特許第6205050号(P6205050)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6205050汚染された排水を処理する設備および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205050
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】汚染された排水を処理する設備および方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/44 20060101AFI20170914BHJP
   C02F 1/38 20060101ALI20170914BHJP
   C02F 1/62 20060101ALI20170914BHJP
   C02F 9/02 20060101ALI20170914BHJP
   C02F 9/04 20060101ALI20170914BHJP
   C02F 9/08 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   C02F1/44 D
   C02F1/38
   C02F1/62 Z
   C02F9/02
   C02F9/04
   C02F9/08
【請求項の数】14
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-518900(P2016-518900)
(86)(22)【出願日】2014年5月27日
(65)【公表番号】特表2016-521637(P2016-521637A)
(43)【公表日】2016年7月25日
(86)【国際出願番号】EP2014060939
(87)【国際公開番号】WO2014202349
(87)【国際公開日】20141224
【審査請求日】2015年12月9日
(31)【優先権主張番号】102013211252.1
(32)【優先日】2013年6月17日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501125231
【氏名又は名称】ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(72)【発明者】
【氏名】ザックス ディミトリ
(72)【発明者】
【氏名】ムチュラー ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】コルツ ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ユング ダリウス
(72)【発明者】
【氏名】シュヴェンデレ ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ペッテルシュ ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】コルフ フィリップ
【審査官】 富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−000965(JP,A)
【文献】 実開昭59−155596(JP,U)
【文献】 特開2012−196678(JP,A)
【文献】 特開2002−307058(JP,A)
【文献】 特開2003−236558(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/031689(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/00− 9/14
B01D 61/00−71/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セパレータ(5)に連通する流入配管(3)と、透過液出口配管(19)および濃縮液出口配管(17)を有する濾過設備(18)への入口配管(16)を介して連通する、前記セパレータ(5)から出ていく流出配管(10)とを有する、汚染された排水を処理する設備において、
透過液を返送するために前記透過液出口配管(19)が前記流入配管(3)と制御可能につながれていて、
前記流出配管(10)と前記入口配管(16)の間に作業容器(11)が配置されており、前記透過液出口配管(19)は前記作業容器(11)と接続されていて、
前記作業容器(11)は返送配管(13)を介して前記流入配管(3)と接続されていることを特徴とする設備。
【請求項2】
前記返送配管(13)には返送遮蔽弁(12)が配置されていることを特徴とする、請求項に記載の設備。
【請求項3】
前記濾過設備(18)の前記透過液出口配管(19)は重金属についての分析装置(22)を有していることを特徴とする、請求項1または2に記載の設備。
【請求項4】
前記透過液出口配管(19)から前記分析装置(22)の下流側で分岐部(24)において、帰還流案内弁(25)により調節されて前記作業容器(11)に連通する帰還流配管(26)が分岐していることを特徴とする、請求項に記載の設備。
【請求項5】
前記透過液出口配管(19)は前記帰還流配管(26)の前記分岐部(24)の下流側に透過液流出弁(20)を有していることを特徴とする、請求項に記載の設備。
【請求項6】
前記流入配管(3)に沈殿剤配管(14)が連通していることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の設備。
【請求項7】
前記セパレータ(5)は、スラッジやオイルを排水から析出するための3相セパレータであることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の設備。
【請求項8】
前記濾過設備(18)は超濾過設備であることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の設備。
【請求項9】
流入配管(3)を有するセパレータ(5)を貫流させながら汚染された排水を処理する方法であって、排水から分離して取り出された水が該セパレータから流出配管(10)に出て、作業容器(11)を介して、この水が引き続き濾過設備(18)へ供給されて、その中で、濃縮液出口配管(17)に排出される濃縮液と、透過液出口配管(19)に排出される透過液への水の分離が行われる、そのような方法において、
透過液を、前記作業容器(11)を介して、前記セパレータ(5)の前記流入配管(3)へ返送可能であることを特徴とする方法。
【請求項10】
導出される透過液は分析装置(22)により、重金属についての限界値の有無に関して監視されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項11】
透過液は限界値を超過したときに前記セパレータ(5)への前記流入配管(3)へ返送され、それと同時に前記セパレータ(5)に沈殿剤が供給されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
沈殿剤は沈殿剤配管(14)によって前記流入配管(3)への前記返送配管(13)の連通部の場所的に近傍で同じく前記流入配管(3)へ導入され、前記セパレータ(5)への別の流入配管(3)が透過液と沈殿剤の反応区間としての役目を果たすことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
沈殿剤の調量は、重金属の濃度および透過液のpH値に依存して行われることを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記セパレータ(5)で重金属がスラッジとして透過液から分離されることを特徴とする、請求項10から13のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セパレータに連通する流入配管と、透過液出口配管および濃縮液出口配管を有する濾過設備の入口配管へ直接的または間接的に連通する、セパレータから出ていく流出配管とを有する、汚染された排水を処理する設備に関する。さらに本発明は、汚染された排水を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような種類の設備およびこのような種類の方法は、特許文献1から公知である。この方法およびこの設備は、汚染された処理物から有害物質を熱式に分離するために設計されている。その場合、処理物は相応の蒸気装置に通されることによって、まず熱蒸気により処理される。次いで処理物が濃縮器に供給され、この濃縮器には、3相セパレータとして構成されたセパレータが後続している。この3相セパレータは流入配管を有しており、これを介して、処理物から析出された汚染された排水が3相セパレータに供給される。セパレータからは、少なくとも予備浄化された排水が水として、超濾過設備として構成された濾過設備の入口配管と直接的に接続された排出配管を介して排出される。超濾過設備から透過液出口配管を介して出ていく透過液は、引き続き、逆浸透をする装置およびこれに後続する熱式の脱ガスをする設備へと供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0715902A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、少ない設計コストで効率的かつ確実に作動する、汚染された排水を処理する設備および方法を提示ないし提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は本発明によると、透過液出口配管が流入配管と制御可能につながれていることによって解決される。汚染された排水を処理する、これに対応する方法は、透過液がセパレータの流入配管へ返送可能であることを意図している。透過液が流入配管へ制御可能に返送可能であることによって、透過液をあらためてセパレータへ供給し、たとえば透過液の中にまだ存在している異物成分を、たとえばスラッジのような形態の重金属を、析出することが可能である。それによって設備の効率的な活用が可能であり、これに加えて、設備が高い信頼度で作動する。排水は、汚染されたHOの形態の排水ばかりでなく、たとえば固体や油ならびに場合によりその他の物質で汚染された、ほぼ任意の液体またはエマルジョンであってもよい。その意味で、本発明の枠内においては排水という概念は種概念として理解される。
【0006】
本発明の発展例では、排出配管と入口配管の間に作業容器が配置されており、透過液出口配管は一般的な構成の作業容器と任意の形態で接続可能である。このとき作業容器は、加熱装置によってたとえば摂氏50°の一定の温度まで加熱される。したがってこの作業容器の中では、セパレータから流出配管を介して出ていく(予備浄化された)、排水から分離された水、および特に透過液が、濾過設備から出てくる濃縮液と並んで必要に応じて集められる。
【0007】
本発明の発展例では、作業容器は返送配管を介して流入配管と接続されている。この返送配管を介して、水ないし透過液が(濃縮液と並んで)セパレータへの流入配管へと戻るように送り返される。
【0008】
このような返送を制御できるようにするために、本発明のさらに別の実施形態では、返送配管に返送遮蔽弁が配置されている。返送遮蔽弁が開いている場合には、汚染された排水の緩衝容器を流入配管と接続する流入遮蔽弁が閉じる。それにより、セパレータから出ていく水および濾過設備から出ていく濃縮液が、所定の析出度に達するまで、セパレータ(および濾過設備)を通過することができる。あるいはこれに加えて本発明では、たとえば重金属を析出させるために透過液をセパレータへ返送することもできる。
【0009】
本発明の発展例では、透過液出口配管は特に重金属についての分析装置を有している。この分析装置は、濾過設備から出ていく透過液を、特に重金属についての限界値を超過していないかどうか連続的に監視するのが好ましい。あるいは分析装置は、透過液から分離されるべきその他の物質または素材を検知するために設計されていてもよい。
【0010】
本発明の発展例では、透過液出口配管から分析装置の下流側で分岐部において、帰還流案内弁により調節されて作業容器に連通する帰還流配管が分岐していることが意図される。分析装置によってたとえば重金属について限界値の超過が検知されると、帰還流案内弁が開き、それと同時に、本発明の別の実施形態で意図される、帰還流配管の分岐部の下流側で透過液出口配管に配置される透過液排出弁が閉じられる。この動作状態のとき、たとえば重金属で汚染された透過液が作業容器の中へ、さらには返送配管を介して流入配管へと返送される。このときさらに別の実施形態では、同じく流入配管へ連通する沈殿剤配管を介して沈殿剤が導入される。流入配管への返送配管の連通部の場所的に近傍で沈殿剤配管によって同じく流入配管へ導入される沈殿剤は、流入配管へ導入される透過液と反応し、したがって、この動作状態では流入配管は反応区間としての役目を果たす。反応生成物はセパレータに供給され、そこで重金属がスラッジまたはオイルスラッジとして分離され、そのようにして、セパレータから出ていく水から取り除かれる。これに後続する濾過設備を通って貫流するときに、濾過設備から出ていく透過液は重金属汚染に関して所定の限界値以下に減少しており、透過液の返送は、帰還流案内弁を閉じるとともに透過液排出弁を開くことによって終了することができる。それと同時に、セパレータへ通じる流入配管への沈殿剤の供給も停止される。
【0011】
本発明の発展例では、セパレータは、汚染された排水から溶出される特にスラッジやオイルのための3相セパレータである。スラッジは、3相セパレータと接続された適当な回収容器に集められ、オイルはオイル回収容器に集められて、必要に応じて処分される。
【0012】
本発明の発展例では、濾過設備は、隔膜技術の分野に属する濾過方法によって、マクロ分子の物質や小さい粒子を供給される媒体から分離し、濃縮することもできる超濾過設備である。この設備および方法は、原則として、任意の汚染された排水を「浄化」するのに適しており、排水という概念は、前述したとおり、HOの形態の流体に限定されるものではない。同様にセパレータでは、わずかな残留量の排水とともにスラッジを形成するほぼ任意の析出される固形物や粒子を含むスラッジのほか、オイル以外の成分も分離することができる。
【0013】
引き続いて作業容器が、セパレータによる析出と、排出部への透過液の排出によって所定のレベルまで空にされると、返送遮蔽弁が閉じられて流入遮蔽弁が開かれる。それにより、セパレータおよびこれに続いて作業容器があらためて充填される。このプロセスは、濾過設備の隔膜を汚れのために洗浄しなければならなくなるまで、たとえばすすがなくてはならなくなるまで、何度も繰り返される。
【0014】
本発明のその他の好ましい実施形態は、図面に示されている本発明の実施例が詳しく記述される図面の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】汚染された排水を処理する設備を個別コンポーネントとともに示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、汚染された排水を処理する設備を所要のコンポーネントとともに示している。設備の入口では、緩衝容器1が流入遮蔽弁2およびポンプ4が挿入された流入配管3を介して、3相セパレータの形態の(たとえばいわゆるトリカンターとしての設計形態の)セパレータ5と接続されている。緩衝容器1の中には、産業事業所からの汚染された排水が備蓄されており、排水は特に固形物やオイルならびに場合によりその他の物質、たとえば重金属などを含んでいる。排水は、汚染されたHOの形態の排水ばかりでなく、たとえば固形物やオイルならびに場合によりその他の物質で汚染された、ほぼ任意の液体またはエマルジョンであってもよい。その意味で、ここでは排水は種概念として理解することができる。また排水は、固形物と並んで排水から分離して取り出されるべき、オイルとは異なる流体で汚染されていてもよい。複数の流体が排水を汚染していることも考えられる、これらを一緒に排水から分離して取り出すことができる。固形物は、排水とともにスラッジを形成する、たとえば金属材料やプラスチック材料であってよい。
【0017】
図示した実施例では、スラッジ容器7に通じるスラッジ排出配管6が3相セパレータ5に連結されている。したがってスラッジ容器7には、固形物が排水の残留量とともにスラッジの形態で集められる。さらに3相セパレータ5には、オイル容器9に連通するオイル排出配管8が接続されている。3相セパレータ5は遠心力による分離の原理に基づいて作動し、異なる密度の異なる相が互いに分離される。本実施例では、それに応じてスラッジとオイルが汚染された排水から分離され、この排水が浄化された排水として、3相セパレータ5から流出配管10を介して水の形態で出ていく。このとき3相セパレータ5から流出配管10を介して出ていく水は、一回目の通過後には、まだ残留しているスラッジやオイルならびに場合によりその他の物質を含んでいる。流出配管10は、水が中へ導入される作業容器11と接続されている。作業容器11は、返送遮蔽弁12を介して返送配管13と接続されており、この返送配管は、流入遮蔽弁2の下流側で流入配管3に連通する。さらに返送配管13の下流側では、沈殿剤タンク15と接続された沈殿剤配管14が流入配管3に連通する。沈殿剤タンク15の中にある沈殿剤を、必要に応じて流入配管3へ導入することができる。この点に関してはあとでまた説明する。
【0018】
さらに作業容器11は、入口配管16および濃縮液出口配管17を介して、超濾過設備の形態の濾過設備18と接続されている。超濾過設備によって、約0.1から0.01μmのサイズの粒子を、さしあたりセパレータ5から出てくる水である供給される流体から分離することができる。これらの粒子は濃縮液を形成し、この濃縮液は、濃縮液出口配管17を介して再び作業容器11へ供給される。さらに濾過設備18は透過液出口配管19を有しており、これを介して、本実施例ではさらに浄化された水である透過液が濾過設備18から出ていく。透過液出口配管19は、透過液流出弁20を介して、最終的に浄化された水の排出部21と接続されている。透過液流出配管19には分析装置22が直接的に、またはタップ配管23を介してつながれており、この分析装置によって、透過液流出配管19を貫流する透過液が特定の汚染の有無に関して分析される。この汚染は本実施例では重金属であり、透過液中の重金属の所定の濃度の超過が分析装置22によって判定ないし測定される。分析装置22ないし分析装置22へのタップ配管23の下流側には、さらに作業配管11へと連通する帰還流配管26と帰還流配管弁25を介して接続された分岐部24が配置されている。
【0019】
次に、汚染された排水を処理する設備の機能および方法について、同じくフローチャートもなしている図面を参照しながら説明する。まず最初に、緩衝容器1から汚染された排水がセパレータ5に供給され、その中で、スラッジやオイルが汚染された排水から分離される。浄化された排水は、(少なくとも)部分的に浄化された水としてセパレータ5から出ていき、作業容器11が充填されるまでの量の汚染された排水が、作業容器11に供給される。なお、たとえば加熱装置によって一定の摂氏50°の温度まで加熱される作業容器11の充填後、流入遮蔽弁2が閉じられて返送遮蔽弁12が開かれ、それにより、セパレータ5は循環路において作業容器11から装填をうけることになる。次いで、濾過設備18が(追加的に)作動開始する。濾過設備18は、供給される(まだ若干汚染されている)水から濃縮物を分離し、この水が作業容器11へ送り返される。最終的に浄化された水(定義された設定基準にしたがって浄化された水)が濾過設備18から出ていき、排出部21に到達する。濾過プロセス中、作業容器11の中では特にオイル濃度が上昇していき、それにより次第に遊離したオイルが形成され、このオイルが、返送配管13を介して再びセパレータ5に供給されて、セパレータによりオイル容器9の中へと分離される。
【0020】
透過液は、分析装置22による監視のもとで、重金属の有無に関して連続的に監視される。透過液の中で重金属の限界値を超過すると、透過液流出弁20が閉じて帰還流案内弁25が開かれ、それにより、透過液は作業容器11へ送り返されて、もはや排出部21へは到達しなくなる。透過液は作業容器11から返送配管13を介して流入配管3へ戻されて、セパレータ5に到達する。返送された透過液から重金属を取り除くために、沈殿剤配管14を介して流入配管3と接続された沈殿剤タンク15から調量式の沈殿剤の導入がまさに流入配管3へ行われ、この流入配管へは、汚染された透過液が返送配管13を介して沈殿剤配管14の連通部の場所の近くで導入される。この動作状態のとき、それに応じて流入遮蔽弁2は閉じられて返送遮蔽弁12は開かれる。セパレータ5に通じる流入配管3は、この動作状態では、沈殿薬剤と返送された透過液との反応区間としての役目を果たす。セパレータ5では、重金属を含むスラッジの分離ないし脱水がスラッジ容器および/またはオイル容器9の中へと行われる。1つまたは複数の沈殿剤の調量は、たとえば透過液中の重金属濃度やpH値に依存して行われる。
【0021】
分析装置22によって継続的にコントロールされる重金属濃度が透過液中の所定の閾値よりも低下すると、透過液流出弁20が開いて帰還流案内弁25が再び閉じる。したがって透過液は再び排出部21へと案内され、それに対して沈殿剤の調量は停止される。その後、再び高すぎる重金属濃度が測定されると、上で説明したプロセスが再度あらためて開始される。
【0022】
このプロセスの過程で、作業容器11の充填水位は排出部21への透過液の流出によって次第に減っていく。所定の最小レベルに到達すると、作業容器11が上に説明したようにセパレータ5を介してあらためて充填され、このとき流入遮蔽弁2が再び開かれ、返送遮蔽弁12が閉じられる。
【0023】
このプロセスが全体として、濾過設備18の隔膜を汚れに基づいて洗浄しなくてはならなくなるまで、たとえばすすがなくてはならなくなるまで、反復または継続される。
【符号の説明】
【0024】
3 流入配管
5 セパレータ
10 流出配管
11 作業容器
12 返送遮蔽弁
13 返送配管
14 沈殿剤配管
16 入口配管
17 濃縮液出口配管
18 濾過設備
19 透過液出口配管
20 透過液流出弁
22 分析装置
24 分岐部
25 帰還流案内弁
26 帰還流配管
図1