【実施例】
【0045】
<比較例1〜2及び実施例1〜5>
表1の各成分を用いて比較例1の単一層カプセルと、比較例2の二重層カプセル及び実施例1〜5の三重層カプセルを下記の製造方法を用いて製造した。このとき、各成分の含量は、重量で表示される。
【0046】
【表1】
【0047】
<製造方法>
(1)前記表1における1ステップ製造工程を用いて水難溶性物質及び安定化剤を20℃で第1の溶媒に溶解した。このとき、実施例2の場合にのみ50〜60℃で第1の溶媒上で加温して溶解する。ここに中空状シリカを投入して機械式攪拌器を用いて攪拌速度500〜1,000rpmにて30分間均一に分散する。
【0048】
(2)前記(1)において生成された分散液の第1の溶媒を回転式蒸発濃縮器を用いて蒸発させて単一層のカプセル粉末を回収した。このとき、工程条件は、温度が20〜30℃であり、圧力は5〜6barであり、回転速度は50〜100rpmである。
【0049】
(3)2ステップ製造工程を用いてハイドロゲル高分子を第2の溶媒に溶解した。このとき、製造順序は、一次的に澱粉を溶解するために糊化温度である90〜100℃で第2の溶媒を加温して溶解した後に20〜30℃に冷却させてゲランガムを溶解する。
【0050】
(4)前記(3)において生成された溶液に前記(2)において製造された粉末を投入して機械式攪拌器を用いて攪拌速度1,000〜1,500rpmで30分間均一に分散した。
【0051】
(5)前記(4)において生成された分散液の第2の溶媒を噴霧乾燥器を用いて蒸発させて二重層のカプセル粉末を回収した。このとき、工程条件は、噴霧乾燥器の排出温度は80〜100℃であり、分散液の投入量は30ml/min〜150ml/minであり、アトマイザー回転数は6,500〜10,000rpmである。
【0052】
(6)3ステップ製造工程を用いて疎水性高分子を第3の溶媒に溶解した後に機能性顔料を投入して分散した。疎水性高分子として用いられたゼインを混合溶媒である含水エタノールに溶解温度20〜30℃で完全に溶解した後に二酸化チタンを投入して機械式攪拌器を用いて攪拌速度1,000〜1,500rpmで30分間均一に分散する。
【0053】
(7)前記(6)において生成された分散液に前記(5)において製造された粉末を投入して機械式攪拌器を用いて攪拌速度500〜1,000rpmで30分間均一に分散した。
【0054】
(8)前記(7)において生成された分散液の第3の溶媒を流動層コーティング器を用いて蒸発させて三重層のカプセル粉末を回収した。
【0055】
このとき、工程条件は、流動層コーティング器の排出温度を50〜70℃に保ちながら製造するものとする。
【0056】
図1〜
図3は、1ステップ製造過程、2ステップ製造過程及び3ステップ製造過程により製作された単一層カプセル、二重層カプセル及び三重層カプセルを走査電子顕微鏡を用いて観察した写真であり、
図4は、三重層カプセルの外壁を人為的に破損して二重層カプセルを確認した写真である。また、
図5は、実施例1〜5において製造された三重層カプセルの外観写真である。
【0057】
図1〜
図3の写真に示すように、本発明の製造ステップにより製作される単一層カプセル、二重層カプセル及び三重層カプセルは、互いに分離された球状に内部のカプセルを完全に取り囲んでいることが分かり、
図4の三重層カプセルの内部には多数の二重層カプセルが内蔵されていることが確認される。
【0058】
<比較剤形例1〜3及び剤形例1〜5>
前記表2に記載の成分を用いて比較例及び実施例において生成されたカプセルを水難溶性物質を基準として同じ含量で投入して剤形を製造し、それぞれの剤形において、温度条件及び日光条件における含量の経時的な変化を点検して表3に示す。前記各成分の含量は、重量%で表示される。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
<試験例1>アスタキサンチン含量分析実験
1.分析条件及び方法
前記表1の比較例1〜2のカプセル及び実施例1のカプセルに対する活性を測定するために対照群として5%含量のアスタキサンチンを用いて下記のようにHPLC分析条件を設定して実験を行い、4℃、25℃、50℃における温度安定性の変化及び日光安定性の変化を
図6〜9のグラフで示す。
【0062】
HPLCカラム:Zorbax
Eclipse XDB−C18(2.1×150mm,5μm)
温度:30℃
移動相:メチルt−ブチルエーテル:メタノール=15:85〜80:20
注入体積:1μl
流量:0.12ml/分
検出波長:UV 474nm
【0063】
(1)対照群又は提示されたカプセルサンプル0.1gを10mlのメスフラスコに移した後にクロロホルムを10mlまで満たす。
【0064】
(2)超音波粉砕器において30分間超音波処理を施す。
【0065】
(3)振とう器を用いて振とうさせ、4.5μmのフィルターでろ過した後に分析する。
【0066】
2.分析結果
図6〜
図9に示すように、比較剤形例1〜3は、時間が経過するにつれて安定性が低下するのに対し、本発明により製造された剤形例1は安定性が保たれることが確認される。
【0067】
また、温度区間のうち相対的に低い温度では非カプセル化した原料であっても安定性が比較的に良好であるが、高温における安定性が急激に低下することが確認される。このような現象は、カプセル化が進むにつれて改善され、三重層カプセルになる場合に極大化されるという現象を示す。
【0068】
このため、このような実験結果から、アスタキサンチンを三重層構造にカプセル化させて剤形に適用する場合に高い安定度が保たれることが確認される。
【0069】
<試験例2> セラマイドの含量分析の実験
1.分析条件及び方法
前記表1の実施例2のカプセルに対して様々な環境下で時間が経過するにつれて含量の変化が生じるか否かを測定するために、剤形例2のサンプルに対して下記のようにHPLC分析条件を設定して実験を行った。
【0070】
HPLCカラム:ACE5−C18(4.6×150μm,5μm)
ガードカラム:ACE5−C18(4.6×12.5μm,5μm)
移動相:メタノール100%
注入体積:10μl
流量:1.0ml/分
検出波長:UV 203nm
【0071】
(1)カプセルサンプル0.1gを10mlのフラスコに移した後にメタノール10mlを添加する。
【0072】
(2)30分間振とう器を用いて振とうして分析する。
【0073】
2.分析結果
剤形例2のサンプルを分析したところ、表3によれば、時間による含量の変化がほとんどないことが確認される。
【0074】
さらに、剤形安定性(相分離又は沈殿)もまた安定化したことが観察されて、セラマイド液晶カプセルを剤形に適用する場合に剤形化に役立つことが期待される。
【0075】
<試験例3> ユビキノンの含量分析の実験
1.分析条件及び方法
前記表1の実施例3のカプセルに対して様々な環境下で時間が経過するにつれて含量の変化が生じるか否かを測定するために、剤形例3のサンプルに対して下記のようにHPLC分析条件を設定して実験を行った。
【0076】
HPLCカラム:ACE5−C18(4.6×150μm,5μm)
ガードカラム:ACE5−C18(4.6×12.5μm,5μm)
移動相:メタノール:エタノール=13:7
温度:35℃
注入体積:50μl
流量:1.5ml/分
検出波長:UV 275nm
【0077】
(1)カプセルサンプル0.1gを10mlのメスフラスコに移した後にエタノール10mlを添加する。
【0078】
(2)振とう器を用いて振とうした後に超音波粉砕器を用いて30分間超音波処理して分析を行う。
【0079】
2.分析結果
剤形例3のサンプルを分析したところ、表3によれば、時間による含量の変化がほとんどないことが確認される。
【0080】
このような実験結果から、ユビキノンを三重層カプセルに製造して剤形に適用する場合に高い安定度が保たれることが確認される。
【0081】
<試験例4> 緑茶エキスの含量分析実験
1.分析条件及び方法
前記表1の実施例4のカプセルに対して様々な環境下で時間が経過するにつれて含量の変化が生じるか否かを測定するために、緑茶エキスに含まれている没食子酸エピガロカテキンを指標として剤形例4のサンプルに対して下記のようにHPLC分析条件を設定して実験を行った。
【0082】
HPLCカラム:ACE5−C18(2.1×150μm,5μm)
ガードカラム:ACE5−C8(2.1×12.5μm,5μm)
移動相:アセトニトリル:酢酸:メタノール:精製水=
150:5:20:862
注入体積:1μl
流量:0.2ml/分
検出波長:UV280nm
【0083】
(1)カプセルサンプル0.1gを10mlのメスフラスコに移した後にエタノール10mlを添加する。
【0084】
(2)30秒間振とう器を用いて振とうする。
【0085】
(3)超音波粉砕器を用いて30分間超音波処理した後にサンプル1mlを1.5mlチューブに入れる。
【0086】
(4)遠心分離器を用いて5,000rpmで20分間遠心分離して分析を行う。
【0087】
2.分析結果
剤形例4のサンプルを分析したところ、表3によれば、時間による含量の変化がほとんどないことが確認される。
【0088】
このような実験結果から、緑茶エキスを三重層カプセルに製造して剤形に適用する場合、高い安定度が保たれることが確認される。
【0089】
<試験例5> 赤色223号色差計の分析実験
1.分析条件及び方法
前記表1の実施例5のカプセルに対する時間による日光安定性の変化を測定するために、下記のように色差計を用いて実験を行い、その結果を表4に示す。
【0090】
分析機器名:Spectrophotometer ColorQuest XE
モードの種類:RSIN
Area View:0.780in
UVフィルター:Nominal
【0091】
(1)カプセルサンプル1gを5mlの石英セルに投入してセル固定台に位置させて分析を行う。
【0092】
分析結果値に対するサンプルの固有色相はL
*、a
*、b
*値で表示され、サンプル間の色相差に対する比較は、△Eにより表現される。
【0093】
△Eは、
【0094】
【数1】
により計算される。
【0095】
通常、前記計算された値が1以下である場合、色相の変化がないことを意味する。
【0096】
2.分析結果
剤形例5のサンプルを分析したところ、表4によれば、日光露出条件下で時間による色差の変化量の値が1以下であるため、色差の変化がほとんどないことが確認される。
【0097】
このような実験結果から、赤色223号を三重層カプセルに製造して剤形に適用する場合、高い安定度が保たれることが確認される。
【0098】
【表4】