クラッド32の外径が一般的な125μmである場合、上記のように、20μmのずれは、上記のD/Dが±0.1ずれることに相当する。また、上記のように、光透過樹脂41の光が反射する表面の所定領域の角度θが、光電変換素子面に垂直な線に対し40度以上50度以下であれば、D/Dが±0.5から±0.1程度ずれる場合であってもコア31と受発光部25との光の結合損失を十分に小さく抑えられる。従って、それぞれの光透過樹脂41の所定領域の傾き角度θが、光電変換素子面に垂直な線に対し40度以上50度以下とされることで、上記のようにそれぞれの光ファイバ30の端面の位置が、光ファイバ30の長手方向に20μm程度ずれても、コア31と受発光部25との光の結合損失の増加を抑制することができる。なお、このように光ファイバ30の端面の位置が光ファイバ30の長手方向にずれる場合、端面のずれに合わせて、それぞれの光透過樹脂41の位置を光ファイバ30の長手方向にずらすことが好ましい。
【0064】
このような光電変換モジュール2では、光電変換素子22が発光素子の場合、光電変換モジュール2の端子12に入力する電気信号に基づき、第1実施形態の光電変換モジュール1と同様にして、それぞれの受発光部25から光が出射する。それぞれの受発光部25から出射する光は、それぞれの光透過樹脂41の表面の所定領域42で反射し、それぞれの光ファイバ30のコア31に入射し、それぞれのコア31を一方の端部から他方の端部に向かって伝搬する。
【0065】
一方、光電変換モジュール2の光電変換素子20が受光素子の場合、それぞれの光ファイバ30の一方の端部から光が出射すると、それぞれのコア31から出射する光は、それぞれの光透過樹脂41の表面の所定領域42で反射し、それぞれの受発光部25で受光される。それぞれの受発光部25で光が受光されると、第1実施形態の光電変換モジュール1と同様にして、電気信号が光電変換モジュール1の端子12から出力する。
【0066】
以上説明したように本実施形態の光電変換モジュール2では、多芯光ファイバ35が用いられる場合であっても、それぞれの光ファイバ30のクラッド32の外周面が素子面21に接触し、それぞれの光透過樹脂41がそれぞれの光ファイバ30のコア31とそれぞれの受発光部25とを個別に光学的に接続する。従って、この光電変換モジュール2では、多芯光ファイバ35を用いつつ光の損失を低減することができる。また、この光電変換モジュール2によれば、第1実施形態の光ファイバ30の端部の動きが抑制されることと同様にそれぞれの光ファイバ30の端部の動きが抑制される。従って、光ファイバ30のコア31と光電変換素子20の受発光部25とにおける光の結合損失の増加を抑制でき、また、第1実施形態の光電変換モジュール1と同様に低背化を実現することができる。
【0067】
<アクティブ光ケーブル>
次に、本実施形態のアクティブ光ケーブルについて説明する。
【0068】
図7は、本実施形態のアクティブ光ケーブルを示す平面図である。図7に示すように、本実施形態のアクティブ光ケーブルAC2は光電変換モジュール2Aと光電変換モジュール2Bとを備える。これら光電変換モジュール2Aと光電変換モジュール2Bとは、共通の多芯光ファイバ35を用いている。
【0069】
光電変換モジュール2Aは、上記の光電変換モジュール2の光電変換素子22が発光素子22Aとされるモジュールである。つまり、光電変換モジュール2Aは、発光モジュールとされる。
【0070】
発光素子22Aは、光電変換モジュール2の光電変換素子22の複数の受発光部25に相当する複数の発光部25Aを有し、光電変換モジュール2の素子面21は発光素子22Aの発光素子面21Aに対応する。また、それぞれの光ファイバ30の一方の端部は、発光素子22Aに固定されている。具体的には、それぞれの光ファイバ30の一方の端部が光電変換モジュール2のそれぞれの光ファイバ30の一方の端部と同様に口出しされている。そして、口出しされたそれぞれの一方の端部におけるクラッド32の外周面が発光素子22Aの発光素子面21Aに接触して、当該一方の端部は、光電変換モジュール2のそれぞれの光ファイバ30の一方の端部がそれぞれの光透過樹脂41により光電変換素子22に固定されるのと同様にした状態で、光電変換モジュール2の複数の光透過樹脂41と同様の構成とされる複数の第1光透過樹脂41Aにより固定されている。
【0071】
また、光電変換モジュール2Bは、上記の光電変換モジュール2の光電変換素子22が受光素子22Bとされるモジュールである。つまり、光電変換モジュール2Bは、受光モジュールとされる。
【0072】
受光素子22Bは、光電変換モジュール2の光電変換素子22の複数の受発光部25に相当する複数の受光部25Bを有し、光電変換モジュール2の素子面21は受光素子22Bの受光素子面21Bに対応する。また、それぞれの光ファイバ30の他方の端部は、受光素子22Bに固定されている。具体的には、それぞれの光ファイバ30の他方の端部が光電変換モジュール2のそれぞれの光ファイバ30の一方の端部と同様に口出しされている。そして、口出しされたそれぞれの他方の端部におけるクラッド32の外周面が受光素子22Bの受光素子面21Bに接触して、当該他方の端部は、光電変換モジュール2のそれぞれの光ファイバ30の一方の端部がそれぞれの光透過樹脂41により光電変換素子20に固定されるのと同様にして、光電変換モジュール1の複数の光透過樹脂41と同様の構成とされる複数の第2光透過樹脂41Bにより固定されている。
【0073】
上記構成のアクティブ光ケーブルAC2では、光電変換モジュール2Aの端子12に入力する電気信号に基づき、第1実施形態のアクティブ光ケーブルAC1と同様にして、それぞれの発光部25Aから光が出射する。それぞれの発光部25Aから出射するそれぞれの光は、それぞれの第1光透過樹脂41Aの表面の所定領域42で反射し、それぞれの光ファイバ30のコア31に入射する。そして、それぞれの光はそれぞれの光ファイバ30の一方の端部から他方の端部に向かってコア31を伝搬する。他方の端部におけるそれぞれのコア31から出射する光は、それぞれの第2光透過樹脂41Bの表面の所定領域42で反射し、それぞれの受光部25Bで受光される。それぞれの受光部25Bで光が受光されると、第1実施形態のアクティブ光ケーブルAC1と同様にして、電気信号が光電変換モジュール2Bの端子12から出力する。
【0074】
以上説明したように、このようなアクティブ光ケーブルAC1では、それぞれの光電変換モジュール1A,1Bにおいて、それぞれの光ファイバ30とそれぞれの発光素子22Aやそれぞれの受光素子22Bとの間において、光電変換モジュール2と同様に光の損失を低減することができる。従って、効率の良い光通信を行うことができる。また、このようなアクティブ光ケーブルAC2は、それぞれの光電変換モジュール2A,2Bにおいてそれぞれの光ファイバ30の端部の動きが光電変換モジュール2と同様に抑制され、コア31と受発光部25とにおける光の結合損失の増加を抑制できる。従って、安定した光通信を行うことができる。また、アクティブ光ケーブルAC2は、それぞれの光電変換モジュール1A,1Bが、光電変換モジュール2と同様に低背化を実現することができるため、小型化を実現することができる。
【0075】
以上、本発明について、第1、第2実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0076】
例えば、上記第2実施形態で、それぞれの光ファイバ30は、保護層33を有し、保護層33が被覆樹脂36で被覆されていたが、保護層33は必須の構成では無い。
【0077】
また、第2実施形態では、光電変換素子22が複数の受光部25Bを有する形態とされた。しかし、受発光部が複数である形態は第2実施形態に限らない。このような形態としては、例えば、光電変換モジュールが第1実施形態と同様の光電変換素子20を複数備える形態を挙げることができる。この場合、第2実施形態と同様に複数の光透過樹脂41を備え、光透過樹脂41のそれぞれが、それぞれの光ファイバ30の一方の端部をそれぞれの光電変換素子20に個別に固定すると共に、表面の所定領域42で光を反射してそれぞれの光ファイバ30のコア31とそれぞれの受発光部25とを個別に光学的に結合するようにすればよい。また、第2実施形態の多芯光ファイバ35が備える光ファイバ30の数は上記実施形態と異なっていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上説明したように、本発明によれば、光の損失が低減された光電変換モジュール、及び、アクティブ光ケーブルが提供され、自動車用、家電用、その他の分野における部品等として利用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1,1A,1B,2,2A,2B・・・光電変換モジュール
10・・・基板
15・・・ワイヤ配線
20,22・・・光電変換素子
20A,22A・・・発光素子
20B,22B・・・受光素子
21・・・素子面
21A・・・発光素子面
21B・・・受光素子面
25・・・受発光部
25A・・・発光部
25B・・・受光部
26・・・受発光面
30・・・光ファイバ
31・・・コア
32・・・クラッド
33・・・保護層
35・・・多芯光ファイバ
36・・・被覆樹脂
41・・・光透過樹脂
41A・・・第1光透過樹脂
41B・・・第2光透過樹脂
AC1,AC2・・・アクティブ光ケーブル

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7