特許第6205063号(P6205063)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205063
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】部品の接続装置
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/02 20060101AFI20170914BHJP
   F16B 37/12 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   F16B5/02 P
   F16B5/02 U
   F16B37/12 B
   F16B5/02 F
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-539562(P2016-539562)
(86)(22)【出願日】2014年9月5日
(65)【公表番号】特表2016-532839(P2016-532839A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】EP2014069005
(87)【国際公開番号】WO2015039899
(87)【国際公開日】20150326
【審査請求日】2016年3月4日
(31)【優先権主張番号】202013104266.8
(32)【優先日】2013年9月18日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516067391
【氏名又は名称】シュヴァルツビッチ,ヨルグ
【氏名又は名称原語表記】SCHWARZBICH, Jorg
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァルツビッチ,ヨルグ
【審査官】 村上 聡
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102012110352(DE,A1)
【文献】 実開昭58−018107(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/02
F16B 37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネジ孔(18)を有する第1部品(10)と第2部品(12)とをネジ(14)及びこれを取り囲むコイルスプリング(20)により接続し、
前記コイルスプリングは、前記第2部品を挿通して当該第2部品のネジ機構(24)に係合し、前記2つの部品の間に位置する部分が軸方向に調整可能なスペーサを構成する装置において、
前記第2部品は、前記コイルスプリング(20)の一部を受容するポット状の窪み(22)と、前記ネジ機構(24)を構成する底部とを有する接続装置。
【請求項2】
前記ネジ機構(24)は、前記窪み(22)と一つの部材で構成されている請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記ネジ(14)は、前記窪み(22)の内径の最小値より小さい最大外径の頭部を有する請求項1又は2に記載の接続装置。
【請求項4】
前記コイルスプリング(20)は、前記窪み(22)の内面で支持されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項5】
前記ネジ機構(24)は、前記第2部品(12)とは別に構成されたディスク(30,30´)に形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項6】
前記窪み(22´)は、内面断面が非円形であり、前記ディスク(30´)は外形が非円形である請求項5に記載の接続装置。
【請求項7】
前記ディスク(30,30´)は、その外周端部が前記窪み(22,22´)の内側へ突出する端部(32)に支持されている請求項5又は6に記載の接続装置。
【請求項8】
前記ネジ(14)は、当該接続が確立された場合に、その頭部が前記窪み(22)の外側の第2部品の一部に支持される請求項1〜7のいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項9】
前記ネジ機構は、前記第2部品(12)の凹部(38)にスナップ止めされるディスク(30”)に形成されている請求項1の第1段落〜第2段落に記載の又は請求項1〜8のいずれか一項に記載の接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネジ孔を有する第1部品と第2部品とをネジ及びこれを取り囲むコイルスプリングにより接続し、コイルスプリングは、第2部品を挿通して当該第2部品のネジ機構に係合し、2つの部品の間に位置する部分が軸方向に調整可能なスペーサを構成する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような装置によれば、共通の間隔をもって配置された2つの部品を、これらの間に挟まれるスペーサを用いて互いにクランプすることにより、堅固に接続することが可能となる。そして、スペーサにより、2つの部品の間の間隔の許容誤差を補償することができる。
【0003】
ネジとコイルスプリングとの間に好適な摩擦接触が存在する場合、ネジを捩じ込む際にコイルスプリングが連れ廻り、これによりバネの末端が第1部品に係合して自動的に許容誤差を補償するまで、ネジ機構に対する軸方向の相対位置が変化する。ネジを第1部品のネジ孔に更に捩じ込むと、摩擦接触によって、ネジがコイルスプリング内でスリップすることになり、ネジはその位置を維持する。
【0004】
米国特許公報第7441980号には、第2部品のネジ機構が、一箇所が中断され、スクリューターン形状に延在し、コイルスプリングの巻回部の間に係合した環状フランジにより構成されたタイプの装置が開示されている。第2部品が板状金属である場合に、ネジ機構は、ネジが挿入される孔の端部の中に直接押し込まれ得る。
【0005】
このような装置が組み立てられる場合、まずコイルスプリングをネジ機構に係合し、次いでネジを挿入するか、又はコイルスプリングが予めネジに装着され、次いで第1部品のネジ孔にネジを捩じ込む間にコイルスプリングをネジ機構に挿入する。前者の場合、板状金属から突出したコイルスプリングにネジを捩じ込むのが、結果的に困難となる。これは特に狭い組み立て場所の場合、及び/又は、接続点の視認が限定された状況の場合である。後者の場合、バネを捩じ込む場合にコイルスプリングの端部が自動的にネジ機構にキャッチされるように、コイルスプリングとネジ機構を配置することが、結果的に困難となる。公知の装置において、スプリングをネジ機構に結合させる手順は、コイルスプリングの最終ターンを構成するワイヤの端部を、コイルスプリングから遠ざけるように折り曲げる何かによって容易にされ得る。しかしながら、特にコイルスプリングが機械的強度を理由に硬質スプリングスチールからなる場合には、そのようなコイルスプリングの形状は確立するのが困難である。
【0006】
ドイツ特許公開公報第102012110352号には、スペーサが、コイルスプリング及びコイルスプリングにネジ係合されたポット形状部材により形成された接続装置が開示されている。そしてこのスペーサは、接続すべき2つの部品の間にクランプされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、請求の範囲の前段により導かれるタイプの装置であって組立が容易な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記目的を達成するために、第2部品は、コイルスプリングの一部を受容するポット状の窪みと、ネジ機構を構成する底部とを有する。
【0009】
上述した組立工程のいずれにおいても、ポット状の窪みにより、コイルスプリングの端部及びネジをネジ機構と提携させることが容易になる。また、後者のネジがネジ機構に捩じ込まれる場合に、窪みがコイルスプリングを案内する。特に、ネジ機構内に受容された際に摩擦が生じた場合に、スプリングが横に折れ曲がったりコイルスプリングの端部の最終巻回部が半径外側に折れ曲がったりするのを抑制することができる。
【0010】
組立工程において、コイルスプリングが既にネジのシャフト部に装着されている場合に、第2部品(板材)の対応するネジ孔は、ネジの端部を、当該端部がポット状の窪みの中で落ち込むまで当該板材の表面上を動かすことで見つけることができる。ネジが挿入されることなく、コイルスプリングが最初にネジ機構に係合されたときに、コイルスプリングをネジ機構に提携させる。事情次第で、コイルスプリングは次に、後端部が窪みに完全に収容されて板材の表面を超えて突出しないところまで捩じ込まれる。この結果、ネジの正しい位置を見つけることも容易になる。
【0011】
本発明の他の重要な利点は、最終状態において、コイルスプリングの少なくとも一部がポット状の窪みに受容され、これによりコイルスプリングとネジは、板材の表面を超える(又は全く超えない)より小さい範囲に突出する。
【0012】
本発明の有用な詳細は従属項により導かれる。一の実施形態において、ネジ機構は、第2部品と一つの部材で構成されている。他の実施形態において、ネジ機構は、窪みの底部を構成するようにポット状の窪み内に挿入される、別に構成されたディスク状部材で形成されている。任意の方法で、ディスクは、接着又は溶接により第2部品に装着されている。
【0013】
しかしながら、ディスクは、ネジ孔の端部を形成する第2部品の一部分で支持される一方で、ディスクは、コイルスプリングの妨げられた回転において支持できるので、多くの場合、ディスクは、ポット状の窪みにおける回転に対して安全にされることだけで十分である。例えば、これは、窪みに非円形の内面断面を提供し、ディスクに補足的な輪郭を提供することによって達成できる。
【0014】
他の有用な可能性のあるものは、第2部品の対応する凹部にディスクをスナップ止めすることである。一般に、第2部品とは別に構成されるネジ機構を用いることは、ネジ機構の螺旋状フランジの厚さが、第2部品のシートの厚さとは独立して選定され得るという有利さがある。これは、特に比較的厚いシートの場合に、コイルスプリングをネジ機構に捩じ込むことを容易又は可能にする。したがって、別々の、スナップ止めされたネジ機構を採用した装置は、第2部品がポット状窪みを有さない場合であっても有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、第1実施形態の接続装置の分解図である。
図2図2は、異なる位置における図1の接続装置の軸方向の断面図である。
図3図3は、異なる位置における図1の接続装置の軸方向の断面図である。
図4図4は、異なる位置における図1の接続装置の軸方向の断面図である。
図5図5は、他の実施形態の接続装置の軸方向の断面図である。
図6図6は、他の実施形態の接続装置の軸方向の断面図である。
図7図7は、さらに他の実施形態の接続装置の分解図である。
図8図8は、ネジ機構を構成するディスクの平面図である。
図9図9は、図8のIX-IX線に沿う断面図である。
図10図10は、図7の接続装置の軸方向の断面図である。
図11図11は、他の実施形態の接続装置の平面図である。
図12図12は、さらに他の実施形態の接続装置の軸方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
具体化された実施例を図面を参照して説明する。図1は、接続装置であって、第1部品を、例えば金属シートなどの板状の第2部品12と所定間隔を持った状態で接続するための接続装置を示す。その目的のために、第2部品12のネジ孔16に挿通されて、第1部品10のネジ孔18に捩じ込まれるネジ14が、設けられている。ネジ14のネジが切られたシャフトを取り囲むコイルスプリング20は、第1部品10と第2部品12との間のスペーサーとして役立つ。例えば、コイルスプリング20は、矩形断面を有する発条鋼ワイヤから巻かれる。
【0017】
第2部品12のネジ孔16は、第2部品12の金属シートを張り出させたポット状の窪み22の底部に形成される。ネジ孔16の周囲にて、窪み22の底部は、1箇所が中断された一回りのネジ溝を形成する螺旋状フランジとして形づくられたネジ機構24を形成する。窪み22、ネジ孔16およびネジ機構24は、一又は複数の工程により、第2部品の金属シートに孔をあけて張り出させることができる。
【0018】
示された実施形態において、コイルスプリング20は、ネジ機構24に対面する両方又は少なくとも一方の端部に、その端面がネジピッチに従っていないがコイルスプリング20の軸に直角に延在するように、ミーリング加工がされる。この結果、コイルスプリングを構成するワイヤの最後の一回りは、その自由端に向かう楔状にされることになる。
【0019】
第1部品10及び第2部品12の間の接続を確立するために、コイルスプリング20は、僅かな遊びで(または遊びなしで)コイルスプリングを取り囲み、そして何らかの案内を提供する窪み22に挿入される。右回りのコイルスプリング20が、捩じ込み方向に見られるように、時計回りに回された場合に、最後の一回りのテーパーが付けられた、楔状の端部は、中断部分において、ネジ機構24に導入される。これにより、ネジ機構のフランジが螺旋の一回りの間で係合する。このプロセスは、コイルスプリングが窪み22において安定して案内されて、さらに、最後の一回りの端部(及び場合によってはネジ機構のフランジの端部)がテーパーとされるという事実があるため容易になる。
【0020】
コイルスプリング20がネジ機構24と係合される場合に、ネジ14は、そのネジが切られたシャフトがコイルスプリング20の内部を通って挿入される。一定の摩擦接触が、ネジ14のネジが切られたシャフトとコイルスプリング20の内表面との間に存在することが好ましい。そして、当然、ネジ14がネジ孔18に捩じ込まれる場合に、コイルスプリング20は、回転方向に連れ廻り、これによりさらにネジ機構24に捩じ込まれる。このように、コイルスプリング20の、窪み22と第1部品10との間の断面の長さは、窪み22に受容され、少なくとも最初にこの窪みから突き出ている断面のコストにおいて、増加する。
【0021】
最終的に、コイルスプリング20の端部が第1部品10に隣接している場合に、それらの回転が互いに妨げられるように、第1部品10とネジ機構24との間のコイルスプリングの断面が軸方向に圧縮される。そして、第2部品12が静止されている限り、コイルスプリングは、それ以上にネジ機構24を通して捩じ込まれず、したがって何ら回転することができず、これによりネジ14だけが回転し続ける。ネジ14の頭部が、コイルスプリング20の他端を最終的に係合する場合に、この頭部とネジ機構24の間のコイルスプリング20の断面は、またブロックされた状態に圧縮される。これにより、それがネジ機構24を押すことになる。このように、スペーサーとして役立つ2つの部品10,12とコイルスプリング20は、互いに堅くしっかり締結される。
【0022】
2つの部品10,12が別の位置で既に互いに接続されていて、それらがすでに最初から一定の相互の間隔を持っている場合に、コイルスプリング20は、自動的にこの間隔に順応する。一方、第2部品12が、第1部品10に対して相対的に移動可能であるが回転はしない場合に、コイルスプリング20とネジ機構との間のネジ係合は、コイルスプリング20が回る限り、第1部品10と第2部品12との間の距離がより大きくなり、板状の部品12がネジ14の頭部に接近するという効果を有する。第1部品10と第2部品12との間のこの相対的な移動量は、準備段階中に、より大きな深さにまでコイルスプリング20をネジ機構24に捩じ込むことによって制御されてもよい。
【0023】
一方、初期状態において、コイルスプリング20が第1部品12から隔てられ、ネジ14(このネジの頭部に係合されている)のネジが切られたシャフトに摩擦で保持されることも可能である。そして、ネジ14とコイルスプリング20は一緒に窪み22に挿入され、その回転によって、一方ではネジ機構24とコイルスプリング20との間のネジ係合が確立され、他方ではネジ14とネジ孔10との間のネジ係合が確立される。この状態において、螺旋状で中断されたフランジを有するネジ機構24により、窪み22の底部は、初期状態において直接第1部品10を係合し、次いでコイルスプリング20が回転しているうちに第1部品10から離れることができる。
【0024】
ネジ14とコイルスプリング20の間の摩擦接触は、違う方法、例えば、ネジ14のネジが切られたシャフトが挿入される時に、伸縮自在又は弾性的に拡大するように、コイルスプリングの内部断面を多少小さい寸法にすることによって確立されてもよい。コイルスプリングと摩擦接触するプラスチックのスリーブを、ネジ14のネジが切られたシャフトに設けることも考えられる。ドイツ特許公開公報第102012110352A1号において同様に示されるように、任意の方法で、周囲の一箇所で中断され、コイルスプリングの内面を係合し、内側に曲がったスプリング部分を持つネジが切られたシャフトの外周面上で伸縮自在に支持された、環状スプリングを設けてもよい。
【0025】
図2は、コイルスプリング20の1巻目または2巻目だけが、第1部品10と窪み22の底部のネジ機構24との間に存在するように、第1部品10と第2部品12が比較的小さな間隔を有する状態の接続装置を示す。
【0026】
この例において、ネジ14は、その直径が、コイルスプリング20の外径及び同様に円筒形の窪み22の内径と一致する円筒形の頭部を有する。図3及び図4に示されるように、より大きな間隔が第1部品10と第2部品12の間に確立されるべき場合には、したがってネジ14の頭部もまた、窪み22に沈み込む。図4は、ネジの頭部が窪み22にほとんど完全に収容された状態を示す。内部の六角形28がネジ14の頭部の中にグリップとして設けられているので、その頭部が窪み22に完全に受容された場合でも、ネジは締まることができ、したがってネジは、第2部品12の表面を越えて突出することはない。
【0027】
図2から図4に示された異なる形状は、例えばそれまでは第1部品10のネジ孔をまだ係合していないコイルスプリング20の中に、最初にネジ14を挿入することによって確立されてもよい。そして、第2部品12が共回転されることなく、ネジがコイルスプリング20と連れ廻る場合に、ネジ機構24は、コイルスプリングを通じて捩じ込まれ、第1部品10と第2部品12との間の距離が増加する。その後、ネジ14が第1部品10のネジ孔に差し込まれるまで、ネジ14はより深く押し込まれる。さらに捩じ込み動作の中において、ネジ14が堅く締まるまで、ネジの頭部がブロック状態に圧縮されたコイルスプリングに支持されるまでネジは一定数だけ回転する。コイルスプリング20が同じ数の回転をするので、第1部品10と第2部品12との間の軸方向の間隔は、既知の量だけこの操作において変更される。
【0028】
コイルスプリングが引っ張られない場合、その回転が既にブロック状態にあるように、コイルスプリング20は巻かれてもよい。任意の方法により、その回転が、引張られない条件で一定の相互間隔を有するように、コイルスプリングはまた巻かれてもよく、さらにネジ機構24へのコイルスプリングの挿入を容易にする。そしてコイルスプリングの回転は、回転が第1部品10とネジ機構24の間の一方の部分に圧縮され、ネジ機構24とネジ14の頭部との間の他の部分に圧縮される場合に、捩じ込み動作中においてだけのブロック状態に到達する。
【0029】
別の実施形態において、ネジ14の頭部が、窪み22より大きな直径を有するように構成することもできる。図5及び図6にその例を示す。この場合に、ネジの頭部を窪みに突入させることはできないが、ネジが締まる時に、第2部品12の上面で支持される。第1部品10と第2部品12との間の間隔に依存するが、コイルスプリング20の上端は、最終状態におけるネジの頭部からのより少ないか、またはより大きな距離を有する。スペーサーとして役立つコイルスプリングの下部は、ともかくネジ機構24と第1部品10との間の圧縮力に左右される。コイルスプリングは、上端にミーリング加工されたレベルを必要としないのはこの解決手段の利点である。
【0030】
最後に説明する実施形態は、部品間の距離とは独立して、第1部品10の表面を超えるネジ14の頭部の突出量がいつも同じであるという利点を有する。
【0031】
納品状態において、コイルスプリング10が既にネジ14のネジが切られたシャフトに押し込まれているかもしれない。また任意の方法により、コイルスプリングが既にこの状態においてネジ機構24と係合され、それが、接続が確立された時に最終的に達するであろう部品間の間隔を決定する一定の軸方向の位置であると想定されるかもしれない。結局、納品状態において、コイルスプリングが既にネジ機構24と係合され、ネジが既に挿入されて、摩擦接触によって支持されることも可能であり、これにより、接続を確立するために、ネジ14を第1部品10中のネジ孔18と位置合わせすることと、ネジを締めることのみが必要とされる。
【0032】
図7は、上述した実施形態とは異なる変形された実施形態に係る接続装置を示す。本例のネジ機構24は、第2部品12の窪み22の底部の1つの断片により形成されていないが、窪み22に置かれるよりむしろ、例えば穴あけ加工及びエンボス(張り出し)加工によって形成される別個のディスク30によって形成されるという点で上述した実施形態と異なる。この場合に、窪み22は、その底部に、ディスク30が支持される内側にかしめられた端部32を有する。
【0033】
ディスク30は、図8の平面図及び図9の断面図に示されている。ディスクは、その外周に一定の厚さとされた平らなリング34を有し、このリングはネジ機構24を形成する螺旋状フランジと内側で隣接する。ネジ機構24の高さは、円周方向(図8において反時計回り)で連続的に減少し、それから、中断部36の位置において元の値に突然増加する。
【0034】
図10は、ディスク30のリング34がどのように窪み22の底部において端部32に置かれているかを示す。この例において、窪み22の外周壁は多少大きな半径方向の余裕代をもってコイルスプリング20を取り囲んでいる。ディスク30は、窪み22に、例えば、溶接または接着することによって堅く接続されてもよい。しかし、第1部品10は、窪みの端部32とディスク30の下に延在し、コイルスプリング20の上端が図10に例示するようにネジ14の頭部に係合している間にディスクはコイルスプリング20の下端部で支持されているので、第1部品10と第2部品12は、ディスク30が窪みに単に緩やかに置かれるだけであっても、しっかりと締結する。しかし、ディスク30は、窪み22との相対的な回転に対しては守られる。これは、例えば、いくらかの緊張を有するディスクを窪み22に押し込むことによって達成することがでる。
【0035】
図11は、代替の実施形態を示すものであり、第2部品12が、非円形で例えば多角形の内部断面の窪み22´を有し、ネジ機構は、窪みにゆるやかに置かれたディスク30´に形成され、窪み22´のそれに補足的な外輪郭を有する。図11において、コイルスプリングはネジ14の円筒形の頭部の後ろに隠れていて、ネジの頭部と同じ直径を有する。この例において、ディスク30´の外輪郭は、彼らがスプリングを誘導するように、側部がコイルスプリングの外周に相対して接するように延在する六角形であり、これによりコイルスプリングをガイドする。ディスクは、六角形のコーナーだけ窪み22の底部で支持されている。
【0036】
任意の方法で、最終組立中においてコストが低減できるように、ネジ14、コイルスプリング20およびディスク30,30´は、それぞれ予め設置されたユニットとして納品されてもよい。
【0037】
図12は、この場合は窪みを有さない板状の部品12´の凹部38にスナップ止めされるディスク”に、ネジ機構24が形成されている例を示す。ディスク30´は、例えばプラスチックから形成されてもよく、凹部38の端部に跨るスナップ鈎爪40を有してもよい。
【0038】
より大きい力が必要とされている場合に、ディスク30´はまた金属から形成してもよく、任意の方法で、それが凹部38にスナップ止めされるプラスチック製のソケットを有してもよい。
【0039】
図12に示された例において、第2部品12´は比較的大きな厚さを有する。
第2部品12´とディスク30”とを別個に構築するため、ネジ機構24を構成するフランジは、コイルスプリングを捩じ込む工程が妥協しないように、実質的に小さい厚さを有してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12