(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、車両用洗浄装置の一実施形態を
図1及び
図2に従って説明する。
図1に示すように、車両1には、運転席の横に変速装置2のシフトレバー3が設けられ、同シフトレバー3を各ポジション(各位置)に操作することによって車両1は変速する。本実施形態の変速装置2は、オートマチックトランスミッションが採用されており、シフトレバー3は、パーキング位置(P)、リバース位置(R)、ニュートラル位置(N)、及びドライブ位置(D)等の位置に操作(配置)可能とされている。そして、例えば、シフトレバー3をリバース位置に操作すると、変速装置2は車両1を後進可能な後進状態とする。この時、シフトレバー3がリバース位置にシフトされている間、車両1の後部に設けられたバックランプBLが点灯されるようになっている。
【0015】
また、車両1のコンソールパネルには、ナビゲーション装置において現在位置やその他地図表示等に利用される表示装置DSPが設置されている。
車両1の後部中央位置であってリアウィンド4の下側には、リアワイパ装置6が設けられている。リアワイパ装置6は、リアワイパモータM1やワイパブレード7を有し、リアワイパモータM1が駆動されるとワイパブレード7がリアウィンド4の外側面を払拭する。
【0016】
車両1の後部中央位置であってリアウィンド4の上側には、ウィンド洗浄ノズルとしてのリア・ウォッシャノズルN1が設けられている。リア・ウォッシャノズルN1は、そのノズル口が下方のリアウィンド4に向けられ、そのノズル口から洗浄液がリアウィンド4の払拭面に向けて噴射されるようになっている。
【0017】
リア・ウォッシャノズルN1は、車両1の前部エンジンルームに設けられたウォッシャポンプPと主配管8を介して接続されている。ウォッシャポンプPは、同じくエンジンルームに設けられた洗浄液を貯留したタンクTから洗浄液を主配管8を介してリア・ウォッシャノズルN1に給送するためのポンプである。そして、運転席に設けられたスイッチ装置SW1を操作すると、その指令によりウォッシャポンプPは、ポンプモータM2(
図2参照)が駆動してタンクTから洗浄液を主配管8を介してリア・ウォッシャノズルN1に給送するようになっている。尚、本実施形態では、ウォッシャポンプPとポンプモータM2とが電動ポンプ20を構成している。
【0018】
車両1の後部外側であって、本実施形態ではリアワイパ装置6よりもさらに後部位置には、バックモニタ用の車載カメラ10が設置されている。車載カメラ10は、本実施形態では、後方視認用のリアビューカメラであって、車載カメラ10が撮像した画像は、画像データとして前記表示装置DSPに出力される。表示装置DSPは、その画像データに基づいて車載カメラ10が撮像した画像を画面に表示するようになっている。
【0019】
なお、車載カメラ10は、変速装置2のシフトレバー3をリバース位置に操作したとき、撮像動作を開始しその画像データを表示装置DSPに出力する。また、シフトレバー3がリバース位置からそれ以外の位置にシフトされたとき、車載カメラ10は撮像動作を終了する。
【0020】
車載カメラ10に隣接した位置であって、車載カメラ10の後方撮像視野角から外れた位置には、カメラ洗浄ノズルとしてのカメラ・ウォッシャノズルN2が設けられている。カメラ・ウォッシャノズルN2は、そのノズル口が車載カメラ10のレンズを泥、埃、塵等から保護するために設けられたガラス窓10a(
図2参照)に向けられ、そのノズル口から洗浄液が車載カメラ10のガラス窓10aに向けて噴射されるようになっている。
【0021】
カメラ・ウォッシャノズルN2は、ウォッシャポンプPとリア・ウォッシャノズルN1とを接続する主配管8から分岐した分岐配管8aと接続されている。分岐配管8aは、車両1の後部において主配管8と接続され、その後部の接続位置(分岐部分)までの配管は主配管8と共用して使用されている。分岐配管8aが主配管8から分岐した分岐部分には、電磁切替バルブBが設けられている。電磁切替バルブBは、電圧が印加(通電)されている間、ウォッシャポンプPからの洗浄液の流路をリア・ウォッシャノズルN1側からカメラ・ウォッシャノズルN2側に切替えるバルブである。
【0022】
電磁切替バルブBは、後述する条件が満たされると、電圧が印加(通電)されることで駆動し、分岐配管8aと主配管8を接続する。すなわち、電磁切替バルブBは、リア・ウォッシャノズルN1とウォッシャポンプPとの接続を遮断し、カメラ・ウォッシャノズルN2とウォッシャポンプPとを接続する。従って、カメラ・ウォッシャノズルN2は、ウォッシャポンプPによりタンクTからの洗浄液が給送可能な状態となる。
【0023】
そして、この状態から、前記スイッチ装置SW1が操作されポンプモータM2(
図2参照)が駆動されると、ウォッシャポンプPが駆動してタンクTからの洗浄液が主配管8及び分岐配管8aを介してカメラ・ウォッシャノズルN2に給送される。そして、カメラ・ウォッシャノズルN2のノズル口から洗浄液が車載カメラ10のガラス窓10aに噴射されるようになっている。
【0024】
一方、電磁切替バルブBは、後述する条件が満たされていないとき、電圧が印加(通電)されずに非駆動状態となる。電磁切替バルブBは、非駆動状態のとき、分岐配管8aと主配管8との接続を遮断し、リア・ウォッシャノズルN1とウォッシャポンプPとを主配管8を介して接続する。従って、このような通常時には、リア・ウォッシャノズルN1は、ウォッシャポンプPによりタンクTからの洗浄液が給送可能な状態となっている。
【0025】
そして、この状態から、前記スイッチ装置SW1が操作されポンプモータM2(
図2参照)が駆動されると、ウォッシャポンプPが駆動してタンクTからの洗浄液が主配管8を介してリア・ウォッシャノズルN1に給送される。そして、リア・ウォッシャノズルN1のノズル口から洗浄液がリアウィンド4に噴射されるようになっている。
【0026】
次に、上記のように構成した車載カメラ洗浄装置の電気的構成について説明する。
図2に示すように、車両1の後部に設けられたバックランプBLは、一端が接地され、他端がランプ用ハーネスL1に接続され、該ランプ用ハーネスL1は、前記シフトレバー3がリバース位置にある状態でオンするスイッチ11及びフューズF1を介してバッテリのプラス端子に接続されたプラスの電源線L0に接続されている。よって、スイッチ11は、シフトレバー3がリバース位置に操作されるとオンして、バックランプBLに電流を供給し、バックランプBLを点灯させる。又、スイッチ11は、シフトレバー3がリバース位置以外に操作されるとオフして、バックランプBLへの電流の供給を遮断し、バックランプBLを消灯させる。
【0027】
又、前記ランプ用ハーネスL1は、アンド回路12の入力端子に接続され、シフトレバー3がリバース位置に操作されると、アンド回路12には車両が後進状態であることを示す(Hレベルの)後進状態信号Rが入力される。又、アンド回路12には、スイッチ装置SW1が接続されている。
(スイッチ装置SW1)
スイッチ装置SW1は、ポンプモータM2(電動ポンプ20)及びリアワイパ装置6を駆動させないオフ位置(OFF)と、リアワイパ装置6を駆動させるワイパ位置(ON)と、リアワイパ装置6及びポンプモータM2を駆動させるワイパウォッシュ位置(ON+WASH)と、ポンプモータM2を駆動させるウォッシュ位置(WASH)とを有する。又、本実施形態のスイッチ装置SW1は、リアワイパ装置6を間欠駆動させる間欠ワイパ位置(INT)を有する。そして、本実施形態のスイッチ装置SW1は、ダイヤル式のスイッチであって、オフ位置(OFF)を基準として一方に、間欠ワイパ位置(INT)、ワイパ位置(ON)、ワイパウォッシュ位置(ON+WASH)がこの順で配置されている。又、スイッチ装置SW1は、オフ位置(OFF)を基準として、ワイパ位置(ON)方向とは反対方向にウォッシュ位置(WASH)が配置されている。
【0028】
スイッチ装置SW1は、制御部Sに第1〜第3の信号線S1〜S3により接続されている。そして、第1の信号線S1は、スイッチ装置SW1が間欠ワイパ位置(INT)に操作されると、グランドに接続されて元々Hレベルとされた状態からLレベルとなる。又、第2の信号線S2は、スイッチ装置SW1がワイパ位置(ON)又はワイパウォッシュ位置(ON+WASH)に操作されると、グランドに接続されて元々Hレベルとされた状態からLレベルとなる。又、第3の信号線S3は、スイッチ装置SW1がワイパウォッシュ位置(ON+WASH)又はウォッシュ位置(WASH)に操作されると、グランドに接続されて元々Hレベルとされた状態からLレベルとなる。又、第3の信号線S3は、一端がフューズF2を介してプラスの電源線L0に接続されたポンプモータM2の他端に接続されている。よって、スイッチ装置SW1がワイパウォッシュ位置(ON+WASH)又はウォッシュ位置(WASH)に操作されると、ポンプモータM2の他端がグランドに接続されることでポンプモータM2が通電され駆動される。
【0029】
そして、第2の信号線S2が前記アンド回路12の入力端子に接続され、スイッチ装置SW1がワイパ位置(ON)又はワイパウォッシュ位置(ON+WASH)に操作されていないと、アンド回路12にはリアワイパ装置6が非駆動状態であることを示す(Hレベルの)ワイパ非駆動信号Nが入力される。アンド回路12は、入力される信号が、車両が後進状態であることを示す(Hレベルの)後進状態信号Rで、且つリアワイパ装置6が非駆動状態であることを示す(Hレベルの)ワイパ非駆動信号Nであると、Hレベルの制御信号Lを減圧制御部31に出力する。尚、本実施形態では、電磁切替バルブB、アンド回路12、及び減圧制御部31が切替手段を構成している。
(減圧制御部31)
減圧制御部31は、アンド回路12から出力される制御信号Lの入力に基づいて、電磁切替バルブBに切替電圧を予め設定された第1の時間だけ印加し、第1の時間の経過後であって制御信号Lが引き続き入力されている間、切替電圧に替えて該切替電圧よりも低電圧の切替状態保持電圧を印加するものである。
【0030】
詳しくは、減圧制御部31は、切替電圧を減圧することで切替状態保持電圧を電磁切替バルブBに印加するものであり、分圧抵抗R1と、NPN型のトランジスタTr1と、NPN型のトランジスタTr2と、タイマーTMとを備える。
【0031】
分圧抵抗R1は、その一端が後述する電磁切替バルブBにおける励磁コイルCのグランド側端子に接続され、他端がトランジスタTr1を介して接地(グランドに接続)されている。トランジスタTr1は、そのベース端子に抵抗R2を介して前記アンド回路12が接続され、前記制御信号L(Hレベルの信号)が入力されている間、オンする。
【0032】
又、前記電磁切替バルブBにおける励磁コイルCのグランド側端子は、トランジスタTr2を介して接地(グランドに接続)されている。トランジスタTr2は、そのベース端子に抵抗R3及びタイマーTMを介して前記アンド回路12が接続され、タイマーTMからのタイマー信号TK(Hレベルの信号)が入力されている間、オンする。タイマーTMは、制御信号L(Hレベルの信号)が入力されると予め設定された第1の時間だけタイマー信号TK(Hレベルの信号)を出力し、前記第1の時間の経過後に制御信号Lが引き続き入力され続けてもタイマー信号TKの出力を停止する。
(リアワイパモータM1)
リアワイパ装置6を駆動するリアワイパモータM1は、一端がリレースイッチ13の共通接点13cに接続され、このリレースイッチ13のa接点13aが前記フューズF2を介してプラスの電源線L0に接続されている。リレースイッチ13の前記共通接点13cには、可動接点13dが接続され、隣接する励磁コイル13zが通電(励磁)されると共通接点13c(即ちリアワイパモータM1の一端)は前記a接点13a(即ち電源線L0)に接続され、励磁コイル13zが非通電のときは共通接点13cはb接点13bに接続される。一方、リアワイパモータM1の他端は接地されている。
【0033】
また、リアワイパモータM1の内部には、リアワイパ装置6の自動定位置停止装置(ワイパブレード7がホームポジション以外にある時にスイッチ装置SW1をオフ位置(OFF)にしても、ワイパブレード7をホームポジションまで移動させて停止する装置)を構成するカムスイッチ14が組み込まれている。
(カムスイッチ14)
カムスイッチ14は、a接点14a、b接点14b、共通接点14c及び可動接点14dを有している。カムスイッチ14のa接点14aは、前記フューズF2を介してプラスの電源線L0に接続されている。カムスイッチ14のb接点14bは、リアワイパモータM1の他端に接続されると共に接地されている。カムスイッチ14の可動接点14dは、一端が前記リレースイッチ13のb接点13bに接続されている共通接点14cと接続され、リアワイパモータM1の回動とともに可動する。カムスイッチ14の可動接点14dは、可動することによって、他端がa接点14aとb接点14bのいずれか一方と接続するようになっている。
【0034】
そして、ワイパブレード7がホームポジション以外にある時、カムスイッチ14の可動接点14dはa接点14aと接続される。従って、リアワイパモータM1は、リレースイッチ13の共通接点13cが前記b接点13bに接続されても、カムスイッチ14を介してプラスの電源線L0から電源供給が維持される。
【0035】
そして、ワイパブレード7がホームポジションに位置すると、可動接点14dはa接点14aから切り離されb接点14bと接続される。これにより、リアワイパモータM1の両端が閉回路となると共に接地され、発電制動がかかり停止する。
(制御部S)
前記制御部Sは、前記リレースイッチ13の励磁コイル13z及びフューズF2を介して前記電源線L0に接続されている。そして、制御部Sは、前記スイッチ装置SW1が間欠ワイパ位置(INT)に操作された状態では、間欠的に前記励磁コイル13zをグランドに接続し、ワイパ位置(ON)又はワイパウォッシュ位置(ON+WASH)に操作された状態では、励磁コイル13zをグランドに接続して、該励磁コイル13zを通電(励磁)させる。
(電磁切替バルブB)
電磁切替バルブBは、電磁切替バルブBより上流の主配管8から洗浄液を導入する導入ポートP0を有する。また、電磁切替バルブBは、電磁切替バルブBより下流であってリア・ウォッシャノズルN1に接続された主配管8に洗浄液を導出する第1導出ポートP1と、電磁切替バルブBより下流であってカメラ・ウォッシャノズルN2に接続された分岐配管8aに洗浄液を導出する第2導出ポートP2を有している。
【0036】
そして、電磁切替バルブBは、バルブ本体中に備えられた弁SBを駆動させることにより、導入ポートP0を、第1導出ポートP1と第2導出ポートP2のいずれか一方に導通させるようにし、他方を遮断させるようにしている。
【0037】
弁SBは、電磁切替バルブBに備えられた励磁コイルCによって駆動制御される。励磁コイルCが非通電時(初期状態時)には、弁SBは、導入ポートP0と第1導出ポートP1とを連通し、導入ポートP0と第2導出ポートP2とを遮断した状態に保持する。一方、励磁コイルCが通電されている時には(通電されている間)、弁SBは、作動して導入ポートP0と第2導出ポートP2とを連通し、導入ポートP0と第1導出ポートP1とを遮断した状態に保持する。
【0038】
電磁切替バルブBの励磁コイルCは、その高電位側端子が前記フューズF2を介してプラスの電源線L0に接続され、グランド側端子が前述したように減圧制御部31に接続されている。これにより、減圧制御部31に制御信号Lが入力されている間は、トランジスタTr1がオンされて励磁コイルCのグランド側端子は分圧抵抗R1を介して接地される。又、減圧制御部31に制御信号Lが入力されると第1の時間だけトランジスタTr2がオンされて励磁コイルCのグランド側端子が直接(トランジスタTr2を介して)接地される。よって、第1の時間が経過するまでは分圧抵抗R1を介さずに電流が流れて励磁コイルCには高電圧の切替電圧が印加される。これによって、流路を切り替えるべく弁SBを駆動するための十分な電磁力が発生され、弁SBが作動して導入ポートP0と第2導出ポートP2とが連通した状態になる。尚、ここで、前記第1の時間は、電磁切替バルブBの切り替え動作が十分に終了する時間に予め設定されている。又、第1の時間の経過後であって制御信号Lが引き続き入力されている間は、トランジスタTr2がオフされることで、分圧抵抗R1を介して電流が流れて励磁コイルCには低電圧の切替状態保持電圧が印加される。これによって、弁SBを保持するための電磁力が発生され、弁SBが保持されて導入ポートP0と第2導出ポートP2とが連通した状態で維持される。
【0039】
ここで、本実施形態の車両用洗浄装置の動作とその作用について説明する。
例えば、スイッチ装置SW1がオフ位置(OFF)にある状態、即ちアンド回路12に前記ワイパ非駆動信号Nが入力されている状態で、シフトレバー3がリバース位置に操作されると、アンド回路12には、前記後進状態信号Rが入力され、アンド回路12から制御信号Lが出力される。
【0040】
そして、この状態が維持されると、タイマー信号TKが第1の時間だけHレベルとなり、その間、トランジスタTr2がオンされて電磁切替バルブBに高電圧の切替電圧が印加される。これにより、電磁切替バルブB(励磁コイルC)が通電されて、導入ポートP0(主配管8)と第2導出ポートP2(分岐配管8a)とが連通される。即ち、電動ポンプ20からの洗浄液の流路はカメラ・ウォッシャノズルN2側に切り替えられる。
【0041】
又、(Hレベルの)制御信号Lが出力されている間、トランジスタTr1がオンされる。そして、前記第1の時間の経過後であって制御信号Lが出力されている間は、トランジスタTr2がオフされることで、電磁切替バルブBに低電圧の切替状態保持電圧が印加される。これにより、導入ポートP0(主配管8)と第2導出ポートP2(分岐配管8a)とが連通した状態が保持される。即ち、電動ポンプ20からの洗浄液の流路はカメラ・ウォッシャノズルN2側に切り替えられたままとなる。
【0042】
そして、その状態でスイッチ装置SW1がウォッシュ位置(WASH)に操作されると、電動ポンプ20が駆動され、カメラ・ウォッシャノズルN2から車載カメラ10のガラス窓10aに洗浄液が噴射され、該ガラス窓10aに付着した泥、埃、塵等が除去される。
【0043】
又、上記のように、シフトレバー3がリバース位置に操作された状態で、運転手がリアウィンド4の視界を確保すべくスイッチ装置SW1をワイパ位置(ON)に操作すると、制御部Sが前記励磁コイル13zを通電しリアワイパモータM1がリレースイッチ13及びフューズF2を介して電源線L0に接続される。これにより、リアワイパ装置6が駆動され、ワイパブレード7にてリアウィンド4が払拭される。また、このとき、アンド回路12には、前記ワイパ非駆動信号Nが入力されなくなる(第2の信号線S2がLレベルとなる)ため、アンド回路12からの制御信号Lの出力が停止される(出力がLレベルとされる)。すると、トランジスタTr1がオフされ、電磁切替バルブB(励磁コイルC)が非通電状態となり、導入ポートP0(主配管8)と第2導出ポートP2(分岐配管8a)とが遮断されるとともに、導入ポートP0と第1導出ポートP1とが連通される。即ち、電動ポンプ20からの洗浄液の流路はリア・ウォッシャノズルN1側に復帰される。
【0044】
そして、その状態でスイッチ装置SW1をワイパウォッシュ位置(ON+WASH)に操作すると、電動ポンプ20が駆動され、リア・ウォッシャノズルN1からリアウィンド4に洗浄液が噴射される。
【0045】
次に、上記実施の形態の特徴的な効果を以下に記載する。
(1)リアワイパ装置6が非駆動状態であることを示すワイパ非駆動信号Nと車両1が後進状態であることを示す後進状態信号Rとが共に入力されることに基づいて、洗浄液の流路がリア・ウォッシャノズルN1からカメラ・ウォッシャノズルN2に切り替えられる。よって、リアワイパ装置6が駆動状態のときには、電動ポンプ20を駆動させるとリアウィンド4に洗浄液が噴射される。即ち、車両1が後進状態であるかに関わらず、リアワイパ装置6を駆動させてリアウィンド4の視界を確保しようとしている状態では、洗浄液の流路がリア・ウォッシャノズルN1からカメラ・ウォッシャノズルN2に切り替えられず、速やかにリアウィンド4に洗浄液を噴射させることができる。よって、後進状態で車載カメラ10のガラス窓10a(撮像面)を洗浄可能としながらも、後進状態であっても速やかにリアウィンド4に洗浄液を噴射させることができる。
【0046】
(2)ワイパウォッシュ位置(ON+WASH)は、オフ位置(OFF)からワイパ位置(ON)を経由して操作可能とされるため、リアウィンド4に洗浄液を噴射させるべくワイパウォッシュ位置に操作する際には、その前のワイパ位置に基づくワイパ駆動信号により洗浄液の流路を予めリア・ウォッシャノズルN1側にしておくことができる。若しくは、洗浄液の流路をリア・ウォッシャノズルN1側にするための切り替えを開始させておくことができる。よって、ワイパウォッシュ位置(ON+WASH)に操作すると、速やかにリアウィンド4に洗浄液を噴射させることができる。
【0047】
(3)ウォッシュ位置(WASH)は、オフ位置(OFF)を基準としてワイパ位置(ON)方向とは反対方向にあるため、例えば、車両1が後進状態のときに、ワイパ位置方向とは反対方向のウォッシュ位置に操作することで、カメラ・ウォッシャノズルN2から車載カメラ10のガラス窓10aに洗浄液を噴射させることができる。このとき、ウォッシュ位置(WASH)は、ワイパ位置(ON)方向とは反対方向にあるため、運転手がリアワイパ装置6を駆動させる操作と間違え難い。
【0048】
(4)ワイパ非駆動信号Nと後進状態信号Rとが共に入力されると、スイッチ装置SW1による電動ポンプ20の駆動を指令する操作に関わらず流路がカメラ・ウォッシャノズルN2に切り替えられるため、その後に電動ポンプ20の駆動を指令する操作が行われたときには速やかに車載カメラ10のガラス窓10aに洗浄液を噴射させることができる。
【0049】
(5)ワイパ非駆動信号Nは、リアワイパ装置6を駆動させない位置にスイッチ装置SW1を操作していることを示す信号である。よって、例えば、リアワイパ装置6の自動定位置停止装置が働いて停止位置まで動いていても、運転手がリアワイパ装置6を駆動させない位置にスイッチ装置SW1を操作すれば、速やかに流路がカメラ・ウォッシャノズルN2に切り替えられる。具体的には、例えばスイッチ装置SW1をワイパ位置(ON)からオフ位置(OFF)に操作すれば、自動定位置停止装置が働いていても、速やかに流路がカメラ・ウォッシャノズルN2に切り替えられる。よって、続けて電動ポンプ20の駆動を指令する(ウォッシュ位置への)操作が行われたときには、速やかに車載カメラ10のガラス窓10aに洗浄液を噴射させることができる。
【0050】
上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、アンド回路12の入力端子にスイッチ装置SW1が接続され、ワイパ非駆動信号Nは、リアワイパ装置6を駆動させない位置にスイッチ装置SW1を操作していることを示す信号であるとしたが、リアワイパ装置6が非駆動状態であることを示す他のワイパ非駆動信号Nに変更してもよい。
【0051】
例えば、
図3に示すように、リアワイパモータM1のプラス側の端子である一端(共通接点13c)を、インバータ回路41を介してアンド回路12の入力端子に接続した構成に変更してもよい。
【0052】
又、例えば、
図4に示すように、カムスイッチ14の共通接点14c(b接点13b)を、インバータ回路42を介してアンド回路12の入力端子に接続した構成に変更してもよい。
【0053】
これらのようにすると、実際にリアワイパモータM1に電源が供給されていないときのみリアワイパ装置6が非駆動状態であることを示すワイパ非駆動信号Nがアンド回路12に入力されることになる。具体的には、例えば、スイッチ装置SW1をワイパ位置(ON)からオフ位置(OFF)に操作しても、リアワイパ装置6の自動定位置停止装置が働いて停止位置まで動いている間は、ワイパ非駆動信号Nがアンド回路12に入力されない構成となる。
【0054】
・上記実施形態では、スイッチ装置SW1は、ダイヤル式のスイッチであるとしたが、他のタイプのスイッチ装置に変更してもよいし、各位置の配置を変更してもよい。又、間欠ワイパ位置(INT)のないスイッチ装置SW1に変更してもよい。
【0055】
・上記実施形態では、スイッチ装置SW1が間欠ワイパ位置(INT)に操作されてもリアワイパ装置6が非駆動状態であることを示すワイパ非駆動信号Nがアンド回路12に入力される構成としたが、スイッチ装置SW1が間欠ワイパ位置(INT)に操作されるとワイパ非駆動信号Nがアンド回路12に入力されない構成としてもよい。
【0056】
・上記実施形態では、ワイパ非駆動信号Nと後進状態信号Rとが共に入力されると、電動ポンプ20の駆動を指令する操作に関わらず流路がカメラ・ウォッシャノズルN2に切り替えられる構成としたが、更なる他の条件を満たしたときに流路がカメラ・ウォッシャノズルN2に切り替えられる構成としてもよい。例えば、ワイパ非駆動信号Nと後進状態信号Rとが共に入力され、更に電動ポンプ20の駆動を指令する操作に応じて流路がカメラ・ウォッシャノズルN2に切り替えられる構成としてもよい。尚、この場合、流路が切り替わった後に電動ポンプ20を駆動させることが好ましい。
【0057】
・上記実施形態では、減圧制御部31を備えた構成としたが、これに限定されず、減圧制御部31を備えていない構成に変更してもよい。即ち、制御信号Lが出力されている間は励磁コイルCが単純に(上記切替電圧で)通電される構成としてもよい。
【0058】
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用洗浄装置において、前記切替手段は、前記ワイパ非駆動信号と前記後進状態信号とが共に入力されると、前記スイッチ装置による前記電動ポンプの駆動を指令する操作に関わらず、前記洗浄液の流路を前記ウィンド洗浄ノズルから前記カメラ洗浄ノズルに切り替えることを特徴とする車両用洗浄装置。
【0059】
同構成によれば、ワイパ非駆動信号と後進状態信号とが共に入力されると、スイッチ装置による電動ポンプの駆動を指令する操作に関わらず、流路がカメラ洗浄ノズルに切り替えられるため、その後に電動ポンプの駆動を指令する操作が行われたときには、速やかに車載カメラの撮像面に洗浄液を噴射させることができる。
【0060】
(ロ)請求項1乃至3、及び上記(イ)のいずれか1つに記載の車両用洗浄装置において、前記リアワイパ装置が非駆動状態であることを示すワイパ非駆動信号は、前記リアワイパ装置を駆動させない位置に前記スイッチ装置を操作していることを示す信号であることを特徴とする車両用洗浄装置。
【0061】
同構成によれば、ワイパ非駆動信号は、リアワイパ装置を駆動させない位置にスイッチ装置を操作していることを示す信号であるため、例えば、リアワイパ装置の自動定位置停止装置が働いて停止位置まで動いていても、運転手がリアワイパ装置を駆動させない位置にスイッチ装置を操作すれば、速やかに流路がカメラ洗浄ノズルに切り替えられる。よって、電動ポンプの駆動を指令する操作が行われたときには、速やかに車載カメラの撮像面に洗浄液を噴射させることができる。