(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
図1に示すように、遊技機の一例としてのパチンコ機1は遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠2と、この機枠2の一側部においてヒンジ機構により開閉自在に取り付けられた本体枠3と、当該本体枠3内に収容された遊技盤30(
図2参照)と、本体枠3の前方において開閉可能に軸着され、中央部に配設されたガラス窓4A及びガラス窓4Aの下方に設けられた受皿6を有するパネル枠4と、パネル枠4の下部一側部より前方に突設されたハンドルユニット7、及びパネル枠4の上部両側部に配設されたスピーカユニット8を主たる構成として備える。パネル枠4が本体枠3側に閉じられた状態において、パチンコ機1の前方に着座する遊技者からは、パネル枠4に配設されたガラス窓4Aを介して本体枠3内に収容された遊技盤30の遊技領域30A(
図2参照)を視認することが可能である。
【0012】
受皿6の中央部には、遊技者の任意によって操作可能な操作手段としての操作機構9が配設される。操作機構9は、遊技者による押下操作が可能な円形のプッシュボタン9Aと、当該プッシュボタン9Aの周囲において遊技者による回動操作が可能なダイアル9Bとにより構成される。操作機構9は、後述する演出制御装置300と接続されており、プッシュボタン9A、及びダイアル9Bから出力される信号は、演出制御装置300側に入力する。受皿6には、この他、球貸ボタンや返却ボタン等が配設されており、これらのボタン操作によって図外のCRユニットに投入されたICカード等の記録媒体に記録された貸し球可能数に対応する遊技球の貸し出し動作、或いは記録媒体の返却動作が実行される。
【0013】
[遊技盤の構成について]
図2に示すように、本体枠3内に収容された遊技盤30には、演出表示装置450と、後述する複数の入賞装置が配設される。演出表示装置450は、例えば1〜8までの数字、及び特定のキャラクター等からなる演出図柄Sを変動表示可能な液晶表示装置であって、その演出表示部45は遊技盤30の中央部において遊技盤30全体の面積4分の1程度を占めている。当該演出表示部45には、演出図柄Sの他、演出図柄Sの変動表示に伴って予告演出やリーチ演出等の画像や動画によって表現される多様な変動演出が表示され、遊技者は一般に、演出表示部45上に表示される演出図柄Sの変動表示、及び変動演出を視認しながら遊技を楽しむこととなる。
【0014】
また、演出表示部45の周囲には、遊技球誘導壁部35が前方に向けて突設されている。遊技球誘導壁部35は、演出表示部45の上部、及び両側部を略円形状に取り囲むように延在する壁部である。上述のガラス窓4Aが閉じられた場合において、遊技球誘導壁部35の前端部とガラス窓4Aとは、遊技球の直径未満で接近し、遊技球誘導壁部35で囲まれた内側に遊技球が進入することは不可能とされる。
【0015】
遊技盤30には、遊技球誘導壁部35と、外ガイド部27及び内ガイド部28によって区画された遊技領域30Aが形成される。遊技領域30Aは、遊技盤30の前面とガラス窓4Aの後面との間に形成された遊技球の流下可能な空間である。また、遊技盤30には、多数の釘や風車が稙設されており、遊技者のハンドルユニット7の操作に応じて駆動する図外の発射機構により発射され、遊技領域30A内に到達した遊技球は、多数の釘や風車によって不規則に誘導されつつ遊技領域30A内を流下する。
【0016】
また、本実施形態において遊技領域30Aは、概ね左打ち領域ELと右打ち領域ERとに区分けされている。左打ち領域ELは、遊技盤30の左右中心線CLよりも左側の領域であり、当該左打ち領域ELに到達した遊技球は概ね矢印X1で示す方向に向かって遊技領域30A内を流下する。
一方、右打ち領域ERは、遊技領域30Aの左右中心線CLよりも右側の領域であり、矢印X2で示すように当該右打ち領域ERに到達した遊技球は、遊技球の直径よりも僅かに広く、2個以上の遊技球が流下不能な右打ち通路36を通って遊技領域30A内を流下する。
【0017】
遊技盤30の遊技領域30A内には、第1始動入賞装置50、第2始動入賞装置52、第1大入賞装置60、複数の一般入賞装置95、及び第2大入賞装置120が配設されており、これらの入賞装置に遊技球が入球すると、各入賞装置に対応した所定数の賞球が受皿6に払出される。また、詳細については後述するが、遊技球が第1始動入賞装置50、又は第2始動入賞装置52に入球すると、上記賞球の払出しの他、第1大入賞装置60,第2大入賞装置120を開放動作させ、遊技者にとって有利な状態を醸成する特別遊技(大当り遊技)の可否に関する抽選や、当該特別遊技の態様、或いは特別遊技後の遊技状態(普図遊技状態)を決定するための抽選を始めとする各種の抽選が主制御装置200により実行される。即ち、第1始動入賞装置50、又は第2始動入賞装置52への遊技球の入球は、上記各種の抽選を受けるための契機となるものである。
【0018】
また、遊技球が第1大入賞装置60に入球すると、当該第1大入賞装置60内に延設された後述の落下通路72の経路上に設けられた特定領域R1(
図3参照)の通過の有無に基づいて、特別遊技後の遊技状態(特図遊技状態)を変更する処理が主制御装置200により実行される。
【0019】
以下、各入賞装置の構成について説明する。
第1始動入賞装置50は、遊技領域30Aの左右方向略中央において、上記演出表示部45の下部に延設されたステージ47の下方に配設される。第1始動入賞装置50は、遊技盤30の盤面より前方に突出し、上方が開口した入賞部50Aと、第1始動口検出スイッチSW1とを備え、入賞部50Aの上方開口(第1始動入賞口)より内部に取り込まれた遊技球は、内部に配設された第1始動口検出スイッチSW1によって検出される。
【0020】
図5に示すように、第1始動口検出スイッチSW1は、主制御装置200と接続されており、主制御装置200は第1始動口検出スイッチSW1からの検出信号に基づいて前述した各種の抽選処理や、賞球を例えば3個払い出す賞球払出処理を実行する。なお、本例において第1始動入賞装置50は、上述の左打ち領域ELを流下する遊技球のみが入球し得る位置に設定されている。
【0021】
第2始動入賞装置52は、右打ち領域ER内において前述の第1始動入賞装置50、第1大入賞装置60よりも上方に配設される。第2始動入賞装置52は、遊技盤30の盤面より前方に突出し、側部が開口した矩形状の入賞部52Aと、第2始動口検出スイッチSW2と、入賞部52Aの側部において開閉動作可能に設けられた開閉体53とを備える。
図2に示すように、矩形状の入賞部52Aは透明なケーシングにより形成されており、遊技者は入賞部52Aの側部開口(第2始動入賞口)への遊技球の入球有無を視認可能である。入賞部52A内に入球した遊技球は、内部に配設された第2始動口検出スイッチSW2により検出される。第2始動口検出スイッチSW2は主制御装置200と接続されており、主制御装置200は第2始動口検出スイッチSW2からの検出信号に基づいて前述した各種の抽選処理や、賞球を例えば3個払い出す賞球払出処理を実行する。
【0022】
開閉体53は、遊技盤30の背面側に配設されたソレノイドSOL1の駆動によって閉鎖状態と開放状態とを取り得る羽根状部材である。
図2に示すように、開閉体53が直立した閉鎖状態においては、開閉体53の自由端部が、遊技盤30の盤面より前方に突出し、上下方向に延在する流下阻止壁57の下端部と遊技球の直径未満の間隔で接近することから、遊技球は第2始動入賞装置52の入賞部52Aに入球することはできない。一方、開閉体53が左右方向に倒伏した開放状態においては、開閉体53の自由端部が流下阻止壁57の下端部と遊技球の直径以上の間隔を有して離間することから、遊技球は入賞部52Aの第2始動入賞装置52に入球可能となる。なお、第2始動入賞装置52の位置は、上述の右打ち領域ERに打ち出された遊技球のみが入球し得る位置に設定されており、遊技球が右打ち領域ERを流下し、かつ、開閉体53が開放動作中である場合に限って入球が可能となる。また、開閉体53の開放動作に関するソレノイドSOL1の駆動制御については後述する。
【0023】
第2始動入賞装置52の上方には、通過ゲート58が配設される。通過ゲート58は、上下が開放した門型の遊技部品であって、その内部にはゲート検出スイッチSW3が格納されている。通過ゲート58を通過した遊技球は、ゲート検出スイッチSW3によって検出される。詳細については後述するが、主制御装置200は、ゲート検出スイッチSW3からの検出信号の入力を契機として前述の開閉体53の開放の可否に関する各種の抽選を実行する。
【0024】
次に
図3,
図4を参照し、第1大入賞装置60について説明する。第1大入賞装置60は、右打ち領域ERにおいて前述の第2始動入賞装置52よりも下流側に配設される装置である。
【0025】
図3は、第1大入賞装置60の内部構造を透過して示す正面図である。
図4は、第1大入賞装置60の内部構造を示す断面図である。各図において第1大入賞装置60は、遊技盤30の盤面に対して、略面一となるように図外の固定手段を介して取り付けられる取付基盤62と、当該取付基盤62の前方に対向して取着される流路構造体70と、流路構造体70の内部に形成された落下通路72の上流側を開閉する開閉機構80と、落下通路72内に進入した遊技球を落下通路72の途中に形成された特定領域R1、又は落下通路72よりも下流側に設けられた非特定領域R2に振分ける振分機構100を主たる構成として備える。
【0026】
図3に示すように、取付基盤62には、その周囲に複数の取付孔61aが開設されており、当該取付孔61aを介して図外の固定手段が遊技盤30側に螺入されることにより、その前面が遊技盤30の盤面に対して略面一となる。流路構造体70は、取付基盤62に正対して組み付けられる箱型の構造体であって、取付基盤62側に延長する図外の複数の取付ボスと、取付基盤62の前方に突設された図外の複数の取付突起とが嵌め合わされることにより、取付基盤62に一体的に組み付けられる。流路構造体70の内部には、遊技球が流下(落下)可能な落下通路72が形成されており、流路構造体70内に入球した遊技球は、落下通路72内を流下する過程において特定領域取込口77を経由して特定領域R1を通過するか、又は、落下通路72よりも下流側に設けられた排出口76cを経由して非特定領域R2を通過することとなる。
【0027】
図3に示すように、流路構造体70の上部には、上側誘導壁74が前後方向に突設される。
図2からも分かるように、上側誘導壁74は右打ち領域ER側の外ガイド部27と接し、第1大入賞装置60方向に緩やかに下傾斜する球受け部74aと、当該球受け部74aと連接し、外ガイド部27と略平行に下傾斜する球落下部74bと、当該球落下部74bと連接し、第1大入賞装置60方向に緩やかに下傾斜する球誘導部74cとを有する。また、
図4に示すように、上側誘導壁74の前縁部には、当該上側誘導壁74の延長方向に沿って上方に延出する前側誘導壁75が形成されている。
【0028】
図3の矢印X3に示すように、右打ち領域ERを流下して球落下部74bや球誘導部74cに到達した遊技球Pは、通常時において取付基盤62と前側誘導壁75との間をその傾斜に沿って第1始動入賞装置50方向に流下することとなる。
【0029】
また、後述する特別遊技が実行されている場合において、右打ち領域ERを経て球誘導部74c上に到達した遊技球Pは、矢印X4に示すように、当該球誘導部74cの途中に設けられた第1大入賞口65aを介して落下通路72内に進入する可能性がある。第1大入賞口65aは、球誘導部74cに開設された平面視矩形状の開口であって、球誘導部74cに到達した遊技球を1個ずつ落下通路72内に導入可能な大きさを有する。
【0030】
第1大入賞口65aは、特別遊技実行中以外の通常時においては、開閉機構80の開閉体81によって閉鎖され、遊技球の入球が阻止される。一方で、特別遊技実行中においては開閉体81が後方に向けて所定の周期により開放動作することによって、遊技球の入球が許容される。
【0031】
図3,
図4に示すように、第1大入賞口65aと連通する落下通路72は、一側壁72aと他側壁72bとの間に形成される内部通路である。一側壁72a及び他側壁72bは、互いに実質的に垂直方向に延在して対向するとともに、遊技球の直径よりも僅かに広く、遊技球の直径の2倍未満の間隔を有して離間する。
【0032】
上記構成により、第1大入賞口65aに入球した遊技球は、実質的に垂直に延在する落下通路72内を自由落下し、そのタイミングによって特定領域R1を通過するか、或いは落下通路72よりも下流側において連続して形成された球排出通路76に至る。落下通路72の途中には、第1大入賞口検出スイッチSW4が配設される。第1大入賞口検出スイッチSW4は、他側壁72b側に形成された収容部によって一側壁72a及び他側壁72b間に横架するように支持されており、落下通路72内を流下する全ての遊技球を検出する。また、第1大入賞口検出スイッチSW4は、主制御装置200と接続されており、主制御装置200側では、当該第1大入賞口検出スイッチSW4からの検出信号の入力に基づいて賞球を例えば15個払い出す賞球払出処理を実行する。
【0033】
球排出通路76の終端部近傍には、遊技球を後方へ排出可能とする非特定領域R2を構成する排出口76cが開設されている。非特定領域R2は、排出口76cと、当該排出口76cより後方において下方に延在する図外の排出流路とを含む領域であり、当該非特定領域R2を通過する遊技球は、上記排出通路内に配設された図外の排出検出スイッチによって検出された後、排出機構を経由して機外に排出される。つまり、落下通路72を経て球排出通路76の排出口76cを介して非特定領域R2を通過する全ての遊技球は、図外の排出検出スイッチによって検出された後、排出機構を経由して機外に排出される。
【0034】
落下通路72に配設された第1大入賞口検出スイッチSW4よりも下方、かつ、球排出通路76よりも上流側の落下通路72の途中には、特定領域R1を構成する特定領域取込口77が設けられる。特定領域R1は、入球口としての特定領域取込口77と、特定領域取込口77の下方において前後方向に進退動作する振分開閉体105の後方から下方に向けて延在する通路に配設された特定領域検出スイッチSW5までの空間である。
詳細については後述するが、特別遊技の実行中において落下通路72を流下中の遊技球が振分開閉体105の前進動作によって特定領域取込口77に入球し、上記特定領域R1を通過すると、遊技状態(特図遊技状態)を遊技者にとって有利な状態とする所定の遊技状態設定処理が主制御装置200により実行され、特別遊技終了後の遊技状態(特図遊技状態)が遊技者にとって有利な遊技状態に切り替えられる。
【0035】
次に、第2大入賞装置120について概説する。
図2に示すように、第2大入賞装置120は、遊技盤30の盤面より前方に突出し、側部が開口した矩形状の入賞部120aと、第2大入賞口検出スイッチSW6と、入賞部120aの側部において開閉動作可能に設けられた開閉体125とを備える。
図2に示すように、矩形状の入賞部120aは透明なケーシングにより形成されており、遊技者は入賞部120aへの遊技球の入球有無を視認可能である。入賞部120aの側部開口(第2大入賞口120b)に入球した遊技球は、内部に配設された第2大入賞口検出スイッチSW6により検出される。第2大入賞口検出スイッチSW6は、主制御装置200と接続されており、主制御装置200は第2大入賞口検出スイッチSW6からの検出信号に基づいて賞球を例えば15個払い出す賞球払出処理を実行する。
【0036】
開閉体125は、開閉体53と同様に遊技盤30の背面側に配設されたソレノイドSOL4の駆動によって閉鎖状態と開放状態とを取り得る羽根状部材である。
図2に示すように、開閉体125が直立した閉鎖状態においては、開閉体125の自由端部が、遊技盤30の盤面より前方に突出し、左右方向に傾斜して延在する入球阻止壁130と遊技球の直径未満の間隔で接近することから、遊技球は入賞部120aの第2大入賞口120bに入球することはできない。一方、開閉体125が左右方向に倒伏した開放状態においては、開閉体125の自由端部が入球阻止壁130と遊技球の直径以上の間隔を有して離間することから、遊技球は第2大入賞口120bに入球可能となる。
なお、第2大入賞装置120の位置は、前述の第1大入賞装置60と同様に右打ち領域ERに打ち出された遊技球のみが入球し得る位置とされており、遊技球が右打ち領域ERを流下し、かつ、特別遊技中において開閉体125が開放動作中である場合に限って入球が可能となる。
【0037】
複数の一般入賞装置95は、遊技盤30の左側部、左下側部、及び右下側部においてそれぞれ分かれて配設される。一般入賞装置95は、配設位置によって上方又は斜め上方が開口した入賞部95aと一般入賞口検出スイッチSW7とを備えており、入賞部95aの開口(一般入賞口)から入球した遊技球は内部に収容された一般入賞口検出スイッチSW7により検出される。当該一般入賞口検出スイッチSW7は主制御装置200と接続されており、主制御装置200は一般入賞口検出スイッチSW7からの検出信号に応じて賞球を例えば3個払い出す賞球払出処理を実行する。また、上述した各入賞装置のいずれにも入球しなかった遊技球は、遊技領域の複数箇所に開設された複数のアウト口69に入球し、当該アウト口69と連通する図外の排出通路を介して機外に排出される。
【0038】
遊技盤30の遊技領域30Aの外方には、第1特別図柄表示装置35A、第2特別図柄表示装置35B、第1特別図柄保留表示装置36A、第2特別図柄保留表示装置36B、普通図柄表示装置37、及び普通図柄保留表示装置38が設けられている。各表示装置は、遊技の進行状況に応じて主制御装置200によって制御され、その表示の変化によって遊技状況を遊技者に報知する。
【0039】
[パチンコ機の内部構成について]
図5は、パチンコ機1の制御を担う制御手段の構成を示すブロック図である。同図に示すように、パチンコ機1は、主として遊技全般に係る基本動作を制御する主制御装置200と、主として賞球の払出動作を制御する払出制御装置250と、主として遊技球の発射を制御する発射制御装置260と、前述の演出表示装置450を制御する演出制御装置300とを備える。
【0040】
主制御装置200は、(メイン)CPU200a,(メイン)ROM200b、及び(メイン)RAM200cを備えてなり、CPU200aが、各検出スイッチやタイマからの入力に対応してROM200bに予め格納されたプログラムを読み出して、当該プログラムに従った演算処理を行い、主制御装置200に接続された上述の各ソレノイドSOL1〜SOL4や、遊技盤30の遊技領域30Aの外方に配設された第1特別図柄表示装置35A,第2特別図柄表示装置35B,第1特別図柄保留表示装置36A,第2特別図柄保留表示装置36B,普通図柄表示装置37、及び普通図柄保留表示装置38といった各表示装置を直接的に制御したり、他の制御装置に多様なコマンドを送信する。また、このときRAM200cは、CPU200aの演算処理時におけるワークエリアとして機能し、演算に必要な各種のデータや、コマンドを一時的に保持する。
【0041】
主制御装置200には、払出制御装置250、及び演出制御装置300が接続されている。払出制御装置250は、主制御装置200と同様に不図示のCPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータであって、主制御装置200と一方向通信可能に接続されている。当該払出制御装置250には、外部情報出力端子板251が接続されている。外部情報出力端子板251は、主制御装置200(CPU200a)及び払出制御装置250(払出CPU)から出力された遊技の進行に関する種々の情報をパチンコ機1の設置店等に設けられたホストコンピュータ側に送信する。
【0042】
また、払出制御装置250には、遊技者に対して賞球を払い出すための払出モータ252、及び賞球数計数スイッチ253が接続されている。払出制御装置250は、主制御装置200から送信される払出コマンドに含まれる賞球数情報に基づいて所定の賞球数が払い出されるように払出モータ252を制御する。当該払出モータ252の駆動により払い出された賞球は、賞球数計数スイッチ253により検出され、払出制御装置250側において、適正な賞球数が払い出されたかが把握される。なお、払出制御装置250には、この他、受皿6に許容数以上の遊技球が貯留されていることを検知する皿満タン検出スイッチや、本体枠3の扉が開放していることを検知する扉開放検出スイッチ等の各種のスイッチが接続される。
【0043】
発射制御装置260には、ハンドルユニット7内に搭載されたタッチセンサ261、発射ボリューム262、図外の発射機構内に受皿6に貯留された遊技球を送り込む球送りモータ263、及び発射機構内に格納された球発射モータ264が接続されており、発射制御装置260は、払出制御装置250からの発射許可およびタッチセンサ261からの入力を条件として、遊技者によるハンドルユニット7の操作量に応じて変化する発射ボリューム262からの入力信号に基づいて球発射モータ264を制御し、受皿6に貯留された遊技球を所定の発射力により遊技領域30A内に打ち出す。
【0044】
演出制御装置300は、遊技進行中や待機中における各種の演出を制御する。演出制御装置300は、(サブ)CPU300a,(サブ)ROM300b,(サブ)RAM300cを備えてなり、主制御装置200に対して、主制御装置200から演出制御装置300に対してのみ通信(一方向通信)が可能なように接続されている。当該演出制御装置300は、主制御装置200から送信される演出に関する各種のコマンドや内部タイマからの入力信号に基づいて、ROM300bに予め格納されたプログラムを読み出して、当該プログラムに従った演算処理を行い、演出制御装置300に接続された演出表示装置450の演出表示部45の画像制御、遊技進行中における楽曲や効果音などの音声をスピーカユニット8から出力させる音声出力制御や、図外の可動体を動作させるソレノイドやモータ等の駆動手段を動作させる可動体駆動制御、或いは遊技盤30及びパネル枠4等の各所に配設された発光体(LED)57を多様なパターンにより発光させる発光制御を実行する。このときRAM300cは、CPU300aの演算処理時におけるワークエリアとして機能し、演算に必要な各種のデータや、コマンド等を一時的に保持する。
【0045】
また、演出制御装置300は、CPU300aと接続され、当該CPU300aより送信される画像表示に係る各種のコマンドを受信して演出表示部45に多様な画像を表示するためのVDP、及び上記画像表示処理中に必要な各種のデータ等を一時的に保存するVRAM、音声制御のための音声合成LSI等、各種制御に必要なハードウェアを備えている。また、演出制御装置300には、遊技者の任意に操作可能な前述の操作機構9が接続されており、例えば当該操作機構9の操作タイミングに合せて前述の各制御を実行し、操作機構9の操作タイミングに従った所定の演出を表現することが可能である。
【0046】
以下、上記構成からなるパチンコ機1の遊技の流れについて概説する。
遊技者のハンドルユニット7の操作により遊技領域30A内を流下する遊技球が前述の第1始動入賞装置50又は第2始動入賞装置52に入球すると、主制御装置200では特別遊技(大当り遊技)の実行可否に関する抽選(以下、特図当否抽選ともいう)、特別図柄の種類を決定する抽選(以下、特図種別決定抽選ともいう)、特別図柄の変動パターンを決定する抽選(以下、特図変動パターン決定抽選ともいう)等の種々の抽選を実行する。
そして、上記抽選のうち、特図当否抽選の結果が「当り」である場合には、前述の第1大入賞装置60及び第2大入賞装置120を開放動作させ、遊技球の入球を容易とする特別遊技を実行する。以下、各抽選の概要について説明する。
【0047】
まず、遊技球が第1始動入賞装置50又は第2始動入賞装置52に入球すると、特図当否抽選において参照される特図当否判定乱数や、特図種別決定抽選において参照される特図種別決定乱数、特図種別決定抽選において参照される特図種別決定乱数等、種々の乱数が同時に取得され、当該取得された乱数がRAM200cの保留記憶領域に格納される。なお、以下の説明においては、第1始動入賞装置50への入球を契機として取得される上記種々の乱数を総称して特1保留といい、第2始動入賞装置52への入球を契機として取得される上記種々の乱数を総称して特2保留という場合がある。
【0048】
上記保留記憶領域は、特1保留、及び特2保留をそれぞれ独立して記憶可能な第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。
そして、第1始動入賞装置50に遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動入賞装置52に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(Y1)および特2保留数(Y2)は、それぞれ4つに設定されており、各保留記憶領域の上限を超えて保留数(Y1,Y2)が増加することはない。
【0049】
[特図当否抽選について]
図6は、特図当否抽選に係る処理において参照される特図当否判定テーブルTBの概要を示す図である。遊技球が、第1始動入賞装置50又は第2始動入賞装置52に入球すると、0〜65535の範囲から1つの特図当否判定乱数が取得される。同図に示すように特図当否判定テーブルTBは、遊技状態(特図遊技状態)が特図低確率である場合に参照される低確率用特図当否判定テーブルTB1と、遊技状態(特図遊技状態)が特図高確率である場合に参照される高確率用特図当否判定テーブルTB2とに細分化されている。特図当否判定テーブルTB1,TB2には、0〜65535までの特図当否判定乱数に対応する判定結果(「当り」又は「ハズレ」)が規定されている。例えば、低確率用特図当否判定テーブルTB1が参照された場合に判定結果が「当り」となる確率は、約399分の1であり、これに対して高確率用特図当否判定テーブルTB2が参照された場合に判定結果が当りとなる確率は、10倍の約39.9分の1である。そして、上記取得された特図当否判定乱数が、「当り」と対応する乱数である場合は判定結果が当りとなり、「ハズレ」と対応する乱数である場合は判定結果がハズレと判定される。上記特図当否判定乱数及び特図当否判定テーブルTBに基づいて、特別遊技の可否に関する所定の抽選結果(「当り」又は「ハズレ」)を決定する特図当否抽選に係る処理を実行するCPU200aが、本実施形態における当否抽選手段に相当する。
なお、上記特図当否判定テーブルTB1,TB2においては、判定結果を「当り」,「ハズレ」の2通りとしたがこの他、「小当り」を付加したテーブルとしてもよい。ここで、「小当り」とは、例えば第2大入賞装置120の開閉体125を開放動作させ、遊技球の入球を容易とする遊技の開放時間が特別遊技よりも少ない遊技であり、小当りによる遊技終了後に、小当り遊技開始前と遊技状態が変わることがない遊技である。
【0050】
詳細については後述するが、特図低確率状態とは、特図当否抽選において低確率用特図当否判定TB1を参照して抽選結果を判定する遊技状態である。一方、特図高確率状態とは、特図当否抽選において高確率用特図当否判定TB2を参照して抽選結果を判定する遊技状態であり、特図低確率状態と比べて判定結果が「当り」となり易く、前述の特別遊技を獲得し易い状態である。
【0051】
[特図種別決定抽選について]
図7は、特図種別決定抽選に係る処理において参照される特図種別決定テーブルTBの概要を示す図である。同図に示すように、特図種別決定テーブルTBは、特図種別決定乱数が第1始動入賞装置50への入球を契機として取得され、前述の特図当否抽選の結果が当りである場合に参照される特図種別決定テーブルTB1と、特図種別決定乱数が第2始動入賞装置52への入球を契機として取得され、前述の特図当否抽選の結果が当りである場合に参照される特図種別決定テーブルTB2と、特図当否抽選の結果がハズレである場合に参照される特図種別決定テーブルTB3とに細分化される。
【0052】
第1始動入賞装置50又は第2始動入賞装置52に入球すると、例えば0〜99の範囲から1つの特図種別決定乱数が取得される。同図に示すように、特図種別決定テーブルTB1,TB2には、0〜99までの特図種別決定乱数に対応する特別図柄種別が所定の割合(選択率)で規定されている。例えば、特図種別決定テーブルTB1が参照され、取得された特図種別決定乱数が0〜39の範囲である場合には、特図種別が特別図柄Aとして決定され、40〜79の範囲である場合には、特図種別が特別図柄Bとして決定され、80〜89の範囲である場合には、特図種別が特別図柄Cとして決定され、90〜94の範囲である場合には、特図種別が特別図柄Dとして決定され、95〜99の範囲である場合には、特図種別が特別図柄Eとして決定される。
つまり、第1始動入賞装置50への入球を契機とする特図当否抽選の結果が「当り」となり、特図種別決定テーブルTB1が参照された場合の特別図柄A〜特別図柄Eそれぞれの選択率は、40%、40%、10%、5%、5%となる。
【0053】
特図種別決定テーブルTB2が参照された場合、取得された特図種別決定乱数に関わらず、特図種別が特別図柄Bとして決定される。つまり、第2始動入賞装置52への入球を契機とする特図当否抽選の結果が当りとなり、特図種別決定テーブルTB2が参照された場合には、特別図柄Bの選択率が100%となる。
特図種別決定乱数と特図種別決定テーブルTBとに基づいて特図種別を決定する特図種別抽選に係る処理を実行するCPU200aが、本実施形態における図柄種別決定手段に相当する。なお、詳細については後述するが、当該特図種別決定抽選によって抽出、決定された特図種別は、特別遊技の態様、及び特別遊技後の遊技状態(普図遊技状態)を決定する要素として用いられる。
【0054】
特図種別決定テーブルTB3は、上記特図当否抽選の結果が「ハズレ」である場合に参照され、取得された特図種別決定乱数の範囲、及び特図種別決定乱数の取得契機に関わらず特図種別が無条件に特別図柄X(ハズレ図柄X)に決定される。
【0055】
[特図変動パターン決定抽選について]
図8,
図9は、上記特図変動パターン決定抽選において参照される事前判定テーブルTBと、事前判定テーブルTBに規定された内容(加算値)に従って参照される変動パターン決定テーブルTBの概要を示す図である。
図8に示すように、事前判定テーブルTBは、選択オフセット値が「0」である場合に参照される事前判定テーブルTB0と、選択オフセット値が「1」である場合に参照される事前判定テーブルTB1と、選択オフセット値が「2」である場合に参照される事前判定テーブルTB2と、選択オフセット値が「3」である場合に参照される事前判定テーブルTB3と、選択オフセット値が「4」である場合に参照される事前判定テーブルTB4と、選択オフセット値が「6」である場合に参照される事前判定テーブルTB6とに細分化される。なお、本実施形態においては、選択オフセット値が「5」を除く「0」から「6」の値を取り得る関係上、合計6種類の事前判定テーブルを設けているが、選択オフセット値の取り得る値に応じて事前判定テーブルを増減することが可能である。また、選択オフセット値の詳細については後述する。
【0056】
同図に示すように、例えば事前判定テーブルTB1には、1バイト分の情報として比較値「2」に対して加算値「6」、比較値「19」に対して加算値「7」、比較値「0FFH」に対して加算値「0」の複数の組み合わせが規定されている。
ここで、比較値の値は、後述するテーブル切替回数カウンタA又はテーブル切替回数カウンタBのカウンタ値と対比する際の指標であり、例えば事前判定テーブルTB1が参照された場合、テーブル切替回数カウンタA又はBの値が1以上2未満であるとき(「1」であるとき)、加算値「6」が算出され、テーブル切替回数カウンタA又はBの値が2以上19未満であるとき、加算値「7」が算出され、それ以外であるとき、即ちテーブル切替回数カウンタA又はBの値が0又は19以上であるとき、加算値「0」が算出される。
また、例えば事前判定テーブルTB0が参照された場合、テーブル切替回数カウンタA又はBのカウンタ値に関わらず(「0」以上であるときに)加算値「0」が算出される。
また、事前判定テーブルTB2が参照された場合、テーブル切替回数カウンタA又はBの値が1以上42未満であるとき、加算値「1」が算出され、それ以外であるとき、即ち、テーブル切替回数カウンタA又はBのカウンタ値が0又は42以上であるとき、加算値「2」が算出される。また、事前判定テーブルTB3が参照された場合、テーブル切替回数カウンタA又はBのカウンタ値が1以上22未満であるとき、加算値「2」が算出され、それ以外であるとき、即ち、テーブル切替回数カウンタA又はBのカウンタ値が0又は22以上であるとき、加算値「3」が算出される。また、事前判定テーブルTB4が参照された場合、テーブル切替回数カウンタA又はBのカウンタ値が1以上10未満であるとき、加算値「1」が算出され、テーブル切替回数カウンタA又はBのカウンタ値が0又は10以上であるとき加算値「2」が算出される。また、事前判定テーブルTB6が参照された場合、テーブル切替回数カウンタA又はBのカウンタ値が1以上30未満であるとき、加算値「0」が算出され、テーブル切替回数カウンタのカウンタ値が0又は30以上であるとき加算値「2」が算出される。
なお、テーブル切替回数カウンタA又はBのカウンタ値は、
図30(b)に示す後述のテーブル切替回数更新処理によって管理され、特別図柄の変動,停止に応じて減算(−1)又は加算(+1)される。
上記各事前判定テーブルTB0〜TB6と対応付けられた選択オフセット値は、前述の特図種別と対応して規定された初期オフセット値と、後述する複数の遊技状態と対応して規定された遊技状態値との合計値である。
【0057】
図9は、上記特図変動パターン決定抽選において参照される変動パターン決定テーブルTBの概要を示す図である。変動パターン決定テーブルTBは、変動パターン決定値が「0」である場合に参照される変動パターン決定テーブルTBAと、変動パターン決定値が「2」である場合に参照される変動パターン決定テーブルTBBと、変動パターン決定値が「3」である場合に参照される変動パターン決定テーブルTBCと、変動パターン決定値が「4」である場合に参照される変動パターン決定テーブルTBDと、変動パターン決定値が「5」である場合に参照される変動パターン決定テーブルTBEと、変動パターン決定値が「6」である場合に参照される変動パターン決定テーブルTBFと、変動パターン決定値が「7」である場合に参照される変動パターン決定テーブルTBGとに細分化される。第1始動入賞装置50又は第2始動入賞装置52に入球すると、0〜99の範囲から1つの変動パターン決定乱数が取得される。
【0058】
同図に示すように、各変動パターン決定テーブルTBには、前述の抽選により決定された特図判定結果、及び現在の保留記憶数(0〜4)に応じて、変動パターン決定乱数に対応する変動パターン番号(識別子)によって表される複数の変動パターンが規定されている。各変動パターンには、特別図柄が変動を開始してから変動を停止する(確定する)までの変動時間が規定されている。当該変動時間は、特別図柄の変動表示時間であるとともに、特別図柄の変動と略同期して変動する演出図柄Sの変動表示時間となる。また、各識別子は、演出図柄Sの変動表示とともに表示される変動演出の種別(系統)を表しており、同一の変動時間であっても識別子の違いにより、演出表示装置450の演出表示部45上において異なる変動演出が表示されるようになっている。
なお、本実施形態では特図判定結果、及び現在の保留記憶数を加味して1の変動パターンを決定するものとしたが、これに加えて特図種別に応じて変動パターンを決定する構成としてもよい。また、本実施形態では、特図判定結果が「当り」である場合には、現在の保留記憶数に依らず特定の変動パターン(識別子)が決定される。
【0059】
上記各変動パターン決定テーブルTBA〜TBGと対応付けられた変動パターン決定値(0,2〜7)は、前述の事前判定テーブルTBから算出される加算値(0,1,2,3,6,7のいずれか)と、複数の遊技状態と対応して規定された遊技状態値(0,1,2,3のいずれか)との合計値である。
【0060】
上記変動パターン決定テーブルTBから、変動パターン決定乱数に対応する特定の変動パターンが決定されると、決定された変動パターン(識別子)に対応する変動パターンコマンドが演出制御装置300側に送信され、各変動パターンに従った種々の演出を表現する画像表示が演出表示装置450の演出表示部45に表示されることとなる。
【0061】
また、主制御装置200は、上記変動パターンコマンドの送信と同時に第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bを制御し、いずれかの表示装置上において特別図柄の変動表示を開始させる。その後、主制御装置200は、上記変動表示時間が経過したことに基づいて、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bを制御して特別図柄の変動を停止させるとともに、演出制御装置300側に後述する特図停止指定コマンドを送信し、演出表示部45上において変動表示される演出図柄の変動を停止させる。
【0062】
以上のとおり、特図変動パターン決定抽選においては、まず初期オフセット値と遊技状態値の合計である選択オフセット値を算出し、当該算出された選択オフセット値と対応する事前判定テーブルTB0〜TB6(TB5を除く。以下同じ)のいずれかを参照する事前判定テーブル決定処理を実行する。次に、上記処理により決定されたいずれかの事前判定テーブルTBを参照し、テーブル切替回数カウンタA又はBのカウンタ値に応じた加算値を算出する加算値算出処理を実行する。
そして、加算値算出処理により算出された加算値と遊技状態値との合計である変動パターン決定値と対応するいずれかの変動パターン決定テーブルTBA〜TBGを参照し、変動パターン決定乱数に対応する変動パターン(識別子)を決定する特図変動パターン決定抽選処理を実行する。なお、特図変動パターン決定抽選において用いられる初期オフセット値,遊技状態値,選択オフセット値,加算値、及び変動パターン決定値の意義,算出方法,その関係性等については後述する。また、変動パターン決定テーブルTBA〜TBGのいずれかを参照し、変動パターン決定乱数に対応する変動パターン(識別子)を決定する特図変動パターン決定抽選処理を実行するCPU200aが、本実施形態における変動パターン決定手段に相当する。
【0063】
以上説明したとおり、主制御装置200は、特別図柄の変動開始時に上述の特図当否抽選,特図種別決定抽選、及び特図変動パターン決定抽選を実行し、特別図柄及び演出図柄の最終的な停止の態様によって、特別遊技実行の可否と関連する特図当否抽選の結果を報知する。また、以下、これら特別遊技の実行に関わる各種の抽選処理を総称して特図遊技という場合がある。なお、一般的に遊技者は、特別図柄の変動表示と同期して変動表示される演出図柄Sの停止態様によって特図当否抽選の結果を認識することとなる。また、上記一連の抽選に関する具体的な処理については、
図25以下を参照しつつ後述する。
【0064】
[特別遊技について]
図10は、前述の特図当否抽選の結果が「当り」となり、遊技者にとって有利な特別遊技(大当り遊技)が実行される場合に参照される特別遊技制御テーブルTBの概要を示す図である。特別遊技制御テーブルTBには、特別遊技を制御するための各種データが記憶されており、主制御装置200は、特別遊技中において当該テーブルを参照して第1大入賞装置60の開閉体81と対応するソレノイドSOL2及び振分開閉体105と対応するソレノイドSOL3、或いは、第2大入賞装置120の開閉体125と対応するソレノイドSOL4を駆動制御する。なお、特別遊技制御テーブルTBは、特図種別ごとに複数設けられており、決定された特図種別に応じて対応するテーブルが特別遊技の開始時にセットされるが、ここでは1つのテーブルに全ての特図種別に対応する制御データを示す。
【0065】
本実施形態における特別遊技は、第1大入賞装置60の開閉体81が開放動作されるラウンド遊技(特定ラウンド遊技)と、第2大入賞装置120の開閉体125が開放動作される複数のラウンド遊技(非特定ラウンド遊技)とが組み合わされて構成されている。本例においては、特別電動役物最大作動回数(1回の特別遊技中に実行されるラウンド遊技の最大回数)が特図種別に応じて15回、10回、8回(15R、10R、8R(ラウンド))に設定されており、例えば特図種別が特別図柄A又は特別図柄Bである場合には、1R目から13R目までの非特定ラウンド遊技では第2大入賞装置120の開閉体125が開放動作され、14R目の特定ラウンド遊技では第1大入賞装置60の開閉体81及び振分開閉体105が開放動作され、15R目には再び第2大入賞装置120の開閉体125が開放動作される。
また、特図種別が特別図柄Cである場合には、1R目から8R目までの非特定ラウンド遊技では第2大入賞装置120の開閉体125が開放動作され、9R目の特定ラウンド遊技では第1大入賞装置60の開閉体81及び振分開閉体105が開放動作され、10R目には再び第2大入賞装置120の開閉体125が開放動作される。
また、特図種別が特別図柄D又は特別図柄Eである場合には、1R目から6R目までの非特定ラウンド遊技では第2大入賞装置120の開閉体125が開放動作され、7R目の特定ラウンド遊技では第1大入賞装置60の開閉体81及び振分開閉体105が開放動作され、8R目には再び第2大入賞装置120の開閉体125が開放動作される。
このように本実施形態では、1回の特別遊技において第1大入賞装置60と第2大入賞装置120とが切り替わって動作する。
【0066】
また、特別遊技制御テーブルTBには、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物開閉切替回数(1R中の開放回数)、各ソレノイド通電時間(第1大入賞口開放時間,振分開閉体開放時間,第2大入賞口開放時間)、規定数(1R中の最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖時間(インターバル時間))、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の遊技(特別図柄の変動表示)が再開されるまでの待機時間)が、特図種別ごとに予め記憶されている。また、特別遊技中において、特別遊技制御テーブルTBに基づいて第1大入賞装置60と第2大入賞装置120とを駆動制御する処理を実行するCPU200aが、本実施形態における特別遊技実行手段に相当する。
【0067】
以下、
図15,16を参照し、特別遊技中における第1大入賞装置60及び第2大入賞装置120の具体的な動作について説明する。
図15は、特図種別が特別図柄A又は特別図柄Bである場合の1回の特別遊技における第1大入賞装置60及び第2大入賞装置120の動作を示すタイムチャートであり、
図16は、特別遊技の14R目(特別図柄Cの場合9R目、特別図柄D又はEである場合7R目)に動作する第1大入賞装置60の開閉体81及び振分開閉体105の開閉動作を示すタイムチャートである。
なお、図示の例では、特図種別に応じて14R目、9R目及び7R目のいずれかに第1大入賞装置60を動作(特定ラウンド遊技を実行)させるものとしているが、これに限られるものではなく、特別遊技中であればどのようなタイミングで第1大入賞装置60を動作させてもよい。
【0068】
図15に示すように、特別遊技が実行されると、まず1R目から13R目までの間、第2大入賞装置120の動作が繰り返し実行される。具体的には、
図10の特別遊技制御テーブルTBに従って、特別図柄及び演出図柄Sの変動が当りを示す態様で停止(確定)してから5秒後に1回目(1R目)のラウンド遊技が開始され、当該ラウンド遊技(非特定ラウンド遊技)が合計13回(13R)まで繰り返し実行される。
より詳細には、主制御装置200からの駆動信号により、第2大入賞装置120の開閉体125の駆動源としてのソレノイドSOL4が駆動し、開閉体125が開放状態となり、第2大入賞口120bへの遊技球の入球を許容する。このときの開閉体125の開放は、開放開始から29秒が経過するか、規定数として設定された9個の遊技球が第2大入賞口検出スイッチSW6により検出されるまで継続する。また、各ラウンド間には、ソレノイドSOL4への駆動信号の出力が停止されることにより、開閉体125が2秒間閉鎖し遊技球の入球を阻止するインターバル時間が設けられる。同図に示すように、13回目(13R目)のラウンド遊技終了後には2秒間のインターバル時間を挟み、動作対象が第2大入賞装置120から第1大入賞装置60へと切り替わる。
【0069】
図16は、14回目(14R目)のラウンド遊技(特定ラウンド遊技)における第1大入賞装置60のソレノイドSOL2;SOL3の動作の関係を特図種別(特別図柄A及び特別図柄B)ごとに示す図である。
図16(a)に示すように、特図種別が特別図柄Aである場合、ラウンド遊技の開始から4秒間に渡ってソレノイドSOL2への駆動振動が繰り返し出力され、当該ソレノイドSOL2を駆動源とする開閉体81が合計10回分開放動作される。
ここで、開閉体81の1回当りの開放時間は0.2秒であるからラウンド遊技開始から4秒間における開閉体81の実質的な開放時間の合計は2秒となる。また、当該期間においては開閉体81の1回当りの開放時間が0.2秒と極めて短時間であることから、遊技球が第1大入賞装置60の第1大入賞口65aに入球することは困難であるものの、流下のタイミングによっては入球する可能性がある。
【0070】
続いて上記開閉体81の開放動作終了後、さらに2秒が経過した時点からは8秒間に渡ってソレノイドSOL3への駆動信号が繰り返し出力され、当該ソレノイドSOL3を駆動源とする振分開閉体105が合計3回分開放動作される。
図4に示すように、振分開閉体105が開放動作されると、振分開閉体105の先端部が落下通路72内に突出した状態となり、当該落下通路72内を落下中の遊技球を特定領域R1側へ振分可能な状態となる。ここで、振分開閉体105の1回当りの開放時間は2秒として設定されており、8秒間における振分開閉体105の実質的な開放時間の合計は6秒となる。
【0071】
図16(a)に示すとおり上記振分開閉体105が開放動作を複数回繰り返す8秒の期間においては、開閉体81は閉鎖状態に維持されているため、当該期間中に遊技球が第1大入賞口65aに入球する可能性は皆無であり、結果として8秒間に渡って開放動作される振分開閉体105により遊技球が特定領域R1を通過する(振り分けられる)ことも皆無となる。
【0072】
即ち、前述のとおり第1大入賞装置60の落下通路72は、第1大入賞口65aと連通して実質的に垂直に延在する構造であり、さらにその幅寸法は遊技球の直径よりも僅かに広く、遊技球の直径の2倍未満に設定されているため、ラウンド遊技開始から4秒間における開閉体81の複数の開放動作によって、遊技球が第1大入賞口65aに入球した場合であっても落下通路72内(振分開閉体105よりも上流側)に遊技球が滞留している可能性は限りなく低く、8秒間に渡って開放動作される振分開閉体105により遊技球が特定領域R1を通過する(振り分けられる)可能性も限りなく低くなる。
【0073】
続いて上記振分開閉体105の動作終了後には、開閉体81及び振分開閉体105の閉鎖状態が所定時間維持された後に14R目のラウンド遊技が終了し、2秒のインターバル時間を挟んで再び第2大入賞装置120の動作による15R目のラウンド遊技が開始される。
【0074】
次に、特図種別が特別図柄Bである場合について説明する。
図16(b)に示すように特図種別が特別図柄Bである場合、ラウンド遊技の開始から4秒間に渡ってソレノイドSOL2への駆動振動が繰り返し出力され、当該ソレノイドSOL2を駆動源とする開閉体81が合計9回分開放動作される。ここで、開閉体81の1回当りの開放時間は上記同様に0.2秒であるからラウンド遊技開始から4秒間における開閉体81の実質的な開放時間の合計は1.8秒となる。また、上記同様に、当該期間においては開閉体81の1回当りの開放時間が0.2秒と極めて短時間であることから、遊技球が第1大入賞装置60の第1大入賞口65aに入球することは困難である。
【0075】
続いて上記開閉体81の開放動作終了後、さらに2秒が経過した時点からは8秒間に渡ってソレノイドSOL3への駆動信号が繰り返し出力され、当該ソレノイドSOL3を駆動源とする振分開閉体105が合計3回分開放動作される。なお、振分開閉体105の開閉動作については前述の場合と同様である。
一方、
図16(b)に示すとおり、上記振分開閉体105が開放動作を複数回繰り返す8秒の期間においては、開閉体81は開放状態に維持されているため(10回目の開放)、当該期間中において遊技球は、第1大入賞口65aに容易に入球することが可能となり、結果として8秒間に渡って開放動作される振分開閉体105により遊技球が特定領域R1を通過する(振り分けられる)可能性が極めて高くなる。
【0076】
続いて上記振分開閉体105の動作終了後には、上記同様に、開閉体81及び振分開閉体105の閉鎖状態が所定時間維持された後に14R目のラウンド遊技が終了し、2秒のインターバル時間を挟んで再び第2大入賞装置120により15R目のラウンド遊技が開始される。
【0077】
このように、本実施形態においては、特図種別に応じて特別遊技の態様、具体的には第1大入賞装置60に設けられた特定領域R1に対する通過の困難性を変化させる構成であり、
図10に示す特別遊技制御テーブルTBに規定された内容、及び
図15,
図16のタイムチャートから明らかなとおり、特図種別が特別図柄B、特別図柄C又は特別図柄Dである場合、特別遊技中において遊技球が特定領域R1を通過し易く、特図種別が特別図柄A又は特別図柄Eである場合、特別遊技中において遊技球が特定領域R1を通過し難い設定となっている。そして、本例では特別遊技中に遊技球が特定領域R1を通過したか否かによって、特別遊技後の遊技状態(特図遊技状態)を特図低確率とするか、或いは特図高確率とするかを決定する構成である。
【0078】
また、上述のように本実施形態では、特図種別に応じて特別遊技中における特定領域R1に対する通過の難易を予め設定しているため、実質的には特定の特図種別が決定された時点で特別遊技後の遊技状態(特図遊技状態)が特図低確率となるか、或いは特図高確率となるかを決定可能であるが、不測の事態の発生により特図低確率とならないこと、或いは特図高確率とならないことがあり得る。
【0079】
例えば、特図種別が特別図柄Aである場合に特別遊技が開始されると、当該特別遊技は特定領域R1に対する通過が困難に設定されていることから、不測の事態が発生しない限り、特別遊技後の遊技状態が特図高確率となることはない。ところが、例えば落下通路72内に遊技球が連なって滞留する「球噛み」が発生したような場合には、振分開閉体105が開放動作によって遊技球が特定領域R1を通過することがあり得るため、本来、特図低確率となるべきところが特図高確率となる。
【0080】
また、これとは逆に特図種別が特別図柄Bである場合に特別遊技が開始されると、当該特別遊技は特定領域R1に対する通過が容易に設定されていることから、不測の事態が発生しない限り、特別遊技後の遊技状態が特図低確率となることはない。
ところが、例えば遊技者が特別遊技中において遊技球の打出しを中止し、振分開閉体105が開放動作の期間を過ぎたような場合には、遊技球が特定領域R1を通過しないことがあり得るため、本来特図高確率となるべきところが特図低確率となる。
【0081】
つまり、本実施形態においては、特図種別に応じて特定領域R1に対する通過が困難となる(特別遊技後の遊技状態が特図低確率となり易い)特別遊技と、特定領域R1に対する通過が容易な(特別遊技後の遊技状態が特図高確率となり易い)特別遊技とが設けられている。一方で、特別遊技中においては上述したような不測の事態が発生し得ることから、特図種別と特別遊技後の遊技状態(特図低確率又は特図高確率)とは必ずしも一致するものではなく、特図種別が決定した時点では、特別遊技後の遊技状態が確定しないこととなる。
【0082】
[遊技状態について]
図11は、上述の特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技後の遊技状態を変更,設定するために参照される遊技状態設定テーブルTBの概要を示す図である。なお、遊技状態とは普図遊技状態と特図遊技状態とに区別され、これらの遊技状態はさらに普図低確率及び普図高確率、特図低確率及び特図高確率に区別できる。同図に示すように、遊技状態設定テーブルTBには、前述の特図種別、及び特定領域R1の通過有無、より具体的には特定領域検出スイッチSW5からの検出信号の有無に対応して、特図低確率,特図高確率,普図低確率,普図高確率の組み合わせに係る遊技状態が規定されている。
【0083】
ここで、特図低確率とは、前述の特図遊技(特図当否抽選)において、
図6に示す低確率用特図当否判定テーブルTB1が参照される状態(当り確率=399分の1)である。また、特図高確率とは、
図6に示す高確率用特図当否判定テーブルTB2が参照される状態(当り確率=39.9分の1)である。
【0084】
また、普図低確率とは、後述の普図遊技(普図当否抽選)において、
図12に示す低確率用普図当否判定テーブルTB1が参照され、判定結果が「当り」の場合に
図13に示す低確率用普図変動パターン決定テーブルTB1が参照される状態である。
また、普図高確率とは、後述の普図当否抽選において、
図12に示す高確率用普図当否判定テーブルTB2が参照され、判定結果が「当り」の場合に
図13に示す高確率用普図変動パターン決定テーブルTB2が参照される状態である。
【0085】
図11に示す遊技状態設定テーブルTBによれば、例えば特図種別が特別図柄Aであり、かつ、特別遊技中に遊技球が特定領域R1を通過した場合には、普図高確率(100回)かつ特図高確率(150回)の遊技状態となる。一方、特別遊技中に遊技球が特定領域R1を通過しなかった場合には、普図高確率(100回)かつ特図低確率の遊技状態となる。
また、特図種別が特別図柄Bであり、かつ、特別遊技中に遊技球が特定領域R1を通過した場合には、普図高確率(150回)かつ特図高確率(150回)の遊技状態となる。一方、特別遊技中に遊技球が特定領域R1を通過しなかった場合には、普図高確率(150回)かつ特図低確率の遊技状態となる。
また、特図種別が特別図柄Cであり、かつ、特別遊技中に遊技球が特定領域R1を通過した場合には、普図高確率(30回)かつ特図高確率(50回)の遊技状態となる。一方、特別遊技中に遊技球が特定領域R1を通過しなかった場合には、普図高確率(30回)かつ特図低確率の遊技状態となる。
また、特図種別が特別図柄Dであり、かつ、特別遊技中に遊技球が特定領域R1を通過した場合には、普図低確率かつ特図高確率(50回)の遊技状態となる。一方、特別遊技中に遊技球が特定領域R1を通過しなかった場合には、普図低確率かつ特図低確率の遊技状態となる。
また、特図種別が特別図柄Eであり、かつ、特別遊技中に遊技球が特定領域R1を通過した場合には、普図低確率かつ特図高確率(50回)の遊技状態となる。一方、特別遊技中に遊技球が特定領域R1を通過しなかった場合には、普図低確率かつ特図低確率の遊技状態となる。
なお、図中の回数に関する表記は、普図高確率又は特図高確率の継続回数であり、例えば、特図高確率(150回)である場合、特別遊技の終了後、特別図柄が150回変動するまでの間、特図高確率の状態が維持される。普図高確率についても同様である。
また、上記遊技状態設定テーブルTBに基づいて特別遊技後の遊技状態を特別遊技前の遊技状態と変更する処理を実行するCPU200aが、本実施形態における遊技状態設定手段に相当する。
【0086】
以上説明したとおり、パチンコ機1においては、第1始動入賞装置50又は第2始動入賞装置52への入球を契機とする各種の抽選が実行され、上記各種抽選の結果が所定の結果である場合に、遊技者にとって有利な特別遊技が実行される。
さらに当該特別遊技後の遊技状態は、特図種別、及び特定領域R1への遊技球の通過有無によって切り替わる構成である。一方、パチンコ機1においては、上記特別遊技の実行等に関する種々の抽選(特図遊技)とは独立して、第2始動装置52に設けられた開閉体53を開放動作させる普通遊技実行の可否等に関する抽選(普図当否抽選,普図変動時間パターン決定抽選)も実行される。以下、普通遊技実行の可否等に関する種々の抽選処理(普図遊技)の概要について説明する。
【0087】
遊技球が通過ゲート58を通過すると、後述の普図当否抽選において参照される普図当否判定乱数が取得され、当該取得された乱数がRAM200cの保留記憶領域に格納される。ここで、保留記憶領域は、上記普図当否判定乱数を記憶可能な普図記憶領域を有しており、当該普図記憶領域は4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。
そして、通過ゲート58を遊技球が通過すると、普図当否判定乱数を第1記憶部から順に記憶する。但し、普図保留記憶領域に記憶可能な普図保留数(Y3)は4つに設定されており、当該上限を超えて普図保留数Y3が増加することはない。
【0088】
図12は、普図当否抽選において参照される普図当否判定テーブルTBの概要を示す図である。遊技球が、通過ゲート58を通過すると、例えば0〜99の範囲から1つの普図当否判定乱数が取得される。同図に示すように普図当否判定テーブルTBは、遊技状態が前述の普図低確率である場合に参照される低確率用普図当否判定テーブルTB1と、遊技状態が普図高確率である場合に参照される高確率用普図当否判定テーブルTB2とに細分化される。
【0089】
普図当否判定テーブルTB1,TB2には、0〜99までの普図当否判定乱数に対応する判定結果(「当り」又は「ハズレ」)が規定されている。例えば、低確率用普図当否判定テーブルTB1が参照された場合に判定結果が「当り」となる確率は、50分の1である。これに対して高確率用普図当否判定テーブルTB2が参照された場合に判定結果が当りとなる確率は、1.2分の1である。
そして、上記取得された普図当否判定乱数が、「当り」と対応する乱数である場合は判定結果が当りとなり、「ハズレ」と対応する乱数である場合は判定結果がハズレとなる。
上記普図当否判定乱数及び普図当否判定テーブルTBに基づいて、普通遊技の可否に関する所定の抽選結果(「当り」又は「ハズレ」)を決定する普図当否抽選に係る処理を実行するCPU200aが、本実施形態における普図当否抽選手段に相当する。
【0090】
図13は、普図変動パターン決定抽選において参照される普図変動パターン決定テーブルTBを説明する図である。上述の普図当否抽選が行われると、普図変動パターン決定テーブルTBに基づいて普通図柄の変動時間が決定される。同図に示すように、普図変動パターン決定テーブルTBは、遊技状態が普図低確率である場合に参照される低確率用普図変動パターン決定テーブルTB1と、遊技状態が普図高確率である場合に参照される高確率用普図変動パターン決定テーブルTB2とに細分化されており、それぞれのテーブルに単一の変動時間が規定されている。そして、低確率用普図変動パターン決定テーブルTB1によれば、普通図柄の変動時間が「30秒」に決定され、高確率用普図変動パターン決定テーブルTB2によれば、普通図柄の変動時間が「1秒」に決定される。このようにして普通図柄の変動時間が決定されると、当該決定された変動時間に渡って、普通図柄表示装置37上で表示される普通図柄の変動表示が開始され、変動時間経過後に上記普図当否抽選の結果を示す態様で停止表示される。
【0091】
ここで、普通図柄表示装置37は、例えば複数のLEDランプを配列した形態として構成されており、変動表示中においては複数のランプが点滅し、上記普図当否抽選の結果が当りである場合には、複数のランプのうち、いずれかLEDのランプが点灯して停止した状態となり、ハズレである場合には、例えば全てのLEDランプ又は一部のランプが消灯した状態となる。なお、上記説明においては遊技状態に応じて単一の変動時間が規定された例を示したが、各遊技状態において複数の変動時間を規定し、所定の乱数による抽選によって遊技状態ごとに異なる普通図柄の変動時間が決定される構成としてもよい。
【0092】
[普通遊技について]
図14は、前述の普図当否抽選の結果が当りとなり、普通図柄が当りであることを示す態様で停止した場合に実行される普通遊技において参照される開閉体作動テーブルTBの概要を示す図である。同図に示すように、開閉体作動テーブルTBには、開閉体53の開放回数、1回の開放動作当りの開放時間が規定されており、遊技状態(普図遊技状態)が普図低確率である場合に参照される低確率用開閉体作動テーブルTB1と、普図高確率である場合に参照される高確率用開閉体作動テーブルTB2とに細分化されている。
そして、遊技状態が普図低確率である場合において、普通図柄が当りを示す態様で停止した場合、開閉体作動テーブルTB1が参照されることにより、ソレノイドSOL1が通電制御され、第2始動入賞装置52の開閉体53が0.3秒間1回開放動作される。一方、遊技状態が普図高確率である場合において、普通図柄が当りを示す態様で停止した場合、上記開閉体作動テーブルTB2が参照されることにより、ソレノイドSOL1が通電制御され、第2始動入賞装置52の開閉体53が1.8秒間開放する動作が3回繰り返されることとなる。つまり、遊技状態が普図高確率である場合、普図低確率と比較して普図当否抽選の結果が「当り」となり易く、普通図柄の変動時間が大幅に短縮され、かつ開閉体53の開放時間の合計が長くなることから、遊技球が第2始動入賞装置52に入球し易くなり、遊技球の消費を抑えながら第2始動入賞装置52への入球を契機とする上述の特図遊技を行うことが可能となる。
なお、本実施形態においては、普図当否抽選の結果が「当り」となる確率、普通図柄の変動時間、及び開閉体53の開放時間の3つの要素を普図低確率の場合と比べて有利とすることにより、普図高確率の状態を醸成するようにしたが、これに限られるものではなく、上記3つの要素のうちの少なくとも1つを変更することにより普図高確率の状態を醸成することも可能である。
【0093】
以下、上述したパチンコ機1における主制御装置200による主要な処理について複数のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0094】
[主制御装置200のCPU初期化処理]
図17は、主制御装置200のCPU200aによって実行されるCPU初期化処理の概要を示す図である。電源供給回路に外部電源が供給されると、CPU200aに電源が供給されるとともにシステムリセットが入力され、CPU200aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
【0095】
(ステップS100−1)
CPU200aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、ROM200bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
【0096】
(ステップS100−3)
CPU200aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。当該ウェイト処理時間は、払出制御装置250及び演出制御装置300の起動待ち時間であり、ウェイト処理時間の経過により、払出制御装置250、演出制御装置300は、主制御装置200より送信される各種のコマンドを受信可能となる。
【0097】
(ステップS100−5)
CPU200aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御装置200には、電源断検知回路が接続されており、電源電圧が所定値以下になると、電源検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100−3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100−7に処理を移す。
【0098】
(ステップS100−7)
CPU200aは、上記ステップS100−3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100−9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100−5に処理を移す。
【0099】
(ステップS100−9)
CPU200aは、メインRAM200cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
【0100】
(ステップS100−11)
CPU200aは、RAMクリア信号がオンしているか否かを判定する。なお、パチンコ機1の背面には不図示のRAMクリアボタンが設けられており、このRAMクリアボタンが押下操作されると、RAMクリア検出スイッチがRAMクリアボタンの押下操作を検出して、主制御装置200にRAMクリア信号が出力される。ここでは、RAMクリアボタンが押下操作された状態で電源が投入された場合に、RAMクリア信号がオンしていると判定される。そして、RAMクリア信号がオンしていると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、RAMクリア信号はオンしていないと判定した場合にはステップS100−19に処理を移す。
【0101】
(ステップS100−13)
CPU200aは、RAM200cのうち、電源投入時(RAM200cをクリアするリセット時)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
【0102】
(ステップS100−15)
CPU200aは、RAM200cがクリアされたことを演出制御装置300に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(送信バッファに格納する処理)を行う。
【0103】
(ステップS100−17)
CPU200aは、RAM200cがクリアされたことを払出制御装置250に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(送信バッファに格納する処理)を行う。
【0104】
(ステップS100−19)
CPU200aは、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
【0105】
(ステップS100−21)
CPU200aは、上記ステップS100−19で算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと不一致であるかを判定する。その結果、両者が不一致であると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、両者が不一致ではない(一致する)と判定した場合にはステップS100−23に処理を移す。
【0106】
(ステップS100−23)
CPU200aは、RAM200cのうち、電源復帰時(RAM200cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
【0107】
(ステップS100−25)
CPU200aは、電源断から復帰したことを演出制御装置300に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(送信バッファに格納する処理)を行う。
【0108】
(ステップS100−27)
CPU200aは、電源断から復帰したことを払出制御装置250に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(送信バッファに格納する処理)を行う。
【0109】
(ステップS100−29)
CPU200aは、特図種別を示す電源投入時特図種別指定コマンド、特1保留数(Y1)を示す特1保留指定コマンド、特2保留数(Y2)を示す特2保留指定コマンドを送信するための電源投入時サブコマンドセット処理(送信バッファに格納する処理)を実行する。
【0110】
(ステップS100−31)
CPU200aは、タイマ割込みの周期を設定する。
【0111】
(ステップS100−33)
CPU200aは、割込みを禁止するための処理を行う。当該処理により、タイマ割込み中に詳述しない払出制御装置250から受信データ(主コマンド)を受信する割込み処理と、
図19に示すタイマ割込み処理の実行が禁止される。
【0112】
(ステップS100−35)
CPU200aは、特図種別決定乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、特図種別決定乱数用初期値更新乱数は、特図種別決定乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する特図種別決定乱数の更新処理によって特図種別決定乱数が、特図種別決定乱数用初期値更新乱数から、当該特図種別決定乱数用初期値更新乱数−1まで1周すると、特図種別決定乱数は、そのときの特図種別決定乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
【0113】
(ステップS100−37)
CPU200aは、払出制御装置250から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
【0114】
(ステップS100−39)
CPU200aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを演出制御装置300に送信するための処理を行う。
【0115】
(ステップS100−41)
CPU200aは、割込みを許可するための処理を行う。
【0116】
(ステップS100−43)
CPU200aは、変動パターン決定乱数を更新し、以後、上記ステップS100−33から処理を繰り返す(以下、便宜上S100−33からS100−43を繰り返す処理をメインループ処理と呼ぶ)。
【0117】
次に、主制御装置200における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
【0118】
[主制御装置200の電源断時退避処理(XINT割込み処理)]
図18は、主制御装置200における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。CPU200aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になる(電源断予告信号が入力される)と、前述のCPU初期化処理のメインループ処理実行中に割り込んで電源断時退避処理を実行する。なお、本実施形態においては、後述のタイマ割込み処理中には当該電源断時退避処理が割込まないようにしている。
【0119】
(ステップS300−1)
電源断予告信号が入力されると、CPU200aは、レジスタを退避する。
【0120】
(ステップS300−3)
CPU200aは、電源断予告信号をチェックする。
【0121】
(ステップS300−5)
CPU200aは、S300−3の結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−7に処理を移す。
【0122】
(ステップS300−7)
CPU200aは、レジスタを復帰させる。
【0123】
(ステップS300−9)
CPU200aは、割込みを許可するための処理を行い、退避処理(S300−11以降の電源断時退避処理)を行うことなく当該電源断時退避処理を終了する。
【0124】
(ステップS300−11)
CPU200aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
【0125】
(ステップS300−13)
CPU200aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
【0126】
(ステップS300−15)
CPU200aは、RAM100cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
【0127】
(ステップS300−17)
CPU200aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
【0128】
(ステップS300−19)
CPU200aは、電源断予告信号をチェックする。
【0129】
(ステップS300−21)
CPU200aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−23に処理を移す。
【0130】
(ステップS300−23)
CPU200aは、上記ステップS300−17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
【0131】
(ステップS300−25)
CPU200aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300−19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
【0132】
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300−19〜ステップS300−25をループしている間にパチンコ機1の稼働が停止することとなる。
【0133】
[主制御装置200のタイマ割込み処理]
図19は、主制御装置200におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御装置200には、所定の周期(本実施形態では4msとする。2msでも良い。)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)のメインループ処理実行中に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
【0134】
(ステップS400−1)
CPU200aは、レジスタを退避する。
【0135】
(ステップS400−3)
CPU200aは、割込みを許可するための処理を行う。当該処理によりタイマ割込み中に詳述しない払出制御装置250から受信データ(主コマンド)を受信する割込み処理が許可される。
【0136】
(ステップS400−5)
CPU200aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示装置35A、第2特別図柄表示装置35B、第1特別図柄保留表示装置36A、第2特別図柄保留表示装置36B、普通図柄表示装置37、及び普通図柄保留表示装置38を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
【0137】
(ステップS400−7)
CPU200aは、各種の入力ポート情報を読み込み、主制御装置200に接続された各種の機器における最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
【0138】
(ステップS400−9)
CPU200aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御装置200のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
【0139】
(ステップS400−11)
CPU200aは、上記ステップS100−35と同様、特図種別決定乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
【0140】
(ステップS400−13)
CPU200aは、特図種別決定乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合にはその時の特図種別図柄乱数用初期値更新乱数の値に基づいて乱数を更新する。
【0141】
なお、本実施形態では、特図当否判定乱数、及び普図当否判定乱数は、主制御装置200に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、上記各乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。また、本実施形態では、特図当否判定乱数、及び普図当否判定乱数は、ハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を判定用の乱数として用いているが、ソフトウェア乱数を判定用の乱数として用いる場合は、特図種別決定乱数と同様に初期値更新乱数を設けることにより、その初期値を変更することができる。
【0142】
(ステップS500)
CPU200aは、S400−7の処理に基づき第1始動口検出スイッチSW1、第2始動口検出スイッチSW2、ゲート検出スイッチSW3から信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、当該処理の詳細については、
図20を参照して後述する。
【0143】
(ステップS600)
CPU200aは、特図遊技管理処理を実行する。なお、この当該処理の詳細については、
図25を参照して後述する。
【0144】
(ステップS700)
CPU200aは、上記の普図遊技を進行制御するための普図遊技管理処理を実行する。なお、詳細な説明については省略するが、普図遊技管理処理とは、後述の普図遊技管理フェーズ(図示せず)をロードし、当該ロードした普図遊技管理フェーズに対応する普図遊技制御モジュールを選択する処理であり、後述する複数の普図遊技管理フェーズに対応する普図遊技制御モジュールがコールされることにより、普図遊技に係る各種の処理が実行される。
【0145】
(ステップS400−15)
CPU200aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。
【0146】
(ステップS400−17)
CPU200aは、第1始動口検出スイッチSW1、第2始動口検出スイッチSW2、第1大入賞口検出スイッチSW4、第2大入賞口検出スイッチSW6及び一般入賞口検出スイッチSW7の入力チェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
【0147】
(ステップS400−19)
CPU200aは、上記ステップS400−17でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および該コマンドを払出制御装置250に対して送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
【0148】
(ステップS400−21)
CPU200aは、外部情報出力端子板251から外部へ出力する外部情報用の出力データをセット(出力ポートバッファに格納)するための外部情報管理処理を実行する。
【0149】
(ステップS400−23)
CPU200aは、第1特別図柄表示装置35A,第2特別図柄表示装置35B,第1特別図柄保留表示装置36A,第2特別図柄保留表示装置36B,普通図柄表示装置37、及び普通図柄保留表示装置38等の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセット(出力ポートバッファに格納)するLED表示設定処理を実行する。
【0150】
(ステップS400−25)
CPU200aは、開閉体53を開閉動作させるためのソレノイドSOL1、開閉体81を開閉動作させるためのソレノイドSOL2、振分開閉体105を開閉動作させるためのソレノイドSOL3、及び開閉体125を開閉動作させるためのソレノイドSOL4のソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファにセット(出力ポートバッファに格納)するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
【0151】
(ステップS400−27)
CPU200aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する(ステップS400−5のダイナミックポート出力処理で出力されるものを除く)。
【0152】
(ステップS400−29)
CPU200aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
以下、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特図遊技管理処理について詳細に説明する。
【0153】
[スイッチ管理処理]
図20は、主制御装置200におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
【0154】
(ステップS500−1)
CPU200aは、ゲート検出スイッチSW3がオンしたか、即ち、通過ゲート58への遊技球の通過に基づいてゲート検出スイッチSW3からの検出信号が入力したかを判定する。判定の結果、検出信号の入力があった場合にはステップS510に処理を移し、入力が無い場合にはステップS500−3に処理を移す。
【0155】
(ステップS510)
CPU200aは、通過ゲート58への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。ここで、ゲート通過処理とは、前述の普図当否判定乱数を取得するとともに、現在の普図保留数Y3が普図保留記憶領域に記憶可能な保留数の上限未満であることを条件として、取得した普図当否判定乱数を第1記憶部〜第4記憶部のいずれかに記憶する処理である。なお、該記憶した旨を演出表示部45により表示する等、演出表示部45により制御する場合は、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数Y3を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。また、当該処理の実行によりS400−5の処理によって普図保留数Y3の上限数と対応して複数設けられた普通図柄保留表示装置38の保留表示部の対応箇所が点灯する。
【0156】
(ステップS500−3)
CPU200aは、第1始動口検出スイッチSW1がオンしたか、即ち、第1始動入賞装置50への遊技球の入球に基づいて第1始動口検出スイッチSW1からの検出信号が入力したかを判定する。判定の結果、検出信号の入力があった場合にはステップS520に処理を移し、入力が無い場合にはステップS500−5に処理を移す。
【0157】
(ステップS520)
CPU200aは、第1始動入賞装置50への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については、
図21を参照して後述する。
【0158】
(ステップS500−5)
CPU200aは、第2始動口検出スイッチSW2がオンしたか、即ち、第2始動入賞装置52への遊技球の入球に基づいて第2始動口検出スイッチSW2からの検出信号が入力したかを判定する。判定の結果、検出信号の入力があった場合にはステップS530に処理を移し、入力が無い場合にはステップS500−7に処理を移す。
【0159】
(ステップS530)
CPU200aは、第2始動入賞装置52への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については、
図22を参照して後述する。
【0160】
(ステップS500−7)
CPU200aは、第1大入賞口検出スイッチSW4又は第2大入賞口検出スイッチSW6がオンしたか、即ち、第1大入賞装置60への遊技球の入球に基づいて第1大入賞口検出スイッチSW4からの検出信号が入力したか、或いは第2大入賞装置120への遊技球の入球に基づいて第2大入賞口検出スイッチSW6からの検出信号が入力したかを判定する。判定の結果、第1大入賞口検出スイッチSW4又は第2大入賞口検出スイッチSW6からの検出信号が入力した場合にはステップS500−9に処理を移し、入力が無い場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
【0161】
(ステップS500−9)
CPU200aは、現在、特別遊技中であるか否かを判定し、第1大入賞装置60及び第2大入賞装置120への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定する。ここでは、特別遊技中ではないと判定した場合には、所定の不正検出処理(例えば、不正検出であることを演出表示装置450、スピーカユニット8等により報知する)を実行し、特別遊技中であり、遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、大入賞口入賞球数カウンタを1加算して、当該スイッチ管理処理(ステップS500)を終了する。
【0162】
[第1始動口通過処理]
図21は、主制御装置200における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
【0163】
(ステップS520−1)
CPU200aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。ここで、特別図柄識別値とは、保留種別が特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値「00H」は特1保留を示し、特別図柄識別値「01H」は特2保留を示す。
【0164】
(ステップS520−3)
CPU200aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
【0165】
(ステップS535)
CPU200aは、特別図柄乱数取得処理を実行して、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
【0166】
[第2始動口通過処理]
図22は、主制御装置200における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
【0167】
(ステップS530−1)
CPU200aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
【0168】
(ステップS530−3)
CPU200aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
【0169】
(ステップS535)
CPU200aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行する。
【0170】
(ステップS530−5)
CPU200aは、普図遊技管理フェーズをロードする。ここで、普図遊技管理フェーズは、普通図柄変動待ち処理の実行を示す「00H」、普通図柄変動中処理の実行を示す「01H」、普通図柄停止後処理の実行を示す「02H」、普通電動役物入賞口開放前処理の実行を示す「03H」、普通電動役物入賞口開放制御処理の実行を示す「04H」、普通電動役物入賞口閉鎖有効処理の実行を示す「05H」、及び普通電動役物入賞口終了ウェイト処理の実行を示す「06H」からなる普図遊技の実行処理の段階、すなわち、普図遊技の進行状況を示すものであり、普図遊技の実行処理の段階に応じて前述のS700における普図遊技管理処理によって更新される。
【0171】
例えば普図遊技管理フェーズが普通図柄変動待ち処理の実行を示す「00H」である場合には、前述の普図記憶領域の普図保留数(Y3)が1以上であることを条件として、
図12,
図13に示す普図当否判定テーブルTBを用いた普図当否抽選、及び普図変動パターン決定テーブルTBを用いた普図変動パターン決定抽選を実行して、決定された普通図柄の変動時間をタイマにセットする。
また、普図遊技管理フェーズが普通図柄変動中処理の実行を示す「01H」である場合には、上記タイマにセットされた普通図柄の変動時間が経過したことに応じて、普通図柄の停止態様を決定するとともに停止時間を設定し、普通図柄の変動を停止させる。また、普図遊技管理フェーズが普通図柄停止後処理の実行を示す「02H」である場合には、上記停止時間経過後に普図当否抽選の結果を確認し、「当り」であることを条件として、開閉体53が開放するまでの時間である開放前時間をタイマにセットする。なお、「ハズレ」である場合には、上記普通図柄変動待ち処理「00H」に復帰する。また、普図遊技管理フェーズが普通電動役物入賞口開放前処理の実行を示す「03H」である場合には、上記開放前時間の経過を条件として普電役物入賞口開閉切替処理を実行する。ここで、普電役物入賞口開閉切替処理とは、
図14に示す開閉体作動テーブルTBに従ってソレノイドSOL1の制御データ等を抽出する処理である。また、普図遊技管理フェーズが普通電動役物入賞口開放制御処理の実行を示す「04H」である場合には、上記制御データに従ってソレノイドSOL1を通電し、開閉体作動テーブルTBに規定された開閉体53の開閉回数(上限回数)に達するまで開閉体53を開放するとともに、上限回数に達したことに基づいて開閉体53を閉鎖する。また、普図遊技管理フェーズが普通電動役物入賞口閉鎖有効処理の実行を示す「05H」である場合には、上記開閉体53が閉鎖してから再び普通図柄変動待ち処理「00H」が実行されるまでのウェイト時間をタイマにセットする。
また、普図遊技管理フェーズが普通電動役物入賞口終了ウェイト処理の実行を示す「06H」である場合には、上記ウェイト時間が経過したことに基づいて普図遊技管理フェーズを普通図柄変動待ち処理「00H」に移行させる。
以上のとおり、各普図遊技管理フェーズは、普図遊技の実行処理の段階に応じて切り替わり、主制御装置200は各普図遊技管理フェーズに応じた処理を実行することにより普図遊技を進行させる。
【0172】
(ステップS530−7)
CPU200aは、上記ステップS530−5でロードした普図遊技管理フェーズが普通電動役物開放制御状態未満(普図遊技管理フェーズ<04H)であるかを判定する。上述のとおり、普図遊技管理フェーズの「04H」は、普通電動役物開放制御処理中であることを示すものである。この普通電動役物開放制御処理においては、ソレノイドSOL1が通電されて第2始動入賞装置52に設けられた開閉体53が開放状態に制御されることから、ここでは、開閉体53が適正に開放され得る状態にあるかを判定することとなる。
その結果、普通電動役物開放制御状態未満であると判定した場合にはステップS530−9に処理を移し、普通電動役物開放制御状態未満ではないと判定した場合にはステップS530−11に処理を移す。
【0173】
(ステップS530−9)
CPU200aは、異常入賞があったか否かを判定するとともに、異常入賞があったと判定した場合には、始動口異常入賞エラー処理(例えば、不正検出であることを演出表示部45、スピーカユニット等により報知する)を実行し、当該第2始動口通過処理を終了する。
【0174】
(ステップS530−11)
CPU200aは、普図遊技管理フェーズが普通電動役物開放制御処理中であることを示す「04H」ではないかを判定する。判定の結果、普図遊技管理フェーズが「04H」である場合にステップS530−13に処理を移し、「04H」ではない場合に第2始動口通過処理を終了する。
【0175】
(ステップS530−13)
CPU200aは、普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該第2始動口通過処理を終了する。
【0176】
[特別図柄乱数取得処理]
図23は、主制御装置200における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
【0177】
(ステップS535−1)
CPU200aは、上記ステップS520−1またはステップS530−1でセットした特別図柄識別値をロードする。
【0178】
(ステップS535−3)
CPU200aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数(Y1)をロードする。また、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数(Y2)をロードする。
【0179】
(ステップS535−5)
CPU200aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された特図当否判定乱数をロードする。
【0180】
(ステップS535−7)
CPU200aは、上記ステップS535−3でロードした対象特別図柄保留球数(特1保留数(Y1)又は特2保留数(Y2)が上限値の4以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、特別図柄乱数取得処理を終了し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535−9に処理を移す。
【0181】
(ステップS535−9)
CPU200aは、対象特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ又は特図図柄2保留球数カウンタ)のカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
【0182】
(ステップS535−11)
CPU200aは、特図保留記憶領域の記憶部のうち、取得した特図当否判定乱数をセーブする対象となる対象記憶部(第1記憶部〜第4記憶部)を算定する。
【0183】
(ステップS535−13)
CPU200aは、上記ステップS535−5でロードした特図当否判定乱数、上記ステップS400−13で更新された特図種別決定乱数、上記ステップS100−43で更新された変動パターン決定乱数を取得し、上記ステップS535−11で算定した対象記憶部に格納する。
【0184】
(ステップS535−15)
CPU200aは、上記ステップS535−13で対象記憶部に格納した各種の乱数に基づいて、取得時演出判定処理を実行する。詳細な説明については省略するが、取得時演出判定処理とは、上記各処理によって新たな乱数が記憶されたときに、後述の
図26に示す特別図柄変動待ち処理に先行して、特図当否抽選処理、特図種別決定処理、及び変動パターン決定抽選処理を実行するとともに、これら抽選によって導出された抽選結果に対応する情報(先読み判定情報)を新たな乱数が記憶された時点で先読み指定コマンドとして演出制御装置300側に送信する処理である。当該先読み指定コマンドが事前に演出制御装置300側に送信されることにより、演出制御装置300側では、先読み指定コマンドに含まれる情報に基づいて、当該先読み指定コマンドが生成される対象となった保留に基づく特別図柄変動待ち処理が実行される以前に特図当否抽選の結果や、変動パターンを示唆する所定の演出(先読み演出)を演出表示部45上に表示することが可能となる。
【0185】
(ステップS535−17)
CPU200aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
【0186】
(ステップS535−19)
CPU200aは、上記ステップS535−17でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)し、当該特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を終了する。
ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特
図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特
図2保留指定コマンドをセットする。
【0187】
当該特
図1保留指定コマンド又は特
図2保留指定コマンドが演出制御装置300側に送信されると、演出制御装置300は、例えば演出表示部45上に表示される特1保留数、及び特2保留数を示す所定の保留数表示の数を増大させる制御を行うことにより、現在の特1保留数及び特2保留数を遊技者に視認,認識させる。また、当該処理の実行によりS400−5の処理によって特図保留数Y1、及び特図保留数Y2の上限数と対応して複数設けられた第1特別図柄保留表示装置36A,第2特別図柄保留表示装置36Bの保留表示部の対応箇所が点灯する。
【0188】
図24は、特図遊技管理フェーズを説明する図である。上述のとおり、本実施形態では、第1始動入賞装置50又は第2始動入賞装置52への遊技球の入球を契機とする特別遊技の可否に関する種々の抽選処理(特図遊技)と、通過ゲート58への遊技球の通過を契機とする普通遊技の可否に関する種々の抽選処理(普図遊技)とが、同時並行して進行する。
そして、特図遊技は、遊技球が第1始動入賞装置50又は第2始動入賞装置52へ入球する度に段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御装置200では、特図遊技に係る各処理を特図遊技管理フェーズによって管理している。
【0189】
図24に示すように、ROM200bには、特図遊技を実行制御するための複数の特図遊技制御モジュールが格納されており、これら特図遊技制御モジュールごとに、特図遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特図遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特図遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「特別図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特図遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「特別図柄停止後処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特図遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特図遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特図遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特図遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
【0190】
[特図遊技管理処理]
図25は、主制御装置200における特図遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
【0191】
(ステップS600−1)
CPU200aは、特図遊技管理フェーズをロードする。
【0192】
(ステップS600−3)
CPU200aは、上記ステップS600−1でロードした特図遊技管理フェーズに対応する特図遊技制御モジュールを選択する。
【0193】
(ステップS600−5)
CPU200aは、上記ステップS600−3で選択した特図遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
【0194】
(ステップS600−7)
CPU200aは、特図遊技に係る制御時間を管理する特図遊技タイマをロードし、当該特図遊技管理処理を終了する。
【0195】
[特別図柄変動待ち処理]
図26は、主制御装置200における特別図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動待ち処理は、特図遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
【0196】
(ステップS610−1)
CPU200aは、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数(Y2)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特2保留数(Y2)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特2保留数(Y2)が「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610−3に処理を移す。
【0197】
(ステップS610−3)
CPU200aは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数(Y1)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特1保留数(Y1)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特1保留数(Y1)が「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610−5に処理を移す。
【0198】
(ステップS610−5)
CPU200aは、客待ちコマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する客待ち設定処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。当該客待ちコマンドが演出制御装置300側に送信されると、演出制御装置300は、当該客待ちコマンドの受信から所定の時間が経過したことに基づいて、VDPに所定のコマンドを送信し、演出表示部45上において、客待ち状態であることを示すデモ演出表示を表示させる。
【0199】
(ステップS610−7)
CPU200aは、特1保留または特2保留に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算し、特1保留または特2保留が「1」減算したことを示す保留減指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)するとともに、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留、または、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。
【0200】
具体的には、RAM200cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、上記ステップS610−1において、特別図柄2保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、第0記憶部〜第3記憶部に転送するとともに、第4記憶部をクリア処理する。
【0201】
また、上記ステップS610−3において、特別図柄1保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部〜第3記憶部に転送するとともに、第4記憶部をクリア処理する。また、特別図柄確率状態フラグ及び普通図柄確率状態フラグの情報に基づいて遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。保留減指定コマンドが演出制御装置300側に送信されると、演出制御装置300は、前述の特
図1保留指定コマンド又は特
図2保留指定コマンドに基づいて増大した所定の保留数表示の数を減少させるコマンドをVDPに送信し、演出表示部45において減少後の特1保留数及び特2保留数を遊技者に視認,認識可能とする。また、当該処理の実行によりS400−5の処理によって第1特別図柄保留表示装置36A、第2特別図柄保留表示装置36Bいずれかの保留表示部の対応箇所が消灯する。
なお、特別図柄確率状態フラグ及び普通図柄確率状態フラグの詳細については後述するが、これらのフラグに基づいて遊技状態確認指定コマンドが演出制御装置300側に送信されると、特別図柄が変動を開始するたびに現在の遊技状態(普図遊技状態,特図遊技状態)に係る情報が演出制御装置300側に伝達される。
【0202】
(ステップS610−9)
CPU200aは、保留種別、特図遊技状態が特図低確率であるか特図高確率であるかを識別する特別図柄確率状態フラグ、及び第0記憶部に転送された特図当否判定乱数をロードし、これに対応する低確率用特図当否判定テーブルTB1又は高確率用特図当否判定テーブルTB2を選択して特図当否抽選処理を行い、その抽選結果(「当り」,「ハズレ」)に係るデータ(特図当否判定データ)を記憶する。
【0203】
(ステップS610−11)
CPU200aは、特図種別を決定するための特図種別決定抽選処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−9の特図当否抽選の結果が「当り」であった場合には、保留種別、第0記憶部に転送された特図種別決定乱数をロードし、特図種別決定テーブルTB1,TB2のいずれかを選択して特図種別を抽出し、抽出した特図種別に係るデータ(特図種別データ)記憶する。
一方、S610−9の特図当否抽選の結果が「ハズレ」であった場合には、特図種別決定テーブルTB3から特別図柄X(ハズレ図柄X)に係る特図種別が抽出され、特別図柄Xに係る特図種別データが記憶される。
特図種別データを記憶した後、当該特図種別データに対応する特図種別指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。即ち、当該特図種別指定コマンドが送信されることによって、演出制御装置300側には、特図種別決定処理の度に、抽出された特図種別に関する情報が伝達される。
【0204】
(ステップS610−13)
CPU200aは、上記ステップS610−11で抽出した特図種別に対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示装置35Aおよび第2特別図柄表示装置35Bは、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
【0205】
(ステップS800)
CPU200aは、特別図柄の変動パターンを決定するための特図変動パターン決定抽選を実行する。当該特図変動パターン決定抽選については後述する。
【0206】
(ステップS610−15)
CPU200aは、ステップS800で決定,抽出された変動パターン(識別子)に対応する変動時間をロードし、決定した変動時間を特別図柄変動タイマにセットする。
【0207】
(ステップS610−17)
CPU200aは、上記ステップS610−9における特図当否抽選の結果が「当り」であるか否かを判定し、「当り」であった場合には、上記ステップS610−11で記憶した特図種別データをロードして、特別図柄の種別を確認する。そして、
図11に示す遊技状態設定テーブルTBを参照して、特別遊技終了後に設定される普図遊技状態、及び、その普図高確回数を判定し、その判定結果を普通図柄確率状態予備フラグ、及び普図高確回数切り予備カウンタにセーブする。なお、当りでない場合は、ステップS610−21に処理を移す。
【0208】
例えば、特図種別が特別図柄Aである場合、普通図柄確率状態予備フラグの状態を普図高確率であることを示す値(例えば「1」)に更新するとともに、普図高確回数切り予備カウンタに100回をセットする。また、特図種別が特別図柄Bである場合、普通図柄確率状態予備フラグの状態を普図高確率であることを示す値に更新するとともに、普図高確回数切り予備カウンタに150回をセットする。また、特図種別が特別図柄Cである場合、普通図柄確率状態予備フラグの状態を普図高確率であることを示す値に更新するとともに、普図高確回数切り予備カウンタに30回をセットする。また、特図種別が特別図柄Dである場合、普通図柄確率状態予備フラグの状態を普図低確率であることを示す値(例えば「0」)に更新する。このとき普図高確回数切り予備カウンタには0回をセットする。また、特図種別が特別図柄Eである場合、普通図柄確率状態予備フラグの状態を普図低確率であることを示す値に更新する。このとき、普図高確回数切り予備カウンタに0回をセットする。
【0209】
普通図柄確率状態予備フラグの情報、及び普図高確回数切り予備カウンタに記憶された回数情報は、後述の遊技状態設定処理において参照され、これらの情報に基づいて特別遊技後の普図遊技状態が更新,設定される。なお、特図遊技状態、及び特図高確回数については、特定領域R1への遊技球の通過有無に基づいて設定されるため、当該処理では普図遊技状態に係る情報のみが記憶される。
(ステップS610−19)
CPU200aは、上記ステップS610−11で記憶した特図種別データをロードして、特別図柄の種別を確認する。そして、
図28に示す初期オフセット値設定テーブルTBを参照して、特別図柄A〜特別図柄Eまでの特図種別に対応する「1」又は「3」の初期オフセット値、及びテーブル切替回数をそれぞれ、初期オフセット値予備記憶領域、及びテーブル切替回数予備カウンタにセーブする。
例えば、特図種別が特別図柄Aである場合、初期オフセット値「1」が初期オフセット値予備記憶領域に記憶され、テーブル切替回数「100」がテーブル切替予備カウンタのカウンタ値としてセットされる。同様に、例えば特図種別が特別図柄Bである場合、初期オフセット値「1」が初期オフセット値予備記憶領域に記憶され、テーブル切替回数「150」がテーブル切替予備カウンタのカウンタ値としてセットされる。同様に、特図種別が特別図柄Cである場合、初期オフセット値「1」が初期オフセット値予備記憶領域に記憶され、テーブル切替回数「70」がテーブル切替予備カウンタのカウンタ値としてセットされる。また、特図種別が特別図柄Dである場合、初期オフセット値「3」が初期オフセット値予備記憶領域に記憶され、テーブル切替回数「70」がテーブル切替予備カウンタのカウンタ値としてセットされる。また、特図種別が特別図柄Eである場合、初期オフセット値「3」が初期オフセット値予備記憶領域に記憶され、テーブル切替回数「70」がテーブル切替予備カウンタのカウンタ値としてセットされる。
【0210】
上記初期オフセット値予備記憶領域に記憶された初期オフセット値、及びテーブル切替予備カウンタにセットされたカウンタ値(テーブル切替回数)に係る情報は、後述の初期オフセット値更新処理において参照され、これらの情報に基づいて特別遊技後の初期オフセット値、及びテーブル切替回数が更新,設定される。
【0211】
(ステップS610−21)
CPU200aは、第1特別図柄表示装置35Aまたは第2特別図柄表示装置35Bにおいて、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示装置35Aおよび第2特別図柄表示装置35Bを構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示装置35Aに対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示装置35Bに対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、保留種別に対応するカウンタにカウンタ値が設定される。
【0212】
(ステップS610−23)
CPU200aは、特図遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。そして、当該一連の特別図柄変動待ち処理が実行されることにより、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35B上において特別図柄の変動表示が開始されるとともに、当該特別図柄の変動表示と略同期して演出表示装置450上において演出図柄Sの変動表示が開始されることとなる。
【0213】
図27(a)は、
図26の特図変動パターン決定抽選処理(S800)の概要を示すフローチャートである。
(ステップS800−1)
CPU200aは、RAM200aの初期オフセット値記憶領域に記憶された初期オフセット値を読み出して処理を移す。
図28に示すように、初期オフセット値は、後述の初期オフセット値設定処理において特図種別に対応して更新,設定される値であり、本ステップでは初期オフセット値記憶領域に記憶された値を読み出す。
【0214】
(ステップS800−3)
CPU200aは、現在の遊技状態(特図遊技状態,普図遊技状態)に応じた遊技状態値を算定して処理を移す。
図11に示すとおり、遊技状態値は現在の遊技状態ごとに予め規定されており、CPU200aは、特別図柄確率状態フラグ、及び普通図柄確率状態フラグをロードすることにより、遊技状態値を算定する。
【0215】
(ステップS800−5)
CPU200aは、初期オフセット値記憶領域から読み出した初期オフセット値と、算定した遊技状態値とを合算し、選択オフセット値を算出する。
【0216】
(ステップS800−7)
CPU200aは、上記S800−5で算出した選択オフセット値と対応する事前判定テーブルTB0〜TB6のいずれかを決定し、ROM200aの記憶領域から読み出す(
図8参照)。
【0217】
(ステップS810)
CPU200aは、上記S800−7で決定した事前判定テーブルと、テーブル切替回数カウンタA又はBのカウンタ値とに基づいて、いずれかの加算値(「0」,「1」,「2」,「3」,「6」,「7」)を算出する加算値算出処理を実行する。当該加算値算出処理については後述する。
【0218】
(ステップS800−11)
CPU200aは、上記S810で算出した加算値と、上記S800−3で算定した遊技状態値とを合算し、変動パターン決定値を算出する。
【0219】
(ステップS800−13)
CPU200aは、上記S800−11で算出した変動パターン決定値に基づいて、当該変動パターン決定値と対応するいずれかの変動パターン決定テーブルTBA〜TBG(
図9参照)を決定し、ROM200aの記憶領域から読み出して処理を移す。
【0220】
(ステップS800−15)
CPU200aは、第0記憶部に転送された変動パターン決定乱数をロードし、上記S800−13で読み出したいずれかの変動パターン決定テーブルTBA〜TBGのいずれかを参照し、変動パターン決定乱数に対応する特定の変動パターン(識別子)を決定して処理を終了する。
【0221】
[加算値算出処理]
図27(b)は、上述の加算値算出処理(S810)を説明するフローチャートである。
(ステップS810−1)
CPU200aは、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「0」でないかを判定し、「0」でない場合にS810−3に処理を移し、「0」である場合にS810−7に処理を移す。
【0222】
(ステップS810−3)
CPU200aは、テーブル切替回数カウンタBのカウンタ値が「1」以上であるかを判定し、「1」以上である場合にS810−5に処理を移し、「1」以上でない場合(「0」である場合)、S810−7に処理を移す。
【0223】
(ステップS810−5)
CPU200aは、テーブル切替回数カウンタBのカウンタ値に基づいて、S800−7で決定した事前判定テーブルの中からカウンタ値に対応する加算値を算出して処理を終了する。
【0224】
(ステップS810−7)
CPU200aは、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値に基づいて、S800−7で決定した事前判定テーブルの中からカウンタ値に対応する加算値を算出して処理を終了する。以上のとおり、上記加算値算出処理においては、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「0」でないこと、かつ、テーブル切替回数カウンタBのカウンタ値が「1」以上であることを条件として、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値を参照することなく、テーブル切替回数カウンタBのカウンタ値に基づいて特定の事前判定テーブルTBの中から加算値を算出する。また、詳細については後述するが、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値は、特別図柄の変動が停止する度に減算され、テーブル切替回数カウンタBのカウンタ値は、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「0」でないこと、かつ、遊技状態が、特図低確率、かつ普図低確率に変更されたことを条件として特別図柄が変動が停止する度に加算される。
【0225】
[特別図柄変動中処理]
図29は、主制御装置200における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。当該特別図柄変動中処理は、特図遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
【0226】
(ステップS620−1)
CPU200aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
【0227】
(ステップS620−3)
CPU200aは、上記ステップS620−1で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620−5に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
【0228】
(ステップS620−5)
CPU200aは、上記ステップS610−15で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
【0229】
(ステップS620−7)
CPU200aは、上記ステップS620−5で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620−15に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
【0230】
(ステップS620−9)
CPU200aは、第1特別図柄表示装置35A、及び第2特別図柄表示装置35Bを構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
【0231】
(ステップS620−11)
CPU200aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620−13に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了する。
【0232】
(ステップS620−13)
CPU200aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
【0233】
(ステップS620−15)
CPU200aは、特図遊技管理フェーズを「02H」に更新する。
【0234】
(ステップS620−17)
CPU200aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610−13で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示装置35Aまたは第2特別図柄表示装置35Bに、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
【0235】
(ステップS620−19)
CPU200aは、第1特別図柄表示装置35Aまたは第2特別図柄表示装置35Bに特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。
当該特図停止指定コマンドが演出制御装置300側に送信されることにより、演出制御装置300は、VDPに所定のコマンドを送信し、演出表示部45上において変動中の演出図柄Sを特別図柄の停止表示と略同期して停止表示させる。
【0236】
(ステップS620−21)
CPU200aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間(確定時間)を特別遊技タイマにセットし、当該特別図柄変動中処理を終了する。
【0237】
[特別図柄停止後処理]
図30(a)は、主制御装置200における特別図柄停止後処理(S630)を説明するフローチャートである。この特別図柄停止後処理は、特図遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
【0238】
(ステップS630−1)
CPU200aは、上記ステップS620−21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該特別図柄停止後処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630−3に処理を移す。
【0239】
(ステップS630−3)
CPU200aは、特図当否抽選の結果を確認する。
【0240】
(ステップS630−5)
CPU200aは、特図当否抽選の結果が「当り」であるかを判定する。その結果、「当り」判定した場合にはステップS630−17に処理を移し、「当り」ではないと判定した場合にはステップS630−7に処理を移す。
【0241】
(ステップS630−7)
CPU200aは、遊技状態回数切り管理処理を実行する。ここでは、特図遊技状態が特図低確率であるか特図高確率であるかを識別するための特別図柄確率状態フラグをロードして、現在の特図遊技状態が特図低確率であるか特図高確率であるかを確認する。そして、特図遊技状態が特図高確率であった場合には、特図高確回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、特図高確回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、特図低確率に対応する特別図柄確率状態フラグ(「1」→「0」)をセットする。これにより、特図高確率の状態において、「当り」に当選することなく、特別図柄が所定回数変動,確定したところで、特図遊技状態が特図高確率から特図低確率に移行することとなる。また、特図遊技状態が特図高確率から特図低確率に移行すると、次回の特図変動パターン決定抽選処理(S800)においては、移行後の遊技状態(特図遊技状態,普図遊技状態)に基づいて遊技状態値が算定されることとなる(S800−3)。
【0242】
また、ここでは普図遊技状態が普図低確率であるか普図高確率であるかを識別するための普通図柄確率状態フラグをロードして、現在の普図遊技状態が普図低確率であるか普図高確率であるかを確認する。そして、遊技状態が普図高確率であった場合には、普図高確回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。
なお、普図高確回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、普図低確率に対応する普通図柄確率状態フラグ(「1」→「0」)をセットする。
これにより、普図高確率の状態において、「当り」に当選することなく、特別図柄が所定回数変動,確定したところで、普図遊技状態が普図高確率から普図低確率に移行することとなる。また、上記同様に、普図遊技状態が普図高確率から普図低確率に移行すると、次回の特図変動パターン決定抽選処理(S800)においては、移行後の遊技状態(特図遊技状態,普図遊技状態)に基づいて遊技状態値が算定されることとなる(S800−3)。なお、当該ステップS630−7において、遊技状態の移行が行われた場合、CPU200aは、移行後の遊技状態を演出制御装置300に伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。
以上のとおり、特別遊技の獲得を契機としてセットされる特図高確回数切りカウンタ、及び普図高確回数切りカウンタのカウンタ値は、特別図柄の変動が停止される度に1ずつ減算されるとともに、カウンタ値が「0」となったことを契機として、特別遊技後の遊技状態が他の遊技状態に再度変更される。
【0243】
(ステップS680)
CPU200aは、テーブル切替回数更新処理を実行する。当該テーブル切替回数更新処理の詳細については後述するが、CPU200aは、後述の初期オフセット値設定処理においてセットされるテーブル切替回数カウンタAのカウンタ値を参照し、カウンタ値が「1」以上であることを条件として、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値を現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新するとともに、前述の遊技状態回数切り管理処理(S630−7)において遊技状態が特図低確率、かつ、普図低確率に変更されたことを条件として、テーブル切替回数カウンタBのカウンタ値を、「1」加算した値に更新する。
これにより、次回の特図変動パターン決定抽選処理(S800)においては、減算後のテーブル切替回数カウンタAのカウンタ値、又は、加算後のテーブル切替回数カウンタBのカウンタ値に基づいて加算値が決定されることとなる(S810)。
【0244】
(ステップS630−11)
CPU200aは、特別図柄が確定したときの遊技状態(特図遊技状態,普図遊技状態)を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。
【0245】
(ステップS630−13)
CPU200aは、上記ステップS630−7で更新した特図高確回数および普図高確回数を演出制御装置300に伝達するための回数コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。即ち、上記ステップS630−11,ステップ630−13の処理によって、特別図柄が確定する度に、その時点の遊技状態(特図遊技状態,普図遊技状態)、及び特図高確回数および普図高確回数が演出制御装置300側に伝達される。
【0246】
(ステップS630−15)
CPU200aは、特図遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該特別図柄停止後処理を終了する。これにより、1の保留に基づく特図遊技管理処理が終了し、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
【0247】
(ステップS630−17)
CPU200aは、ステップS630−5の判定結果がYES(「当り」)であることに基づいて、確定した特図種別に応じて、
図10に示す特別遊技制御テーブルTBに規定されたデータをセットする。
【0248】
(ステップS630−19)
CPU200aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630−17でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特図種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。
【0249】
なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する特別遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、RAM200cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算する(後述するステップS640−3の処理)ことで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、特別遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
【0250】
(ステップS630−21)
CPU200aは、上記ステップS630−17でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
【0251】
(ステップS630−23)
CPU200aは、特別遊技の開始を演出制御装置300に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。当該オープニング指定コマンドが送信されることにより、演出制御装置300側では、VDPに所定のコマンドを送信し、例えば特別遊技の開始に先立って、遊技者にこれから特別遊技が開始されることを報知する所定のオープニング演出および特別遊技中の演出を演出表示部45に表示させる。
【0252】
(ステップS630−25)
CPU200aは、特図遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該特別図柄停止後処理を終了する。これにより、特別遊技が開始されることとなる。
【0253】
[テーブル切替回数更新処理]
図30(b)は、上述のテーブル切替回数更新処理(S680)を説明するフローチャートである。
(ステップS680−1)
CPU200aは、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値を参照し、カウンタ値が「1」以上であるかを判定する。判定の結果「1」以上である場合にS680−3に処理を移し、「1」以上でない場合(「0」である場合)に処理を終了する。
【0254】
(ステップ680−3)
CPU200aは、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値を「1」減算した値に更新して処理を移す。
【0255】
(ステップ680−5)
CPU200aは、遊技状態が特図低確率、かつ、普図低確率であるかを判定し、遊技状態が特図低確率、かつ、普図低確率である場合にS680−7に処理を移し、これ以外の遊技状態である場合に処理を終了する。具体的には、上述のS630−7の遊技状態回数切り管理処理によってセットされる特別図柄確率状態フラグ、及び普通図柄状態フラグを参照することにより、遊技状態を判定する。
【0256】
(ステップS680−7)
CPU200aは、テーブル切替回数カウンタBのカウンタ値を「1」加算した値に更新して処理を終了する。なお、テーブル切替回数カウンタBの初期値は「0」に設定されており、上述の遊技状態回数切り管理処理(S630−7)によって、遊技状態が特図低確率、かつ普図低確率に移行した場合に初期値「0」から「1」に更新され、以後カウンタ値が1ずつ更新される。
そして、当該更新後のカウンタ値は、次回の加算値算出処理(ステップS810)において参照され、テーブル切替回数カウンタBのカウンタ値に基づく加算値が算出されることとなる。また、当該テーブル切替回数カウンタBの加算処理は、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「0」となるまで繰り返し実行される一方で、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「0」となった場合に初期値「0」にリセットされる。
以上のとおり、テーブル切替回数更新処理においては、特別遊技の実行を契機としてテーブル切替回数カウンタAにセットされるカウンタ値を特別図柄の変動が停止する度に「1」減算するとともに、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「1」以上であり、遊技状態が特図低確率、かつ普図低確率であることを条件としてテーブル切替回数カウンタBのカウンタ値を「1」加算する。
【0257】
[大入賞口開放前処理]
図31は、主制御装置200における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特図遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
【0258】
(ステップS640−1)
CPU200aは、上記ステップS630−21でセットしたタイマ値(オープニング時間)が「0」でないかを判定する。その結果、タイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、タイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640−3に処理を移す。
【0259】
(ステップS640−3)
CPU200aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
【0260】
(ステップS640−5)
CPU200aは、第1大入賞口65a又は第2大入賞口120bの開放開始(ラウンド遊技の開始)を演出制御装置300に伝達するための大入賞口開放指定コマンド(具体的には、これから実行するラウンド(1R、2R・・・)を示すコマンド)を送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。当該大入賞開放指定コマンドが演出制御装置300側に送信されることにより、演出制御装置300は、VDPに所定のコマンドを送信し、演出表示部45上において、現在のラウンド数に関する演出表示を表示する。
【0261】
(ステップS641)
CPU200aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
【0262】
(ステップS640−7)
CPU200aは、特図遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
【0263】
[大入賞口開閉切替処理]
図32は、主制御装置200における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
【0264】
(ステップS641−1)
CPU200aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における第1大入賞口65a又は第2大入賞口120bの開閉回数)の上限値であるかを判定する。本例においては、前述のとおり、ラウンド遊技が特定ラウンド遊技である場合には、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が上限値である10回であるかを判定し、ラウンド遊技が非特定ラウンド遊技である場合には、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が上限値である1回であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値が上限値ではないと判定した場合にはステップS641−3に処理を移す。なお、特定ラウンド遊技であるか、非特定ラウンド遊技であるかの判定は、S630−19でセットされる特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と、S640−3で更新される特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値とに基づいて実行される。例えば、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値に「15」がセットされており、かつ、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が「14」である場合、前述した特定ラウンド遊技に相当するため、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が上限値である10回であるかが判定され、「14」以外である場合、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が上限値である1回であるかが判定されることとなる。また、例えば、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値に「10」がセットされており、かつ、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が「9」である場合、前述した特定ラウンド遊技に相当するため、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が上限値である10回であるかが判定され、「9」以外である場合、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が上限値である1回であるかが判定されることとなる。
【0265】
(ステップS641−3)
CPU200aは、特別遊技制御テーブルTBのデータを参照し、非特定ラウンド遊技であるか、或いは特定ラウンド遊技であるか、及び特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、それぞれソレノイドSOL4、又はソレノイドSOL2及びSOL3を通電制御するためのソレノイド制御データ、および、各ソレノイドの通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
【0266】
(ステップS641−5)
CPU200aは、上記ステップS641−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、ソレノイドSOL4、又はソレノイドSOL2及びSOL3の通電を開始するか、もしくは、ソレノイドSOL4、又はソレノイドSOL2及びSOL3の通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、各ソレノイドの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
【0267】
(ステップS641−7)
CPU200aは、上記ステップS641−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第1大入賞口65a又は第2大入賞口120bの1回の開放時間となる。
【0268】
(ステップS641−9)
CPU200aは、各ソレノイドが通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641−5において、通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
【0269】
(ステップS641−11)
CPU200aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
【0270】
[大入賞口開放制御処理]
図33は、主制御装置200における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特図遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
【0271】
(ステップS650−1)
CPU200aは、上記ステップS641−7でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650−5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650−3に処理を移す。
【0272】
(ステップS650−3)
CPU200aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
【0273】
(ステップS641)
上記ステップS650−3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、CPU200aは、上記ステップS641の大入賞口開閉切替処理を実行する。
【0274】
(ステップS650−5)
CPU200aは、上記ステップS500−9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第1大入賞口65a又は第2大入賞口に、1ラウンド中の最大入賞可能数(本例では9個)と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS650−7に処理を移す。
【0275】
(ステップS650−7)
CPU200aは、ソレノイドSOL2又はソレノイドSOL4の通電を停止して第1大入賞口65a又は第2大入賞口を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、第1大入賞口65a又は第2大入賞口120bが閉鎖状態となる。なお、特定ラウンド遊技である場合には、第1大入賞口65aが閉鎖状態となった後にソレノイドSOL3が通電されることとなる。
【0276】
(ステップS650−9)
CPU200aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
【0277】
(ステップS650−11)
CPU200aは、特図遊技管理フェーズを「05H」に更新する。
【0278】
(ステップS650−13)
CPU200aは、第1大入賞口65a又は第2大入賞口120bが閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)し、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
【0279】
[大入賞口閉鎖有効処理]
図34は、主制御装置200における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特図遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
【0280】
(ステップS660−1)
CPU200aは、上記ステップS650−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660−3に処理を移す。
【0281】
(ステップS660−3)
CPU200aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技(本例では15R,10R,8R)が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660−9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660−5に処理を移す。
【0282】
(ステップS660−5)
CPU100aは、特図遊技管理フェーズを「03H」に更新する。
【0283】
(ステップS660−7)
CPU200aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技(特定ラウンド遊技又は非特定ラウンド遊技)が開始されることとなる。
【0284】
(ステップS660−9)
CPU200aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
【0285】
(ステップS660−11)
CPU200aは、特図遊技管理フェーズを「06H」に更新する。
【0286】
(ステップS660−13)
CPU200aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)し、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。当該エンディング指定コマンドが送信されることにより、演出制御装置300側では、VDPに所定のコマンドを送信し、遊技者に対して特別遊技が終了したことを報知する所定のエンディング演出を演出表示部45上に表示させる。
【0287】
[大入賞口終了ウェイト処理]
図35は、主制御装置200における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特図遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
【0288】
(ステップS670−1)
CPU200aは、上記ステップS660−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS900に処理を移す。
【0289】
(ステップS900)
CPU200aは、特別遊技終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を実行する。当該遊技状態設定処理については後述する。
【0290】
(ステップS670−3)
CPU200aは、上記ステップS900で設定された遊技状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。
【0291】
(ステップS670−5)
CPU200aは、上記ステップS900でセーブされた特図高確回数、及び普図高確回数に対応する回数コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。
【0292】
(ステップS1000)
CPU200aは、特別遊技後の初期オフセット値、及びテーブル切替回数カウンタAのカウンタ値を更新,設定するための初期オフセット値設定処理を実行して処理を移す。当該初期オフセット値設定処理については後述する。
(ステップS670−7)
CPU200aは、特図遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別遊技の終了後に特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
【0293】
[遊技状態設定処理]
図36は、主制御装置200における遊技状態設定処理を説明するフローチャートである。
(ステップS900−1)
CPU200aは、前述のステップS610−17で設定された普通図柄確率状態予備フラグ(「0」又は「1」)、及び普図高確回数切り予備カウンタを読み出して処理を移す。
【0294】
(ステップS900−3)
CPU200aは、ステップS900−1で読み出した普通図柄確率状態予備フラグ及び普図高確回数切り予備カウンタの情報を、それぞれ普通図柄確率状態フラグ、及び普図高確回数切りカウンタにセット(転送)して更新し、処理を移す。当該更新処理の実行により、特別遊技後の普図遊技状態が特別遊技前の普図遊技状態と特図種別に応じた状態(普図低確率又は普図高確率)に変更されることとなる。
また、当該処理によって更新された普図高確回数切りカウンタのカウンタ値は、特別遊技の終了後、前述の遊技状態回数切り管理処理(ステップS630−7)が実行される度に、換言すれば、特別図柄の変動が停止する度に減算される。
【0295】
(ステップS900−5)
CPU200aは、特定領域通過フラグを読み出して処理を移す。ここで、特定領域通過フラグは、特別遊技の特定ラウンド遊技中における遊技球の特定領域R1の通過有無に応じて切り替えられるフラグ(「0」又は「1」)である。処理の詳細については省略するが、特定領域通過フラグの切り替えは、前述の14R,9R,7Rいずれかの特定ラウンド遊技中において実行される特定領域通過判定処理によって実行される。
【0296】
当該特定領域通過判定処理は、例えば特定ラウンド遊技中における振分開閉体105の動作開始時期と対応して、特定領域検出スイッチSW5からの検出信号の入力を継続して監視するとともに、当該監視期間中に特定領域検出スイッチSW5からの入力があったことを条件として特定領域通過フラグをON(「1」)の状態に切り替え、監視期間中に特定領域検出スイッチSW5からの入力が無かったことを条件として特定領域通過フラグをOFF(「0」)の状態に切り替える(維持する)処理である。
【0297】
(ステップS900−7)
CPU200aは、ステップS900−5で読み出した特定領域通過フラグに基づいて、特定ラウンド遊技において遊技球が特定領域R1を通過したかを判定する。通過したと判定した場合に、S900−9に処理を移し、通過しなかったと判定した場合に、S900−11に処理を移す。
【0298】
(ステップS900―9)
CPU200aは、上記ステップS900−7において、遊技球が特定領域R1を通過したとの判定であることに基づいて、特別図柄確率状態フラグ、及び特図高確回数切りカウンタを更新して処理を終了する。具体的には、特別図柄確率状態フラグをON(「1」)に切り替えるとともに、
図11に示す遊技状態設定テーブルTBに基づいて、特図種別に応じた特図高確回数を特図高確回数切りカウンタのカウンタ値としてセットする。当該処理によって更新された特図高確回数切りカウンタのカウンタ値は、特別遊技の終了後、前述の遊技状態回数切り管理処理(ステップS630−7)が実行される度に、換言すれば、特別図柄の変動が停止する度に減算される。
【0299】
(ステップS900−11)
CPU200aは、上記ステップS900−7において、遊技球が特定領域R1を通過しなかったとの判定であることに基づいて、特別図柄確率状態フラグ、及び特図高確回数切りカウンタを更新して処理を終了する。具体的には、特別図柄確率状態フラグをOFF(「0」)に切り替えるとともに、特図高確回数切りカウンタのカウンタ値を「0」にセットする。
上記ステップS900−9,S900−11の処理が実行されることにより、特別遊技における特定ラウンド遊技中において、遊技球の特定領域R1に対する通過有無によって特別遊技後の特図遊技状態が特別遊技前の特図遊技状態と変更されることとなる。
【0300】
図37は、主制御装置200における初期オフセット値設定処理を説明するフローチャートである。
(ステップS1000−1)
CPU200aは、ステップS610−19において初期オフセット値予備記憶領域、及びテーブル切替回数予備カウンタにセーブされた初期オフセット値と、テーブル切替回数(カウンタ値)を読み出して処理を移す。
【0301】
(ステップS1000−3)
CPU200aは、ステップS1000−1で読み出した初期オフセット値、及びテーブル切替回数の情報をそれぞれ初期オフセット値記憶領域、及びテーブル切替回数カウンタAにセット(転送)して更新し、処理を終了する。当該更新処理の実行により、特別遊技後の初期オフセット値とテーブル切替回数が特図種別に応じた状態に更新されることとなる。また、当該処理によってセットされた初期オフセット値及びカウンタ値(テーブル切替回数)は、前述の特図変動パターン決定抽選処理(S800)において参照される(ステップS800−1,S810)。
【0302】
以下、
図38〜
図44を参照し、選択オフセット値に応じて参照される事前判定テーブルTBと、変動パターン決定値に応じて参照される変動パターンテーブルTBとの関係について説明する。
図38は、パチンコ機1の電源投入直後の状態、より詳細には前述のS100−11の判定においてRAMクリア信号がONであると判定された場合を示す図であり、この場合における遊技状態としては、特図遊技状態が特図低確率、普図遊技状態が普図低確率に設定される。また、この場合における初期オフセット値は、「0」に設定され、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値も「0」に設定される。
【0303】
以上を前提として、遊技球が第1始動入賞装置50又は第2始動入賞装置52に入球し、
図19のステップS500のスイッチ管理処理、及びステップS600の特図遊技管理処理が実行され、
図26のステップS800及び
図27に示す特図変動パターン決定抽選処理が実行された場合、初期オフセット値は「0」であり、遊技状態値は、特図低確率及び普図低確率に対応する「0」であることから(
図11参照)、これらの合計値である選択オフセット値は「0」として算出され、選択オフセット値「0」と対応する事前判定テーブルTB0が参照される(
図8参照)。
【0304】
次に、事前判定テーブルTB0に規定された比較値と、テーブル切替回数カウンタAの値とを比較して加算値を算出する。ここで、事前判定テーブルTB0には、比較値0FFHに対応して加算値「0」が規定されているため、加算値が「0」として算出される。また、このときの遊技状態値は「0」であることからこれらの合計値である変動パターン決定値も「0」として算出される。
よって、電源投入後から特別遊技を獲得するまでの間(〜区間1)は、変動パターン決定値「0」に対応する変動パターン決定テーブルTBA(
図9参照)が参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。
【0305】
次に、例えば特別図柄Bに基づく特別遊技が実行された後の流れについて、場合を分けて説明する。
図39は、特別図柄Bに基づく特別遊技が実行され、当該特別遊技中において遊技球が特定領域R1を通過した場合を示す図である。一方、
図40は、当該特別遊技中において遊技球が特定領域R1を通過しなかった場合を示す図である。
【0306】
図39に示すとおり、特別図柄Bに基づく特別遊技が実行され、当該特別遊技中において遊技球が特定領域R1を通過した場合、当該特別遊技後の遊技状態は、特図高確率、かつ普図高確率に設定され、当該特図高確率、かつ普図高確率の状態はともに「150回」継続することとなる(
図11参照)。また、この場合における初期オフセット値は、「1」に設定され、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「150」に設定される(
図28参照)。
【0307】
以上を前提として特図変動パターン決定抽選処理が実行された場合、初期オフセット値が「1」であり、遊技状態値が特図高確率、かつ普図高確率に対応する「2」であることから(
図11参照)、これらの合計値である選択オフセット値は「3」として算出され、選択オフセット値「3」と対応する事前判定テーブルTB3が参照される(
図8参照)。
また、事前判定テーブルTB3に規定された比較値と、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値とを比較した場合、事前判定テーブルTB3には、比較値22に対応して加算値「2」が規定され、比較値0FFHに対応して加算値「3」が規定されている。
よって、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数(遊技回数)が128回に達するまで(〜区間1)、換言すればテーブル切替回数カウンタAの値が「22」以上である場合には加算値が「3」として算出される。一方で、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数(遊技回数)が128回を超えた場合(区間1〜区間2)、換言すればテーブル切替回数カウンタAの値が22回未満となった場合には加算値が「2」として算出される。
【0308】
つまり、特別図柄Bに基づく特別遊技が終了し、特別図柄が128回変動するまでの間(〜区間1)は、加算値「3」と、特図高確率かつ普図高確率に対応する遊技状態値「2」とにより変動パターン決定値「5」が算出され、当該変動パターン決定値「5」に対応する変動パターン決定テーブルTBEが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。
【0309】
一方、特別図柄の変動が128回を超えた後には(区間1〜区間2)、加算値「2」と、特図高確率かつ普図高確率に対応する遊技状態値「2」とにより変動パターン決定値「4」が算出され、変動パターン決定値「4」に対応する変動パターン決定テーブルTBDが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。
【0310】
次に、特別図柄の変動が150回に達した後(区間2〜)には、遊技状態が特図低確率、かつ普図低確率に移行するため、151回目の変動からは、異なる変動パターンテーブルが参照されることになる。具体的には、初期オフセット値が「1」であり、遊技状態値が特図低確率、かつ普図低確率に対応する「0」となることから(
図11参照)、選択オフセット値が「1」として算出され、選択オフセット値「1」と対応する事前判定テーブルTB1が参照される(
図8参照)。当該事前判定テーブルTB1と、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値とを比較した場合、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値は「0」であるため、加算値が「0」として算出される。また、このときの遊技状態値は「0」であることから変動パターン決定値が「0」として算出される。よって、特別図柄Bに基づく特別遊技の終了から特別図柄の150回の変動が終了した以降(区間2〜)は、変動パターン決定値「0」に対応する変動パターン決定テーブルTBAが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。なお、本例においては、特別図柄の変動が150回に達した時点で、上述のS810−7で説明したテーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「0」でないこと、かつ、テーブル切替回数カウンタBのカウンタ値が「1」以上であるという条件を満たさないため、テーブル切替回数カウンタBのカウンタ値に基づいて加算値を算出する処理が行われることはない。つまり、特別図柄の150回の変動が終了した時点で、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「0」となるため、テーブル切替回数カウンタBのカウンタ値(「0」)を参照することはない。
【0311】
次に、
図40を参照し、特別図柄Bに基づいて実行される特別遊技中において、遊技球が特定領域R1を通過しなかった場合を説明する。
図40に示すとおり、特別図柄Bに基づく特別遊技が実行され、当該特別遊技中において遊技球が特定領域R1を通過しなかった場合、当該特別遊技後の遊技状態は、特図低確率、かつ普図高確率に設定され、普図高確率の状態は「150回」継続することとなる(
図11参照)。また、この場合における初期オフセット値は「1」に設定され、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「150」に設定される(
図28参照)。
【0312】
以上を前提として特図変動パターン決定抽選処理が実行された場合、初期オフセット値が「1」であり、遊技状態値が特図低確率、かつ普図高確率に対応する「1」であることから(
図11参照)、選択オフセット値が「2」として算出され、選択オフセット値「2」と対応する事前判定テーブルTB2が参照される(
図8参照)。ここで、事前判定テーブルTB2には、比較値42に対応して加算値「1」が規定され、比較値0FFHに対応して加算値「2」が規定されている。
よって、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数(遊技回数)が108回に達するまで(〜区間1)、換言すればテーブル切替カウンタの値が「42」以上である場合には加算値が「2」として算出される。一方で、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数(遊技回数)が108回を超えた場合(区間1〜区間2)、換言すればテーブル切替カウンタの値が、42回未満となった場合には加算値が「1」として算出される。
【0313】
つまり、特別図柄Bに基づく特別遊技が終了し、特別図柄が108回変動するまでの間(〜区間1)は、加算値「2」と、特図低確率かつ普図高確率に対応する遊技状態値「1」とにより変動パターン決定値「3」が算出され、当該変動パターン決定値「3」に対応する変動パターン決定テーブルTBCが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。
【0314】
一方、特別図柄Bに基づく特別遊技が終了し、特別図柄の変動が108回を超えた後には、(区間1〜区間2)は、加算値「1」と、特図低確率かつ普図高確率に対応する遊技状態値「1」とにより変動パターン決定値「2」が算出され、変動パターン決定値「2」に対応する変動パターン決定テーブルTBBが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。
【0315】
また、特別図柄の変動が150回に達した後(区間2〜)には、遊技状態が特図低確率、かつ普図低確率に移行するため、151回目の変動からは、異なる変動パターンテーブルが参照されることになる。具体的には、初期オフセット値が「1」であり、遊技状態値が特図低確率、かつ普図低確率に対応する「0」となることから(
図11参照)、選択オフセット値が「1」として算出され、選択オフセット値「1」と対応する事前判定テーブルTB1が参照される(
図8参照)。当該事前判定テーブルTB1と、テーブル切替回数カウンタAとを比較した場合、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値は「0」であるため、加算値が「0」として算出される。また、このときの遊技状態値は「0」であることから変動パターン決定値が「0」として算出される。
よって、特別図柄Bに基づく特別遊技の終了から特別図柄の150回の変動が終了した以降(区間2〜)は、変動パターン決定値「0」に対応する変動パターン決定テーブルTBAが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。なお、本例においても特別図柄の150回の変動が終了した時点で、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「0」となるため、テーブル切替回数カウンタBのカウンタ値(「0」)を参照することはない。
【0316】
以上、特に
図39,
図40の比較から明らかなとおり、本実施形態おいては、同じ特別図柄Bに基づいて特別遊技が実行された場合であっても、当該特別遊技中における特定領域R1への遊技球の通過の有無に応じて変化する遊技状態に対応して、参照される変動パターンテーブルの種類を自在に変更可能な構成である。即ち、従来のパチンコ機のように、特図種別が特別図柄Bであることに基づいて特別遊技後に参照する変動パターンテーブルを例えば変動パターンテーブルTBEとして事前に決定する構成では、本来、特図高確率かつ普図高確率となるべきところが、特別遊技中における不測の事態により、特図低確率かつ普図高確率となった場合に、当該遊技状態に応じた変動パターンテーブルを参照することができず、特別遊技前に設定された変動パターンテーブル(特図高確率かつ普図高確率に対応するテーブル)に基づいて1の変動パターンを決定することとなり、遊技状態の相違を演出表示部45において表現することが困難であった。
【0317】
一方で、本実施形態においては、特別遊技中における特定領域R1への通過有無に応じて最終的に決定される遊技状態と対応する遊技状態値を設定したことにより、不測の事態が生じた場合であっても、異なる遊技状態に応じた異なる変動パターンテーブルを参照することが可能となるため、各遊技状態に対応する変動パターンテーブルの中から1の変動パターンを自在に決定することが可能となり、遊技状態の相違を演出表示部45において適切に表現することが可能となる。具体的には、
図39に示すように、特別図柄Bに基づく特別遊技が実行され、かつ、当該特別遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合には、特別遊技後に参照される変動パターンテーブルが変動パターンテーブルTBE→TBD→TBAと変化するのに対し、
図40に示すように、特別図柄Bに基づく特別遊技が実行され、かつ、当該特別遊技中に遊技球が特定領域を通過しなかった場合には、特別遊技後に参照される変動パターンテーブルが変動パターンテーブルTBC→TBB→TBAと変化するため、特定の変動パターンの選択率を遊技状態に応じて変化させることが可能となる。
【0318】
以下、引き続き
図41〜
図44を参照して、他の特別図柄C〜特別図柄Eに基づく特別遊技が実行された後の流れについて、場合を分けて説明する。
【0319】
図41は、特別図柄Cに基づく特別遊技が実行され、当該特別遊技中において遊技球が特定領域R1を通過した場合を示す図である。一方、
図42は、当該特別遊技中において遊技球が特定領域R1を通過しなかった場合を示す図である。
【0320】
図41に示すように、特別図柄Cに基づく特別遊技が実行され、当該特別遊技中において遊技球が特定領域R1を通過した場合、当該特別遊技後の遊技状態は、特図高確率、かつ普図高確率に設定され、特図高確率の状態は「50回」、普図高確率の状態は「30回」継続することとなる(
図11参照)。
また、この場合における初期オフセット値は「1」に設定され、テーブル切替回数カウンタAの値(テーブル切替回数)が「70」に設定される(
図28参照)。よって、同図に示すように、特別遊技後に遊技回数が30回に達するまで(〜区間1)は、遊技状態が特図高確率、かつ普図高確率であり、その後、遊技回数が50回に達するまで(区間1〜区間2)は、遊技状態が特図高確率、かつ普図低確率であり、その後(区間2〜)、遊技状態が特図低確率、かつ普図低確率に移行する。
【0321】
以上を前提として特図変動パターン決定抽選処理が実行された場合、区間1までは初期オフセット値が「1」であり、遊技状態値が特図高確率、かつ普図高確率に対応する「2」であることから(
図11参照)、選択オフセット値が「3」として算出され、選択オフセット値「3」と対応する事前判定テーブルTB3が参照される(
図8参照)。
ここで、事前判定テーブルTB3には、比較値22に対して加算値「2」が規定され、比較値0FFHに対応して加算値「3」が規定されている。よって、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数(遊技回数)が30回に達するまでは(〜区間1)、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が常に22以上であるため加算値が「3」として算出される。また、このときの遊技状態値は、「2」であることから変動パターン決定値が「5」として算出される。よって、特別図柄Cに基づく特別遊技の終了から特別図柄の30回に達するまでは、変動パターン決定値「5」に対応する変動パターン決定テーブルTBEが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。
【0322】
次に、遊技回数が30回を超えた場合、初期オフセット値が「1」であり、遊技状態値が特図高確率、かつ普図低確率に対応する「3」であることから(
図11参照)、選択オフセット値が「4」として算出され、選択オフセット値「4」と対応する事前判定テーブルTB4が参照される(
図8参照)。ここで、事前判定テーブルTB4には、比較値10に対して加算値「1」が規定され、比較値「0FFH」に対して加算値「2」が規定されている。よって、遊技回数が50回に達するまでの間は、テーブル切替カウンタの値が常に「10」以上であるから、加算値が「2」として算出される。
また、このときの遊技状態値は「3」であることから変動パターン決定値が「5」として算出される。よって、特別図柄の変動が30回を超え、特別図柄の50回に達するまで(区間1〜区間2)は、変動パターン決定値「5」に対応する変動パターン決定テーブルTBEが引き続き参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。また、このとき、変動パターン決定テーブルTBEが引き続き参照されることから、遊技者に対して特図高確率の状態が継続しているかも知れないという示唆を与えることができる。
【0323】
次に、遊技回数が50回となった場合、テーブル切替回数カウンタAの残りのカウンタ値は「20」であり、遊技状態が特図低確率、かつ普図低確率の状態であることから、前述のステップS680−7の処理によりテーブル切替回数カウンタBのカウンタ値が更新(「1」)され、以後1ずつ加算される。また、当該テーブル切替回数カウンタBのカウンタ値は、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「0」になるまでS810−7の処理において継続して参照される。
そして、当該区間(区間2〜区間4)においては、初期オフセット値が「1」であり、遊技状態値が特図低確率、かつ普図低確率に対応する「0」であることから(
図11参照)、選択オフセット値が「1」として算出され、選択オフセット値「1」と対応する事前判定テーブルTB1が参照される(
図8参照)。ここで、事前判定テーブルTB1には、比較値2に対して加算値「6」が規定され、比較値19に対して加算値「7」が規定され、比較値「0FFH」に対して加算値「0」が規定されている。
【0324】
よって、当該区間においては、遊技回数51回目、換言すればテーブル切替回数カウンタBの値が「1」であることに対応して加算値が「6」として算出される。また、遊技回数52回目から69回目、換言すればテーブル切替回数カウンタBの値が「2」〜「18」の範囲であることに対応して加算値が「7」として算出され、遊技回数70回目、換言すればテーブル切替回数カウンタBの値が「19」であることに対応して加算値が「0」として算出される。
【0325】
つまり、特別図柄Cに基づく特別遊技が終了し、特別図柄の51回目の変動は、加算値「6」と、特図低確率かつ普図低確率に対応する遊技状態値「0」とにより変動パターン決定値「6」が算出され、当該変動パターン決定値「6」に対応する変動パターン決定テーブルTBFが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。また、特別図柄の52回目の変動から69回目の変動は、加算値「7」と、特図低確率かつ普図低確率に対応する遊技状態値「0」とにより変動パターン決定値「7」が算出され、当該変動パターン決定値「7」に対応する変動パターン決定テーブルTBGが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。また、特別図柄Cに基づく特別遊技が終了し、特別図柄の70回目の変動は、加算値「0」と、特図低確率かつ普図低確率に対応する遊技状態値「0」とにより変動パターン決定値「0」が算出され、当該変動パターン決定値「0」に対応する変動パターン決定テーブルTBAが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる(不図示)。
【0326】
図42に示すように、特別図柄Cに基づく特別遊技が実行され、当該特別遊技中において遊技球が特定領域R1を通過しなかった場合、当該特別遊技後の遊技状態は、特図低確率、かつ普図高確率に設定され、普図高確率の状態は「30回」継続することとなる(
図11参照)。また、この場合における初期オフセット値は「1」に設定され、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「70」に設定される(
図28参照)。
よって、同図に示すように、特別遊技後に遊技回数が30回に達するまで(区間1まで)は、遊技状態が特図低確率、かつ普図高確率であり、その後(区間1〜)、遊技状態が特図低確率、かつ普図低確率に移行する。
【0327】
以上を前提として特図変動パターン決定抽選処理が実行された場合、区間2までは初期オフセット値が「1」であり、遊技状態値が特図低確率、かつ普図高確率に対応する「1」であることから(
図11参照)、選択オフセット値が「2」として算出され、選択オフセット値「2」と対応する事前判定テーブルTB2が参照される(
図8参照)。
ここで、事前判定テーブルTB2には、比較値42に対して加算値「1」が規定され、比較値0FFHに対応して加算値「2」が規定されている。
よって、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数(遊技回数)が28回に達するまで、換言すればテーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「42回」に達するまでは(〜区間1)、加算値が「2」として算出される。また、このときの遊技状態値は「1」であることから変動パターン決定値が「3」として算出される。つまり、特別図柄Cに基づく特別遊技の終了から特別図柄の変動回数が28回に達するまでは、変動パターン決定値「3」に対応する変動パターン決定テーブルTBCが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。
【0328】
一方、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数(遊技回数)が28回を超えて30回に達するまで、換言すればテーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「40回」に達するまでは(区間1〜区間2)、加算値が「1」として算出される。また、このときの遊技状態値は「1」であることから変動パターン決定値が「2」として算出される。
よって、特別図柄Cに基づく特別遊技の終了から特別図柄の変動回数が28回を超えて30回に達するまでは、変動パターン決定値「2」に対応する変動パターン決定テーブルTBBが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。
【0329】
次に、遊技回数が30回を超えた場合、遊技状態が特図低確率、かつ普図低確率の状態となることから、前述のステップS680−7の処理によりテーブル切替回数カウンタBのカウンタ値が更新(「1」)され、以後1ずつ加算される。
そして、当該区間(区間2〜区間5)においては、初期オフセット値が「1」であり、遊技状態値が特図低確率、かつ普図低確率に対応する「0」であることから(
図11参照)、選択オフセット値が「1」として算出され、選択オフセット値「1」と対応する事前判定テーブルTB1が参照される(
図8参照)。ここで、事前判定テーブルTB1には、前記同様に比較値2に対して加算値「6」が規定され、比較値19に対して加算値「7」が規定され、比較値「0FFH」に対して加算値「2」が規定されている。
よって、上記区間中、区間2〜3においては、遊技回数31回目、換言すればテーブル切替回数カウンタBの値が「1」であることに対応して加算値が「6」として算出される。
また、区間3〜区間4においては遊技回数32回目から49回目、換言すればテーブル切替回数カウンタBのカウンタ値が「2」〜「18」の範囲であることに対応して加算値が「7」として算出される。また、区間4〜区間5においては、遊技回数50回目から70回目、換言すればテーブル切替回数カウンタBのカウンタ値が「19」以上であることに対応して加算値が「0」として算出される。
【0330】
つまり、特別図柄Cに基づく特別遊技が終了し、特別図柄の31回目の変動は、加算値「6」と、特図低確率かつ普図低確率に対応する遊技状態値「0」とにより変動パターン決定値「6」が算出され、当該変動パターン決定値「6」に対応する変動パターン決定テーブルTBFが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。また、特別図柄の32回目の変動から49回目の変動は、加算値「7」と、特図低確率かつ普図低確率に対応する遊技状態値「0」とにより変動パターン決定値「7」が算出され、当該変動パターン決定値「7」に対応する変動パターン決定テーブルTBGが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。また、特別図柄の50回目の変動から70回目の変動は、加算値「0」と、特図低確率かつ普図低確率に対応する遊技状態値「0」とにより変動パターン決定値「0」が算出され、当該変動パターン決定値「0」に対応する変動パターン決定テーブルTBAが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる(不図示)。
【0331】
図43は、特別図柄Dに基づく特別遊技が実行され、当該特別遊技中において遊技球が特定領域R1を通過した場合を示す図である。一方、
図44は、当該特別遊技中において遊技球が特定領域R1を通過しなかった場合を示す図である。
図43に示すように、特別図柄Dに基づく特別遊技が実行され、当該特別遊技中において遊技球が特定領域R1を通過した場合、当該特別遊技後の遊技状態は、特図高確率、かつ普図低確率に設定され、特図高確率の状態は「50回」継続することとなる(
図11参照)。また、この場合における初期オフセット値は「3」に設定され、テーブル切替カウンタの値(テーブル切替回数)が「70」に設定される(
図28参照)。
【0332】
以上を前提として特図変動パターン決定抽選処理が実行された場合、初期オフセット値が「3」であり、遊技状態値が特図高確率、かつ普図低確率に対応する「3」であることから(
図11参照)、選択オフセット値が「6」として算出され、選択オフセット値「6」と対応する事前判定テーブルTB6が参照される(
図8参照)。ここで、事前判定テーブルTB6には、比較値30に対して加算値「0」が規定され、比較値0FFHに対応して加算値「2」が規定されている。よって、特別図柄Dに基づく特別遊技が終了し、特別図柄の変動が40回に達するまでは(〜区間1)、加算値「2」と、特図高確率かつ普図低確率に対応する遊技状態値「3」とにより変動パターン決定値「5」が算出され、変動パターン決定値「5」に対応する変動パターン決定テーブルTBEが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。
【0333】
一方、特別図柄Dに基づく特別遊技が終了し、特別図柄の変動が40回を超え、50回に達するまでは(区間1〜2)、加算値「0」と、特図高確率かつ普図低確率に対応する遊技状態値「3」とにより変動パターン決定値「3」が算出され、変動パターン決定値「3」に対応する変動パターン決定テーブルTBCが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。
【0334】
次に、遊技回数が50回を超えた場合、遊技状態が特図低確率、かつ普図低確率の状態となることから、前述のステップS680−7の処理によりテーブル切替回数カウンタBのカウンタ値が更新(「1」)され、以後1ずつ加算される。
そして、当該区間(区間2〜)においては、初期オフセット値が「3」であり、遊技状態値が特図低確率、かつ普図低確率に対応する「0」であることから(
図11参照)、選択オフセット値が「3」として算出され、選択オフセット値「3」と対応する事前判定テーブルTB3が参照される(
図8参照)。ここで、事前判定テーブルTB3には、同様に比較値22に対して加算値「2」が規定され、比較値0FFHに対して加算値「2」が規定されている。
【0335】
よって、上記区間中、遊技回数が51回目から70回目、換言すればテーブル切替回数カウンタBのカウンタ値が「1」〜「20」の範囲であることに対応して加算値が「2」として算出される。そして、特別図柄の51回目の変動から70回目の変動は、加算値「2」と、特図低確率かつ普図低確率に対応する遊技状態値「0」とにより変動パターン決定値「0」が算出され、当該変動パターン決定値「2」に対応する変動パターン決定テーブルTBBが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。なお、遊技回数71回目以降の説明については省略する。
【0336】
図44に示すように、特別図柄Dに基づく特別遊技が実行され、当該特別遊技中において遊技球が特定領域R1を通過しなかった場合、当該特別遊技後の遊技状態は、特図低確率、かつ普図低確率に設定される(
図11参照)。また、この場合における初期オフセット値は「3」に設定され、テーブル切替カウンタの値(テーブル切替回数)が「70」に設定される(
図28参照)。
【0337】
以上を前提として特図変動パターン決定抽選処理が実行された場合、初期オフセット値が「3」であり、遊技状態値が特図低確率、かつ普図低確率に対応する「0」であることから(
図11参照)、選択オフセット値が「3」として算出され、選択オフセット値「3」と対応する事前判定テーブルTB3が参照される(
図8参照)。ここで、事前判定テーブルTB3には、比較値22に対応して加算値「2」が規定され、比較値0FFHに対応して加算値「3」が規定されている。よって、特別図柄Dに基づく特別遊技が終了し、特別図柄の変動が48回に達するまでは(〜区間1)、加算値「3」と、特図低確率かつ普図低確率に対応する遊技状態値「0」とにより変動パターン決定値「3」が算出され、変動パターン決定値「3」に対応する変動パターン決定テーブルTBCが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。
一方、特別図柄Dに基づく特別遊技が終了し、特別図柄の変動が48回を超え、70回に至るまでは(区間1〜区間2)、加算値「2」と、特図低確率かつ普図低確率に対応する遊技状態値「0」とにより変動パターン決定値「2」が算出され、変動パターン決定値「2」に対応する変動パターン決定テーブルTBBが参照され、変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターンが決定されることとなる。
【0338】
なお、特別図柄Eに基づく特別遊技が実行され、当該特別遊技中において遊技球が特定領域R1を通過した場合、又は通過しなかった場合についても
図43,
図44に示す特図変動パターン決定抽選処理と同様の処理となるため、説明を省略する。
【0339】
以上のとおり、本実施形態においては特別遊技の実行を契機として、特図種別に応じた初期オフセット値、及びテーブル切替回数カウンタAによってカウントされるカウンタ値を所定の値にセットし(
図37参照)、特別遊技後の遊技状態が特図低確率、かつ普図低確率にさらに変更されたこと、かつ、変更時においてテーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「1」以上であることを条件として、当該テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「0」となるまでテーブル切替回数カウンタA残りのカウンタ値をテーブル切替回数カウンタBによりカウントする構成である(
図30(b)参照)。
そして、特図変動パターン決定抽選処理(S800)においては、テーブル切替回数カウンタAのカウンタ値が「0」となるまで、テーブル切替回数カウンタBによってカウントされるカウンタ値に基づいて加算値を算出する構成であるため(
図27(b))、特別遊技後の遊技状態が特図低確率、かつ普図低確率に変更されてから所定の変動回数が経過するまでの間、当該遊技状態に特有の変動パターン決定テーブル(TBF,TBG)を参照することとなるため、当該特有の変動パターン決定テーブルの中から当該遊技状態に特有の特定の変動パターンを決定することができ、遊技状態変更の契機となった特別遊技に対応する特図種別に応じて、特別遊技後(特図低確率かつ普図低確率への変更後)の変動演出のバリエーションを多様とすることができる。
【0340】
以上、主制御装置200よる主要な制御処理について説明したが、演出制御装置300側では、特に主制御装置200から送信される変動パターンコマンドの受信に基づき、変動演出決定処理を実行して演出図柄Sの変動表示を開始し、当該演出図柄Sの変動表示とともに、変動パターンコマンドの種別に応じて各種の変動演出を実行する。以下、演出制御装置300の処理によって決定され、演出表示装置450の演出表示部45上に表示される変動演出の内容について説明するとともに、当該変動演出を実現する演出制御装置300の主要な処理について説明する。
【0341】
[演出図柄について]
特別図柄の変動表示と対応して変動表示される演出図柄Sの一例について概説する。
図45は、演出図柄Sの例を示す図である。
図45(a)に示すように、演出図柄Sは、演出表示部45の表示領域AL;AC;ARにおいて上下方向に変動表示(スクロール表示)される。また、
図45(b)に示すように、演出図柄Sは、例えば1〜8までの数字表記と、各数字に対応した所定の異なるキャラクターCHA1〜CHA8が組み合わされてなる。表示領域AL,AC,ARにおいてそれぞれ変動表示される演出図柄Sは、
図29のステップS620−19でセットされる特図停止指定コマンドを演出制御装置300が受信した場合において、前述の特図当否抽選の結果を示す態様で停止表示される。
例えば、前述の特図当否抽選の結果が「当り」である場合には、
図45(a)に示すように全ての表示領域AL,AC,ARにおいて同一数字及びキャラクターからなる演出図柄S(図示の例では「演出図柄7」)が停止表示されることにより、遊技者に対して特図当否抽選の結果が「当り」であることを報知する。
一方、特図当否抽選の結果が「ハズレ」である場合、最終的に上記組み合わせ以外の演出図柄Sが停止表示されることにより、遊技者に対して特図当否抽選が「ハズレ」であることを報知する。
【0342】
詳細については後述するが、演出制御装置300は、主制御装置200から送信される前述の変動パターンコマンドの受信に基づいて、演出図柄Sの変動表示中における多様な変動演出が表現されるように演出表示装置450を制御する。演出図柄Sに係る画像データ、及び多様な変動演出に係るキャラクターや背景等の画像データは、演出制御装置300のROM300b内に予め格納されている。
【0343】
[変動演出決定用テーブル]
次に、演出図柄Sの変動表示中に表示される変動演出の態様の決定方法について説明する。
図46(a)は、前半変動演出決定テーブルTB1の一例を説明する図であり、
図46(b)は、後半変動演出決定テーブルTB2の一例を説明する図である。本実施形態では、
図9で示した各変動パターンテーブルTBに規定された変動パターンに基づいて、前半変動演出、及び後半変動演出の種別が(内容)が決定される。
【0344】
図46(a)に示すように、演出制御装置300のROM300bには、複数の変動パターン(識別子)それぞれに対応して、前半変動演出の種別が規定された前半変動演出決定テーブルTB1が記憶されている。
そして、演出制御装置300は、変動パターンコマンドを受信すると、例えば0〜249の範囲から1の前半変動演出決定乱数を取得するとともに、受信した変動パターンに対応する前半変動演出決定テーブルTB1をセットする。そして、当該セットされた前半変動演出決定テーブルTB1の中から取得した前半変動演出決定乱数に対応する前半変動演出の具体的態様を決定する。
【0345】
例えば、変動パターン「01H」(弱予告系)と対応する前半変動演出決定テーブルTB1には、当該「弱予告系」の内容(例えば登場キャラクターの種類や登場態様等)がさらに細分化され、それぞれが同一時間尺である「弱予告1」〜「弱予告3」までの前半変動演出種別が規定されており、各前半変動演出種別に対応して、識別子としての前半変動演出番号が規定されている。また、各前半変動演出種別には、250個の前半変動演出決定乱数が所定の割合で割り当てられている。
【0346】
また同様に、例えば変動パターン「04H」(疑似3予告系)と対応する前半変動演出決定テーブルTB1には、当該「疑似3予告系」の内容がさらに細分化され、それぞれが同一時間尺である「疑似3予告演出1」〜「疑似3予告演出4」までの前半変動演出種別が規定されており、各前半変動演出種別に対応して前半変動演出番号が規定されているとともに、各前半変動演出種別に対応して250個の前半変動演出決定乱数が所定の割合で割り当てられている。
このように、演出制御装置300側では、主制御装置200側で決定された変動パターンに従って、当該変動パターンごとに対応付けられた前半変動演出決定テーブルTB1を参照することにより、より細分化かつ具体化された前半変動演出の内容を決定し、当該決定された前半変動演出を変動表示部45に表示させる。
【0347】
図46(b)に示すように、演出表示装置450のROM300bには、複数の変動パターン(識別子)に対応して、後半変動演出の種別が規定された後半変動演出決定テーブルTB2が記憶されている。そして、演出制御装置300は、変動パターンコマンドを受信すると、例えば0〜249の範囲から1の後半変動演出決定乱数を取得するとともに、変動パターンに対応する後半変動演出決定テーブルTB2をセットする。そして、当該セットされた後半変動演出決定テーブルTB2の中から取得した後半変動演出決定乱数に対応する後半変動演出の具体的態様を決定する。
【0348】
例えば、変動パターン「06H」(スーパーA系)と対応する後半変動演出決定テーブルTB2には、当該「スーパーA」の内容(例えば登場キャラクターの種類や、カットイン演出の有無等)がさらに細分化され、それぞれが同一時間尺である「スーパーA演出1」,「スーパーA演出2」までの後半変動演出種別が規定されており、各後半変動演出種別に対応した後半変動演出番号が割り当てられているとともに、各演出種別に対して250の後半変動演出決定乱数が所定の割合で割り当てられている。
【0349】
また、同じく変動パターン「09H」(スーパーD系)と対応する後半変動演出決定テーブルTB2には、当該「スーパーD」の内容がさらに細分化され、それぞれが同一時間尺である「スーパーD演出1」〜「スーパーD演出3」の後半変動演出種別が規定されており、各後半変動演出種別に対して250の後半変動演出決定乱数が所定の割合で振分けられている。
【0350】
このように、演出制御装置300側では、主制御装置200側で決定された変動パターンに従って、当該変動パターンごとに対応付けられた後半変動演出決定テーブルTB2を参照することにより、より細分化かつ具体化された後半変動演出の内容を決定し、当該決定された後半変動演出を変動表示部45に表示させる。
また、上記前半変動演出テーブルTB1及び後半変動演出テーブルTB2に規定された内容から明らかなとおり、本実施形態では、主制御装置200側で決定された変動パターンが異なれば決定される前半変動演出及び後半変動演出が異なる構成であるため、主制御装置200において遊技状態及びテーブル切替回数を加味して決定された変動パターンと対応するバリエーションに富んだ前半変動演出及び後半変動演出が表現されることとなり、遊技者は遊技状態に特有、或いは出現傾向の高低が存在する前半変動演出及び後半変動演出を視認しながら遊技を楽しむことが可能となる。
【0351】
[演出制御装置300のCPU初期化処理]
図47は、演出制御装置300のサブCPU初期化処理(S1500)を説明するフローチャートである。
【0352】
(ステップS1500−1)
CPU300aは、電源投入に応じて、ROM300bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、RAM300cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
【0353】
(ステップS1500−3)
次に、CPU300aは、演出の決定に関わる各種の演出決定乱数(前半変動演出決定乱数,後半変動演出決定乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1500−3の処理を繰り返し行う。
【0354】
[演出制御装置300のサブタイマ割込み処理]
図48は、演出制御装置300のサブタイマ割込み処理(S1600)を説明するフローチャートである。演出制御装置300には、所定の周期でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、CPU300aはタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。
【0355】
(ステップS1600−1)
CPU300aは、レジスタを退避する。
【0356】
(ステップS1600−3)
CPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
【0357】
(ステップS1600−5)
CPU300aは、演出制御装置300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該演出制御装置300のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
【0358】
(ステップS1700)
CPU300aは、RAM300cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。演出制御装置300においては、主制御装置200から前述した種々のコマンドが送信されると、コマンド受信割込み処理(図示せず)が行われ、主制御装置200から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込み処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
【0359】
(ステップS1800)
CPU300aは、前述の変動演出の経過時間を計時するとともに、変動演出(前半変動演出,後半変動演出)ごとにセットされるタイムテーブルを参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行う。このタイムスケジュール管理処理の詳細は後述する。
【0360】
(ステップS1600−7)
CPU300aは、RAM300cの送信バッファにセットされているコマンド(内部コマンド)や各種のデータを演出表示部45の画像制御のためのVDP、音声制御のための音声合成LSI、或いはLEDの点灯制御のための制御基板等へ送信,出力する。
【0361】
(ステップS1600−9)
CPU300aは、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
【0362】
[変動パターンコマンド受信処理]
図49は、
図48のステップS1700のコマンド解析処理のうち、上記変動パターンコマンドを受信した際に実行される変動パターンコマンド受信処理(S1750)を説明するフローチャートである。変動パターンコマンドは、主制御装置200において、
図27のステップS800−15でセットされた後、
図17のステップS100−39のサブコマンド送信処理によって演出制御装置300に送信される。
【0363】
(ステップS1750−1)
変動パターンコマンドを受信すると、CPU300aは、受信した変動パターンコマンドを解析する。
【0364】
(ステップS1750−3)
CPU300aは、上記ステップS1500−3で更新された前半変動演出決定乱数(0〜249)を取得するとともに、変動パターンコマンドの識別子と対応する前半変動演出決定テーブルTB1を参照して、複数の前半変動演出種別の中から当該取得した前半変動演出決定乱数に対応する1の前半変動演出種別(前半変動演出番号)を選択,決定する。なお、本例においては、前半変動演出決定乱数に基づいて1の前半変動演出種別(前半変動演出番号)を選択,決定するようにしたが、変動パターンコマンドの種類によっては、前半変動演出決定乱数に基づくことなく、現在の遊技状態によって1の前半変動演出種別(前半変動演出番号)を選択,決定するようにしても良い。
【0365】
(ステップS1750−5)
CPU300aは、上記ステップS1500−3で決定された具体的な前半変動演出を実行するための前半変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。
ここでセットされた前半変動演出実行コマンドには、前半変動演出番号が含まれ、前半変動演出実行コマンドがVDPに対する内部コマンドとして送信されることにより、VDPによって、前半変動演出番号に対応する前半変動演出を表示するための画像表示制御がなされる。また、演出制御装置300は、前半変動演出実行コマンドに対応する音声出力制御、可動体駆動制御、或いは発光制御を同時に実行する。
【0366】
(ステップS1750−7)
CPU300aは、上記ステップS1500−3で更新された後半変動演出決定乱数(0〜249)を取得するとともに、変動パターンコマンドの識別子と対応する後半変動演出決定テーブルTB2を参照して、複数の後半変動演出種別の中から当該取得した後半変動演出決定乱数に対応する1の後半変動演出種別(前半変動演出番号)を選択,決定する。
【0367】
(ステップS1750−9)
CPU300aは、上記ステップS1750−7で決定された具体的な後半変動演出を実行するための後半変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた後半変動演出実行コマンドには、後半変動演出番号が含まれ、後半変動演出実行コマンドがVDPに対する内部コマンドとして送信されることにより、VDPによって、後半変動演出番号に対応する後半変動演出を表示するための画像表示制御がなされる。また、演出制御装置300は、後半変動演出実行コマンドに対応する音声出力制御、可動体駆動制御、或いは発光制御を同時に実行する。
【0368】
(ステップS1750−11)
CPU300aは、上記各ステップで決定された前半変動演出種別及び後半変動円周種別に対応するタイムテーブルのデータをセットして処理を移す。以後、当該タイムテーブルに従ってVDPに所定の内部コマンドを送信することにより、前半変動演出中及び後半変動演出中に所定の画像表示が逐次表示される。
【0369】
(ステップS1750−13)
CPU300aは、変動演出(前半変動演出+後半変動演出)の実行時間を計時すべく、変動時間計時タイマをリセットし、変動パターンコマンド受信処理を終了する。なお、ここでリセットされた変動時間計時タイマは、ステップS1800のタイムスケジュール管理処理において、タイマ割込み処理のたびにカウンタ値が加算され、これによって変動演出の実行時間が計時されることとなる。
【0370】
[タイムスケジュール管理処理]
図50は、タイムスケジュール管理処理(ステップS1800)を説明するフローチャートである。
【0371】
(ステップS1800−1)
CPU300aは、変動時間計時タイマのカウンタ値を加算し、変動演出の実行時間を更新する。
【0372】
(ステップS1800−3)
CPU300aは、変動演出の実行中においてセットされるタイムテーブルを参照し、現在の変動演出の実行時間に応じて、各種のコマンドを送信バッファにセットしたり、各種のフラグをON/OFFしたりする制御処理を実行する。なお、前半変動演出番号及び後半変動演出番号に対応するリーチ図柄指定コマンドや停止図柄指定コマンド等が現在の変動演出の実行時間に応じて送信バッファにセットされ、VDP側ではこれらのコマンドを受信することによって、3つの演出図柄Sのうち、2つの演出図柄Sを同一の数字で仮停止させるリーチを表現することや、変動時間の終期において3つの演出図柄Sを停止させる停止表示に係る表示制御を実行する。
【0373】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に何ら限定されることはなく、実施形態を組み合わせて多様な変更、改良を行い得ることが当業者において明らかである。また、そのような多様な変更、改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0374】
上記実施形態において、
図23のステップS535−13の処理を実行するCPU200aが乱数取得手段を構成する。また、
図26のステップS610−9の処理を実行するCPU200aが本発明に係る当否抽選手段を構成する。また、
図26のステップS610−11の処理を実行するCPU200aが本発明に係る図柄種別決定手段を構成する。
また、
図26のステップS800の処理を実行するCPU200aが本発明に係る変動パターン決定手段を構成する。また、
図31〜
図35の処理を実行するCPU200aが特別遊技実行手段を構成する。また、
図30のS630−7、及び
図36の処理を実行するCPU200aが遊技状態設定手段を構成する。また、
図37の処理を実行するCPU200aがテーブル切替回数設定手段を構成する。