特許第6205213号(P6205213)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6205213
(24)【登録日】2017年9月8日
(45)【発行日】2017年9月27日
(54)【発明の名称】中継用コネクタユニット
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/631 20060101AFI20170914BHJP
   H01R 31/06 20060101ALI20170914BHJP
【FI】
   H01R13/631
   H01R31/06 P
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-183328(P2013-183328)
(22)【出願日】2013年9月4日
(65)【公開番号】特開2015-50163(P2015-50163A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2016年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳
(74)【代理人】
【識別番号】100177910
【弁理士】
【氏名又は名称】木津 正晴
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 英彦
(72)【発明者】
【氏名】山本 将行
【審査官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−034911(JP,A)
【文献】 特開2009−164004(JP,A)
【文献】 特開2009−129779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/631
H01R 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線群を備えるコネクタが接続される中継用コネクタと、前記中継用コネクタの前記コネクタが接続される側を覆うように配置されるブラケットと、を有する中継用コネクタユニットであって、
前記ブラケットは、対向する第1及び第2の壁のそれぞれに形成された第1取り付け穴と、前記第1及び第2の壁に直交する第3の壁に形成された第2取り付け穴と、を有し、
前記中継用コネクタは、筒状の外周面に、前記第1取り付け穴に配置される一対の第1突起部と、前記第2取り付け穴に配置される第2突起部と、を有し、
前記第1取り付け穴には、前記第1突起部が前記第1取り付け穴に配置された状態で前記第1突起部を覆うキャップが配置され
前記第1取り付け穴と前記キャップとの間、及び、前記第2取り付け穴と前記第2突起部との間には、所定量だけ移動可能となるように隙間が設けられていることを特徴とする中継用コネクタユニット。
【請求項2】
前記第1取り付け穴には、前記中継用コネクタの前記第2突起部の突出方向と平行に延びて、前記ブラケットの取付時に前記中継用コネクタの前記第1突起部を案内するガイド溝が連通することを特徴とする請求項に記載の中継用コネクタユニット。
【請求項3】
電線群を備えるコネクタが接続される中継用コネクタと、前記中継用コネクタの前記コネクタが接続される側を覆うように配置されるブラケットと、を有する中継用コネクタユニットであって、
前記ブラケットは、対向する第1及び第2の壁のそれぞれに形成されたブラケット側取り付け穴と、前記第1及び第2の壁に直交する第3の壁に形成されたブラケット側突起部と、を有し、
前記中継用コネクタは、筒状の外周面に、前記ブラケット側取り付け穴に配置される一対のコネクタ側突起部と、前記ブラケット側突起部を収容するコネクタ側取り付け穴と、を有し、
前記ブラケット側取り付け穴には、前記コネクタ側突起部が前記ブラケット側取り付け穴に配置された状態で前記コネクタ側突起部を覆うキャップが配置され
前記ブラケット側取り付け穴と前記キャップとの間、及び、前記ブラケット側突起部と前記コネクタ側取り付け穴との間には、所定量だけ移動可能となるように隙間が設けられていることを特徴とする中継用コネクタユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両等の電気配線に用いられる中継用コネクタユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両の電気配線には、中継用コネクタが用いられることが多い。図8は、一般的な中継用コネクタユニット(中継用コネクタ)101を示した図であって、この中継用コネクタユニット101は例えば車両のA/Tケースに接続される。図8(a)に示すような圧着端子付き電線130(ハーネス)が取り付けられた油中側メスコネクタ120が、中継用コネクタ本体110に取り付けられる。更に、図8(b)のように、ブラケット140が中継用コネクタ本体110に取り付けられる。この種の中継用コネクタユニット101では、図8(c)に示すように中継用コネクタユニット101の取り回し、特に圧着端子付き電線130の配索作業にともない発生するテンション(図中矢印で示す)によって、中継用コネクタ本体110が引っ張られて、ブラケット140に対して傾きが発生することがある。これは破損や故障の原因となることから避ける必要がある。
【0003】
そのような課題に対して各種の対策技術が提案されている。例えば、中継用コネクタ本体をブラケットに対し、90°変位した2箇所に設けた第1のブラケット受け具及び第2のブラケット受け具によって前後、左右方向へ揺動可能かつ弾性的に支持すると共に、上下方向へスライド可能状態で取付ける様にした技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−272226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示の技術では、一定の効果は期待できるものの不十分なことが多く別の技術が求められていた。また、中継用コネクタを所定の部品ケース(例えば、A/Tケース)に組み付ける際に、裏返して組み付け作業を行うことがあるが、そのような場合、作業者に熟練が要求されるとともに、非常に慎重な作業が必要となることから、作業効率が低下することもあり、特許文献1に開示の技術では対応できず、対策技術が求められていた。
【0006】
本発明の目的は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明は以下に記載の中継用コネクタユニットを提供する。
(1) 電線群を備えるコネクタが接続される中継用コネクタと、前記中継用コネクタの前記コネクタが接続される側を覆うように配置されるブラケットと、を有する中継用コネクタユニットであって、
前記ブラケットは、対向する第1及び第2の壁のそれぞれに形成された第1取り付け穴と、前記第1及び第2の壁に直交する第3の壁に形成された第2取り付け穴と、を有し、
前記中継用コネクタは、筒状の外周面に、前記第1取り付け穴に配置される一対の第1突起部と、前記第2取り付け穴に配置される第2突起部と、を有し、
前記第1取り付け穴には、前記第1突起部が前記第1取り付け穴に配置された状態で前記第1突起部を覆うキャップが配置され
前記第1取り付け穴と前記キャップとの間、及び、前記第2取り付け穴と前記第2突起部との間には、所定量だけ移動可能となるように隙間が設けられていることを特徴とする中継用コネクタユニット。
(2)前記第1取り付け穴には、前記中継用コネクタの前記第2突起部の突出方向と平行に延びて、前記ブラケットの取付時に前記中継用コネクタの前記第1突起部を案内するガイド溝が連通することを特徴とする(1)に記載の中継用コネクタユニット。
) 電線群を備えるコネクタが接続される中継用コネクタと、前記中継用コネクタの前記コネクタが接続される側を覆うように配置されるブラケットと、を有する中継用コネクタユニットであって、
前記ブラケットは、対向する第1及び第2の壁のそれぞれに形成されたブラケット側取り付け穴と、前記第1及び第2の壁に直交する第3の壁に形成されたブラケット側突起部と、を有し、
前記中継用コネクタは、筒状の外周面に、前記ブラケット側取り付け穴に配置される一対のコネクタ側突起部と、前記ブラケット側突起部を収容するコネクタ側取り付け穴と、を有し、
前記ブラケット側取り付け穴には、前記コネクタ側突起部が前記ブラケット側取り付け穴に配置された状態で前記コネクタ側突起部を覆うキャップが配置され
前記ブラケット側取り付け穴と前記キャップとの間、及び、前記ブラケット側突起部と前記コネクタ側取り付け穴との間には、所定量だけ移動可能となるように隙間が設けられていることを特徴とする中継用コネクタユニット。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、中継用コネクタを所定箇所に組み付ける場合に、中継用コネクタの傾き発生を低減でき、かつ作業性を向上させる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態の中継用コネクタユニットをX方向前方から見た斜視図である。
図2図2は、図1の中継用コネクタユニットをX方向後方から見た斜視図である。
図3図3は、図1の中継用コネクタユニットの分解斜視図である。
図4図4は、第1取り付け穴に第1突起部が配置された状態を示す斜視図である。
図5図5は、中継用コネクタ本体がブラケットに取り付けられた状態における側面図であり、図5(a)はキャップと第1取り付け穴との位置関係を示す図であり、図5(b)は第2突起部と第2取り付け穴との位置関係を示す図である。
図6図6は、テンション発生時における図5の側面図であり、図6(a)はキャップと第1取り付け穴との位置関係を示す図であり、図6(b)は第2突起部と第2取り付け穴との位置関係を示す図である。
図7図7は、本発明の変形例の中継用コネクタ本体とブラケットの部分断面図である。
図8図8は、背景技術に係る、中継用コネクタユニットを示す斜視図であり、図8(a)はブラケットが中継用コネクタ本体から分離した状態を、図8(b)はブラケットが中継用コネクタ本体に取り付けられた状態、図8(c)は中継用コネクタ本体が引っ張られてブラケットに対して傾きが発生した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態に係る中継用コネクタユニットを、図1〜3を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態の中継用コネクタユニットをX方向前方から見た斜視図であり、図2は、図1の中継用コネクタユニットをX方向後方から見た斜視図であり、図3は、図1の中継用コネクタユニットの分解斜視図である。なお、説明の便宜上、各図において、矢印X、矢印Y、及び矢印Zを用いて、各部材の配設方向等を示す。これら矢印X、矢印Y、及び矢印Zは互いに直交している。
【0011】
図1〜3に示すように、中継用コネクタユニット1は、中継用コネクタ本体10と、油中側メスコネクタ20と、圧着端子付き電線30と、ブラケット40と、キャップ50とを備えている。
【0012】
中継用コネクタ本体10は、円筒状のコネクタ嵌合部11と、同じく円筒状のベース筒部12とを備え、例えば合成樹脂で一体に形成されている。コネクタ嵌合部11は、表面に嵌合用の構造が形成されており、相手側のA/Tケース等の部品の所定の接続用開口部に回転挿入され嵌合固定される。
【0013】
ベース筒部12は、電装部品等の所定の開口部には挿入されない部分であって、この外周領域を部分的に覆うようにブラケット40が配置される。
【0014】
ブラケット40は、例えば樹脂成形品や金属加工品またはそれらの複合部材からなり、上面視で略U字形状の枠状に形成される。より具体的に説明すると、ブラケット40は、Y方向に対向する第1及び第2の壁41、41と、第1及び第2の壁41、41に直交する第3の壁42とで形成され、第3の壁42に対向する部分にブラケット開口43が形成されている。
【0015】
ブラケット40の第1及び第2の壁41、41には、それぞれ縦長で矩形状の第1取り付け穴44、44が形成されており、さらに第1取り付け穴44、44に連通するガイド溝45、45が開口側端面41a、41aからX方向に延びるように形成されている。このガイド溝45、45は、後述する中継用コネクタ本体10のベース筒部12に形成された第1突起部13、13を第1取り付け穴44、44まで案内するものであり、後述する第2突起部16の突出方向(X方向)と平行に延びている。
【0016】
また、ブラケット40の第3の壁42には、横長で矩形状の第2取り付け穴47が形成されている。なお、第2取り付け穴47は、第1取り付け穴44、44よりも上方であって、Z方向において一部がオーバーラップしている(図5(b)参照)。
【0017】
第1及び第2の壁41、41に形成された第1取り付け穴44、44に対向する、中継用コネクタ本体10のベース筒部12には、矩形状の平坦面を有する台座部14が形成されており、さらに台座部14から円柱状の第1突起部13、13がY方向に突設されている。一対の第1突起部13、13は、ガイド溝45、45に案内されて第1取り付け穴44、44に配置される。また、中継用コネクタ本体10のベース筒部12には、第2取り付け穴47に対向する位置に、第2突起部16がX方向に突設されており、一対の第1突起部13、13が第1取り付け穴44、44に配置された状態において、第2突起部16が第2取り付け穴47に配置される。
【0018】
一対の第1突起部13、13が第1取り付け穴44、44に配置された状態において、一対の第1突起部13、13には、内面に第1突起部13、13に嵌合するキャップ側嵌合穴51、51が形成された側面視で略矩形状のキャップ50、50が嵌合固定される。
【0019】
続いて、中継用コネクタ本体10とブラケット40との組み付けについて図4も参照して説明する。中継用コネクタ本体10をブラケット40に組み付けるとき、中継用コネクタ本体10とブラケット40とが分離した図3の状態から、中継用コネクタ本体10のベース筒部12に形成された一対の第1突起部13、13を、ブラケット40の第1及び第2の壁41、41に形成されたガイド溝45、45に挿入して、中継用コネクタ本体10とブラケット40とをX方向に相対的に近接させる方向に移動させる。これにより、図4に示すように、第1突起部13、13が第1取り付け穴44、44に配置される。このとき、第2突起部16も第2取り付け穴47に配置される。
【0020】
続いて、内面に第1突起部13、13に嵌合するキャップ側嵌合穴51、51が形成された略矩形状のキャップ50、50を、第1突起部13、13に嵌合固定することで、キャップ50、50が第1取り付け穴44、44に配置される。これにより、中継用コネクタ本体10がブラケット40に取り付けられる。
【0021】
続いて、中継用コネクタ本体10がブラケット40に取り付けられた状態における、キャップ50、50と第1取り付け穴44、44との位置関係、及び、第2突起部16と第2取り付け穴47との位置関係について図5を参照しながら説明する。
【0022】
図5は、中継用コネクタ本体10がブラケット40に取り付けられた状態における側面図であり、図5(a)はキャップ50と第1取り付け穴44との位置関係を示す図であり、図5(b)は第2突起部16と第2取り付け穴47との位置関係を示す図である。
【0023】
図5(a)に示すように、中継用コネクタ本体10がブラケット40に取り付けられた状態において、キャップ50と第1取り付け穴44とは、キャップ側上面50aと第1取り付け穴側上面44aとの間に隙間aが設けられ、キャップ側下面50bと第1取り付け穴側下面44bとの間に隙間bが設けられる。また、キャップ側一端面50cと第1取り付け穴側一端面44cとの間に隙間cが設けられ、キャップ側他端面50dと第1取り付け穴側他端面44dとの間に隙間dが設けられる。なお、反対側に位置するキャップ50と第1取り付け穴44の関係も同じ位置関係に設定されている。
【0024】
また、図5(b)に示すように、中継用コネクタ本体10がブラケット40に取り付けられた状態において、第2突起部16と第2取り付け穴47とは、第2突起部上面16aと第2取り付け穴側上面47aとの間に隙間eが設けられ、第2突起部下面16bと第2取り付け穴側下面47bとの間に隙間fが設けられる。また、第2突起部一端面16cと第2取り付け穴側一端面47cとの間に隙間gが設けられ、第2突起部他端面16dと第2取り付け穴側他端面47dとの間に隙間hが設けられる。
【0025】
上記のように構成された中継用コネクタユニット1は、傾き抑制機能、調芯機能、沈み込み抑制機能を有する。以下、この傾き抑制機能、調芯機能、沈み込み抑制機能について説明する。
【0026】
<傾き抑制機能>
図8(c)で説明したように、圧着端子付き電線30の配索作業にともない、中継用コネクタ本体10が引っ張られてテンションが発生した場合、中継用コネクタ本体10のベース筒部12に形成された第1突起部13、13に取り付けられたキャップ50、50が回転しようとするが、キャップ50は、図6(a)に示すように、キャップ50がα°回転した時点で第1取り付け穴44に接触し、その回転が規制される。また、図6(b)に示すように、第2突起部16も下方への移動が第2取り付け穴47の第2取り付け穴側下面47bに規制される。このようにキャップ50と第1取り付け穴44との隙間、及び、第2突起部16と第2取り付け穴47との隙間により中継用コネクタ本体10の傾きが抑制される。なお、回転許容量αについては、キャップ50と第1取り付け穴44との隙間、及び、第2突起部16と第2取り付け穴47との隙間を適宜設定することで調整可能である。
【0027】
<調芯機能>
図5(a)に示すように、中継用コネクタ本体10がブラケット40に取り付けられた状態において、X方向に沿って、キャップ側一端面50cと第1取り付け穴側一端面44cとの間に隙間cが設けられ、キャップ側他端面50dと第1取り付け穴側他端面44dとの間に隙間dが設けられる。したがって、キャップ50は設計中心点からX方向両側に所定量(隙間c、dだけ)移動可能である。つまり、これらの隙間c、dがあることで、中継用コネクタ本体10のX方向の調芯が可能となる。
【0028】
また、図5(b)に示すように、中継用コネクタ本体10がブラケット40に取り付けられた状態において、Y方向に沿って、第2突起部一端面16cと第2取り付け穴側一端面47cとの間に隙間gが設けられ、第2突起部他端面16dと第2取り付け穴側他端面47dとの間に隙間hが設けられる。したがって、第2突起部16は設計中心点からY方向両側に所定量(隙間g、hだけ)移動可能である。つまり、これらの隙間g、hがあることで、中継用コネクタ本体10のY方向の調芯が可能となる。
【0029】
また、図5(a)に示すように、中継用コネクタ本体10がブラケット40に取り付けられた状態において、Z方向に沿って、キャップ側上面50aと第1取り付け穴側上面44aとの間に隙間aが設けられ、キャップ側下面50bと第1取り付け穴側下面44bとの間に隙間bが設けられる。また、図5(b)に示すように、中継用コネクタ本体10がブラケット40に取り付けられた状態において、Z方向に沿って、第2突起部16と第2取り付け穴47とは、第2突起部上面16aと第2取り付け穴側上面47aとの間に隙間eが設けられ、第2突起部下面16bと第2取り付け穴側下面47bとの間に隙間fが設けられる。したがって、キャップ50は設計中心点からZ方向両側に所定量(隙間a、bだけ)移動可能である。また、第2突起部16は設計中心点からZ方向両側に所定量(隙間e、fだけ)移動可能である。つまり、これらの隙間a、b及び隙間e、fがあることで、中継用コネクタ本体10のY方向の調芯が可能となる。なお、隙間aと隙間eは同じにしてもよく、違う値に設定してもよい。隙間bと隙間fについても同様である。
【0030】
<沈み込み抑制機能>
上記したように、中継用コネクタ本体10がブラケット40に取り付けられた状態において、Z方向に沿って、キャップ側下面50bと第1取り付け穴側下面44bとの間に隙間bが設けられる。また、図5(b)に示すように、中継用コネクタ本体10がブラケット40に取り付けられた状態において、Z方向に沿って、第2突起部下面16bと第2取り付け穴側下面47bとの間に隙間fが設けられる。したがって、これらの対向面が当接することで、中継用コネクタ本体10の沈み込みを抑制することができる。
【0031】
これらの調芯機能を有する中継用コネクタユニット1によって、作業者が中継用コネクタユニット1を所定の電装部品に組み付ける作業を行う際に、作業性の向上を実現できる。つまり、従来技術と比較して慎重な作業が求められないことから、作業者のミスやストレスを低減させることができる。
【0032】
以下では、実施形態に係る中継用コネクタユニット1について纏める。
(1) 実施形態に係る中継用コネクタユニット1は、電線群を備える油中側メスコネクタ20が接続される中継用コネクタ本体10と、中継用コネクタ本体10の油中側メスコネクタ20が接続される側を覆うように配置されるブラケット40と、を有する。ブラケット40は、対向する第1及び第2の壁41、41のそれぞれに形成された第1取り付け穴44、44と、第1及び第2の壁41、41に直交する第3の壁42に形成された第2取り付け穴47と、を有する。中継用コネクタ本体10は、筒状の外周面に、第1取り付け穴44、44に配置される一対の第1突起部13、13と、第2取り付け穴47に配置される第2突起部16と、を有する。第1取り付け穴44、44には、第1突起部13、13が第1取り付け穴44、44に配置された状態で第1突起部13、13を覆うキャップ50、50が配置される。
(2)また、実施形態に係る中継用コネクタユニット1では、第1取り付け穴44、44とキャップ50、50との間、及び、第2取り付け穴47と第2突起部16との間には、所定量だけ移動可能となるように隙間a〜hが設けられている。
(3)また、実施形態に係る中継用コネクタユニット1では、第1取り付け穴44、44には、中継用コネクタ本体10の第2突起部16の突出方向と平行に延びて、中継用コネクタ本体10の第1突起部13、13を案内するガイド溝45、45が連通する。
【0033】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素及びその組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
例えば、第1突起部13、第2突起部16、第1取り付け穴44及び第2取り付け穴47の形状は矩形状に限らず、任意の形状を採用することができる。
また、第1突起部13、13をY方向に進退可能とすることで、ガイド溝45、45を省略してもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、ブラケット40の第3の壁42に第2取り付け穴47が形成され、中継用コネクタ本体10のベース筒部12に第2取り付け穴47に配置される第2突起部16が突設されていたが、図7に示すように、中継用コネクタ本体10のベース筒部12にコネクタ側取り付け穴(凹部)17を形成し、ブラケット40の第3の壁42にこのコネクタ側取り付け穴17に配置されるブラケット側突起部48を突設してもよい。なお、このブラケット側突起部48は、ブラケット40をプレス成形する場合に切り起こして形成することができる。
【0035】
この変形例に係る中継用コネクタユニットについて纏めると、以下のようになる。
(4) この変形例に係る中継用コネクタユニットは、電線群を備える油中側メスコネクタ20が接続される中継用コネクタ本体10と、中継用コネクタ本体10の油中側メスコネクタ20が接続される側を覆うように配置されるブラケット40と、を有する。ブラケット40は、対向する第1及び第2の壁41、41のそれぞれに形成された第1取り付け穴44、44(ブラケット側取り付け穴)と、第1及び第2の壁41、41に直交する第3の壁42に形成されたブラケット側突起部48と、を有する。中継用コネクタ本体10は、筒状の外周面に、第1取り付け穴44、44に配置される一対の第1突起部13、13(コネクタ側突起部)と、上記したブラケット側突起部48を収容するコネクタ側取り付け穴17と、を有する。第1取り付け穴44、44には、第1突起部13、13が第1取り付け穴44、44に配置された状態で第1突起部13、13を覆うキャップ50、50が配置される。
【符号の説明】
【0036】
1 中継用コネクタユニット
10 中継用コネクタ本体(中継用コネクタ)
13 第1突起部
16 第2突起部
17 コネクタ側取り付け穴
20 油中側メスコネクタ(コネクタ)
40 ブラケット
41 第1及び第2の壁
42 第3の壁
44 第1取り付け穴
45 ガイド溝
47 第2取り付け穴
48 ブラケット側突起部
50 キャップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8