(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基板および前記積層基板の前記固体撮像素子の光軸方向と垂直な断面の少なくとも一部において、前記画像信号用配線パターンと、前記駆動信号用配線パターンとの間に、少なくとも1つの前記電子部品が配置されることを特徴とする請求項1に記載の撮像モジュール。
前記駆動信号用ケーブルは前記基板に接続され、前記画像信号が出力される画像信号用ケーブルは前記積層基板上に接続されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の撮像モジュール。
前記画像信号が前記固体撮像素子に最も近接する第1のビアを介して前記積層基板上に接続される前記画像信号用ケーブルに伝送されると共に、前記積層基板上に接続される前記駆動信号用ケーブルから入力される前記駆動信号は、前記固体撮像素子から最も離間し、かつ、前記第1のビアからも最も遠位に形成された第2のビアを介して伝送されることを特徴とする請求項5に記載の撮像モジュール。
前記画像信号は、前記積層基板上に実装された、伝送バッファを少なくとも有する第2チップを介して前記画像信号用ケーブルに伝送されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の撮像モジュール。
前記駆動信号用電極パッドと前記画像信号用電極パッドは離間して配置されるとともに、画像信号用配線パターンと駆動信号用配線パターンは、上方からの平面視において離間して配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の撮像モジュール。
前記画像信号用ケーブルは前記積層基板上に接続され、前記固体撮像素子に最も近接する第1のビアは、上方からの平面視において前記画像信号用電極パッドに最も近接した位置に形成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の撮像モジュール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、画像信号用配線パターン、および駆動信号用配線パターンは同じ基板上に形成され、電子部品は、画像信号用配線パターンと駆動信号用配線パターンが形成された基板の裏面、すなわち、画像信号用配線パターンと駆動信号用配線パターンとの間に実装されるものではないため、クロストーク低減効果は小さい。
【0008】
一方、特許文献2では、画像信号用配線パターンと駆動信号用配線パターンとは、積層基板の異なる層に形成されるが、画像信号用配線パターンと駆動信号用配線パターンとの間に電子部品が実装されるものではないため、依然として駆動信号による干渉が生じていた。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、挿入部先端の細径化を図りながら、高画質の画像を得ることのできる撮像モジュールおよび内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる撮像モジュールは、光を受光して光電変換を行うことにより電気信号を生成する固体撮像素子と、導体層を有し、前記固体撮像素子の光軸方向の受光面と反対側に前記固体撮像素子から延出する基板と、前記基板の表面に形成され、複数の電子部品が実装されるとともに複数の導体層および複数のビアが内部に形成された積層基板と、を備えた撮像モジュールにおいて、前記複数の電子部品の少なくとも1つは、前記積層基板内に埋設され、前記固体撮像素子に形成された画像信号用電極パッドから画像信号用ケーブルに画像信号が伝送される画像信号用配線パターンと、駆動信号用ケーブルから前記固体撮像素子に形成された駆動信号用電極パッドに駆動信号が伝送される駆動信号用配線パターンとが、前記積層基板内に埋設された前記電子部品より固体撮像素子側で異なる前記導体層に分岐し配設されることにより、前記画像信号と前記駆動信号とが、前記基板および前記積層基板の異なる前記導体層を介して前記画像信号用ケーブルと前記駆動信号用電極パッド伝送されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる撮像モジュールは、上記発明において、前記基板および前記積層基板の前記固体撮像素子の光軸方向と垂直な断面の少なくとも一部において、前記画像信号用配線パターンと、前記駆動信号用配線パターンとの間に、少なくとも1つの前記電子部品が配置されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる撮像モジュールは、上記発明において、前記画像信号、または前記駆動信号が、前記固体撮像素子に最も近接する第1のビアを介して伝送されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる撮像モジュールは、上記発明において、前記駆動信号用ケーブルは前記基板に接続され、前記画像信号が出力される画像信号用ケーブルは前記積層基板上に接続されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる撮像モジュールは、上記発明において、前記駆動信号用ケーブルおよび前記画像信号用ケーブルは、前記積層基板上に接続されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる撮像モジュールは、上記発明において、前記画像信号が前記固体撮像素子に最も近接する第1のビアを介して前記積層基板上に接続される前記画像信号用ケーブルに伝送されると共に、前記積層基板上に接続される前記駆動信号用ケーブルから入力される前記駆動信号は、前記固体撮像素子から最も離間し、かつ、前記第1のビアからも最も遠位に形成された第2のビアを介して伝送されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる撮像モジュールは、上記発明において、前記画像信号は、前記積層基板上に実装された、伝送バッファを少なくとも有する第2チップを介して前記画像信号用ケーブルに伝送されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかる撮像モジュールは、上記発明において、前記駆動信号用電極パッドと前記画像信号用電極パッドは離間して配置されるとともに、画像信号用配線パターンと駆動信号用配線パターンは、上方からの平面視において離間して配置されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかる撮像モジュールは、上記発明において、前記画像信号用ケーブルは前記積層基板上に接続され、前記固体撮像素子に最も近接する第1のビアは、上方からの平面視において前記画像信号用電極パッドに最も近接した位置に形成されることを特徴とする。
【0019】
また、本発明にかかる撮像モジュールは、上記発明において、前記積層基板は、樹脂基板が多層積層された多層樹脂基板であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る内視鏡装置は、上記のいずれか一つに記載の撮像モジュールが先端に設けられた挿入部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、積層基板内部に埋設された電子部品によって、画像信号と異なる層を介して伝送される駆動信号による画像信号への干渉を低減してノイズを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明では、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)として、撮像モジュールを備えた内視鏡装置について説明する。また、この実施の形態により、この発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。さらにまた、図面は、模式的なものであり、各部材の厚みと幅との関係、各部材の比率等は、現実と異なることに留意する必要がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法や比率が異なる部分が含まれている。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内視鏡システムの全体構成を模式的に示す図である。
図1に示すように、内視鏡装置1は、内視鏡2と、ユニバーサルコード6と、コネクタ7と、光源装置9と、プロセッサ(制御装置)10と、表示装置13とを備える。
【0025】
内視鏡2は、挿入部4を被検体の体腔内に挿入することによって、被検体の体内画像を撮像し撮像信号を出力する。ユニバーサルコード6内部の電気ケーブル束は、内視鏡2の挿入部4の先端まで延伸され、挿入部4の先端部31に設けられる撮像装置に接続する。
【0026】
コネクタ7は、ユニバーサルコード6の基端に設けられて、光源装置9およびプロセッサ10に接続され、ユニバーサルコード6と接続する先端部31の撮像装置が出力する撮像信号に所定の信号処理を施すとともに、撮像信号をアナログデジタル変換(A/D変換)して画像信号として出力する。
【0027】
光源装置9は、例えば、白色LEDを用いて構成される。光源装置9が点灯するパルス状の白色光は、コネクタ7、ユニバーサルコード6を経由して内視鏡2の挿入部4の先端から被写体へ向けて照射する照明光となる。
【0028】
プロセッサ10は、コネクタ7から出力される画像信号に所定の画像処理を施すとともに、内視鏡装置1全体を制御する。表示装置13は、プロセッサ10が処理を施した画像信号を表示する。
【0029】
内視鏡2の挿入部4の基端側には、内視鏡機能を操作する各種ボタン類やノブ類が設けられた操作部5が接続される。操作部5には、被検体の体腔内に生体鉗子、電気メスおよび検査プローブ等の処置具を挿入する処置具挿入口17が設けられる。
【0030】
挿入部4は、撮像装置が設けられる先端部31と、先端部31の基端側に連設された複数方向に湾曲自在な湾曲部32と、この湾曲部32の基端側に連設された可撓管部33とによって構成される。湾曲部32は、操作部5に設けられた湾曲操作用ノブの操作によって湾曲し、挿入部4内部に挿通された湾曲ワイヤの牽引弛緩にともない、たとえば上下左右の4方向に湾曲自在となっている。
【0031】
内視鏡2には、光源装置9からの照明光を伝送するライトガイドバンドル(不図示)が配設され、ライトガイドバンドルによる照明光の出射端に照明レンズ(不図示)が配置される。この照明レンズは、挿入部4の先端部31に設けられており、照明光が被検体に向けて照射される。
【0032】
次に、内視鏡2の先端部31の構成について詳細に説明する。
図2は、内視鏡2先端の部分断面図である。
図2は、内視鏡2の先端部31に設けられた撮像モジュールの基板面に対して直交する面であって撮像モジュールの光軸方向と平行な面で切断した場合の断面図である。
図2においては、内視鏡2の挿入部4の先端部31と、湾曲部32の一部を図示する。
【0033】
図2に示すように、湾曲部32は、後述する被覆管42内側に配置する湾曲管81内部に挿通された湾曲ワイヤ82の牽引弛緩にともない、上下左右の4方向に湾曲自在である。この湾曲部32の先端側に延設された先端部31内部に、撮像装置35が設けられる。
【0034】
撮像装置36は、レンズユニット43と、レンズユニット43の基端側に配置する撮像ユニット35とを有し、接着剤41aで先端部本体41の内側に接着される。先端部本体41は、撮像ユニット35を収容する内部空間を形成するための硬質部材で形成される。先端部本体41の基端外周部は、柔軟な被覆管42によって被覆される。先端部本体41よりも基端側の部材は、湾曲部32が湾曲可能なように、柔軟な部材で構成されている。先端部本体41が配置される先端部31が挿入部4の硬質部分となる。この「硬質部分の長さLaは、挿入部4先端から先端部本体41の基端までとなる。なお、長さLbは、挿入部4先端の外径に対応する。
【0035】
レンズユニット43は、複数の対物レンズ43a−1〜43a−4と、対物レンズ43a−1〜43a−4を保持するレンズホルダ43bとを有し、このレンズホルダ43bの先端が、先端部本体41内部に挿嵌固定されることによって、先端部本体41に固定される。
【0036】
撮像ユニット35は、表面に光を受光する受光面を有したCCDまたはCMOSなどの固体撮像素子44、固体撮像素子44から延出する基板45、固体撮像素子44の駆動回路を構成する電子部品55〜58を実装した積層基板46、ならびに、固体撮像素子44の受光面を覆った状態で固体撮像素子44に接着するガラスリッド49を有する。撮像モジュール40は、レンズユニット43および撮像ユニット35とからなる撮像装置36と、固体撮像素子44を駆動するために固体撮像素子44と電気的に接続される駆動信号用ケーブル48Aと、固体撮像素子44から出力される画像信号を伝送する画像出力用信号ケーブル48Bと、固体撮像素子44および電子部品55〜58に電源を供給する複数の電源用ケーブル48Cとを備える。
【0037】
駆動信号用ケーブル48A、画像信号用ケーブル48Bおよび電源用ケーブル48Cの基端は、電気ケーブル束47にまとめられ、挿入部4の基端方向に延伸する。電気ケーブル束47は、挿入部4に挿通配置され、
図1に示す操作部5およびユニバーサルコード6を介して、コネクタ7まで延設されている。
【0038】
レンズユニット43の対物レンズ43a−1〜43a−4によって結像された被写体像は、対物レンズ43a−1〜43a−4の結像位置に配設された固体撮像素子44によって検出されて、画像信号に変換される。
【0039】
固体撮像素子44は、基板45および積層基板46と接着剤54bによって接着される。固体撮像素子44と、固体撮像素子44および基板45の接続部とは、金属製の補強部材52に覆われる。基板45上の電子部品55〜58に対する外部静電気の影響を防止するため、補強部材52は、固体撮像素子44、基板45および積層基板46から離間して設置される。
【0040】
撮像ユニット35および電気ケーブル束47の先端部は、耐性向上のために、熱収縮チューブ50によって外周が被覆される。熱収縮チューブ50内部は、接着樹脂51によって部品間の隙間が埋められている。
【0041】
固体撮像素子ホルダ53は、固体撮像素子ホルダ53の基端側内周面にガラスリッド49の外周面が嵌め込まれることによって、ガラスリッド49に接着する固体撮像素子44を保持する。固体撮像素子ホルダ53の基端側外周面は、補強部材52の先端側内周面に嵌合する。固体撮像素子ホルダ53の先端側内周面には、レンズホルダ43bの基端側外周面が嵌合する。このように各部材同士が嵌合した状態で、レンズホルダ43bの外周面、固体撮像素子ホルダ53の外周面、ならびに、熱収縮チューブ50の先端側外周面が、接着剤41aによって先端部本体41の先端の内周面に固定される。
【0042】
次に、撮像モジュール40について説明する。
図3は、撮像モジュール40を積層方向で平面視した平面図である。
図4は、
図3のA−A線断面図であり、撮像モジュール40を基板45面に対して鉛直、かつ、固体撮像素子44の光軸方向と平行な面で切断した場合の断面図である。
図5は、固体撮像素子44の受光面の正面図であり、固体撮像素子44の下部に形成された電極パッドの構成を示している。
【0043】
図5に示すように、固体撮像素子44の受光面側には、複数の画素単位が二次元マトリクス状に配置された受光部37と、電極パッド38が形成される。電極パッド38は、駆動信号用電極パッド38a−1、電源信号用電極パッド38a−2〜38a−5、画像信号用電極パッド38a−6を含み、駆動信号用電極パッド38a−1と画像信号用電極パッド38a−6とは、最も離間するように配置される。各電極パッド38は、基板45のインナーリード(不図示)が電気的に接続され、封止樹脂54aによって覆われることによって、固体撮像素子44と基板45とが接続される。
【0044】
基板45は、フレキシブルプリント基板であり、固体撮像素子44の受光面の反対側の光軸方向に向かって、固体撮像素子44から延出する。この基板45表面には、複数の層が積層した積層基板46が形成され、積層基板46は基板45の導体層(図示しない)と電気的および機械的に接続される。
【0045】
積層基板46には、固体撮像素子44の駆動回路を構成する複数の電子部品のうち、上部表面に一以上の電子部品が実装され、内部にも一以上の電子部品が埋設されることによって実装される。
図3および
図4の例では、複数の電子部品55〜58のうち二つの電子部品55、56が積層基板46の上部表面に実装される。そして、複数の電子部品55〜58のうち二つの電子部品57、58が積層基板46の内部に埋設される。なお、固体撮像素子44は、少なくとも受光部37と、受光部37で光電変換された撮像信号を読み出す読み出し部とを備える第1チップとして機能し、電子部品55は、伝送バッファを少なくとも有する第2チップとしての機能を有するCMOS撮像素子であることが好ましい。第1チップと第2チップとを備えるCMOS撮像素子とした場合、第1チップである固体撮像素子44と、第2チップである電子部品55とを所定距離離間して設置できるため、第2チップ発熱に起因する暗電流を低減でき、画質の低下を防止することができる。
【0046】
また、第2チップである電子部品55は、実装面積の削減のために、金バンプを使用したフリップチップ実装により積層基板46に実装されるため、後述するいずれかのビア上に配置されることが好ましい。フリップチップ実装の際、電子部品55の上面から高い荷重が加えられるため、この荷重により積層基板46が変形する場合がある。積層基板46が変形した場合、内蔵される電子部品57、58の接続が不安定になったり、破壊されるおそれがあるため、電子部品55をビア上に配置することにより、フリップチップ実装の際の荷重により積層基板46の変形を防止することが好ましい。尚、第2チップである電子部品56は半田ボールにより積層基板46に実装することもできる。また、同様に、画像信号用ケーブル48Bおよび電源用ケーブル48Cのケーブル接続ランド63Bおよび63Cへの接続の際にも荷重が発生するため、該荷重による積層基板46の変形を防止することを目的として、ケーブル接続ランド63Bおよび63Cもビア上に配置することが好ましい。
【0047】
撮像モジュール40においては、基板45、積層基板46、電子部品55〜56、駆動信号用ケーブル48A、画像信号用ケーブル48B、電源用ケーブル48Cを含めた撮像モジュール40全体が、固体撮像素子44を光軸方向に投影した投影領域内に収まるように配置されている。また、ガラスリッド49および/または固体撮像素子44と、積層基板46の左右の側面の少なくとも一面は、面一に形成されている。ガラスリッド49および/または固体撮像素子44と、積層基板46の左右の側面の少なくとも一面を、面一に形成することにより、撮像モジュール40が小型化した場合にも把持が容易となる。また、
図6に示すように、面一とした面に、接着剤により板状の補強部59を接合しても良い。補強部59の形成により、把持が容易となるとともに、補強部59を接合する接着剤により、ガラスリッド49、固体撮像素子44および積層基板46間の接続強度をさらに向上することができる。
【0048】
積層基板46には、電子部品55が電気的に接続される二つの接続ランド61と、電子部品56が接続される二つの接続ランド62と、画像信号用ケーブル48Bおよび電源用ケーブル48C先端の導体が電気的かつ機械的に接続されるケーブル接続ランド63B、63Cが形成される。また、基板45には、駆動信号用ケーブル48Aおよび電源用ケーブル48C先端の導体が電気的かつ機械的に接続されるケーブル接続ランド63Aおよび63C、ならびに図示されない積層基板46との接続用の接続ランドが形成される。
図3の例では、駆動信号用ケーブル48Aのケーブル接続ランド63A、画像信号用ケーブル48Bのケーブル接続ランド63B、および電源用ケーブル48Cの4つのケーブル接続ランド63Cが設けられており、各信号ケーブル48がはんだ等を介してケーブル接続ランド63に接続可能となっている。積層基板46の下部表面には、基板45と電気的に接続される複数の接続ランド64、65A、65B、66が形成される。積層基板46は、樹脂基板、特に熱可塑性樹脂を使用する樹脂が多層積層された多層樹脂基板であることが好ましいが、凹部に電子部品を実装したセラミックス基板であってもよい。
【0049】
積層基板46の内部には、複数の導体層が積層されている。
図4に示す断面では、導体層67、68、69が示されている。また、積層基板46の内部には、複数のビア71〜76が形成される。導体層67、68、69は、複数のビア71〜76のいずれかと電気的に接続される。実施の形態1において、固体撮像素子44に最も近接するビア71〜73のうち、画像信号用ケーブル48Bが接続されるケーブル接続ランド63Bとの距離が最も短い、ビア71が第1のビアとして機能する。
【0050】
実施の形態1では、
図4中の実線で示すように、画像信号は、固体撮像素子44の画像信号用電極パッド38a−6から、インナーリードを介し基板45に伝送され、接続ランド64、ビア71、および接続ランド61により積層基板46表面に実装される電子部品55に伝送される。画像信号は、電子部品55により増幅された後、積層基板46上の画像信号用配線パターン、ケーブル接続ランド63Bおよび画像信号用ケーブル48Bを経由してプロセッサ10に出力される。画像信号用電極パッド38a−6から出力された画像信号は微弱であり、ノイズによる影響を受けやすいが、固体撮像素子44に最も近接するビアであって、かつ画像信号用電極パッド38a−6に対し、平面視において最も近接した位置の第1のビア、すなわちビア71を介して積層基板46表面の伝送バッファを有する電子部品55に最短距離で入力され、増幅されるため、駆動信号のクロストークによる画像ノイズが発生しにくくなる。ノイズの影響を小さくするために、画像信号用配線パターンは直線的(長さが短くなるよう)に形成することが好ましい。
【0051】
一方、
図4中の点線で示すように、駆動信号用ケーブル48Aから入力された駆動信号は、ケーブル接続ランド63A、駆動信号用配線パターンを介して駆動信号用電極パッド38a−1に入力される。駆動信号は、基板45のみを通って固体撮像素子44に入力され、前述した画像信号とは異なる層(画像信号は主として積層基板46上、駆動信号は基板45上)を介して伝送される。ノイズの影響を小さくするために、駆動信号用配線パターンも直線的(長さが短くなるよう)に形成することが好ましい。実施の形態1では、固体撮像素子44の下部に形成された画像信号用電極パッド38a−6を介して出力される画像信号と、駆動信号用電極パッド38a−1に入力される駆動信号とが、積層基板46内に埋設された電子部品57および58より固体撮像素子44側で分離されて伝送されるため、伝送バッファに入力前の微弱な信号への駆動信号からのクロストークによる影響を低減できる。また、駆動信号は基板45上のみを伝送するため、積層基板46内に駆動信号伝送用のビアを形成する必要がなく、撮像モジュール40を小型化することができる。
【0052】
図7は、
図4のB−B線断面図であるが、実施の形態1では、画像信号用配線パターンは積層基板46の表面の右側(S1)に形成され、駆動信号用配線パターンは基板45上の左側(S2)に形成されている。
図7に示すように、基板45および積層基板46の固体撮像素子44の光軸方向と垂直な断面において、画像信号が伝送される画像信号用配線パターンと、駆動信号が伝送される駆動信号用配線パターンとを結ぶ間に、電子部品57が配置されるため、電子部品57のシールド効果によって画像へのノイズを低減することができる。実施の形態1においては、基板45および積層基板46の固体撮像素子44の光軸方向と垂直な断面において、画像信号が伝送される画像信号用配線パターンと、駆動信号が伝送される駆動信号用配線パターンとを結ぶ間に、電子部品57および58が配置されるが、基板45および積層基板46の固体撮像素子44の光軸方向と垂直な断面の一部において、画像信号が伝送される画像信号用配線パターンと、駆動信号が伝送される駆動信号用配線パターンとを結ぶ間に、少なくとも1つの電子部品が配置されていれば、シールド効果による画像へのノイズを低減することができる。
【0053】
実施の形態1では、駆動信号用電極パッド38a−1と画像信号用電極パッド38a−6が最も離間するように形成され、これより接続される駆動信号用配線パターンおよび画像信号用配線パターンも平面視においても、左右に離間するように形成されるため、画像信号用配線パターンと駆動信号用配線パターンとの空間的距離を確保することができるため、画像へのノイズを低減することができる。
【0054】
実施の形態1では、画像信号がビア71を介し積層基板46表面上の画像信号用配線パターンにより積層基板上の画像信号用ケーブル48Bに出力され、駆動信号が基板45上の駆動信号用ケーブル48Aから基板45上の駆動信号用配線パターンにより伝送されるが、例えば、画像信号が基板45上のみを伝送し、駆動信号が主として積層基板46表面を伝送するものであってもよい。
【0055】
図8は、実施の形態1の変形例1にかかる撮像モジュールを積層方向で平面視した平面図である。撮像モジュール40Aにおいて、駆動信号用ケーブル48Aは、積層基板46表面のケーブル接続ランド63Aに接続され、画像信号用ケーブル48Bは、基板45上のケーブル接続ランド63Bに接続される。
【0056】
変形例1において、画像信号は、固体撮像素子44の画像信号用電極パッド38a−6から、インナーリードを介し基板45に伝送され、基板45上の画像信号用配線パターンのみを通って画像信号用ケーブル48Bに出力される。積層基板46表面上に接続された駆動信号用ケーブル48Aから入力された駆動信号は、積層基板46上の駆動信号用配線パターンおよびビア73を介して、駆動信号用電極パッド38a−1に入力される。変形例1では、固体撮像素子44に最も近接する第1のビアは、ビア73であり、ビア73を介して駆動信号が伝送される。画像信号を増幅する、伝送バッファを備えた電子部品は、基板45上であって、画像信号用電極パッド38a−6に近接して実装されることが好ましい。
【0057】
変形例1においても、実施の形態1と同様に、基板45および積層基板46の固体撮像素子44の光軸方向と垂直な断面の少なくとも一部において、画像信号が伝送される画像信号用配線パターンと、駆動信号が伝送される駆動信号用配線パターンとを結ぶ間に、伝送バッファを備えた電子部品等が配置されるため、電子部品のシールド効果によって画像へのノイズを低減することができる。
【0058】
(実施の形態2)
実施の形態2にかかる撮像モジュールは、駆動信号用ケーブル48A、画像信号用ケーブル48Bおよび電源用ケーブル48Cが、積層基板46上に接続される点で実施の形態1と異なる。
図9は、実施の形態2にかかる撮像モジュールを積層方向で平面視した平面図である。
図10は、
図9のC−C線断面図であり、撮像モジュールを基板45面に対して鉛直、かつ、固体撮像素子44の光軸方向と平行な面で切断した場合の断面図である。
【0059】
実施の形態2の撮像モジュール40Bにおいて、
図10中の実線で示すように、画像信号は、実施の形態1と同様にして画像信号用ケーブル48Bに伝送される。一方、
図10中の点線で示すように、駆動信号用ケーブル48Aから入力された駆動信号は、ケーブル接続ランド63A、およびビア76を介して基板45上に形成された駆動信号用配線パターンに伝送され、駆動信号用電極パッド38a−1に入力される。実施の形態2において、画像信号は、ビア71により、基板45から積層基板46表面上の画像信号用配線パターンに伝送され、駆動信号は、ビア76により、積層基板46から基板45上の駆動信号用配線パターンに伝送される。駆動信号と画像信号は異なる層(画像信号は主として積層基板46上、駆動信号は主として基板45上)を介して伝送される。実施の形態2において、固体撮像素子44に最も近接し、画像信号が伝送される第1のビアは、ビア71であり、固体撮像素子44から最も離間し、かつ前記第1のビアから最も遠位な位置に形成され、駆動信号が伝送される第2のビアはビア76である。
【0060】
実施の形態2の撮像モジュール40Bでは、駆動信号用ケーブル48A、画像信号用ケーブル48Bおよび電源用ケーブル48Cが、積層基板46の表面に接続されるため、接続の際の半田付けの箇所を1ケ所(1回)にまとめることができるため、作業性を向上することができる。また、実施の形態1と同様に、撮像モジュール40Bの基板45および積層基板46の固体撮像素子44の光軸方向と垂直な断面において、画像信号用配線パターンと駆動信号用配線パターンとを結ぶ間に、電子部品57、58が配置されるため、電子部品57および58のシールド効果によって画像へのノイズを低減することができる。
【0061】
また、積層基板46に実装されるすべての電子部品を積層基板46内に埋設させてもよい。
図11は、実施の形態2の変形例1にかかる撮像モジュールの断面図であり、撮像モジュールを基板45面に対して鉛直、かつ、固体撮像素子44の光軸方向と平行な面で切断した場合の断面図である。
【0062】
実施の形態2の変形例1にかかる撮像モジュール40Cは、電子部品55、56、57、58が積層基板46内に埋設されている。
【0063】
変形例1にかかる撮像モジュール40Cにおいて、
図11中の実線で示すように、画像信号は、固体撮像素子44の画像信号用電極パッド38a−6から、インナーリードを介し基板45に伝送され、接続ランド64、ビア71、および接続ランド61を介し、積層基板46内に埋設される電子部品55に伝送される。画像信号は、電子部品55により増幅された後、積層基板46上の画像信号用配線パターン、ケーブル接続ランド63Bおよび画像信号用ケーブル48Bを経由してプロセッサ10に出力される。
【0064】
一方、
図11中の点線で示すように、駆動信号用ケーブル48Aから入力された駆動信号は、ケーブル接続ランド63A、およびビア76を介して基板45上に形成された駆動信号用配線パターンに伝送され、駆動信号用電極パッド38a−1に入力される。変形例1にかかる撮像モジュール40Cにおいて、撮像モジュール40Cの基板45および積層基板46の固体撮像素子44の光軸方向と垂直な断面において、画像信号用配線パターンと駆動信号用配線パターンとを結ぶ間に、電子部品55、56、57、58が配置されるため、電子部品55、56、57、58のシールド効果によって画像へのノイズをより低減することができる。また、実施の形態2と同様に、駆動信号用ケーブル48A、画像信号用ケーブル48Bおよび電源用ケーブル48Cが、積層基板46の表面に接続されるため、接続の際の半田付けの箇所を1ケ所(1回)にまとめることができるため、作業性を向上することができる。
【0065】
あるいは、信号ケーブルの配置スペースの都合上、画像信号用ケーブル48Bの接続ランドを基板45上、駆動信号用ケーブル48Aの接続ランドを積層基板46にそれぞれ形成し、画像信号ケーブル接続を基板45上、駆動信号ケーブル接続を積層基板46上にする場合、画像信号は、固体撮像素子44の画像信号用電極パッド38a−6から、インナーリードを介し基板45に伝送され、接続ランド64、ビア71、および接続ランド61を介し、積層基板46上に実装(あるいは埋設)される電子部品55に伝送され、電子部品55により増幅された後、固体撮像素子44に最も近接したビア(例えばビア72)を介して再度基板45に伝送され、画像信号用ケーブル48Bを経由してプロセッサ10に出力される。一方、駆動信号用ケーブル48Aから入力された駆動信号は、ケーブル接続ランド63A、およびビア76を介して基板45上に形成された駆動信号用配線パターンに伝送され、駆動信号用電極パッド38a−1に入力される。この構成により、画像信号ケーブル48を基板45に接続する場合においても、画像信号が伝送されるビアと駆動信号が伝送されるビアを、埋設される電子部品を挟んで最も遠位に配置することにより画像へのノイズ低減を図ることができる。