(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記検出手段により前記操作子の操作が推測される画像が検出された場合に前記操作子の入力信号を受け付け、入力された場合にその入力信号を有効とすることを特徴とする請求項1記載の商品認識装置。
前記制御手段は、前記操作子が操作された場合に前記検出手段を動作させ、前記操作子の操作が推測される画像が検出された場合に前記操作子の入力信号を有効とすることを特徴とする請求項1記載の商品認識装置。
前記認識手段は、前記画像に映し出されたデータコードをデコードして商品を認識するデータコード読取手段と、前記画像に映し出された商品の画像から当該商品の外観特徴量を抽出して商品を認識するオブジェクト認識手段とを含み、
前記操作子は、前記データコード読取手段による認識モードと前記オブジェクト認識手段による認識モードとを切り替えるスイッチであることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1に記載の商品認識装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、商品認識装置の実施形態について、図面を用いて説明する。この実施形態は、スーパーマーケットのチェックアウトカウンタに立設される縦型のスキャナ装置10に商品認識装置としての機能を適用した場合である。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、スーパーマーケットに構築される店舗会計システム1の外観図である。店舗会計システムは、登録部としてのスキャナ装置10と、決済部としてのPOS(Point Of Sales)端末20とを含む。スキャナ装置10は、チェックアウトカウンタ2の上に取り付けられる。POS端末20は、レジ台3の上にドロワ4を介して設置される。スキャナ装置10とPOS端末20とは、通信ケーブル7(
図4を参照)によって電気的に接続される。
【0011】
スキャナ装置10は、商品の登録に必要なデバイスとしてキーボード11、タッチパネル12及び客用表示器13を備える。これらの表示・操作デバイスは、スキャナ装置10の本体を構成する薄型矩形形状のハウジング10Aに取り付けられる。
【0012】
ハウジング10Aには、撮像手段としての撮像部14が内蔵される。また、矩形状の読取窓10Bが、ハウジング10Aの正面に形成される。撮像部14は、エリアイメージセンサであるCCD(Charge Coupled Device)撮像素子及びその駆動回路と、撮像領域の画像をCCD撮像素子に結像させるための撮像レンズとを備える。撮像領域とは、読取窓10Bから撮像レンズを通してCCD撮像素子のエリアに結像するフレーム画像の領域を指す。撮像部14は、撮像レンズを通ってCCD撮像素子に結像した撮像領域の画像を出力する。
【0013】
POS端末20は、決済に必要なデバイスとしてキーボード21、オペレータ用ディスプレイ22、客用表示器23及びレシートプリンタ24を備える。
【0014】
チェックアウトカウンタ2は、顧客通路に沿って設置される。レジ台3は、チェックアウトカウンタ2の一方の端部の手前側に、チェックアウトカウンタ2に対して略垂直に置かれる。そして、このチェックアウトカウンタ2の手前側とレジ台3の手前側とが、オペレータである会計担当の店員(キャッシャ)のスペースとなり、その反対側が顧客通路となる。顧客は、チェックアウトカウンタ2のレジ台3が設けられた側とは反対側の端部からレジ台3が設けられた側の端部へとチェックアウトカウンタ2に沿って移動して、会計を行う。
【0015】
チェックアウトカウンタ2の略中央には、スキャナ装置10のハウジング10Aが立設される。そしてこのハウジング10Aに、キーボード11、タッチパネル12及び読取窓10Bがそれぞれキャッシャのスペース側に向けて取り付けられ、客用表示器13が顧客通路側に向けて取り付けられる。
【0016】
チェックアウトカウンタ2のスキャナ装置10を挟んで顧客移動方向上流側の荷受面は、買物客が購入する未登録の商品Mが入れられた買物カゴ5を置くためのスペースとなる。また、下流側の荷受面は、スキャナ装置10により登録された商品Mを入れるための買物カゴ6を置くためのスペースとなる。
【0017】
スキャナ装置10は、周知のバーコード読取技術とオブジェクト認識技術とを併用したタイプのものである。このタイプのスキャナ装置10は、
図2に示すように、バーコード読取技術によって商品を認識するかオブジェクト認識技術によって商品を認識するかの認識モードを切り替えるためのスイッチ(操作子)15が必要となる。スイッチ15は、読取窓10Bの上縁部の略中央に配置する。この部位にスイッチ15があると、オペレータは、スイッチ15を操作した手を大きく動かすことなく商品を読取窓10Bに翳すことができる。また、スイッチ15は、静電容量式のスイッチを使用する。静電容量式のスイッチは、耐久性に優れている。また、塵や汚れ等の影響も少ないので、頻繁に操作されるスイッチ15として適している。
【0018】
ところで、スイッチ15を読取窓10Bの上縁部略中央に配置した場合、
図3に示すように、スイッチ15を操作するオペレータの手が撮像部14によって撮像される。そこで本実施形態では、スイッチ15を操作するオペレータの手の画像を利用して、スイッチ15から出力される入力信号の有効、無効を制御する。
【0019】
図4は、スキャナ装置10の要部構成を示すブロック図である。スキャナ装置10は、前述したキーボード11、タッチパネル12、客用表示器13、撮像部14、スイッチ15以外に、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、I/Oポート104、通信インターフェース105及びバスライン106を含む。
【0020】
アドレスバス,データバス等のバスライン106は、CPU101と、ROM102、RAM103、I/Oポート104及び通信インターフェース105とを接続する。また、図示しない入出力回路を介して、キーボード11、タッチパネル12、客用表示器13及び撮像部14がバスライン106に接続される。
【0021】
CPU101は、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU101は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、スキャナ装置10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0022】
ROM102は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM102は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM102は、CPU101が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
【0023】
RAM103は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM103は、CPU101が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM103は、CPU101によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
【0024】
I/Oポート104は、スイッチ15の操作により発生する入力信号を取り込む。
通信インターフェース105は、通信ケーブル7を介して接続されるPOS端末20との間で、所定のプロトコルに従いデータ信号を送受信する。
【0025】
POS端末20は、商品データファイル8と認識辞書ファイル9とを備える。商品データファイル8は、店舗で販売される各商品に対して予め設定された固有の商品コードに関連付けて、その商品の品名、単価等の商品データを格納する。認識辞書ファイル9は、前記商品コードに関連付けて、その商品の外観の特徴データを示すパラメータを格納する。パラメータは、商品の形状、表面の色合い、模様、凹凸状況等のような商品の標準的な外観の特徴量を商品毎に数値化したものである。
【0026】
商品データファイル8と認識辞書ファイル9は、補助記憶デバイスに保存される。補助記憶デバイスは、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)などである。補助記憶デバイスは、POS端末20に内蔵されていてもよいし、外付けされていてもよい。
【0027】
スキャナ装置10は、
図5に示すように複数の基準画像A,B,C,…が格納された基準画像ファイル107を有する。基準画像A,B,C,…は、
図3に示すように、スイッチ15を操作するオペレータの手の画像であり、予め用意された複数パターンの手の画像が基準画像として基準画像ファイル107に格納される。ここに、基準画像ファイル107は、オペレータがスイッチ15(操作子)を操作する際の手の画像を記憶する記憶手段を構成する。
【0028】
かかる構成のスキャナ装置10において、CPU101は、撮像部14(撮像手段)で撮像された画像から、読取窓10Bに翳された商品を認識する認識手段、撮像部14(撮像手段)で撮像された画像から、オペレータによるスイッチ15の操作が推測される画像を検出する検出手段、及び、検出手段によりオペレータによるスイッチ15の操作が推測される画像が検出されたことを条件に、スイッチ15の入力信号を有効とする制御手段としての機能を有する。これらの機能は、ROM102に格納された制御プログラムにしたがって実現される。
【0029】
図6の流れ図を用いてCPU101の各機能について説明する。この流れ図は、上記制御プログラムにしたがってCPU101が実行する情報処理の要部手順を示すものである。
【0030】
この処理は、POS端末20から通信インターフェース105に、商品登録の開始を指令するコマンドが入力されるとスタートする。先ず、CPU101は、タッチパネル12に登録画面を表示させる(Act1)。登録画面には、スキャナ装置10において商品の登録が可能になったことをキャッシャが確認できる画像が表示される。したがって、登録画面を確認したキャッシャは、買物客が買い上げる商品の登録作業を開始する。
【0031】
またCPU102は、撮像部14に対して撮像オン信号を出力する(Act2)。撮像オン信号が撮像部14に出力されると、撮像部14は、撮像領域の撮像を開始する。撮像部14で撮像されたフレーム画像はRAM103に順次書き込まれる。
【0032】
さらにCPU101は、モードフラグMFを“0”に設定する(Act3:制御手段)。モードフラグMFは、RAM103に格納されるビットデータであり、バーコード読取技術を利用した商品認識モードのとき“0”に設定され、オブジェクト認識技術を利用した商品認識モードのとき“1”に設定される。なお、Act1〜Act3の手順はこれに限定されるものではなく、順序が入れ替わってもよい。
【0033】
Act1〜Act3の処理を終了すると、CPU101は、RAM103に書き込まれたフレーム画像を順次取り込む(Act4)。そしてフレーム画像を取り込む毎に、CPU101は、モードフラグMFを調べる(Act5)。モードフラグMFが“0”の場合(Act5にてYES)、CPU101は、フレーム画像を基準画像ファイル107に格納された複数の基準画像A,B,C,…と照合する(Act6)。そしてCPU101は、オペレータによるスイッチ15の操作が推測される画像(以下、スイッチ操作画像と称する)が撮像されたか否かを判定する(Act7:検出手段)。
【0034】
例えば、フレーム画像に映し出された物体の輪郭パターンと各基準画像A,B,C,…に映し出された手の輪郭パターンとを比較し、類似度を算出する。しきい値以上の類似度が得られたならば、CPU101は、スイッチ操作画像が撮像されたとみなす。この場合(Act7にてYES)、CPU101は、スイッチ15の入力信号を受け付ける(Act8)。そして、I/Oポート104にスイッチ15の入力信号が取り込まれている場合(Act8にてYES)、CPU101は、モードフラグMFを“1”に書き換える(Act9:制御手段)。しかる後、CPU101は、Act4の処理に戻り、次のフレーム画像を取り込む。
【0035】
これに対し、I/Oポート104にスイッチ15の入力信号が取り込まれていない場合には(Act8にてNO)、CPU101は、Act10の処理に進む。また、スイッチ操作画像が撮像されていない場合にも(Act7にてNO)、CPU101は、Act10の処理に進む。
【0036】
Act10では、CPU101は、フレーム画像を解析してデータコードの一種であるバーコードを読み取る(認識手段(データコード読取手段))。画像解析によるバーコードの読取技術は、例えば特開2008−033640号公報に記載されているので、ここでの説明は省略する。
【0037】
CPU101は、フレーム画像からバーコードを読み取ることができたか否かを判定する(Act11)。バーコードを読み取ることができない場合(Act11にてYES)、CPU101は、Act4の処理に戻り、次のフレーム画像を取り込む。
【0038】
バーコードを読み取ることができた場合(Act11にてNO)、CPU101は、そのバーコードからデコードされる商品コードを、通信インターフェース105を介してPOS端末20に出力する(Act12)。しかる後、CPU101は、登録終了か否かを判断する(Act13)。例えばタッチパネル12に登録終了を宣言するキーが表示されており、このキーがタッチされたことを検知すると、CPU101は、登録終了と判定する。登録終了でない場合(Act13にてNO)、CPU101は、Act4の処理に戻り、次のフレーム画像を取り込む。
【0039】
Act5の処理において、モードフラグMFが“1”に設定されていた場合(Act5にてNO)、CPU101は、オブジェクト認識技術によってフレーム画像に映し出された商品を認識する(Act14:オブジェクト認識手段(認識手段))。このオブジェクト認識技術については、例えば特開2013−89090号公報に記載されているので、ここでの説明は省略する。
【0040】
CPU101は、フレーム画像から商品を認識できたか否かを判定する(Act15)。商品を認識できない場合(Act15にてYES)、CPU101は、Act4の処理に戻り、次のフレーム画像を取り込む。
【0041】
商品を認識できた場合には(Act15にてNO)、CPU101は、その商品の商品コードをPOS端末20に出力する(Act16)。またCPU101は、モードフラグMFを“0”に書き換える(Act17:制御手段)。なお、Act16とAct17の処理の順序は、前後を入れ替えてもよい。しかる後、CPU101は、登録終了か否かを判断する(Act13)。登録終了でない場合(Act13にてNO)、CPU101は、Act4の処理に戻り、次のフレーム画像を取り込む。
【0042】
登録終了の場合(Act13にてYES)、CPU101は、撮像部14に対して撮像オフ信号を出力する(Act18)。この撮像オフ信号により、撮像部14は、撮像を終了する。以上で、制御プログラムにしたがった処理が終了する。
【0043】
このように、客が買い上げる商品の登録を開始する前は、スキャナ装置10のモードフラグMFが“0”に設定される。モードフラグMFが“0”のとき、スキャナ装置10は、バーコード読取技術による商品認識処理を実行する。
【0044】
このとき、スキャナ装置10は、撮像部14でスイッチ操作画像が撮像されたか否かを判定する。スイッチ操作画像が撮像されていない場合、スキャナ装置10は、バーコード読取技術による商品認識処理を継続する。
【0045】
これに対し、スイッチ操作画像が撮像された場合には、スキャナ装置10は、スイッチ15が入力されるのを待機する。スイッチ15が入力されない場合、スキャナ装置10は、バーコード読取技術による商品認識処理を継続する。
【0046】
スイッチ15が入力されると、モードフラグMFが“1”に変更される。モードフラグMFが“1”のとき、スキャナ装置10は、オブジェクト認識技術による商品認識処理を実行する。そして、オブジェクト認識技術により商品が認識されると、モードフラグMFが“0”に戻される。したがってスキャナ装置10は、バーコード読取技術による商品認識処理を実行する。
【0047】
買物客が買い上げる商品の登録を開始するキャッシャは、タッチパネル12に登録画面が表示されていることを確認すると、買物カゴ5の中から商品Mを1点ずつ取り出す。そして、この商品Mにバーコードが付されている場合には、そのバーコードの部分を読取窓10Bにかざす。この時点では、モードフラグMFは“0”である。したがってスキャナ装置10では、バーコード読取技術による商品認識処理が実行される。その結果、読取窓10Bに翳された商品Mのバーコードが読み取られて、商品Mの販売データがPOS端末20に登録される。
【0048】
一方、商品Mにバーコードが付されていない場合、キャッシャは、スイッチ15を指で操作する。このとき、撮像部14では、
図3に示すような画像が撮像される。この画像は、基準画像ファイル107に格納された複数の基準画像と照合されて、スイッチ操作画像と認識される。スイッチ操作画像と認識されると、モードフラグMFが“1”に変更される。したがってスキャナ装置10では、オブジェクト認識技術による商品認識処理が実行される。その結果、読取窓10Bに翳された商品Mが認識されて、この商品Mの販売データがPOS端末20に登録される。そして、商品Mが認識されると、モードフラグMFが“0”に戻される。すなわちスキャナ装置10では、バーコード読取技術による商品認識処理が実行される。
【0049】
このように、スキャナ装置10では、バーコード読取技術による商品認識処理がデフォルトのモードであり、スイッチ15が入力されたときだけ、オブジェクト認識技術による商品認識処理のモードに切り替わる。しかも、スイッチ15の入力信号が有効になるのは、スイッチ15を操作しようとするキャッシャの手の画像が撮像部14によって撮像された場合に限られる。したがって、バーコードが付された商品を読取窓10Bに翳した際に、商品の一部がスイッチ15に触れても、このスイッチ15の入力信号が有効にならないので、オブジェクト認識技術による商品認識処理のモードに切り替わることはない。かくして、読取窓10Bの上縁部略中央に配置されるスイッチ15の意図しない入力を防止できる効果を奏する。
【0050】
(第2の実施形態)
前記第1の実施形態では、モードフラグMFが“0”のとき、常に撮像部14で撮像されたフレーム画像を基準画像ファイル107に格納された複数の基準画像と照合して、スイッチ操作画像であるか否かを判定する。第2の実施形態では、スイッチ15が操作されたと推測される場合にのみ撮像部14で撮像されたフレーム画像を基準画像と照合して、スイッチ操作画像であるか否かを判定する。
【0051】
図7は、この第2の実施形態において、制御プログラムにしたがってCPU101が実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。この手順において、Act21〜Act25は、第1の実施形態のAct1〜Act5と同一である。また、Act30〜Act38の手順は、第1の実施形態のAct10〜Act18と同一である。つまり、第2の実施形態が第1の実施形態と異なる部分は、Act26〜Act29の手順であるので、以下ではこの部分についてのみ説明する。
【0052】
モードフラグMFが“0”のとき(Act25にてYES)、CPU101は、I/Oポート104を走査してスイッチ15の入力信号が取り込まれているか否かを判断する(Act26)。入力信号が取り込まれていない場合(Act26にてNO)、CPU101は、Act30の処理に進む。
【0053】
入力信号が取り込まれている場合には(Act26にてYES)、CPU101は、フレーム画像を基準画像ファイル107に格納された複数の基準画像A,B,C,…と照合する(Act27)。そしてCPU101は、フレーム画像がスイッチ操作画像であるか否かを判定する(Act28:検出手段)。
【0054】
フレーム画像がスイッチ操作画像の場合(Act28にてYES)、CPU101は、モードフラグMFを“1”に書き換える(Act29:制御手段)。しかる後、CPU101は、Act24の処理に戻り、次のフレーム画像を取り込む。
【0055】
フレーム画像がスイッチ操作画像でない場合には(Act28にてNO)、CPU101は、Act30の処理に進む。
【0056】
かかる構成の第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、スイッチ15の入力信号が有効になるのは、スイッチ15を操作しようとするキャッシャの手の画像が撮像部14によって撮像された場合に限られる。すなわち、読取窓10Bの上縁部略中央に配置されるスイッチ15の意図しない入力を防止できる。
【0057】
それに加えて、第2の実施形態では、撮像部14で撮像されたフレーム画像を基準画像と照合するのは、スイッチ15が操作されたと推測された場合のみである。したがって、第1の実施形態と比較して、CPU101の処理負荷を軽減できる効果を奏する。
【0058】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば前記実施形態では、オブジェクト認識技術によって商品を認識できた場合(Act15またはAct35にてNO)、CPU101がモードフラグMFを“0”に設定したが(Act17またはAct37)、必ずしもこの時点でモードフラグMFを“0”に設定しなくてもよい。例えば、Act5またはAct25においてモードフラグMFが“1”と判定されたとき、CPU101が、フレーム画像を基準画像A,B,C,…と照合し、スイッチ操作画像が撮像された場合にスイッチ15の入力信号を受付け、入力信号が入力された場合にモードフラグMFを“0”に設定してもよい。あるいは、Act5またはAct25においてモードフラグMFが“1”と判定されたとき、CPU101が、スイッチ15の入力信号を受付け、入力信号が入力された場合にフレーム画像を基準画像A,B,C,…と照合し、スイッチ操作画像が撮像された場合にモードフラグMFを“0”に設定してもよい。
【0059】
また、前記実施形態では、バーコード読取技術によって商品を認識するモードをデフォルトとしたが、オブジェクト認識技術によって商品を認識するモードをデフォルトとしてもよい。この場合も、デフォルトでないモードで商品を認識できた場合に、自動的にデフォルトのモードに戻してもよいし、スイッチが入力されるまでデフォルトのモードに戻らないようにしてもよい。
【0060】
また、前記実施形態では、バーコード読取技術による商品認識モードとオブジェクト認識技術による商品認識モードとを切り替えるスイッチ15を操作子として例示したが、操作子の種類はこれに限定されるものではない。例えば音量を調整するスイッチや、動作モードを設定モードに切り替えることを指示するスイッチなどであってもよい。
【0061】
一般に、商品認識装置の譲渡は制御プログラム等のプログラムがROMに記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、コンピュータ装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このコンピュータ装置とは個別に譲渡された制御プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0062】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]読取窓と、この読取窓の外周部に配置され、操作に応じて入力信号を出力する操作子と、前記読取窓に翳された商品を撮像する撮像手段と、この撮像手段で撮像された画像から、前記読取窓に翳された商品を認識する認識手段と、前記撮像手段で撮像された画像から、オペレータによる前記操作子の操作が推測される画像を検出する検出手段と、この検出手段により前記オペレータによる前記操作子の操作が推測される画像が検出されたことを条件に、前記操作子の入力信号を有効とする制御手段と、を具備したことを特徴とする商品認識装置。
[2]前記制御手段は、前記検出手段により前記操作子の操作が推測される画像が検出された場合に前記操作子の入力信号を受け付け、入力された場合にその入力信号を有効とすることを特徴とする付記[1]記載の商品認識装置。
[3]前記制御手段は、前記操作子が操作された場合に前記検出手段を動作させ、前記操作子の操作が推測される画像が検出された場合に前記操作子の入力信号を有効とすることを特徴とする付記[1]記載の商品認識装置。
[4]オペレータが前記操作子を操作する際の手の画像を記憶する記憶手段、をさらに備え、前記検出手段は、前記撮像手段で撮像された画像を前記記憶手段で記憶される画像と照合してオペレータによる前記操作子の操作が推測される画像を検出することを特徴とする付記[1]乃至[3]のうちいずれか1に記載の商品認識装置。
[5]前記認識手段は、前記画像に映し出されたデータコードをデコードして商品を認識するデータコード読取手段と、前記画像に映し出された商品の画像から当該商品の外観特徴量を抽出して商品を認識するオブジェクト認識手段とを含み、前記操作子は、前記データコード読取手段による認識モードと前記オブジェクト認識手段による認識モードとを切り替えるスイッチであることを特徴とする付記[1]乃至[4]のうちいずれか1に記載の商品認識装置。
[6]読取窓と、この読取窓の外周部に配置され、操作に応じて入力信号を出力する操作子と、前記読取窓に翳された商品を撮像する撮像手段とを備えた商品認識装置を、前記撮像手段で撮像された画像から、前記読取窓に翳された商品を認識する認識手段、前記撮像手段で撮像された画像から、オペレータによる前記操作子の操作が推測される画像を検出する検出手段、及び、前記検出手段によりオペレータによる操作子の操作が推測される画像が検出されたことを条件に、操作子の入力信号を有効とする制御手段、として機能させるための制御プログラム。