特許第6205210号(P6205210)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205210
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】魚釣り用撒き餌杓の保持具
(51)【国際特許分類】
   A01K 97/02 20060101AFI20170914BHJP
   A01K 97/00 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   A01K97/02 Z
   A01K97/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-176932(P2013-176932)
(22)【出願日】2013年8月28日
(65)【公開番号】特開2015-43719(P2015-43719A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2016年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】591105605
【氏名又は名称】株式会社釣研
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100127155
【弁理士】
【氏名又は名称】来田 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100159581
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 勝誠
(72)【発明者】
【氏名】松枝 大介
(72)【発明者】
【氏名】楠根 丈司
【審査官】 門 良成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−290004(JP,A)
【文献】 特開2003−219776(JP,A)
【文献】 特開2002−058410(JP,A)
【文献】 特開2008−022747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 97/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部及び下部が第1、第2の芯材によって形状補強され、使用する釣り用バケツ内に収納可能な筒状の防水容器と、該防水容器の上側外部に固定され、前記釣り用バケツの上端に掛止するフック部材と、前記防水容器の内側上部に配置され、一端が前記防水容器の内側に回動可能に配置された内蓋材とを有し、該内蓋材には、収納する撒き餌杓の柄が嵌入する掛止部と該掛止部に連続する切欠きが設けられていることを特徴とする魚釣り用撒き餌杓の保持具。
【請求項2】
請求項1記載の魚釣り用撒き餌杓の保持具において、前記切欠きは平面視して内側に縮幅する「ハ」字状となっていることを特徴とする魚釣り用撒き餌杓の保持具。
【請求項3】
請求項1又は2記載の魚釣り用撒き餌杓の保持具において、前記防水容器は、平断面の輪郭が角部の丸い四角形となって、下方に向けて徐々に縮幅していることを特徴とする魚釣り用撒き餌杓の保持具。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1記載の魚釣り用撒き餌杓の保持具において、前記内蓋材と前記防水容器との連結部には、該内蓋材を、自然な状態では該防水容器の上部開口を閉塞するように、水平に保つ支持部材が設けられていることを特徴とする魚釣り用撒き餌杓の保持具。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1記載の魚釣り用撒き餌杓の保持具において、前記釣り用バケツの上端は角部が丸い四角形の第3の芯材によって補強され、該釣り用バケツの上部外側で前記第3の芯材より低い位置に、該釣り用バケツの蓋の周囲に配置されたジッパーAと対となるジッパーBが設けられ、しかも、前記フック部材の外側掛止片は、該釣り用バケツの上端と前記ジッパーBの間に配置されていることを特徴とする魚釣り用撒き餌杓の保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は魚釣り時に撒き餌を撒く場合に使用する撒き餌杓の保持具に係り、特に、釣用バケツ等に取り付けて使用する魚釣り用撒き餌杓の保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
浮き釣りにおいては、撒き餌は欠かせないものであり、釣り人は釣り用バケツに撒き餌を入れて、釣り場に持って行き、釣中に撒き餌を撒き餌杓で掬って所定場所に投入していた。この場合、釣り用バケツに多量の撒き餌が入っていれば、撒き餌杓は安定するが、少量の場合は、撒き餌杓を十分に保持できなくて、長尺の撒き餌杓が使用中又は搬送中に釣り用バケツから飛び出る場合もある。
【0003】
そこで、図5に示すように、釣り用バケツ70(通称、「バッカン」)の一部に、掛け具71、72を介して小型容器、即ち、杓ホルダー(保持具)73を取り付け、撒き餌杓74をその中に入れることが行われている(特許文献1、特許文献2参照)。そして、杓ホルダー73内に水を入れて撒き餌杓74を洗うことも行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−22747号公報
【特許文献2】意匠登録第1326005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2記載の技術においては、以下のような問題があった。
(1)既存の杓ホルダー73は、その構造上、撒き餌杓74を転倒しないように保持することは可能であるが、杓ホルダー73内で前後左右に撒き餌杓74の柄の部分が移動して位置が決まらず、釣り人が撒き餌杓74を使用する場合、目視で撒き餌杓74の柄の位置を確認する必要があり、素早い撒き餌操作ができない。
【0006】
(2)以上の問題を解決するには、杓ホルダー73の開口部をできるだけ小さくすれば撒き餌杓74と杓ホルダー73との遊び空間を小さくできるが、撒き餌杓74を洗浄する場合、開口部にある程度の大きさを必要とする。
【0007】
(3)杓ホルダー73の中に撒き餌杓74の洗浄用の水を入れると、釣り用バケツ70を持って釣り場の移動をする場合に、運搬時に発生する揺れ、振動等によって杓ホルダー73から水が溢れ、釣り人の服を汚す場合があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、ある程度の開口を有する杓ホルダー(即ち、防水容器)を用い、杓ホルダーに入れた撒き餌杓の柄の位置が決まり、しかも、移動に際して水溢れが極めて少ない魚釣り用撒き餌杓の保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的に沿う本発明に係る魚釣り用撒き餌杓の保持具は、上部及び下部が第1、第2の芯材によって形状補強され、使用する釣り用バケツ内に収納可能な筒状の防水容器と、該防水容器の上側外部に固定され、前記釣り用バケツの上端に掛止するフック部材と、前記防水容器の内側上部に配置され、一端が前記防水容器の内側に回動可能に配置された内蓋材(フラップともいう)とを有し、該内蓋材には、収納する撒き餌杓の柄が嵌入する掛止部と該掛止部に連続する切欠きが設けられている。
【0009】
本発明に係る魚釣り用撒き餌杓の保持具において、前記切欠きは平面視して内側に縮幅する「ハ」字状となっているのが好ましい。
また、本発明に係る魚釣り用撒き餌杓の保持具において、前記防水容器は、平断面の輪郭が角部の丸い四角形となって、下方に向けて徐々に縮幅しているのが好ましい。
【0010】
本発明に係る魚釣り用撒き餌杓の保持具において、前記内蓋材と前記防水容器との連結部には、該内蓋材を、自然な状態では該防水容器の上部開口を閉塞するように、水平に保つ支持部材が設けられているのが好ましい。
【0011】
そして、本発明に係る魚釣り用撒き餌杓の保持具において、前記釣り用バケツの上端は角部が丸い四角形の第3の芯材によって補強され、該釣り用バケツの上部外側で前記第3の芯材より低い位置に、該釣り用バケツの蓋の周囲に配置されたジッパーAと対となるジッパーBが設けられ、しかも、前記フック部材の外側掛止片は、該釣り用バケツの上端と前記ジッパーBの間に配置されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
内蓋材には、収納する撒き餌杓の柄が嵌入する掛止部と掛止部に連続し、例えば、外側から徐々に縮幅する切欠きが設けられているので、撒き餌杓の柄は、掛止部で保持され、柄の部分は自由には動かない。撒き餌杓の先側を防水容器に入れる場合、撒き餌杓の先側を防水容器から出す場合は、内蓋材が回動するので、自由に出し入れできる。
【0013】
本発明に係る魚釣り用撒き餌杓の保持具において、防水容器は上端及び下端が補強され、平断面の輪郭が角部の丸い四角形となって、下方に向けて徐々に縮幅している場合は、防水容器自体が型崩れしにくく、しかも、釣り用バケツの内側に沿って配置できる。
【0014】
本発明に係る魚釣り用撒き餌杓の保持具において、内蓋材と防水容器との連結部に、内蓋材を、自然な状態では防水容器の上部開口を閉塞するように、水平に保つ支持部材が設けられている場合は、内蓋材が常時略水平状態を維持しているので、移動中の水溢れなどがない。
【0015】
そして、本発明に係る魚釣り用撒き餌杓の保持具において、フック部材の外側掛止片が、釣り用バケツの上端とジッパーBの間に配置されている場合は、蓋の周囲に設けられているジッパーAをジッパーBと係合させると、フック部材が釣り用バケツの中に収納される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施の形態に係る魚釣り用撒き餌杓の保持具の斜視図である。
図2】(A)は同魚釣り用撒き餌杓の保持具の平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。
図3】(A)は同魚釣り用撒き餌杓の保持具内に撒き餌杓が装入された状態の部分断面図、(B)は同魚釣り用撒き餌杓の保持具に撒き餌杓を入れる状態の部分断面図、(C)は魚釣り用撒き餌杓の保持具から撒き餌杓を取り出す状態の部分断面図である。
図4】同魚釣り用撒き餌杓の保持具の使用状態の説明図である。
図5】従来例に係る魚釣り用撒き餌杓の保持具の使用状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1図4に示すように、本発明の一実施の形態に係る魚釣り用撒き餌杓の保持具10は、内部に強度を有する繊維を有し表裏を防水性の合成樹脂で覆ったシート材を用いて製造され、上部及び下部がプラスチック製又は金属製の第1、第2の芯材11、12によって形状補強された防水容器13と、この防水容器13を釣り用バケツ14に固定するフック部材15と、防水容器13の内側上部に配置された内蓋材16とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。
【0018】
筒状の防水容器13の上端及び下端には、形状保持のための第1、第2の芯材11、12が設けられている。この第1、第2の芯材11、12は、角部が丸い(円弧状となった)矩形(正方形又は長方形)となっている。また、上下端を除く防水容器13の平断面の輪郭は角部が丸い(円弧状の)四角形となっている。
【0019】
防水容器13は上端部(即ち、開口部13a)の縦横幅がそれぞれ5〜10cmとなって、下方に向けて徐々に縮幅している。なお、防水容器13の断面の一方の幅が他方の幅より長い場合は、長い方の縮幅の比率を大きくしてもよい。防水容器13の高さは釣り用バケツ14の内側高さと同一となって、釣り用バケツ14の板状の蓋18を被せた場合、釣り用バケツ14内に魚釣り用撒き餌杓の保持具10を収納できる構造となっている。
【0020】
この釣り用バケツ14の上端は角部が丸い四角形の第3の芯材16aによって補強され、所定の形状を保つようになっていると共に、釣り用バケツ14の上端から下がった位置(例えば、1.5〜3cm)にジッパーB(ファスナーの一例)が設けられ、蓋18の周囲に設けられ、ジッパーBと対となるジッパーAと係合して、蓋18が釣り用バケツ14の上を覆って閉じるようになっている。
【0021】
防水容器13の上側外部にはプラスチック製(又は金属製)のフック部材15が設けられている。このフック部材15は、対向する掛止片の距離が小さい逆U字状となって、釣り用バケツ14の上端にこの魚釣り用撒き餌杓の保持具10を取外し可能に保持できる構造となっている。なお、フック部材15の形状は例えば特許文献1等で周知であるが、防水容器13への固定は、防水容器13の上端に逆U字状のフック部材15を嵌め込むことで行う。フック部材15は釣り用バケツ14の上端に掛止された後、対となる掛止片(クリップ)の押圧力によって、係止状態を保持する。なお、フック部材15の外側掛止片は、釣り用バケツ14の上端とジッパーBの間に配置されている。
【0022】
内蓋材16は、防水容器13の内断面と同様、角部が丸くなった矩形状となって、一辺が防水容器13の内側に回動可能に固定されて回動部21(防水容器13と内蓋材16の連結部に設けられた支持部材の一例)を形成している。この回動部21は、内蓋材16が防水容器13の上部開口(開口部13a)を閉塞するように、自由状態では内蓋材16を水平に保持している。そして、内蓋材16において、回動部21と反対側の辺には、外側から内側に対して徐々に縮幅する三角形状(「ハ」字状)の切欠き22と、その端部に連続して形成される底部が半円状の溝(掛止部の一例)23とが形成されている。溝23の幅は図4に示すように、撒き餌杓24のシャフト部(柄の一例)25の直径より例えば1.1〜1.5倍の範囲で大きくなっている。なお、ここで、図4に2点鎖線で示すように、溝23と切欠き22aから構成される部分の形状を平面視してU字状とすることもできる。
【0023】
回動部21には内蓋材16の上下面と防水容器13の内壁面との間にそれぞれ位置保持手段(例えば、布、ゴム)が設けられて、内蓋材16に対して上又は下方向から荷重が掛からない場合は、自然な状態で水平状態を維持している。
【0024】
続いて、本実施の形態に係る魚釣り用撒き餌杓の保持具10の使用方法及び作用について、図1図4を参照しながら説明する。
魚釣り用撒き餌杓の保持具10を釣り用バケツ14の内側端部にフック部材15を介して取付ける。この場合、釣り用バケツ14内に釣餌が入っている場合は、釣り用バケツ14内で適当に移動させて、空間部を確保して行う。
【0025】
そして、魚釣り用撒き餌杓の保持具10の防水容器13内に水(海水であってもよい)を入れる。水の深さは、撒き餌杓24のカップ部26が漬かる深さがあれば十分である。
撒き餌杓24を使用した後、撒き餌杓24をこの魚釣り用撒き餌杓の保持具10に収納する場合は、通常では図2(A)〜(C)に示すように、魚釣り用撒き餌杓の保持具10が釣り用バケツ14の内壁に沿って配置され、内蓋材16は回動部21を中心にして、水平状態を保持しているので、図3(B)に示すように、撒き餌杓24で内蓋材16を押圧し、撒き餌杓24のカップ部26及びシャフト部25を防水容器13内に収納する。
【0026】
この状態で、撒き餌杓24を一定方向に向けて傾けると、シャフト部25は溝23内に嵌入するので、撒き餌杓24の握り部(グリップ)27の位置が決まり、釣り人によって握り部27の位置を目視することなく探すことができる。
【0027】
図3(A)に示すように、この状態で、釣り用バケツ14をそのまま移動させても、防水容器13は内蓋材16が閉じているので、水溢れ等が少ない。
この状態で撒き餌杓24を洗浄する場合、撒き餌杓24によって、防水容器13内を左右、前後に揺らすことによって行える。
【0028】
次に、撒き餌杓24を使用する場合は、図3(C)に示すように、撒き餌杓24を引き抜くことになるが、内蓋材16はカップ部26の上昇に伴い、上角度を向き、撒き餌杓24が抜けた後は、自然の状態で略水平状態を維持する。
【0029】
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、防水容器の形状を変形したり、寸法を変えることもできる。
また、防水容器の深さは、釣り用バケツの深さに応じて変えることもできる。
【符号の説明】
【0030】
10:魚釣り用撒き餌杓の保持具、11:第1の芯材、12:第2の芯材、13:防水容器、13a:開口部、14:釣り用バケツ、15:フック部材、16:内蓋材、16a:第3の芯材、18:蓋、21:回動部、22:切欠き、22a:切欠き、23:溝、24:撒き餌杓、25:シャフト部、26:カップ部、27:握り部
図1
図2
図3
図4
図5