(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記中折り部は、集積されたシート束に交差する方から押圧する折りブレードとこの折りブレードによって移動するシート束を折りこむ折りローラ対とから構成され、前記第1の綴じ部の綴じ部材は金属ステープルからなり、この第1の綴じ部と前記第2の綴じ部を選択的に作動させる制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
前記第2の綴じ部は、前記穿孔部によって穿孔されたパンチ孔に一対の脚部からなる紙製ステープルの一方の脚部を貫通し、他方の脚部は背を超えた下流側に位置させ互いに向き合う方向に折り曲げて折りシート束の背を綴じることを特徴とする請求項4に記載のシート処理装置。
前記穿孔部は、折りシート束の背を前記紙製ステープルによって綴じるために穿孔したリング綴じ用パンチ孔と折りシート束をファイリングするために穿孔するファイリング用パンチ孔を穿孔するとともに、前記第1の綴じ装置によってシート束を綴じた場合にはファイリングパンチ孔のみを穿孔することを特徴とする請求項5に記載のシート処理装置。
前記中折り部と第2の綴じ部との間に中折りしたシート束の背の所定位置にパンチ孔を穿孔する穿孔部を配置し、この穿孔部で穿孔したパンチ孔にシート束の背の内側を貫通するように上記紙製ステープルの一方の脚部を位置させたことを特徴とする請求項7記載のシート処理装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下図示の本発明の好適な実施の態様に基づいて本発明を詳述する。
図1は本発明に係わる画像形成装置Aと後処理装置Bを備えた画像形成システムを示す全体構成図であり、
図2は後処理装置Bの詳細構成の説明図である。
【0026】
[画像形成システムの構成]
図1に示す画像形成システムは画像形成装置Aと後処理装置(シート処理装置;以下同様)Bとから構成されている。そして画像形成装置Aの本体排紙口3に後処理装置Bの搬入口23が連結され、画像形成装置Aで画像形成されたシートを後処理装置Bでステープル綴じして第1排紙トレイ21及びサドルトレイ(第2排紙トレイ)22に収納するように構成されている。
【0027】
[画像形成装置の構成]
画像形成装置Aについて
図1に従って説明する。この画像形成装置Aは、給紙部1からシートを画像形成部2に送り、画像形成部2でシートに印刷した後、本体排紙口3から排出するように構成されている。給紙部1は複数サイズのシートが給紙カセット1a、1bに収納してあり、指定されたシートを1枚ずつ分離して画像形成部2に給送する。画像形成部2には例えば静電ドラム4と、その周囲に配置された印字ヘッド(レーザ発光器)5と現像器6と、転写チャージャ7と定着器8が配置されている。画像形成部2は、静電ドラム4上にレーザ発光器5で静電潜像を形成し、これに現像器6でトナーを付着し、転写チャージャ7でシート上に画像を転写し、定着器8で加熱定着し画像形成する。このように画像形成されたシートは本体排紙口3から順次搬出される。図示9は循環経路であり、定着器8から表面側に印刷したシートを、スイッチバック経路10を介して表裏反転した後、再び画像形成部2に給送してシートの裏面側に印刷する両面印刷の経路である。このように両面印刷されたシートはスイッチバック経路10で表裏反転された後本体排紙口3から搬出される。
【0028】
図示11は画像読取装置であり、プラテン12上にセットした原稿シートをスキャンユニット13で走査し、図示しない光電変換素子で電気的に読み取る。この画像データは画像処理部で例えばデジタル処理された後、データ記憶部14に転送され、前記レーザ発光器5に画像信号を送る。また、図示15は原稿送り装置であり、原稿スタッカ16に収容した原稿シートをプラテン12に給送する。
【0029】
上記構成の画像形成装置Aには
図16に示す本体制御部(コントローラ)180が設けられ、コントローラパネル18から画像形成条件、例えばシートサイズ指定、カラー・モノクロ印刷指定、プリント部数指定、片面・両面印刷指定、拡大・縮小印刷指定などの印刷条件が設定される。一方、画像形成装置Aには上記スキャンユニット13で読み取った画像データ或いは外部のネットワークから転送された画像データがデータ貯蔵部17に蓄積される。このデータ貯蔵部17から画像データはバッファメモリ19に転送され、このバッファメモリ19から順次レーザ発光器5にデータ信号が移送されるように構成されている。
【0030】
上記コントローラパネル18からは上述の片面/両面印刷、拡大/縮小印刷、モノクロ/カラー印刷などの画像形成条件と同時に後処理条件も入力指定される。この後処理条件は例えば例えば「プリントアウトモード」「ステープル綴じ仕上げモード」「シート束折り仕上げモード」に設定され、さらに、この「束折り仕上げモード」では「冊子仕上げモード」「中綴じモード」「紙製ステープル綴じモード」「紙製ステープル簡易リング綴じモード」等に設定される。なお、これらのモードについては後述する。
【0031】
[シート処理装置の構成]
本発明に係わる後処理装置としてのシート束処理装置Bは、搬入口23から受け入れたシートに1枚ずつ穿孔処理を施す一枚パンチユニット28を有し、当該一枚パンチユニット28は、前記搬入口23から送出されてくるシートを中綴じ手段と中折り手段へ分岐するシート分岐部から前記端綴じ手段への搬送経路の間に配置される。そして、装置フレームの側面側に配置された第1排紙トレイ21を有し、前記第1排紙トレイ21は、昇降することにより正逆転ローラ30から排出される端綴じ処理されたシート束100と、後述する排出口22xから排出されてくる前記中折り処理されたシート束100とを受け取るように構成される。ここで、当該第1排紙トレイ21は、昇降自在な排紙トレイとなっている。
【0032】
後処理装置Bは、さらに、前記第1排紙トレイ21の下方に配置された第2排紙トレイ22を有し、当該第2排紙トレイ22は、束排出ローラ50から排出されてくるシート束100を受け取る。
【0033】
後処理装置Bは、画像形成装置Aの本体排紙口3から画像形成されたシートを受け入れ、(1)このシートを第1排紙トレイ21に収容するか(前出の「プリントアウトモード」)、(2)本体排紙口3からのシートを束状に部揃えしてステープル綴じした後、第1排紙トレイ21に収納するか(前出の「綴じ仕上げモード」)、(3)本体排紙口3からのシートを束状に部揃えして綴じないで、冊子状に折り畳んで第2排紙トレイ22に収納(前出の「冊子仕上げモード」)するか、(4)本体排紙口3からのシートを束状にシート束100として部揃えしてその中央を金属ステープで中綴じしこの綴じ位置を折り位置として冊子状に折り畳んで背である側を先端100aとして搬送し第2排出トレイに収納(前出の「中綴じモード」)(5)本体排紙口3からのシート束を束状にシート束100として束状に部揃えしてその中央を折り位置として冊子状に折り畳んで背100aを先端として搬送しその背100aの付近を紙製ステープルで綴じて第2排出トレイに収納(前出の「紙製ステープル綴じモード」)するか、(6)本体排紙口3からのシートを束状にシート束100として部揃えしてその中央を折り位置として冊子状に折り畳んで背100aを先端として搬送し、その背100a付近にパンチ孔を穿孔し、このパンチ孔を包むように紙製ステープルで綴じ第2排紙トレイ22に収納(前出の「紙製ステープル簡易リングモード」)する為、以下のように構成されている。
【0034】
後処理装置Bのケーシング(外装カバー)20には搬入口23が設けられ、この搬入口23は画像形成装置Aの本体排紙口3に連結されている。そしてケーシング20内には搬入口23からのシートを部揃え集積して綴じ仕上げする第1処理部BX1と、搬入口23からのシートを部揃え集積して冊子仕上げする第2処理部BX2が設けられている。第1処理部BX1と搬入口23との間には第1搬送経路P1が、また第2処理部BX2と搬入口23との間には第2搬入経路P2がそれぞれ設けられ、搬入口23からのシートを第1処理部BX1と第2処理部BX2に振り分けて案内するようになっている(シート分岐部)。搬入口23には、搬入ローラ24と、シートセンサS1と上記第1又は第2搬入経路P1、P2にシートを振り分ける経路切換手段(フラッパ部材)27が設けられている。
【0035】
第1搬送経路P1にはシート1枚ごとにパンチ孔を穿孔するパンチユニット28と処理トレイ29との間にバッファ経路P3が設けられている。このバッファ経路P3は、前記搬入口23から受け入れたシートを所定の枚数重ね合わせることにより当該シートを所定時間遅延させてから端面綴じステープル装置33側に搬送するための経路である。このためバッファ経路P3は、
図2に示すように、処理トレイ29に至る経路上流側にケーシング20の鉛直方向に第1搬送経路P1から分岐して配置されている。そして第1搬送経路P1からのシートをスイッチバックさせてこの経路に滞留させるようになっている。従って処理トレイ29に部揃え集積したシート束100に後処理(後述の端綴じ処理)を施す際に、搬入口23に送られる後続シートを一時的に滞留させ、所定時間経過し、処理トレイ29の処理シートが搬出された後、この経路の後続シートを処理トレイ29に移送することが可能となる。
【0036】
上記第1搬送経路P1はケーシング20で構成される装置ハウジングの上部に略々水平方向に配置され、この第1搬送経路P1の下流側に第1処理部BX1が、その下流側に第1排紙トレイ21が配置されている。また上記第2搬入経路P2はケーシング20の下部に略々鉛直方向に配置され、この第2搬入経路P2の下流側に第2処理部BX2が配置され、その下流側に第2排紙トレイ(サドルトレイ)22が配置されている。尚、上記第1搬送経路P1には搬入口23と第1処理部BX1の間にシート1枚ごとにパンチ孔を穿孔する一枚パンチユニット28が配置さている。上記第2搬入経路P2には第2処理部BX2と第2排紙トレイ22との間には後述する二つ折りにしたシート束100に一括にパンチ孔を穿孔する一括パンチユニットとその後方には二つ折りにされその背100aを先頭として搬送されてくるシート束100の先端の背100aを包むように紙製ステープル68で綴じることのできる紙製ステープル68が配置されている。
【0037】
上記第1搬送経路P1には経路出口端に排紙ローラとなる正逆転ローラ30が設けられ、この正逆転ローラ30の上流側には排紙センサS2が配置され、この第1搬送経路P1を通過するシートを検出してジャム検出とシートの通過枚数をカウントするように構成されている。そしてこの正逆転ローラ30の下流側に段差を形成して下記の処理トレイ29が配置されている。また、上記第2搬入経路P2には搬送ローラ36が設けられ、その下流側に段差を形成して後述する第2の処理トレイとなるスタッカ部35が配置されている。
【0038】
[第1処理部の構成]
上述の第1処理部BX1は、第1搬送経路P1に配置された処理トレイ29と、この処理トレイ29に配置された端面綴じステープル装置33とで構成されている。
【0039】
[処理トレイの構造]
処理トレイ29は合成樹脂プレートなどで形成され、シートを積載支持するシート支持面を備えている。このシート支持面は排紙ローラ25の排出口の下流側に段差を形成して配置され排紙ローラ25からのシートを積載収納するようになっている。尚、図示のシート支持面は、シートの排紙方向長さより短い長さ寸法に形成され、排紙ローラ25からのシートの後端部を支持し、シート先端部は第1排紙トレイ21の最上シートの上に支持(ブリッジ支持)するようになっている。
【0040】
上記処理トレイ29には、シート端規制手段32が設けられ、排紙ローラ25から排出されるシート後端(又は先端であっても良い)を突き当てて整列する。そして処理トレイ29の上方にはトレイ上に搬入したシートをシート端規制手段32に移送する正逆転ローラ30と、シート押え34cとサイド整合板34bが配置されている。以下主な構成について説明する。
【0041】
[シート端規制手段の構成]
上記処理トレイ29には、搬入されたシートの先後端の一端縁を位置決めするシート端規制手段32が配置されている。
図2に示すシート端規制手段32は、シートの後端縁を突き当て規制するシート端面規制面と、最上シートの上紙面を位置規制するシート上面規制面を有するストッパ部材で構成されている。このシート端規制手段32は処理トレイ29の後端縁に配置され、後述する正逆転ローラ30で移送されるシートの後端縁を突き当て規制して、予め設定されている後処理位置(綴じ位置;以下同様)にシートを位置決めする。
【0042】
[サイド整合手段の構成]
上記処理トレイ29にはシートを幅寄せ整合するサイド整合板34bが配置されている。このサイド整合板34bは排紙ローラ25から処理トレイ29に搬入されたシートのセンターを基準に位置合わせするセンター基準と、シートの左右一側縁を基準に位置合わせするサイド基準のいずれかが採用される。
【0043】
「コーナステープルモード」
また後処理制御部(制御CPU)190は、端面綴じステープル装置33で処理トレイ29上に部揃え集積したシート束100を綴じ合わせる際に、左右のサイド整合板34b対をシート幅方向に所定量移動してオフセットするように構成されている。これは、シートコーナを綴じる際に端面綴じステープル装置33をこの位置に移動する装置構成の場合には、装置がシート幅方向に大型化する。このため図示の装置はコーナステープルモードのときサイド整合板34b対のシフトモータMZ1,MZ2(
図15に記載)を同一方向に同一量駆動することによって処理トレイ上のシート束100をオフセットする。
【0044】
[シート束の搬出手段の構成]
上記処理トレイ29には処理済みシート束100を下流側の第1排紙トレイ21に搬出するシート束100の搬出手段が配置されている。この搬出手段は上記処理トレイ29の底部に配置され、シート束100を把持して移動するグリップ爪33aとこのグリップ爪33aを把持方向または解放方向に移動する駆動アーム34aから構成されている。そして、このグリップ爪は処理トレイ29の基端部(後処理位置)から先端部(束搬出位置)に往復動するように構成されている。
【0045】
[端面綴じステープル装置の構成]
端面綴じステープル装置33は
図3(a)に示すようにステープルドライバ53とクリンチャ42とで構成されている。ステープルドライバ53は綴じ位置にセットされたシート束100にステープル針を刺入するヘッド部材41aと、ステープル針を収容したカートリッジ41bと、ドライブカム41cと、このドライブカム41cを駆動するステープルモータMDとで構成されている。クリンチャ42はシート束100に刺入されたステープル針の先端を折り曲げるための折曲げ溝42aで構成されている。そして端面綴じステープル装置33はステープルドライバ53とクリンチャ42とはユニットフレームに一体に取り付けられている。ステープルドライバ53のヘッド部材41aは、
図3(a)に示すように、上下方向にドライブカム41cで往復動し、内部にフォーマ41f、ベンディングブロック41gが内蔵されている。尚、このフォーマ41f及びベンディングブロック41gの構造は後述する金属ステープルでシート束100の中程を綴じる中綴じステープラ40と同一であるためその構造は
図4に従って後述する。
【0046】
[パンチユニットの構成]
図2に示されるように前述の第1搬送経路P1には、搬入ローラ24と排紙ローラ25との間にシートの1枚一枚にパンチ孔を穿孔する一枚パンチユニット28が配置され、第1搬送経路P1を通過するシートにファイル穴を穿孔するようになっている。この一枚パンチユニット28の構成を説明する。一枚パンチユニット28は、特に図示しないが一枚パンチ駆動カムにパンチ部材が係合し、この駆動カムを駆動モータMXで回転することによって、シートパンチ孔を穿孔する。
【0047】
[第2処理部の構成]
図1に示される第2処理部BX2は前述のように第2搬入経路P2に送られてくるシートを一時集積するほぼ鉛直状態に配置された第2の処理トレイとしてのスタッカ部35と、このスタッカ部35に配置された金属ステープルを使用する中綴じステープラ40と、折り処理機構である折りローラ45、
折りブレード46とで構成されている。以下このスタッカ部35、中綴じステープラ40、折り処理機構である折りローラ45、折りブレード46の順に説明する。
【0048】
[スタッカ部]
上記スタッカ部35は、前述の第2搬入経路P2の下流側に連続して搬入口23から搬送されてくるシートを立位姿勢で順次上方に積載収納するように構成されている。特に
図2示のスタッカ部35は、ケーシング20を縦断するように略々鉛直方向に配置され、シートを立位姿勢で集積するように構成され、これによって装置を小型コンパクトに構成している。また、スタッカ部35は内部に最大サイズシートを収納する長さ形状に形成されている。スタッカ部35は、後述する中綴じステープラ40と折り処理機構(一対の折りローラ45、折りブレード46)を配置するに適した形状に構成されている。そしてスタッカ部35にはシート先端を規制する先端規制部材であるストッパ38が設けられ、この
ストッパ38はシートサイズ(排紙方向の長さ)に応じて、またシートのスタックトレイ搬入時、中綴じステープラ40での綴じ動作時、一対の折りローラ45と折りブレード46で折り動作を行う際に、各々適した位置に移動するようになっている。
【0049】
すなわち
図2に示す最も上昇した位置Sh3は、第2搬送経路P2に配置された搬入ローラ36からシート受け入れるときの位置である。また、位置Sh2はシート束100の搬入方向の中央を中綴じステープラ40が金属ステープルで綴じ動作を行うときの位置である。さらに位置Sh3は折りブレード46によって一対の折りローラ45側にシート束100を押して折りローラ45によってシート束100を二つ折りにする位置である。この位置は先に中綴じステープラ40により綴じられた位置を折りこむ位置に設定されている。なお、
図2に示すようにスタッカ部35に搬入されるシートを整合するシート側縁整合部材39が図示手前と奥側に配置してある。
【0050】
[中綴じステープルユニット]
上述のスタッカ部35には金属ステープルで綴じ中綴じ処理を行う中綴じステープラ40が配置され、このスタッカ部35に部揃え集積されたシート束100の中央部をステープル綴じするようになっている。その構成を
図4(a)(b)に基づいて説明する。この中綴じステープラ40はステープルドライバ53とクリンチャ42とで構成されている。ステープルドライバ53は綴じ位置にセットされたシート束100に金属のステープル針を刺入するヘッド部材41aと、ステープル針を収容したカートリッジ41bと、ドライブカム41cと、このドライブカム41cを駆動するステープルモータMDとで構成されている。上記ステープルドライバ53はフレームのヘッド部材41aに
図4(b)に示すようにドライバ部材41eとフォーマ41fとベンディングブロック41gが上下にこの順に内蔵されている。そしてドライバ部材41eとフォーマ41fとは上死点と下死点との間で上下往復動するようにヘッド部材41aに上下摺動自在に支持され、ベンディングブロック41gは直線状のステープル針をコの字状に折り曲げる成形型としてヘッド部材41aに固定されている。
【0051】
またフレームにはステープル針を内蔵したカートリッジ41bが内部に装着され、上記ベンディングブロック41gに金属性のステープル針を順次供給する。上記ドライバ部材41eとフォーマ41fとはフレームに揺動自在に取り付けられたドライブレバー41dに連結され、上死点と下死点との間で上下駆動される。上記フレームにはドライブレバー41dを上下駆動する蓄勢スプリング(不図示)が設けられ、この蓄勢スプリングに蓄力するドライブカム41cと、このドライブカム41cを駆動するステープルモータMDが設けられている。
【0052】
上述のステープルドライバ53とシート束100を挟んで対向する位置にクリンチャ42が配置されている。図示のクリンチャ42はステープルドライバ53と分離した構造体で構成され、ステープルドライバ53でシート束100に刺入された金属製のステープル針の針先を折り曲げる。このためクリンチャ42はステープル針の先端を折り曲げる折曲げ溝42aを備えている。特に図示のクリンチャ42はスタッカ部35に集積されたシート束100の幅方向2個所以上に複数の折曲げ溝42a1、42a2が設けられ、この位置に移動するステープルドライバ53でシート幅方向の複数個所をステープル綴じすることを特徴としている。このように構成することによってスタッカ部35に支持されたシート束100に対してクリンチャ42を移動することなく固定した状態で左右2個所をステープル綴じすることができる。
【0053】
この他、クリンチャ42としてはステープル針の針先を折り曲げるウイング部材(不図示)を設け、このウイング部材をステープルドライバ53でシート束100に刺入される針先と連動(同期)して揺動回転させる構成を採用することも可能である。この場合はクリンチャ42のフレームに一対の折曲げウイングをコの字状の針両端に対向する位置に揺動可能に軸支持する。そしてステープルドライバ53でステープル針をシート束100に刺入する動作に連動して一対の折曲げウイングを揺動させる。この一対のウイングの揺動でステープル針の針先端はシート束100の裏面に沿ってフラットな状態で折り曲げられる。つまり前述の折曲げ溝で折り曲げると針先端はU字状に折り曲げられた状態(メガネクリンチ)となり、後述のウイング部材で折り曲げると針先端は直線的に折り曲げられた状態(フラットクリンチ)となる。本発明はそのいずれの構成も採用可能である。
【0054】
このような構成によってヘッド部材41aに内蔵されたドライバ部材41eとフォーマ41fはステープルモータMDの回転でドライブカム41cが蓄勢性スプリングを介してドライブレバー41dを上方の上死点から下方の下死点に押下する。このドライブレバー41dの下降動作でこれに連結されたドライバ部材41eとフォーマ41fが上死点から下死点に移動する。ドライバ部材41eはコの字状に折り曲げられたステープル針の背部を押下するように板状部材で構成され、フォーマ41fは
図4(b)に示すようにコの字状の部材で構成されベンディングブロック41gとの間でステープル針をコの字状に折り曲げる。つまり前述のカートリッジ41bから金属製のステープル針がベンディングブロック41gに供給される。この直線状の金属製のステープル針は、フォーマ41fとベンディングブロック41gとの間でコの字状にプレス成型される。次いでこのコの字状に折り曲げられたステープル針は、ドライバ部材41eがシート束100に向けて勢いよく押下することによって針をシート束100に刺入する。
【0055】
[折り処理機構]
図2に示すように、上述の中綴じステープラ40の下流側に配置された折り位置にはシート束100を折り合わせる一対の折りローラ45とこの折りローラ45のニップ位置にシート束100を挿入する折りブレード46が備えられている。折りローラ45は
図5に示すように互いにスプリング45as、45bsの弾性力で圧接した一対の折りローラ45で構成され、各ローラは略々最大シートの幅長さに形成されている。
【0056】
上記一対の折りローラ45はゴムローラなどの各的摩擦係数の大きい材料で形成されている。これはゴムなどの軟質材によってシートを折曲げながら回転方向に移送する為であり、ゴム質材をライニング加工することによって形成しても良い。この折りローラ45には凹凸形状に形成されシート値幅方向にギャップが形成してある。このギャップは後述する折りブレード46の凹凸と一致するように配置してあり、折りブレード先端のナイフエッジ142がローラニップ間に進入し易いように配慮してある。つまり一対の互いに圧接した折りローラ45にはシート幅方向に間隙(ギャップ)を有する凹凸形状に形成され、この間隙にシートのステープル綴じ個所と、同様に凹凸形状に形成した折りブレード46の刃先が進入するようになっている。
【0057】
次に上述の折りローラ45でシートを折り合わせる動作を
図5(a)乃至(d)に従って説明する。この一対の折りローラ46a、46bは前記スタッカ部35の中程に位置し、スタッカ部35に支持されたシート束100を挟んで対向する位置にナイフエッジ142を有する折りブレード46が設けられている。この折りブレード46は
図5(a)の待機位置から同図(c)のニップ位置との間で往復動可能に装置フレームに支持されている。
【0058】
そこで前記スタッカ部35に束状に支持されたシート束100は同図(a)の状態で先端のストッパ38に係止され、その折り目位置を金属製のステープルで綴じられた状態で折り位置に位置決めされる。このシート束100のセット終了信号を得て、駆動制御手段(後述の「シート束折り動作制御部206」;以下同様)は、クラッチ手段をOFFする。
【0059】
そこでシート束折り動作制御部206は折りブレード46を待機位置からニップ位置に向かって所定速度で移動する。そこで
図5(b)の状態にシート束100は折り目位置を折りブレード46によって屈曲されローラ間に挿入される。このとき一対の折りローラ45は、夫々折りブレード46によって移動するシートに連なって従動回転する。そしてシート束折り動作制御部206はシート束が所定のニップ位置に到達する見込み時間の後、ブレード駆動モータ(不図示)を停止し、折りブレード46を同図(c)の位置で静止させる。これと前後してシート束折り動作制御部206はクラッチ手段をON状態に切換えて折りローラ45を駆動回転する。
するとシート束100は繰り出し方向(同図左側)に送り出される。その後、シート束折り動作制御部206は同図(d)の状態に折りローラ45によるシート束100の繰り出しと並行してニップ位置に位置する折りブレード46を待機位置に向けて移動復帰させる。
【0060】
このように折り合わされたシート束100は、まず一対の折りローラ45間に喰え込まれる際に、ローラ表面と接するシートが回転するローラによってローラ間に引き込まれることがない。つまり折りローラ45は挿入される(押し込まれる)シートに追随(従動)して回転するため、ローラと接するシートのみが先に巻き込まれることがない。またこの挿入されるシートにローラが追随して従動回転するため、ローラ表面とこれと接するシートが擦れることがなく、画像擦れを招くことがない。
【0061】
再び
図2に戻って、前述の折りローラ45の下流側には折りシート束とした冊子を収納する第2排紙トレイ22に折シートを案内するシート移送経路(以下「移送経路」という)58が設けられ、折りローラ45で冊子状に二つに折り合わせたシート束100を第2排紙トレイ22に搬出する。そこで移送経路58には二つ折りシート束100に一括にパンチ孔を穿孔する穿孔部としての一括パンチユニット59とさらにその下流に二つ折りシート束100の先端100aに後述する紙製ステープル68で綴じる紙製ステープラ60が配置されている。またこの移送経路58には一括パンチユニット59と紙製ステープラ60との間には二つ折りしたシート束100の折りをより確実にするための折り方向(重ね合わせ方向)に加圧するパンチ後加圧ローラ48とステープル後の加圧ローラ49が配置されている。従って、折りローラ45、第1の加圧ローラとしてのパンチ後加圧ローラ48、第2の加圧ローラとしての加圧ローラ49のそれぞれが二つ折りシート束100の搬送手段を構成している。なや、本発明のシート束の先端は先端から多少間隔のある先端側でもよい。
【0062】
[一括パンチユニット]
まず、折りローラ45で二つ折りにされたシート束に一括にパンチ孔を穿孔する一括パンチユニット59について
図6により説明する。
図6(a)は側面図、
図6(b)はシート束100の搬送方向からの断面図である。
図6(a)に示されるようにこの一括パンチユニット59はパンチ刃153等の穿孔機構を配置した上ガイド164とパンチ刃153を貫通させるダイ155とパンチ屑収納部が配置された下ガイド165から構成されている。
【0063】
上ガイド164内には、パンチモータ162によって回動する駆動軸158と、この駆動軸158に固設された駆動カム163が設けられている。この駆動カム163にはその先端がパンチ刃153に取り付けられた作動アーム169が常時係合するように取り付けられている。この作動アーム169は上ガイド164に取り付けられたアーム支持フレーム168の回転軸を中心に回動するように取り付けられている。パンチ刃153と作動アーム169とは作動アーム169の先端にもけられた長穴173にパンチ刃153に設けられたピンが嵌合するように取り付けられている。作動アーム169の他端は駆動カム163にコロを介して当接している。図示しないスプリングでコロ171を駆動カム163に負勢してこの当接させている。アーム支持フレーム168にはパンチ刃153の上下の移動を案内するパンチ刃ガイド154が設けられている。
【0064】
一方、下ガイド165にはパンチ刃153が貫通するダイ155と、パンチ刃153がダイ155を貫通してシート束100にパンチ孔を穿孔し、このパンチ孔のパンチ屑を収納するパンチ屑収納部166が下ガイド165に取りだし可能となっている。
【0065】
図6(b)は一括パンチユニット59のシート束100の搬送方向からの断面図であり。もっとも端部にパンチモータ162が配置されている。このパンチモータ162からの駆動は、パンチ支持フレーム167に取り付けられた入口ギア159及びギア列を介して駆動カム163を回動する駆動軸158に入力される。この駆動軸158の回転は上述したように駆動カム163を回動しパンチ刃153を上下動する。
【0066】
尚、この駆動カム163の位相は内側二つのパンチユニット(fp)152と
これらの両側のパンチユニット(rp)
151とで異ならせて設定されている。これは折りシート束100の先端100aに後述する紙製ステープル68を貫通させる簡易リング用のパンチ孔(rp)を穿孔する場合と、ファイルに二つ折りシート束100をファイリングするためにパンチ孔(fp)を穿孔する場合に、それぞれが独立に穿孔動作をするためのものである。従って、外側の二つのパンチユニットがリング用パンチユニット(rp)となり、外側二つのパンチユニットがファイリング用パンチユニット(fp)となる。なお、折りブレード46と折りローラ45によって二つ折りにされたシート束100は上ガイド164と下ガイド165の間を折りローラによって搬送され、パンチ孔を穿孔するときにはこのシート束100を一括して穿孔する。
ところで、この一括パンチユニット59の下流側には前述したように、一括パンチユニット59から移送されてくる二つ折りしたシート束100の折りをより確実にするため、折り方向(重ね合わせ方向)に加圧するパンチ後加圧ローラ48がシート束100の搬送方向交差する方向に設けられている。
【0067】
[紙製ステープラの構成]
次に、一括パンチユニット59及びパンチ後加圧ローラ48の下流側に位置する紙製ステープル68で二つ折りにしたシート束100の背100a側を綴じる紙製ステープラ60について説明する。
図7は紙製ステープラ60の構成図、
図8は二つ折りにしたシート束100の先端の背部分に一括パンチユニット59でリング用パンチに紙製ステープル68を貫通させる説明図、
図9は紙製ステープル68の説明図、
図10は
図7の他の実施例の紙製ステープラ60の説明図である。
【0068】
なお、紙製ステープラ60に装填されてシート束を綴じる紙製ステープル68の構成は後述するが、本出願で言う紙製ステープル68とは紙で作成されたシート束を綴じるステープル針である。ここでの紙製ステープルは全くの紙材料のみでなく、紙と同等の柔軟性と紙類と分別することなく廃棄できるなどの環境対応がある材料であれば薄プラスチック材等であってもよい。
【0069】
まず、
図7に示したドライバ53とクリンチャユニット57が非分離タイプの紙製ステープラ60の概要について説明する。紙製ステープラ60は、ステープル駆動を行う駆動モータ56の下方に位置してシート束100が挿入されるシート挿入口107等を有するフレーム108と、駆動モータ56及びフレーム108を支えるベース109とを備えて構成される。
【0070】
駆動モータ56は、図
7に示すように、フレーム108の上部に回転可能に取り付けられている。駆動モータ56は、綴じ動作を行う際にドライバカム52を回転する。また、後述するフレーム108のステープルホルダ111への紙製ステープル68個々を連接させたローラ状紙製ステープル70の装填等を行う際には、駆動モータ56の左側のステープルカバー106を解放させることにより、フレーム108の上面が開いた状態となる。
【0071】
フレーム108は、後端部にローラ状紙製ステープル70を装填するステープル装填部としてステープルカートリッジ51を備える。更にフレーム108はステープルホルダ111から前方へ向けて、紙製ステープル68の搬送を行うステープル搬送部として略平面状の搬送路113を備える。搬送路113の左右には図示されていない板バネが備えられている。
【0072】
またフレーム108は、搬送路113の前端部の近傍に、駆動モータ56の駆動によりドライバカム52を回転し、紙製ステープル68の切断及び略コ字状への成型を行うためのステープル切断成型部としてフォーミングプレート115を備える。フォーミングプレート115は切断、成型をおこなう。更にフレーム108は、駆動モータ56の駆動により、紙製ステープル68の綴じシート束100に対する貫通を行うためのステープル貫通部としてドライバユニット69を備える。ドライバユニット69はシートに孔を貫通させるカッタ刃71を上下動するドライバ53が位置している。更にフレーム108は、紙製ステープル68の切断、成型及び貫通を行う際に、綴じシートを押さえるためのシート押さえ119を備える。
【0073】
また、フレーム108は、搬送路113の下部に、前述した紙製ステープル68の切断及び成型を行う位置から紙製ステープル68のシート束100への貫通を行う位置へ紙製ステープル68を移動させるための移動機構として、バネにより前方へ付勢されたプッシャ117を備える。フォーミングプレート115、ドライバ53、シート押さえ119及びプッシャ117の下方には、綴じ対象の綴じシート束が挿入されるシート挿入口107及び綴じシートが設置されるテーブル120を備える。
【0074】
テーブル120の下部には、貫通位置で綴じシート束100貫通後、紙製ステープル68の両方の脚部61、62をシート束100に沿って折り曲げ、折り曲げた両方の脚部61、62を貼り合わるための折り曲げ部を備える。紙製ステープラ60折り曲げ部として、クリンチャユニット57、押し出しユニット124及びクリンチャスライダ123を備え、この押し出しユニットとスライダ126を適宜のタイミングによりクリンチャモータ122で移動させる。紙製ステープラ60は折り曲げ部として、クリンチャベース130に、クリンチャセンター127及びクリンチャレフト128を支持して位置を定めるクリンチャリフタ129等からなるクリンチャユニット57を備える。
【0075】
紙製ステープラ60は、このような構成を備え、シート挿入口107内でテーブル120に設置されたシート束100を駆動モータ56の動作に基づいてドライバユニット69を移動する。そして、シート束100に孔を貫通させ合わせて紙製ステープル68をこの孔に差し入れて綴じる作業を行うものである。
【0076】
[カッタ刃の動作説明]
図8は
図7に示されたドライバ53の先端でシート束に紙製ステープル68を貫通させるために設けられたカッタ刃71及びその動作を示した図である。
なお、このシート束100は紙製ステープラ60の上流側に位置する一括パンチユニット59で折りシート束先端100aにリング用のパンチ孔(rp)が穿孔されている。このリング用パンチ孔に一対のステープル脚部61、62の一方側の脚部62をこのリングパンチ孔(rp)に貫通させ、他方の脚部61は二つ折りシート束100の先端100aの外側に位置させている状態を示している。
【0077】
図8(a)はフォーミングプレート115によりコの字形状に形成された紙製ステープル68をカッタ刃71にプッシャ117でセットした状態を示している。
図8(b)は、このカッタ刃71に紙製ステープル68がセットされた状態で下降した状態を示している。カッタ刃71は紙製ステープル68を保持したままシート束100のリング用パンチ孔に一方の脚部62が挿入した状態となる。一方、他方の脚部61は折りシート束100の先端100aを超えた位置で下降する状態を示している。その後、押し出しユニット124及びクリンチャユニット57により紙製ステープル68の脚部61、62を内側に折り曲げるとともに相互に接合する。この動作に合わせてドライバ53は上昇復帰を行うとシート束100を紙製ステープル68で綴じる。
【0078】
一方、カッタ刃71は
図8(c)に示すように元の位置に復帰し、次の紙製ステープル68の装着を待つ。このようにしてシート束100の先端100aを綴じていく。
従って、リング用のパンチ孔(rp)を一括パンチユニット59で穿孔した場合は
図14(a)に示す簡易リング綴じのシート束となり、パンチ孔を穿孔しない場合は
図14(b)に示す紙製ステープルで綴じた折りシート束100となる。
図14(c)は、紙製ステープル68のみで折りシート束を綴じた状態を示している。なお、紙製ステープラ60の各部の構成の詳細は引用文献3に詳しいので、ここでの説明を省略する。
【0079】
[紙製ステープルの構成]
ここで本願の紙製ステープラ60に装填される紙製ステープル68について
図9を用いて説明する。
図9(a)はステープルホルダ111に装填されるロール状紙製ステープル70を展開した平面状態の紙製ステープル68を示している。また、
図9(b)は紙製ステープル68を略コ字状に成型した状態を示す斜視図である。これらは例えば以下のような構成となる。尚、基本の形態は従来の引用文献3に詳しい。
【0080】
まず、
図9(a)に示すように、細長く略真直状の形状を有する紙製ステープル68が並列に複数連結されて構成される。各紙製ステープル68は、例えば、
図9(a)の上下方向(紙製ステープル68の連結方向)の幅は6〜12mm程度であり、
図12(a)の左右方向(ステープルの長手方向)の幅は25〜50mm程度である。各紙製ステープル68の長手方向の端部近傍は台形状に形成されており、先端に向かうにつれて幅が狭くなる。また、各紙製ステープル68の長手方向の端部近傍の裏面には、接着剤が塗布された接着部63を備える。
【0081】
また、各紙製ステープル68が連接して連結される辺の両端部から所定の位置には、楕円状の送り孔が設けられている。二つの送り孔の間はスリット部として、各紙製ステープル68は完全に切り離されている。二つの送り孔の外側で、各紙製ステープル68が連結される辺の両端部までが、連接連結部67として各紙製ステープル68が連結された状態となる。なお送り孔は、ステープラ側の送り爪が係合して徐々に送られる。
【0082】
この紙製ステープル68はこのステープルの長手方向で脚部をつなぐステープル脚部連結部68aのほぼ中央位置に各紙製ステープル内側に切り込んだ折り位置スリット部64を設けている。これは後述する折り処理においてシート束100とともにこの紙製ステープル68も折りを施す際に折り処理を確実に行うように紙製ステープル自体を折りやすくするためのものである。
【0083】
また、紙製ステープラ60により、
図9(a)に示すように繋がった状態のステープルから紙製ステープル68が切り離されて
図9(b)に示すように、ステープル脚部連結部68aとこのステープル脚部連結部68aの左右から略直角にステープル脚部61、62が折り曲げられた略コ字状に成型される。
【0084】
その後略コ字状に成型された紙製ステープル68は、すでに説明したように
図8の順に、シート束100を貫通した一方の脚部62とシート束100の先端100a前方を移動した他方の脚部61が夫々互いに向き合う方向に折り曲げられ、一方の脚部61と接着部63を有する他方の脚部62がそれぞれ貼り合わされる。
【0085】
図9に示す紙製ステープル68は、長手方向の一方の脚部62の裏面に接着部63を備えるとしたが、両方の脚部61、62の裏面夫々に接着部63を備えてもよい。この場合、接着部63はシート束の裏面に脚部62が接着されるとともに、脚部62の裏面に脚部61の接着部63で接着されより接合が強くなる。この紙製ステープル68においてもステープル脚部連結部68aに折り位置スリット部64が設けられているので折り処理が確実になされる。
【0086】
[紙製ステープラの他の実施例/上下分離タイプ〉
ここまでは、紙製ステープラ60のドライバユニット69側とクリンチャユニット57側が分離していない非分離タイプのものを説明した。これは紙製ステープル68のステープル脚部連結部68aの向きがシート搬送方向と同一方向に設定されシートの折り位置を跨ぐよう綴じ位置を設定することから非分離タイプでも構成できるものである。しかし、別の形態のものとして
図10に示すようなドライバユニット69側とクリンチャユニット57側が分離した分離タイプのものであればシート束の幅方向の制限なく紙幅方向中央の近くに設定することができる。
【0087】
この分離タイプについて説明する。尚、
図7に示した非分離タイプと同一機能のものは同一番号として詳しい説明を省略する。まず、
図10において、ドライバユニット69側とクリンチャユニット57側を上下完全に切り離したものである。このためドライバユニット69の機構であるドライバ53等は、上シートガイドを兼ねるベース109に載置されている。またクリンチャユニット57側の機構部はクリンチャベース130に載置されている。従って、折りシート束100は
図10の奥側から手前側に120に沿って搬送されて綴じられる。その他の機構は前出の
図7の紙製ステープラ60と同様なので説明を省略する。
【0088】
[一括パンチから紙製ステープラまでの平面配置]
次に、
図11によって
図2に示す一対の折りローラ45の下流側に配置された一括パンチユニット59、シート束100の搬送方向交差する方向に設けられたパンチ後加圧ローラ48、紙製ステープラ60、シート束100の搬送方向交差する方向に設けられた加圧ローラ49、束の排出する束排出ローラ50までの平面配置を説明する。
図11は折りローラ45によって二つ折りにされたシート束100が搬送され紙製ステープラ60の綴じ位置にその折り部である背100aが位置している状態を示している。
【0089】
まず、折りローラ45の下流側には一括パンチユニット59が位置し、シート束100の背100a付近に紙製ステープル68を貫通させるリング用パンチ孔(fp)をパンチ刃153でシート束の幅方向両側に穿孔する。シート束幅の中央よりにはパンチ刃153でファイリング用パンチ孔(fp)を穿孔する。これらのパンチ刃153の下流側には穿孔したパンチ孔を押圧する領域にシート束を表裏から押圧するパンチ後加圧ローラ48が配置してある。このパンチ後加圧ローラ48は二つ折りシート束100の折りをより確実に押圧することと、また、パンチ刃153によって穿孔されたパンチ孔fp、rpに穿孔した際に生じたパンチ孔周辺のバリや突起を押圧して平坦にするようにしている。これによりパンチ孔fp、rpが穿孔されたシート束100が搬送される際にパンチ孔のバリや突起が移送経路58途中で引っかかり等を少なくすることができる。このパンチ後加圧ローラ48は、特に図示していないがこのローラ軸をバネにより加圧されている。
【0090】
パンチ後加圧ローラ48の下流側には折りシート束の搬送位置を揃えるシート束整合ガイド74がシート束の両側から押圧し搬送位置がずれないようにしている。この下流側には適宜のキャリッジ43に載置された紙製ステープラ60が図示左右両側に載置されている。尚、この紙製ステープラ60については
図7以降で説明したので省略するが、
図11では、紙製ステープル68をロール状態で収納するステープルカートリッジ51、カッタ刃71を打ち込むドライバ53、このドライバ53を移動するドライバカム52、このドライバカム52を、伝達ベルト55を介して回動する駆動モータ56が示されている。
【0091】
そして、折りシート束100の先端の背100aがカッタ刃71の搬送方向のほぼ中央で一括パンチユニット59により穿孔されたリング用パンチ孔に位置したときシート束100の搬送を停止し、紙製ステープル68によって
図8に示すように綴じられる。この紙製ステープル68によって綴じが完了する再び排出口22xに向けて搬送される。この紙製ステープラ60の下流側には二つ折りシート束100の折りを確実にするように前述のパンチ後加圧ローラ48と同様な加圧ローラ49が設けられている。またこの加圧ローラ49の下流側には束排出ローラ50が設けられている。この加圧ローラ49と束排出ローラ50は
図11に示したように紙製ステープル68によってリングパンチ孔(rp)を貫通させてシート束100を綴じた位置を避けて加圧するように設定している。先ほどのパンチ後加圧ローラ48は一括パンチユニット59で穿孔したパンチ孔(rp、fp)を加圧するようにローラが位置していたが、加圧ローラ49及び束排出ローラ50は紙製ステープル68との引っかかりをなくすために綴じ位置を避けて加圧ローラ49と束排出ローラ50を位置させており、これにより綴じの剥がれなどが防止できる。
【0092】
[一括パンチから簡易リング綴じまでの動作説明]
次に、上述の構成による穿孔部としての一括パンチユニット59から紙製ステープル68による綴じ部までの動作を
図12から
図13までの図により説明する。
図12(a)は、折りブレード46と折りローラ45で二つ折りにされたシート束100が折り側である背100aを先頭として一括パンチユニット59内に折りローラ45で搬送される。図示しない先端検知センサで折りシート束100の先端100aを検出後、紙製ステープル68の一方が貫通する位置でシート束100を停止する。
【0093】
次に、
図12(b)ではこの停止したシート束の背100aの近傍の前記所定の位置をパンチ刃153で折り状態のまま穿孔する。このパンチ孔の穿孔は、
図6で説明したように駆動カム163を回転させ、作動アーム169を下方に移動し、これによりパンチ刃153も下方に移動してパンチ孔を穿孔する。その後駆動カム163を回転させると今度はパンチ刃153ハ上昇しその位置で駆動カム163を停止させる。その後、折りローラ45を再び計方向に回転すると折りシート束100はパンチ後加圧ローラ48の回転により下流側に搬送される。 なお、パンチ刃153の下方には166パンチ屑収容部が配置されている。
【0094】
図12(c)では、折りシート束100はパンチ後加圧ローラ48で加圧されその先端であるシート束の背100aがカッタ刃71の間に至るとシート束100の移動を停止する。その背100aにカッタ刃71が
図8(a)から
図8(b)の状態に移動し、紙製ステープル68の一方の脚部62はリング用パンチ孔(rp)に挿入され、他方の脚部61は背100aの前方を下方に移動する。
【0095】
その後
図13(a)に示すように、カッタ刃71が上昇する一方紙製ステープル68は
図8(c)に示されるように、シート束100の背100aを紙製ステープル68により簡易リング形状に綴じられることになる。この紙製ステープル68で背100aを綴じられたシート束は加圧ローラ49でその上下から加圧された状態で束排出ローラ50に至り第2の排紙トレイに向けて排出される。
尚、
図8(c)の一方の脚部61と他方の脚部62の重なりを
図8(c)と逆(脚部61が脚部62の下方に位置させその間に接着部63を介在させて接着)すれば、シート束100の搬送の際にこれら脚部の剥がれが少なくなる。
【0096】
「各種ステープル冊子」
ここで
図14および
図15により、金属製のステープルを用いた中綴じステープラ及び紙製ステープラ60により紙製ステープル68を用いてシート束100の背100aを綴じた状態の冊子を説明する。14図(a)に示す綴じ冊子は折りローラ45により二つ折りにした後一括パンチユニット59によりリング用パンチ孔(rp)とファイリング用パンチ孔(fp)を穿孔し、紙製ステープラ60によって紙製ステープル68をリング用パンチ孔(rp)に貫通させて綴じたものである。これによれば、簡易のリング形態の綴じ冊子が生成できる。
図14(b)の冊子は一括パンチユニット59を作動させずに紙製ステープル68のみでシート束100の背100aを綴じたものを示している。このものにあってはシート束にパンチ孔等を穿孔せずに比較的強固に金属ステープルを使用することなく環境に配慮した冊子が提供できる。
【0097】
図15(a)に示す冊子は、
図14(b)の冊子
と同様に一括パンチユニット59を作動させずに紙製ステープル68のみでシート束100の背100aの上方側のみを綴じたものを示している。これは
図11の紙製ステープラ60
のみを作動させることによって作成できる。
図15(b)に示す冊子は
図14(a)、
図14(b)、
図15(a)のように紙製ステープル68を使用することなく、金属性ステープルを中綴じステープラ40で打ち込んで折りを実行後一括パンチユニット59でファイリングパンチ孔(fp)を穿孔した冊子である。このものはシート束10
0を金属ステープ40aで綴じた後にファイリング用パンチ孔(fp)を穿孔するので、パンチ孔がずれることが少ない。
以上のように、本発明の装置は、生成される中綴じ冊子がバリエーションある冊子を環境等に配慮して提供することができる。
【0098】
[収納部22]
前述のケーシング20の側壁には第1排紙トレイ21と第2排紙トレイ22が
図2に示すように上下に配置され、第1排紙トレイ21は第1処理部BX1から綴じ処理されたシート束を収納するように処理トレイ29の下流側に配置されている。第2排紙トレイ22は排出口22xを備え、第2処理部BX2から冊子状に処理されたシート束100を収納するようにスタッカ部35の下流側に配置されている。
そして第1排紙トレイ21は処理トレイ29の出口端(トレイ排紙口)に連結されるように隣接され、第2排紙トレイ22はスタッカ部35に折りローラ45からなる折り処理部とここで二つ折りにされたシート束100にパンチ孔を穿孔する一括パンチユニット59と紙製ステープラ60を介して下流側に配置されている。
【0099】
[制御構成の説明]
上述した画像形成システムの制御構成を
図16のブロック図に従って説明する。
図1に示す画像形成システムは画像形成装置Aの制御部(以下「本体制御部」という)180と後処理装置Bの制御部(以下「後処理制御部」という)190を備えている。本体制御部180は画像形成制御部181と給紙制御部182と入力部183を備えている。そしてこの入力部183に設けられたコントローラパネル18から「画像形成モード」「後処理モード」の設定を行う。画像形成モードは前述したように、プリントアウト部数、シートサイズ、カラー・モノクロ印刷、拡大・縮小印刷、両面・片面印刷、その他の画像形成条件を設定する。そして本体制御部180はこの設定された画像形成条件に応じて画像形成制御部181及び給紙制御部182を制御し、所定のシートに画像形成した後本体排紙口3からシートを順次搬出する。
【0100】
これと同時にコントローラパネル18からの入力で後処理モードが設定される。この後処理モードは、例えば「プリントアウトモード」「ステープル綴じ仕上げモード」「シート束折り仕上げモード」に設定され、さらに、この「束折り仕上げモード」では「冊子仕上げモード」「中綴じモード」「紙製ステープル綴じモード」「紙製ステープル簡易リング綴じモード」等に設定される。そこで本体制御部180は後処理制御部190に後処理の仕上げモードとシート枚数、部数上方と綴じモード(1個所止綴じか2個所以上複数綴じか、金属ステープル綴じか、紙製ステープル綴じか)情報を転送する。これと同時に本体制御部180は画像形成の終了毎にジョブ終了信号を後処理制御部190に転送する。
【0101】
後処理制御部190は、指定された仕上げモードに応じて後処理装置Bを動作させる制御CPU191と、動作プログラムを記憶したROM192と、制御データを記憶するRAM193を備えている。そしてこの制御CPU191は、搬入口23に送られたシートの搬送を実行するシート搬送制御部196と、シートの集積動作を実行するシート集積動作制御部197と、シート綴じ処理を実行する綴じ動作制御部202と、シートの束折り動作を実行するシート束折り動作制御部206と、折りシート束100に一括のパンチを行う一括パンチ制御部207と、さらにシート束の先端の背100aに紙製ステープルを行うリング綴じ制御部209とを備えている。
【0102】
上記シート搬送制御部196は前述の第1搬送経路P1の搬入ローラ24、排紙ローラ25の駆動モータ(不図示)の制御回路に連結され、またこの搬入経路に配置されたシートセンサS1からの検知信号を受信するように構成されている。また、処理トレイ29にシートを集積するために前記正逆転ローラ30の正逆転モータMYに結線されている。上記シート集積動作制御部198は、処理トレイ上のシートを整合する左右一対のサイド整合板34bのシフトモータMZ1、MZ2に結線され、更に上記綴じ動作制御部202は、処理トレイ29の端面綴じステープル装置33とスタッカ部35の中綴じステープラ40に内蔵された駆動モータMDの駆動回路に結線されている。
【0103】
上記シート束折り動作制御部206は、前記折りローラ45を駆動回転する駆動モータの駆動回路と、クラッチ手段の駆動回路に結線されている。またこのシート束折り動作制御部206は、前述の第2搬入経路P2の搬送ローラ36及びスタッカ部35の先端のストッパ38を所定位置に移動制御するシフト手段の制御回路に結線されている。また、これらの経路に配置したシートセンサから検知信号を受信するように結線されている。
【0104】
折り処理されたシート束100の一括パンチ制御部207はエンコーダセンサ160を含んだパンチカム位置制御手段208は、パンチ刃153を昇降させる駆動カム163を駆動回動する一括パンチモータ162の駆動回路と結線されている。また、特に図示していないがシート束100の先端100aの位置を検出するセンサからの検知信号を受信するように構成されている。
【0105】
また、シート束100の先端である背100aに紙製ステープル68を綴じるリング綴じ制御部209は、紙製ステープラ制御手段210を含み紙製ステープル68をシート束100に打ち込むドライバ53を移動させる駆動モータ56及び打ち込まれた紙製ステープル68の脚部61、62を互いに向き合う方向に折り曲げて接合するクリンチャユニット57を作動するクリンチャモータ122に結線されている。
【0106】
上述のように構成された制御部は後処理装置Bに次の処理動作を実行させる。
「プリントアウトモード」
このモードでは画像形成装置Aは一連の文書を例えば第1ページから画像形成し、本体排紙口3から順次フェースダウンで搬出し、第1搬送経路P1に送られたシートは排紙ローラ25に導かれる。そこで排紙ローラ25でシート先端を検出した信号でシート先端が処理トレイ29の正逆転ローラ30に到達する見込み時間の後、シート搬送制御部196は、正逆転ローラ30を上方待機位置からトレイ上に降下し、このローラを
図2時計方向に回転する。すると処理トレイ29上に進入したシートはこの正逆転ローラ30で第1排紙トレイ21に向けて搬出され、このトレイ上に収納される。このように順次後続するシートを第1排紙トレイ21に搬出し、このトレイ上に堆積収納する。
従ってこのプリントアウトモードでは画像形成装置Aで画像形成されたシートは後処理装置Bの第1搬送経路P1を経て、第1排紙トレイ21に収容され、例えばフェースダウンの姿勢で1ページから順次nページの順に上方に積載収納されることとなる。
【0107】
「ステープル綴じ仕上げモード」
このモードでは画像形成装置Aは前述のモードと同様に一連の文書を第1ページからnページの順に画像形成し、フェースダウンの状態で本体排紙口3から搬出し、第1搬送経路P1に送られたシートは排紙ローラ25に導かれる。このローラ出口でシート先端を検出した信号でシート先端が処理トレイ29の正逆転ローラ30に到達する見込み時間の後、シート搬送制御部196は、正逆転ローラ30を上方待機位置からトレイ上に降下し、この正逆転ローラ30を
図2時計方向に回転する。次いでシート搬送制御部196はシート後端が処理トレイ29上に搬入した見込み時間の後正逆転ローラ30を
図2反時計方向に回転駆動する。すると排紙ローラから進入したシートは処理トレイ29上にスイッチバック搬送される。このシート搬送を繰り返すことによって処理トレイ29に一連のシートがフェースダウンの状態で束状に集積される。
【0108】
尚上述の処理トレイ29上へのシートの集積の都度、制御CPU161はサイド整合板34bを動作させ集積するシートの幅方向位置を整合させる。次いで制御CPU161は画像形成装置Aからのジョブ終了信号で端綴じステープルユニット31を動作させ処理トレイ上に集積されたシート束100の後端縁を綴じ合わせる。このステープル動作の後、制御CPU161はシート束100をグリップ爪33a等の搬出手段で移動する。するとステープル綴じされたシート束100は第1排紙トレイ21に搬出収納される。これによって画像形成装置Aで画像形成した一連のシートをステープル綴じして第1排紙トレイ21に収納することとなる。
【0109】
「冊子仕上げモード」
次に、第2搬送経路を介して搬送されてくるシートをスタッカ部35で一時集積してシート束100とし、このシート束を折りブレード46と一対の折りローラ45で折り込んで処理する「冊子仕上げモード」について説明する。この「冊子仕上げモード」はシート束を折ることなく第2排紙トレイに集積するモードである。これは搬送ローラ36で第2搬送経路を順次送られてくるシートを略鉛直方向に配置されたスタッカ部35に搬送して排出する。排出されたシートはその先端(
図2の図示下端)をストッパ38によりシート受け入れ位置Sh3の位置で受け止められ束として集積される。その際シート幅方向に位置するシート側縁整合部材39により幅方向の両側縁が整えられる。このSh3のシート受け入れ位置はシートサイズにより上下に移動する。
【0110】
この冊子仕上げモードではシート束100の綴じを行わないので、ストッパ38はスタック部最下端のシート束折り位置Sh1に移動する。この位置はシート長さの1/2の位置である中央の位置に設定されている。その後シート束折り動作制御部206により折りブレード46がシート束の折り方向に移動するとともに折りローラ45が回転し、このローラの圧接力でシート束100を二つ折りにする。二つ折りにされ他シート束100はその背となる折り先端100aを先頭にして搬送され、折りをより確実に増すための、パンチ後加圧ローラ48、加圧ローラ49を経て束排出ローラ50により第2排出トレイ22に二つ折りされたシート束を排出する。
【0111】
「中綴じモード」
このモードは、金属ステープルを用いてシート束100の搬送方向の中央を綴じた後、折りローラ45等で折り処理を行って第2トレイに綴じ冊子を排出るものである。ここでの処理は搬送ローラ36で排出される夫々のシートをシート受け入れ位置Sh3で受け入れる。この受け入れが完了するとシート束の搬送方向の中央を金属のステープルを使用して中綴じステープラ40で綴じるためにストッパ38で
図2のシート束の綴じ位置Sh2に下降させる。この下降位置がシート束100の中央となるように綴じ制御部でコントロールされている。この位置にシート束が位置すると
図3(b)に示すようにシート束100が綴じられる。
【0112】
この綴じが完了すると、上述のシート束100を折る位置である折り位置Sh1にシート束100を、ストッパを下降して位置させる。その後上述した折りローラ45と折りブレード46によりシート束100を二つ折りにする。そして、パンチ後加圧ローラ48、加圧ローラ49、束排出ローラ50を介して第2排出トレイに排出する。尚、折りロー45で搬送中に一括パンチ制御部207により一括パンチモータ162を作動して、ファイリング用のパンチ孔(fp)を穿孔した冊子が
図15(b)に示したものである。
【0113】
「紙製ステープル綴じモード」
このモードでは折りローラ45等で二つ折りにしたシート束100のその背となる折り先端100aをリング綴じ制御部により紙製ステープラ60を作動させて紙製ステープル68により綴じ処理を行うものである。
ここでは、冊子仕上げモードと同様にスタッカ部35で綴じられることなく折りローラ45と折りブレード46が二つ折りにされる。その後、その背となる折り先端100aが紙製ステープラ60のカッタ刃の範囲内に位置したとき、駆動モータ56を作動してドライバ53を下降させ、紙製ステープルで綴じるものである。
図11に示す左右の紙製ステープラ60が作動させてシート束100のその背となる折り先端100aを綴じた冊子が
図14(b)に示され、一方の紙製ステープラ60のみを作動して綴じたものが
図15(a)に示されている。
【0114】
「紙製ステープル簡易リング綴じモード」
このモードでは、前述の紙製ステープル68でシート束のその背となる折り先端100aを綴じる前に、一括パンチ制御部207により一括パンチユニット59の一括パンチモータ162を駆動し、折りローラ45などにより二つ折りにしたシート束100のその背となる折り先端100a付近に折り束状態のままパンチ孔を穿孔する。このパンチ孔の位置は、一括パンチユニット59の下流側に位置する紙製ステープラ60で打ち込む紙製ステープル68の一方の脚部が貫通する位置(rp、
図8参照)に設定されている。また、一括パンチユニット59では、冊子をファイリングするためのパンチ孔(fp)も穿孔できるようになっている。これによって第2排紙トレイには、
図14(a)に示すようにリング綴じに近い簡易のリング綴じを行った冊子が提供できる。
なお、この発明にあっては、綴じ動作制御部202による中綴じステープラ40とリング綴じ制御部209における紙製ステープラ60とは選択的に実行されるように制御されている。