特許第6205172号(P6205172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205172
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】近視野のカメラの障害物の検出
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/04 20060101AFI20170914BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20170914BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20170914BHJP
   G06T 7/10 20170101ALI20170914BHJP
【FI】
   G08G1/04 C
   H04N5/225
   G06T7/00 650B
   G06T7/10
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-96134(P2013-96134)
(22)【出願日】2013年5月1日
(65)【公開番号】特開2013-239165(P2013-239165A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2016年4月27日
(31)【優先権主張番号】13/472,126
(32)【優先日】2012年5月15日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502096543
【氏名又は名称】パロ・アルト・リサーチ・センター・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Palo Alto Research Center Incorporated
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ジュアン・リュー
(72)【発明者】
【氏名】アジャイ・ラガバン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・アール・プライス
【審査官】 田中 純一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−177964(JP,A)
【文献】 特開平05−282593(JP,A)
【文献】 特開2004−310282(JP,A)
【文献】 特開平11−261993(JP,A)
【文献】 特開平11−110564(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/138898(WO,A1)
【文献】 特表平10−513288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 − 99/00
H04N 5/222 − 5/257
G06T 7/00 − 7/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラにより捕捉された画像から、カメラの視野内の障害物を検出する方法であって、
画像を分析するステップを含み、前記画像を分析するステップは、
エッジ検出を前記画像に適用することにより、各々隣接する画素の画素値との差がより大きい画素値の画素であるエッジ画素及び隣接する画素の画素値との差がより小さい画素値の画素である非エッジ画素である複数の画素を含むエッジマップを生成することと、
前記エッジマップの中から、非エッジ画素の領域の大きさを識別することと、
前記識別された領域の大きさを閾値と比較することと、
前記比較の結果に基づいて、前記カメラにより捕捉された画像の中に障害物の画像が存在するかどうかを判定することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記分析するステップには、
前記エッジマップの局所を平滑化することがさらに含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記局所を平滑化することには、
前記エッジマップの所与の画素の周りにウィンドウを配置することと、
前記ウィンドウに前記エッジ画素が存在するかどうかに基づいて、前記所与の画素に関連する値を割り当てることと、
前記エッジマップ内の連続する画素に対して、前記配置すること、及び前記割り当てることを繰り返すことと、
が含まれる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記識別することには、前記局所が平滑化されたエッジマップ上で接続要素分析を行うことが含まれる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記分析するステップには、前記識別された領域の大きさを表すスカラー値を生成することがさらに含まれる、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、一般に自動カメラの技術に関する。具体的には、赤信号カメラ、及び/又はその他の交通カメラに関連する自動カメラの技術に関するがこれらに限定しない。したがって、本明細書では、これらの技術を具体的に言及するが、本発明の主題の様態は、その他の同様の用途にも同じく適用可能であることを理解されたい。
【背景技術】
【0002】
赤信号カメラ、交通カメラ、及び/又はその他の同様の自動カメラ、及び/又は無人カメラで高品質の画像を捕捉するためには、目標物体が存在し得る視野(FoV)の中に通常遮るものがないことが望ましい。万が一、FoVが遮られた場合、例えば、車両、運転手、及び/又はナンバープレート等の目標物体を、カメラにより捕捉された画像内で正確に視覚化することができず、且つ/又は識別することができない。例えば、捕捉された画像内のそのような物体を正確に視覚化し、且つ/又は識別することは、大抵の場合、法執行のため、及び/又は交通違反通知の発行のために重要である。
【0003】
カメラのFoVは、時間の経過とともに、FoV内のカメラ近くの物体により遮られることになる場合もある。例えば、最初は存在しなくても、観葉植物の成長、カメラのレンズ又は丸窓上でできる氷、カメラのレンズ又は丸窓上の落書き、又はゴミ等による障害物がカメラの近辺に現れ得る。このような障害物により、カメラにより撮られた画像内で捕捉しようとする様々な領域が相当遮断される可能性がある、つまり見えにくくなる可能性がある。同様に、普通ならそのような画像内で捕捉しようとする1つ以上の目標物体は、その画像内で十分に視覚化することができない、且つ/又は簡単に識別することができない。その結果、捕捉された画像内での、1つ以上の目標物体の正確な視覚化、及び/又は識別に依存する法の執行、又はその他の活動が邪魔される可能性がある。さらに、より最新のカメラシステムの中には、例えば、場面内の車両又は車両の動きの検出等のカメラが監視する場面内で発生する事象に応じて、画像の捕捉を開始することができるものもある。そのような事象が、障害物により視野から隠されると、事象が検出されなかったため、カメラは普通なら所望される画像を捕捉することができない。
【0004】
従来、上記に記載したような自動カメラ/無人カメラの操作者は、かなりの人手を要する手法に依存して、障害物のない動作を監視し、確認し、且つ/又は検証している。例えば、操作者は、障害物に関して、定期的に、又は断続的にカメラにより撮られた画像を手作業で見直し、それらの画像を視覚的に検査する可能性がある。このような操作者は通常、かなりの数のカメラを割り当てられて、かなり頻繁に確認する可能性がある。結果として、このようなプロセスは、反復的で、人による見落とし、及び/又は間違いが発生しやすい可能性がある。さらに、保守技術者を割り当てて、現地のカメラの設置状態を、定期的、又は断続的な間隔で、手作業で検査することができる。繰り返すが、これの方法かなりの人手の要するプロセスであり、人による見落とし、及び/又は間違いが発生し易い。
【0005】
代替として、テスト画像を取得して、カメラの障害物を検出する自動の方法が開発されてきた。例えば、そのような方法の1つでは、遮てられていないカメラから取得した基準画像を用いる。このケースでは、基準画像とテスト画像を互いに減算して、それらの間の変化を検出し、その検出された変化が、テスト画像内の障害物の兆候とみなされる。しかし、このような減算による方法には、いくらかの制限、及び/又は、欠点が存在し得る。例えば、交差点等の場面を動的に切り替える場合、場面の中の物体、及び/又は物体の位置は、画像と画像の間で変わる可能性がある。例えば、異なる車両どうし、又は異なる歩行者どうしが、異なる画像間で、又は異なる画像内の異なる位置に現れる可能性がある。したがって、動的に変化した同一の要素を含んでいない可能性のある基準画像から、減算することで、得られる変化により、誤って障害物が示される可能性がある。さらに、カメラ位置合わせ、及び/又は撮像条件(例えば、照明レベル等の)の変化により、減算された画像に変化が発生する可能性があり、これによっても障害物が誤って示される可能性がある。したがって、障害物を正確に検出するために、このような減算による方法では通常、動的に変化する場面を説明できなければならない。画像の減算、及び/又は上述の動的に変化する場面の説明は時間集約的であり、その処理を実行するプロセッサに対する要望、及び/又複雑度をさらに必要とする。したがって、このような方法で基準画像に依存しないですむ障害物の検出方法が依然として望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、上記の問題及び/又はその他の問題に対処するための、カメラのFoV内の障害物を監視、検出、及び/又は報告する、新しい、及び/又は改善された方法、システム、及び/又は装置を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によって、カメラにより捕捉された画像から、カメラの視野内の障害物を検出する方法を提案する。この方法は、画像にエッジ検出を適用することにより、画像を分析するステップと、エッジコンテンツが欠けている画像の領域を識別し、その識別された領域の大きさを閾値と比較するステップと、前記比較に基づいて、障害物が存在するかどうかを判定するステップと、を含む。
【0008】
別の実施形態によって、カメラにより捕捉された画像から、カメラの視野内の障害物を検出する方法を再度提案する。この方法は、コンピュータのプロセッサを用いて、画像を分析して、焦点が合っていない画像領域を識別するステップと、その識別された領域の大きさを、閾値と比較するステップと、その比較に基づいて、障害物が存在するかどうかを判定するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の主題の様態を実施するために好適な例示的なカメラシステムを示す概略図である。
図2図2は、本発明の主題の様態による、画像を分析する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図3図3は、本発明の主題の様態による、分析のために好適な例示的な画像を示す説明図である。
図4図4は、本発明の主題の様態による、作成された図3に示す画像から生成された結果のエッジ及び/又は勾配マップを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一般に、本明細書では、カメラのFoV内の近視野の障害物を検出する方法、プロセス、装置、及び/又はシステムを説明する。これらの方法、プロセス、装置、及び/又はシステムでは、基準画像に依存しない、即ち、そのような検出の目的に対して基準画像を用いない。実際には、説明される方法、プロセス、装置、及び/又はシステムでは、カメラにより捕捉された画像に対してエッジ検出を行い、適切な大きさのウィンドウを用いて、画像の局所エッジ密度を計算する、或いは判定する、又は測定する。公称(即ち、遮られていない)条件のもとでは、画像の場面の目標領域は好適に、概ね焦点が合う。したがって、外観ははっきりと捕捉され、エッジ密度は明白な均一性を示す、又はより一般的には、高い局所勾配を有する領域である。これとは反対に、焦点の合う範囲に比べて十分に近視野の障害物は、一般に焦点が合わない。したがって、障害物の外観はぼやけ、エッジ密度は著しく低下している。したがって、例えば、監視画像のエッジ密度を反映する画質計量を用いて、例えば、計量の結果を閾値と比較することにより近視野の障害物を検出する。近視野の障害物を有する画像、及び近視野の障害物を有さない画像訓練セットから、閾値を好適に学習することができる。
【0011】
一般に、本明細書で使用されるエッジという用語は、焦点の合った物体のエッジで見られるような、比較的高い局所勾配、又は隣接する位置、画素又は複数の画素に対して値の違いを示す位置、又は画素のことを指す。本明細書で使用される用語エッジには、より一般的に、例えば、角等の上述の特性を示す、全てのそのような外観が含まれる。さらに、本明細書で使用されるエッジ検出という用語には、より一般的に、エッジの検出だけでなく角及び/又は同様のその他の上述の特性を示す外観の検出、及び/又は上述の特性自体の検出が含まれる。
【0012】
図1を参照すると、自動及び/又は無人カメラシステム10は、カメラのFoV内の場面の画像を選択的に捕捉、且つ/又は撮影する、カメラ12を含む。実際には、カメラ12はデジタルカメラでよく、静止画像カメラ、又はビデオカメラのどちらかでよい。本明細書で、カメラ12から捕捉された画像、或いは撮られた画像を指すとき、写真カメラからの画像、又はビデオカメラからの静止画像を意味することを意図する。
【0013】
図1に示す通り、カメラ12は、そのカメラ12からある程度の距離Dから始まる有効集束範囲FRを有する。一般にFR内の物体は焦点が合い、一般にFRの外側の物体は焦点が合わない。一般にカメラ12により捕捉された画像内の焦点が合った物体、又は領域は、はっきりと、及び/又はくっきりと(例えば、明確に画定されたエッジを持つ、及び/又は高い局所勾配で)写り、一般にカメラ12により捕捉された画像内の焦点が合わない物体、又は領域は、ぼやけて、及び/又は曖昧に(例えば、明確に画定されたエッジを持たない、及び/又は低い局所勾配で)写る。例えば、カメラのFoV内のFRからかなり外側、及び、例えば、カメラのFoVの近視野20内のカメラ12に近い物体、及び/又は領域は、一般に焦点が合わない。カメラのFoVの近視野20内の物体を、名義上本明細書では、近視野障害物と呼ぶ。一般的な近視野障害物には、成長した植物及び/又は木の葉、カメラのレンズ又は丸窓上にできた氷、カメラのレンズ、又は丸窓上の落書き、又はゴミ等が含まれるが、これらには限定されない。
【0014】
図示した実施形態では、システム10は、遠隔的に或いは別の方法で、カメラ12と通信するコンピュータ30等をさらに含む。近視野障害物を監視、検出、及び/又は報告するためにコンピュータ30は、カメラ12により捕捉された画像を好適に取得する、或いは受信する。実際には、コンピュータ30により取得又は受信され、分析される画像は、例えば、デジタルカメラにより捕捉されたデジタル画像である。随意的には、コンピュータ30はアナログ画像を受信することができ、次にこのアナログ画像をデジタルデジタル化して、分析のためのデジタル画像を生成する。ある好適な実施形態では、コンピュータ30は、カメラ12により捕捉された画像を基本的に全て取得又は受信し、分析する。或いは、コンピュータ30は、代表サンプル、又はその他のカメラ12により捕捉された画像のサブセットを、定期的に、又は断続的な間隔で、或いは決められた時間で、取得又は受信し、分析することができる。画像をリアルタイムで、或いは数回に分けてカメラ12から、コンピュータ30に好適に送信し、且つ/又は分析することができる。
【0015】
次に図2を参照すると、例示的なプロセス100を示すフローチャートが示され、このフローチャートで、例えば、コンピュータ30により、撮られた又は捕捉された画像が分析される。この例の説明のため図3を参照する。この図3では、カメラ12により捕捉され、したがって、分析され得る例示的な画像200が示される。具体的には、画像200の中には近視野障害物202が含まれ、この近視野障害物202は、このケースでは、観葉植物である。特に、近視野障害物202は、例えば、画像200内のそれ以外の残りの部分と比較すると、焦点が合っていない状態で写っている。
【0016】
ステップ102に示す通り、画像が取得される。例えば、画像200はカメラ12により捕捉され、分析のためコンピュータ30に送信されてよい。
【0017】
ステップ104で、エッジ即ち勾配検出を、取得した画像に適用して、例えば、図4に示すようなエッジ即ち勾配マップ300を生成する。図示する通り、明るい画素又は白い画素は、エッジ画素、つまり隣接する画素に対して高い勾配又は異なる値を有する画素を表す。また、暗い画素又は黒の画素は、非エッジ画素、つまり隣接する画素に対して低い勾配、又は異なる値を有する画素を表す。勾配ベースのエッジ検出器、例えば、Sobelエッジ検出器等が好適に用いられる。代替として、ソフトエッジ検出器、例えば、Cannyエッジ検出器等も用いることができる。しかし、後者では勾配画像の強度に対する履歴現象を用いた閾値化を行うが、エッジを追跡するにはエッジが連続していなければならない。したがって、局所勾配の強度が比較的低い画素が、エッジ画素として含まれる可能性がある。それにもかかわらず、(例えば、勾配マップ300のその他の残りの部分と比較して)連続する比較的暗い領域302が、画像200内の近視野障害物202と基本的に同じ領域に対応することが勾配マップ300内で重要である。
【0018】
ステップ106で、局所の平均化処置又は同様の処理を、例えば、エッジ即ち勾配マップに適用して、エッジ画素の擬似性質を平滑化する。これは、例えば、エッジマップの画素(i,j)を中心とした好適な大きさのローカルウィンドウを画定することにより好適に実現される。次いで、実際には、このウィンドウは、エッジマップ内の連続する画素の上を移動する、又は前進することができる。その周りにウィンドウが配置される所与の画素(i,j)に対して、ウィンドウ内にエッジ画素が駐在するかどうかにより、2進値が好適に割り当てられる。例えば、ウィンドウ内のどこかにエッジ画素が駐在する場合、そのウィンドウの中心の画素(i,j)に1の値が割り当てられ得、或いは、ウィンドウ内のどこにもエッジ画素が駐在しない場合、そのウィンドウの中心の画素(i,j)に0の値が割り当てられ得る。次いで、このウィンドウは移動、又は前進して、エッジマップ内の次の画素をその中心に据える、或いは、その画素の周りに配置され、次いで、同様にこの画素に2進値が割り当てられる。このように、2値画像(即ち、局所エッジ又は勾配密度マップ)が生成され得、その画素値が局所エッジのコンテンツを表す、即ち示す。
【0019】
ステップ108で、この2値画像に接続要素分析を適用して、エッジのない領域に対応する、画素を含んだクラスター或いは接続又は隣接するグループを識別する。言い換えれば、接続要素分析により、エッジのないコンテンツを示す(例えば、この例では、0の2進値を有する)類似の2進値を有する画素クラスターが識別される。このように、高周波成分、即ち大きな勾配変化が欠けた画像内の著しい大きさの領域を見つける。
【0020】
ステップ110で、エッジコンテンツを好適に集計し、全体のエッジ即ち勾配の密度計量が生成される。実際には、例えば、全画像領域のパーセンテージとして、接続要素分析により識別される、エッジのない領域の量を計測する、或いは表すスカラー値を計算、或いは算出することにより、エッジコンテンツを集計することができる。
【0021】
判定ステップ112で、計量結果(例えば、生成されたスカラー値)が、設定された、或いは、決められた閾値又は閾値条件と比較される。前者が閾値条件を満たさない場合(例えば、計量結果又はスカラー値が閾値より低い場合)、近視野障害物が検出されたとみなすことができ、プロセス100はステップ114に続くことができ、或いは、前者が閾値条件を満たす場合(例えば、計量結果又はスカラー値が閾値と一致する、又は閾値を超える場合)、近視野障害物が検出されていないとみなすことができ、プロセス100は終了することができる。
【0022】
好適な一実施形態では、近視野障害物を含んで撮られた訓練画像、及び近視野障害物を含まないで撮られた訓練画像の組み合わせの統計的分析に基づいて、適切な閾値を学習する、及び/又は設定、又は決定することができる。例えば、各訓練画像の全体エッジ即ち勾配の密度計量(上述したスカラー値等の)を行うために、各訓練画像をプロセス100、又は類似のプロセスにかけることができる。その結果、訓練画像から得られる公称の計量分布を作成することができ、この分布に基づいて、好適な閾値を決定、又は選択することができる。
【0023】
ステップ114で、検出された近視野障害物の好適な通知が送信される。例えば、コンピュータ30は、視覚表示、音響信号、好適なメッセージの表示又は送信、人間が知覚可能な警告又は警報の起動等を手段として、そのような通知を送信することができる。
【0024】
ある条件のもとでは、画像の場面内の目標領域内で、エッジ密度がいつでも好適な均一性を示すことができない。例えば、太陽の眩しさ、及び/又は日中の露光過多により、全体的な、又は局所的なエッジ密度が低減されてしまう。したがって、プロセス100を画像に適用する前に、いくらかの条件を随意的に検出することができる。例えば、画像を好適なアルゴリズム、プロセス、及び/又は分析にかけて、(例えば、場合によっては、結果を無効にする、及び/或いは、プロセス100を妨げる)太陽の眩しさ、及び/又は露光過多、及び/又はその他の間違いを検出し、そのような条件が検出されない場合、プロセス100に従った分析を実行することができる、或いは、そのような条件の1つ以上が検出された場合、プロセス100の実行は差し控えることができる。
【0025】
上記の要素、構成部品、プロセス、方法、装置、及び/又はシステムを具体的な実施形態に関して説明してきたが、いくらかの修正、及び/又は変更も予期されることを理解されたい。
【0026】
本明細書で提示された特定な例示的実施形態に関連して、いくらかの構造的、及び/又は機能的特徴が、規定された要素及び/又は構成要素内に組み込まれて説明されていることも理解されよう。しかし、同一の又は同様の恩恵のために、これらの特徴を、その他の適切な要素、及び/又は構成要素にも同様に組み込むことができることは予期される。例示的な実施形態の異なる様態を、選択的に、且つ適切に用いて、所望の用途に適する、その他の代替的な実施形態は実現可能であり、それにより、それらの実施形態に組み込まれた様態のそれぞれの長所も実現可能であることを理解されたい。
【0027】
本明細書に記載した全ての特定なタスク、ステップ、プロセス、分析、方法、機能、要素、及び/又は構成要素のうちの1つ以上が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの組み合わせを介して、好適に実行可能であることも理解されたい。例えば、コンピュータ30は、コンピュータ装置、又はその他の電子データ処理装置等により具体化されるプロセッサを含むことができ、このプロセッサが、本明細書に記載したタスク、ステップ、プロセス、分析、方法、及び/又は機能のうちの1つ以上を実行するよう構成される、及び/或いは設定される。例えば、コンピュータ、又はその他の電子データ処理装置により処理される、及び/又は実行されると、本明細書に記載したタスク、ステップ、プロセス、分析、方法及び/又は機能のうちの1つ以上を完了する、或いは実行するように、システム10内で用いるコンピュータ30、又はその他の電子データ処理装置を、(例えば、ソースコード、解釈コード、オブジェクトコード、直接実行可能コード等の)好適なコードのリスト、又はその他の同様な命令、又は(例えば、本明細書に記載した処理、及び/又は画像分析を実行する、且つ/又は管理するためのアプリケーション等の)ソフトウェア、又はファームウェアを用いて、提供、供給、及び/又はプログラムすることができる。好都合にも、コードのリストなどの命令、又はソフトウェア、又はファームウェアは、コンピュータ装置又はその他の電子データ処理装置に供給可能となるように、及び/又はコンピュータ装置又はその他の電子データ処理装置により実行可能となるように、持続性コンピュータ可読及び/又はマシン可読記憶媒体(複数可)として実装され、及び/又は持続性コンピュータ可読及び/又はマシン可読記憶媒体(複数可)内に、及び/又は同媒体上に記録され、格納され、包含され、又は含まれる。例えば、好適な記憶媒体、及び/又は複数の同記憶媒体には、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、又は全てのその他の磁気記憶媒体(複数可)、CD−ROM、DVD、光ディスク、又は全てのその他の光媒体(複数可)、RAM、ROM、PROM、EPROM、FLASH−EPROM、又はその他のメモリ、又はチップ、又はカートリッジ、又はコンピュータ、又は装置、又は電子データ処理装置が、それらから読み出し、且つ使用することができる全てのその他の有形媒体(複数可)が含まれ得るがこれらに限定はしない。基本的には、本明細書で使用される、持続性コンピュータ可読及び/又はマシン可読媒体及び/又は複数の同媒体には、非持続性の伝播信号を除く全てのコンピュータ可読媒体及び/又はマシン可読媒体、及び/又は複数の同媒体が含まれる。
【0028】
随意的には、本明細書に記載する全ての特定なタスク、ステップ、プロセス、分析、方法、機能、要素、及び/又は構成要素のうちの1つ以上は、1つ以上の汎用コンピュータ、専用コンピュータ(複数可)、プログラム済みマイクロプロセッサ、又はマイクロコントローラ及び周辺集積回路素子、ASIC又はその他の集積回路、デジタルシグナルプロセッサ、個別素子回路)等の配線電子回路又は配線論理回路、PLD、PLA、FPGA等のプログラマブルロジックディバイス、グラフィカルカードのCPU(GPU)、又はPAL等の上で、及び/又はこれらの中の実施形態で実行可能である。一般に、本明細書に記載するそれぞれのタスク、ステップ、プロセス、分析、方法及び/又は機能を実行可能な有限状態機械を実装可能な全ての装置を使用することができる。
図1
図2
図3
図4